JP2015227519A - プラズマ処理を用いた縫い糸の着色方法及びその方法により着色された縫い糸 - Google Patents

プラズマ処理を用いた縫い糸の着色方法及びその方法により着色された縫い糸 Download PDF

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Abstract

【課題】小ロットでの縫い糸の着色を低コストで行え、着色工程で発生する染料の廃水や機能化加工での機能剤の廃水を抑えることができ、紫外線硬化性樹脂等を用いた従来のものより着色強度を強化すると共に、糸の繊維表面の改質機能を付与することもできる縫い糸の着色方法、及び同着色方法によって着色された染色難素材により構成される縫い糸を提供する。【解決手段】連続的に送り出される縫い糸1に顔料インク樹脂8をコーティングする着色工程を経る縫い糸の着色方法において、着色工程の前処理として、プラズマ照射装置5や7を用いて縫い糸の繊維表面と反応性モノマー3とを結合させることを特徴とする縫い糸の着色方法。【選択図】図1

Description

この発明は、縫い糸を顔料インクにより着色する方法、更に詳しくは、小ロットの縫い糸の着色も低コストで可能であり、また、従来の染色方法とは異なり、着色工程で水を大量に使用せず、環境の汚染を最小限に止め、縫い糸を着色できる方法に関するものである。
従来、縫い糸を着色する方法として、通常はチーズ染色による染料を用いた染色が行われており、その方法は、縫い糸をボビン等に巻き付けて略円筒状となるチーズを形成し、チーズのまま染料を含有する液体を満たした染色釜に入れて縫い糸を一度に染色するものである。
ところで、上記の染色方式は、染色釜の大小にかかわらず、染色時間がほぼ一定であるため、糸1kg単位での染色コストは、染色釜が小さくなるほど高くなる傾向があり、小ロットの糸を染色する場合に低コストで生産することができないという問題があった。
また、染料を使用する場合、縫い糸の素材別に使用される染料が異なるため、染色ロットの集約ができず、コストダウンが図れない。
更に、近年、国内のみならず工場の海外展開においても染色廃水規制が厳しくなってきており、染色用水の確保も難しく、これら用水確保及び廃水処理がコスト的に厳しくなる状況にある。
そこで、ミシン糸用縫糸をボビンより引き出した状態で顔料又は染料を含む光硬化性樹脂液中に通して表面を処理し、次いで光を照射して樹脂を硬化させることで着色する方法が提案されており(例えば、特許文献1参照)、また、染料又は顔料を添加した紫外線硬化性を有する樹脂溶液をミシン糸に塗布した後に紫外線を照射して着色する方法もあり(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、これらの方法を採用することで、水を大量に使用せず、小ロットの糸の着色が経済的に可能となった。
特開昭52−124993号公報(特許請求の範囲参照) 特開昭58−65084号公報(特許請求の範囲参照) 特許第4766999号公報(特許請求の範囲参照)
まず、従来の染色釜によるチーズ染色の場合、前述のように小ロットの糸を染色する場合に低コストですることができないという問題や、染色釜単位で加工しているため、一般的に6kgが生産の最小単位となり、それ以下の受注に対しては、残った糸が在庫となる問題もあった。
具体例として、繊度270dtexの縫い糸を2000m巻き上げたものを1本の製品とすると、最低でも1回のバッチ染色で6kg(111本の製品)が染め上がる。同繊度の品種における色数は約400色あり、これもすべて在庫となっている。一方、色別の売上高では上位100色程度が主であり、それ以外の色については、年間50本以下と少ないのが現状で、アイテム数(品種×色数)が1万3千以上ある中、アイテムごとに在庫が過剰となるため、解決すべき課題となっていた。
また、染色用水と染色廃水の規制による処理による国内での総費用は、井戸水からの染色用水精製費用並びに染色廃水処理費用の具体例で、現状、糸1kg当たり約100円となり、月50tの生産では、500万円のコストが生じることとなるが、環境問題からも今後これらのコストは更に上昇すると懸念されている。
更に、装飾用ビーズに用いられる通し糸、靴の縫製糸などへの染色に関する需要者からの希望があるが、使用される繊維素材の内、超高分子量ポリエチレンや、PPS、P−アラミド繊維等の素材は、染料との結合基を持たないため、酸性、反応、カチオン染料等では染色できず、また、結晶化度、配向性が高いことからも、高温高圧下での分散染料染色では染色できないという問題があった。
ところで、糸に対する着色とは別に、糸の繊維表面に対する撥水、深色、難燃などの機能加工も、従来からバッチ式チーズ染色方式を採るため、機能剤の糸への付着分を除き、多くは廃液として処分されることからコストアップとなっている。また、これら機能剤の環境側面からの規制強化により、PFOAフリー化や非ハロゲン化が進み、後加工品の耐久性能が低下し、問題となっている。
また、光硬化性や紫外線硬化性樹脂に顔料や染料を含めたものを用いて糸を着色する特許文献1,2,3の方式を採用することで、従来のチーズ染色方式の欠点を補うことができるが、着色した糸の染色堅ろう度は樹脂の糸表面への接着力に頼っているため、樹脂によっては接着強度があまり強くなく、糸の使用状況によっては樹脂の糸表面からの剥がれによる糸の色落ち等の弊害が発生したりして品質が低下する場合もあった。
この発明は、上記のような課題を解決し、小ロットでの縫い糸の着色を低コストで行え、また、着色工程で発生する染料の廃水や機能化加工での機能剤の廃水を抑えることができ、光硬化樹脂等を用いた従来のものより、更に着色強度を強化すると共に、糸の繊維表面の改質機能を付与することもできる縫い糸の着色方法と、その着色方法により着色された縫い糸を提供するものである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、連続的に送り出される縫い糸に顔料インク樹脂をコーティングし、乾燥及び樹脂を架橋・硬化させる着色工程を経る縫い糸の着色方法において、着色工程の前処理として、縫い糸へプラズマを照射し繊維表面を改質する縫い糸の着色方法である。
この発明では、顔料インクを用いて縫い糸表面にコーティングする着色方法を採用しており、前述のチーズ染色を用いた従来の方法の問題点、即ち小ロットの着色時のコスト等の問題が発生しないようにしている。
この発明では、着色工程の前処理として、縫い糸へのプラズマ照射による繊維表面改質を伴うことにより、繊維表面と顔料インク樹脂との接着性を強化することで、従来の染料、顔料と(光・紫外線)硬化性樹脂のみを用いたものより着色の安定性を図ることができる。
請求項2の発明は、上記請求項1に記載の縫い糸の着色方法であって、前記着色工程の前処理として、プラズマ処理を伴い、縫い糸の繊維表面と顔料インク樹脂とを反応性モノマーを媒介として結合させることを特徴とする縫い糸の着色方法である。
この発明では、着色工程の前処理として、顔料インク樹脂と縫い糸の繊維表面との接着性を向上させるために、接着剤として反応性モノマーをコーティングしており、プラズマ処理を伴い、反応性モノマーを繊維表面及び顔料インク樹脂と反応させ、繊維表面と顔料インク樹脂層との結びつき(接着力)をより強化する。このため、従来の染料、顔料と(光・紫外線)硬化性樹脂のみを用いたものより着色の安定性を図ることができる。
なお、着色工程の前処理において、プラズマ照射を行う順序及び回数は、反応性モノマー層をコーティングする前後いずれかで1回以上行う、あるいは、その前後で各1回以上行うものとする。後者の場合、糸と反応性モノマー層、反応性モノマー層と顔料インク樹脂層との両方の結びつきがより強固になる。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2に記載の縫い糸の着色方法の発明において、縫い糸に機能性を付与するため、上記顔料インク樹脂層に機能加工剤を添加するものである。これにより、例えば、糸の着色のみならず撥水性を与えたりすることができる。
請求項4の発明は、連続的に送り出される着色された縫い糸を、機能加工剤層を通してコーティングし、乾燥及び機能加工剤を架橋・硬化させる工程を経る縫い糸の機能加工方法において、機能加工工程の前処理として、上記請求項1又は2に記載の着色工程の前処理と同じ装置構成を用いる。これにより、例えば、撥水性における洗濯耐久性を高めたりすることができる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の縫い糸の着色方法又は機能加工方法により着色又は機能化された、染色難素材から構成される縫い糸である。
従来染色が困難であった染色難素材から構成される縫い糸であっても、この発明の着色方法を用いることで、染色堅ろう性が高く着色が安定性した縫い糸が得られる。
(1)縫い糸の着色の低コスト化
以上のように、この発明によると、縫い糸に対する小ロットの着色に対応できると共に、製品単位で必要本数のみ染色できるため、数本の注文であっても余分な在庫を作らず、在庫圧縮に繋がる等、糸の着色の低コスト化につながる。
また、着色にかかる時間についても、ロール・ツー・ロール方式で糸1本を連続して着色することにより(図1参照)、糸を巻き上げながら必要本数分を染色できるので、小ロット且つ短納期で、低コストで対応するために有効となる。例えば、260dtex×2000m巻を、3本欲しい等という受注に、従来なら2日かかっていたところ、1錘当たり3時間30分で出荷できる。
更に、樹脂含有の顔料インクを使用することから、適応する繊維素材を選ばす、使用する顔料インクを集約でき、従来の染料コストと対比で、圧縮が可能となる。
また、従来のチーズ染色方式に比べて、水を使用しないことから、染色用水の精製費用、染色廃水の処理費用が掛からないと共に、バッチ式の乾燥工程も不要となり、低コストに繋がる。
(2)染色難素材の着色
着色が求められる染色難素材として、例えば、超高分子量ポリエチレン糸の場合、繊維表面をプラズマ照射により改質を行い、次いでコーティングした反応性モノマーをプラズマ照射により反応させ、顔料インク樹脂との接着性を付与することで、高染色堅ろうな糸が得られ、素材の持つ高強力性能に対し、染色という価値を付与することができる。
これら超高分子量ポリエチレン等の染色難素材への着色により、装飾用ビーズ通し糸や、スポーツシューズや特殊作業向け等の縫製糸の中でも特に高強力化を要望される分野への展開が可能となり、市場競争力が高まることになる。
(3)高機能化加工の効率化
撥水、浸色、難燃などの後加工においても、染色加工同様、従来のバッチ式のように釜に浸すものと異なり、機能剤の利用効率が大きく向上する。また、耐久性能低下に対しても、反応性モノマーを接着させた後、これら機能剤を加工するか、プラズマ照射を伴い、直接的に機能剤を接着させることで、より耐久性のある機能加工糸を、低コストで実現することが可能となる。
撥水性や耐久性向上の機能付与により、従来困難であったスポーツメーカーやインテリア関連の分野での展開が可能となり、市場競争力が高まることになる。
この発明の縫い糸の着色方法を示す模式図で、(A)は前処理(前半)、(B)は前処理(後半)及び着色工程を示す。なお、前処理(後半)とは、プラズマ照射装置7による処理を示す。 この発明の縫い糸の他の機能加工方法を示す模式図で、(A’)は、機能加工方法における前処理(前半)、(B’)は、機能加工方法における前処理(後半)及び機能加工工程を示す。なお、前処理(後半)とは、プラズマ照射装置7による処理を示す。 この発明の縫い糸に対する紫外線硬化樹脂加工を示す模式図で、(B”)は、前処理(後半)及び紫外線硬化樹脂加工工程を示し、架橋・硬化反応装置10に紫外線照射を用いることを示す。なお、前処理(後半)とは、プラズマ照射装置7による処理を示す。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の縫い糸の着色方法及び機能加工方法を図解した模式図であり、(A)は前処理(前半)、(B)は前処理(後半)及び着色工程を示している。
図2(A’)は、この発明の縫い糸の機能加工方法における前処理(前半)を示す模式図で、(B’)は、機能加工方法における前処理(後半)及び機能加工工程を示している。
図3は、この発明の縫い糸に対する紫外線硬化樹脂加工を示す模式図で、既に顔料インク樹脂により着色された縫い糸を用いることを前提に、(B”)は、前処理(後半)及び硬化加工工程を示し、架橋・硬化反応装置14に紫外線照射を用いることを示す。なお、前処理(後半)とは、プラズマ照射装置7による処理を示す。
(A)前処理(前半)
図1(A)に示すように、まず、縫い糸1は、供給ロール2から引き出されて1本が直線状に適宜手段により供給されてゆく。最初に縫い糸1の表面にプラズマ照射装置5により照射され、反応性モノマー3がコーティングされて反応性モノマー層が形成され、その後、チューブ型乾燥装置4を通じて乾燥される。
なお、本発明は、顔料インク樹脂の接着強度が一定水準(品質基準)以上に保たれる場合は、図1(A)に示す前処理(前半)自体を省略すること、あるいは図1(A)中のプラズマ照射装置5を用いた処理を省略する場合を構成の内に含む。
プラズマ照射装置5(日本プラズマトリート、魁半導体、Diener electronic社など)の照射距離と時間等の条件は、繊維表面の改質若しくは反応性モノマーの接着性を最適化するため、適宜実験や検討の上、決定される。
前処理で用いられる反応性モノマー3の示す対象は、例えばアクリル酸、グリシジルメタアクリレート、クロロメチルスチレン、アクリルアミド、イソシアネートメタクリレート、アリルメタクリレート等が挙げられ、構造にビニル基を有し、加えてカルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基、ヒドロキシル基、ケトン基等のいずれかの反応基を有するモノマーに始まりオリゴマーまでを含む。
プラズマ処理を行い、反応性モノマーがコーティングされた後の縫い糸1は、中間巻き取りロール6に巻き取られ、次の前処理(後半)及び着色工程に送られる。
(B)前処理(後半)及び着色工程
図1(B)に示すように、中間巻き取りロール6より、反応性モノマーがコーティングされた後の縫い糸1が引き出されて1本が直線状に適宜手段により供給されてゆく。まず、最初に縫い糸1の表面にプラズマ照射装置7により照射されることで、反応性モノマーのコーティング表面を活性化させ、顔料インク樹脂8がコーティングされて顔料インク樹脂層が形成される。
その後、チューブ型乾燥装置9を通じて乾燥され、熱あるいは紫外線等を用いる架橋・硬化反応装置10により、顔料インク樹脂の架橋が行われ、巻き取りロール11に巻き取られる。
なお、本発明は、プラズマ照射装置7による処理を省略する場合を構成の内に含むが、図1(A)に示す前処理(前半)の全体、あるいは図1(A)中の前処理におけるプラズマ照射装置5を省略する場合は、この限りではない。
繊維との結合性を最適化するために、樹脂インク樹脂8として、樹脂と顔料が一体となった三菱鉛筆製、松井色素製、住友3M製等を用いることや、別途、有機、無機を含む顔料と樹脂とを混合し使用する。架橋のタイプとしては、熱硬化性あるいは紫外線硬化性、樹脂種別としては、ポリウレタン、アクリル、エポキシ等を選択できる。また、別途、架橋性を向上させるために架橋剤(イソシアナート系、ポリカルボジイミド系等)を選定する。
また、この顔料インク樹脂8に、撥水性やその他、機能化加工の耐久性向上を目的とした機能剤を混入しておいても良く、機能性と反応性モノマー3との反応性、あるいは、直接導入の場合、機能剤の反応性(結合性の可否)を考慮し、機能剤が選定される。
顔料インク樹脂8の縫い糸1への塗布方法としては、ロール・ツー・ロール方式を採用し、顔料インク樹脂をDipping方式あるいはスプレー方式、インクジェット方式等により塗布する。顔料インク塗布後、工程後段でのチューブ型乾燥装置9、熱あるいは紫外線等を用いる架橋・硬化反応装置10により架橋される。なお、Dipping方式を取る場合は、インク等のピックアップ率の制御のため、小形マングルやスポンジ等のNip装置が考えられる。
機能剤は、顔料インク樹脂8と同浴に添加し、熱あるいは紫外線等を用いる架橋・硬化反応装置10により架橋することで耐久性と機能性との向上を図るべく加工条件を検討する。
(A’)機能加工方法における前処理(前半)
図2(A’)に示すように、まず、縫い糸1は、供給ロール2から引き出されて1本が直線状に適宜手段により供給されてゆく。最初に縫い糸1の表面にプラズマ照射装置5により照射され、反応性モノマー3がコーティングされて反応性モノマー層が形成され、その後、チューブ型乾燥装置4を通じて乾燥される。縫い糸1は、既に着色されたものを用いても構わない。
なお、本発明は、機能加工剤の接着強度が一定水準(品質基準)以上に保たれる場合は、図2(A’)に示す前処理(前半)自体を省略すること、あるいは図2(A’)中のプラズマ照射装置5を用いた処理を省略する場合を構成の内に含む。
プラズマ照射装置5(日本プラズマトリート、魁半導体、Diener electronic社など)の照射距離と時間等の条件は、繊維表面の改質若しくは反応性モノマーの接着性を最適化するため、適宜実験や検討の上、決定される。
前処理で用いられる反応性モノマー3の示す対象は、例えばアクリル酸、グリシジルメタアクリレート、クロロメチルスチレン、アクリルアミド、イソシアネートメタクリレート、アリルメタクリレート等が挙げられ、構造にビニル基を有し、加えてカルボキシル基、アミノ基、イソシアナート基、ヒドロキシル基、ケトン基等のいずれかの反応基を有するモノマーに始まりオリゴマーまでを含む。
プラズマ処理を行い、反応性モノマーがコーティングされた後の縫い糸1は、中間巻き取りロール6に巻き取られ、次の前処理(後半)及び着色工程に送られる。
(B’)前処理(後半)及び機能加工工程
図2(B’)に示すように、中間巻き取りロール6より、反応性モノマーがコーティングされた後の縫い糸1が引き出されて1本が直線状に適宜手段により供給されてゆく。まず、最初に縫い糸1の表面にプラズマ照射装置7により照射されることで、反応性モノマーのコーティング表面を活性化させ、機能加工剤12との反応性を以って、コーティングされる。
その後、チューブ型乾燥装置9を通じて乾燥され、熱あるいは紫外線照射等を伴う架橋・硬化反応装置10により、機能加工剤12の架橋が行われ、巻き取りロール11に巻き取られる。
なお、本発明は、プラズマ照射装置7による処理を省略する場合を構成の内に含むが、図2(A’)に示す前処理(前半)の全体、あるいは図2(A’)中の前処理におけるプラズマ照射装置5を省略する場合は、この限りではない。
以上の実施形態はあくまで一例であり、この発明の目的の範囲内で適宜設計変更が可能である。例えば、各種コーティング作業は、既知のいずれの方法も採用でき、この発明の目的の範囲内で適宜変更して実施することができる。
(B”)前処理(後半)及び紫外線硬化樹脂加工工程
顔料インク樹脂により一旦着色された糸が、繊維素材によっては品質基準の一つとなる染色堅ろう性が基準よりも劣る場合について、例えば、プラズマ処理条件並びに前処理条件の最適化によって繊維表面の改質効果が十分得られない場合など、手段として別途選定した紫外線硬化樹脂により、高染色堅ろう性を維持できるよう処理層を設ける場合がある。
図3(B”)に示すように、着色糸15が巻き取られた中間巻き取りロール6より、着色糸15が引き出されて1本が直線状に適宜手段により供給されてゆく。まず、最初に着色糸15の表面にプラズマ照射装置7により照射されることで、着色糸15の表面を活性化させ、紫外線硬化樹脂13との反応性を以って、コーディングされる。
その後、チューブ型乾燥装置9を通じて乾燥され、紫外線照射等を伴う架橋・硬化反応装置14により、紫外線硬化樹脂の架橋が行われ、巻き取りロール11に巻き取られる。
なお、場合によっては、プラズマ照射装置7による処理を省略してもよい。以上の実施形態はあくまで一例であり、この発明の目的の範囲内で適宜設計変更が可能である。
図1に示す装置を用いて試作糸の着色を試した。
縫い糸の品質基準として、ポリエステル糸や超高分子量ポリエチレン糸等を含め、染色堅ろう性(摩擦、強洗濯)については、汚染4級以上、繊維表面改質を目的とするプラズマ照射による強力低下率は、10%以下を確保した。縫製試験においては、ポリエステル糸よりも融点の低い超高分子量ポリエチレン糸の場合、未着色糸の縫製可能な縫製条件範囲内で、着色糸についても顔料インクによる生地への汚染等なく同様に縫製できた。また、ポリエステル糸等は、T/Cブロード4枚重ねで、回針数4000spmで縫製し、縫製物への顔料インク等による汚染の無いことが確認された。
繊維表面改質の確認として、1)繊維へのプラズマ処理(濡れ性の確認)、2)繊維と反応性モノマーとの結合性や、3)反応性モノマーと顔料インク樹脂との結合性、4)顔料インク自体の皮膜強度について、電子顕微鏡等による観察や、スコッチ(登録商標)テープによる剥離強度確認によっても検証した結果、改善が確認された。
(機能剤による性能の確認)
撥水糸を試作し、洗濯耐久性を確認するため、洗濯前に比べ、家庭用洗濯100回後のスプレー法による撥水性評価において、1級以内の低下に留めることができた。
1 縫い糸
2 供給ロール
3 反応性モノマー
4 チューブ型乾燥装置
5 プラズマ照射装置
6 中間巻き取りロール
7 プラズマ照射装置
8 顔料インク樹脂
9 チューブ型乾燥装置
10 架橋・硬化反応装置
11 巻き取りロール
12 機能加工剤
13 紫外線硬化樹脂
14 架橋・硬化反応装置
15 着色糸

Claims (5)

  1. 連続的に送り出される縫い糸を、顔料インク樹脂層を通してコーティングし、乾燥及び樹脂を架橋・硬化させる着色工程を経る縫い糸の着色方法において、
    着色工程の前処理として、縫い糸に対するプラズマ処理を行うことを特徴とする縫い糸の着色方法。
  2. 着色工程の前処理として、プラズマ処理を用いて縫い糸の繊維表面と反応性モノマーとを結合させることを特徴とする請求項1に記載の縫い糸の着色方法。
  3. 顔料インク樹脂層に機能加工剤を添加し、機能性を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の縫い糸の着色方法。
  4. 連続的に送り出される縫い糸を、機能加工剤層を通してコーティングし、乾燥及び機能加工剤を架橋・硬化させる工程を経る縫い糸の機能加工方法において、
    機能加工工程の前処理として、請求項1又は2に記載の着色工程の前処理を用いる縫い糸の機能加工方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の縫い糸の着色方法により着色又は機能化された染色難素材から構成される縫い糸。
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