JP2015231599A - 微量pcb汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法 - Google Patents

微量pcb汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法 Download PDF

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Masayuki Ono
正之 大野
新一朗 月森
Shinichiro Tsukimori
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Abstract

【課題】絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の内部や構成する部材に付着又は含浸しているPCBを洗浄溶剤中に拡散させる効果の高い洗浄溶剤を用いることで、微量PCB汚染廃電気機器等をより簡便で、効率よく洗浄無害化することができる処理方法を提供すること。
【解決手段】絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の洗浄無害化処理方法であって、前記廃電気機器等の内部に、炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤を入れて、前記廃電気機器等の容器及び内蔵されている部材と前記洗浄溶剤とを接触させる洗浄工程を含む微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、微量PCB汚染絶縁油が充填された廃電気機器の内部や構成する部材に付着又は含浸しているPCBを除去することにより、前記廃電気機器を無害化処理する洗浄方法に関する。
PCBは、その毒性が明らかとなったことから、日本において昭和47年に生産が中止、昭和49年に製造・輸入、新規使用が禁じられ、それ以降、長期にわたり保管が義務付けられている。
そして、平成13年に国会で「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が施行され、さらに平成24年の改正で平成39年3月までにPCB及びPCBに汚染された変圧器、コンデンサ等のPCB汚染物を無害化処理することが義務付けられた。現在では、いわゆる高濃度PCB及び高濃度PCB入り変圧器あるいはコンデンサ等を対象とした処理施設を全国5か所に建設して、前記処理期限内で処理を完了することが目指されている。
一方、平成14年7月にPCBを使用していないはずの変圧器等の電気機器の一部において、充填された絶縁油中に微量のPCBが混入している電気機器があることが(社)日本電機工業会(以下)、JEMAという)から報告された。そして、JEMA等の調査によると、0.5〜数十ppm(mg/kg)レベルの微量PCBが絶縁油に混入している電気機器(いわゆる微量PCB汚染電気機器)は非常に広範囲に及んでおり、大容量の変圧器も含めると日本国中で120万台程度あると推定されている。
前記微量PCB汚染電気機器は、前記の全国5か所の処理施設で処理することは想定されておらず、また、前記処理施設において微量PCBで汚染された電気機器の処理をさらに実施することは、前記処理施設の処理能力や経済性を考慮すると実質的に困難であるため、微量PCB汚染廃電気機器のための新たな処理技術や処理方法の確立が急務となっていた。
微量PCB汚染廃電気機器を無害化する方法の一つとしては、洗浄溶剤を用いた洗浄無害化処理方法が報告されている(特許文献1)。この方法では、PCBを含む絶縁油が充填された電気機器から前記絶縁油を抜取った後、炭化水素系洗浄溶剤を充填し、この炭化水素系溶剤に前記電気機器の内部に残留するPCBを溶解させて排出させているが、前記炭化水素系洗浄溶剤中ではPCBが沈降するため、電気機器内部からPCBを回収するには、電気機器内部の洗浄溶剤を強制的に循環させる必要があった。
しかし、洗浄溶剤の強制的な循環にはポンプ等の循環設備を電気機器付近に設置する必要となり、また、汚染状態に応じて、洗浄回数を調整する必要があり、しばしば、洗浄を完了するまで多大な時間が必要となるケースがあった。
このことから、微量PCB汚染廃電気機器やこれらを構成する部材を、より簡便で、効率よく洗浄無害化する方法が求められていた。
特許第4898507号公報
本発明は、絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の内部や構成する部材に付着又は含浸しているPCBを洗浄溶剤中に速やかに拡散させる効果の高い洗浄溶剤を用いることで、微量PCB汚染廃電気機器等をより簡便で、効率よく洗浄無害化することができる処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記目的を達成するため、洗浄溶剤の組成や密度に着目して鋭意検討した結果、炭化水素油とアルコール類とを混合させ、その密度を微量PCBで汚染された絶縁油よりも小さく調整した洗浄溶剤には、炭化水素油又はアルコール類単独の洗浄溶剤の場合には見られない洗浄作用、具体的には微量PCBを短時間で沈降させるだけでなく、洗浄溶剤中に拡散させる作用が新たに発現されることを初めて見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の洗浄無害化処理方法であって、
前記廃電気機器等の内部に、炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤を入れて、前記廃電気機器等の容器及び内蔵されている部材と前記洗浄溶剤とを接触させる洗浄工程、を含む微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(2)絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の洗浄無害化処理方法であって、
洗浄用容器内で前記廃電気機器等と炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤とを接触させる洗浄工程、
を含む微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(3)前記アルコール類が炭素数1〜4のアルコール類のうちいずれか1種以上である、前記(1)又は(2)に記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(4)前記炭化水素油がパラフィン系炭化水素油又はナフテン系炭化水素油である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(5)前記洗浄溶剤中の炭化水素油とアルコール類との重量比(炭化水素油:アルコール類)が5:95〜95:5である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(6)前記洗浄溶剤を循環させる及び/又は前記洗浄溶剤を静置する前記(1)〜(5)のいずれかに記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(7)前記微量PCB汚染廃電気機器等が変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器、整流器、コンデンサ、リアクトル又は放電コイルである前記(1)に記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
(8)前記微量PCB汚染廃電気機器等が変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器、整流器、コンデンサ、リアクトル又は放電コイルを構成する部材、ブッシング及びケーブル並びにこれらの電気機器を構成する部材のいずれか1種類以上である前記(2)に記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法、
に関する。
本発明により、微量PCBが何らかの原因で付着又は含浸することで汚染されている変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器又は整流器、コンデンサ、リアクトル、放電コイル、ブッシング及びケーブル等の廃電気機器から短時間で効率的にPCBを除去することができる。具体的には、本発明ではPCBの拡散性に優れた洗浄溶剤を使用するため、廃電気機器内に前記洗浄溶剤を充填するだけで、従来法のようにポンプを用いて強制的に洗浄溶剤を循環させなくとも、速やかにPCBを除去することができる。また、本発明ではポンプを用いれば従来法よりもさらに速やかにPCBを除去することができる。また、本発明では、前記廃電気機器を解体せずとも廃電気機器内に残留するPCBを除去することができるが、前記廃電気機器を解体して得られる各部材、例えば、絶縁紙、プレスボード、木材、鉄心、容器、コイル、リード線等を洗浄用容器に収容しておき、この洗浄用容器内で前記洗浄溶剤を接触させることで前記各部材に付着又は含浸している微量PCBを速やかに除去することができる。
実施例1において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例2において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例3において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例4において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例5において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例6において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例7において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 実施例8において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。 比較例1において行った絶縁紙に付着・含浸した微量PCBの洗浄結果を示すグラフである。上層、中層、下層はそれぞれ洗浄溶剤中の高さ方向の位置を示す。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明するが当該説明は本発明の実施態様の一例であり本発明はこれらに制限されず任意に改変して実施することができる。
本発明の方法は、絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の洗浄無害化処理方法であって、
前記廃電気機器等の内部に、炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤を入れて、前記廃電気機器等の容器及び内蔵されている部材と前記洗浄溶剤とを接触させる洗浄工程を含む。
本発明で洗浄無害化処理の対象となる廃電気機器等としては、微量PCBで汚染された絶縁油を使用しているものであればよく、例えば、変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器、整流器等が挙げられるが、特に限定はない。
前記廃電気機器等としては、微量PCB汚染絶縁油を抜き出したものを使用する。
前記廃電気機器等から微量PCB汚染絶縁油を抜き出す方法としては、絶縁油用の供給口に配管を接続し、ポンプを用いて取り出してもよいし、絶縁油排出口から排出してもよいし、前記廃電気機器等の容器の適当な部分にドリル等で穴を開け、その穴から微量PCB汚染絶縁油を排出してもよい。微量PCB汚染絶縁油を取り出す際の温度条件等については特に限定はない。
本発明では、前記のように微量PCB汚染絶縁油を抜き出した廃電気機器等の内部に、炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤を入れることで、前記廃電気機器等の容器及び内蔵されている部材と前記洗浄溶剤とを接触させる。
前記のように、洗浄溶剤の密度を微量PCBで汚染された絶縁油よりも小さく調整することで、洗浄溶剤により前記廃電気機器等から分離・溶出させたPCBを洗浄溶剤中で沈降させることができる。また、前記洗浄溶剤の原料として炭化水素油及びアルコール類を混合することで、炭化水素油又はアルコール類単独の洗浄溶剤の場合には見られない洗浄作用、具体的には微量PCBを短時間で沈降させるだけでなく、洗浄溶剤中に拡散させる作用が新たに発現されるために、微量PCB汚染廃電気機器等から短時間で効率よくPCBの洗浄を行うことができる。
前記洗浄溶剤に使用される炭化水素油としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の炭化水素油が挙げられる。また、パラフィン系炭化水素油としては、ノルマルパラフィン系炭化水素油、イソパラフィン系炭化水素油等が挙げられる。中でも、本発明では、洗浄効果に優れ、アルコール類との相溶性に優れる等の観点から、パラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油が好ましい。
前記パラフィン系炭化水素油としては、洗浄性の観点から、炭素数10〜12の炭化水素を含むものがよく、市販されている洗浄溶剤であればよい。例えば、HC−FX70、HC−FX50、HC−250、HC−370等(いずれも東ソー株式会社製)、NSクリーン100、NSクリーン110、NSクリーン200等(いずれもJX日鉱日石エネルギー株式会社製)、ダフニーアルファクリーナーM(出光興産製)等が挙げられる。
前記ナフテン系炭化水素油としては、市販されている洗浄溶剤であればよいが、例えば、ダフニークリーナーNM等(出光興産製)等が挙げられる。
また、前記炭化水素油は、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系等の炭化水素油をそれぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
前記洗浄溶剤に使用されるアルコール類としては、炭素数1〜4のアルコール類が挙げられるが、中でも、前記炭化水素油と併用した場合の微量PCBの拡散性に優れるという観点から、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等の炭素数1〜4のアルコール類が好ましく、さらにエタノールがより好ましい。
前記アルコール類は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
前記洗浄溶剤は、前記絶縁油よりも密度が小さいように調製される。
前記絶縁油の密度については、廃電気機器等から洗浄工程を行う前に抜き出した絶縁油を、密度比重計を用いて測定することができる。
洗浄溶剤の密度も、前記絶縁油と同様に密度比重計を用いて測定してもよい。
また、洗浄溶剤中の炭化水素油及びアルコール類の重量比率に応じて、それぞれの密度をかけ合わせて合計することで洗浄溶剤全体の密度を算出することもできる。
炭化水素油の密度は、市販品を用いる場合には、市販品に添付されるカタログを参照すればよい。
アルコール類の密度についても化学事典、教科書など、各種の資料を参照すればよい。
なお、前記絶縁油と洗浄溶剤の密度はいずれも同じ温度条件で測定したものを使用する。
前記洗浄溶剤中における炭化水素油とアルコール類との重量比(炭化水素油:アルコール類)としては、絶縁油よりも密度が小さく調整しやすくかつ微量PCBの拡散性に優れる観点から、5:95〜95:5であることが好ましく、20:80〜40:60がより好ましい。
前記廃電気機器等の内部へ前記洗浄溶剤を入れる方法としては、例えば、前記廃電気機器等にある絶縁油を排出した口や穴からあるいは、前記廃電気機器等の上部に設けた注入口やベント管から前記洗浄溶剤を入れればよい。また、前記洗浄溶剤の注入量は、前記廃電気機器に予め充填されていた絶縁油と同量以上にすれば、前記廃電気機器の容器及び内蔵されている部分に付着又は含浸している微量PCBに洗浄溶剤が接触でき、効率よく洗浄することができる。
前記廃電気機器等の内部に注入した前記洗浄溶剤は、ポンプ等を用いて循環させてもよいし、そのまま静置していてもよいし、循環や静置を1回以上繰り返してもよい。
前記洗浄溶剤は、前記廃電気機器等の内部に付着又は含浸されている微量PCBと接触すると、付着又は含浸されている部分から微量PCBを分離・溶出させ、また洗浄溶剤中に拡散させるため、静置したままでも洗浄することができる。また、洗浄溶剤を前記廃電気機器等の内部で循環させると循環の圧力により微量PCBが分離・溶出する速度が向上するため洗浄効果がより大きくなる。さらに、洗浄溶剤の循環と静置を繰り返すと、拡散性も向上するため、洗浄効果がさらに大きくなる。
前記循環させる場合、前記廃電気機器等の付近に循環用のポンプを設置し、このポンプと前記廃電気機器等の内部に通じる複数の穴とを配管で接続すればよい。また、循環させる流速についても特に限定はない。
前記洗浄溶剤を循環する時間又は静置する時間については、洗浄対象となる廃電気機器等の大きさや内部構造により一概に限定できないが、例えば、洗浄効率を考えると、循環時間は8時間以下が好ましく、また、静置時間は16時間以下が好ましい。
前記洗浄溶剤を前記廃電気機器等の内部に注入して洗浄する際の温度条件としては、特に限定はなく、前記廃電気機器等が設置されている場所の一般的な温度であればよく、例えば室温でもよい。
また、前記洗浄工程は、前記廃電気機器等の容器及び内蔵されている部材が定められた無害化判定基準を満足するまで実施すればよい。前記洗浄工程の回数は、1回でもよいし複数回繰り返してもよい。また、複数回繰り返す場合には新しい洗浄溶剤に取り換えてもよい。判定基準を満足したかどうかの確認は、対象部材毎に定められた判定方法あるいは洗浄溶剤中のPCB含有量により行う。なお、前記洗浄溶剤中のPCBの量は、ガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)により測定することができる。
新しい洗浄溶剤に取り換える場合、前記絶縁油を抜き出した方法と同じようにして前記廃電気機器等内に充填されている洗浄溶剤を抜き出せばよい。
また、洗浄対象である前記廃電気機器等が小型である場合、これらの廃電気機器等を収容できる大きさの洗浄用容器内に前記廃電気機器等を置き、前記洗浄用容器内に前記洗浄溶剤を充填することで、前記廃電気機器等と前記洗浄溶剤とを接触させればよい。
前記小型の廃電気機器等としては、例えば、変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器、整流器、コンデンサ、リアクトル又は放電コイルを構成する部材や、ブッシング及びケーブルや、ブッシング又はケーブルを構成する部材が挙げられる。
なお、前記廃電気機器を構成する部材は、前記廃電気機器を解体することで得られる部材であればよく、例えば、変圧器であれば、絶縁紙、プレスボード、木材、鉄心、容器、コイル、リード線等が挙げられる。
前記洗浄用容器の大きさ、形状については、洗浄対象である廃電気機器等が収容できればよく、特に限定はない。また、洗浄用容器の材質としては、前記洗浄溶剤によって腐食したり、溶解したりしない材質であればよく、特に限定はない。
前記洗浄用容器に充填する洗浄溶剤の量としては、前記洗浄用容器内にある廃電気機器等が全部浸漬するような量であればよい。また、前記洗浄用容器内の洗浄溶剤は、静置しても、循環させてもよい。
前記循環させる場合、前記洗浄用容器の付近に循環用のポンプを設置し、このポンプと前記洗浄用容器の内部に通じる複数の穴とをパイプで接続すればよい。また、循環させる流速についても特に限定はない。
前記洗浄溶剤を循環する時間又は静置する時間については、洗浄対象となる廃電気機器等の大きさや内部構造により一概に限定できないが、例えば、洗浄効率を考えると、循環時間は8時間以下が好ましく、また、静置時間は16時間以下が好ましい。
前記洗浄用容器に充填した前記洗浄溶剤で洗浄する際の温度条件としては、特に限定はなく、例えば室温でもよい。
また、前記洗浄工程は、前記小型の廃電気機器等が定められた無害化判定基準を満足するまで実施すればよい。前記洗浄工程の回数は、1回でもよいし複数回繰り返してもよい。また、複数回繰り返す場合には新しい洗浄溶剤に取り換えてもよい。判定基準を満足したかどうかの確認は、対象部材毎に定められた判定方法あるいは洗浄溶剤中のPCB含有量により行う。なお、前記洗浄溶剤中のPCBの量は、ガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)により測定することができる。
新しい洗浄溶剤に取り換える場合、前記洗浄用容器に充填されている洗浄溶剤を抜き出せばよい。
以上のようにして、廃電気機器等から微量PCBを簡単に除去することができる。
除去した廃電気機器等は、所定の方法にて解体等を行い処分される。
また、使用済みの洗浄溶剤は、PCBを含むため廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設で処理される。あるいは蒸留等により炭化水素油とアルコールをPCBと分離し、PCBは前記無害化処理認定施設で処理される。
さらに前記回収した炭化水素油及びアルコール類は、再度洗浄溶剤の原料として使用することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
濃度3000mg/kgのPCB(主成分:カネクロールKC−400)を含んだ鉱油系絶縁油(市販鉱物系絶縁油、密度:0.87g/cm)300gに、変圧器構成材料である絶縁紙2.5gを24時間浸漬させた。
次いで、1.5L容の洗浄用容器(縦5cm、横18cm、高さ17cm)内の底面に2本のガラス棒を平行になるように置き、そのガラス棒の上に前記絶縁紙をさらに置き、HC−370及びエタノールを混合して調製した洗浄溶剤(HC−370:30重量%、エタノール70重量%、密度:0.78g/cm)を高さ14.5cmまで充填した。
次いで、前記洗浄用容器の底面から1cm(下層)、6cm(中層)、12cm(上層)の高さの洗浄溶剤中のPCB濃度を、ガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)を用いて0、1、2、3、4時間の時間毎に経時的に測定した。なお、前記洗浄は、室温下で行い、洗浄溶剤の温度は21〜24℃であった。
(実施例2〜8、比較例1)
洗浄溶剤として表1に示す成分の洗浄溶剤を用い、実施例1と同様にして洗浄溶剤中のPCB濃度を測定した。
Figure 2015231599
実施例1〜8及び比較例1で得られた結果をそれぞれ図1〜9に示す。
図1〜8に示す結果より、実施例1〜8ではいずれもまず下層のPCB濃度が上がったのち、徐々に低下して中層、上層の濃度に近づいていく傾向が見られた。したがって、炭化水素油とアルコール類とを混合する洗浄溶剤を用いると、絶縁紙に付着・含浸されている微量PCBが分離・溶出でき、分離・溶出されたPCBは一旦、洗浄溶剤の下層に沈降してから、徐々に中層、上層に拡散していくことがわかる。
一方、図9に示す結果より、比較例1のようなHC−370単独の洗浄溶剤では、下層のPCB濃度は上昇したままで、かつ経時的に上昇する傾向があった。したがって、炭化水素油からなる洗浄溶剤を用いると、絶縁紙に付着・含浸されている微量PCBが分離・溶出されるものの、大部分のPCBは下層に沈降したままの状態になっていることがわかる。
(比較例2)
洗浄溶剤としてエタノールを用い、実施例1と同様にして洗浄溶剤中のPCB濃度を測定した。その結果、比較例1と同様に、エタノール中では絶縁紙から分離・溶出した微量PCBの大部分は洗浄溶剤の下層に沈降したままであった。
以上の結果から、実施例1〜8で得られた炭化水素油とアルコール類とを含有する洗浄溶剤は、炭化水素油単独の洗浄溶剤やアルコール類単独の洗浄溶剤にはほとんど見られないPCB分散性が発現されていることから、静置した状態でも洗浄することができ、また洗浄時間が短くても微量PCBを抽出することができ、しかも炭化水素油単独の場合と比べてPCBの分散性が高いことがわかる。

Claims (8)

  1. 絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の洗浄無害化処理方法であって、
    前記廃電気機器等の内部に、炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤を入れて、前記廃電気機器等の容器及び内蔵されている部材と前記洗浄溶剤とを接触させる洗浄工程、
    を含む微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  2. 絶縁油に含まれる微量PCBで汚染された廃電気機器等の洗浄無害化処理方法であって、
    洗浄用容器内で前記廃電気機器等と炭化水素油及びアルコール類を含み且つ前記絶縁油よりも密度が小さい洗浄溶剤とを接触させる洗浄工程、
    を含む微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  3. 前記アルコール類が炭素数1〜4のアルコール類のうちいずれか1種以上である、請求項1又は2に記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  4. 前記炭化水素油がパラフィン系炭化水素油又はナフテン系炭化水素油である、請求項1〜3のいずれかに記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  5. 前記洗浄溶剤中の炭化水素油とアルコール類との重量比(炭化水素油:アルコール類)が5:95〜95:5である、請求項1〜4のいずれかに記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  6. 前記洗浄溶剤を循環させる及び/又は前記洗浄溶剤を静置する請求項1〜5のいずれかに記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  7. 前記微量PCB汚染廃電気機器等が変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器、整流器、コンデンサ、リアクトル又は放電コイルである請求項1に記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
  8. 前記微量PCB汚染廃電気機器等が変圧器、パルス変調器、直流高圧発生器、誘導電圧調整器、計器用変成器、油遮断器、油入開閉器、整流器、コンデンサ、リアクトル又は放電コイルを構成する部材、ブッシング及びケーブル並びにこれらの電気機器を構成する部材のいずれか1種類以上である請求項2に記載の微量PCB汚染廃電気機器等の洗浄無害化処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5988233B1 (ja) * 2016-01-29 2016-09-07 有限会社加藤創研 ポリ塩化ビフェニル汚染変圧器の洗浄方法

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