JP2015229366A - 4輪駆動車のクラッチ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】噛み合いクラッチの締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足すること。
【解決手段】左右後輪19,20への駆動力伝達系に、電制カップリング12とドグクラッチ17を設けた。この4輪駆動車のクラッチ制御装置において、4WDコントロールユニット34は、電制カップリング12の締結/解放制御とドグクラッチ17の締結/解放制御を行う。また、4WDコントロールユニット34は、解放状態のドグクラッチ17に対し締結要求があると、先に電制カップリング12の締結制御を行い、該締結制御の開始から、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの目標同期時間Tを、車両状態に基づき算出する。そして、4WDコントロールユニット34は、目標同期時間Tの終了に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする電制カップリング12の締結トルク制御を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、副駆動輪への駆動力伝達系に、噛み合いクラッチと摩擦クラッチを備えた4輪駆動車のクラッチ制御装置に関する。
従来、後輪への駆動力伝達系に、噛み合いクラッチと摩擦クラッチを備えた前輪駆動ベースの4輪駆動車が知られている(例えば、特許文献1参照)。この4輪駆動車では、2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切り替え時には、摩擦クラッチを締結した後、噛み合いクラッチを締結する。又、4輪駆動モードから2輪駆動モードへの切り替え時には、摩擦クラッチを解放した後、噛み合いクラッチを解放する。
特開2010−254058号公報
しかしながら、従来装置にあっては、2輪駆動モードから4輪駆動モードへの切り替え時、摩擦クラッチの締結により車両へのショックが発生しないように、摩擦クラッチの締結力(締結トルク)を徐々に(連続的に)上昇させていた。このため、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができないことがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、噛み合いクラッチの締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる4輪駆動車のクラッチ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の4輪駆動車のクラッチ制御装置は、左右前輪と左右後輪のうち、一方を駆動源に接続される主駆動輪とし、他方を前記駆動源にクラッチを介して接続される副駆動輪とし、前記主駆動輪から前記副駆動輪への駆動分岐位置と、前記駆動分岐位置よりも下流位置とのうち、一方の位置に駆動力配分摩擦クラッチを設け、他方の位置に噛み合いクラッチを設けた。
この4輪駆動車のクラッチ制御装置において、前記駆動力配分摩擦クラッチの締結/解放制御と前記噛み合いクラッチの締結/解放制御を行うクラッチ制御手段と、目標同期時間算出手段と、を設けた。
前記目標同期時間算出手段は、解放状態の前記噛み合いクラッチに対し締結要求があると、前記クラッチ制御手段により先に前記駆動力配分摩擦クラッチの締結制御を行い、該締結制御の開始から、前記噛み合いクラッチのクラッチ差回転が回転同期判定閾値以下になるまでの目標同期時間を、車両状態に基づき算出する。
前記クラッチ制御手段は、前記目標同期時間の終了に合わせて、前記クラッチ差回転を回転同期判定閾値以下にする駆動力配分摩擦クラッチの締結トルク制御を行う。
ここで、駆動分岐位置よりも下流位置とは、駆動分岐位置から副駆動輪に向かう駆動力伝達経路上で駆動分岐位置よりも副駆動輪側の位置をいう。
よって、目標同期時間の終了に合わせて、クラッチ差回転を回転同期判定閾値以下にする締結トルク制御が行われる。
すなわち、駆動力配分摩擦クラッチが締結制御されると、噛み合いクラッチの出力回転数が上昇するため、噛み合いクラッチのクラッチ差回転は時間の経過と共に減少し、クラッチ差回転が回転同期判定閾値以下まで減少すると、噛み合いクラッチが締結される。
つまり、締結トルク制御により、クラッチ差回転が調整され、目標同期時間の終了に合わせて、クラッチ差回転が回転同期判定閾値以下になるので、噛み合いクラッチが締結される。
この結果、噛み合いクラッチの締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。
実施例1のクラッチ制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成を示す駆動系構成図である。 実施例1のクラッチ制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車の制御系構成を示す制御系構成図である。 実施例1の「オートモード」が選択されたときのクラッチ制御で用いられる車速とアクセル開度に応じた駆動モード切り替えマップを示す基本マップ図である。 実施例1の「オートモード」が選択されたときのクラッチ制御による駆動モード(ディスコネクト2輪駆動モード・スタンバイ2輪駆動モード・コネクト4輪駆動モード)の切り替え遷移を示す駆動モード遷移図である。 実施例1の4WDコントロールユニットにて実行されるクラッチ制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のアクセル開度ACCとアクセル開度目標同期時間tACCとの関係を示すACC-tACCマップ図の一例である。 実施例1の車速VSPと車速目標同期時間tVSPとの関係を示すVSP-tVSPマップ図の一例である。 ドグクラッチに対し締結要求があったときのアクセル開度(ACC)・エンジントルク・電制カップリングへの締結トルク指令値(同期指令値)・電制カップリングの締結トルク(同期トルク)・クラッチ差回転ΔN・ドグクラッチ解放/締結状態の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の4輪駆動車のクラッチ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実
施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における後輪駆動ベースの4輪駆動車(4輪駆動車の一例)のクラッチ制御装置の構成を、「4輪駆動車の駆動系構成」、「4輪駆動車の制御系構成」、「駆動モード切り替え構成」、「クラッチ制御構成」に分けて説明する。
[4輪駆動車の駆動系構成]
図1は、クラッチ制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車の駆動系構成を示す。以下、図1に基づき、4輪駆動車の駆動系構成を説明する。
前記4輪駆動車の後輪駆動系は、図1に示すように、エンジン1(駆動源、ENG)と、変速機2と、リアプロペラシャフト3と、リアドライブピニオン4と、リアリングギア5と、リアデファレンシャル6と、左後輪ドライブシャフト7と、右後輪ドライブシャフト8と、左後輪9(主駆動輪)と、右後輪10(主駆動輪)と、を備えている。すなわち、エンジン1及び変速機2を経過した駆動力は、リアプロペラシャフト3とリアドライブピニオン4とリアリングギア5とリアデファレンシャル6を介して左右後輪ドライブシャフト7,8に伝達され、差動を許容しながら左右後輪9,10を常時駆動する。なお、リアプロペラシャフト3の一部とリアドライブピニオン4とリアリングギア5とリアデファレンシャル6と左右後輪ドライブシャフト7,8の一部は、リアデフハウジング11に内蔵されている。
前記4輪駆動車の前輪駆動系は、図1に示すように、電制カップリング12(駆動力配分摩擦クラッチ、トランスファクラッチ)と、フロントプロペラシャフト13と、フロントドライブピニオン14と、フロントリングギア15と、フロントデファレンシャル16と、ドグクラッチ17(噛み合いクラッチ、D/C)と、左前輪ドライブシャフト18と、右前輪ドライブシャフト19と、左前輪20(副駆動輪)と、右前輪21(副駆動輪)と、を備えている。なお、リアプロペラシャフト3の一部と電制カップリング12とフロントプロペラシャフト13の一部と各プロペラシャフト3,13に駆動力を配分するチェーン式の伝達要素などは、変速機2の隣接位置に固定されたトランスファケース22に内蔵されている。また、フロントプロペラシャフト13の一部とフロントドライブピニオン14とフロントリングギア15とフロントデファレンシャル16と右前輪ドライブシャフト19の一部は、フロントデフハウジング23に内蔵されている。さらに、図1中、24は自在継手である。
すなわち、電制カップリング12とドグクラッチ17とを共に解放する2輪駆動モード(=ディスコネクト2輪駆動モード)を選択することが可能な駆動系構成としている。この電制カップリング12とドグクラッチ17を解放することにより、ドグクラッチ17より上流側の駆動系回転(フロントプロペラシャフト13等の回転)が停止することで、フリクション損失やオイル攪拌損失などが抑えられ、燃費向上が達成される。
前記電制カップリング12は、左右後輪9,10から左右前輪20,21への駆動分岐位置に設けられ、クラッチ締結容量に応じてエンジン1からの駆動力の一部を左右前輪20,21へ配分する駆動力配分摩擦クラッチである。電制カップリング12の入力側クラッチプレートは、リアプロペラシャフト3に連結され、出力側クラッチプレートは、フロントプロペラシャフト13に連結されている。この電制カップリング12としては、例えば、入力側と出力側のプレートを交互に複数配置した多板摩擦クラッチと、対向するカム面を有する固定カムピストン及び可動カムピストンと、対向するカム面間に介装されたカム部材と、を有するものを用いる。電制カップリング12の締結時は、可動カムピストンを電動モータにより回転させると、ピストン間隔を拡大するカム作用により可動カムピストンが回転角に応じてクラッチ締結方向にストロークし、多板摩擦クラッチの摩擦締結力を増すことで行う。電制カップリング12の解放時は、可動カムピストンを電動モータにより締結方向とは逆方向に回転させると、ピストン間隔を縮小するカム作用により可動カムピストンが回転角に応じてクラッチ解放方向にストロークし、多板摩擦クラッチの摩擦締結力を減じることで行う。
前記ドグクラッチ17は、電制カップリング12が設けられた駆動分岐位置よりも下流位置に設けられ、クラッチ解放により左右前輪20,21への駆動力伝達系を、左右後輪9,10への駆動力伝達系から切り離す噛み合いクラッチである。ドグクラッチ17の入力側噛み合い部材は、入力側左前輪ドライブシャフト18aに連結され、ドグクラッチ17の出力側噛み合い部材は、出力側左前輪ドライブシャフト18bに連結されている。このドグクラッチ17としては、例えば、一対の噛み合い部材のうち一方を固定部材とし他方を可動部材とし、固定部材と可動部材との間に締結方向に付勢するバネを設け、可動部材の外周にソレノイドピンと嵌合可能なネジ溝が形成されたものを用いる。ドグクラッチ17の解放時は、ネジ溝に対しソレノイドピンを突出させて嵌合すると、可動部材が回転しながら解放方向にストロークし、ストローク量が所定量を超えると噛み合い締結を解放する。一方、ドグクラッチ17の締結時は、ネジ溝に対するソレノイドピンの嵌合を解除すると、バネ付勢力により固定部材に向かって可動部材が締結方向にストロークし、両者の歯部が噛み合って締結する。
[4輪駆動車の制御系構成]
図2は、クラッチ制御装置が適用された後輪駆動ベースの4輪駆動車の制御系構成を示す。以下、図2に基づき、4輪駆動車の制御系構成を説明する。
前記4輪駆動車の制御系は、図2に示すように、エンジンコントロールモジュール31と、変速機コントロールモジュール32と、ABSアクチュエータコントロールユニット33と、4WDコントロールユニット34と、を備えている。
前記エンジンコントロールモジュール31は、エンジン1の制御ディバイスであり、エンジン回転数センサ35やアクセル開度センサ36等からの検出信号を入力する。このエンジンコントロールモジュール31からは、情報交換が互いに可能なCAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し、エンジン回転数情報やアクセル開度情報(ACC情報)が入力される。
前記変速機コントロールモジュール32は、変速機2の制御ディバイスであり、変速機入力回転数センサ38や変速機出力回転数センサ39等からの検出信号を入力する。この変速機コントロールモジュール32からは、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し、ギアレシオ情報(ギア比情報)が入力される。
前記ABSアクチュエータコントロールユニット33は、各輪のブレーキ液圧を制御するABSアクチュエータの制御ディバイスであり、ヨーレートセンサ40や横Gセンサ41や前後Gセンサ42や車輪速センサ43,44,45,46等からの検出信号を入力する。このABSアクチュエータコントロールユニット33からは、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し、ヨーレート情報や横G情報や前後G情報や各輪の車輪速情報が入力される。なお、上記情報以外に、ステアリング舵角センサ47から舵角情報が、CAN通信線37を介して4WDコントロールユニット34に対し入力される。また、左右前輪速情報の平均値を車速情報(VSP情報)とする。
前記4WDコントロールユニット34は、ドグクラッチ17と電制カップリング12の締結/解放制御ディバイスであり、各種入力情報に基づいて演算処理を行う。そして、ドグクラッチアクチュエータ48(ソレノイド)と電制カップリングアクチュエータ49(電動モータ)に駆動制御指令を出力する。ここで、CAN通信線37以外からの入力情報源として、駆動モード選択スイッチ50、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキスイッチ51、リングギア回転数センサ52、ドグクラッチストロークセンサ53、モータ回転角度センサ54、出力側左前輪ドライブシャフト回転数センサ55等を有する。
前記駆動モード選択スイッチ50は、「2WDモード」と「ロックモード」と「オートモード」をドライバーが切り替え選択するスイッチである。「2WDモード」が選択されると、ドグクラッチ17と電制カップリング12を解放した前輪駆動の2WD状態が維持される。「ロックモード」が選択されると、ドグクラッチ17と電制カップリング12を締結した完全4WD状態が維持される。さらに、「オートモード」が選択されると、車両状態(車速VSP、アクセル開度ACC)に応じてドグクラッチ17と電制カップリング12の締結/解放が自動制御される。ここで、「オートモード」には、「エコオートモード」と「スポーツオートモード」の選択肢があり、ドグクラッチ17を締結し、電制カップリング12を解放する「スタンバイ2輪駆動モード」が選択肢により異なる。つまり、「エコオートモード」の選択時には、電制カップリング12を完全解放状態にして待機するが、「スポーツオートモード」の選択時には、電制カップリング12を締結直前の解放状態にして待機する。
前記出力側左前輪ドライブシャフト回転数センサ55は、ドグクラッチ17の出力回転数情報を取得するためのセンサである。なお、ドグクラッチ17の入力回転数情報は、左車輪速センサ45から取得される左前輪速度である。
[駆動モード切り替え構成]
図3は、「オートモード」が選択されたときのクラッチ制御で用いられる車速VSPとアクセル開度ACCに応じた駆動モード切り替えマップを示し、図4は、駆動モード(ディスコネクト2輪駆動モード・スタンバイ2輪駆動モード・コネクト4輪駆動モード)の切り替え遷移を示す。以下、図3及び図4に基づき、駆動モード切り替え構成を説明する。
前記駆動モード切り替えマップは、図3に示すように、車速VSPとアクセル開度ACCに応じて、ディスコネクト2輪駆動モード(Disconnect)と、スタンバイ2輪駆動モード(Stand-by)と、コネクト4輪駆動モード(Connect)と、を分けた設定としている。この3つの駆動モードは、アクセル開度ゼロで設定車速VSP0の基点aから車速VSPの上昇に比例してアクセル開度ACCが上昇する領域区分線Aと、領域区分線Aとの交点bから高車速側に引いた一定アクセル開度ACC0の領域区分線Bと、により分けている。
前記ディスコネクト2輪駆動モード(Disconnect)は、アクセル開度ACCが設定開度ACC0以下であって、アクセル開度ACCがゼロの車速軸線と領域区分線Aと領域区分線Bにより囲まれる高車速領域に設定している。すなわち、アクセル開度ACCが設定開度ACC0以下であるため、駆動スリップによる左右後輪9,10と左右前輪20,21の差回転発生頻度が極めて小さいと共に、駆動スリップが発生してもスリップが緩増する4WD要求の低い領域に設定している。
前記スタンバイ2輪駆動モード(Stand-by)は、アクセル開度ACCが設定開度ACC0を超えていて、領域区分線Aと領域区分線Bにより規定される高車速領域に設定している。つまり、車速VSPが高車速域であるため、4WD要求が低いものの、アクセル開度ACCが設定開度ACC0を超えているため、駆動スリップにより左右後輪9,10と左右前輪20,21の差回転が発生すると、スリップが急増する可能性が高い領域に設定している。
前記コネクト4輪駆動モード(Connect)は、車速VSPがゼロのアクセル開度軸線と、アクセル開度ACCがゼロの車速軸線と、領域区分線Aと、により囲まれる低車速領域に設定している。つまり、発進時や車速VSPが低いもののアクセル開度ACCが高い高負荷走行等のように、4WD要求が高い領域に設定している。
前記ディスコネクト2輪駆動モード(Disconnect)が選択されると、図4の枠線C内に示すように、電制カップリング12とドグクラッチ17が共に解放された2WD走行(Disconnect)になる。このディスコネクト2輪駆動モードでは、基本的に左右後輪9,10にのみ駆動力を伝達しての前輪駆動の2WD走行(Disconnect)が維持される。しかし、前輪駆動の2WD走行中に左右後輪9,10に駆動スリップが発生し、駆動スリップ量(=前後輪の差回転量、前後輪回転速度差)が閾値を超えると、電制カップリング12を摩擦締結する。その後、回転同期状態が判定されるとドグクラッチ17を噛み合い締結し、左右前輪20,21に駆動力を配分することで、駆動スリップを抑える前後輪の差回転制御が行われる。
前記スタンバイ2輪駆動モード(Stand-by)が選択されると、図4の枠線D内に示すように、ドグクラッチ17を締結し電制カップリング12を解放する2WD走行(Stand-by)になる。このスタンバイ2輪駆動モードでは、基本的に左右後輪9,10にのみ駆動力を伝達する前輪駆動の2WD走行(Stand-by)が維持される。しかし、前輪駆動の2WD走行中に左右後輪9,10に駆動スリップが発生し、駆動スリップ量(=前後輪の差回転量、前後輪回転速度差)が閾値を超えると、予めドグクラッチ17が噛み合い締結されているため、電制カップリング12の摩擦締結のみを行う。この電制カップリング12の摩擦締結により、応答良く左右前輪20,21に駆動力を配分することで、駆動スリップを抑える前後輪の差回転制御が行われる。
前記コネクト4輪駆動モード(Connect)が選択されると、図4の枠線E内に示すように、ドグクラッチ17と電制カップリング12が共に締結された4WD走行(Connect)になる。このコネクト4輪駆動モード(Connect)では、基本的に左右後輪9,10と左右前輪20,21に対して路面状況に合わせた最適の駆動力配分(例えば、発進時制御やアクセル開度対応制御や車速対応制御等)とする駆動力配分制御が行われる。但し、4WD走行中に、ステアリング舵角センサ47やヨーレートセンサ40や横Gセンサ41や前後Gセンサ42からの情報により、車両の旋回状態が判断されると、電制カップリング12の締結容量を低下させてタイトコーナーブレーキング現象を抑える制御が行われる。
前記2WD走行(Disconnect)と2WD走行(Stand-by)と4WD走行(Connect)の切り替え遷移は、車速VSPとアクセル開度ACCにより決まる動作点が、図3に示す領域区分線Aや領域区分線Bを横切るときに出力される駆動モードの切り替え要求により行われる。各駆動モードの切り替え遷移速度については、4WD要求に応える駆動モードへの遷移速度を、燃費要求に応えるディスコネクト2輪駆動モードへの遷移速度よりも優先するように決めている。
すなわち、2WD走行(Disconnect)→2WD走行(Stand-by)の切り替え遷移速度(図4の矢印F)を速くし、2WD走行(Stand-by)→2WD走行(Disconnect)の切り替え遷移速度(図4の矢印G)を遅くしている。同様に、2WD走行(Disconnect)→4WD走行(Connect)の切り替え遷移速度(図4の矢印H)を速くし、4WD走行(Connect)→2WD走行(Disconnect)の切り替え遷移速度(図4の矢印I)を遅くしている。これに対し、2WD走行(Stand-by)→4WD走行(Connect)の切り替え遷移速度(図4の矢印J)と、4WD走行(Connect)→2WD走行(Stand-by)の切り替え遷移速度(図4の矢印K)は、同じ速い速度にしている。
[クラッチ制御構成]
図5は、4WDコントロールユニット34にて実行されるクラッチ制御処理流れを示す(クラッチ制御手段)。以下、クラッチ制御処理構成をあらわす図5の各ステップについて説明する。このフローチャートは、「オートモード」の選択時であり、かつ、駆動モードとして、電制カップリング12とドグクラッチ17が共に解放されている「ディスコネクト2輪駆動モード」が選択されているときに開始される。
ステップS1では、ドグクラッチ17に対し締結要求があるか否かを判断する。YES(締結要求有り)の場合はステップS2へ進み、NO(締結要求無し)の場合はエンドへ進む。
ここで、ドグクラッチ17に対し締結要求が出されるのは、「ディスコネクト2輪駆動モード」の選択時、「コネクト4輪駆動モード」又は「スタンバイ2輪駆動モード」へのモード遷移と判定されたときである。
ステップS2では、ステップS1での締結要求有りとの判断に続き、エンジンコントロールモジュール31からアクセル開度ACCと、ABSアクチュエータコントロールユニット33から車速VSPと、ステアリング舵角センサ47から舵角θと、その他の車両状態の情報を取得し、ステップS3へ進む。
ステップS3では、ステップS2での車両状態の情報取得に続き、ステップS2で取得した舵角θが、θ1≦θ≦θ2か否かを判断する。YES(θ1≦θ≦θ2、車両が直進)の場合はステップS4へ進み、NO(θ<θ1、または、θ2<θ、車両が旋回)の場合はステップS5へ進む。
次に、ステップS4とステップS5では、目標同期時間T(「直進時目標同期時間T1」と「旋回時目標同期時間T2」の総称である)を算出する。このステップS4とステップS5は、目標同期時間算出手段に相当する。
ここで、目標同期時間Tは、解放状態のドグクラッチ17に対し締結要求があると、4WDコントロールユニット34(クラッチ制御手段)により先に電制カップリング12の締結制御を行い、該締結制御の開始から、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの時間である。この目標同期時間Tは、車両状態(アクセル開度ACC、車速VSP、舵角θ等)に基づき算出する。
また、回転同期判定閾値αは、ドグクラッチ17の噛み合い締結が可能な回転同期状態を判定するクラッチ差回転値であり、固定値で与えても良いし、車速VSP等に応じた可変値で与えても良い。
ステップS4では、ステップS3での車両が直進しているとの判断に続き、直進時目標同期時間T1を算出し、ステップS6へ進む。
ここで、直進時目標同期時間T1は、例えば、アクセル開度ACCから求まるアクセル開度目標同期時間tACCと、車速VSPから求まる車速目標同期時間tVSPと、から算出される。まず、アクセル開度目標同期時間tACCは、図6に示すACC-tACCマップ図を用いて、アクセル開度ACCから求める。なお、図6において、高アクセル開度では、車両に前後Gショックを防止するために下限時間を設定した。また、低アクセル開度では、変速間延びを防止するために、上限時間を設定した。高アクセル開度と低アクセル開度との間は、アクセル開度ACCに応じて時間が求められる。次に、車速目標同期時間tVSPは、図7に示すVSP-tVSPマップ図を用いて、車速VSPから求める。そして、図6から求まったアクセル開度目標同期時間tACCと、図7から求まった車速目標同期時間tVSPと、を足して、直進時目標同期時間T1を算出する。
この他、直進時目標同期時間T1を算出する方法としては、アクセル開度ACCから直進時目標同期時間T1を算出し、この算出された時間T1を車速VSPにて補正して、最終的な直進時目標同期時間T1を算出する方法でも良い。また、これとは反対に、車速VSPから直進時目標同期時間T1を算出し、この算出された時間T1をアクセル開度ACCにて補正して、最終的な直進時目標同期時間T1を算出する方法でも良い。
ステップS5では、ステップS3での車両が旋回しているとの判断に続き、旋回時目標同期時間T2を算出し、ステップS6へ進む。
ここで、旋回時目標同期時間T2は、例えば、アクセル開度目標同期時間tACCと、車速目標同期時間tVSPと、「f(θ)」と、から算出される。アクセル開度目標同期時間tACCと車速目標同期時間tVSPの求め方は、ステップS4と同じであるから説明を省略する。また、「f(θ)」は、舵角θが大きいほど長い時間が算出される。そして、図6と図7からそれぞれ求まったアクセル開度目標同期時間tACCと車速目標同期時間tVSPとを足し、さらに、f(θ)による時間を足して、旋回時目標同期時間T2を算出する。
この他、旋回時目標同期時間T2を算出する方法としては、アクセル開度ACCから旋回時目標同期時間T2を算出し、この算出された時間T2を車速VSPにて補正し、この補正した時間T2にf(θ)による時間を足して、最終的な旋回時目標同期時間T2を算出する方法でも良い。また、これとは反対に、車速VSPから旋回時目標同期時間T2を算出し、この算出された直進時目標同期時間T2をアクセル開度ACCにて補正し、この補正した時間T2にf(θ)による時間を足して、最終的な旋回時目標同期時間T2を算出する方法でも良い。
なお、旋回時において、アクセル開度目標同期時間tACCと車速目標同期時間tVSPが直進時と同様であれば、旋回時目標同期時間T2は直進時目標同期時間T1よりもf(θ)分ほど長い時間が算出される。すなわち、旋回時において、アクセル開度ACCと車速VSPが直進時と同様であれば、旋回時目標同期時間T2は直進時目標同期時間T1よりもf(θ)分ほど長い時間が算出される。
ステップS6では、ステップS4での直進時目標同期時間T1の算出、或いは、ステップS5での旋回時目標同期時間T2の算出に続き、これらの目標同期時間T1,T2から電制カップリング12への締結トルク指令値aを設定し、ステップS7へ進む。以下、電制カップリング12への締結トルク指令値を、単に「締結トルク指令値」という。
ここで、締結トルク指令値aは、目標同期時間Tが短いほど大きい値に設定され、目標同期時間Tが長いほど小さい値に設定される。
ステップS7では、ステップS6での締結トルク指令値aの設定に続き、カップリングアクチュエータ49に対しステップS6で設定した締結トルク指令値aにてステップ指令を出力すると共に、ステップS4またはステップS5で算出した目標同期時間Tのカウントを開始し、ステップS8へ進む。
ここで、ステップ指令は、締結トルク指令値aをステップ特性で上げる指令である。また、目標同期時間Tのカウントは、目標同期時間Tからタイマー値をセットし、制御周期(例えば、10ms)ごとに減算することで演算される。
ステップS8では、ステップS7での締結トルク指令値aのステップ指令と目標同期時間Tのカウントの開始に続き、カップリングアクチュエータ49の回転角度(実角度)が、所定の角度になったか否かを判断する。YES(所定の角度である)の場合はステップS9へ進み、NO(所定の角度ではない)の場合はステップS10へ戻る。
ここで、所定の角度とは、締結トルク指令値aに対応する角度である。なお、カップリングアクチュエータ49の実角度は、モータ回転角度センサ54から取得される。
また、カップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度であるときとは、電制カップリング12の締結トルクが締結トルク指令値aであるときである。逆も同じである。
ステップS9では、ステップS8での所定の角度であるとの判断に続き、所定の角度になったときのドグクラッチ17の差回転であるクラッチ差回転ΔN(現在のクラッチ差回転ΔN)を演算し、ステップS11へ進む。
ここで、クラッチ差回転ΔNは、ドグクラッチ17の入力回転数(左前輪速度)から出力回転数(出力側左前輪ドライブシャフト回転数)を差し引くことで演算される。
ここで、出力回転数は、電制カップリング12を介してドグクラッチ17に回転が伝達される側の回転数であり、入力回転数は、電制カップリング12を介さずにドグクラッチ17に回転が伝達される側の回転数である。
ステップS10では、ステップS8での所定の角度ではないとの判断に続き、カップリングアクチュエータ49に対し、ステップS7での締結トルク指令値aを出力し、ステップS8へ戻る。すなわち、ステップS7での締結トルク指令値aを維持する。
ステップS11では、ステップS9でのクラッチ差回転ΔNの演算に続き、ステップS7からカウントを開始した目標同期時間Tの残り目標同期時間Tzanと、ステップS9で演算したクラッチ差回転ΔNから、締結トルク指令値の傾斜(勾配)b特性を設定し、ステップS12へ進む。
ここで、傾斜bは、残り目標同期時間Tzanの終了に合わせて、ステップS9で演算したクラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする傾斜である。
ステップS12では、ステップS11での傾斜b特性の設定に続き、その傾斜b特性に基づき、カップリングアクチュエータ49に対し、締結トルク指令値を出力し、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS12での傾斜b特性に基づく締結トルク指令値の出力に続き、クラッチ差回転ΔNを演算し、ステップS14へ進む。
ステップS14では、ステップS13のクラッチ差回転ΔNの演算に続き、ステップS13でのクラッチ差回転ΔNが、回転同期判定閾値α以下であるか否かを判断する。YES(ΔN≦α)の場合はステップS15へ進み、NO(ΔN>α)の場合はステップS12へ戻る。
ステップS15では、ステップS14でのΔN≦αであるとの判断に続き、ドグクラッチ17のクラッチアクチュエータ48に対し締結指令を出力し、ステップS16へ進む。
ステップS16では、ステップS15でのドグクラッチ17の締結指令出力に続き、ドグクラッチ17が噛み合い締結を完了したか否かを判断する。YES(クラッチ締結完了)の場合はステップS17へ進み、NO(クラッチ締結未完了)の場合はステップS15へ戻る。
ここで、ドグクラッチ17が噛み合い締結を完了したか否かの判断は、ドグクラッチストロークセンサ53からのストローク情報に基づいて行う。
ステップS17では、ステップS16でのクラッチ締結完了であるとの判断に続き、コネクト4輪駆動モードへの遷移か否かを判断する。YES(コネクト4輪駆動モードへの遷移)の場合はエンドへ進み、NO(スタンバイ2輪駆動モードへの遷移)の場合はステップS18へ進む。
ステップS18では、ステップS17でのスタンバイ2輪駆動モードへの遷移であるとの判断に続き、電制カップリング12のカップリングアクチュエータ49に対し解放指令を出力し、エンドへ進む。
ここで、「オートモード」のうち、「エコオートモード」の選択時には、電制カップリング12を完全解放する指令とし、「スポーツオートモード」の選択時には、電制カップリング12を締結直前の解放状態を保つ指令とする。
次に、作用を説明する。
実施例1の4輪駆動車のクラッチ制御装置における作用を、「ドグクラッチの締結制御作用」、「目標同期時間での締結トルク制御によるドグクラッチの同期作用」、「ドグクラッチ締結制御での他の特徴作用」に分けて説明する。
[ドグクラッチの締結制御作用]
まず、図5のフローチャートに基づき、ドグクラッチ17の締結制御処理動作の流れを説明する。例えば、「ディスコネクト2輪駆動モード」が選択されているコースト走行中、アクセル踏み込み操作を行ったことで、動作点が図3のL点からM点へ移動したとき、領域区分線Aを横切るタイミングでドグクラッチ17に対し締結要求が出される。又は、動作点が図3のP点からQ点へ移動したとき、領域区分線Bを横切るタイミングでドグクラッチ17に対し締結要求が出される。
ドグクラッチ17に対し締結要求が出されると、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。ステップS2では、アクセル開度ACCと、車速VSPと、舵角θと、の車両状態の情報が取得される。ステップS3では、舵角θが、θ1≦θ≦θ2か否かが判断される。すなわち、舵角θから車両が直進状態か旋回状態かが判断される。
ここで、直進と判断される場合は、ステップS3での直進条件(θ1≦θ≦θ2)が成立し、旋回と判断される場合は、ステップS3での旋回条件(θ<θ1、または、θ2<θ)が成立する。
次に、ステップS3での直進条件が成立すると、図5のフローチャートにおいて、ステップS3からステップS4→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む。ステップS4では直進時目標同期時間T1が算出され、ステップS6ではその時間T1から電制カップリング12への締結トルク指令値aが設定される。さらに、ステップS7では、ステップS6で設定した締結トルク指令値aにてステップ指令が出力されると共に、ステップS5で算出した目標同期時間T1のカウントが開始される。そして、ステップS8では、カップリングアクチュエータ49の回転角度(実角度)が、所定の角度になったか否かが判断される。
そして、ステップS3での旋回条件が成立すると、図5のフローチャートにおいて、ステップS3からステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む。ステップS5では旋回時目標同期時間T2が算出され、ステップS6ではその時間T2から電制カップリング12への締結トルク指令値aが設定される。さらに、ステップS7では、ステップS6で設定した締結トルク指令値aにてステップ指令が出力されると共に、ステップS5で算出した目標同期時間T2のカウントが開始される。そして、ステップS8では、カップリングアクチュエータ49の回転角度(実角度)が、所定の角度になったか否かが判断される。
しかし、ステップS3での直進条件または旋回条件のいずれかの条件が成立した場合において、カップリングアクチュエータ49に対し締結トルク指令値aにてステップ指令を出力しても、可動カムピストンがカップリングアクチュエータ49の回転角に応じてクラッチ締結方向にストロークするのに、応答遅れが生じる。このため、ステップ指令の出力から、すぐにカップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度にならない。これにより、ステップ指令の出力から少しの間は、ステップS8での「所定の角度である」という条件(所定角度条件)が成立しない。よって、ステップS8の条件が成立するまでは、図5のフローチャートにおいて、ステップS8→ステップS10へと進む流れが繰り返される。ステップS10では、ステップS7での締結トルク指令値aが維持される。
次に、ステップS8での所定角度条件が成立すると、図5のフローチャートにおいて、ステップS8からステップS9→ステップS11→ステップS12→ステップS13→ステップS14へと進み、ステップS9では所定の角度になったときのドグクラッチ17の差回転であるクラッチ差回転ΔNが演算される。次のステップS11では、残り目標同期時間TzanとステップS9で演算したクラッチ差回転ΔNから、締結トルク指令値の傾斜b特性が設定され、ステップS12では、その傾斜b特性に基づき締結トルク指令値が出力される。次のステップS13では、ステップS12での締結トルク指令値出力後のクラッチ差回転ΔNが演算される。そして、ステップS14では、ステップS13でのクラッチ差回転ΔNが、回転同期判定閾値α以下であるか否かが判断される。
しかし、電制カップリング12の締結開始前は、ドグクラッチ17の出力側回転が停止しているため、クラッチ差回転ΔNが最大であり、電制カップリング12の締結開始域ではドグクラッチ17の出力側回転の上昇に伴いクラッチ差回転ΔNが減少する。このため、電制カップリング12の締結開始から少しの間は、ステップS14での回転同期判定条件が成立しない。よって、ステップS14の条件が成立するまでは、図5のフローチャートにおいて、ステップS12→ステップS13→ステップS14へと進む流れが繰り返される。
次に、ステップS14での回転同期判定条件が成立すると、図5のフローチャートにおいて、ステップS14からステップS15→ステップS16へと進み、ステップS15では、ドグクラッチ17のクラッチアクチュエータ48に対し締結指令が出力される。次のステップS16では、ドグクラッチ17が噛み合い締結を完了したか否かが判断され、クラッチ締結未完了と判断されている間は、ステップS15→ステップS16へと進む流れが繰り返される。
そして、ステップS16にてドグクラッチ17が噛み合い締結を完了したと判断されると、ステップS16からステップS17へ進み、ステップS17では、「コネクト4輪駆動モード」への遷移か否かが判断される。「コネクト4輪駆動モード」への遷移と判断された場合は電制カップリング12の締結を維持したままでエンドへ進む。一方、「スタンバイ2輪駆動モード」への遷移と判断された場合はステップS18へ進み、ステップS18では、電制カップリング12のカップリングアクチュエータ49に対し解放指令が出力され、エンドへ進む。なお、「エコオートモード」の選択時には、電制カップリング12を完全解放する指令とされ、「スポーツオートモード」の選択時には、電制カップリング12を締結直前の解放状態を保つ指令とされる。
次に、図8のタイムチャートに基づき、直進条件が成立するときのドグクラッチ17の締結制御作用を説明する。なお、上述した通り、電制カップリング12の締結トルクが締結トルク指令値aであるときとは、カップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度であるときである。
時刻t1にて、走行中、アクセル開度ACCが立ち上がり、ドグクラッチ17に対し締結要求が出されると、車両状態の情報(アクセル開度ACC・車速VSP・舵角θ等)から直進条件が成立する。このため、直進時目標同期時間T1(図8ではΔt)を算出し、その時間T1から締結トルク指令値aを設定する。そして、時刻t1から僅かに遅れたタイミングにて締結トルク指令値aをステップ特性で上げるステップ指令を出力し、電制カップリング12の締結トルク(実際の締結トルク、以下、単に「締結トルク」という。)が急上昇を開始する。締結トルクの立ち上がりにより、クラッチ差回転ΔNが低下を開始する。また、ステップ指令の出力、すなわち、電制カップリング12の締結制御の開始から、直進時目標同期時間T1のカウントを開始する。さらに、エンジントルクは、エンジン1の応答遅れにより、アクセル踏み込み操作が行われてもアイドルトルクのままである。なお、エンジントルクは、エンジン回転数等から算出される。
時刻t1から時刻t2の間にて、締結トルクは、ステップ指令により一時的に急上昇して低下するが、締結トルク指令値aに基づく締結トルクではないので、締結トルク指令値aを維持する。クラッチ差回転ΔNは、締結トルクが低下しても、緩やかに低下を続けている。なお、エンジントルクはアイドルトルクのまま上昇しない。
時刻t2にて、電制カップリング12の締結トルクが締結トルク指令値aになるから、カップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度になる、つまり、所定角度条件が成立する。このため、カップリングアクチュエータ49の実角度が所定の角度になったときのクラッチ差回転ΔNを演算し、このクラッチ差回転ΔNと残り目標同期時間Tzanから、締結トルク指令値の傾斜b特性を設定する。そして、時刻t2から僅かに遅れたタイミングにてその傾斜b特性に基づき締結トルク指令値を出力し、締結トルクが上昇を開始する。また、エンジントルクがアイドルトルクから上昇を開始する。なお、クラッチ差回転ΔNは、引き続き、低下している。
時刻t2から時刻t3の間にて、傾斜b特性に基づき締結トルク指令値を出力し、締結トルクを完全締結によるトルクまで立ち上げる。クラッチ差回転ΔNが、締結トルクの上昇に応じて、回転同期判定閾値α以下へと低下する。なお、エンジントルクは、引き続き、上昇している。
時刻t3にて、クラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるので、回転同期判定条件が成立する。このため、解放されていたドグクラッチ17が噛み合い締結を行う。
ここで、図8において、旋回条件が成立する場合には、旋回時目標同期時間T2を算出し、その時間T2から締結トルク指令値aを設定する。また、旋回条件が成立する場合において、アクセル開度ACCと車速VSPが直進条件成立の場合と同様であれば、旋回時目標同期時間T2は直進時目標同期時間T1よりもf(θ)分、長い時間となる。このため、旋回時目標同期時間T2は、図8において、「Δt+f(θ)」となる。この場合、図8における締結トルク等の制御は、Δt+f(θ)に合わせて実行される。
このように、「ディスコネクト2輪駆動モード」の選択中にアクセル踏み込み操作が行われると、締結トルク制御により、電制カップリング12の締結制御を開始する時刻t1から回転同期判定条件が成立する時刻t3までの直進時目標同期時間Δtの終了に合わせて、ドグクラッチ17が締結される。この結果、「ディスコネクト2輪駆動モード」から「コネクト4輪駆動モード」への駆動モード遷移、或いは、「ディスコネクト2輪駆動モード」から「スタンバイ2輪駆動モード」への駆動モード遷移を、直進時目標同期時間Δtの終了に合わせて実行することができる。
[目標同期時間での締結トルク制御によるドグクラッチの同期作用]
ドグクラッチ17は、クラッチ差回転の有無に関係なく締結できる駆動力配分摩擦クラッチとは異なり、クラッチ入出力回転を同期状態にして噛み合わせる噛み合いクラッチである。このため、ドグクラッチ17が解放されている「ディスコネクト2輪駆動モード」が選択されているとき、ドグクラッチ17の締結要求があると、先にドグクラッチ17の入出力回転を同期回転状態にする必要がある。また、ドグクラッチ17の締結要求があってから、できるだけ早く同期回転状態にすることが望ましい。しかしながら、駆動力配分摩擦クラッチの締結制御初期から、駆動力配分摩擦クラッチの締結トルクが大きすぎると、車両挙動が不安定になってしまうため、車両の状態に合わせて締結トルクを制御する必要がある。
従来から行われていた噛み合いクラッチの入出力回転を同期回転状態にする制御は、特開2010−254058号公報に示唆されているように、摩擦クラッチの締結により車両へのショックが発生しないように、摩擦クラッチの締結トルクを徐々に(連続的に)上昇させていた。このため、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができない、という課題があった。
これに対し、実施例1では、解放状態のドグクラッチ17に対し締結要求があると、先に電制カップリング12の締結制御を行う。この電制カップリング12の締結制御の開始から、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの目標同期時間Tが、車両状態(アクセル開度ACC・車速VSP・舵角θ等)に基づき算出される(図5のステップS4とステップS5、図6、図7、図8の時刻t1)。そして、この目標同期時間Tの終了(図8の時刻t3)に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする締結トルク制御が行われる(図5のステップS6からステップS14、図8の時刻t1から時刻t3まで)構成とした。
すなわち、電制カップリング12が締結制御されると、ドグクラッチ17の出力回転数が上昇するため、図8に示すように、ドグクラッチ17のクラッチ差回転ΔNは時間の経過と共に減少し、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下まで減少させると、ドグクラッチ17が締結される。
つまり、締結トルク制御(図5のステップS6からステップS14まで、図8の時刻t1から時刻t3まで)により、クラッチ差回転ΔNが調整され、目標同期時間Tの終了(図8の時刻t3)に合わせて、クラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるので、ドグクラッチ17が締結される(図8の時刻t3)。
この結果、ドグクラッチ17の締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移するまでの応答性を満足することもできる(ステップS5のステップS18)。
[ドグクラッチ締結制御での他の特徴作用]
実施例1では、電制カップリング12の締結制御を開始するとき、電制カップリング12の締結トルク指令値aをステップ特性で上げる(図5のステップS7、図8の時刻t1)構成とした。
すなわち、電制カップリング12の締結制御を開始するときに、締結トルク指令値aがステップ特性で上げられることにより、電制カップリング12のクリアランスが埋められる。このため、実際に、電制カップリング12が締結を開始するまでの時間が短縮される。
したがって、ドグクラッチ17の締結要求時、電制カップリング12の応答性を向上することができる。
加えて、電制カップリング12が締結を開始するまでの時間が短縮されるので、目標同期時間Tが比較的に短い場合でも、目標同期時間Tの終了に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下まで減少させることができる。このため、ドグクラッチ17の締結要求時、目標同期時間Tが比較的に短い場合でも、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移するまでの応答性を満足することもできる(ステップS5のステップS18)。
実施例1では、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた後、残りの目標同期時間Tzanと現在のクラッチ差回転ΔNから、残りの目標同期時間Tzanの終了に合わせて、現在のクラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする締結トルク指令値の傾斜b特性が設定される(図5のステップS11、図8)。
すなわち、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた後すなわちステップ指令後、設定された傾斜b特性に基づき、締結トルク指令値を上昇させる(図5のステップS12→ステップS13→ステップS14へと進む流れの繰り返し、図8の時刻t2から時刻t3の間と時刻t3)。言い換えると、残りの目標同期時間Tzan内で、ステップ指令後のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下へ収束するのに(収束する速度に)合わせて、締結トルク指令値を上昇させる。
これにより、目標同期時間Tの終了(図8の時刻t3)に合わせて、クラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるので、ドグクラッチ17が締結される(図8の時刻t3)。
したがって、ドグクラッチ17の締結要求時、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた場合でも、確実に4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移するまでの応答性を満足することもできる(ステップS5のステップS18)。
実施例1では、車両の舵角θが大きいほど、目標同期時間Tが長い時間に設定される(図5のステップS4とステップS5)。そして、その目標同期時間Tが長いほど、ステップ特性で上げる締結トルク指令値aが小さい値に設定される(図5のステップS6)。
例えば、舵角が直進時よりも大きくなる旋回時に、直進時と同様の旋回時よりも短い目標同期時間でクラッチ差回転を回転同期判定閾値以下にするには、締結トルク指令値も直進時と同様に制御にしなければならない。このように、旋回時に、直進時と同様の時間かつ締結トルク指令値の制御を行うと、主駆動輪の駆動力が低下し、車両挙動が不安定になってしまうおそれがある。なお、主駆動輪の駆動力が急激に低下するほど、車両挙動が不安定になる。
これに対し、実施例1では、舵角θが大きいほど目標同期時間Tが長い時間に設定され(図5のステップS4とステップS5)、目標同期時間Tが長いほどステップ特性で上げる締結トルク指令値aが小さい値に設定される(図5のステップS6)。
このように、車両の旋回の大きさに合わせて、目標同期時間Tと締結トルク指令値aが設定されることにより、主駆動輪9,10の駆動力の低下を抑えられるので、旋回中の車両挙動の悪化が抑えられる。
したがって、車両の旋回時において、車両挙動の安定性を確保しつつ、4輪駆動状態へ遷移することができる。同様にスタンバイ2輪駆動モード状態へ遷移することもできる(ステップS5のステップS18)。
次に、効果を説明する。
実施例1の4輪駆動車のクラッチ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 左右前輪20,21と左右後輪9,10のうち、一方を駆動源(エンジン1)に接続される主駆動輪とし、他方を駆動源(エンジン1)にクラッチを介して接続される副駆動輪とし、
主駆動輪(左右後輪9,10)から副駆動輪(左右前輪20,21)への駆動分岐位置と、駆動分岐位置よりも下流位置とのうち、一方の位置に駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)を設け、他方の位置に噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)を設けた4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結/解放制御と噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結/解放制御を行うクラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)と、
解放状態の噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)に対し締結要求があると、前記クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)により先に駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結制御を行い、該締結制御の開始から、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)のクラッチ差回転ΔNが回転同期判定閾値α以下になるまでの目標同期時間Tを、車両状態(アクセル開度ACC・車速VSP・舵角θ等)に基づき算出する目標同期時間算出手段(4WDコントロールユニット34、図5〜図7)と、を設け、
クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)は、目標同期時間Tの終了に合わせて、クラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結トルク制御を行う(図5)。
このため、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結要求時、4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。
(2) クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)は、駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結制御を開始するとき、駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の締結トルク指令値aをステップ特性で上げる(図5)。
このため、(1)の効果に加え、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結要求時、駆動力配分摩擦クラッチ(電制カップリング12)の応答性を向上することができる。
(3) クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)は、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた後、残りの目標同期時間Tzanと現在のクラッチ差回転ΔNから、残りの目標同期時間Tzanの終了に合わせて、現在のクラッチ差回転ΔNを回転同期判定閾値α以下にする締結トルク指令値の傾斜b特性を設定する。
このため、 (2)の効果に加え、噛み合いクラッチ(ドグクラッチ17)の締結要求時、締結トルク指令値aをステップ特性で上げた場合でも、確実に4輪駆動状態へ遷移するまでの応答性を満足することができる。
(4) 目標同期時間算出手段(4WDコントロールユニット34、図5〜図7)は、車両の舵角θが大きいほど、目標同期時間Tを長い時間に設定し、
クラッチ制御手段(4WDコントロールユニット34、図5)は、目標同期時間Tが長いほど、ステップ特性で上げる締結トルク指令値aを小さい値に設定する。
このため、(2)又は(3)の効果に加え、車両の旋回時において、車両挙動の安定性を確保しつつ、4輪駆動状態へ遷移することができる。
以上、本発明の4輪駆動車のクラッチ制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、トランスファケース22に各プロペラシャフト3,13に駆動力を配分するチェーン式の伝達要素を内蔵する例を示した。しかしながら、チェーン式に限らず、ギア式とする例でも良い。
実施例1では、4輪駆動車の駆動モードとして、「ディスコネクト2輪駆動モード」と「スタンバイ2輪駆動モード」と「コネクト4輪駆動モード」を有する例を示した。しかしながら、4輪駆動車の駆動モードとしては、「スタンバイ2輪駆動モード」が無く、「ディスコネクト2輪駆動モード」と「コネクト4輪駆動モード」を有する例であっても良い。
実施例1では、駆動分岐位置に電制カップリング12を設け、駆動分岐位置よりも下流位置にドグクラッチ17を設ける例を示した。しかしながら、駆動分岐位置にドグクラッチ17を設け、駆動分岐位置よりも下流位置に電制カップリング12を設ける例であっても良い。
実施例1では、本発明のクラッチ制御装置を、駆動源としてエンジンが搭載された後輪駆動ベースの4輪駆動車(4WDエンジン車)に適用する例を示した。しかしながら、本発明のクラッチ制御装置は、主駆動輪を左右前輪とする前輪駆動ベースの4輪駆動車に対しても適用することができる。又、4WDエンジン車以外に駆動源としてエンジンとモータが搭載された4WDハイブリッド車、駆動源としてモータが搭載された4WD電気自動車に対しても勿論適用することができる。
1 エンジン(駆動源)
2 変速機
9 左後輪(主駆動輪)
10 右後輪(主駆動輪)
12 電制カップリング(駆動力配分摩擦クラッチ)
17 ドグクラッチ(噛み合いクラッチ)
20 左前輪(副駆動輪)
21 右前輪(副駆動輪)
34 4WDコントロールユニット(クラッチ制御手段、目標同期時間算出手段)

Claims (4)

  1. 左右前輪と左右後輪のうち、一方を駆動源に接続される主駆動輪とし、他方を前記駆動源にクラッチを介して接続される副駆動輪とし、
    前記主駆動輪から前記副駆動輪への駆動分岐位置と、前記駆動分岐位置よりも下流位置とのうち、一方の位置に駆動力配分摩擦クラッチを設け、他方の位置に噛み合いクラッチを設けた4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
    前記駆動力配分摩擦クラッチの締結/解放制御と前記噛み合いクラッチの締結/解放制御を行うクラッチ制御手段と、
    解放状態の前記噛み合いクラッチに対し締結要求があると、前記クラッチ制御手段により先に前記駆動力配分摩擦クラッチの締結制御を行い、該締結制御の開始から、前記噛み合いクラッチのクラッチ差回転が回転同期判定閾値以下になるまでの目標同期時間を、車両状態に基づき算出する目標同期時間算出手段と、を設け、
    前記クラッチ制御手段は、前記目標同期時間の終了に合わせて、前記クラッチ差回転を前記回転同期判定閾値以下にする前記駆動力配分摩擦クラッチの締結トルク制御を行う
    ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。
  2. 請求項1に記載された4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
    前記クラッチ制御手段は、前記駆動力配分摩擦クラッチの締結制御を開始するとき、前記駆動力配分摩擦クラッチの締結トルク指令値をステップ特性で上げる
    ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。
  3. 請求項2に記載された4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
    前記クラッチ制御手段は、前記締結トルク指令値をステップ特性で上げた後、残りの前記目標同期時間と現在の前記クラッチ差回転から、前記残りの目標同期時間の終了に合わせて、前記現在のクラッチ差回転を前記回転同期判定閾値以下にする前記締結トルク指令値の傾斜特性を設定する
    ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載された4輪駆動車のクラッチ制御装置において、
    前記目標同期時間算出手段は、車両の舵角が大きいほど、前記目標同期時間を長い時間に設定し、
    前記クラッチ制御手段は、前記目標同期時間が長いほど、前記ステップ特性で上げる前記締結トルク指令値を小さい値に設定する
    ことを特徴とする4輪駆動車のクラッチ制御装置。
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