JP2015228852A - 生物排除装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排除対象生物に対して、超音波に重畳した音声、及び音声以外の手段を付与する生物排除装置を提供する。
【解決手段】生物排除装置1Aは、排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、光を排除対象生物に対して発光するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、排除したい動物(以下、「排除対象生物」と称す)を排除する生物排除装置であって、特に音を利用した生物排除装置に関するものである。
従来から、有害動物(たとえば、ゴキブリやネズミ、鳥類(カラスやムクドリ、ハト)などの排除対象生物)の排除を目的とした生物排除装置が開示されている。従来の生物排除装置の1つには、異なる超音波帯域の信号を周期的に変化させて、空中に放射する電気音響変換放射器(スピーカ)を備えた構成を採用したものが開示されている。なお、以下の説明において、「排除」には、「駆除」、「忌避」、「回避」が含まれるものとする。
そのようなものとして、「それぞれ異なる周波数帯域を有する複数の超音波送波器と、上記各超音波送波器別に駆動するドライブ回路とを備え、予め定められた複数の駆動モードのうちから1つの駆動モードを選択すると共に、上記駆動モードに基づいて上記ドライブ回路を制御する制御部を備え、上記各モードには上記複数の超音波送波器のうちから少なくとも1つの超音波送波器を不規則に選択し、上記ドライブ回路の駆動周波数、および駆動時間を不規則に制御するランダム帯を設けたことを特徴とする超音波を利用した有害動物駆除装置」が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の有害動物駆除装置では、放射器を備えた製品に搭載しているIC等の記憶装置に、予めプログラミングしていた時間と周期に応じて超音波信号を放射するようにしており、音放射を付与する対象物が音に対して慣れるなどの状態が講じないための信号処理を行っていた。
また、有害動物の一例として、様々な業種から排除要求の多いものとして「鳥類」が挙げられる。「鳥類」としては、近年、カラスやムクドリ、ハトなどが対象になっている。このうち、カラスは「鳥類」の中でも高い知能を持っているということは周知であり、専門の研究結果から、カラスは鳥間でのコミュニケーション能力にも長けていることが判明している。
従来の生物排除装置には、カラスの音声を用いて、カラスの音声をスピーカから大きな音圧レベルで放射することで直接的にカラスへ付与することで、カラスに対して回避行動をさせるようにしたものもあった(たとえば、特許文献2参照)。
特開平7−107893号公報(たとえば、2、3ページ) 特許第5135507号公報(たとえば、実施例1)
超音波帯域の周波数まで聞き取ることが可能な動物が多く存在することから、特許文献1に記載の技術では、排除対象生物のうち超音波帯域を聞き取る能力を有している動物に対しては、ある一定期間の効果を発揮することができる。
しかしながら、超音波帯域を利用していない、比較的高等なコミュニケーションを有するカラス等の排除対象生物には大きな影響を与えていない等の問題点があった。すなわち、カラスは、人間と略同等の可聴周波数帯域を有しており、超音波帯域の周波数に対して聴感能力が低く、結果的に、超音波を聞いていない(聞こえていない)。そのために、カラスに対しては、超音波帯域の周波数を付与しただけでは排除効果を全く得られない場合があった。
また、超音波信号の発振周波数を変化させたとしても一定のリズムで変化していることには変わりないので、ある程度の時間付与によって、排除対象生物に、音そのものへの「慣れ」が生じてしまい、早い段階で効果が無くなってしまうという問題点もあった。
そのため、特許文献1に記載の技術では、排除対象生物を確実に排除することができなかった。
特許文献2に記載の技術では、排除等に必要な音響信号を、排除対象生物に必ず聞こえさせることが重要になっている。そこで、排除対象生物の音声と同等、又はそれ以上の音圧レベルで音響信号を放射する必要がある。そのため、音放射させるためのスピーカなどからは終夜問わず、排除対象生物の音声以上の音圧レベルの音声が大音量で放射されることになる。よって、生物排除装置の設置環境周囲には排除対象生物の排除に必要な音声信号が音放射されていることになるので、周辺の住民にも同等に付与されて、設置環境が引き起こす「騒音」という問題を発生させていた。
本発明は、上述の課題を背景になされたもので、排除対象生物に対して、超音波に重畳した音声、及び音声以外の手段を付与する生物排除装置を提供することを目的としている。
本発明に係る生物排除装置は、排除対象生物を排除する生物排除装置であって、前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、光を前記排除対象生物に対して発光するものである。
本発明に係る生物排除装置は、排除対象生物を排除する生物排除装置であって、前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、圧力を前記排除対象生物に対して与えるものである。
本発明に係る生物排除装置は、排除対象生物を排除する生物排除装置であって、前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、光を前記排除対象生物に対して発光し、圧力を前記排除対象生物に対して与えるものである。
本発明に係る生物排除装置は、排除対象生物の原音声、危険時や恐怖時に発する原音声の周波数パターンで作成した人工音声(擬似音声)、及び「光」を用いて害獣対策を行うことができる。そのため、本発明に係る生物排除装置によれば、効率的に害獣(有害動物)の排除が行える。
本発明に係る生物排除装置は、排除対象生物の原音声、危険時や恐怖時に発する原音声の周波数パターンで作成した人工音声(擬似音声)、及び「圧力」を用いて害獣対策を行うことができる。そのため、本発明に係る生物排除装置によれば、効率的に害獣(有害動物)の排除が行える。
本発明に係る生物排除装置は、排除対象生物の原音声、危険時や恐怖時に発する原音声の周波数パターンで作成した人工音声(擬似音声)、及び「光」、「圧力」を用いて害獣対策を行うことができる。そのため、本発明に係る生物排除装置によれば、効率的に害獣(有害動物)の排除が行える。
本発明の実施の形態1に係る生物排除装置の基本的な構成を示す基本ブロック概念図である。 2種類のカラスの音声の時間波形例を説明するための説明図であり、カラスが猛禽と争う際に発する鳴き声の分析一例である。 カラスが猛禽と争う際に発する鳴き声の疑似音声例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置が付与する発光のタイミングパターンの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置から付与する音声及び発光のタイミングの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置の再生手段の一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置の再生手段の空中超音波発振子の組み合わせを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置の再生手段の空中超音波発振子の配置例を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置の再生手段の空中超音波発振子の配置例を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係る生物排除装置の再生手段の空中超音波発振子から放射される超音波信号を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係る生物排除装置の基本的な構成を示す基本ブロック概念図である。 本発明の実施の形態2に係る生物排除装置が付与する圧力のタイミングパターンの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係る生物排除装置から付与する音声及び圧力のタイミングの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態3に係る生物排除装置の基本的な構成を示す基本ブロック概念図である。 本発明の実施の形態3に係る生物排除装置から付与する音声、発光及び圧力のタイミングの一例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1〜3のいずれかに係る生物排除装置の設置例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1〜3のいずれかに係る生物排除装置の設置例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1〜3のいずれかに係る生物排除装置の設置例を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1〜3のいずれかに係る生物排除装置の設置例を説明するための説明図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る生物排除装置1Aの基本的な構成を示す基本ブロック概念図である。以下、図1を参照しながら、生物排除装置1Aについて説明する。生物排除装置1Aは、排除対象生物に対して、超音波に重畳した音声、及び、音声以外の手段として「光」を付与させるようにしたものである。なお、以下の説明において、「付与」には、「与える」、「提示」、「暴露」が含まれるものとする。
生物排除装置1Aは、音声伝送手段60と、発光手段70と、を少なくとも有している。
音声伝送手段60は、単一の超音波周波数を発振することができる音放射手段(再生手段40)から、所定の周波数幅を持たせた振幅変調又は周波数変調した超音波帯域の信号(たとえば、40kHz±2kHzなど)を放射するようになっている。
発光手段70は、音声以外の他の付与手段として「光」を付与するようになっている。
<音声伝送手段60>
音声伝送手段60は、超音波信号創生部10、排除信号部12、処理回路部25、加算部30、制御部50、アンプ35、再生手段40を備えている。
なお、アンプ35は、必須の構成ではない。
また、加算部30に超音波信号創生部10を加えずに、排除信号部からの信号をそのまま制御部50に伝送させることもできるソフト的な信号処理も行える構成をも有する。これにより、超音波信号に重畳させずに、排除に必要な音声だけを出すことも可能となり、特殊な再生手段を用いなくても、従来のスピーカ手段(図1に示すスピーカ130)でも、排除に必要な音声を再生/放射することが可能となる。
超音波信号創生部10は、43kHz以上の超音波帯域の信号を創生する発信回路部として機能している。超音波信号創生部10で創生された信号周波数がキャリア信号として使われる。
排除信号部12は、発信回路部A20および発信回路部B22の集合体として構成される。
発信回路部A20では、排除対象生物の生の原音声信号(排除対象生物用音声信号)が保存されており、排除対象生物に応じた音声を入力しておく部分である。
発信回路部B22は、発信回路部A20に保存されている排除対象生物用音声信号を元にして、ホワイトノイズを用いて、生音声の特徴ある排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いて再生できるように作成した疑似音声(擬似音声信号)の保存領域部である。
処理回路部25は、代表的な排除を促す音声パターン(第1音声パターン)の周波数特性と、警戒から排除を行わせる複数の疑似音声パターン(第2音声パターン)の周波数特性と、を作成及び保存しておくことで、生音声との自由な組み合わせ出力をランダム出力するものである。つまり、処理回路部25は、第1音声パターンと組み合わせる第2音声パターンを選択し、選択した第2音声パターンと第1音声パターンとを自動的に組み合わせ処理を行い、ランダム出力するようになっている。
加算部30は、排除信号部12の音声と超音波信号創生部10とを結合する部分として機能し、それぞれから出力された信号を振幅変調又は周波数変調して所定の周波数幅を持たせた超音波帯域の信号(たとえば、40kHz±2kHzなど)とする。
制御部50は、CPU部51と、付与機能制御手段52と、スピーカ駆動機能制御手段53と、を少なくとも有している。
CPU部51は、加算部30で創生された信号に基づいて、再生手段40及び発光手段70の動作を制御する機能を有している。
付与機能制御手段52は、発光手段70の動作を制御するための情報をCPU部51に提供する機能を有している。付与機能制御手段52には、発光のタイミング(時間、時刻)や、発光周波数に関する情報が予め記憶されている。なお、これらの情報は、書き換え可能にしておくとよい。
スピーカ駆動機能制御手段53は、再生手段40の動作を制御するための情報をCPU部51に提供する機能を有している。スピーカ駆動機能制御手段53には、音声の再生時間(開示時間や開始時刻を含む)や、音声の波高値に関する情報が予め記憶されている。なお、これらの情報は、書き換え可能にしておくとよい。
アンプ35は、加算部30で振幅変調された信号の音圧レベルを増幅するものである。
再生手段40は、アンプ35で増幅された信号を音声等として再生し、離れた場所に伝送するものである。再生手段40は、単一の超音波周波数(たとえば、40kHz)を発振することができるようになっている。なお、再生手段40は、公知であるパラメトリックスピーカと同等の働きをさせるために、高い音圧レベルを放射させるようにすることが望ましい。
<発光手段70>
発光手段70は、発光源を備えている。
発光源は、排除対象生物に対応させて選定すればよい。発光源としては、たとえば、ランプ、紫外線を発光するLED、青色LED、白色や赤色を発光するLED等を利用することができる。
[排除対象生物の排除について]
<音声による排除>
ここで、音声を用いて排除対象生物としてのカラスを排除する場合について説明する。
音声コミュニケーションを用いている動物や集団行動をする動物の場合には、仲間を誘導するための音声コミュニケーションを利用していることが知られている。
カラスは、発達した脳と発声器官を有しており、複数の鳴き声を利用し、仲間同士で高等な音声コミュニケーションを行うことが知られている。また、カラスは、大きくハシブトカラスとハシボソカラスの2種類に分類され、それぞれで利用している音声の周波数帯域が異なっている。
図2は、2種類のカラスの音声の時間波形例を説明するための説明図であり、カラスが猛禽と争う際に発する鳴き声の分析一例である。図2(A)がハシボソカラスの音声の時間波形例を、図2(B)がハシブトカラスの音声の時間波形例である。なお、図2において、縦軸は周波数(kHz)を、横軸は時間(SEC)を、それぞれ示している。また、図2に示す特性は、あくまでも2種類のカラスの音声の一例であり、カラスの行動内容によっては数十種類の周波数特性を有している。
図2に示すように、ハシボソカラスは1kHz〜7kHzの帯域、ハシブトカラスは0.5kHz〜6kHzの帯域で音圧レベルが高い傾向を示している。
図2から、音声として出ている周波数帯域が、カラスの種類によって異なることが分かる。
生物排除装置1Aでは、排除対象生物と想定したカラスの原音声の、「猛禽との争い時」及び「恐怖時(威嚇時)」に発する音声のいずれか(単体)、又はいずれかが組み合わせられた時に発する音声パターンを用いるようにしている。図2から、カラスの種類の違いにより、発生する音声の周波数帯域が異なっていることがわかる。そこで、これらの音声パターンによる「生」の音声を使用することで、音声の意味がカラスにとっては確実であり、この音声を用いることで、カラスの排除行動を確実に行わせることができる。
また、実際の環境下では2種類のカラスが混在していることがある。そのため、生物排除装置1Aでは、両種類の「生」の音声を保管して、適当な時間間隔でランダム再生すれば、どちらの種類に対しても効果を発揮することができる。
図2は、カラスが天敵である猛禽と争う際に発する鳴き声を収録したものである。このような音声を、カラスの群れに向かって再生すると、カラスは木に嘴をこすり付ける、上空を旋回するなど、緊張を示す心理状態と思われる行動がみられる。そのような状況を作り出している時に、「光」や「空気圧(実施の形態2で説明)」をカラスの群れに向け照射することで、カラスの逃避を促すことが可能になる。
図3は、カラスが猛禽と争う際に発する鳴き声の疑似音声例を説明するための説明図である。図3(A)がハシボソカラスの疑似音声例を、図3(B)がハシブトカラスの疑似音声例である。なお、図3において、縦軸は周波数(kHz)を、横軸は時間(SEC)を、それぞれ示している。
図2の音声特性を解析して、特徴ある周波数を取り出してカラスの種別で音声を作成した場合は下記のようになる。
つまり、カラスに向かって再生する音声は、カラスが猛禽と争う際に発する鳴き声の他、その特徴を有した人工音でもよい。
<ハシボソカラスの猛禽と争う際の疑似音声の場合>
800Hz〜1.5kHz、2.2kHz〜3.8kHz、5.5kHz〜6.2kHzを一つの音声再生幅とし、一つの音声再生時間幅を0.05秒として一つの帯域を構成する。
帯域間の消音域は、0.01秒であり、前記帯域を4回再生して0.2秒以内とする場合が一例としてある。
<ハシブトカラスの猛禽と争う際の疑似音声の場合>
400Hz〜1.8kHz、2.2kHz〜3.0kHzを一つの音声再生幅とし、一つの音声再生時間幅を0.05秒として一つの帯域を構成する。
帯域間の消音域は、0.01秒であり、前記帯域を4回再生して0.2秒以内とする場合が一例としてある。
ハシボソカラスとハシブトカラスの猛禽と争う際の鳴き声は、ノイズが混じった繰り返しのない鳴き声であるが、周波数やアクセントが異なる同様の鳴き声が断続的に0.5−5秒程度の間隔で発せられる特徴を持つ。
図3に示す疑似音声は、本来のカラスの音声を解析して作り上げているが、本来の音声と比較して、比較的低い周波数帯域で音圧レベルが高い場合がハシブトカラスの種、高い周波数帯域まで再生しているのはハシボソカラスの種であり、2種類のカラスの音声は異なる周波数帯域で再生していることになる。
高等な音声パターンを有するカラス等の場合は、回避行動までを行わせる音声パターンは複数あるので、全ての音声を作成、保存することは困難となる。よって、生物排除装置1Aでは、元音声を利用して、疑似的な音声を複数個作成して保存することで、「慣れ」に対する問題を解決するようにしている。
上述したように、生物排除装置1Aは、処理回路部25により、代表的な猛禽と争う際の音声パターン(第1音声パターン)の周波数特性と、そのほかに警戒等を行わせる疑似音声パターン(第2音声パターン)の周波数特性と、から生音声との自由な組み合わせ出力をランダム出力可能になっている。
なお、生物排除装置1Aでは、発信回路部A20及び発信回路部B22に保存している一つ当たりの音声パターンの長さは、最大で5秒以下とし、長い時間聞かせることによる音の慣れについても防止している。
なお、図2に示す通り、カラスの場合の音声の周波数特性において、音圧が高い箇所は、500Hz以上から3kHzまでの中帯域であり、人間の可聴周波数帯域に含まれることになり、人間に認識できるレベルである。
よって、単純に、例に示したカラスの音声パターンを再生すると、人間にも聞こえることになってしまう。
また、自然界におけるカラスの音声(鳴き声)の音圧レベルは、たとえば、カラスと計測器の距離が10mであった場合でも70dB〜80dBを有しており、非常に高い音圧レベルを有している。
排除信号部12の音声パターンの出力レベル(音声レベル)も、確実な回避行動を行わせるためには、実際にカラスが発生する音声と同等以上の音圧レベルで放射を行う必要がある。
そこで、生物排除装置1Aでは、単一の超音波周波数に、所定の周波数幅を持たせた変調波による超音波帯域の音を重畳するようにしている。
再生手段40で放射出来る音圧レベルは、近接での測定時において最低でも124dB以上とする。
強力な音圧レベルとして放射できる再生手段40から放射した単一の超音波信号と、変調した超音波信号とが、空気との摩擦による揺らぎの影響を受けて、非線形の信号波形として空間伝搬する。
よって、線形的に空間伝搬する音響信号とは異なって、線形的な音圧レベルの減衰特性を得られず、音圧レベル減衰がほとんど行われずに、且つ、空気圧の影響を受けずに、空間上を超音波信号が直線的に伝搬することができるようになる。
この非線形的に空間上を進んだ超音波信号の波形は、何かに衝突したときに空気中の伝搬を停止させられる。そのために、衝突した個所で、変調を与えた超音波波形の和差分が発生し、(40kHz±3kHz)−40kHz=3kHzの幅を持つ周波数帯域の音が衝突点で発生(復調)する。
この結果、空間を伝搬する途中では、音は何も聞こえない。
変調帯域を3kHzとする理由は、カラスの音声帯域が3kHzまで及んでいるということであり、カラスの音声を確実に再生する必要があることから3kHzの変調帯域を狙うことにしている。
また、伝送する超音波の音圧レベルは、100dB以上となり、音としての聴感は得られないが、圧力感としての感覚はカラスに対して付与できる。そのために、自然界では得られない感覚もカラスに対して付与することが可能となる。
超音波を搬送信号として利用する再生方式としては、パラメトリックスピーカ手段があり、これは公知でもある。公知のパラメトリックスピーカは、人間対象のために、ノイズのない音を提供することを目的としている。そのために、公知のパラメトリックスピーカは、デジタル信号処理により振幅変調の問題点を解決して再生している。
生物排除装置1Aでは、振幅変調としての問題点を利用して、カラスの音声と一緒に再生するようにしている。
なお、上記問題点とは、外来ノイズによるパルス性ノイズである。
振幅変調では、復調時にビート現象が発生して、超音波と音声の二つの信号が「うなり」的に発生する場合もある。「うなり」として発生する音声と超音波の2波が、再生手段40から再生されて伝送先のカラスに衝突したときに復調して音声部分がカラスに付与される。音声以外に、後述する高い音圧レベルの超音波も付与されることになるので、カラスにとっては、自然界で経験的に浴びている可聴域の音声以外に、自然界で浴びたことのない超音波の高い音圧レベルも付与されることになる。
高い音圧レベルの超音波は、医療にも使われていることは周知であり、肉体的な振動として感じる。つまり、高い音圧レベルの超音波は、カラスに排除を促す音声のほかに、カラスに経験したことのない超音波の圧力変動を受けさせることで、カラスに対して不快な影響を与えることになる。
また、外来ノイズによるパルス的なノイズは、高い音圧レベルのインパクト信号としてカラスに直接付与されることになる。
なお、カラスの猛禽との争い時の音声を、超音波信号創生部10との信号を加算させて再生する手段について説明したが、図1に示すように、超音波信号を加えずに、排除信号部からの信号をそのまま制御部50に伝送させることもできるソフト的な信号処理も行える構成としてもよい。こうすることで、超音波信号に重畳させずに排除に必要な音声だけを出すことも可能となり、特殊な再生手段を用いなくても、従来のスピーカ手段(図1に示すスピーカ130)でも、排除に必要な音声を再生/放射することができる。これは、人里離れた野山等の電力設備やそれに准した設備関連に集まるカラスに対して、排除を必要とする周囲に人間が居ない場合には必要以上の注意をすることなく、音声を放射することができる場合があるので、そのような状況に応じた再生が可能とすることもできるものとする。
<発光による排除>
ここで、非定常的(ランダム)な発光を用いて排除対象生物としてのカラスを排除する場合について説明する。
カラスは、人間と異なり、紫外線帯域の波長も認識できることが知られている。
そこで、生物排除装置1Aでは、カラスの視覚的な特徴を利用して、昼夜を問わず、不定期、不連続による発光をカラスに付与する。
なお、カラスは、紫外線が見えるために、発光手段70に用いる発光源としては、紫外線を発光するLEDや、青色LEDが有効である。これらを用いれば、太陽光とは異なる波長が発光できるので、昼間でも有力にカラスに付与することができる。たとえば、カラスに付与する光としては、カラスにとって感度が高いとされる300nm〜500nmの波長が含まれる光とするとよい。
カラス以外の他の鳥獣に対しては、白色や赤色のLEDを発光手段70の発光源として用いるとよい。また、発光周波数を可変できるLEDを用いることで、多数の害鳥獣に対応することが可能となる。
光を利用することで、音声によるコミュニケーションに劣る排除対象生物、たとえばハトやリスなどにも効果的に作用することになる。
図4は、生物排除装置1Aが付与する発光のタイミングパターンの一例を説明するための説明図である。図4に基づいて、発光付与のタイミングパターンの一例について説明する。
生物排除装置1Aでは、発光手段70から非定常的に発光させるようにしている。つまり、生物排除装置1Aでは、カラスや他の害鳥獣等の排除対象生物への「脅し」を考慮して、発光時間、停止時間をランダム変化させることを基本としている。
発光としては、単発発光、連続発光があり、発光時間としては、所定の発光時間B1、D1、F1があり、付与時間としては、所定の時間間隔A1、C1、E1がある。
まず、生物排除装置1Aは、所定の時間間隔A1の間、発光手段70から何も発光させない。
そして、所定の時間間隔A1が過ぎると、生物排除装置1Aは、発光手段70を用いて所定の発光時間B1で単発発光させる。
その後、生物排除装置1Aは、所定の時間間隔C1の間、発光手段70から何も発光させない。
所定の時間間隔C1が過ぎると、生物排除装置1Aは、発光手段70を用いて所定の発光時間D1、所定の発光時間F1を所定の時間間隔E1を空けて連続発光させる。
このように、ランダム発光することによって、無限に近い状態で発光することができ、定常的に発光することに比べて、「慣れ」等を防ぐことができ、確実に排除対象生物の排除が可能となる。
なお、図4に示した所定の発光時間B1、D1、F1、及び、所定の時間間隔A1、C1、E1は、任意なものであり、適宜決定すればよい。また、これらを繰り返してもよいが、単純な繰り返しは「慣れ」等を発生させることに繋がるため避けた方が好ましい。
<音声及び発光のタイミングパターン>
図5は、生物排除装置1Aから付与する音声及び発光のタイミングの一例を説明するための説明図である。図5に基づいて、生物排除装置1Aからカラスに向けて付与する音声及び発光について説明する。
図5に示すように、生物排除装置1Aでは、再生手段40によって音声付与を行った後、発光手段70を連続発光させて発光付与するようにするとよい。
再生手段40による音声付与においては、強力な音圧レベルによる単一周波数の超音波信号と、±3kHzほどの変調を加えた超音波信号と、を加算し、かつ、加算信号に可聴域のたとえばカラスなどの排除対象生物の排除を目的とした音声を重畳することで、直線的な指向性を持つ音声を搬送する。
連続信号による音声の中に不定期にパルス性の信号音が発生して、カラス等の動物に浴びせられることになる。そのため、高等なコミュニケーションを行っている動物にとっては、不快なインパルス音として提供されることになる。
また、振幅変調は簡単な回路構成でできるので、安価に回路が成形できると共に、屋外等に設置した場合には、デジタル回路の場合に必要な外来ノイズの強力な対策構造や回路構成、回路に見られる複雑な回路設定等も必要ない。そこで、生物排除装置1Aでは、デジタル処理を必要としない構成を採用し、回路に対するコストメリットも大きいという特徴を持っている。
上述したように、再生手段40は、高い音圧レベルを放射させる必要がある。これは、住宅街等でカラスの排除を行う場合、一般的なスピーカによる再生方法では、住宅街の住民に対してもカラスの音声が付与されることになる。その場合は、カラスの音声を聞いた人間にとっては単なる「騒音」である。
よって、人間には不快感を与えさせないために、生物排除装置1Aでは、超音波搬送によって、カラスだけに対して音声を付与させるようにしている。
しかしながら、公知である一般的なパラメトリックスピーカは、目的とする場所に対してのみ「音響信号」を提供するものであり、パラメトリック方式としては、非常に指向性が狭いという特性がある。また、パラメトリックスピーカのための素子の構造が専用でないために、高い音圧レベルで音放射を行うための振動板等の振幅を作れないなどの短所を有している。そのため、従来は目的とする場所にだけ音の提供を人間が聞こえる程度の音圧レベルで提供する程度のものであった。
ただし、排除対象生物の一例であるカラスを対象にした場合、カラスの「ねぐら」や「えさ場」等に集まる個体数は、非常に多く、上記の場所での排除を目的とする場合には、広い範囲(幅のある範囲)に、且つ大きな音圧レベルでの音声の放射が必要になっている。
この場合に、指向性がある程度広げられる中低域用の一般的なスピーカでの音放射が有利であるが、カラスの発音の音圧レベルと同等以上の音圧レベルを広い範囲で放射すると、当然、人間にも付与されるので、先述の通り、「騒音」として人間に不快を与えてしまうことになる。
以上のことから、目的とする場所に対して、つまりは離れたところに集団で居るカラスに対して、排除に必要な音声を、超音波をキャリアとして大音圧で送ると共に、成るべく広い(幅のある)指向性で音声を提供できるようにすることが重要になる。
そこで、生物排除装置1Aでは、音声搬送を行えるユニット(再生手段40)を複数近接配置することで、直線的な指向性を有する広い指向性を持つ音声搬送装置を構成することを可能としている。
このようにすれば、離れたところに対して、広い範囲で目的の音声を送ることができるようになっているので、カラス以外の周辺の住宅街等の住民(人間)に対して音(音声)が付与されることがなく、騒音問題は発生しない。
また、複数の再生手段40を備えることにすれば、高い音圧レベルの確保をより確実にすることできる。
すなわち、生物排除装置1Aは、強力な音圧レベルによる超音波信号を、搬送信号として、この超音波信号に対して鳥獣を排除させるために必要な音声(生音声や人工音声)信号を重畳する。そして、重畳した音声信号を振幅変調や周波数変調することで、音放射の放射範囲を狭く(狭指向性化)する。こうすることで、任意の方向に対して強力な音圧レベルを維持しながら音放射することが出来るようになる。その結果、生物排除装置1Aでは、超音波信号の距離伝播に伴う音圧レベル劣化を抑えながら、排除対象生物の駆除等に必要な音声信号を長距離に搬送可能になる。
搬送先の排除対象生物に搬送信号が届いたときに、変調信号が復調されて、排除対象生物に対して駆除等の音声信号を直接的に付与することができる。よって、排除対象生物以外に、排除に必要な音響信号(音声)を付与することがないために、排除対象生物が飛来する建物周囲の一般施設などには、騒音等の影響を与える事がない。
また、超音波によって必要な音声等の周波数を搬送しているために、超音波以外の周波数を再生させるための、たとえば高性能なスピーカ装置を用いる必要はなく、安価に装置の構成を行うことができる。
さらに、排除対象生物に直接音放射提供するのではなく、超音波に重畳させた音声を「復調」させることで、排除対象生物に対して付与することになる。そのため、排除対象生物の音声信号等の周波数帯域は、数Hz〜数百kHz以上まで対応することが出来るという効果も有する。
加えて、生物排除装置1Aでは、音声以外にも発光を排除対象生物に付与することとしている。たとえば、図5に示すように、音声による付与を行った後に、連続発光させるようにするとよい。
そのため、生物排除装置1Aによれば、音声による排除効果に加え、発光による排除効果を奏することになる。
具体的には、生物排除装置1Aによれば、音声及び発光の組み合わせで駆動させることによって、様々な影響を与えることができる複数の排除手段を排除対象生物に対して付与することができる。そのため、単発の付与手段による「慣れ」等を防ぐ事ができ、確実に排除対象生物の排除が可能となる。
また、生物排除装置1Aによれば、超音波搬送による音声伝搬を利用するために、排除対象生物に対してのみに直接付与することができる。そのため、排除対象生物以外に、排除に必要な音響信号(音声)を付与することがなく、排除対象生物が飛来する建物周囲の一般施設などには、騒音等の影響を与えることがない。
図6は、生物排除装置1Aの再生手段40の一例を説明するための説明図である。図7は、生物排除装置1Aの再生手段40の空中超音波発振子41の組み合わせを説明するための説明図である。図8は、生物排除装置1Aの再生手段40の空中超音波発振子41の配置例を示す概略図である。図9は、生物排除装置1Aの再生手段40の空中超音波発振子41の配置例を示す概略図である。図10は、生物排除装置1Aの再生手段40の空中超音波発振子41から放射される超音波信号を説明するための説明図である。図6〜図10に基づいて、再生手段40について詳細に説明する。なお、図6(a)が空中超音波発振子41の概略構成を示す側面図を示し、図6(b)が空中超音波発振子41の概略構成を示す上面図を示している。
図6(a)に示すように、空中超音波発振子41の単体構造において、空中超音波発振子41の基本的な構成要素は、ホーン部42、圧電素子のPZT部43、PZTを固着する台座44、PZT部43に電圧供給するための電極45である。生物排除装置1Aでは、高い音圧レベルで音放射させるため、空中超音波発振子41の共振周波数としては40kHz前後を用いている。また、PZT部43の表面(ホーン部42側の表面)には、PZT部43に対して圧電効果をもたらすための電源供給を行う金属板46が取り付けられている。
空中超音波発振子41の単体構造において、PZT部43の中心部分で最大振動を起こす振動モードは有している。このときに、PZT部43として40kHzで共振する圧電素子を用いている場合は、PZT部43の中心部分が最も振幅が大きくなり、PZT部43の端部は殆ど振動しない。この最も振動しているPZT部43の中心部分に、ホーン部42を固着するようにしている。この構造により、空中超音波発振子41への入力電圧を高くすることができ、空中超音波発振子41の固有振動の変位量を大きく振動させることが可能となる。
なお、ホーン部42の固着には、耐熱性及び耐湿性の高い接着剤を用い、屋外設置を想定する必要がある。このことから、耐熱性としては直射日光などに耐えられるために80度以上、耐湿性としては100%RHに耐えられることが可能な接着材料を用いてホーン部42をPZT部43(金属板46)に固着する。ホーン部42の固着はスポット溶接でも可能であるが、この場合には金属板46に対して、気泡を発生させないようにホーン部42を固着する必要がある。
超音波を利用することにより、音声の飛ぶ方向は直線的となり、音声の拡散も殆ど発生しないという利点がある。その一方で、群れている排除対象生物に対しては、広い範囲への音放射が要求される。
そのために、図7に示すように、複数個の空中超音波発振子41を、一波長+1/4波長の間隔で並べるようにするとよい。こうすることで、音声の進行波の位相を一致させることができ、広い範囲への音放射が行えるようになる。
また、図8に示すように、複数個の空中超音波発振子41を、一波長+1/4波長の間隔で平面的に上下左右に並べるようにするとよい。
さらに、図9に示すように、所定の角度θで折り曲げた曲げ板80を用いて、この曲げ板80に、複数個の空中超音波発振子41を一波長+1/4波長の間隔を考慮して配置すると、更に広い範囲への音放射が行えるようになる(図9に示す破線X)。これにより、図10に示すような指向特性を有する音放射が行えるようになる。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2に係る生物排除装置1Bの基本的な構成を示す基本ブロック概念図である。以下、図11を参照しながら、生物排除装置1Bについて説明する。なお、この実施の形態2では上述した実施の形態1との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1と同一作用である部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
実施の形態1に係る生物排除装置1Aは、排除対象生物に対して音声以外の付与手段として「光」を付与させるようにしたものであるが、生物排除装置1Bは、排除対象生物に対して音声以外の付与手段として「圧力」を付与させるようにしたものである。生物排除装置1Bの「圧力」付与以外の構成については、実施の形態1に係る生物排除装置1Aの構成と同様である。
生物排除装置1Bは、音声伝送手段60と、圧力付与手段(空気砲)90と、を少なくとも有している。
圧力付与手段90は、音声以外の他の付与手段として「圧力波」の付与を行うようになっている。つまり、空気を発砲することで圧力波を付与する。
CPU部51は、加算部30で創生された信号に基づいて、再生手段40及び圧力付与手段90の動作を制御する機能を有している。
付与機能制御手段52は、圧力付与手段90の動作を制御するための情報をCPU部51に提供する機能を有している。付与機能制御手段52には、圧力付与のタイミング(時間、時刻)や、圧力の強さに関する情報が予め記憶されている。なお、これらの情報は、書き換え可能にしておくとよい。
<圧力付与手段90>
圧力付与手段90は、空気などの気体を、塊状(渦輪(リング状))にして、任意エリア(図11に示す流体搬送空間Y)に存在する排除対象生物に対して付与するものである。この圧力付与手段90は、駆動装置100と、信号発生装置95と、を備えている。駆動装置100は、振動力生成部と、振動部と、それらを収容するキャビネット91と、を備えている。
振動部は、振動板90g、フレーム92、大円弧ダンパ(第2弾性部材)93、及び、大円弧エッジ(第1弾性部材)94を少なくとも含んで構成されている。また、振動力生成部は、ヨーク90a、センターポール90b、マグネット90c、プレート90d、ボイスコイル90e、及び、ボイスコイルボビン90fを少なくとも含んで構成されている。ボイスコイルボビン90fと振動板90gとは、接着層90hを介して接続している。なお、振動部と振動力生成部とは、磁気回路部103を構成している。
ヨーク90aは、振動力生成部の基台を構成する板状部材である。センターポール90bは、ヨーク90aの中心部に成型された円柱状部材である。マグネット90cは、センターポール90bの外周側に所定の間隙を介して固着されている。つまり、ヨーク90aは、センターポール90b及びマグネット90cを固定するようになっている。なお、ヨーク90aの形状を特に限定するものではないが、たとえば円板形状の板部材等を用いるとよい。また、マグネット90cには、たとえばネオジウムやサマリウムコバルト、フェライト、アルニコ等を使用している。
プレート90dは、マグネット90cの上面に固着されている板状部材である。ボイスコイル90eは、駆動装置100を駆動させるための信号を入力するものである。ボイスコイルボビン90fは、略円筒形状の部材であり、外周面にボイスコイル90eが巻きつけられるものである。ボイスコイル90eの巻幅(ボイスコイル90eのボイスコイルボビン90fの当接面積)は、限りなくボイスコイルボビン90fの外周面を覆う面積を有している。ボイスコイルボビン90fは、センターポール90bに装着され、ボイスコイル90eに印加する入力信号形態及び入力電圧により、マグネット90cとの間で電磁駆動を行い、ボイスコイルボビン90fの全体が振動する。
振動板90gは、ボイスコイルボビン90fの端面(センターポール90bとの装着面とは反対側の端面)に接着層90hを介して装着されるものである。振動板90gは、平板型でも、一般的なスピーカであるコーン型やドーム型でもよいが、後述する流体の塊を搬送させる手段としては剛性を高くした樹脂や金属等で構成した平板型が望ましい。また、加圧空間106内の空気が高温(100度以上)のスチームである場合があるので、振動板90gは、たとえば耐熱性ポリプロピレン又はABS材料等を基材とし、その基材の表面をシリカ等の耐浸食性材料で被膜して構成するとよい。
接着層90hは、振動板90gをボイスコイルボビン90fの定位置に固着させるための粘性を有するものである。フレーム92は、平面視した際に、略ドーナツ形状をしている部材である。このフレーム92は、第1固定部92aと、第2固定部92bと、第1固定部92aと第2固定部92bをつなぐテーパー部92cと、で構成されている。第1固定部92aは、固定端105に固定されている。第2固定部92bは、プレート90d上面に固定されている。なお、フレーム92を構成している第1固定部92a、第2固定部92b、及び、テーパー部92cは、一体形成されていてもよく、それぞれ別体として溶接接合などで接合されていてもよい。
大円弧ダンパ93は、平面視した際に、略ドーナツ形状をしており、一端がボイスコイルボビン90fの外周面に接続され、他端がプレート90dの上面に接続され、搬出口110側に向かって湾曲している部材である。この大円弧ダンパ93は、ボイスコイルボビン90fをプレート90d及びフレーム92の任意位置に保持する機能を果たすものである。大円弧エッジ94は、平面視した際に、略ドーナツ形状をしており、一端がフレーム92の第1固定部92aの上面に接続され、他端が振動板90gの外周部上面に接続されている。この大円弧エッジ94は、振動板90gをフレーム92の任意位置に保持する機能を果たすものである。
空気の塊を加圧空間(後述する加圧空間106に相当)から排出するためには、加圧空間の内部で強力な圧力変動を発生させる必要があり、必要な搬送距離と強力な圧力変動を得るためには、振動板を加圧空間の内部で少なくとも10mm以上振動させる必要があるということが実験的検証で分かっている。そこで、駆動装置100では、大円弧ダンパ93及び大円弧エッジ94をそれぞれ半径が10mm以上とし、大円弧ダンパ93及び大円弧エッジ94の作用により振動板90g及びボイスコイルボビン90fが、それぞれの静止状態と比較して、10mm以上の振動を行うことを可能としている。
そのため、大円弧ダンパ93及び大円弧エッジ94は、合成ゴム(たとえば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM))等の弾力性に優れた材料で成形されている。これにより、大円弧ダンパ93及び大円弧エッジ94は、適度な弾性を有することになるために振動板90gの振幅量が大きくなっても破断することが抑制される。また、合成ゴムは、耐摩耗性に優れている。さらに、合成ゴムは、耐侵食性(具体的には、耐油性、耐熱性、耐寒性、耐オゾン性、耐候性、耐酸性、耐アルカリ性等)に優れている。したがって、流体が、侵食性を有する成分を持っていても、侵食を抑制できる。
キャビネット91は、振動板90gを境として形成された、駆動装置100の磁気回路部103が設置可能な後方空間107と、渦輪として搬送する流体を溜めておくための加圧空間106と、を有する略箱形状の部材である。また、キャビネット91の内面側壁の対向部において固定端105が内部に向かって突出するように形成されている。この固定端105の上面に、任意の手段(たとえば、ネジや接着等)によりフレーム92の第1固定部92aが固定される。なお、固定端105は、キャビネット91とは別体の部材を、キャビネット91の内壁面に嵌合することで構成してもよいし、ネジや接着剤によってキャビネット91の内壁面に固定することで構成してもよい。
また、加圧空間106は、振動板90gの前面側(ボイスコイルボビン90fの接続側ではない方の側)に形成される空間であり、必要な方向に対して搬送したい空気を溜める。加圧空間106は、空気を渦輪として搬送するための空気量に応じた所定容積を有している。
一方、後方空間107は、振動板90gの後面側(ボイスコイルボビン90fの接続側)に形成される空間であり、磁気回路部103を配置する収容空間として機能する。よって、後方空間107は、磁気回路部103が設けられる程度の容積を有している。ただし、加圧空間106と後方空間107とは、連通しておらず、通気性は一切ないものとする。すなわち、加圧空間106と後方空間107とは、固定端105、フレーム92によって仕切られ、空気のつながりがないものとなっている。
キャビネット91には、外部と加圧空間106とを連通させる任意の開口径を有する搬出口110が形成されている。ここでは、搬出口110が、振動板90gと対向する位置におけるキャビネット91の壁面(図11では紙面右側の壁面)に1つ形成されている状態を例に示している。なお、搬出口110の個数や形成位置を特に限定するものではない。また、搬出口110の開口形状も特に限定するものではないが、振動板90gの平面形状と同形状、たとえば円形等にするとよい。
また、キャビネット91には、外部と後方空間107とを連通させる任意の開口径を有する開口120が形成されている。開口120を形成することで、外部と磁気回路部103とを連通させ、振動板90gの動きを抑制しない構造としている。つまり、開口120は、振動板90gから放射される振動のうち後方空間107側に伝達される振動をキャビネット91外部に逃がすために機能する。ここでは、開口120が、図11の紙面下型の壁面に形成されている状態を例に示している。なお、開口120の開口形状も特に限定するものではないが、たとえば円形等にするとよい。また、後方空間107の内壁面には、振動を吸収する振動吸収部材を設けてもよいことは言うまでもない。
信号発生装置95は、駆動信号処理部95aと、アンプ部95bと、を少なくとも備えている。駆動信号処理部95aは、ボイスコイル90eを駆動させるための信号を生成する機能を有している。アンプ部95bは、駆動信号処理部95aの後段に接続されており、駆動信号処理部95aで生成された信号を増幅する機能を有している。駆動信号処理部95aは、信号波形を生成する。生成された信号は、アンプ部95bを介して、ボイスコイル90eに伝送される。それによって磁気回路部103で磁気力が生じ、その磁力により振動板90gが駆動することになる。
ボイスコイル90eは、信号発生装置95に信号線(図示省略)を介して接続されており、信号発生装置95から伝送されてくる駆動信号に応じた電流が流れるようになっている。このようにして、ボイスコイル90eは、電磁石となり、マグネット90cで発生する磁場と相互作用して得た力(磁気力)により、ボイスコイル90eに巻き付けられているボイスコイルボビン90fが振動し、この振動が接着層90hを介して振動板90gに伝達されるようになっている。このように、圧力付与手段90では、ボイスコイル90eによってボイスコイルボビン90fが振動し、それにより振動板90gが振動して渦輪を形成するようになっている。
[排除対象生物の排除について]
<圧力による排除>
自然界に存在せず、排除対象生物にとっては不快な現象として学習する手段として、圧力波の付与が挙げられる。
そこで、生物排除装置1Bでは、電気音響変換手段のスピーカ構造を利用した圧力付与手段90を備え、気体(空気)を塊として付与できるようにしている。
圧力を利用することで、音声によるコミュニケーションに劣る排除対象生物、たとえばハトやリスなどにも効果的に作用することになる。
図12は、生物排除装置1Bが付与する圧力のタイミングパターンの一例を説明するための説明図である。図12に基づいて、圧力付与のタイミングパターンの一例について説明する。
生物排除装置1Bでは、圧力付与手段90から非定常的に圧力を付与させるようにしている。つまり、生物排除装置1Bでは、カラスや他の害鳥獣等の排除対象生物への「脅し」を考慮して、圧力付与時間、停止時間をランダム変化させることを基本としている。
圧力付与としては、単発付与、連続付与があり、付与間隔としては、所定の付与間隔A2、B2、C2、D2がある。
また、圧力付与の大きさは、空気に力を与える手段(つまり、振動板90g)の駆動力である波高値E2〜H2で表している。
信号発生装置95は、任意時間幅を有するプラス電圧方向のインパルス性の片波信号によって、振動板90gを駆動させるものである。
振動板90gの駆動波形は、実施の形態1で説明した発光手段70から発光させる光の波形と似たものを使うようにする。
まず、生物排除装置1Bは、所定の時間間隔A2の間、圧力付与手段90から何も圧力付与させない。
そして、所定の時間間隔A2が過ぎると、生物排除装置1Bは、圧力付与手段90を用いて所定の波高値E2で圧力付与を行う。
その後、生物排除装置1Bは、所定の時間間隔B2の間、圧力付与手段90から何も発光させない。
所定の時間間隔B2が過ぎると、生物排除装置1Bは、圧力付与手段90を用いて所定の波高値F2の圧力、所定の波高値G2の圧力を所定の時間間隔C2を空けて連続付与させる。
それから、生物排除装置1Bは、圧力付与手段90を用いて所定の波高値G2の圧力、所定の波高値H2の圧力を所定の時間間隔D2を空けて連続付与させる。
このように、圧力をランダム付与することによって、無限に近い状態で圧力付与をすることができ、定常的に圧力付与することに比べて、「慣れ」等を防ぐことができ、確実に排除対象生物の排除が可能となる。
なお、図12に示した所定の時間間隔A2、B2、C2、D2、及び、所定の波高値E2、F2、G2、H2は、任意なものであり、適宜決定すればよい。また、これらを繰り返してもよいが、単純な繰り返しは「慣れ」等を発生させることに繋がるため避けた方が好ましい。
なお、振動板90gの寸法は、排除対象生物の体格寸法に応じて変化させることも可能である。
また、圧力波を付与するときに、振動板90gからは駆動波形のインパルス信号が入力されることによる過渡的な音が発生する。これは、振動板90gの材料をたとえばアルミニウムなどの金属系材料で構成することで、その材料の固有振動数に応じてインパクト音(爆発音)が発生するからである。つまり、たとえばアルミニウムなどの金属系材料で振動板90gを構成すると、振動板90gからは、楽器のシンバルを鳴らしたような音が発生する。
よって、このようなインパクト音も同時に発生させることができるので、排除対象生物に対しては、単発的な衝撃的な音声と、これによる圧力波が排除対象生物の体に付与することとなり、排除対象生物に対して不快感を効率的に付与させることができる。
もちろん、振動板90gの材料は、種々に変化させることが可能になっているので、都市部等のように騒音が問題となるような場合には、樹脂系材料で振動板90gを構成したり、ハニカム構造で振動板90gを構成したりすればよい。こうすることで、振動板90gの固有周波数を低い周波数に移行することができ、雑踏音と混合して、人間には聞こえにくい低周波音として発生することになる。
<音声及び圧力付与のタイミングパターン>
図13は、生物排除装置1Bから付与する音声及び圧力のタイミングの一例を説明するための説明図である。図13に基づいて、生物排除装置1Bからカラスに向けて付与する音声及び圧力について説明する。
図13に示すように、生物排除装置1Bでは、再生手段40によっての音声付与と、圧力付与手段90によっての圧力付与と、を交互に繰り返して付与するようにするとよい。
そのため、生物排除装置1Bによれば、音声による排除効果に加え、圧力による排除効果を奏することになる。
具体的には、生物排除装置1Bによれば、音声及び圧力の組み合わせで駆動させることによって、様々な影響を与えることができる複数の排除手段を排除対象生物に対して付与することができる。そのため、単発の付与手段による「慣れ」等を防ぐ事ができ、確実に排除対象生物の排除が可能となる。
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3に係る生物排除装置1Cの基本的な構成を示す基本ブロック概念図である。以下、図14を参照しながら、生物排除装置1Cについて説明する。なお、この実施の形態3では上述した実施の形態1、2との相違点を中心に説明するものとし、実施の形態1、2と同一作用である部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
実施の形態1に係る生物排除装置1Aでは「音声」+「発光」を付与し、実施の形態2に係る生物排除装置1Bでは「音声」+「圧力」を付与した例をそれぞれ説明したが、生物排除装置1Cは、「音声」+「発光」+「圧力」を排除対象生物に対して付与させるようにしたものである。
すなわち、生物排除装置1Cは、音声伝送手段60と、発光手段70と、圧力付与手段90と、を少なくとも有している。
「発光」についての構成は実施の形態1の構成と同様であり、「圧力」についての構成は実施の形態2の構成と同様である。
<音声、発光及び圧力付与のタイミングパターン>
図15は、生物排除装置1Cから付与する音声、発光及び圧力のタイミングの一例を説明するための説明図である。図15に基づいて、生物排除装置1Cからカラスに向けて付与する音声及び圧力について説明する。
図15に示すように、生物排除装置1Cでは、再生手段40によっての音声付与と、圧力付与手段90によっての圧力付与と、を交互に繰り返して付与した後、発光手段70を連続発光させて発光付与するようにするとよい。
そのため、生物排除装置1Cによれば、音声による排除効果に加え、発光及び圧力による排除効果を奏することになる。
具体的には、生物排除装置1Cによれば、音声、発光及び圧力の組み合わせで駆動させることによって、様々な影響を与えることができる複数の排除手段を排除対象生物に対して付与することができる。そのため、単発の付与手段による「慣れ」等を防ぐ事ができ、確実に排除対象生物の排除が可能となる。
実施の形態4.
図16〜図19は、実施の形態1〜3のいずれかに係る生物排除装置の設置例を説明するための説明図である。図16〜図19に基づいて、実施の形態1〜3のいずれかに係る生物排除装置の具体的な設置例について説明する。なお、ここでは、実施の形態1に係る生物排除装置1Aを設置する場合を例に挙げて説明する。
図16では、電柱150への生物排除装置1Aの設置例を示している。
電力搬送等を行う鉄塔や電柱が存在している場所では、鉄塔や電柱そのものや、それらに架線されている電力線そのものに排除対象生物が止まる場合がある。鉄塔や電柱に対しては、排除対象生物の繁殖期に至ると、巣が作られて、しばしばショート等による停電問題も発生する。
このような問題に対応するために、図16に示すように、電柱150の設置根元や、電柱150の途中に、生物排除装置1Aを設置するとよい。こうすることで、排除対象生物を効率的に電柱150から排除することが可能となる。また、電柱150同士を架線している電力線間等の両端に生物排除装置1Aを設置すれば、排除対象生物の電線への止まりも排除できる。
生物排除装置1Aを設置する場合、図16に示すように、排除対象生物が止まると想定される場所に向けて「音声」などを付与できるように設置する。
図17では、建物160への生物排除装置1Aの設置例を示している。
屋外家屋や倉庫、駅等の建物160の内部などでは、人間から離れたところに排除対象生物が集まることが想定される。あるいは、建物160の屋根近傍の隙間に排除対象生物が集まることも想定される。
また、駅構内のホームなどでは、上から落ちる糞などから鉄道利用者を守るためにネットなどを用いることがあるが、上部の配線等のメンテ対応などの観点から、ネットが全てに行き渡ることはない。
このような問題に対応するために、図17に示すように、建物160の上部の排除対象生物が集まると想定される場所に、生物排除装置1Aを任意の間隔で点在させるように設置するとよい。こうすることで、排除対象生物を効率的に建物160から排除することが可能となる。
生物排除装置1Aを設置する場合、図17に示すように、排除対象生物が止まると想定される場所に向けて「音声」などを付与できるように設置する。
なお、光や圧力は、音声によるコミュニケーションに劣る排除対象生物、たとえば、ハトやリスなどにも効果的に働く。
図18は、ゴミ置き場170の近傍に設置されている電柱171への生物排除装置1Aの設置例を示している。
一般家屋や集合住宅等から出るゴミ172を狙って排除対象生物が集まることで、ゴミ173が荒らされてしまうという問題がある。
このような問題に対応するために、図18に示すように、ゴミ置き場170の上部、つまり電柱171の途中に、生物排除装置1Aを設置するとよい。そして、たとえばゴミ172が置かれている間は、時間的な制御(たとえば朝6時から9時までなど)で生物排除装置1Aから「音声」などをゴミ173に向けて放射するようにするとよい。
こうすることによって、ゴミ173からは、常に、排除に必要な「音声」が出ていることになる。この「音声」は排除対象生物に危険をもたらすものであることから、ゴミ173から音声が出ることによって、仲間が捕まっているなどの恐怖が排除対象生物に発生して、ゴミ置き場170に排除対象生物が集まらない状態を作ることができる。
また、付与する圧力の力や、光の波長を変化させることで、猫や、近年の都会でも見られるハクビシン、鹿、タヌキ、熊などにも影響を与えることができる。
なお、図18では、電柱171に生物排除装置1Aを設置した場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、ゴミ173に向けて「音声」などを付与できる位置に生物排除装置1Aを設置すればよい。
図19は、航空機180や滑走路181への生物排除装置1Aの設置例を示している。
航空機180に、鳥などの排除対象生物が衝突するバードストライクという問題がある。
このような問題に対応するために、図19に示すように、航空機180や、飛行場の滑走路181に、生物排除装置1Aを設置するとよい。こうすることで、バードストライク問題への対応が可能となる。つまり、航空機180に生物排除装置1Aを搭載すれば、航空機180から予め「音声」などを付与することができ、滑走路181に生物排除装置1Aを設置すれば、滑走路181から予め「音声」などを付与することができ、滑走路181の近傍に群れている排除対象生物を、航空機の進入前に効果的に排除することができる。
なお、生物排除装置1Aを航空機180、滑走路181のいずれかのみに設置してもよいし、双方に設置してもよい。双方に設置し、付与するタイミングを適宜調整することで、より効果的に排除対象生物を排除することが可能になる。
実施の形態4では、生物排除装置1Aを例に挙げて説明したが、生物排除装置1B、生物排除装置1Cのいずれかを設置してもよい。また、複数設置する場合であっても、全部が生物排除装置1Aである必要はなく、生物排除装置1A、生物排除装置1B、生物排除装置1Cのいずれか単独、あるいはこれらを適宜組み合わせて設置するようにしてもよい。
また、実施の形態4では、生物排除装置1Aからの「音声」等の付与タイミングについて特に言及していないが、常時付与してもよいし、排除対象生物を検知したときに付与するようにしてもよい。この場合は、赤外線、超音波、または可視光などを利用した動物検知センサ、あるいは、カメラなどの撮像装置等を別途設ける必要がある。
さらに、付与開始時刻、付与終了時刻、または付与時間間隔を予め定めておき、時間によって付与タイミングを制御するようにしてもよい。
1A 生物排除装置、1B 生物排除装置、1C 生物排除装置、10 超音波信号創生部、12 排除信号部、20 発信回路部A、22 発信回路部B、25 処理回路部、30 加算部、35 アンプ、40 再生手段、41 空中超音波発振子、42 ホーン部、43 PZT部、44 台座、45 電極、46 金属板、50 制御部、51 CPU部、52 付与機能制御手段、53 スピーカ駆動機能制御手段、60 音声伝送手段、70 発光手段、80 曲げ板、90 圧力付与手段、90a ヨーク、90b センターポール、90c マグネット、90d プレート、90e ボイスコイル、90f ボイスコイルボビン、90g 振動板、90h 接着層、91 キャビネット、92 フレーム、92a 第1固定部、92b 第2固定部、92c テーパー部、93 大円弧ダンパ、94 大円弧エッジ、95 信号発生装置、95a 駆動信号処理部、95b アンプ部、100 駆動装置、103 磁気回路部、105 固定端、106 加圧空間、107 後方空間、110 搬出口、120 開口、130 スピーカ、150 電柱、160 建物、170 ゴミ置き場、171 電柱、172 ゴミ、173 ゴミ、180 航空機、181 滑走路。

Claims (17)

  1. 排除対象生物を排除する生物排除装置であって、
    前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、
    前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、
    光を前記排除対象生物に対して発光する
    生物排除装置。
  2. 音放射が可能な再生手段と、
    発光が可能な発光手段と、を有し、
    前記再生手段から放射した前記音声及び前記発光手段から発光した前記光を、前記排除対象生物に対して付与する
    請求項1に記載の生物排除装置。
  3. 排除対象生物を排除する生物排除装置であって、
    前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、
    前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、
    圧力を前記排除対象生物に対して与える
    生物排除装置。
  4. 音放射が可能な再生手段と、
    圧力発砲が可能な圧力付与手段と、を有し、
    前記再生手段から放射した前記音声及び前記圧力付与手段から発砲した前記圧力を、前記排除対象生物に対して付与する
    請求項3に記載の生物排除装置。
  5. 排除対象生物を排除する生物排除装置であって、
    前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を超音波信号に重畳した音声を、
    前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして放射し、
    光を前記排除対象生物に対して発光し、
    圧力を前記排除対象生物に対して与える
    生物排除装置。
  6. 音放射が可能な再生手段と、
    圧力発砲が可能な圧力付与手段と、
    発光が可能な発光手段と、を有し、
    前記再生手段から放射した前記音声、前記発光手段から発光した前記光、及び、前記圧力付与手段から発砲した前記圧力を、前記排除対象生物に対して付与する
    請求項5に記載の生物排除装置。
  7. 前記超音波信号の周波数帯域を、43kHz以上とした
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の生物排除装置。
  8. 排除対象生物を排除する生物排除装置であって、
    前記排除対象生物の原音声及び原音声の特徴的な音響特性を用いた擬似音声を、
    前記排除対象生物が発する音声の音圧レベルと同等又は同等以上の音圧レベルとして、直接放射し、光及び圧力の少なくともいずれかを前記排除対象生物に対して暴露させる
    生物排除装置。
  9. 前記排除対象生物の原音声は、
    前記排除対象生物の「猛禽類との争い時」、及び、「恐怖時」に発する原音声の単体又はいずれかの組み合わせによる音声パターンを用いている
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の生物排除装置。
  10. 前記排除対象生物の擬似音声は、
    前記排除対象生物の「猛禽類との争い時」、及び、「恐怖時」に発する原音声の単体又はいずれかの組み合わせによる音声パターンの特徴的な周波数特性の変化を再現するように作成している
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の生物排除装置。
  11. 前記光は、
    前記発光手段から非定常的に発光される
    請求項2、6又は8に記載の生物排除装置。
  12. 前記圧力は、
    前記圧力付与手段から非定常的に発砲される
    請求項4、6又は8に記載の生物排除装置。
  13. 前記再生手段は、
    複数個の空中超音波発振子が一波長+1/4波長の間隔で並べられて構成されている
    請求項2又は6に記載の生物排除装置。
  14. 電柱又は鉄塔に設置した
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の生物排除装置。
  15. 建物の構内に設置した
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の生物排除装置。
  16. ゴミ置き場の近傍に設置した
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の生物排除装置。
  17. 航空機及び滑走路の少なくとも一方に設置した
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の生物排除装置。
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