JP2015229366A - 4輪駆動車のクラッチ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右後輪19,20への駆動力伝達系に、電制カップリング12とドグクラッチ17を設けた。この4輪駆動車のクラッチ制御装置において、4WDコントロールユニット34は、電制カップリング12の締結/解放制御とドグクラッチ17の締結/解放制御を行う。また、4WDコントロールユニット34は、解放状態のドグクラッチ17に対し締結要求があると、先に電制カップリング12の締結制御を行い、該締結制御の開始から、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの目標同期時間T*を、車両状態に基づき算出する。そして、4WDコントロールユニット34は、目標同期時間T*の終了に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする電制カップリング12の締結トルク制御を行う。
【選択図】図5
Description
この4輪駆動車のクラッチ制御装置において、前記駆動力配分摩擦クラッチの締結/解放制御と前記噛み合いクラッチの締結/解放制御を行うクラッチ制御手段と、目標同期時間算出手段と、を設けた。
前記目標同期時間算出手段は、解放状態の前記噛み合いクラッチに対し締結要求があると、前記クラッチ制御手段により先に前記駆動力配分摩擦クラッチの締結制御を行い、該締結制御の開始から、前記噛み合いクラッチのクラッチ差回転が回転同期判定閾値以下になるまでの目標同期時間を、車両状態に基づき算出する。
前記クラッチ制御手段は、前記目標同期時間の終了に合わせて、前記クラッチ差回転を回転同期判定閾値以下にする駆動力配分摩擦クラッチの締結トルク制御を行う。
ここで、駆動分岐位置よりも下流位置とは、駆動分岐位置から副駆動輪に向かう駆動力伝達経路上で駆動分岐位置よりも副駆動輪側の位置をいう。
すなわち、駆動力配分摩擦クラッチが締結制御されると、噛み合いクラッチの出力回転数が上昇するため、噛み合いクラッチのクラッチ差回転は時間の経過と共に減少し、クラッチ差回転が回転同期判定閾値以下まで減少すると、噛み合いクラッチが締結される。
つまり、締結トルク制御により、クラッチ差回転が調整され、目標同期時間の終了に合わせて、クラッチ差回転が回転同期判定閾値以下になるので、噛み合いクラッチが締結される。
この結果、噛み合いクラッチの締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。
施例1に基づいて説明する。
実施例1における後輪駆動ベースの4輪駆動車(4輪駆動車の一例)のクラッチ制御装置の構成を、「4輪駆動車の駆動系構成」、「4輪駆動車の制御系構成」、「駆動モード切り替え構成」、「クラッチ制御構成」に分けて説明する。
図1は、クラッチ制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成を示す。以下、図1に基づき、4輪駆動車の駆動系構成を説明する。
すなわち、電制カップリング12とドグクラッチ17とを共に解放する2輪駆動モード(=ディスコネクト2輪駆動モード)を選択することが可能な駆動系構成としている。この電制カップリング12とドグクラッチ17を解放することにより、ドグクラッチ17より上流側の駆動系回転(フロントプロペラシャフト13等の回転)が停止することで、フリクション損失やオイル攪拌損失などが抑えられ、燃費向上が達成される。
図2は、クラッチ制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車の制御系構成を示す。以下、図2に基づき、4輪駆動車の制御系構成を説明する。
図3は、「オートモード」が選択されたときのクラッチ制御で用いられる車速VSPとアクセル開度ACCに応じた駆動モード切り替えマップを示し、図4は、駆動モード(ディスコネクト2輪駆動モード・スタンバイ2輪駆動モード・コネクト4輪駆動モード)の切り替え遷移を示す。以下、図3及び図4に基づき、駆動モード切り替え構成を説明する。
すなわち、2WD走行(Disconnect)→2WD走行(Stand-by)の切り替え遷移速度(図4の矢印F)を速くし、2WD走行(Stand-by)→2WD走行(Disconnect)の切り替え遷移速度(図4の矢印G)を遅くしている。同様に、2WD走行(Disconnect)→4WD走行(Connect)の切り替え遷移速度(図4の矢印H)を速くし、4WD走行(Connect)→2WD走行(Disconnect)の切り替え遷移速度(図4の矢印I)を遅くしている。これに対し、2WD走行(Stand-by)→4WD走行(Connect)の切り替え遷移速度(図4の矢印J)と、4WD走行(Connect)→2WD走行(Stand-by)の切り替え遷移速度(図4の矢印K)は、同じ速い速度にしている。
図5は、4WDコントロールユニット34にて実行されるクラッチ制御処理流れを示す(クラッチ制御手段)。以下、クラッチ制御処理構成をあらわす図5の各ステップについて説明する。このフローチャートは、「オートモード」の選択時であり、かつ、駆動モードとして、電制カップリング12とドグクラッチ17が共に解放されている「ディスコネクト2輪駆動モード」が選択されているときに開始される。
ここで、ドグクラッチ17に対し締結要求が出されるのは、「ディスコネクト2輪駆動モード」の選択時、「コネクト4輪駆動モード」又は「スタンバイ2輪駆動モード」へのモード遷移と判定されたときである。
ここで、目標同期時間T*は、解放状態のドグクラッチ17に対し締結要求があると、4WDコントロールユニット34(クラッチ制御手段)により先に電制カップリング12の締結制御を行い、該締結制御の開始から、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの時間である。この目標同期時間T*は、車両状態(アクセル開度ACC、車速VSP、舵角θ等)に基づき算出する。
また、回転同期判定閾値αは、ドグクラッチ17の噛み合い締結が可能な回転同期状態を判定するクラッチ差回転値であり、固定値で与えても良いし、車速VSP等に応じた可変値で与えても良い。
ここで、直進時目標同期時間T*1は、例えば、アクセル開度ACCから求まるアクセル開度目標同期時間tACCと、車速VSPから求まる車速目標同期時間tVSPと、から算出される。まず、アクセル開度目標同期時間tACCは、図6に示すACC-tACCマップ図を用いて、アクセル開度ACCから求める。なお、図6において、高アクセル開度では、車両に前後Gショックを防止するために下限時間を設定した。また、低アクセル開度では、変速間延びを防止するために、上限時間を設定した。高アクセル開度と低アクセル開度との間は、アクセル開度ACCに応じて時間が求められる。次に、車速目標同期時間tVSPは、図7に示すVSP-tVSPマップ図を用いて、車速VSPから求める。そして、図6から求まったアクセル開度目標同期時間tACCと、図7から求まった車速目標同期時間tVSPと、を足して、直進時目標同期時間T*1を算出する。
この他、直進時目標同期時間T*1を算出する方法としては、アクセル開度ACCから直進時目標同期時間T*1を算出し、この算出された時間T*1を車速VSPにて補正して、最終的な直進時目標同期時間T*1を算出する方法でも良い。また、これとは反対に、車速VSPから直進時目標同期時間T*1を算出し、この算出された時間T*1をアクセル開度ACCにて補正して、最終的な直進時目標同期時間T*1を算出する方法でも良い。
ここで、旋回時目標同期時間T*2は、例えば、アクセル開度目標同期時間tACCと、車速目標同期時間tVSPと、「f(θ)」と、から算出される。アクセル開度目標同期時間tACCと車速目標同期時間tVSPの求め方は、ステップS4と同じであるから説明を省略する。また、「f(θ)」は、舵角θが大きいほど長い時間が算出される。そして、図6と図7からそれぞれ求まったアクセル開度目標同期時間tACCと車速目標同期時間tVSPとを足し、さらに、f(θ)による時間を足して、旋回時目標同期時間T*2を算出する。
この他、旋回時目標同期時間T*2を算出する方法としては、アクセル開度ACCから旋回時目標同期時間T*2を算出し、この算出された時間T*2を車速VSPにて補正し、この補正した時間T*2にf(θ)による時間を足して、最終的な旋回時目標同期時間T*2を算出する方法でも良い。また、これとは反対に、車速VSPから旋回時目標同期時間T*2を算出し、この算出された直進時目標同期時間T*2をアクセル開度ACCにて補正し、この補正した時間T*2にf(θ)による時間を足して、最終的な旋回時目標同期時間T*2を算出する方法でも良い。
なお、旋回時において、アクセル開度目標同期時間tACCと車速目標同期時間tVSPが直進時と同様であれば、旋回時目標同期時間T*2は直進時目標同期時間T*1よりもf(θ)分ほど長い時間が算出される。すなわち、旋回時において、アクセル開度ACCと車速VSPが直進時と同様であれば、旋回時目標同期時間T*2は直進時目標同期時間T*1よりもf(θ)分ほど長い時間が算出される。
ここで、締結トルク指令値aは、目標同期時間T*が短いほど大きい値に設定され、目標同期時間T*が長いほど小さい値に設定される。
ここで、ステップ指令は、締結トルク指令値aをステップ特性で上げる指令である。また、目標同期時間T*のカウントは、目標同期時間T*からタイマー値をセットし、制御周期(例えば、10ms)ごとに減算することで演算される。
ここで、所定の角度とは、締結トルク指令値aに対応する角度である。なお、カップリングアクチュエータ49の実角度は、モータ回転角度センサ54から取得される。
また、カップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度であるときとは、電制カップリング12の締結トルクが締結トルク指令値aであるときである。逆も同じである。
ここで、クラッチ差回転ΔNは、ドグクラッチ17の入力回転数(左前輪速度)から出力回転数(出力側左前輪ドライブシャフト回転数)を差し引くことで演算される。
ここで、出力回転数は、電制カップリング12を介してドグクラッチ17に回転が伝達される側の回転数であり、入力回転数は、電制カップリング12を介さずにドグクラッチ17に回転が伝達される側の回転数である。
ここで、傾斜bは、残り目標同期時間T*zanの終了に合わせて、ステップS9で演算したクラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする傾斜である。
ここで、ドグクラッチ17が噛み合い締結を完了したか否かの判断は、ドグクラッチストロークセンサ53からのストローク情報に基づいて行う。
ここで、「オートモード」のうち、「エコオートモード」の選択時には、電制カップリング12を完全解放する指令とし、「スポーツオートモード」の選択時には、電制カップリング12を締結直前の解放状態を保つ指令とする。
実施例1の4輪駆動車のクラッチ制御装置における作用を、「ドグクラッチの締結制御作用」、「目標同期時間での締結トルク制御によるドグクラッチの同期作用」、「ドグクラッチ締結制御での他の特徴作用」に分けて説明する。
まず、図5のフローチャートに基づき、ドグクラッチ17の締結制御処理動作の流れを説明する。例えば、「ディスコネクト2輪駆動モード」が選択されているコースト走行中、アクセル踏み込み操作を行ったことで、動作点が図3のL点からM点へ移動したとき、領域区分線Aを横切るタイミングでドグクラッチ17に対し締結要求が出される。又は、動作点が図3のP点からQ点へ移動したとき、領域区分線Bを横切るタイミングでドグクラッチ17に対し締結要求が出される。
ここで、直進と判断される場合は、ステップS3での直進条件(θ1≦θ≦θ2)が成立し、旋回と判断される場合は、ステップS3での旋回条件(θ<θ1、または、θ2<θ)が成立する。
しかし、ステップS3での直進条件または旋回条件のいずれかの条件が成立した場合において、カップリングアクチュエータ49に対し締結トルク指令値aにてステップ指令を出力しても、可動カムピストンがカップリングアクチュエータ49の回転角に応じてクラッチ締結方向にストロークするのに、応答遅れが生じる。このため、ステップ指令の出力から、すぐにカップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度にならない。これにより、ステップ指令の出力から少しの間は、ステップS8での「所定の角度である」という条件(所定角度条件)が成立しない。よって、ステップS8の条件が成立するまでは、図5のフローチャートにおいて、ステップS8→ステップS10へと進む流れが繰り返される。ステップS10では、ステップS7での締結トルク指令値aが維持される。
しかし、電制カップリング12の締結開始前は、ドグクラッチ17の出力側回転が停止しているため、クラッチ差回転ΔNが最大であり、電制カップリング12の締結開始域ではドグクラッチ17の出力側回転の上昇に伴いクラッチ差回転ΔNが減少する。このため、電制カップリング12の締結開始から少しの間は、ステップS14での回転同期判定条件が成立しない。よって、ステップS14の条件が成立するまでは、図5のフローチャートにおいて、ステップS12→ステップS13→ステップS14へと進む流れが繰り返される。
ドグクラッチ17は、クラッチ差回転の有無に関係なく締結できる駆動力配分摩擦クラッチとは異なり、クラッチ入出力回転を同期状態にして噛み合わせる噛み合いクラッチである。このため、ドグクラッチ17が解放されている「ディスコネクト2輪駆動モード」が選択されているとき、ドグクラッチ17の締結要求があると、先にドグクラッチ17の入出力回転を同期回転状態にする必要がある。また、ドグクラッチ17の締結要求があってから、できるだけ早く同期回転状態にすることが望ましい。しかしながら、駆動力配分摩擦クラッチの締結制御初期から、駆動力配分摩擦クラッチの締結トルクが大きすぎると、車両挙動が不安定になってしまうため、車両の状態に合わせて締結トルクを制御する必要がある。
すなわち、電制カップリング12が締結制御されると、ドグクラッチ17の出力回転数が上昇するため、図8に示すように、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNは時間の経過と共に減少し、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下まで減少させると、ドグクラッチ17が締結される。
つまり、締結トルク制御(図5のステップS6からステップS14まで、図8の時刻t1から時刻t3まで)により、クラッチ差回転ΔNが調整され、目標同期時間T*の終了(図8の時刻t3)に合わせて、クラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるので、ドグクラッチ17が締結される(図8の時刻t3)。
この結果、ドグクラッチ17の締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移するまでの応答性を満足することもできる(ステップS5のステップS18)。
実施例1では、電制カップリング12の締結制御を開始するとき、電制カップリング12の締結トルク指令値aをステップ特性で上げる(図5のステップS7、図8の時刻t1)構成とした。
すなわち、電制カップリング12の締結制御を開始するときに、締結トルク指令値aがステップ特性で上げられることにより、電制カップリング12のクリアランスが埋められる。このため、実際に、電制カップリング12が締結を開始するまでの時間が短縮される。
したがって、ドグクラッチ17の締結要求時、電制カップリング12の応答性を向上することができる。
加えて、電制カップリング12が締結を開始するまでの時間が短縮されるので、目標同期時間T*が比較的に短い場合でも、目標同期時間T*の終了に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下まで減少させることができる。このため、ドグクラッチ17の締結要求時、目標同期時間T*が比較的に短い場合でも、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移するまでの応答性を満足することもできる(ステップS5のステップS18)。
すなわち、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた後すなわちステップ指令後、設定された傾斜b特性に基づき、締結トルク指令値を上昇させる(図5のステップS12→ステップS13→ステップS14へと進む流れの繰り返し、図8の時刻t2から時刻t3の間と時刻t3)。言い換えると、残りの目標同期時間T*zan内で、ステップ指令後のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下へ収束するのに(収束する速度に)合わせて、締結トルク指令値を上昇させる。
これにより、目標同期時間T*の終了(図8の時刻t3)に合わせて、クラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるので、ドグクラッチ17が締結される(図8の時刻t3)。
したがって、ドグクラッチ17の締結要求時、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた場合でも、確実に4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移するまでの応答性を満足することもできる(ステップS5のステップS18)。
例えば、舵角が直進時よりも大きくなる旋回時に、直進時と同様の旋回時よりも短い目標同期時間でクラッチ差回転を回転同期判定閾値以下にするには、締結トルク指令値も直進時と同様に制御にしなければならない。このように、旋回時に、直進時と同様の時間かつ締結トルク指令値の制御を行うと、主駆動輪の駆動力が低下し、車両挙動が不安定になってしまうおそれがある。なお、主駆動輪の駆動力が急激に低下するほど、車両挙動が不安定になる。
これに対し、実施例1では、舵角θが大きいほど目標同期時間T*が長い時間に設定され(図5のステップS4とステップS5)、目標同期時間T*が長いほどステップ特性で上げる締結トルク指令値aが小さい値に設定される(図5のステップS6)。
このように、車両の旋回の大きさに合わせて、目標同期時間T*と締結トルク指令値aが設定されることにより、主駆動輪9,10の駆動力の低下を抑えられるので、旋回中の車両挙動の悪化が抑えられる。
したがって、車両の旋回時において、車両挙動の安定性を確保しつつ、4輪駆動状態へ遷移することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移することもできる(ステップS5のステップS18)。
実施例1の4輪駆動車のクラッチ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
主駆動輪(左右後輪9,10)から副駆動輪(左右前輪20,21)への駆動分岐位置と、駆動分岐位置よりも下流位置とのうち、一方の位置に駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)を設け、他方の位置に噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)を設けた4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結/解放制御と噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結/解放制御を行うクラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)と、
解放状態の噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)に対し締結要求があると、前記クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)により先に駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結制御を行い、該締結制御の開始から、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの目標同期時間T*を、車両状態(アクセル開度ACC・車速VSP・舵角θ等)に基づき算出する目標同期時間算出手段(4WDコントロールユニット34、図5〜図7)と、を設け、
クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)は、目標同期時間T*の終了に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結トルク制御を行う(図5)。
このため、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。
このため、(1)の効果に加え、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結要求時、駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の応答性を向上することができる。
このため、 (2)の効果に加え、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結要求時、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた場合でも、確実に4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。
クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)は、目標同期時間T*が長いほど、ステップ特性で上げる締結トルク指令値aを小さい値に設定する。
このため、(2)又は(3)の効果に加え、車両の旋回時において、車両挙動の安定性を確保しつつ、4輪駆動状態へ遷移することができる。
2 変速機
9 左後輪(主駆動輪)
10 右後輪(主駆動輪)
12 電制カップリング(駆動力配分摩擦クラッチ)
17 ドグクラッチ(噛み合いクラッチ)
20 左前輪(副駆動輪)
21 右前輪(副駆動輪)
34 4WDコントロールユニット(クラッチ制御手段、目標同期時間算出手段)
Claims (4)
- 左右前輪と左右後輪のうち、一方を駆動源に接続される主駆動輪とし、他方を前記駆動源にクラッチを介して接続される副駆動輪とし、
前記主駆動輪から前記副駆動輪への駆動分岐位置と、前記駆動分岐位置よりも下流位置とのうち、一方の位置に駆動力配分摩擦クラッチを設け、他方の位置に噛み合いクラッチを設けた4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
前記駆動力配分摩擦クラッチの締結/解放制御と前記噛み合いクラッチの締結/解放制御を行うクラッチ制御手段と、
解放状態の前記噛み合いクラッチに対し締結要求があると、前記クラッチ制御手段により先に前記駆動力配分摩擦クラッチの締結制御を行い、該締結制御の開始から、前記噛み合いクラッチのクラッチ差回転が回転同期判定閾値以下になるまでの目標同期時間を、車両状態に基づき算出する目標同期時間算出手段と、を設け、
前記クラッチ制御手段は、前記目標同期時間の終了に合わせて、前記クラッチ差回転を前記回転同期判定閾値以下にする前記駆動力配分摩擦クラッチの締結トルク制御を行う
ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。 - 請求項1に記載された4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
前記クラッチ制御手段は、前記駆動力配分摩擦クラッチの締結制御を開始するとき、前記駆動力配分摩擦クラッチの締結トルク指令値をステップ特性で上げる
ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。 - 請求項2に記載された4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
前記クラッチ制御手段は、前記締結トルク指令値をステップ特性で上げた後、残りの前記目標同期時間と現在の前記クラッチ差回転から、前記残りの目標同期時間の終了に合わせて、前記現在のクラッチ差回転を前記回転同期判定閾値以下にする前記締結トルク指令値の傾斜特性を設定する
ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。 - 請求項2又は請求項3に記載された4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
前記目標同期時間算出手段は、車両の舵角が大きいほど、前記目標同期時間を長い時間に設定し、
前記クラッチ制御手段は、前記目標同期時間が長いほど、前記ステップ特性で上げる前記締結トルク指令値を小さい値に設定する
ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。
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JP6379691B2 (ja) | 2018-08-29 |
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