JP2015231733A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

Abstract

【課題】封止部材に起因する記録素子基板の位置ずれを抑えられる液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】液体吐出ヘッド１が、記録素子基板２の一側部２ａの電極と電気配線基板３の電極端子とを接続する接続部材と、接続部材を覆う封止部材１１とを有する。記録素子基板２の重心２ｃを通り記録素子基板２の一側部２ａ側の端辺に直交する垂線Ｃ１と、一側部２ａ側の端辺の封止部材１１によって覆われる部分の中心を通り、垂線Ｃ１に平行な封止部中心線Ｃ２とが、端辺に沿った方向にずれている。封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の、封止部中心線Ｃ２によって分けられる２つの領域Ａ１，Ａ２のうちの垂線Ｃ１が通る側の領域Ａ１は、垂線Ｃ２が通らない側の領域Ａ２よりも体積が大きい。【選択図】図３

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに関する。

近年、インクジェット（ＩＪ）プリンタは、家庭用の印刷のみならず、ビジネス用やリテールフォト用などの業務用印刷、あるいは電子回路描画やパネルディスプレイ用などの産業用印刷にも用いられ、その用途は広がっている。業務用印刷や産業用印刷に用いられるＩＪプリンタのヘッドは、高速印刷可能であることを強く要求される。この要求を実現させるために、液体インクを吐出するためのエネルギーを発生する記録素子をより高い周波数で駆動することや、ヘッドを、記録媒体の幅よりも長い幅を有し、多数の吐出口を備えたラインヘッドにすることがある。
特許文献１には、複数の記録素子基板を千鳥状に配置して長尺のラインヘッドにした構成が示されている。特許文献１に開示された発明では、記録素子基板の一側部に対向する位置にのみ電気配線基板を配置することにより、ヘッドのさらなる小型化が図られている。電気配線基板は、例えばＦＰＣ（flexible printed circuits）やＴＡＢ（tape automated bonding）である。複数の記録素子基板を有する構成では、ヘッドの小型化及び高密度記録を実現するために、平行四辺形の平面形状を有する記録素子基板を用いることがある。
記録素子基板と電気配線基板とは例えばボンディングワイヤ等の接続部材により電気的に接続されて、電力や電気信号の送受信が行われる。接続部材は、外力による破損の防止や液体による腐食の防止等の目的で、熱硬化性樹脂等の封止部材によって封止されて保護されるのが一般的である。
特許文献２に開示された発明では、個別の支持部材上に記録素子基板等を搭載してヘッドモジュール（ユニット）を構成し、複数のヘッドモジュールを一列に並べて長尺のラインヘッドを構成している。特許文献２に開示された各々のヘッドモジュールの平面形状は長方形であり、それぞれが斜めに傾けられ、隣接するヘッドモジュール同士が長手方向およびそれに直交する方向においてそれぞれ部分的に重なり合うように並べて配置されて、高密度化が図られている。

特表２０１０−５２１３４３号公報 米国特許第６６０９７８６号明細書

液体吐出ヘッドのうち、特に、平面形状が平行四辺形である記録素子基板や、特許文献２のように斜めに傾けて配置された記録素子基板の少なくとも一側部が封止部材で覆われている構成で、封止部材の硬化収縮の影響により相対的な位置ずれが生じることがある。記録素子基板が適正な位置からずれていると、吐出する液体の着弾位置にずれが生じ、良好な記録が行えない。この問題は、特許文献１，２に開示されているような複数の記録素子基板を有するラインヘッドのみならず、１つの記録素子基板のみを有する小型の液体吐出ヘッドが移動しながら液体を吐出するいわゆるシリアルタイプのヘッドにおいても、同様に発生する。特に、特許文献１に開示されているような複数の記録素子基板が並べて配置されたラインヘッドにおいては、個々の記録素子基板毎に上述した問題が生じるとともに、記録素子基板同士の相対位置精度の低下による液体の吐出精度（着弾精度）の低下も生じる。このような液体吐出ヘッドをインクジェットプリンタに採用した場合、液体吐出により形成した画像にスジやムラ等が発生し、画像品質が劣化する。特に、近年のインクジェットプリンタでは非常に高精細の画像の形成が行われるため、従来はさほど問題にされなかったような記録素子基板の僅かな位置ずれさえもなくすことが望まれる。また、特許文献１に開示された構成では、１つの長尺の支持構造体の上に複数の記録素子基板が取り付けられており、複数の記録素子基板のうちの１つでも不具合があると、ヘッド全体が使用不可になってしまう。
特許文献２に開示されているような独立したヘッドモジュールが複数個設けられた構成であっても、個々のヘッドモジュール内の記録素子基板の位置が様々にずれている可能性がある。そのような場合には、複数のヘッドモジュールを組み合わせた後に各ヘッドモジュールの位置ずれを調整しなければ、全ての記録素子基板の相対的な位置精度を高くすることができない。従って、製造工程や調整作業が煩雑である。

本発明は、様々な形状の記録素子基板において、封止部材に起因する記録素子基板の位置ずれを抑えられ、複数の記録素子基板を有する構成の場合には記録素子基板同士の相対位置精度を容易に調整できる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。

本発明の液体吐出ヘッドは、少なくとも一側部に電極が設けられている記録素子基板と、記録素子基板の一側部に対向して配置されている電気配線基板と、接続部材と、封止部材と、を有する。接続部材は、記録素子基板の一側部に設けられている電極と電気配線基板に設けられている電極端子とを接続する。封止部材は、接続部材を覆うように記録素子基板の一側部と電気配線基板とにまたがって形成されている。記録素子基板の重心を通り、かつ記録素子基板の一側部側の端辺に直交する垂線と、端辺の封止部材によって覆われる部分の端辺に沿った方向の中心を通り、かつ垂線に対して平行な封止部中心線とが、端辺に沿った方向にずれている。封止部材の、記録素子基板の一側部を覆う部分の、封止部中心線によって分けられる２つの領域のうちの垂線が通る側の領域は、垂線が通らない側の領域よりも体積が大きい。

本発明によれば、記録素子基板に、封止部材の硬化収縮に起因する回転力が発生することを抑えて、記録素子基板の位置ずれを抑えることができる。その結果、この液体吐出ヘッドから吐出する液体の着弾精度の低下を抑えられる。従って、この液体吐出ヘッドをインクジェットプリンタに用いる場合には、高品位記録が可能である。

本発明の第１の実施形態の液体吐出ヘッドを示す斜視図と平面図と拡大断面図である。 比較例としての液体吐出ヘッドの一例を示す平面図である。 図１に示す液体吐出ヘッドの作用を示す説明図である。 図１に示す液体吐出ヘッドの作用を示すもう１つの説明図である。 図１に示す液体吐出ヘッドの変形例を示す平面図である。 本発明の第２の実施形態の液体吐出ヘッドとその変形例を示す平面図である。 本発明の第３の実施形態の液体吐出ヘッドとその変形例を示す平面図である。 本発明の第４の実施形態の液体吐出ヘッドとその変形例を示す平面図である。 本発明の第５の実施形態の液体吐出ヘッドとその変形例を示す平面図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
（第１の実施形態）
図１を参照して、本発明の第１の実施形態の液体吐出ヘッド１について説明する。図１（ａ）は本実施形態の液体吐出ヘッド１の斜視図、図１（ｂ）はその平面図、図１（ｃ）は図１（ｂ）のＸ−Ｘ線断面図である。この液体吐出ヘッド１は、記録素子基板２と、電気配線基板３と、支持部材４を１つずつ有するシリアルタイプの小型のヘッドである。記録素子基板２は実質的に平行四辺形の平面形状を有し、例えばインクのような液体が供給される供給路５と、供給路５に連通するエネルギー発生室６と、エネルギー発生室６に連通して外部に開口する吐出口７とを有している。複数の吐出口７は列をなすように配置されている。各エネルギー発生室６の内部には、液体を吐出するエネルギーを発生するための記録素子８がそれぞれ設けられている。すなわち、それぞれの記録素子８に対応してエネルギー発生室６および吐出口７が設けられている。記録素子８の例としては、熱を発する発熱素子や圧力を発生する圧電素子が挙げられる。本実施形態において記録素子基板２は、供給路５と記録素子８を備えるＳｉ材料からなる基板と、吐出口７を備える樹脂材料からなる吐出口形成部材と備え、基板と吐出口形成部材との接合部にエネルギー発生室６が形成される。
このような記録素子基板２が、支持部材４に搭載されている。支持部材４には、液体が流通する複数の導入路９が設けられており、各導入路９は記録素子基板２の各供給路５にそれぞれ連通している。支持部材４の表面には、記録素子基板２の一側部２ａに対向するように、電気配線基板３が配置されている。記録素子基板２の一側部２ａ側の端辺が、電気配線基板３の端辺と近接対向している。電気配線基板３の一例は、フレキシブルプリントケーブル（ＦＰＣ）である。電気配線基板３の電極端子２０と記録素子基板２の電極端子２１とが、ボンディングワイヤや電気配線基板から延伸するリード配線等の接続部材１０によって電気的に接続されている。電極端子２０および電極端子２１は図１（ａ），（ｂ）では省略され、接続部材１０は図１（ａ）では省略されている。接続部材１０は、記録素子基板２と電気配線基板３との間を延びている。そして、この接続部材１０を覆って保護するための、熱硬化型の樹脂からなる封止部材（封止材）１１が、記録素子基板２の一側部２ａと電気配線基板３の一部とにまたがって形成されている。本実施形態では、記録素子基板２の一側部２ａの反対側の反対側部（他側部）２ｂは、封止部材１１と同様な樹脂等に覆われることなく露出している。
このような構成であるため、本実施形態の液体吐出ヘッド１では、支持部材４の導入路９から、記録素子基板２の供給路５を介して、エネルギー発生室６に液体が供給される。そして、図示しない制御部から電気配線基板３および接続部材１０を介して記録素子基板２の記録素子８に電気駆動信号が供給されると、記録素子８がエネルギーを発生して、エネルギー発生室６内の液体が液滴として吐出口７から外部に吐出する。

次に、本実施形態の封止部材１１について詳細に説明する。本実施形態では、封止部材１１が、長方形に凸部１１ａが付加された平面形状を有している。この封止部材１１の技術的意義について説明する。
本発明者は、上述したように従来の液体吐出ヘッド１において記録素子基板２の位置ずれが発生する原因について検討し、以下のような知見を得た。
従来、液体吐出ヘッド１の高密度化等のために、平行四辺形の記録素子基板２が設けられた構成がある。そして、この記録素子基板２の一側部２ａに対向する位置に電気配線基板３が配置され、記録素子基板２の電極端子２１と電気配線基板３の電極端子２０とが接続部材１０によって接続され、接続部材１０が封止部材１１によって覆われて保護されている。通常、封止部材１１は熱硬化樹脂からなるため、接続部材１０を覆うように塗布された後に、加熱されて熱硬化し、その後に冷却される。この時に封止部材１１は収縮し、その収縮による応力が記録素子基板２に加わる。
図２に本発明の比較例である液体吐出ヘッドの構成を示す。図２に示すように、記録素子基板２の平面形状が平行四辺形であると、記録素子基板２の重心２ｃを通って一側部２ａ側の端辺に直交する垂線Ｃ１（第１線：仮想線）と、封止部中心線Ｃ２（第２線：仮想線）が一致しない。つまり垂線Ｃ１と封止部中心線Ｃ２とは一側部２ａの延在方向（図の左右方向）にずれている。ここで言う封止部中心線Ｃ２とは、記録素子基板２の一側部２ａ側の端辺の、封止部材１１によって覆われる部分の端辺に沿った方向の中心を通り、かつ垂線Ｃ１に対して平行な線である。封止部材１１の収縮に伴う引っ張り応力Ｔは、封止部中心線Ｃ２を中心として両側に略均等に生じる。すなわち、封止部中心線Ｃ２は、封止部材１１の収縮に伴う応力の発生領域の中心線といえる。この封止部中心線Ｃ２と垂線Ｃ１とが異なるため、記録素子基板２に対しては、重心２ｃを中心として両側に均等に作用するのではなく、偏って作用する（図２の例では、重心２ｃの左側には右側よりも大きな応力が作用する）。記録素子基板２に働く応力Ｔが、重心２ｃの左側の領域と重心２ｃの右側の領域とで均衡していないため、重心２ｃを中心とする回転力Ｒが生じる。その結果、記録素子基板２が支持部材４上で回転して位置ずれを生じる可能性がある。
言い換えると、封止部材１１の記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の、封止部中心線Ｃ２で分割される２つの領域Ａ１，Ａ２（長さＬ１の第１領域と長さＬ２の第２領域）が互いに同じ体積であると、領域Ａ１に生じる応力と領域Ａ２に生じる応力が一致する。仮に、封止部中心線Ｃ２と、記録素子基板の重心２ｃを通る垂線Ｃ１が一致しているならば、記録素子基板２の、重心２ｃの右側の、封止部材１１からの応力を受ける領域は、重心２ｃの左側の、封止部材１１からの応力を受ける領域と等しい大きさである。従って、両方の領域に加わる応力が一致するため回転力は働かない。しかし、封止部中心線Ｃ２と垂線Ｃ１が異なると、記録素子基板２の、重心２ｃの右側の、封止部材１１からの応力を受ける領域（長さＬ３の領域）の大きさと、重心２ｃの左側の、封止部材１１からの応力を受ける領域（長さＬ４の領域）との大きさが異なる。図２，３に示す例では、前者が後者よりも小さい。この２つの領域の大きさの差に応じて、各領域に加わる応力の大きさが異なる。そして、この重心２ｃの左右での応力の差が、回転力Ｒを生じる。
このように記録素子基板２の回転等によって大きな位置ずれが生じると、液体吐出ヘッド１から吐出される液体の着弾位置精度が悪化する。この液体吐出ヘッド１がインクジェットプリンタに用いられる場合には、液体吐出による記録の精度が悪くなる。

そこで、本実施形態では、封止部材１１が、垂線Ｃ１の一部を含む位置を覆うように形成されていることを前提として、封止部材１１の平面形状が非対称形状になるように封止部材１１を形成することによって、回転力Ｒを抑えている。具体的には、図３に示すように、封止部材１１の記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の、端辺に沿った方向の中心を通り垂線Ｃ１と平行な封止部中心線Ｃ２の両側に位置する２つの領域の体積を以下の通り設定する。すなわち、これらの２つの領域のうち、垂線Ｃ１が通る領域Ａ１（第１線側の第１領域）の体積が、垂線Ｃ１が通らない領域Ａ２（第１線側とは反対の第２領域）の体積よりも大きい。このとき、領域Ａ１の長さＬ１と、領域Ａ２の長さＬ２を一致させたまま、領域Ａ１に凸部１１ａを設けることによって体積を変えている。これにより、領域Ａ１に生じる引っ張り応力Ｔ’は領域Ａ２に生じる引っ張り応力Ｔよりも大きくなる。その結果、記録素子基板２において、重心２ｃの左側の領域に働く応力と、重心２ｃの右側の領域に働く応力とが均衡する。
すなわち、封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の領域Ａ１と領域Ａ２の体積を変えることにより、封止部中心線Ｃ２を中心として見たときに、一方の側の領域Ａ１に働く応力Ｔ’が、他方の側の領域に働く応力Ｔよりも大きくなるようにする。それにより、記録素子基板２の重心２ｃを中心として見たときには、記録素子基板２の一方の側の小さい領域（長さＬ３の領域）に働く応力と、他方の側の大きい領域（長さＬ４の領域）に働く応力とが実質的に一致するようにする。その結果、記録素子基板２には、重心２ｃを中心として回転しようとする力が働かない。このようにして、記録素子基板２の回転による位置ずれを抑制している。両領域Ａ１，Ａ２の体積の差は、記録素子基板２の一方の側の小さい領域と他方の側の大きい領域の大きさの差（長さＬ３と長さＬ４の差）を考慮して、長さＬ３の領域と長さＬ４の領域とに働く応力が互いに実質的に一致するように設定されることが好ましい。本発明においてはＬ３の領域とＬ４の領域に働く応力が完全に一致する必要はなく、領域Ａ１と領域Ａ２の体積の差がない場合に働く回転力Ｒに比べて、領域Ａ１と領域Ａ２の体積の差を生じさせた場合における回転力Ｒが小さくなれば良い。回転力Ｒが小さくなれば逆側の回転力（図２、３における右回転）が発生しても良い。

上述したように封止部材１１の硬化収縮に伴う応力に起因する記録素子基板２の回転を抑制する構成について、図４に示すように、封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分を、垂線Ｃ１によって２つの領域に分けて考えることもできる。すなわち、封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分を、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１によって２つの領域Ａ３，Ａ４（長さＬ５の領域と長さＬ６の領域）に分けたときに、２つの領域Ａ３，Ａ４の体積が等しいことが好ましい。垂線Ｃ１によって分けられる、封止部材１１の記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の２つの領域Ａ３，Ａ４が互いに同じ体積を有していると、封止部材１１の硬化収縮時に、記録素子基板２の、重心２ｃを中心とする両側に、同じ大きさの応力が働く。従って、記録素子基板２に、重心２ｃを中心とする回転力は生じない。ただし、領域Ａ３の体積と領域Ａ４の体積が厳密に一致していない場合であっても、両領域Ａ３，Ａ４の体積の差が小さければ、重心２ｃを中心とする回転力が小さいため、記録素子基板２の回転による位置ずれの抑制の効果がある程度得られる。

以上説明した通り、本実施形態では、封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の２つの領域Ａ１，Ａ２の体積を調整することで、回転による位置ずれを抑える効果がある。その結果、液体吐出ヘッドからの液体吐出時の着弾位置のずれを抑制することができる。この液体吐出ヘッドをインクジェットプリンタに用いると、良好な記録が行え、高い記録品位が得られる。

本実施形態の液体吐出ヘッド１において、支持部材４は、低線膨張率と、高剛性と、インクに対する耐腐食性とを有することが必要である。従って、支持部材４の材料としては、酸化アルミニウム（アルミナ）や炭化ケイ素などが好適である。しかしながら本発明においてはこれに限らず樹脂材料からなる支持部材４であっても良い。樹脂材料の場合にはフィラーを含有させることにより低線膨張化させることが可能となる。
封止部材１１は、例えば熱硬化性エポキシ樹脂からなり、主に接続部材１０を機械的かつ化学的に保護し、具体的には、外力によって損傷することやインク等の液体によって腐食することを防止する。本発明において複数種類の封止部材を適用しても良い。例えば接続部材１０の下側には比較的粘度の小さい封止部材を設け、上側には比較的粘度の高い封止部材を設ける構成でも良い。
記録素子基板２は、図１に示すような平行四辺形に限られず、正方形、長方形、台形、不等辺四角形、四角形以外の多角形など様々な平面形状を有していてよい。ただし、垂線Ｃ１と封止部中心線Ｃ２が一致しない構成において、本実施形態の効果が発揮される。上述したように、記録素子基板２の重心２ｃを通って一側部２ａ側の端辺に直交する垂線Ｃ１と、封止部中心線Ｃ２が一致する構成では、記録素子基板２に回転力Ｒはほとんど生じないため、本実施形態はあまり効果的ではない。また、本発明では、少なくとも一側部２ａ側の端辺が実質的に直線状であることが好ましい。

図５（ａ）には、本実施形態の第１の変形例が示されている。この変形例では、封止部材１１が、長方形に切り欠き部１１ｂが設けられた平面形状を有する。具体的には、封止部材１１の、垂線Ｃ１が通らない領域Ａ２側の端部に部分的な切り欠き部（凹部）１１ｂが形成されており、それによって、垂線Ｃ１が通る領域Ａ１の体積が、垂線Ｃ１が通らない領域Ａ２の体積よりも大きくなっている。その結果、図１，３に示す構成と同様に、高い位置ずれ防止効果が得られる。
図５（ｂ）には、本実施形態の第２の変形例が示されている。この変形例では、封止部材１１の平面形状が、垂線が通らない領域Ａ２側から垂線Ｃ１が通る領域Ａ１側に向けて連続的に大きくなる横向き台形状になっている。この構成によると、さほど大きな凸部１１ａや凹部１１ｂを設けなくても、垂線Ｃ１が通る領域Ａ１の体積を、垂線が通らない領域Ａ２の体積よりも十分大きくすることができ、回転による位置ずれを防止する効果を容易に得られる。
これらの変形例においても、図４に示す構成と同様に、封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分を垂線Ｃ１によって２つの領域に分けたときに、それらの２つの領域の体積が互いに同じであるか、または体積の差が小さいことが好ましい。また一方の側には凸部を設け、他方の側には凹部を設けることで封止部材の体積に差をつける構成でも良い。

（第２の実施形態）
次に、図６（ａ）〜（ｃ）に示す本発明の第２の実施形態について説明する。本実施形態では、接続部材１０を保護する封止部材１１が、記録素子基板２の一側部２ａと電気配線基板３とにまたがって形成されているのに加えて、記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う樹脂部材である変形防止部材１２が設けられている。変形防止部材１２は、樹脂材料、好ましくは封止部材１１と同じ樹脂からなる。この変形防止部材１２の技術的意義について以下に説明する。
従来の液体吐出ヘッド１において記録素子基板２の位置ずれが発生するもう１つの原因として、封止部材１１の硬化収縮に伴う応力の集中が考えられる。特許文献１には、液体吐出ヘッド１の小型化等のために、記録素子基板２の一側部２ａに対向する位置にのみ電気配線基板３が配置された構成が開示されている。この構成では、図２に示すように、接続部材１０を保護するための封止部材１１が一側部２ａのみに存在する。上述した通り、封止部材１１は熱硬化性樹脂からなり、熱硬化性樹脂は塗布後に加熱されて熱硬化し、その後に冷却されて収縮する。その収縮による応力が、記録素子基板２の、封止部材１１が設けられた一側部２ａに集中して加わる。一方、記録素子基板２の反対側部２ｂには応力は加わらない。このように記録素子基板２の一側部２ａのみに応力が集中し、反対側部２ｂには応力が加わらないため、一側部２ａに集中して加わる応力によって記録素子基板２が移動または変形する可能性がある。

そこで、本実施形態では、図６（ａ）〜（ｃ）に示すように、記録素子基板２の反対側部２ｂに変形防止部材１２を配置している。この反対側部２ｂには電気的な接続部は設けられておらず、変形防止部材１２は電気接続部を封止する目的ではない、所謂ダミー封止部材として設けられている。一側部２ａに設けられた封止部材１１を熱硬化させる時に変形防止部材１２にも同時に熱を加えて硬化させ、その後に冷却する。従って、封止部材１１の硬化収縮により一側部２ａに応力が加わると同時に、変形防止部材１２の硬化収縮により反対側部２ｂにも応力が加わる。封止部材１１の硬化収縮により一側部２ａに加わる応力と、変形防止部材１２の硬化収縮により反対側部２ｂに加わる応力が均衡して、記録素子基板２の変形および位置ずれの発生が抑えられる。このように、本実施形態によると、記録素子基板２の一側部２ａのみを電気的接続に利用して小型化を図れるとともに、記録素子基板２の一側部２ａへの応力の集中をなくし、位置ずれを抑制できる。その結果、液体吐出ヘッドからの液体吐出時の着弾位置のずれを抑制することができる。この液体吐出ヘッドをインクジェットプリンタに用いると、良好な記録が行え、高い記録品位が得られる。変形防止部材１２は封止部材１１と同じ材料からなることが好ましいが、線膨張係数や弾性率等が近い物性のものであれば他の材料で形成することも可能である。
図示しないが、変形防止部材１２は長方形の平面形状を有していてもよい。ただし、図６（ａ）〜（ｃ）に示すように、変形防止部材１２の記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う部分を変形防止部中心線Ｃ３によって分割したときに、垂線Ｃ１が通る領域Ｂ１の体積が、垂線Ｃ１が通らない領域Ｂ２の体積よりも大きいことが好ましい。ここで言う変形防止部中心線Ｃ３は、記録素子基板２の反対側部２ｂの端辺の、変形防止部材１２によって覆われる部分の中心を通り、かつ垂線Ｃ１に対して平行な線である。
図６（ａ）に示す構成では、図１，３に示す構成と同様に、封止部材１１が、長方形に凸部１１ａが付加された平面形状を有し、かつ、変形防止部材１２も、長方形に凸部１２ａが付加された平面形状を有している。この構成によると、図３を参照して第１の実施形態に関して説明した、封止部材１１の記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分の領域Ａ１，Ａ２の大きさが異なる構成と同様の位置ずれ防止効果が、変形防止部材１２からも得られる。すなわち、この構成では、記録素子基板２の一側部２ａへの応力集中を防ぐことと、封止部材１１と変形防止部材１２の両方において記録素子基板２の重心２ｃを中心とする回転力の発生を抑えることで、より大きな位置ずれ防止効果が得られる。逆に言うと、変形防止部材１２を持たない構成に比べて、封止部材１１の凸部１１ａを小さくしても、変形防止部材１２にも同様な凸部１２ａを設けることで、十分な回転移動防止の効果が得られる。封止部材１１と変形防止部材１２は、記録素子基板２の重心２ｃを対称点として点対称（回転対称）であることが好ましい。

図６（ｂ）には、本実施形態の変形例が示されている。この変形例では、図５（ａ）に示す構成と同様に封止部材１１が切り欠き部１１ｂを有するとともに、変形防止部材１２も切り欠き部１２ｂを有している。それにより、変形防止部材１２の記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う部分が変形防止部中心線Ｃ３によって分割される２つの領域Ｂ１，Ｂ２のうちの、垂線Ｃ１が通る領域Ｂ１の体積が、垂線Ｃ１が通らない領域Ｂ２の体積よりも大きい。封止部材１１および変形防止部材１２を小型化しつつ、図６（ａ）に示す構成と同様に高い位置ずれ防止効果が得られる。封止部材１１と変形防止部材１２は、記録素子基板２の重心２ｃを中心として点対称（回転対称）であることが好ましい。
図６（ｃ）には、本実施形態のもう１つの変形例が示されている。この変形例では、図５（ｂ）に示す構成と同様に、封止部材１１は、連続的に体積が大きくなる横向き台形形状を有している。そして、変形防止部材１２は、封止部材１１とは反対向きに、垂線が通らない領域Ａ２側から垂線Ｃ１が通る領域Ａ１側に向けて連続的に体積が大きくなる横向き台形形状を有している。これにより、変形防止部材１２の記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う部分の、垂線Ｃ１が通る領域Ｂ１の体積が、垂線Ｃ１が通らない領域Ｂ２の体積よりも大きくなっている。この変形例でも、図６（ａ），（ｂ）に示す構成と同様に、高い位置ずれ防止効果が得られる。封止部材１１と変形防止部材１２は、記録素子基板２の重心２ｃを中心として点対称（回転対称）であることが好ましい。
本実施形態においても、図４に示す構成と同様に、封止部材１１の記録素子基板２の一側部２ａを覆う部分を垂線Ｃ１によって２つの領域に分けたときに、それらの２つの領域の体積が互いに同じであるか、または体積の差が小さいことが好ましい。さらに、変形防止部材１２の記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う部分を、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１によって２つの領域に分けたときに、それらの２つの領域の体積が互いに同じであるか、または体積の差が小さいことが好ましい。本実施形態においても、先の実施形態と同様に、記録素子基板の一側部２ａに封止部材１１を有するだけの構成において働く回転力に比較して、反対側部２ｂに変形防止部材１２を適用することで回転力が小さくなるように変形防止部材を設けることが好ましい。

（第３の実施形態）
次に、図７（ａ）〜（ｂ）に示す本発明の第３の実施形態について説明する。
上述した第１，２の実施形態では、封止部材１１の、記録素子基板２の一側部２ａ側の端辺に沿った方向の長さが、それらの端辺の長さと実質的に同じである。しかし、本実施形態では、図７（ａ）に示すように、端辺より短い小型の封止部材１１を設けている。この構成では、記録素子基板２と電気配線基板３の電気的な接続に必要な接続部材１０（図１参照）を高密度に部分的に配置し、それらの接続部材１０を覆うのに必要な最小限の大きさの封止部材１１が設けられている。そして、封止部材１１は、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１と封止部中心線Ｃ２が略一致するように、記録素子基板２の一側部２ａ側の端辺に沿う方向において偏った位置に配置されている。上述したように、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１と封止部中心線Ｃ２が一致すると、重心２を中心として記録素子基板２を回転させようとする力は実質的に働かないので、位置ずれを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、位置ずれ抑制のために、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１と封止部中心線Ｃ２とを略一致させている。そのために、封止部材１１を小型化するとともに、記録素子基板２の一側部２ａ側の端辺に沿う方向において、端辺の中心から偏った位置に配置している。

図７（ｂ）に示す変形例では、上述したように記録素子基板２の一側部２ａを覆う小型の封止部材１１に加えて、反対側部２ｂを覆う変形防止部材１２が設けられている。変形防止部材１２は封止部材１１と同じ大きさであり、変形防止部中心線Ｃ３が、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１および封止部中心線Ｃ２と略一致している。この構成によると、封止部材１１から記録素子基板２に回転力が働くのを抑制するのに加えて、一側部２ａへの応力集中を回避している。さらに、変形防止部材１２から記録素子基板２に回転力が働くことも抑制している。従って、位置ずれ防止の効果がより大きい。
変形防止部材１２は封止部材１１と同じ材料からなることが好ましいが、線膨張係数や弾性率等が近い物性のものであれば他の材料で形成することも可能である。本実施形態のように、平行四辺形等の異形の記録素子基板２と電気配線基板３との電気接続及び封止を記録素子基板の端辺の一部のみに設ける場合、本実施形態の構成が有効である。この場合、垂線Ｃ１と封止部中心線Ｃ２とが必ずしも一致しなくても良く、記録素子基板の重心を通る仮想的な垂線Ｃ１が、封止部材が設けられている領域と交差する位置関係になっていれば回転力の抑制となり好ましい。また本実施形態の構成は、図７（ａ），（ｂ）に示すように、記録素子基板の一側部側の端辺のうち、封止部材１１が設けられている領域の端辺の長さが、封止部材１１が設けられていない領域の長さよりも短い液体吐出ヘッドにおいて効果的である。

（第４の実施形態）
上述した第１〜３の実施形態は、シリアルタイプの小型の液体吐出ヘッドに関するものであるが、本実施形態では、本発明を記録媒体の長さに対応した長尺のラインヘッドに採用している。
図８（ａ），（ｂ）に示す構成では、支持部材４の上に記録素子基板２と電気配線基板３および接続部材１０と封止部材１１とをそれぞれ配置した複数のユニット（ヘッドモジュール）１６が、１つの長尺支持部材１７上に１列に並べて配置されている。複数の記録素子基板２は緊密に直線状に並んでいる。各ユニットの構成は、第１〜３の実施形態のいずれかの構成が適用可能である。図８（ａ）に示されている構成では、図１，３に記載された構成と同様に凸部１１ａを有する封止部材１１を含むユニット１６が複数並べられている。図８（ｂ）に示されている構成では、図５（ｂ）に記載された構成と同様に横向き台形状の封止部材１１を含むユニット１６が複数並べられている。各ユニット１６の詳細な構成は、図８（ａ），（ｂ）に記載された構成に限られず、図１〜７に示すいずれの構成であってもよい。図８（ｃ）に示す変形例では、１つの長尺支持部材１７上に複数の支持部材４が緊密に並べて列をなすように配置され、全ての支持部材４にまたがって１つの長尺の封止部材１８が設けられている。封止部材１８は、全ての記録素子基板２の一側部２ａと全ての電気配線基板３の対向部分とを一括して覆っている。この構成では、第１の実施形態と同様な効果に加えて、複数の記録素子基板２の一側部２ａが１つの封止部材１８で覆われているため、個々の記録素子基板２が独立して移動（回転）することが困難であるという効果がある。また、封止部材１８の成形工程が１回ですむので、作業が簡単である。さらに、記録素子基板２ごとの位置ずれのばらつきが小さいため、各記録素子基板２の相対的な位置精度の調整が容易であり、その調整作業は簡単である。
図８（ｄ）に示すもう１つの変形例のように、隣接する少なくとも２つの記録素子基板２を１グループとして、各グループの記録素子基板２に対して１つの封止部材１８が設けられた構成にしてもよい。その場合、図８（ｃ）に示す構成と同様に、個々の記録素子基板２が独立して移動（回転）することをある程度抑える効果がある。
このように、図８（ｃ）に示す構成では、全ての記録素子基板２が１つの封止部材１８で一括して覆われている。図８（ｄ）に示す構成では、記録素子基板２が複数のグループに分けられ、各グループごとに１つの封止部材１８が設けられている。これらの構成のいずれを選択するかは、液体吐出ヘッド１全体の大きさ等に基づいて、製造の容易さや位置ずれ防止の効果を勘案して決定すればよい。
本実施形態においても、封止部材１１，１８の、各記録素子基板２および電気配線基板３を覆う部分を垂線Ｃ１によって２つの領域に分けたときに、それらの２つの領域の体積が互いに同じであるか、または体積の差が小さいことが好ましい。

（第５の実施形態）
本実施形態は、第４の実施形態と同様に複数のユニット１６が並べて配列されたラインヘッドにおいて、第２の実施形態と同様に変形防止部材１２が設けられている。
図９（ａ）に示す構成では、図８（ａ）に示す構成と同様に、各ユニット１６に１つの記録素子基板２と、１つの電気配線基板３および接続部材１０と、１つの封止部材１１と、１つの変形防止部材１２とが設けられている。記録素子基板２の一側部２ａは封止部材１１によって覆われ、反対側部２ｂは変形防止部材１２によって覆われている。図示しないが、図８（ｂ）に示す構成に、記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う変形防止部材を追加した構成にすることも可能である。
図９（ｂ）に示す構成では、図８（ｃ）に示す構成と同様に、１つの長尺支持部材１７上に配列された複数の支持部材４の全てにまたがって１つの長尺の封止部材１８と１つの変形防止部材１９が設けられている。封止部材１８は、全ての記録素子基板２の一側部２ａと全ての電気配線基板３の対向部分とを一括して覆っている。同様に、長尺の変形防止部材１９が、全ての記録素子基板２の反対側部２ｂを一括して覆っている。
図９（ｃ）に示す構成では、図８（ｄ）に示す構成と同様に、隣接する少なくとも２つの記録素子基板２を１グループとして、各グループの記録素子基板２に対して１つの封止部材１８と１つの変形防止部材１９がそれぞれ設けられている。
これらの構成では、記録素子基板２の反対側部２ｂを覆うように変形防止部材１２，１９が設けられている。従って、第２の実施形態において説明したように、封止部材１１，１８および変形防止部材１２，１９の硬化収縮時に、記録素子基板２の一側部２ａのみに応力が集中せず、一側部２ａにかかる応力と反対側部２ｂにかかる応力が均衡する。それによって、記録素子基板２の位置ずれ防止の効果がより高い。
本実施形態においても、封止部材１１，１８の、各記録素子基板２および電気配線基板３を覆う部分を垂線Ｃ１によって２つの領域に分けたときに、それらの２つの領域の体積が互いに同じであるか、または体積の差が小さいことが好ましい。さらに、電気配線基板１２，１９の、各記録素子基板２の反対側部２ｂを覆う部分を、記録素子基板２の重心２ｃを通る垂線Ｃ１によって２つの領域に分けたときに、それらの２つの領域の体積が互いに同じであるか、または体積の差が小さいことが好ましい。

以上説明した通り、本発明によると、液体吐出ヘッドの記録素子基板の位置ずれを抑えることができ、吐出する液滴の着弾位置の精度が向上する。従って、この液体吐出ヘッドをインクジェットプリンタに採用すると、高速印刷時にも高い記録品質を安定して達成できる。
さらに、記録素子基板を複数並べてラインヘッドを構成する場合には、個々の記録素子基板の位置ずれを抑えることができる。また、記録素子基板同士の相対的な位置ずれを小さくでき、しかも記録素子基板同士の相対位置の調整が容易に行えて作業を効率化できる。それにより、記録素子基板同士の相対的な位置ずれに起因する記録画像中のスジやムラ等を防止して、記録品質の劣化を防止できる。また上述した各実施形態において、電気配線基板３は記録素子基板２の一辺から帯状に延伸する構成について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば電気配線基板３に開口部を設け、その開口部内に記録素子基板２を配置し、電気配線基板の開口部の内縁部とで電気接続する構成の液体吐出ヘッドにも適用可能である。

１ 液体吐出ヘッド
２ 記録素子基板
２ａ 一側部
２ｂ 反対側部
２ｃ 重心
３ 電気配線基板
１０ 接続部材
１１，１８ 封止部材
１２，１９ 変形防止部材
２０ 電極端子
２１ 電極
Ａ１，Ａ２ 領域
Ｃ１ 垂線
Ｃ２ 封止部中心線

Claims (20)

1. 少なくとも一側部に電極が設けられている記録素子基板と、
   前記記録素子基板の前記一側部に対向して配置されている電気配線基板と、
   前記記録素子基板の前記一側部に設けられている前記電極と前記電気配線基板に設けられている電極端子とを接続する接続部材と、
   前記接続部材を覆うように前記記録素子基板の前記一側部と前記電気配線基板とにまたがって形成されている封止部材と、を有し、
   前記記録素子基板の重心を通り、かつ前記記録素子基板の前記一側部側の端辺に直交する垂線と、前記端辺の前記封止部材によって覆われる部分の前記端辺に沿った方向の中心を通り、かつ前記垂線に対して平行な封止部中心線とが、前記端辺に沿った方向にずれており、
   前記封止部材の、前記記録素子基板の前記一側部を覆う部分の、前記封止部中心線によって分けられる２つの領域のうちの前記垂線が通る側の領域は、前記垂線が通らない側の領域よりも体積が大きい、液体吐出ヘッド。
2. 前記記録素子基板は、液体を吐出するための吐出口と、前記吐出口から前記液体を吐出するためのエネルギーを発生する記録素子とを有し、前記電極は前記記録素子に電気的に接続されている、請求項１に記載の液体吐出ヘッド。
3. 前記記録素子基板は平行四辺形の平面形状を有する、請求項１または２に記載の液体吐出ヘッド。
4. 前記封止部材は熱硬化型の樹脂からなる、請求項１から３のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
5. 前記記録素子基板の前記一側部の反対側の反対側部を覆うように設けられている変形防止部材をさらに有する、請求項１から４のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
6. 前記変形防止部材は熱硬化型の樹脂からなる、請求項５に記載の液体吐出ヘッド。
7. 前記封止部材と前記変形防止部材は同じ材料から形成されている、請求項５または６に記載の液体吐出ヘッド。
8. 前記封止部材と前記変形防止部材は、前記記録素子基板の重心を対称点として点対称である、請求項５から７のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
9. 複数の前記記録素子基板が直線状に並べて配置されており、前記記録素子基板の各々に前記封止部材がそれぞれ設けられている、請求項１から８のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
10. 複数の前記記録素子基板が直線状に並べて配置されており、隣接する少なくとも２つの前記記録素子基板のそれぞれの前記一側部を連続して覆う前記封止部材を有する、請求項１から８のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
11. 複数の前記記録素子基板が直線状に並べて配置されており、全ての前記記録素子基板のそれぞれの前記一側部を連続して覆う１つの前記封止部材を有する、請求項１から８のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
12. 少なくとも一側部に電極を備える記録素子基板と、
    配線を備える電気配線基板と、
    前記記録素子基板の前記電極と前記電気配線基板の前記配線とを接続する接続部と、
    前記接続部を覆うように前記記録素子基板の前記一側部と前記電気配線基板とにまたがって設けられている封止材と、を備える液体吐出ヘッドであって、
    前記記録素子基板の重心を通り、かつ前記記録素子基板の前記一側部側の端辺に直交する第１線と、前記端辺の前記封止材によって覆われる部分の中心を通り、かつ前記第１線に対して平行な第２線が、前記端辺の延在方向に関してずれており、
    前記封止材の、前記記録素子基板の前記一側部を覆う部分の、前記第２線によって分けられる２つの領域のうちの前記第１線側の第１領域の体積は、前記第１線側とは反対の第２領域の体積より大きい、液体吐出ヘッド。
13. 前記記録素子基板は平行四辺形の平面形状を有する、請求項１２に記載の液体吐出ヘッド。
14. 前記封止材は熱硬化型の樹脂からなる、請求項１２または１３に記載の液体吐出ヘッド。
15. 前記記録素子基板の前記一側部側と反対の他側部には電極が設けられていない、請求項１２から１４のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
16. 前記他側部の電極は熱硬化型の樹脂部材で覆われている、請求項１５に記載の液体吐出ヘッド。
17. 前記封止材の前記第１領域には凸部が形成されている、請求項１２から１６のいずれか１項に記載の液体吐出ヘッド。
18. 少なくとも一側部に電極を備える記録素子基板と、
    配線を備える電気配線基板と、
    前記記録素子基板の前記電極と前記電気配線基板の前記配線とを接続する接続部と、
    前記接続部を覆うように前記記録素子基板の前記一側部と前記電気配線基板とにまたがって設けられている封止材と、を備える液体吐出ヘッドであって、
    前記封止材は前記記録素子基板の一側部側の端辺のうちの一部の領域に設けられており、前記記録素子基板の重心を通り、かつ前記端辺に直交する線は前記封止材が設けられている領域と交差する、液体吐出ヘッド。
19. 前記端辺のうち、前記封止材が設けられている領域の長さは、前記封止材が設けられていない領域の長さよりも短い、請求項１８に記載の液体吐出ヘッド。
20. 前記記録素子基板は平行四辺形の平面形状を有する、請求項１８または１９に記載の液体吐出ヘッド。

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