JP2015232669A - 撮像装置の光学フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】光学フィルタの最前面に付着した異物を効率的に除去しつつ、光学ローパスフィルタを構成する水晶の枚数を削減した撮像装置の光学フィルタを提供すること。【解決手段】第一の光学要素と第二の光学要素から成り、第一の光学要素は入射光軸に沿った一方向に複屈折を生じる透明材料であって、第二の光学要素は少なくとも赤外吸収フィルタを含む光学素子から成り、該第二の光学素子の一方の面にローパス効果を持つように複数の配向方向から成る液晶分子を第一の光学要素の複屈折方向と同方向にストライプ状に構成した液晶層を有することを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば撮像素子における被写界像の擬似信号による偽色発生を抑制するために撮像素子と撮影レンズとの間に配置される光学ローパスフィルタを有する撮像装置及び光学フィルタに関する。
従来からデジタルカメラ等の撮像装置において、光学ローパスフィルタ及び赤外吸収フィルタを有する光学フィルタが撮像素子の前面に配置されている。光学ローパスフィルタは、CCDやCMOS等よりなる撮像素子における被写界像の擬似信号による偽色発生を抑制する。また、赤外吸収フィルタは、撮像素子の感度を人間の視感度に近似させる。
この光学ローパスフィルタとして、複数枚で構成された水晶板等による複屈折作用を利用したものが広く使われている。
一般的に撮像素子の画素に対応したカラーフィルタの配列は、RGBGの4画素からなるベイヤー配列を基本としている。光学ローパスフィルタにスポットの1点ビームを入射させたとき、4点のビームに分離する、いわゆる4点点像分離を行うことによって撮影画像における偽色の発生を軽減している。
図8、図9は、4点点像分離を行うために4枚の光学部材を貼り合わせた一般的な光学フィルタの構成を示したものであり、図8はフィルタ保持構造を含めた断面図、図9はフィルタの点像分離状態を示す斜視図である。図8、図9において300は水晶等の複屈折材料であり、フィルタに入射した1点のビームを水平方向に2点分離するための回転角0°の複屈折水晶板が用いられる。301は赤外吸収フィルタであり、CMOS等の撮像素子の分光感度と人間の視感度を概一致させるためのものである。302は水晶からなる偏光解消板(λ/4波長板)であり、複屈折水晶板300を通過して水平2点に分離した直線偏光光線の偏光解消を行う。303は回転角90°の複屈折水晶板であり、偏光解消板302によって偏光解消された2点の水平方向に分離したビームは複屈折水晶板303を通ることでさらに上下方向への点像分離がなされる。かかる光学フィルタにより、撮像素子106には最終的には4点に点像分離した被写体光が入射することとなり、撮影画像の偽色発生を軽減している。なお、複屈折水晶板303は撮像素子106の受光部106aをパッケージ部106b内部に封止するためのカバー部材にもなっている。
図10は、撮像素子106のカバー部材がガラスになった場合の光学フィルタの構成断面図である。図10の構成との差はカバーガラス310が撮像素子パッケージ106bに貼りつけられていることにあり、点像分離状態は、前記図9に準じた4点点像分離となる。ここで撮像素子106のカバー部材に水晶を用いるか、ガラスを用いるかは、撮像素子パッケージ106bの材質、つまりは線膨脹係数に依存しており、温度変化による剥がれを防ぐために線膨脹係数の近いカバー部材が選択される。カバー部材にガラスが選択された場合、複屈折板303は必然的に偏光解消板302とカバーガラス310の間に配置されることとなり、通常は、赤外吸収フィルタ301、偏光解消板302、複屈折板303から成る3枚の貼り合せフィルタにて構成される。しかしながらこの構成は、カバーガラス310の厚みが増えただけ撮影光軸上のスペースを圧迫するとともに部品点数が増え、コスト的にも高いものになってしまう。
さらに撮影レンズ側の複屈折水晶板300の表面には、40層程度の蒸着物質から成るUV−IRカットコート401が配され、赤外吸収フィルタ301の波長吸収特性との相互作用により、撮像素子106に入射する所望の分光透過率が得られるようになっている。さらに、被写界光路において各媒質の界面における反射光を低減するために、各光学フィルタの表面(UV−IRカットコート面を除く)には反射防止のためのARコート(不図示)が配される。
前記説明を行った光学フィルタの最前面は、空気中に露呈しているために、浮遊する塵埃やカメラ内部で発生する塵等の異物が付着してしまうことは避けられない。その結果、撮像された画像に該異物が映り込んでしまい、画像としての品位を低下させることがあった。そこで、光学フィルタへの異物付着を予防したり、光学フィルタに付着した異物を除去したりするためには、光学フィルタに振動を加えて異物を振り落とす方式を用いることが有効である。
光学フィルタに付着した異物を振り落とす方式に関しては、特許文献1において、光学ローパスフィルタを圧電素子と密着配置し、光学ローパスフィルタを圧電素子の伸縮運動に追従させる提案がなされている。
また光学ローパスフィルタに用いられる水晶は、振動減衰の少なさを示すQ値が高く振動しやすく、任意の安定した周波数を得ることができるため、異物除去の振動対象として好適である。
一方では、特許文献2のように高価な水晶に代わる光学フィルタとして、ガラス等の基板上に液晶分子を規則的に配向させた位相型回折格子タイプの光学ローパスフィルタが提案されている。これによれば光学ローパスフィルタとしての水晶は不要とすることができる。
以上のことより、光学フィルタの最前面に付着した異物を効率的に除去しつつ、水晶の枚数を削減した光学フィルタの構成が望まれることとなる。
本発明の光学フィルタは、第一の光学要素と第二の光学要素から成り、第一の光学要素は入射光軸に沿った一方向に複屈折を生じる透明材料であって、第二の光学要素は少なくとも赤外吸収フィルタを含む光学素子から成り、該第二の光学素子の一方の面にローパス効果を持つように複数の配向方向から成る液晶分子を第一の光学要素の複屈折方向と同方向にストライプ状に構成した液晶層を有することを特徴とする撮像装置の光学フィルタを提供することにより上記問題の解決を図るものである。
本発明によれば、光学フィルタの最前面に付着した異物を効率的に除去しつつ、光学ローパスフィルタを構成する水晶の枚数を削減した撮像装置の光学フィルタを提供することによって、撮像装置の撮影光軸方向の省スペース化、及び光学フィルタのコストダウンに寄与することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(実施の形態)
図5は、本発明を適用した実施例のデジタル一眼レフカメラの概略構成を示す図である。同図において、101はCPU(中央演算処理装置)であり、本デジタルカメラの動作を制御する。
(実施の形態)
図5は、本発明を適用した実施例のデジタル一眼レフカメラの概略構成を示す図である。同図において、101はCPU(中央演算処理装置)であり、本デジタルカメラの動作を制御する。
105は撮影レンズであり、撮影被写界光を撮像素子106上に結像させる。撮影レンズ105は、カメラの本体に着脱可能なレンズユニットに内蔵されている。106はCMOSに代表される撮像素子である。133は撮影レンズ105から撮像素子106に到達する撮影被写界の光量を制御するフォーカルプレーンシャッタである。
121は半透過メインミラー、122はサブミラーであり、撮影被写界光はその一部が半透過メインミラー121、サブミラー122によって公知の位相差方式焦点検出ユニットに導かれる。これにより、撮影レンズ105にて結像された被写界光のピントが撮像素子106の受光面に対してどの方向に、どれ位ずれているか、いわゆるデフォーカス量として検出することができる。位相差方式焦点検出ユニットにおいて、123はフィールドレンズ、124は2次結像レンズ、119は焦点検出用のCMOSラインセンサであり、ファインダ画面上の縦横3×5の計15ヶ所からなる領域の焦点検出が可能となっている。
125はレンズユニット内に設けられた撮影レンズ駆動制御部である。上記算出されたデフォーカス量に対して、撮影レンズ105のレンズ駆動敏感度(レンズ固有の制御の細かさ)を考慮し、CPU101は撮影レンズ駆動制御部125に撮影レンズ105の駆動させるための駆動量パルスを送る。撮影レンズ駆動制御部125は、送られてきたパルスに応じてパルスモータを駆動させ、撮影レンズ105を合焦位置に駆動させることで自動焦点調節を行う。
126は接眼レンズ、127は像反転させるための光学反転手段であるペンタプリズム、128は撮影レンズ105の撮像素子106結像面と等価の結像面に置かれたピント板である。撮影レンズ105を通った被写界光は、半透過メインミラー121で反射されピント板128に結像する。ペンタプリズム127、接眼レンズ126を通じてカメラの撮影者はピント板128に結像した被写界像を見ることのできる、いわゆるTTL方式の光学ファインダ構成となっている。
130は結像レンズ、131は撮影被写界の可視光の輝度を測定する測光センサである。結像レンズ130によって、ピント板128上に結像された被写界像が測光センサ131上に2次結像される。測光センサ131は、縦×横、各々3×5に分割された受光領域を有しており、カメラのファインダ視野(被写界領域)の主要領域を3×5の領域に分割して測光することができる。
Fは光学フィルタであり、撮影レンズ105と撮像素子106の間に配置され、該撮像素子106に導かれる光束の高周波成分を減衰するとともに、光束の赤外波長成分をカットする。光学フィルタFは、詳しくは後述するが、複数の光学部材300、301、311から構成される。撮影レンズ105側に配置された複屈折水晶板300は、外部から振動が与えられることで表面に付着した塵埃等の異物除去を行う。132はTFTカラー液晶からなる外部表示部である。
撮影者がレリーズSW114(図6を参照)を押下すると、メインミラー121は撮影レンズ105の光路外に退避し、撮影レンズ105によって集光された被写界光はフォーカルプレーンシャッタ133で光量制御がなされる。そして、撮像素子106によって被写界像として光電変換処理表示された後、画像データとしてフラッシュメモリ等の記録媒体に記録される。一方では、撮影済み画像として表示部132に表示される。
図6は、本実施例のデジタル一眼レフカメラの概略構成を示す電気ブロック図であり、図5に示した構成要素と同一のものには同一の符号を付して説明する。CPU101には、制御プログラムを記憶しているROM(リードオンリーメモリ)102、RAM(ランダムアクセスメモリ)103、データ格納手段104、画像処理部108、振動制御部109、LCD制御部111、レリーズSW114、DC/DCコンバータ117、焦点検出制御部120、レンズ駆動部125、測光センサ131が接続する。
画像処理部108には、撮像素子制御部107、さらには撮像素子106が接続する。撮像素子106は、有効画素数約2000万画素(5472×3648)を有する。LCD制御部111には、表示駆動部112、さらには表示部132が接続する。表示部132は、撮像素子106で撮像された画像を変換処理した約92万ドット(VGA:640×480画素)からなる画像を表示する。DC/DCコンバータ117には、電源を供給する電池116が接続する。
光学フィルタFの撮影レンズ105側に配置された複屈折水晶板300には、振動素子(ピエゾ圧電素子)305が接着固定されており、異物除去のために振動を発生する加振手段となっている。振動制御部109は、振動素子305を振動させるための回路を含む。振動素子305の制御については、特許文献1に詳細がかかれており、本発明とは直接の関係はないのでここでは省略するが、CPU101が振動制御部109に命令を行って振動制御を行っている。
CPU101は、ROM102内の制御プログラムに基づいて各種制御を行う。これらの制御の中には、画像処理部108から出力された撮影画像信号を読み込み、RAM103へDMA転送を行う処理がある。また、RAM103より表示駆動部112へデータをDMA転送する処理がある。また、画像データをJPEG圧縮しファイル形式でデータ格納手段104へ格納する処理がある。さらに、CPU101は、撮像素子106、撮像素子制御部107、画像処理部108、LCD制御部111等に対してデータ取り込み画素数やデジタル画像処理の変更指示を行う。
焦点検出制御部120は、焦点検出用の一対のCMOSラインセンサ119から得た電圧をA/D変換して、CPU101に送る。また、CPU101の指示の下で、焦点検出制御部120はCMOSラインセンサ119の蓄積時間とAGC(オートゲインコントロール)の制御も行う。CPU101は、焦点検出制御部120から送られてきた信号を処理することで、主要被写体に対する現在の焦点検出状態から主要被写体が合焦に至るためのレンズ駆動量を算出し、撮影レンズ駆動部125に指示を与える。撮影レンズ駆動部125は、該指示に基づいて撮影レンズ105の中の焦点調節レンズを移動させることで、主被写体にピントを合わせることが可能となっている。
測光センサ131は、被写界の輝度を検出して、CPU101に信号を送る。CPU101は、この輝度情報に基づいてカメラの露光量を算出し、シャッタ秒時、撮影レンズ105の絞り値のいずれか、或いは両方を決定する。
CPU101は、レリーズSW114の操作に伴う撮影動作の指示、さらに各素子への電源の供給をコントロールするための制御信号をDC/DCコンバータ117に対して出力する処理等も制御する。
RAM103は、画像展開エリア103a、ワークエリア103b、VRAM103c、一時退避エリア103dを備える。画像展開エリア103aは、画像処理部108より送られてきた撮影画像(YUVデジタル信号)やデータ格納手段104から読み出されたJPEG圧縮画像データを一時的に格納するためのテンポラリバッファとして使用される。また、画像圧縮処理、解凍処理のための画像専用ワークエリアとして使用される。ワークエリア103bは、各種プログラムのためのワークエリアである。VRAM103cは、表示部132へ表示する表示データを格納するVRAMとして使用される。また、一時退避エリア103dは各種データを一時退避させるためのエリアとして使用される。
データ格納手段104は、CPU101によりJPEG圧縮された撮影画像データ、或いはアプリケーションより参照される各種付属データ等をファイル形式で格納しておくためのフラッシュメモリである。
撮像素子制御部107は、撮像素子106に転送クロック信号やシャッタ信号を供給するためのタイミングジェネレータ、撮像素子出力信号のノイズ除去、ゲイン処理を行うための回路、アナログ信号を10ビットデジタル信号に変換するためのA/D変換回路等を含む。
画像処理部108は、撮像素子制御部107より出力された10ビットデジタル信号をガンマ変換、色空間変換、ホワイトバランス、AE、フラッシュ補正等の画像処理を行い、YUV(4:2:2)フォーマットの8ビットデジタル信号出力を行う。
LCD制御部111は、画像処理部108から転送されたYUVデジタル画像データ、或いはデータ格納手段104の中の画像ファイルに対してJPEGの解凍を行ったYUVデジタル画像データを受け取る。そして、RGBデジタル信号へ変換した後、表示駆動部112に出力する処理を行う。表示駆動部112は、表示部132を駆動するための制御を行う。
レリーズSW114は、撮影動作の開始を指示するためのスイッチである。レリーズSW114は、不図示のレリーズボタンの押下圧によって2段階のスイッチポジションがある。1段目のポジション(SW1−ON)の検出で、ホワイトバランス、AE等のカメラ設定のロック動作が行われ、2段目のポジション(SW2−ON)の検出で、被写界画像信号の取り込み動作が行われる。
電池116は、リチャーチャブルの2次電池或いは乾電池である。また、DC/DCコンバータ117は、電池116からの電源供給を受け、昇圧、レギュレーションを行うことにより複数の電源を作り出し、CPU101を初めとする各素子に必要な電圧の電源を供給する。DC/DCコンバータ117は、CPU101の制御の下で、各々の電圧の供給開始、停止を制御できるようになっている。
次に、図7を参照して、本実施例のデジタル一眼レフカメラの動作について説明する。以下の各動作は、CPU101が、ROM102に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
まずカメラの不作動状態から不図示の電源スイッチがONになり、カメラの電源がONされると(ステップS200)、塵埃等の異物除去のために、光学フィルタFの複屈折水晶板300を振動素子305によって加振する(ステップS201)。
また、レリーズボタンが押し込まれてレリーズSW114のSW1がONされるまで待機する(ステップS202)。ステップS202においてSW1がONされた場合、測光センサ131より撮影被写界を3×5に分割した被写界輝度情報を得た後、メモリに記憶する(ステップS203)。また、ステップS203において得られた被写界輝度情報に基づいて、所定の測光アルゴリズム演算に従ってカメラの露出値である撮影レンズの絞り値とシャッタ秒時を決定する。測光センサ131から得られる各々3×5の輝度情報から最適露出値算出を行うアルゴリズムは、単純な加算平均でも良いし、下記ステップS206で決定される焦点検出領域に対応した測光領域に最大の重み付けを行った演算でも良い。
次に、カメラの焦点検出領域選択モードが手動モードに設定されているか否かの判定を行う(ステップS204)。手動モードに設定されている場合、撮影者が不図示のスイッチダイヤル操作で複数の焦点検出領域の内の1個を選択する任意選択が可能である。一方、焦点検出領域自動モードに設定されている場合、位相差方式焦点検出ユニットの15個の焦点検出領域表示部に対応した焦点検出領域におけるデフォーカス量を基に、焦点検出領域自動選択サブルーチンによって前記15個の焦点検出領域内の1個を選択する(ステップS205)。焦点検出領域自動選択のアルゴリズムとしてはいくつかの方法が考えられるが、多点AFカメラでは公知となっている中央焦点検出領域に重み付けを置いた近点優先アルゴリズムが有効である。このように焦点検出領域選択モードが、手動モード或いは自動モードに設定されていても、結果的に一つの焦点検出領域が決定される(ステップS206)。
次に、ステップS206において決定した焦点検出領域で得られた焦点検出ずれ量(デフォーカス量)とカメラに装着された撮影レンズ105のレンズ駆動敏感度から最終的に求めるべきレンズ繰り出し量を決定する。そして、レンズ駆動を行う前の状態でCMOSラインセンサ119の信号に従って撮影レンズ駆動制御部125に信号を送って所定量撮影レンズ105を駆動する(ステップS207)。
一方、ステップS206において決定した焦点検出領域に対応した焦点検出領域表示部(不図示)が点灯し、被写界領域のどこに撮影レンズ105の焦点が合っているのかの表示を行う。撮影者が合焦表示がなされた状態のファインダ視野を見て、引き続きSW1がONされ続けられ(ステップS208)、さらにレリーズボタンを押し込んでSW2がONされた場合(ステップS209)、不図示のシャッタ制御部、絞り駆動部、撮像素子制御部107に信号を送信して、公知の撮影動作を行う(ステップS210)。
ステップS208においてSW1がOFFと判断された場合は、ステップS202に戻って、SW1のON待ちの状態となる。また、ステップS209においてSW2がONでない場合、ステップS208に戻って、SW2のON待ちの状態となる。
撮影動作は、まず不図示のモータ制御部を介してモータに通電して半透過メインミラー121をアップさせ、撮影レンズ105の絞りを絞り込む。その後、シャッタ133のマグネットに通電し、シャッタ133の先幕を開放することで撮像素子106への被写界光の蓄積が開始される。所定のシャッタ秒時経過後、マグネットに通電し、シャッタ133の後幕が閉じることで撮像素子106への被写界光の蓄積が終了する。次にモータに再度通電がなされ、メインミラーダウン、シャッタチャージを行い、一連のシャッタレリーズシーケンスの動作(撮影動作)が終了する。かかる動作により、撮像素子106には被写界像からの光量が蓄積されることになる。
以上のステップS210の撮影動作によって、撮像素子106に露光された被写界像は光電変換がなされ、画像処理部108にて2000万画素のデジタルデータに変換された後、RAM103aに一時的に格納される。RAM103aに格納された2000万画素画素の画像デジタルデータは、表示部132に表示するためにVGAの画像データに変換され、表示用のVRAM103cに再格納される。VGAの画像データが表示部132に表示されることで、撮影者は撮影された画像を確認することができる。一方、RAM103aに格納された2000万画素の画像デジタルデータは、JPEG圧縮処理された後、画像データとしてデータ格納手段104(コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記録媒体)に記録される(ステップS211)。
次に、SW1のON/OFFを判定し(ステップS212)、その間画像を表示し続ける。SW1がONされたままである場合、表示部132の全体画像表示を消灯し、ステップS209に戻り、SW2のON待ちの状態となる。SW1がOFFされた場合、ステップS202に戻り、SW1のON待ちの状態となる。
以下、図1、2および図3を参照して、光学フィルタFについての詳細な説明を行う。
図1は、光学フィルタF及び撮像素子106周辺の断面拡大図であり、図2は該光学フィルタFの斜視図である。本実施例のデジタル一眼レフカメラは、撮像素子のカラーフィルタの配列(ベイヤー配列)における撮影画像の偽色発生を抑制するために4点点像分離を行う光学ローパスフィルタ構成を採用している。
図1は、光学フィルタF及び撮像素子106周辺の断面拡大図であり、図2は該光学フィルタFの斜視図である。本実施例のデジタル一眼レフカメラは、撮像素子のカラーフィルタの配列(ベイヤー配列)における撮影画像の偽色発生を抑制するために4点点像分離を行う光学ローパスフィルタ構成を採用している。
図2において、300は回転角0°の複屈折水晶板であり、被写界からの光線を水平方向に2つに分離する(水平2点分離)。水晶の複屈折作用による光線分離幅は、切り出し角度45°の水晶厚み1mmにつき約5.87μであることから、最適なローパス効果を出すために必要な分離幅を得るためには、水晶の厚みをこの値に比例倍することによって簡易的に算出することができる。ここで複屈折水晶板300が第一の光学要素を構成している。301は赤外吸収フィルタであり、撮像素子106の分光感度と人間の視感度を概一致させる役目を持つ。311は透明ガラスであり、赤外吸収フィルタ301と貼り合わされたフィルタ、第二の光学要素を構成している。
一方、複屈折水晶板300の撮影レンズ105側の表面に付着する塵埃等の異物を除去するために、該複屈折水晶板300に振動を行わせる振動素子305(加振動手段)が複屈折水晶板300上端部に接着固定されている。振動素子305は、圧電体と内部電極とを交互に積層してなる積層型の圧電素子であり、積層方向により大きな振幅(変位)を発生するため、複屈折水晶板300を撮影光軸に直交する方向に大きく振動変位させることができる。
次にフィルタ保持部材307と複屈折水晶板300との間に介在させた弾性部材304は、エラストマー(高分子物質)で形成されている。306はバネ性を有した金属板から成る押圧部材であり、押圧部材306が複屈折水晶板300を弾性部材304に押圧することにより複屈折水晶板300はローパスフィルタ保持部材307に対し浮遊保持される。これによって圧電素子305の伸縮に追従した複屈折水晶板300の振動が許容されるとともに、振動により複屈折水晶板300が傷つくことが防止される。また同時に複屈折水晶板300は、周囲四辺の近傍で、ローパスフィルタ保持部材307に対して弾性部材304を介して隙間がないように密閉されている。308は粘着シートであり、第一の光学要素と第二の光学要素で構成されるフィルタユニットと撮像素子106の保護部材であるカバーガラス310との間に埃、塵が入らないように密着固定するためのものである。
ここで赤外吸収フィルタに対向した透明ガラス311の表面には、液晶層312が形成されている。図3に示すように、液晶層312は複数の方向に液晶分子を配向させたものであり、液晶層312の下部にある高分子樹脂からなる配向層313のラビング方向に沿ってその方向を制御することができる。特許文献2によれば、例えば液晶層312aを水平方向である0°、液晶層312bを−60°、液晶層312cを+60°と互いに隣接した液晶分子層を60°ずつ異ならせて、透明ガラス311にストライプ状に構成し、さらにはこれら3つの液晶層パターンを垂直方向に周期的に配置することで位相型回折格子として機能させることが可能である。前記回転角0°の複屈折水晶板300で2つの水平方向に分離した光線は、水平方向に直線偏光した常光線と、垂直方向に直線偏光した異常光線となる。これらは点像分離方向と同方向にストライプ状に構成された液晶層312を通過すると、各々回転方向が異なる円偏光への変換を伴った上下方向へ光線分離がなされ、結果的に4つの光線になる。よって被写体像を1点の点像とすると撮像素子106の受光面106aには4点に分れた分離点像が形成されることとなる。
つまり、従来4点の点像分離を行うためには、回転角0°複屈折水晶板、同90°複屈折板とその間に偏光解消用の計3枚の水晶板を必要としていたのに対し、本実施例の構成では、異物除去のために振動させられる0°複屈折水晶板1枚と該複屈折板と撮像素子受光部106aの間に存在する光学部材基板上に形成された液晶層のみで済むことになる。
また、本実施例では、異物除去と2点点像分離のために回転角0°複屈折水晶板300を用いているが、これを回転角90°複屈折水晶板にした場合も同様である。図4に示すように、前記液晶層312を回転角90°複屈折水晶板の点像分離方向と同方向、つまり透明ガラス311の面内垂直方向にストライプ状に構成することで前記同等の4点点像分離効果を得られることは言うまでもない。
本実施例では透明ガラス311の赤外吸収フィルタ301側の表面に液晶層312を構成しているが、もしも液晶層312が外界に露出している状態でカメラに配置するとカメラの組立工程において液晶面にキズがつく可能性が高い。さらには液晶層312の表面に反射防止コートを施すとなると、温度環境下含めてコートの剥がれ等、信頼性に懸念がある。そこで歩留まりを考えて高価な赤外吸収フィルタ301よりも、安価な透明ガラス板311上に液晶層312を構成し、その後に赤外吸収フィルタ301と貼り合わせることが望ましい。これによって液晶層を直接外界にさらすことがなく、カメラの組立作業上での取り扱い易さと信頼性の向上を図っている。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば液晶層312を撮像素子106のカバーガラス310の表面(外界側)に構成して、赤外吸収フィルタ301と貼り合わせる構成にすることも有効である。この場合、撮像素子受光面106aと液晶層312との距離は、撮像素子パッケージ106b表面と撮像素子受光面106aとの距離、カバーガラスの厚みを加算しただけとなる。つまり前記を行った図1の構成と比べ、透明ガラス311の厚み誤差と、透明ガラス311とカバーガラス310の間隔(空気)の誤差が排除されることになり、液晶層312から角度を持って射出された光線が撮像面に着弾する位置が安定する。つまりは点像分離像の間隔の誤差が抑えられ、ローパス効果が安定するという利点を得ることができ、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
101 CPU、105 撮影レンズ、106 撮像素子、
300 回転角0°複屈折水晶板、301 赤外吸収フィルタ、
302 偏光解消板(水晶)、305 振動素子、310 カバーガラス、
311 透明ガラス板、312 液晶層、313 配向層
300 回転角0°複屈折水晶板、301 赤外吸収フィルタ、
302 偏光解消板(水晶)、305 振動素子、310 カバーガラス、
311 透明ガラス板、312 液晶層、313 配向層
Claims (3)
- 第一の光学要素と第二の光学要素から成り、第一の光学要素は入射光軸に沿った一方向に複屈折を生じる透明材料であって、第二の光学要素は少なくとも赤外吸収フィルタを含む光学素子から成り、該第二の光学素子の一方の面にローパス効果を持つように複数の配向方向から成る液晶分子を第一の光学要素の複屈折方向と同方向にストライプ状に構成した液晶層を有することを特徴とする撮像装置の光学フィルタ。
- 第一の光学要素は水晶板であり、加振手段によって振動を発生することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の光学フィルタ。
- 第二の光学要素は赤外吸収フィルタと透明ガラス板からなり、両者の接合面の一方に液晶層が配向されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の光学フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014120081A JP2015232669A (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 撮像装置の光学フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014120081A JP2015232669A (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 撮像装置の光学フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015232669A true JP2015232669A (ja) | 2015-12-24 |
Family
ID=54934131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014120081A Pending JP2015232669A (ja) | 2014-06-11 | 2014-06-11 | 撮像装置の光学フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015232669A (ja) |
-
2014
- 2014-06-11 JP JP2014120081A patent/JP2015232669A/ja active Pending
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