JP2015228486A - 光電変換素子 - Google Patents

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Toshio Suzuka
理生 鈴鹿
関口 隆史
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Abstract

【課題】電解液の封止機能に優れ、かつ、開口率を高めることが可能な新規な構造を有する光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換素子100は、第1基板と、第2基板と、第1基板と第2基板との間に配列された複数のセルとを備え、複数のセル10のそれぞれは、第1基板1に支持された光アノード7であって、導電層と、導電層上に形成された、光増感剤を含む半導体層とを含む、光アノード7と、第2基板2に支持された対極8と、光アノード7と対極8との間に配置された電解液9とを有し、複数のセル10のうち隣接する2つのセルの間に、電解液9と接するように配置された第1シール部3と、複数のセル10の外周に、複数のセルを包囲するように配置された第2シール部5とをさらに備え、第1シール部3の封止材のヤング率は、第2シール部5の封止材のヤング率よりも小さい。【選択図】図1

Description

本開示は、光増感された光電変換素子に関する。ここで、光増感された光電変換素子は、いわゆる色素増感太陽電池を包含し、さらに、屋内等の照度の比較的低い環境においても発電することができる色素増感型の発電素子を含む。
近年、光増感剤として色素を用いた、色素増感太陽電池の研究開発が進められている。従来の色素増感太陽電池は、典型的には、色素を含む光アノードと、対極と、光アノードと対極との間に設けられた、酸化還元対を含む電解液とを備える。
色素増感太陽電池は単セルではせいぜい0.7V程度の電圧出力しか得られないため、より高電圧な用途に使用するために、セルのモジュール化の検討がなされている。
色素増感太陽電池モジュールは、例えば、直列に接続された複数のセルを含んでいる。各セルは、例えば、光アノードと対極との間に電解液を有する。このため、セルごとに電解液を封止する必要がある。
例えば特許文献1には、太陽電池モジュールにおいて、セルごとに電解液を分離する隔壁を設けることが開示されている。
特開2010−257857号公報
色素増感太陽電池モジュールなどの光電変換素子では、開口率の向上が求められている。「開口率」とは、モジュールの面積に占める受光する部分の面積(受光面積)の割合を表す値であり、受光面積をモジュールの総面積で除算して得られる。例えば特許文献1は、採光面積を拡大するために、隣接するセル間に位置する隔壁を、外壁部分の隔壁よりも薄くすることを開示している。
本発明者は、従来とは異なる観点から、電解液の封止機能と高開口率とを両立し得る光電変換素子の構造を検討した。
本願の一実施形態は、電解液の封止機能に優れ、かつ、開口率を高めることが可能な新規な構造を有する光電変換素子を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配列された複数のセルとを備える光電変換素子であって、前記複数のセルのそれぞれは、前記第1基板に支持された光アノードであって、導電層と、前記導電層上に形成された、光増感剤を含む半導体層とを含む、光アノードと、前記第2基板に支持された対極と、前記光アノードと前記対極との間に配置された電解液とを有し、前記複数のセルのうち隣接する2つのセルの間に、前記電解液と接するように配置された第1シール部と、前記複数のセルの外周に、前記複数のセルを包囲するように配置された第2シール部とをさらに備え、前記第1シール部の封止材のヤング率は、前記第2シール部の封止材のヤング率よりも小さい光電変換素子を含む。
本開示のある実施形態によれば、電解液の封止機能に優れ、かつ、開口率を高めることが可能な光電変換素子を提供できる。
(a)は本開示の実施形態に係る光電変換素子100の上面図、(b)は(a)のIB−IB線に沿った断面図である。 (a)は本開示の実施形態に係る他の光電変換素子200の上面図、(b)は(a)のIIB−IIB線に沿った断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、光電変換素子100の製造工程を説明するための工程断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、光電変換素子100の製造工程を説明するための模式図である。
本開示は、以下の項目に記載の光電変換素子を含む。
[項目1]
第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配列された複数のセルとを備える光電変換素子であって、
前記複数のセルのそれぞれは、
前記第1基板に支持された光アノードであって、導電層と、前記導電層上に形成された、光増感剤を含む半導体層とを含む、光アノードと、
前記第2基板に支持された対極と、
前記光アノードと前記対極との間に配置された電解液と
を有し、
前記複数のセルのうち隣接する2つのセルの間に、前記電解液と接するように配置された第1シール部と、
前記複数のセルの外周に、前記複数のセルを包囲するように配置された第2シール部とをさらに備え、
前記第1シール部の封止材のヤング率は、前記第2シール部の封止材のヤング率よりも小さい光電変換素子。
[項目2]
前記第1シール部の封止材のヤング率は1MPa以上500MPa以下である、項目1に記載の光電変換素子。
[項目3]
前記第1シール部の封止材のヤング率は20MPa以下である、項目2に記載の光電変換素子。
[項目4]
前記第1シール部の封止材はシリコーンゴムである、項目1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
[項目5]
前記第1シール部の封止材はアクリレート系樹脂である、項目1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
[項目6]
前記第1基板の表面の法線方向から見たとき、前記第1シール部の幅は、前記第2シール部の幅よりも小さい、項目1から5のいずれかに記載の光電変換素子。
[項目7]
前記第1基板の表面の法線方向から見たとき、前記第1シール部の幅は1mm以下である、項目1から6のいずれかに記載の光電変換素子。
[項目8]
前記第1シール部は、前記第1基板と前記第2基板との間で圧縮されている、項目1から7のいずれかに記載の光電変換素子。
(実施形態)
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
図1(a)および(b)に、本開示のある実施形態による光電変換素子100の構造を模式的に示す。図1(a)は光電変換素子100の上面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すIB−IB線に沿った断面図である。
光電変換素子100は、第1基板1と、第1基板1に対向するように配置された第2基板2と、これらの基板1、2の間に配列された複数のセル10とを備える。ここでは、5個のセル10a〜10eが一列に並べられているが、セル10の個数および配列方法はこれに限定されない。複数のセル10は、図示しない配線で直列に接続されている。第1基板1として、可視光を透過する基板を用いてもよい。
各セル10は、光アノード7と、対極8と、光アノード7と対極8との間に配置された電解液9とを有する。
光アノード7は、第1基板1に支持されている。光アノード7は、図示しないが、例えば、可視光を透過する導電層(「透明導電層」ということがある。)と、導電層上に形成された半導体層とを有している。半導体層は光増感剤としての色素分子を含んでいる。半導体層は、例えば、多孔質半導体層であり、多孔質酸化チタンを好適に用いることができる。
対極8は、第2基板2に支持されており、電解液9を間に介して、光アノード7(光アノード7の半導体層)に対向するように配置されている。図示していないが、対極8は、例えば、酸化物導電層と、酸化物導電層上に形成された金属層(例えば、白金層)とを有する。
光電変換素子100は、また、電解液9を封止するための第1シール部3および第2シール部5を有している。第1シール部3は、複数のセル10のうち隣接するセルの間に、電解液9と接するように配置されている。第2シール部5は、複数のセル10の外周に、複数のセル10を包囲するように配置されている。従って、第1基板1の法線方向から見たとき、第2シール部5は、第1シール部3よりも外側に配置される。また、第1シール部3は、第2シール部5とは異なる封止材から形成されている。
本実施形態では、光電変換素子100における封止機能を2つに分離し、それぞれの機能を実現するためのシール部を別個に設けている。
第1シール部3は、隣接するセル10間の短絡、とくに液絡と呼ばれる、隣接するセルの電解液9同士の接触を抑制する役割を有する。一方、第2シール部5は、複数のセル10の外周(モジュールの外周)を囲み、電解液9がガスとなって外部へ揮発することを抑制したり、また電解液9自体が外部へ漏れることを抑制したりする。本実施形態では、これらのシール部3、5を互いに異なる封止材から形成する。これにより、各シール部3、5を、求められる機能に応じて最適な封止材を用いて形成することが可能になる。
第2シール部5は、さらに、光アノード7が形成された第1基板1と、対極8が形成された第2基板2とを接着する役割を有していてもよい。この場合、第1シール部3は、これらの基板1、2に対する接着性を有していなくてもよい。すなわち、第1シール部3は、第1基板1および第2基板2の一方または両方と接着せず、第1基板と第2基板との接着に寄与しなくてもよい。
第1シール部3は適度な弾性を有しており、第2シール部5によって接着された第1基板1と第2基板2との間に、圧縮された状態で配置されていてもよい。これにより、第1基板1の法線方向から見たときの第1シール部3の幅waを小さくしても、電解液9をより確実に封止することが可能である。従って、幅waを小さくすることにより、光電変換素子100の面積に占める受光面積の割合を大きくできるので、開口率を高めることができる。この結果、光電変換素子100の単位面積あたりに生み出される電力を大きくすることが可能になる。
第1シール部3は、例えば、一方の基板上に所定のパターンで封止材を配置することによって形成される。基板上に形成された第1シール部3は、第1基板1と第2基板2とを貼り合わせる際の加圧工程で圧縮されて変形する。基板上に形成された後、圧縮される前の第1シール部3は、上面に凹凸を有する場合がある。特に、幅waを小さく抑えるためにスクリーン印刷などを用いて封止材を配置すると、上面の表面粗さの大きい第1シール部3が形成される。このような場合でも、第1シール部3は、第1および第2基板を加圧する際の圧力によって、これらの基板の間隙を過不足なく埋めるように変形可能であることが好ましい。
第1シール部3は、所定の加圧条件で、上記凹凸を埋めるように変形し得る封止材から形成されていてもよい。例えば、第1シール部3は、ヤング率が500MPa以下である弾性を有する封止材によって形成されていることが好ましい。これにより、より効果的に液絡を抑制できる。ヤング率は、下記式によって定義される。
[ひずみε]=[応力σ]/[ヤング率E]
第1シール部3が500MPa以下のヤング率を有する封止材から形成されていれば、一般的な太陽電池の製造プロセスの加圧工程(基板間に印加されるプレス圧力:例えば100kPa〜1000kPa)において、上面の凹凸(表面粗さ)が十分に埋まる程度に変形することが可能である。より確実に凹凸を埋めるためには、封止材のヤング率は20MPa以下であることが好ましい。なお、第1シール部3の封止材のヤング率は、例えば1MPa以上である。ヤング率が1MPa以上であれば、封止材は十分な自立性を有するので、液絡抑制効果をより確実に得ることができる。
一方、第2シール部5は、第1基板1および第2基板2に対して高い接着性を有する封止材から形成されていればよく、封止材のヤング率は特に限定しない。第2シール部5は、第1シール部3を圧縮した状態で、第1基板1と第2基板2との密着を保持できればよい。このためには、第2シール部5の封止材のヤング率は、第1シール部3の封止材のヤング率よりも大きい方がよい。これにより、第1基板1および第2基板2と第2シール部5との密着性を確保しつつ、第1シール部3による封止性を高めることができる。
第1基板1の法線方向から見たときの第1シール部3の幅waは、例えば第2シール部の幅wbよりも小さくてもよい。これにより、電解液9の封止性および第1基板1と第2基板2との接着強度を確保しつつ、開口率を高めることができる。
開口率をより効果的に高めるためには、第1シール部3の幅waは、1mm以下であることが好ましい。より好ましくは1mm未満、さらに好ましくは0.7mm以下である。第1シール部3の幅waは、電解液9を封止し得る範囲内で、できる限り小さいことが好ましいが、製造プロセスの観点から限度がある。例えば、後述するプロセスで第1シール部3を形成する場合には、第1シール部3の幅waの下限値はおよそ0.1mm程度である。製造プロセスおよび封止性能の観点から、第1シール部3の幅waは、好ましくは0.2mm以上である。
第1シール部3を形成する封止材として、シリコーンゴム、シリコーン樹脂などのシラノール基を有する樹脂材料、ブタジエンゴムなどの不飽和結合を有するゴム樹脂、またABS系ゴムなどのそれらの共重合体、さらにアクリレート系樹脂などをあげることができる。
第2シール部5を形成する封止材として、一般的な色素増感太陽電池の封止材を用いることができる。例えば光や熱で硬化させる接着剤(アクリレート系樹脂、エポキシ樹脂など)、または熱溶融性接着剤(ポリエチレン系樹脂など)を用いることができる。また、ガラスフリットなどの硬直な材料によって封止することも可能である。
図示していないが、第1シール部3および第2シール部5は、セル内へ電解液9を充填するための開口部を有していてもよい。開口部は、一セルあたり1つ以上設けられていてもよい。典型的には、セルごとに1つずつ設けられる。開口部の大きさ(最大幅、開口部が円形の場合には直径)は、1mm〜2mm程度である。
各対極8の一部は、第2シール部5によって封止された領域の外側まで延びていてもよい。各対極8のうち、第2シール部5によって封止された領域の外側に位置する部分は、セル10同士または外部との電気的な接続に使用され得る。
図1に示す例では、隣接するセル10の電解液9は、第1シール部3のみによって分離されている。また、第1シール部3は、各セルを包囲するように配置されている。第2シール部5は、第1シール部3の外側に配置されており、電解液9と接していない。この例では、複数のセル10の外周は、第1シール部3および第2シール部5によって2重に封止される。このため、特に各セルの角部において電解液9をより確実に封止することが可能である。
なお、本実施形態のシール部3、5の構成は図1に示す構成に限定されない。例えば、複数のセル10の外周には、第1シール部3が配置されていなくてもよい。
図2(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の他の光電変換素子200の上面図および断面図である。図2(b)は、図2(a)に示すIIB−IIB線に沿った断面を示している。
光電変換素子200では、第1シール部3は、隣接するセル10の間にのみ配置されている。各セル10における他のセルと隣接していない側面には第1シール部3は配置されていない。この他の構成は、図1に示す光電変換素子100の構成と同様であるので、説明を省略する。この構成によると、複数のセル10の外周には第2シール部5のみが配置されるので、光電変換に寄与しない領域の面積を縮小できる。従って、開口率をさらに高めることが可能である。
次いで、図3を参照しながら、本実施形態の光電変換素子100の製造方法の一例を説明する。
図3(a)および(b)は、それぞれ、光電変換素子100の製造方法の一例を示す模式的な工程断面図である。
まず、図3(a)に示すように、一方の基板(ここでは、対極が形成された第2基板2)上に、所定のパターンを有するように第1シール部3を形成する。
第1シール部3は、印刷やディスペンサーといった高精細で作製可能な工法によって形成されることが好ましい。もちろん、バーコーター、ドクターブレード、ドロップキャストなどといった一般的な成膜工法を用いることもできる。また、あらかじめ所定の型に成型しておき、基材上にマウントすることによって形成することも可能である。形成方法にもよるが、第1シール部3の上面は、図示するように、凹凸を有する場合がある。特に、高精細な方法(スクリーン印刷など)を用いて、幅waの小さい第1シール部3を形成すると、その上面の表面粗さが大きくなり得る。
続いて、第1シール部3が形成された第2基板2の上に、例えば熱硬化樹脂などの封止剤5Aを配置する。この後、他方の基板(ここでは、光アノードが形成された第1基板1)を、第2基板2上に配置し、加圧してこれらの基板1、2を接着させる。また、封止剤5Aとして、例えば熱溶融性接着剤を用いた場合には、加圧した状態で封止剤5Aを加熱した後、封止剤5Aを冷却固化させることにより、基板1、2を接着することができる。封止剤5Aとして、例えば熱硬化樹脂を用いた場合には、加圧した状態で封止剤5Aを加熱することによって、封止剤5Aを硬化させることができる。また、UV硬化樹脂を用いた場合には、加圧した状態で封止剤5Aに紫外線を照射して硬化させることができる。なお、本明細書では、基板上に塗布される硬化前の材料を「封止剤」と称し、硬化または固化した後の材料を「封止材」と称して、両者を区別する。
このようにして、図3(b)に示すように、第2シール部5が形成される。第1基板1と第2基板2とは、第2シール部5によって接着される。また、第1シール部3は圧縮されて、第1基板1と第2基板2との間隙を埋めるように配置される。この例では、第1シール部3の上面の凹凸が低減され、上面の略全体が第1基板1と接するように配置される。
この後、図示しないが、第1および第2シール部3、5によって分離された各セル内に電解液9が注入され、光電変換素子が得られる。
以下、光電変換素子100の各構成要素をより具体的に説明する。
<光アノード7>
光アノード7は、上述したように、例えば、可視光を透過する導電層と、導電層上に形成された半導体層を有し、半導体層は光増感剤を含んでいる。光増感剤を含む半導体層は、光吸収層と呼ばれることもある。このとき、基板は、例えば、可視光を透過するガラス基板またはプラスチック基板(プラスチックフィルムを含む)である。
可視光を透過する導電層は、例えば、可視光を透過する材料(以下、「透明導電材料」という。)で形成され得る。透明導電材料としては、例えば、導電性を有する金属酸化物を用いることができる。金属酸化物は、例えば、インジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫、あるいはこれらの複合物である。可視光を透過する導電層はまた、透光性を有しない導電材料を用いて形成することができる。例えば、線状(ストライプ状)、波線状、格子状(メッシュ状)、パンチングメタル状(多数の微細な貫通孔が規則的または不規則に配列された様子をいう。)のパターンを有する金属層または、これらとはネガ・ポジが反転したパターンを有する金属層は、金属が存在しない部分を光が透過することができる。金属として、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、チタン、鉄、ニッケル、スズ、亜鉛、またはこれらのいずれかを含む合金を挙げることができる。さらに、金属に代えて、導電性を有する炭素材料を用いることもできる。
可視光を透過する導電層の透過率は、例えば50%以上であり、80%以上であることが好ましい。透過すべき光の波長は、光増感剤の吸収波長に依存する。このとき、導電層の厚さは、例えば、1nm〜100nmの範囲内にある。
第1基板1とは反対側から半導体層に光を入射させる場合、第1基板1および導電層は、可視光を透過させる必要はない。したがって、上記の金属または炭素を用いて導電層を形成する場合、金属または炭素が存在しない領域を形成する必要がなく、さらに、これらの材料が十分な強度を有する場合、導電層が基板を兼ねるようにしてもよい。
なお、導電層の表面における電子の漏れを防ぐため、すなわち、導電層と半導体層との間に整流性を持たせるために、導電層と半導体層との間に、酸化シリコン、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物層を形成してもよい。
光増感剤を有する半導体層は、上述したように、例えば、多孔質半導体と、多孔質半導体の表面に担持された光増感剤を含む。多孔質半導体は、例えば、多孔質酸化チタン(TiO2)である。酸化チタンは、光電変換特性が高く、かつ、電解液中への光溶解が起こり難いという特徴を有している。ここで、光溶解とは、光のエネルギーにより自分自身が化学変化して溶液に溶解する現象をいう。また、多孔質体は、比表面積が大きく、多くの光増感剤を担持することができるという利点を有している。もちろん、多孔質体に限られず、例えば、凝集した半導体粒子によって半導体層を構成してもよい。
半導体層の厚さは、例えば、0.01μm以上100μm以下である。半導体層の厚さは、光電変換の効率を考慮して適宜変更され得るが、0.5μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がさらに好ましい。また、半導体層の表面粗さは大きい方が好ましく、実効面積/投影面積で与えられる表面粗さ係数が10以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましい。なお、実効面積は、半導体層の投影面積と厚さから求められる体積と、半導体層を構成する材料の比表面積および嵩密度から求められる実効表面積を意味する。
半導体層は、TiO2の他に、下記の無機半導体を用いて形成することができる。例えば、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの金属元素の酸化物、SrTiO3、CaTiO3などのペロブスカイト、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、Cu2Sなどの硫化物、CdSe、In2Se3、WSe2、HgS、PbSe、CdTeなどの金属カルコゲナイド、その他、GaAs、Si、Se、Cd23、Zn23、InP、AgBr、PbI2、HgI2、BiI3などを用いることができる。これらの内、CdS、ZnS、In23、PbS、Mo2S、WS2、Sb23、Bi23、ZnCdS2、Cu2S、InP、Cu2O、CuO、CdSeは、波長が350nm〜1300nm程度の光を吸収することができるという利点を有している。さらに、上記の半導体から選ばれる少なくとも1種以上を含む複合体、例えば、CdS/TiO2、CdS/AgI、Ag2S/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdSx/CdSe1-x、CdSx/Te1-x、CdSex/Te1-x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO2/Cd32、CdS/CdSeCdyZn1-yS、CdS/HgS/CdSなどを用いることができる。さらに、また、ポリフェニレンビニレンやポリチオフェンやポリアセチレン、テトラセン、ペンタセン、フタロシアニンなどの有機半導体を用いることもできる。
半導体層は、公知の種々の方法で形成され得る。無機半導体を用いる場合、例えば、半導体材料の粉末と有機バインダー(有機溶剤を含む)との混合物を導電層上に付与し、その後、加熱処理を施し有機バインダーを除去することによって、無機半導体からなる半導体層を得ることができる。上記混合物を付与する方法は、公知の種々の塗布法または印刷法を採用することができる。塗布法としては、例えば、ドクターブレード法、バーコート法、スプレー法、ディップコーティング法、スピンコート法が挙げられ、印刷法としては、スクリーン印刷法が挙げられる。また、必要に応じて、混合物の膜を加圧してもよい。
有機半導体を用いる場合も、種々の公知の方法で半導体層を形成することができる。有機半導体の溶液を公知の種々の塗布法または印刷法を用いて、導電層上に付与すればよい。また、例えば、数平均分子量が1000以上の高分子半導体を用いる場合、スピンコート法やドロップキャスト法などの塗布法、スクリーン印刷やグラビア印刷などの印刷法が挙げられる。これらのウェットプロセスの他、スパッタ法や蒸着法などのドライプロセスを採用することもできる。
光増感剤としては、例えば、半導体超微粒子、色素、顔料を用いることができる。無機材料でも有機材料でも、これらの混合物であってもよい。効率よく光を吸収し、電荷を分離する観点からは色素が好ましく、9−フェニルキサンテン系色素、クマリン系色素、アクリジン系色素、トリフェニルメタン系色素、テトラフェニルメタン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素などが挙げられる。または、RuL2(H2O)2タイプのルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体(ここで、Lは4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジンを示す。)、または、ルテニウム−トリス(RuL3)、ルテニウム−ビス(RuL2)、オスニウム−トリス(OsL3)、オスニウム−ビス(OsL2)などのタイプの遷移金属錯体、または亜鉛−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン、鉄−ヘキサシアニド錯体、フタロシアニンなどが挙げられる。その他、例えば、「FPD・DSSC・光メモリーと機能性色素の最新技術と材料開発」((株)エヌ・ティー・エス)のDSSCの章に記載されている色素も適用することができる。それらの中でも、会合性を有する色素は、密に凝集して半導体の表面を覆い、絶縁体層として機能することがある。光増感剤が絶縁体層として機能すると、電荷分離界面(光増感剤と半導体との界面)に整流性を付与することができ、電荷分離後の電荷の再結合を抑制することができる。
会合性を有する色素としては、[化1]の化学式で示される構造を有する色素分子が好ましく、例えば、[化2]の化学式で示される構造を有する色素分子を例示できる。なお、色素分子が会合体を形成しているか否かは、有機溶剤などに溶解している色素分子の吸収スペクトルと、半導体上に担持されている色素分子の吸収スペクトルとを比較することによって、容易に判別できる。
Figure 2015228486

(但し、X1、X2は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基およびヘテロ環からなる群から選ばれる少なくとも1種類の基を含み、また、前記少なくとも1種類の基は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい。X2は、例えば、カルボキシル基、スルホニル基、または、ホスホニル基を有する。)
Figure 2015228486
また、光増感剤として用いることができる半導体超微粒子としては、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化銀などの硫化物半導体の超微粒子を挙げることができる。半導体超微粒子の直径は、例えば、1nm〜10nmである。
光増感剤は、公知の種々の方法で半導体に担持させられる。例えば、光増感剤を溶解あるいは分散させた溶液に、半導体層(例えば、光増感剤を含まない多孔質半導体)を形成した基板を浸漬させる方法が挙げられる。この溶液の溶媒としては、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなど光増感剤を溶解可能なものを適宜選択して用いればよい。また、光増感剤の溶液に浸漬させている間に、加熱したり、超音波を印加したりしてもよい。また、浸漬後、溶媒(例えばアルコール)での洗浄、および/または加熱を行うことによって、余剰の光増感剤を除去してもよい。
半導体における光増感剤の担持量は、例えば、1×10-10〜1×10-4mol/cm2の範囲内であり、光電変換効率およびコストの観点から、例えば、0.1×10-8〜9.0×10-6mol/cm2の範囲が好ましい。
<対極8>
対極8は、光電変換素子の正極として機能するものである。対極8を形成する材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、グラファイト、カーボンナノチューブ、白金を担持したカーボン等の炭素材料、インジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫等の導電性金属酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などを挙げることができる。これらのうち、白金、グラファイト、ポリエチレンジオキシチオフェンなどが好ましい。
<電解質溶液(電解液)9>
電解液は、支持電解質(支持塩)と溶媒とを含む。
支持電解質としては、例えば過塩素酸テトラブチルアンモニウム、六フッ化リン酸テトラエチルアンモニウム、イミダゾリウム塩やピリジニウム塩などのアンモニウム塩、過塩素酸リチウムや四フッ化ホウ素カリウムなどアルカリ金属塩などが挙げられる。
溶媒は、イオン伝導性に優れるものが好ましい。溶媒は、水系溶媒および有機溶媒のいずれも使用できるが、溶質をより安定化するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合して用いることもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、γ―ブチロラクトン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、吉草酸ニトリル等のニトリル化合物が好ましい。
また、溶媒として、イオン液体を用いる、もしくは上記溶媒に混合してもよい。イオン液体を用いると、電解液が接触する固体化合物層が有する酸化還元部を安定化する効果を向上させることができる。また、イオン液体は、揮発性が低く、難燃性が高いという特徴を有している。
イオン液体としては、公知のイオン液体全般を用いることができるが、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレートなどイミダゾリウム系、ピリジン系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、アゾニウムアミン系のイオン液体や、欧州特許第718288号明細書、国際公開第95/18456号、電気化学第65巻11号923頁(1997年)、J. Electrochem. Soc.143巻,10号,3099頁(1996年)、Inorg. Chem. 35巻,1168頁(1996年)に記載されたものを挙げることができる。
以下、本開示を実施例によって具体的に説明する。
<実施例1>
光電変換モジュールを作製した。各構成要素は、以下の通りである。
第1基板:ガラス基板(厚さ1mm)
光アノード:
透明導電膜:フッ素ドープSnO2層(表面抵抗:10Ω/□)
半導体層:多孔質酸化チタン、光増感色素(D358、三菱製紙製)
電解液:エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドにTEMPOを溶解した電解液
第2基板:ガラス基板(厚さ1mm)
酸化物導電層:フッ素ドープSnO2層(表面抵抗10Ω/□)
対極:白金電極
実施例1の光電変換モジュールは、以下のようにして作製した。図4(a)〜(c)は、実施例1の光電変換モジュールを作製する方法を説明するための模式図である。
まず、表面に導電層(フッ素ドープSnO2層)を有する厚さ1mmのガラス基板(旭硝子製)を2枚用意した。
次いで、図4(a)に示すように、一方のガラス基板上に光アノード7を形成することによって第1基板1を作製した。第1基板1の作製は以下のようにして行った。
平均1次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させ、スクリーン印刷用のペーストを作製した。
一方のガラス基板のフッ素ドープSnO2層上に、半導体層として、スパッタ法により厚さが約10nmの酸化チタン層を形成した。この後、酸化チタン層の上に、上記のペーストを塗布して乾燥した。続いて、得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成することによって、厚さが2μmの多孔質酸化チタン層(チタンコート)を形成した。この後、酸化チタン層を、その下にあるフッ素ドープSnO2層とともにパターニングした。これにより、25mm×10mmの矩形のパターンを有する5つの酸化チタン層を並べて形成した。
次に、多孔質酸化チタン層を形成した基板を、下記の[化3]で示される光増感色素(D358(三菱製紙製))の濃度が0.3mMであるアセトニトリル−ブタノール1:1混合溶媒溶液中に浸漬し、室温で16時間暗所下静置した。これにより、多孔質酸化チタン層に光増感剤を担持させた。このようにして、透明導電層と酸化チタン層とを有する光アノード7が得られた。
Figure 2015228486
また、図4(b)に示すように、もう一方のガラス基板に対極8を形成し、第2基板2を得た。対極8の形成は、スパッタ法によって、ガラス基板の表面に白金膜を堆積し、白金膜をパターニングすることによって行った。対極8のパターニングの際に、その下にあるフッ素ドープSnO2層のパターニングも行った。これにより、光アノード7に対応するパターンを有する5つの対極8を得た。なお、各対極8の長さを、対応する光アノード7の長さ(25mm)よりも大きくした。
この後、第2基板2上に第1シール部3を形成した。第1シール部3の具体的な形成方法を以下に説明する。
まず、対極8が形成された第2基板2上に、図4(b)に示す第1シール部3と同じパターンを有するスクリーン版によって、幅0.5mmのシリコーン樹脂を製膜した。ここでは一液縮合型の室温硬化性シリコーン樹脂(信越シリコーン製、KE−45−TS)を用いた。次いで、シリコーン樹脂を、100℃の温度で10分間乾燥させた。これにより、第1シール部3を形成した。ここでは、第2基板2の法線方向から見たとき、第1シール部3は矩形のパターンを有し、その短辺は対応する対極8を横切り、長辺は隣接する対極8を分離するように延びるように配置された。
次に、図4(c)に示すように、第2基板2上に、第1シール部3が形成された部分(セルが形成される領域)を囲むように、熱溶融性接着剤の封止剤5Aを配置した。ここでは、封止剤5Aは、各対極8の一部(両端部)が、封止剤5Aで包囲された領域よりも外側に位置するように配置された。また、封止剤5Aとして、ポリエチレン系樹脂の接着剤(三井デュポンポリケミカル製)を用いた。
続いて、封止剤5Aを配置した第2基板2上に、図4(a)に示す第1基板1を重ね、120℃を超える温度で加熱しながら、270kPaで加圧して貼り合わせた。
これにより、図3を参照しながら前述したように、封止剤5Aは熱硬化して第2シール部5となり、第1基板1と第2基板2とが接着された。また、第1シール部3は、その上面が第1基板1と接するように圧縮された。
この後、貼り合わせた基板1、2の間に電解液を注入した。本実施例では、対極8が形成された第2基板2に、予めダイヤモンドドリルで孔をあけておき、この孔から各セル内に電解液を注入した。電解液は、エチルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに0.01mol/LでTEMPOを溶解することによって調整した。このようにして、実施例1の光電変換モジュールを得た。
得られた光電変換モジュールの開放電圧は3.4Vであった。この結果から、セル間で液絡が生じておらず、5個のセルが直列に接続された状態であることが分かった。
実施例1の光電変換モジュールにおける開口率(受光面積/モジュール全体の面積)は90%であり、高い開口率を有することが確認された。なお、ここでは、「モジュール全体の面積」を第1基板1の表面の面積、「受光面積」を第1基板1の法線方向から見たときの各セルの面積(第1シール部3および第2シール部5で包囲された部分の面積の合計として開口率を算出した。
また、第1シール部3の封止剤のヤング率は、12MPa以下であった。なお、第1シール部を構成する封止材のヤング率(見掛けの圧縮弾性率)は以下のようにして求めることができる。実際の素子を形成するときと同様に、一対の基板の間に、所定のパターンで第1シール部を形成する。この基板間に一定の圧縮応力を作用させ、シール部の変形量(基板法線方から見た面積)を求め、これらの値から、封止材のヤング率(見掛けの圧縮弾性率)を計算で求めることができる。
<比較例1>
第1シール部3の封止材として、シリコーン樹脂の代わりに、熱硬化性のエポキシ樹脂(スリーボンド製、TB2023B)を用いた。それ以外は実施例1と同様の材料を用い、同様の方法で光電変換モジュールを作製した。
得られた比較例1の光電変換モジュールの開口率は90%であり、高い開口率を有していた。しかしながら、比較例1の光電変換モジュールの開放電圧は0.7Vであり、セル間で液絡していることが分かった。また、第1シール部3の封止材のヤング率は、2000MPa以上であった。
<実施例2>
第1シール部3の封止材として、シリコーン樹脂の代わりに、アクリレート系樹脂(スリーボンド製、TB3018)を用いた。それ以外は実施例1と同様の材料を用い、同様の方法で光電変換モジュールを作製した。
実施例2の光電変換モジュールの開放電圧は3.6Vであり、セル間で液絡が生じておらず、5個のセルが直列に接続されていることが分かった。得られた実施例2の光電変換モジュールの開口率は90%であり、高い開口率を有していた。また、第1シール部3の封止材のヤング率は、80MPa以下であった。
上述した結果から、本実施形態によると、高い開口率を確保しつつ、電解液の封止性を向上できることが分かった。
なお、本実施形態における第1および第2シール部3、5の封止材は上記実施例で使用したものに限定されない。第1シール部3の封止材として、適度な弾性を有する、すなわち、ヤング率が所定の値以下である他の材料を用いても同様の効果が得られる。また、第2シール部5の封止材も上記の熱硬化樹脂に限定されず、基板に対する接着性を有する種々の材料が用いられ得る。
本開示による光電変換素子は、例えば、屋内等の照度の比較的低い環境においても発電することが可能な色素増感型発電素子として利用することができる。特に小型の光電変換モジュールとして好適に利用され得る。
1 第1基板
2 第2基板
3 第1シール部
5 第2シール部
7 光アノード
8 対極
9 電解液
100、200 光電変換素子

Claims (8)

  1. 第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配列された複数のセルとを備える光電変換素子であって、
    前記複数のセルのそれぞれは、
    前記第1基板に支持された光アノードであって、導電層と、前記導電層上に形成された、光増感剤を含む半導体層とを含む、光アノードと、
    前記第2基板に支持された対極と、
    前記光アノードと前記対極との間に配置された電解液と
    を有し、
    前記複数のセルのうち隣接する2つのセルの間に、前記電解液と接するように配置された第1シール部と、
    前記複数のセルの外周に、前記複数のセルを包囲するように配置された第2シール部とをさらに備え、
    前記第1シール部の封止材のヤング率は、前記第2シール部の封止材のヤング率よりも小さい、光電変換素子。
  2. 前記第1シール部の封止材のヤング率は1MPa以上500MPa以下である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記第1シール部の封止材のヤング率は20MPa以下である、請求項2に記載の光電変換素子。
  4. 前記第1シール部の封止材はシリコーンゴムである、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記第1シール部の封止材はアクリレート系樹脂である、請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記第1基板の表面の法線方向から見たとき、前記第1シール部の幅は、前記第2シール部の幅よりも小さい、請求項1から5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 前記第1基板の表面の法線方向から見たとき、前記第1シール部の幅は1mm以下である、請求項1から6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 前記第1シール部は、前記第1基板と前記第2基板との間で圧縮されている、請求項1から7のいずれかに記載の光電変換素子。
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