JP2015231814A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種;並びに、エチレンプロピレンゴム;を含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体と、前記タイヤ骨格体と少なくとも一部が直接接しており且つエチレンプロピレンゴムを含む外装用部材と、を含むタイヤである。
【選択図】図1
Description
また、タイヤ骨格体にトレッド等の外装用部材を固定するために接着剤を用いる場合、両部材に用いられている材料と接着剤との相性を考慮した上で、タイヤとして求められる性能を発揮しうる接着剤を選択しなければならない。しかし、タイヤ骨格体や外装用部材に樹脂を用いると、用いられた樹脂によってそれぞれ性質や相性が異なることから、部材間の接着剤の選択は必ずしも容易ではない。例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂をタイヤ骨格体に用いた場合、タイヤ骨格体に外装用部材を十分に固定させるための接着剤の選択は難しく、両部材の固定については未だ改善の余地がある。
更に、両部材を接着剤で固定する場合には接着剤の塗布工程が必要である。このため、接着剤の塗布工程を省略できれば、タイヤの製造工程の効率を更に高めることができる。
[2]前記熱可塑性樹脂エラストマーが、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーである[1]に記載のタイヤ。
[3]前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーが、ポリプロピレン又はポリエチレンのホモポリマー、又は、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体である[2]に記載のタイヤ。
[4]前記外装用部材は樹脂として前記エチレンプロピレンゴムのみを含む[1]〜[3]のいずれか一つに記載のタイヤ。
[5]前記タイヤ骨格体における前記エチレンプロピレンゴムの含有量は、前記タイヤ骨格体中の前記ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種の総量100質量部に対して、10〜30質量部である[1]〜[4]のいずれか一つに記載のタイヤ。
本発明のタイヤは、ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種;並びに、エチレンプロピレンゴム;を含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体と、前記タイヤ骨格体と少なくとも一部が直接接しており且つエチレンプロピレンゴムを含む外装用部材と、を含む。
前記タイヤは、ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種(以下、「第1の成分」と称する場合がある)と、エチレンプロピレンゴムと、を含む樹脂材料を用いたタイヤ骨格体を有する。
本発明においては、第1の成分として、ジエン系ゴム、及び、熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。第1の成分としては、エチレンプロピレンゴムとの相性及び射出成形性等の観点から、熱可塑性樹脂エラストマーを用いることが好ましい。特に、エチレンプロピレンゴムと類似の構造を有する観点から、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを用いることが更に好ましい。第1の成分としては、ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選らばれる1種を単独で用いてもよいし、適宜2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記タイヤ骨格体中の第1の成分の含有量は、タイヤ骨格体の弾性率や強度の観点から、50質量%〜90質量%であることが好ましく、60質量%〜90質量%であることが更に好ましく、70質量%〜90質量%であることが特に好ましい。
タイヤ骨格体に用いることのできるジエン系ゴムとしては特に限定されるものではないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)が挙げられる。
タイヤ骨格体に用いることのできる熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、ポリアミド系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリエステル系熱可塑性樹脂エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを用いることができるが、上述のようにポリオレフィン系熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーは、少なくともポリオレフィンが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、前記ポリオレフィン、他のポリオレフィン、ポリビニル化合物)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料を意味し、例えば、JIS K6418:2007に規定されるポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー(TPO)が挙げられる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー中のポリオレフィン含率は、50質量%以上100質量%以下が好ましい。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーにおける、ハードセグメント(x)とソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、50:50〜95:5が好ましく、50:50〜90:10が更に好ましい。
更に、前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、市販品の(株)プライムポリマー製の「プライムTPO」シリーズ(例えば、E−2900H、F-3900H、E−2900、F−3900、J−5710、J−5900、E−2910、F−3910、J−5910、E−2710、F−3710、J−5910、E−2740、F−3740、R110MP、R110E、T310E、M142E等)等も用いることができる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、酸性基を有するポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー(酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー)を用いることもできる。
前記酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーを用いてタイヤ骨格体を形成すると補強コードがタイヤ骨格体の外周部に直接巻回されている場合や、補強コード層が補強コードをタイヤ骨格体の外周部に埋設して形成されている場合に、補強コードとの密着性を向上させることができる。
ここで「酸変性」とはカルボン酸基、硫酸基、燐酸基等の酸性基を有する不飽和化合物をオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーに結合させることをいう。例えば、酸性基を有する不飽和化合物として、不飽和カルボン酸(一般的には、無水マレイン酸)を用いるとき、オレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーに、不飽和カルボン酸の不飽和結合部位を結合(例えば、グラフト重合)させることが挙げられる。
前記酸性基を有する不飽和化合物添加量が過少であるとオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーへのグラフト量が低下する。また、添加量が過多になると樹脂中の未反応の不飽和カルボン酸が多くなり、十分な接着強度が得られず、加工性が悪化する。
前記有機過酸化物の添加量はグラフト反応を行うのに十分な量が添加されればよく、例えば、0.01重量部〜5重量部が好ましく、0.03重量部〜1重量部が更に好ましい。
前記有機過酸化物としては、例えば、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン,t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート,t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート,t−ブチルパーオキシラウレート,2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン,t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン,t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート,ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート,α―クミル パーオキシ ネオデカノエート,t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
前記酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとしては、例えば、市販品の三井化学社製の「タフマー」シリーズ(MA8510、MH7007、MH7010、MA7020、MP0610、MP0620、等)、同社の「アドマー」シリーズ(例えば、LB548、QB510、QF500、QF551、QE060、QE840、NE065等)を用いることができる。
タイヤ骨格体には上述の第1の成分と共にエチレンプロピレンゴムが含まれる。エチレンプロピレンゴムには、エチレンとプロピレンとジエン化合物とのゴム状共重合体(EPDM)又はエチレンとプロピレンとのゴム状共重合体(EPM)が含まれ、更に、その変性物(例えば、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム)も含まれる。
タイヤ骨格体に含まれるエチレンプロピレンゴムとしては、加硫によって強度を高めやすい観点から、EPDM又はその変性物が好ましい。
前記タイヤ骨格体には、使用する材料に応じて、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ)、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、金属酸化物、プロセスオイル、可塑剤、着色剤、耐候剤、補強材等の各種添加剤を含有させてもよい。前記添加剤の樹脂材料(タイヤ骨格体)中の含有量は特に限定はなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
上述の各種添加剤のうち幾つか具体例を挙げると、前記老化防止剤としては、例えば、国際公開WO2005/063482号公報に記載の老化防止剤が挙げられる。具体的には、例えばフェニル−2−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン等のナフチルアミン系、4,4’−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(P−トルエン・スルフォニルアミド)−ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系などのアミン系老化防止剤や、これらの誘導体もしくは混合物などが挙げられる。
また、前記加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤などを用いることができる。前記加硫促進剤としては、公知の加硫促進剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。前記脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などが挙げられ、また、これらはステアリン酸亜鉛のように塩の状態で配合されてもよい。これらの中でも、ステアリン酸が好ましい。また、金属酸化物としては、亜鉛華(ZnO)、酸化鉄、酸化マグネシウムなどが挙げられ、中でも亜鉛華が好ましい。前記プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
次に、タイヤ骨格体を形成する樹脂材料(第1の成分とエチレンプロピレンゴムとを含む材料)の好ましい物性について説明する。
このように、融点が120℃〜250℃の樹脂材料を用いることで、例えばタイヤの骨格体を、その分割体(骨格片)を融着して形成する場合に、120℃〜250℃の周辺温度範囲で融着された骨格体であってもタイヤ骨格片同士の接着強度が十分である。このため、本発明のタイヤは耐パンク性や耐摩耗性など走行時における耐久性に優れる。尚、前記加熱温度は、タイヤ骨格片を形成する樹脂材料の融点(又は軟化点)よりも10℃〜150℃高い温度が好ましく、10℃〜100℃高い温度が更に好ましい。
溶融混合して得られた樹脂材料は、必要に応じてペレット状にして用いることができる。
本発明のタイヤは、タイヤ骨格体と共に外装用部材を有する。本発明において「外装用部材」とは、タイヤ骨格体の外側に設置され、少なくともタイヤ骨格体の外表面の一部を覆う部材を意味する。外装用部材は、タイヤ骨格体表面に直接接するように設置されていてもよいし、タイヤ骨格体表面に設けられた介在層等の上に設置されていてもよい。但し、本発明のタイヤにおいては、外装用部材の少なくとも一部がタイヤ骨格体に直接接している。前記外装用部材としては、例えば、タイヤ骨格体のクラウン部に設置されるトレッド部材やタイヤ骨格体のサイド部に設置されるサイド部材等が挙げられる。尚、本発明における外装用部材は、必ずしも本発明のタイヤの最外層である必要はなく、例えば、外装用部材の外表面に更に装飾層や保護層が設けられていてもよい。
また、外装用部材には目的に応じてその他添加剤を加えてもよい。前記添加物としては、例えば、カーボンブラック等の充填剤や老化防止剤等公知のものを目的に応じて適宜選定することができる。
外装用部材中のエチレンプロピレンゴムの含有量は特に限定はなく、トレッド部材やサイド部材等の用途に応じて適宜選定することができる。但し、本発明の効果を十分に発揮する観点からは、外装用部材中のエチレンプロピレンゴムの含有量は、65質量%以上であることが好ましく、70質量%〜90質量%であることが更に好ましく、75質量%〜85質量%であることが特に好ましい。例えば、外装用部材としては、樹脂としてエチレンプロピレンゴムのみを用いこれに添加剤を加えた部材、即ち、樹脂として前記エチレンプロピレンゴムのみを含む外装用部材(添加剤以外、エチレンプロピレンゴム以外のその他の樹脂成分やゴム成分を含まない)を用いることができる。
また、材料や目的に応じて、タイヤ骨格体に外装用部材を設置する前又は設置した後に、外装用部材に加硫処理を施してもよい。
以下に、図面に従って本発明のタイヤの第1の実施形態に係るタイヤを説明する。
本実施形態のタイヤ10について説明する。図1(A)は、第1実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図1(B)は、リムに装着したビード部の断面図である。図1に示すように、本実施形態のタイヤ10は、従来一般のゴム製の空気入りタイヤと略同様の断面形状を呈している。
また、本実施形態では、タイヤケース半体17Aは左右対称形状、即ち、一方のタイヤケース半体17Aと他方のタイヤケース半体17Aとが同一形状とされているので、タイヤケース半体17Aを成形する金型が1種類で済むメリットもある。
以下、本実施形態のタイヤの製造方法について説明する。
まず、上述のようにポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとEPDMとを含む樹脂材料を用いて、タイヤケース半体を形成する。これらタイヤケースの形成は、射出成形で行うことが好ましい。次に、薄い金属の支持リングに支持されたタイヤケース半体同士を互いに向かい合わせる。次いで、タイヤケース半体の突き当て部分の外周面と接するように図を省略する接合金型を設置する。ここで、前記接合金型はタイヤケース半体17Aの接合部(突き当て部分)周辺を所定の圧力で押圧するように構成されている。次いで、タイヤケース半体の接合部周辺を、タイヤケースを構成する樹脂材料の融点(又は軟化点)以上で押圧する。タイヤケース半体の接合部が接合金型によって加熱や加圧されると、前記接合部が溶融しタイヤケース半体同士が融着しこれら部材が一体となってタイヤケース17が形成される。尚、本実施形態においては接合金型を用いてタイヤケース半体の接合部を加熱したが、本発明はこれに限定されず、例えば、別に設けた高周波加熱機等によって前記接合部を加熱したり、予め熱風、赤外線の照射等によって軟化又は溶融させ、接合金型によって加圧して。タイヤケース半体を接合させてもよい。
次に、図を省略するが、補強コード26を巻き付けたリール、コード加熱装置、各種ローラ等を備えたコード供給装置を用い、加熱した補強コード26をクラウン部16の外周面に埋設しながら巻き付けることで、タイヤケース17のクラウン部16の外周側に補強コード層28を形成することができる。
次に、タイヤケース17の外周面にトレッド30が設置される。トレッド30の形成方法やタイヤケース17への装着方法については特に限定はないが、例えば、予め射出成形によって路面との接地面に複数の溝からなるトレッドパターンを有する帯状のトレッド30を形成し、トレッド30の1周分をタイヤケース17に巻き付け、ホットランナー等を用いてトレッド30を加熱することでタイヤケース17の外周面にトレッド30を溶着させることができる。トレッド30は、射出形成後に加硫されていてもよい。
本実施形態のタイヤ10では、タイヤケース17が、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーとEPDMとを含む樹脂材料によって形成され、更にトレッド30がEPDMを用いて形成されているため、接着剤を用いなくてもタイヤケース17からトレッド30(外装用部材)が剥離しにくい。また、タイヤ10は従来のゴム製のタイヤに比して構造が簡易であるため重量が軽い。このため、本実施形態のタイヤ10は、耐摩擦性及び耐久性が高い。更に、タイヤケース17及びトレッド30を射出成形でき、更に、トレッド30をタイヤケース17に直接溶着させていることから、トレッド30をタイヤケース17に装着する際に接着剤を塗布する工程を省略することができる。このため、本実施形態のタイヤ10は生産性にも非常に優れる。
次に、図面に従って本発明のタイヤの第2の実施形態に係るタイヤを説明する。
本実施形態のタイヤ200について説明する。図3は、第2実施形態に係るタイヤの一部の断面を示す斜視図である。図3に示すように、本実施形態のタイヤ200は、第1実施形態のタイヤ10に対して、両サイド部14の幅方向外側に外装用部材としてサイド部材15が設けられている。尚、図3において図1と共通する部材については同一の符号を付しその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態において、サイド部材15のクラウン部16側の端部は、トレッド30の端部と重なるように接着されている。この際、サイド部材15のクラウン部16側の端部は、トレッド30の端部よりもタイヤ径方向内側に位置するように設置されていることが好ましい。また、トレッド30とサイド部材15とは、重なり合う端部の界面において溶着するように構成することができる。
・ポリプロピレンA:酸変性ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー、三井化学(株)製(製品名タフマーQE060)
・ポリプロピレンB:ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマー、(株)プライムポリマー製(製品名プライムTPO「J−5710」)
・ジエン系ゴムA:ブタジエンゴム、JSR(株)製(製品名:BR01)
・ゴムB:天然ゴム
・エラストマーA:三井化学(株)製(製品名:ミラストマー「7030NS」)
・ポリエチレンA:宇部丸善ポリエチレン(株)製(製品名:ユメリット「1540F」)
・EPDM:三井化学(株)製(製品名:EPT X−3012P)
・酸変性EPDM:Addivant Japan製(製品名:ROYALTUF「498」)
・EPM:三井化学(株)製(製品名:EPT 0045)
・カーボンブラック:旭カーボン(株)製(製品名:#80)
各実施例及び比較例に用いられたタイヤ骨格体を形成する材料及びトレッドに用いられる材料を用い、射出成型により、骨格体を形成する材料を用いて作成された板状試験片とトレッドに用いられる材料が、面積ハーフインチ(25mm×12.5mm)で接着された試験片を作製した。次いで、引張試験装置(装置名:万能試験機オートグラフAG−X、島津製作所製)を用いて、引張速度100mm/min,チャック間20mm,23℃の条件において引張せん断試験を行った。各試料片は、各実施例及び比較例毎に3つ作製し、その結果に基づき下記基準に従って評価を行った。本評価は“C”以上であればタイヤとした際に許容される性能を有することとなる。
《基準》
A:試料片が3つとも材料破壊されており、両部材の溶着力は良好であった。
B:材料破壊された試料片は1つ又は2つのみであったが、両部材の溶着力は十分であった。
C:試料片は部材間の界面において剥離されたが、剥離の際に力(剥離エネルギー)を要した。
D:剥離の際に力(剥離エネルギー)を要さず容易に試料片が部材間の界面において剥離された。
実施例及び比較例で作製したタイヤケース(タイヤ骨格体)及びトレッド(外装用部材)とそれぞれ同じ組成のペレットを用いて、住友重工社製、SE30Dを用い、射出成形を行い、成形温度180℃〜260℃、金型温度50℃〜70℃とし、各実施例及び比較例に対応するタイヤ骨格体及び外装用部材について100mm×30mm、厚さ2.0mmのサンプルを得た。尚、実施例29のタイヤ骨格体及び比較例2の外装用部材については、プレス成型にて試料片を作製した。
各サンプルを打ち抜き、JISK6251:1993に規定されるダンベル状試料片(5号形試料片)を作製した。
Claims (5)
- ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種;並びに、エチレンプロピレンゴム;を含む樹脂材料で形成され且つ環状のタイヤ骨格体と、
前記タイヤ骨格体と少なくとも一部が直接接しており且つエチレンプロピレンゴムを含む外装用部材と、
を含むタイヤ。 - 前記熱可塑性樹脂エラストマーが、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーである請求項1に記載のタイヤ。
- 前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂エラストマーが、ポリプロピレン又はポリエチレンのホモポリマー、又は、ポリプロピレンとポリエチレンとの共重合体である請求項2に記載のタイヤ。
- 前記外装用部材は樹脂として前記エチレンプロピレンゴムのみを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記タイヤ骨格体における前記エチレンプロピレンゴムの含有量は、前記タイヤ骨格体中の前記ジエン系ゴム及び熱可塑性樹脂エラストマーから選ばれる少なくとも1種の総量100質量部に対して、10〜30質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ。
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