JP2015227552A - 水洗大便器装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ジェットポンプ作用により洗浄水を便器本体に供給する水洗大便器装置であって、便器本体と、貯水タンクと、ジェットポンプユニット32であって、スロート管38と、ジェットノズル40と、を備えたジェットポンプユニットと、貯水タンク内に小空間の区画を形成する区画容器118と、を有し、区画容器の底面の下方には、洗浄時において、貯水タンク内に貯水されている洗浄水を、区画容器の底面の下方から、区画容器の外側に配置されたジェットノズル及びスロート管の吸引口の方向へ流すことができる下部流水路128が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
この便器は水道管と直結したノズルから洗浄水を吐水して、タンク内の水をスロート内に巻き込み大流量の洗浄水を便器へ供給している。また、ジェットポンプを取り囲み開閉蓋を有する区画容器が設けられ、この区画容器の外周壁は、タンク底面から上方に向けて立ち上がり、開閉蓋を洗浄操作と共に開閉することにより、大洗浄・小洗浄の切替えを行っている。
このように構成された本発明においては、区画容器の下方に上記下部流水路が形成されているので、洗浄水がジェットノズルによりスロート管の吸引口に吸引されているときにおいて、貯水タンク内に貯水されている洗浄水を、区画容器の下方から、下部流水路を通して、区画容器の外側に配置されたジェットノズル及びスロート管の吸引口の方向へスムーズに流すことができ、ジェットノズル及びスロート管の吸引口近傍の領域の水面の高さと、その他の領域の水面の高さとがほぼ均一になるように水位を降下させることができる。従って、従来、洗浄水がジェットノズルによりスロート管の吸引口に吸引されているときにおいてジェットノズル及びスロート管の吸引口近傍の領域の水面の高さと、その他の領域の水面の高さとをほぼ均一に水位降下させるために必要とされていた余分な洗浄水量を確保するための貯水タンク内空間を削減することができ、貯水タンクを小型化することができる。
このように構成された本発明においては、別部材を設けることなく比較的簡易な構造により下部流水路を形成することができる。
このように構成された本発明においては、ジェットノズル及びスロート管の吸引口近傍の領域の水面の高さと、その他の領域の水面の高さとが確実にほぼ均一になるように水位を降下させることができる。
このように構成された本発明においては、下部流水路を必要最小限の大きさに形成することができ、貯水タンクを小型化することができる。
このように構成された本発明においては、洗浄水がジェットノズルによりスロート管の吸引口に吸引されているときにおいて、貯水タンク内に貯水されている洗浄水を、スロート管等が配置されることにより洗浄水が流れにくくなっている貯水タンクの左右方向中央近傍から下部流水路を通ってジェットノズル及びスロート管の吸引口へスムーズに洗浄水を流すことができる。
このように構成された本発明においては、下部流水路が、洗浄水がジェットノズルによりスロート管の吸引口に吸引されているときにおいて、貯水タンク内に貯水されている洗浄水を、区画容器の底面全体の下方領域から、区画容器の外側に配置されたジェットノズル及びスロート管の吸引口の方向へスムーズに流すことができる。
このように構成された本発明においては、スロート管の吸引口側において、下部流水路が拡大しているために、スロート管に流入する洗浄水の流れを阻害することなく、洗浄時において、貯水タンク内に貯水されている洗浄水が、区画容器の底面の下方から、区画容器の外側に配置されたジェットノズル及びスロート管の吸引口の方向へスムーズに流れることができる。
このように構成された本発明においては、大小洗浄時に、区画容器がジェットポンプユニットを通じて上記便器本体へ供給する洗浄水量を変更する場合においても、下部流水路が、洗浄時において、貯水タンク内に貯水されている洗浄水を、区画容器の底面の下方から、区画容器の外側に配置されたジェットノズル及びスロート管の吸引口の方向へスムーズに流すことができる。
まず、図1及び図2により、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の基本構造を説明する。
図1は、本発明の実施形態による水洗大便器装置を示す平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿って見た断面図である。
便器本体2は、その前方側に設けられたボウル部6と、ボウル部6の上縁に形成されたリム部8と、このリム部8の内周に形成された棚部10と、を備えている。
また、便器本体2のボウル部6の底部には、トラップ排水路12の入口12aが開口し、このトラップ排水路12は、上方に延びる上昇管12bと、下方に延びる下降管12cを備えている。このトラップ排水路12の形状から分かるように、本実施形態による水洗大便器装置1は、高さ方向の落差により汚物を排出する洗い落とし式便器である。
なお、本実施形態においては、洗い落とし式便器に適用した形態について説明するが、このような形態に限定されず、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式便器の形態等、他の水洗大便器の形態についても適用可能である。
また、導水路16は、下流に向かって第1通水路22と第2通水路24に分岐し、導水路16の洗浄水が第1通水路22を経て第1リム吐水口18に到達する一方、第2通水路24を経て第2リム吐水口20に到達し、洗浄水が、それぞれ、第1リム吐水口18及び第2リム吐水口20から吐水され、ボウル部6を洗浄し、汚物をトラップ排水路12から排出するようになっている。
図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の内部構造を示す平面図であり、図4は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の内部構造を示す正面図であり、図5は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置の内部構造を示す背面図であり、図6は、図3のVI−VI線に沿って見た断面図である。さらに、図7は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置を示す概念図であり、図8は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置においてジェットポンプユニット内の流路の断面を示す概略断面図である。
なお、図7において、便宜上、図3及び図4に示す洗浄水タンク装置のジェットポンプユニットの内部構造の一部を省略すると共に、各構造のいくつかの配置についても、図3乃至図6に示されたものと異なる配置に描かれている。
貯水タンク26は、その高さがその底面部の長手方向(幅方向)の長さより短い扁平形タンクであり、節水化の観点及び/又は意匠性の観点から比較的小型の貯水タンクとして形成されることができる。
給水管路28の上流端には、外部の水道管等の給水源(図示せず)から供給される洗浄水を止水するための止水栓36が設けられている。この止水栓36は、水洗大便器装置1の据付時などに給水源(図示せず)からの給水を止水するためのものであり、通常使用時は開状態に保持されている。
また、スロート管38の吸引口38cに対向するように、ジェットノズル40が配置され、スロート管38の吸引口38cとジェットノズル40は、常時、貯水タンク26内で水没した状態となっている。
すなわち、本明細書中に記載されている「ジェットポンプ作用」という用語については、ジェットノズルからスロート管の吸引口に向けて噴射される勢いのある洗浄水の流れ自体が、ポンプ等の他の機械要素に依存することなく、直接的にスロート管の吸引口の近傍等の周囲の洗浄水を引き込むような負圧を形成し、この負圧を利用してスロート管内に吸い込んだ貯水タンク内の洗浄水を便器本体側へ圧送する作用を意味している。
給水弁装置30は、パイロット式ダイアフラム弁である主弁体48と、この主弁体が着座する主弁座50と、内部の圧力により主弁体48を主弁座50に対して移動させる圧力室52とを備え、主弁体48が、主弁座50に着座して止水する止水状態と主弁座50から離間して給水する給水状態とを切り換えるようになっている。
圧力室52には、この圧力室52の圧力を開放する第一穴54及び第二穴56と、上述した手動レバー34における使用者の手動操作と連動して第一穴54を開閉する第一パイロット弁58と、貯水タンク26内の洗浄水の水位に伴い上下動する給水フロート60の上下動により第二穴56を開閉する第二パイロット弁62が設けられている。
なお、このとき、一次側流路Aの洗浄水が、圧力室52内へブリード穴から少しずつ注入されるため、第一穴54及び第二穴56を塞いでから、所定時間遅れて、主弁体48が閉弁状態(止水状態)となるようになっている。
図9は本発明の一実施形態による水洗大便器装置のジェットポンプユニットの一部を示す平面図であり、図10は本発明の一実施形態による水洗大便器装置のジェットポンプユニットの一部の中央断面を示す正面図であり、図11は本発明の一実施形態による水洗大便器装置のジェットポンプユニットの切替手段を示す側面図であり、図12は本発明の一実施形態による水洗大便器装置のジェットポンプユニットの切替手段を上面から見た平面図であり、図13(a)は本発明の一実施形態による水洗大便器装置においてフロート及び連結手段と連結された切替手段の切替弁がジェットノズルの正面より外側にある状態を示す図であり、図13(b)は本発明の一実施形態による水洗大便器装置においてフロート及び連結手段と連結された切替手段の切替弁がジェットノズルの外側から正面に移動している途中の状態を示す図であり、図13(c)は本発明の一実施形態による水洗大便器装置においてフロート及び連結手段と連結された切替手段の切替弁がジェットノズルの正面に移動した状態を示す図である。
切替弁96は、配管の屈曲部のような円弧形状の曲り面を形成する湾曲部96aと、半円形の流路断面を形成しながら直線的に延びる流出部96bとを備えている。切替弁96が作動状態において湾曲部96aがジェットノズル40の正面前方に覆い被さるように配置され、ジェットノズル40から噴射された洗浄水が湾曲部96aから流出部96bに導かれるようになっている。また別の言い方によれば、切替弁96が作動状態において、湾曲部96aがジェットノズル40から噴射される洗浄水を遮断するように配置され、洗浄水が湾曲部96aによって跳ね返されるように流出部96bに向かって流れるようになっている。
継手アーム98dには、水位が上昇してフロート68が上昇される際に、継手アーム98dの回転領域を規定するストッパー部98eが形成されている。
第一回動軸100は、ジェットノズル40の外側に取付けられ、回動アーム98を回転可能に支持している。
フロート68は、スロート管38の下端近傍に配置されている。フロート68は、図10に示すように、その断面が四角形状になるように形成され、初期状態(洗浄前の待機状態)においてその上面68aがほぼ水平になるように配置され、その側面68bがほぼ垂直になるように配置されている。
また、フロート68は、図13(b)及び(c)に示すように、洗浄中の状態においても、初期状態におけるフロート68の姿勢からほぼ一定の姿勢のまま保持された状態で移動される。すなわち、フロート68は、その上面68aがほぼ水平を保つように移動され、さらに、その側面68bがほぼ垂直を保つように移動されている。
これらの第一回動軸100、第二回動軸105、第三回動軸108及び第四回動軸110は、第一回動軸100と第二回動軸105とを結んだ仮想的な直線である仮想直線A1の長さL1と第三回動軸108と第四回動軸110とを結んだ仮想直線A2の長さL2とがほぼ同じ長さとなるように配置され、さらに、第二回動軸105と第三回動軸108とを結んだ仮想直線A3の長さL3と第四回動軸110と第一回動軸100とを結んだ仮想直線A4の長さL4とがほぼ同じ長さとなるように配置されている。
第一継手102は、継手アーム98d及び第二継手104の傾きの変化によりほぼ上下方向に移動され、貯水タンク26の幅方向への移動(可動範囲)が抑制されている。第一継手102及びフロート68等がほぼ上下方向に移動することができるので、ほぼジェットノズル40上の領域内で移動することが可能となる、又は、幅方向の比較的狭いスペースに配置されることが可能となっている。さらに、フロート68等の可動領域を減少させることができ、貯水タンク26の幅方向の大きさを減少させることができる。
調整機構72は、フロート68を取付け且つ第一継手102に回転可能に支持される螺子部材112を備え、この螺子部材112を回転させることにより、螺子部材112に取付けられたフロート68の取付け高さを上下方向に調整及び/又は微調整することができる。
また、調整機構72は、螺子部材112が螺子の回転によりほぼ垂直な方向に上下移動されることにより調整されるので、螺子部材112に対してほぼ水平に取付けられているフロート68をほぼ水平の一定の姿勢に維持した状態で、フロート68の取付け高さを上下方向に調整させることが可能である。
図14は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、ジェットポンプユニットの一部を、補給水吐水位置切替手段のロック部材の高さにおける水平断面により切断した状態で示す平面図であり、図15は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、オーバーフロー管に取付けられた補給水吐水位置切替手段を示す側面図であり、図16は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、ジェット流路の途中に設けられた分岐部の流路を示す断面図であり、図17は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、補給水吐水部の断面図であり、図18は図17のXVIII−XVIII線に沿って見た断面図であり、図19は本発明の一実施形態による水洗大便器装置の洗浄水タンク装置において、補給水吐水位置切替手段が補給水無しモードに設定されている状態を示す平面図である。
補給水流路部84は、その上流端が分岐部82に接続され、また、その下流端部が、オーバーフロー管80の上方近傍で補給水吐水位置切替機構86に接続されている。後述する補給水吐水位置切替機構86の補給水吐水部88が補給水流路部84の吐水部を形成している。補給水流路部84は、洗浄水がジェット流路74を流れる場合には常時ジェット流路74から分岐された洗浄水を流すようになっている。
分岐部82は、ジェット流路74において、ジェットノズル40の位置からの所定距離上流側の位置に配置されている。ジェットノズル40の位置からの所定距離は、洗浄水が分岐部82により補給水流路部84に分岐される場合に、ジェット流路74の下流のジェットノズル40から噴出される洗浄水の流量(瞬間流量を含む)をほぼ一定に保つことができる距離である。従って、分岐部82は、ジェット流路74において、ジェットノズル40の位置から少なくとも所定距離上流側の位置に配置されていればよい。例えば、分岐部82は、第2内側底面26bのジェットノズル側端部近傍に配置されることができ、又は貯水タンク26の幅方向中央付近に配置されていてもよい。また、分岐部82は、図15に示すように、自身の下部が貯水タンク26の第2内側底面26bに固定されている。
本実施形態においては、分岐部82は、ジェット流路74と、補給水流路部84とは別部材として形成されているが、分岐部82は、ジェット流路74と補給水流路部84と一体で形成されていてもよい。
このような構成により、補給水吐水位置切替機構86は、補給水吐水部88の位置を、オーバーフロー管80の直上の位置(補給水有りモードの位置)と、オーバーフロー管80外の直上の位置(補給水無しモード)とに切替えることができる。このような構成により、便器本体2の種類によらず、便器本体2に補給水の供給が必要とされる場合には、補給水吐水位置切替機構86が補給水有りモードにされ、便器本体2に補給水の供給が必要とされない場合には、補給水吐水位置切替機構86が補給水無しモードにされることができる。
さらに、支持部92は、その頂部よりもわずかに下がった位置において環状部の第1側面92bと、第2側面92cと、第3側面92dとを備えている。第1側面92bには、側面開口92eが形成されている。この側面開口92eは、後述するロック部材94の突出凹部94aが挿入されることができるようになっている。第2側面92cには、側面がくぼんでいる第2側面凹部92fと、後述するロック部材94と係合する第2側面係合部92gとが形成されている。第3側面92dには、側面がくぼんでいる第3側面凹部92hと、後述するロック部材94と係合する第3側面係合部92iとが形成されている。
突出凹部94aは、二股のフォーク形状を形成し、二股の中間部分に溝部94dが形成されている。突出凹部94aの溝部94dに、第1凸部90b又は第2凸部90cが嵌合する場合に、突出凹部94aが第1凸部90b又は第2凸部90cを挟み込むように支持し、回転軸部90を動かないように係止させることができる。
第1腕部94bには、第1腕部94bの先端から内側に屈曲して突出するように形成された第1つめ部94hと、第1腕部94bの先端よりもやや内側の位置からコの字の内側に向かって緩やかに隆起した第1隆起部94eとが形成されている。
第2腕部94cには、第1腕部94bと同様に、第2腕部94cの先端から内側に屈曲して突出するように形成された第2つめ部94fと、第2腕部94cの先端よりもやや内側の位置からコの字の内側に向かって緩やかに隆起した第2隆起部94gとが形成されている。
ロック部材94は、回転軸部90が自由に回転動作できるアンロック状態(例えば、後述する補給水有りモードと補給水無しモードとを切り替える際のアンロック状態)においては、突出凹部94aが支持部開口部92aの内側からその外側にわずかに引き出された位置に移動された状態となり、第1つめ部94hが第2側面係合部92gと係合し、第2つめ部94fが第3側面係合部92iと係合し、第1隆起部94eが第2側面凹部92fと係合し、第2隆起部94gが第3側面凹部92hと係合した状態となっており、ロック部材94が支持部92と係合した状態が維持され、ロック部材94が支持部92(すなわちオーバーフロー管)から外れて脱落することが防止する脱落防止部を構成している。このように、ロック部材94はアンロック状態においても支持部92上に安定して係止している状態となっている。
一方で、ロック部材94がアンロック状態となっているとき、ロック部材94と、回転軸部90とは係合していないので、回転軸部90はロック部材94に対して自由に回転することができ、さらに回転軸部90を支持部92から上方に移動して取り外すことも可能となっている。
突出凹部94aが回転軸部90の第2凸部90cと嵌合している状態では、補給水吐水部88の縦管路88bがオーバーフロー管80の真上に位置している。突出凹部94aが回転軸部90の第1凸部90bと嵌合している状態では、回転軸部90が突出凹部94aに対して第2凸部90cから第1凸部90bを嵌合できるような位置まで回転されるとともに、補給水吐水部88も回転された状態となっているので、補給水吐水部88の縦管路88bがオーバーフロー管80の真上から外れた外側に位置されるようになっている。
なお、本実施形態においては、オーバーフロー管80はジェットポンプユニット32のスロート管38と一体に形成されているが、他の実施形態において、オーバーフロー管80はジェットポンプユニット32と独立して貯水タンク26内に別個に設けられていてもよい。
さらに、貯水タンク26内には、大洗浄及び小洗浄に必要な洗浄水量を切り換えるための大小洗浄切替機構114が設けられている。この大小洗浄切替機構114は、貯水タンク26内をジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38cを取り囲む外側空間領域R1とこの外側空間領域R1よりも空間が小さい小空間領域R2との二つの空間領域R1,R2に区画する区画壁116を備えている。
より具体的に説明すると、この区画壁116は、上下方向に延びる壁面を形成し、その上方が開放されて前後方向及び左右方向の四方から取り囲んだカップ形状の小タンク118を形成している。この小タンク118は、貯水タンク26内の前方且つ左寄りに配置されており、小タンク118の内部には、小空間領域R2が平面視において貯水タンク26の左右方向に長い扁平形状となるように形成されている。
したがって、ジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38cは、貯水タンク26を正面側から見て小タンク118及び小空間領域R2の外部右側に形成される外側空間領域R1内の前方且つ右寄りの下部に配置されている(図3〜図5参照)。
なお、本実施形態では、小タンク118が貯水タンク26内の前方且つ左寄りに配置されると共に、ジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38cが、貯水タンク26を正面側から見て小タンク118及び小空間領域R2の外部右側に形成される外側空間領域R1内の前方且つ右寄りに配置されている形態について説明するが、このような形態に限られず、ジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38cが小タンク118及び小空間領域R2に対して左右何れか一方に形成される外側空間領域R1内に配置されていればよい。
一方、小洗浄を行うために、使用者により手動レバー34が他方向に回動操作された場合には、鎖122により大小切替弁120が引き上げられ、大小切替弁120が開口部118bを閉じた状態となり、大小洗浄切替機構114が小洗浄状態となるようになっている。
外側底面118dは、貯水タンク26の左側端部近傍に位置する給水弁装置側端部118eから、貯水タンク26の中央より右側領域に位置する段部118fまで貯水タンク26の左右方向に長く形成されている第1外側底面118gと、段部118fにおいて第1外側底面118gから一段切り上がった高さにおいて、スロート管38の吸引口38c近傍に位置する吸引口側端部118hまで延びる第2外側底面118iとを形成している。
図20は便器本体に供給される洗浄水の水量と、第2内側底面から小タンク底面までの高さとの関係を示す図である。
小タンク118の外側底面118dと貯水タンク26の第2内側底面26bとの間、すなわち、第1外側底面118gと第2内側底面26bとの間、及び第2外側底面118iと第2内側底面26bとの間に下部流水路128が形成されている。このように、下部流水路128は、小タンク118の外側底面全体の下方領域に形成されている。
貯水タンク26内においては、中央近傍にスロート管38の下降管部38b及び小タンク118等が配置されているため、これらが障害物のように作用して、洗浄水が左右方向に流れる際に抵抗を受けやすくなっている。
この下部流水路128は、小タンク118の下方に形成された導水路を形成し、この下部流水路128においては、貯水タンク26の左右方向の流れの抵抗となる障害物が低減されているので、洗浄水がジェットノズルによりスロート管の吸引口に吸引されているときにおいて洗浄水を貯水タンク26の左側から右側側方のジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38cに向かって滑らかに流すことができる。下部流水路128は、さらなる別部材によらず、小タンク118と貯水タンク26とにより、比較的簡単に形成される。
また、大小洗浄切替機構114が小洗浄状態となる場合には、開口部118bが閉とされ、洗浄水は小タンク118内の小空間領域R2から貯水タンク26内外側空間領域R1に向かって流出しない。このとき、貯水タンク26内外側空間領域R1に貯水された洗浄水が、下方領域の下部流水路128に流入し、下部流水路128を流れて、スロート管38の吸引口38cに向かって円滑に流れることができる。
本実施形態においては、第1外側底面118gが第2内側底面26bから所定高さに配置されることにより、洗浄水が下部流水路128をスムーズに流れることができ、洗浄水の下降時に貯水タンク26内の水面の幅方向の水位差が抑制されることができる。
仮に、洗浄水の下降時に貯水タンク26内の水面の幅方向の水位差が生じる場合、フロート68側の水面が早期に下降するため、フロート68が下降し、切替弁96が早期に上昇する。従って便器本体2に供給される洗浄水の水量が減少することになるという問題が生じる。
このような問題を解決するために、本発明においては、下部流水路128を形成しない場合における洗浄時の水位降下中に、ジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38c近傍の領域上の水面の高さとその他の領域上の水面の高さとの間に生じる上下方向の水位差h1(図4において本実施形態の下部流水路128を形成している場合における洗浄時の水位降下中における水面がほぼ水平である状態を仮想線C1により示し、図4において下部流水路128を形成しない場合における洗浄時の水位降下中における水面の傾きがある状態を仮想線C2により例示している)と、下部流水路128を形成した場合における下部流水路128の第1外側底面118gの第2内側底面26bからの高さh2とが、ほぼ同じ高さにされている。この第1外側底面118gの第2内側底面26bからの上下方向の高さは、5mm〜20mmの高さに形成されている。
まず、水位WLは、図4及び図7に示すように、大洗浄が終了したときの貯水タンク26内の領域R1,R2の双方の最低水位である死水水位WL1を示している。また、この水位WL1は、図4及び図7に示すように、小洗浄が終了したときの貯水タンク26内の領域R1のみの死水水位DWLにもなっており、これらの死水水位DWLである水位WL1は、区画壁116の開口部118bの上端よりも下方に位置している。
つぎに、図4及び図7に示すように、水位WL2は、小洗浄が終了したときの貯水タンク26内の領域R2の水位を示している。
また、水位WL3は、貯水タンク26内に貯水される洗浄水の初期状態における止水水位であり、且つ大洗浄又は小洗浄後に給水弁装置30により貯水タンク26内に洗浄水が給水されその後給水が停止される満水水位である。
図21は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、貯水タンクの第1内側底面及び第1内側側面に設けられたリブ部を示す部分拡大斜視図であり、図22は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、抵抗手段が設けられている場合に切替弁から貯水タンクの第1内側側面に衝突した洗浄水の流れと、従来の水洗大便器装置において抵抗手段が設けられていない場合における切替弁から貯水タンクの第1内側側面に衝突した洗浄水の流れとをそれぞれ示す概念図であり、図23は本発明の一実施形態による水洗大便器装置において、抵抗手段が設けられている場合に切替弁から貯水タンクの第1内側側面に衝突した洗浄水の流れと、従来の水洗大便器装置において抵抗手段が設けられていない場合における切替弁から貯水タンクの第1内側側面に衝突した洗浄水の流れとをそれぞれ示す概念図である。
この抵抗手段130は、ジェットノズル40から噴射され切替弁96によりスロート管38の外部方向へ向きを変えられた洗浄水の主流が、貯水タンク26の第1内側側面26cに衝突する衝突領域D1の下流側近傍に設けられている。
抵抗手段130は、内面に沿って流れる洗浄水の流れの流速を低減させることができるような形状を形成し、例えば、凸形状のリブの他、四角形状以外の突起部、壁、段差等によって形成されてもよい。
底面リブ部130aは、第1内側側面26cの下端の中央よりやや後方側の位置に接続される一端から所定距離にわたって幅方向に延びる第1底面リブ130cと、この幅方向部の他端から屈曲して前後方向に向かって斜めに延びる第2底面リブ130dとを備えている。この第2底面リブ130dの他端は、後述する第2側面リブ130gとの間に隙間130eを形成するように、第2側面リブ130gに至る手前において終端している。
側面リブ部130bは、第1内側側面26cの下端の中央よりやや後方側の位置から衝突領域D1の高さより上方まで立ち上がるように延びている第1側面リブ130fと、第2内側側面26dにおける第1内側側面26cから所定長さだけ幅方向側の位置において第2内側側面26dの下端から衝突領域D1の高さより上方まで立ち上がるように延びている第2側面リブ130gと、を備えている。
また、貯水タンク26の右側側方から内側を見た場合(第1内側側面26cをジェットノズル40側から見た場合)には、衝突領域D1の左右に、第1側面リブ130fと、第2側面リブ130gと、が配置されている。従って、衝突領域D1に衝突して第1内側側面26cに沿って後方向きに広がる洗浄水の流れが、第1側面リブ130fに衝突し、壁面に沿った流れが剥離され、流速が減少され及び/又は流れの向きが第1内側側面26cから内方向きに変化させられる。また、衝突領域D1に衝突して第1内側側面26cから第2内側側面26dに沿って幅方向向きに広がる洗浄水の流れが、第2側面リブ130gに衝突し、壁面に沿った流れが剥離され、流速が減少され及び/又は流れの向きが第2内側側面26dから内方向きに変化させられる。
また、第2底面リブ130dは、上記斜めの向きで衝突した洗浄水が主に向かう一方側において第1内側側面26cにより近くなるように配置されている。
まず、図4は、大洗浄開始前の洗浄水タンク装置4を示している。この状態において、貯水タンク26内の水位は通常状態の水位WL3であり、給水弁装置30において、第一穴54及び第二穴56は何れも閉じられており、主弁体48は主弁座50上に着座し、止水状態となっている。
フロート68が上昇された上昇状態にあるとき、第一継手102が引き上げられ、回動アーム98の継手アーム98dが引き上げられるので、回動アーム98は第一回動軸100を中心として回転され、切替弁96が下降されている。切替弁96の湾曲部96aのノズル側端部96cがジェットノズル40の正面より外側に配置され、ジェットノズル40から噴射される洗浄水は、矢印F1に示すように、スロート管38内の流路に向かって流れるようになっている。ジェットノズル40から洗浄水が噴射されることにより、貯水タンク26内に貯水された周囲の洗浄水が、矢印F2に示すように、スロート管38内に吸引されて流れるようになっている。
ここでいう「流量がほぼ一定」とは、吐水開始直後又は止水完了直前において、流量が徐々に増加又は減少している間は除き、流量がほぼ一定となっていることを意味する。また、流量が継続して完全に一定である必要はなく、給水弁装置30から供給される洗浄水の給水圧の変化又はジェットノズル40の下流側の状態により受ける影響等で僅かに変動するものも含まれる。
また、分岐部82がジェットノズル40の位置から所定距離上流側に配置されているために、洗浄水が分岐部82で分岐されることによる流れの乱れの影響を抑制し、ジェットノズル40近傍における洗浄水の流れがほぼ一定の流量を有する流れに整えられる。
一方で、図19に示すように、施工者、製造者等の切替えにより、補給水流路76が補給水無しモードに設定されている場合には、補給水吐水部88の縦管路88bがオーバーフロー管80の真上より外側に位置された状態となっており、洗浄水が、オーバーフロー管80外に向けられて吐水され、洗浄水がオーバーフロー管80外の貯水タンク26内に向けて供給される。この場合には、補給水吐水部88から吐水される洗浄水は、貯水タンク26内に補給される。補給水無しモードの場合にも、補給水吐水部88から吐水される洗浄水は流量が継続してほぼ一定であり、ジェットノズルから噴出される洗浄水の流量もほぼ一定とすることができる。
後述するように給水弁装置30が止水状態となり、ジェットノズル40から給水が終了すると、補給水流路部84への洗浄水の供給、及び補給水吐水部88の吐水も終了される。
図3、図4及び図6等に示すように、大洗浄が開始されると、貯水タンク26内の給水弁装置30側の領域(左側領域)における洗浄水は、主に、矢印F7に示すように、外側空間領域R1から下方領域LR2に流下し、スロート管38の下降管部38b及びその他の障害物等によって流れの抵抗を受けることなく、下部流水路128を、矢印F8に示すように、スロート管38の吸引口38cに向かって円滑に流れることができる。
また、貯水タンク26内の左右方向中央領域における洗浄水は、主に、矢印F9に示すように、外側空間領域R1から下方領域LR2に流下し、スロート管38の下降管部38b及びその他の障害物等によって流れの抵抗を受けることなく、下部流水路128を円滑に流れて、スロート管38の吸引口38cに向かって流れることができる。
開口部118bから流出する洗浄水は、主に、矢印F10に示すように、外側空間領域R1から下方領域LR2に流下し、スロート管38の下降管部38b及びその他の障害物等によって流れの抵抗を受けることなく、下部流水路128を円滑に流れて、スロート管38の吸引口38cに向かって流れることができる。
仮想直線A3及びA4が平行な関係を維持したまま第一継手102及びフロート68が徐々に下降できるので、フロート68がほぼ一定の姿勢を維持したまま下降でき、すなわち、フロート68の上面68aがほぼ水平を保ったままフロート68が下降でき、また、フロート68の側面68bがほぼ垂直を保ったままフロート68が下降できるようになっている。
このように、フロート68がほぼ下向きの方向に移動されることにより、回動アーム98の継手アーム98dが下向きに移動され、回動アーム98が回転され、反対側の切替弁96が上昇される。従って、切替弁96の湾曲部96aのノズル側端部96cがジェットノズル40の正面を横切るように上昇される。
このとき、ジェットノズル40から噴射される洗浄水は、その一部が、矢印F3に示すように、スロート管38内の流路に向かって流れ、その他の部分が、矢印F4に示すように、切替弁96の湾曲部96aに沿って流出部96bに向かって流れ、第1内側側面26cの衝突領域D1に向かって流出する。また、ジェットノズル40からF3の流れが噴射されることにより、貯水タンク26内に貯水された周囲の洗浄水が、矢印F5に示すように、スロート管38内に吸引されて流れている。
フロート68が下降された下降状態にあるとき、第一継手102が引き下げられ、回動アーム98の継手アーム98dが引き下げられるので、回動アーム98は第一回動軸100を中心としてフロート側が下降するように回転され、反対側の切替弁96が上昇されている。切替弁96の湾曲部96aのノズル側端部96cがジェットノズル40の正面を横切った後、ジェットノズル端部40aとほぼ合致するように移動され、ジェットノズル40から噴射される洗浄水は、矢印F6に示すように、ほぼ全部が湾曲部96aから屈曲して流出部96bの方向に流出され、第1内側側面26cの衝突領域D1に向かって流出される。
従来においては、本発明とは異なり、図23に破線矢印f1により示すように、底面にリブが設けられておらず、洗浄水の水流の流速が比較的高いことから、第1内側側面26cの衝突領域D1に衝突した水流が、破線矢印f1により示すように、第1内側側面26cから放射状に広がり、周囲の第1内側底面26a、第3内側側面26e等の貯水タンク26の内面に沿って流れる破線で示すような流れを形成しやすくなっていた。よって、このf1の流れが、壁面に沿ってまとまった流れとなり、下方から水面に上昇する流れを形成し、貯水タンク26内に貯水された洗浄水の水面を大きく上下に変動させてしまうという問題が生じ、洗浄水の水面が大きく上下に変動することにより、給水弁装置30の給水フロート60が満水水位WL3を正確に検知できないという不具合が生じていた。図23においては、このような従来の水面が上下に変動している状態を破線s1により示している。
また、従来においては、本発明とは異なり、図22に破線矢印f2により示すように、側面等にリブが設けられておらず、洗浄水の水流の流速が比較的高いことから、第1内側側面26cの衝突領域D1に衝突した水流が、第1内側側面26cから放射状に広がり、周囲の第2内側側面26d、第3内側側面26e等の貯水タンク26の内面に沿って流れる破線で示すような流れf2を形成しやすくなっていた。よってこのf2の流れが、壁面に沿ってまとまった流れとなり、水面に上昇して、貯水タンク26内に貯水された洗浄水の水面を大きく上下に変動させてしまうという課題が生じ、洗浄水の水面が大きく上下に変動することにより、給水弁装置30の給水フロート60が水位を正確に検知できないという不具合が生じていた。図23においては、このような従来の水面が上下に変動している状態を破線s1により示している。
第1内側側面26cの衝突領域D1に衝突した水流F11のうち、主に、下方に流れる水流F12は、第1内側側面26cから第1内側底面26aに沿って流れ、第1底面リブ130c及び/又は第2底面リブ130dにおいて流速が減少され及び/又は流れの向きが底面から内方向きに変化させられる。例えば、洗浄水が第1底面リブ130cに当たる場合、第1内側底面26aに沿った流れが第1底面リブ130cの抵抗を受け、又は、第1底面リブ130cに沿って第1内側底面26aから離間する向きに方向が転換される(F12の流れ参照)。従って、流れの流速が低減され且つ流れが分散され、壁面に沿って流れる流れが抑制されて、貯水タンク26内の水面の波打ちのような変動が抑制される。
また、図21及び図22に示すように、第1内側側面26cの衝突領域D1に衝突した水流F11のうち、便器前後方向(衝突領域D1に対して左右横方向)に流れる向きを有する水流F13、F14は、第1内側側面26c及び/又は第2内側側面26dに沿って流れ、第1側面リブ130f及び/又は第2側面リブ130gにおいて流速が減少され及び/又は流れの向きが側面から内方向きに変化させられる(F13及びF14の流れ参照)。従って、流れの流速が低減され且つ流れが分散され、壁面に沿って流れる流れが抑制されて、貯水タンク26内の水面の波打ちのような変動が抑制される。
また、ジェットノズル40が、第1内側側面26c、第2内側側面26d及び第3内側側面26e等によって形成される比較的狭い領域によって囲まれている場合にも、第1内側側面26cの衝突領域D1に衝突した水流が壁面に沿って流速が速く且つまとまった水流を形成することを抑制することができる。
ここで、衝突領域D1に対し、第1側面リブ130fが比較的近い位置に配置され、第1内側側面26cと、第1底面リブ130cと、第2底面リブ130dとが第一領域D3を形成するように比較的近い位置に配置され、流速が依然として比較的大きく且つ流れが分散される前の状態の主たる水流F14に対して、壁面に沿った流速を低減させる能力を増加させている。第一領域D3においては、第二領域D4と比べ衝突領域D1からより近くに第1内側側面26cと、第1底面リブ130cと、第2底面リブ130dとが位置しているため、衝突後に依然として収束している流れに対する抵抗効果が比較的大きくなっている。
また、衝突領域D1に対し、第2側面リブ130gが第1側面リブ130fよりも遠い位置に配置され、第1内側側面26cと、第2内側側面26dと、第2底面リブ130dとが第一領域D3よりも大きい第二領域D4を形成するように比較的遠い位置に配置されているので、従たる水流F13に対しては、第一領域D3によるリブの流速を低減させる能力よりは、壁面に沿った流速を低減させる能力が抑えられている。第二領域D4においては、第一領域D3と比べ衝突領域D1からより遠くに第2内側側面26dと、第2底面リブ130dとが位置しているため、収束していた流れが比較的分散した状態となり、この状態の流れに対する抵抗効果が比較的小さくなっている。
従って、衝突領域D1に衝突して左右に広がる水流F14及びF13を、衝突領域D1を中央として、広がる方向による流速の偏りを抑制させ、均等な流速で分散するように広がる流れとすることができる。
一方で、図19に示すように、施工者、製造者等の切替えにより、補給水流路76が補給水無しモードに設定されている場合には、洗浄水が、オーバーフロー管80外に向けられて吐水され、洗浄水がオーバーフロー管80外の貯水タンク26内に向けて供給される。
後述するように給水弁装置30が止水状態となり、ジェットノズル40から給水が終了すると、補給水流路部84への洗浄水の供給、及び補給水吐水部88の吐水も終了される。
図3、図4及び図6等に示すように、小洗浄が開始されると、大洗浄時と同様に、貯水タンク26内の給水弁装置30側の領域(左側領域)における洗浄水は、主に、矢印F7に示すように、外側空間領域R1から下方領域LR2に流下し、下部流水路128を、矢印F8に示すように、スロート管38の吸引口38cに向かって円滑に流れることができる。
ここで、小洗浄においては、大小洗浄切替機構114の大小切替弁120は、開口部118bを閉じた閉状態とされており、小タンク118内の洗浄水は排出されずに貯水された状態を維持している。小タンク118の外側の外側空間領域R1からのみ洗浄水が排出されるので、小空間領域R2の分の洗浄水量を排出せず、すなわちこの量を低減した洗浄を行うこととなる。
外側空間領域R1からスロート管38に流入する洗浄水については、大洗浄時と同様に、矢印F9及び矢印F10に示すように、外側空間領域R1から下方領域LR2に流下し、スロート管38の下降管部38b及びその他の障害物等によって流れの抵抗を受けることなく、下部流水路128を円滑に流れて、スロート管38の吸引口38cに向かって流れることができる。
また、図4に示すように、貯水タンク26内の外側空間領域R1内の水位は、ジェットノズル40付近の水位WL1(死水水位DWL)まで低下し、フロート68も水位の低下に連動して水位WL1の位置まで下降する。
従って、従来、洗浄水がジェットノズル40によりスロート管38の吸引口に吸引されているときにおいてジェットノズル40及びスロート管38の吸引口38c近傍の領域の水面の高さと、その他の領域の水面の高さとをほぼ均一に水位降下させるために必要とされていた余分な洗浄水量を確保するための貯水タンク内空間を削減することができ、貯水タンク26を小型化することができる。
2 便器本体
4 洗浄水タンク装置
6 ボウル部
8 リム部
10 棚部
12 トラップ排水路
12a 入口
12c 下降管
12b 上昇管
14 排水口
16 導水路
18 リム吐水口
20 リム吐水口
22 第1通水路
24 第2通水路
26 貯水タンク
26a 第1内側底面
26b 第2内側底面
26c 第1内側側面
26d 第2内側側面
26e 第3内側側面
28 給水管路
30 給水弁装置
32 ジェットポンプユニット
34 手動レバー
36 止水栓
38 スロート管
38a 上昇管部
38b 下降管部
38c 吸引口
40 ジェットノズル
40a ジェットノズル端部
42 定流量弁
44 真空破壊弁
48 主弁体
50 主弁座
52 圧力室
54 第一穴
56 第二穴
58 第一パイロット弁
60 給水フロート
62 第二パイロット弁
64 駆動軸
66 切替機構
68 フロート
68a 上面
68b 側面
70 連結機構
70a 第一継手
72 調整機構
74 ジェット流路
74a 水平領域
76 補給水流路機構
80 オーバーフロー管
80a 上端開口部
80b 流出口
82 分岐部
82a 横流路
82b 縦流路
84 補給水流路
86 吐水位置切替機構
88 補給水吐水部
88a 横管路
88b 縦管路
90 回転軸部
90a 軸部
90b 第1凸部
90c 第2凸部
90d 第1止め部
90e 第2止め部
92 支持部
92a 支持部開口部
92b 第1側面
92c 第2側面
92d 第3側面
92e 側面開口
92f 第2側面凹部
92g 第2側面係合部
92h 第3側面凹部
92i 第3側面係合部
94 ロック部材
94a 突出凹部
94b 第1腕部
94c 第2腕部
94d 溝部
94e 第1隆起部
94f 第2つめ部
94g 第2隆起部
94h 第1つめ部
96 切替弁
96a 湾曲部
96b 流出部
96c ノズル側端部
98 回動アーム
98a 第1回動アーム
98b 第2回動アーム
98c 支持アーム
98d 継手アーム
98e ストッパー部
100 第一回動軸
102 第一継手
104 第二継手
105 第二回動軸
106 リンク機構
108 第三回動軸
110 第四回転軸
110 第四回動軸
112 螺子部材
114 大小洗浄切替機構
116 区画壁
118 小タンク
118a 区画壁
118b 開口部
118c 内側底面
118d 外側底面
118e 給水弁装置側端部
118f 段部
118g 第1外側底面
118h 吸引口側端部
118i 第2外側底面
120 大小切替弁
122 鎖
124 駆動軸
126 支えリブ
128 下部流水路
128a 拡大流路部
130 抵抗手段
130a 底面リブ部
130b 側面リブ部
130c 第1底面リブ
130d 第2底面リブ
130e 隙間
130f 第1側面リブ
130g 第2側面リブ
A 一次側流路
B 二次側流路
α 一次側流路圧力
A1 仮想直線
A2 仮想直線
A3 仮想直線
A4 仮想直線
B1 矢印
B2 矢印
B3 矢印
B4 矢印
C1 仮想線
C2 仮想線
h1 水位差
D1 衝突領域
D2 囲み領域
D3 第一領域
D4 第二領域
F1 矢印
F2 矢印
F3 矢印
F4 矢印
F5 矢印
F6 矢印
F7 矢印
F8 矢印
F9 矢印
F10 矢印
F11 矢印
F11 矢印
F12 矢印
F13 矢印
F14 矢印
F15 矢印
f1 破線矢印
f2 破線矢印
R1 外側空間領域
R2 小空間領域
LR2 下方領域
s1 破線
s2 実線
WL 水位
DWL 死水水位
WL1 死水水位
WL2 水位
WL3 止水水位(満水水位)
Claims (8)
- ジェットポンプ作用により洗浄水を便器本体に供給して洗浄する水洗大便器装置であって、
汚物を受けるボウル部と、このボウル部に洗浄水を導くための導水路とを備えた便器本体と、
この便器本体に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクと、
少なくともその一部が上記貯水タンク内で水没した状態で配置されたジェットポンプユニットであって、このジェットポンプユニットは、その一端が上記便器本体の導水路の入口に接続され、その他端には吸引口が形成され、この吸引口が貯水タンク内の下部に位置するように配置されたスロート管と、このスロート管の吸引口に向けて洗浄水を噴射してジェットポンプ作用を誘発させるジェットノズルと、を備えたジェットポンプユニットと、
上記貯水タンク内に配置され、上下方向に延びる壁面と、底面とを有し、上記貯水タンク内に小空間の区画を形成する区画容器と、を有し、
上記区画容器の下方には、洗浄水がジェットノズルによりスロート管の吸引口に吸引されているときにおいて、上記貯水タンク内に貯水されている洗浄水を、上記区画容器の下方から、上記区画容器の外側に配置された上記ジェットノズル及びスロート管の吸引口の方向へ流す下部流水路が形成されていることを特徴とする水洗大便器装置。 - 上記区画容器の底面は、上記貯水タンク底面と上下方向に離間されており、上記下部流水路は、上記区画容器の底面と上記貯水タンクの底面により形成されている請求項1記載の水洗大便器装置。
- 上記下部流水路の上下方向の高さは、下部流水路を形成しない場合に、洗浄時の水位降下中に、ジェットノズル及びスロート管の吸引口近傍の領域上の水面の高さと、その他の領域上の水面の高さとの間に生じる上下方向の水位差とほぼ同じ高さである請求項1又は2記載の水洗大便器装置。
- 上記下部流水路の上下方向の高さは、5mm〜20mmの高さに形成されている請求項1乃至3記載の水洗大便器装置。
- 上記ジェットノズル及び上記スロート管の吸引口は上記区画容器に対して左右何れか一方の領域に配置され、上記便器本体の上記導水路の入口に接続される上記スロート管の一端が上記貯水タンクの左右方向中央に配置され、上記下部流水路は、上記貯水タンクの左右方向中央近傍から上記ジェットノズル及び上記スロート管の吸引口側に亘って形成されている請求項2乃至4記載の水洗大便器装置。
- 上記下部流水路は、上記区画容器の底面全体の下方領域に形成されている請求項5記載の水洗大便器装置。
- 上記下部流水路は、上記ジェットノズル及び上記スロート管の吸引口側において、流路が広がる拡大部を有する請求項5又は6記載の水洗大便器装置。
- 上記区画容器は、さらに、その壁面を貫くように形成された開口部を形成し、この区画容器の上記開口部を開閉し、上記ジェットポンプユニットを通じて上記便器本体へ供給する洗浄水量を変更することができる切替弁を有する請求項1乃至7の水洗大便器装置。
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