JP2015227409A - 弾性フィルム - Google Patents

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朋巳 廣田
Tomomi Hirota
朋巳 廣田
堀 哲
Satoru Hori
堀  哲
高橋 秀明
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
木村 恵子
Keiko Kimura
恵子 木村
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Abstract

【課題】充分な弾性を有し、新たな不具合の発生を抑制しつつブロッキングの発生を抑制できる弾性フィルムを提供する。
【解決手段】プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と、無機系ブロッキング防止剤(a2)と、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)とを含有する層(A)を最表層とし、前記層(A)中の前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する前記プロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合が75質量%以上であり、前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合が2〜18質量%であり、かつ前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計100質量部に対する前記アマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合が0.2〜2質量部である、弾性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、弾性フィルムに関する。
失禁用品、生理用ナプキン、包帯、外科用ドレープ、締め付けバンド、帽子、スポーツ用サポーター、医療品サポーター、使い捨て紙おむつの結束部材等には、特にウエスト部に対して、取り扱い性および着用感を向上させる目的で、伸縮性高分子エラストマーを含む弾性フィルムが広く使用されている。
弾性フィルムとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、SISブロック共重合体ともいう。)を含む弾性フィルムが挙げられる(例えば特許文献1)。
特開2010−279725号公報
しかし、エラストマーを主成分とする弾性フィルムは、粘着性が高く、フィルムを巻き取った際等にフィルム同士が固着(ブロッキング)しやすい。特に、数十m程度の弾性フィルムを巻き取った際には、巻き芯の近傍においてブロッキングが起きやすいために繰り出し性(開反性)が悪くなる傾向があり、フィルムの生産性および加工性が低下する。
本発明は、充分な弾性を有し、新たな不具合の発生を抑制しつつブロッキングの発生を抑制できる弾性フィルムを提供する。
本発明の弾性フィルムは、プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と、無機系ブロッキング防止剤(a2)と、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)とを含有する層(A)を最表層とし、前記層(A)中の前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する前記プロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合が75質量%以上であり、前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合が2〜18質量%であり、かつ前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計100質量部に対する前記アマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合が0.2〜2質量部であることを特徴とする。
本発明の弾性フィルムは、充分な弾性を有し、新たな不具合の発生を抑制しつつブロッキングの発生が抑制されている。
本発明の弾性フィルムは、プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と、無機系ブロッキング防止剤(a2)と、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)とを含有する層(A)を最表層とするものである。
[プロピレン−エチレン共重合体(a1)]
プロピレン−エチレン共重合体(a1)としては、特に限定されず、フィルムに充分な弾性を付与できるものであればよい。
プロピレン−エチレン共重合体(a1)のガラス転移温度は、−50〜−10℃が好ましく、−35〜−25℃がより好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、成形性が良好になる。ガラス転移温度が前記上限値以下であれば、充分な弾性を有する弾性フィルムが得られやすい。
プロピレン−エチレン共重合体(a1)のプロプレン単位含有率は、全単位100質量%に対して、80〜90質量%が好ましく、82〜85質量%がより好ましい。プロプレン単位含有率が前記下限値以上であれば、成形性が向上する。プロプレン単位含有率が前記上限値以下であれば、高い弾性が得られやすい。
プロピレン−エチレン共重合体(a1)の具体例としては、たとえば、vistamaxx 6102(ガラス転移温度:−30℃、プロピレン単位含有率84質量%、エクソン・モービル社製)等が挙げられる。
プロピレン−エチレン共重合体(a1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[無機系ブロッキング防止剤(a2)]
無機系ブロッキング防止剤(a2)としては、特に限定されず、ブロッキング防止剤として使用されている無機化合物を使用できる。無機系ブロッキング防止剤(a3)の具体例としては、たとえば、炭酸カルシウム、ゼオライト、シリカ等が挙げられる。
無機系ブロッキング防止剤(a2)は、粒子状であることが好ましい。
無機系ブロッキング防止剤(a2)の粒径は、2〜10μmが好ましい。無機系ブロッキング防止剤(a2)の粒径が下限値以上であれば、肌触りがよくなる。無機系ブロッキング防止剤(a2)の粒径が上限値以下であれば、すべり性が向上する。
なお、無機系ブロッキング防止剤(a2)の粒径とは、走査型顕微鏡(日本電子製JSM6460LA)を用いて測定した10点の平均粒径を意味する。
無機系ブロッキング防止剤(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の弾性フィルムでは、無機系ブロッキング防止剤(a2)をマスター・バッチ化したものを用いてもよい。マスター・バッチのベース樹脂としては、汎用性の点から、ポリエチレンが好ましい。
該マスター・バッチの市販品としては、たとえば、TEP 1HC783(炭酸カルシウム(粒径:5μm、含有率:50質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、東洋インキ社製)、PE 180NLD2(炭酸カルシウム(粒径:5μm、含有率:50質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、SUNPLAC社製)、キノプラスEMB−7A2806AC(ゼオライト(粒径:2μm、含有率:20質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、住化カラー社製)、スムースマスターS(シリカ(粒径10μm、含有率:20質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、大日精化工業社製)等が挙げられる。
無機系ブロッキング防止剤(a2)のマスター・バッチは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[アマイド系ブロッキング防止剤(a3)]
アマイド系ブロッキング防止剤(a3)としては、ブロッキング防止剤として使用されるアマイド化合物が使用でき、たとえば、飽和脂肪酸モノアマイド、不飽和脂肪酸モノアマイド、置換飽和脂肪酸アマイド、置換不飽和脂肪酸アマイド、芳香族脂肪酸アマイド、メチロールアマイド、飽和脂肪酸ビスアマイド等が挙げられる。
飽和脂肪酸モノアマイドとしては、たとえば、ラウリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ヒドロキシステアリン酸アマイド等が挙げられる。
不飽和脂肪酸モノアマイドとしては、例えば、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド等が挙げられる。
置換飽和脂肪酸アマイドとしては、たとえば、N−ステアリルステアリン酸アマイド、N−ステアリルパルミチン酸アマイド等が挙げられる。
置換不飽和脂肪酸アマイドとしては、たとえば、N−オレイルステアリン酸アマイド、N−ステアリルオレイン酸アマイド、N−ステアリルエルカ酸アマイド等が挙げられる。
芳香族脂肪酸アマイドとしては、たとえば、m−キシレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、m−キシレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。
メチロールアマイドとしては、たとえば、メチロールステアリン酸アマイド等が挙げられる。
飽和脂肪酸ビスアマイドとしては、たとえば、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。
アマイド系ブロッキング防止剤(a3)としては、外部滑性の点から、飽和脂肪酸モノアマイド、置換不飽和脂肪酸アマイドが好ましく、飽和脂肪酸モノアマイドではステアリン酸アマイド、置換不飽和脂肪酸アマイドではN−ステアリルオレイン酸アマイドがより好ましい。
アマイド系ブロッキング防止剤(a3)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[他の樹脂]
本発明の弾性フィルムの層(A)には、弾性フィルムの物性(特に伸縮性)を損なわない範囲内であれば、無機系ブロッキング防止剤(a2)をマスター・バッチ化する等の目的で、プロピレン−エチレン共重合体(a1)以外の他の樹脂が含まれていてもよい。
他の樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリスチレン等)等が挙げられる。
他の樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[他の成分]
本発明の弾性フィルムの層(A)は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、プロピレン−エチレン共重合体(a1)、無機系ブロッキング防止剤(a2)、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)および他の樹脂以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、たとえば、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌剤、造核剤、難燃剤等の添加剤が挙げられる。
他の成分は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[層(A)における各成分の割合]
層(A)中のプロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する、プロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合は、75質量%以上である。前記プロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合が75質量%以上であれば、充分な弾性を有する弾性フィルムとなる。
前記プロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合は、75〜95質量%が好ましく、85〜90質量%がより好ましい。
層(A)中のプロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する、無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合は、2〜18質量%である。前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合が2質量%以上であれば、弾性フィルムを長尺巻きした場合でも巻き芯近傍にブロッキングが発生することを抑制できる。前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合が18質量%以下であれば、フィルム成形時またはフィルム延伸時にフィルムに穴が開くことを抑制できる。
前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合は、1〜15質量%が好ましく、2.5〜10質量%がより好ましい。
層(A)中のプロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計100質量部に対するアマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合は、0.2〜2質量部である。前記アマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合が0.2質量部以上であれば、弾性フィルムの粘着性が強くなりすぎることを抑制できる。そのため、製造工程中の金属ロールに弾性フィルムが貼り付いたり、弾性フィルムを数m巻いただけでフィルム同士がブロッキングしたりすることを抑制できる。
前記アマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合は、0.25〜1.5質量部が好ましく、0.5〜1質量部がより好ましい。
層(A)中の他の樹脂の割合は、樹脂成分の総量に対して、0〜20質量%が好ましい。他の樹脂の割合が20質量%以下であれば、充分に高い弾性を有する弾性フィルムが得られやすい。
層(A)の総質量(100質量%)に対する、プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分、無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)の合計質量の割合は、6.5質量%以上が好ましく、21質量%以上がより好ましい。前記合計質量の割合が下限値以上であれば、充分な弾性を有し、ブロッキングが起きにくい弾性フィルムが得られやすい。
前記合計質量の割合の上限値は100質量%である。
本発明の弾性フィルムは、層(A)からなる単層フィルムとしてもよく、層(A)を最表層として有する、2種3層、3種5層等の積層フィルムとしてもよい。本発明の弾性フィルムを積層フィルムとする場合、両側の最表層を層(A)とする。具体的には、たとえば、層(A)/層(A)以外の層/層(A)がこの順に積層された2種3層の積層フィルム等が挙げられる。
層(A)以外の層としては、弾性を有し、プロピレン−エチレン共重合体と相溶性(接着性)を有する樹脂層等が挙げられる。たとえば、弾性フィルムを所定の幅にするために裁断されて取り除かれた端切れ部分や、品質検査において規格から外れた規格外品等を再利用した樹脂層等を添加して用いることができる。
本発明の弾性フィルムのフィルム全体の厚みは、20〜100μmが好ましく、30〜70μmがより好ましい。フィルム全体の厚みが前記下限値以上であれば、弾性フィルム全体の応力が低下しすぎることを抑制しやすく、フィルムの保持力を有する弾性フィルムが得られやすい。フィルム全体の厚みが前記上限値以下であれば、弾性フィルム全体の応力が高くなりすぎることを抑制しやすく、フィルムを容易に延伸できる。
本発明の弾性フィルムを積層フィルムとする場合、最表層を構成する層(A)の合計の厚みは、30〜50μmが好ましい。
本発明の弾性フィルムの残留ひずみは、29%以下が好ましく、26%以下がより好ましい。弾性フィルムの残留ひずみが前記上限値以下であれば、充分な弾性を有する弾性フィルムである。
弾性フィルムの表面にはエンボス加工が施されてもよい。弾性フィルムの表面にエンボス加工が施されると、積層した際の接触面積が小さくなるため、耐ブロッキング性がより良好になる。
本発明の弾性フィルムの用途としては、たとえば、失禁用品、生理用ナプキン、包帯、外科用ドレープ、締め付けバンド、帽子、スポーツ用サポーター、医療品サポーター、使い捨て紙おむつの帯状の結束部材等が挙げられる。
[製造方法]
本発明の弾性フィルムの製造方法としては、特に限定されず、たとえば、下記混合工程および下記成形工程を有する方法が挙げられる。
混合工程:プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分、無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)と、必要に応じて用いる他の成分とを混合して混合物を得る工程。
成形工程:前記混合物をフィルム状に成形して弾性フィルムを得る工程。
(混合工程)
プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分、無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)と、必要に応じて用いる他の成分とを混合する方法は、特に限定されない。たとえば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の各種ミキサーを用いる方法が挙げられる。
プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分、無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)と、必要に応じて用いる他の成分とを混合する順序は特に限定されない。
たとえば、全成分を一度に混合してもよい。また、前記した無機系ブロッキング防止剤(a2)とベース樹脂からなるマスター・バッチを得た後に、該マスター・バッチとプロピレン−エチレン共重合体(a1)、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)、他の成分を混合して混合物としてもよい。
(成形工程)
成形方法は特に限定されず、たとえば、Tダイを備えた押出機を用いる方法が挙げられる。押出機は、一軸押出機、二軸押出機のいずれであってもよい。成形温度(押出機バレル温度)は、プロピレン−エチレン共重合体(a1)の種類に応じて適宜設定すればよい。
本発明の弾性フィルムを積層フィルムとする場合、成形方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。たとえば、インフレーション法、キャスト法等が挙げられ、生産性の点から、キャスト法が好ましい。
なお、本発明の弾性フィルムの製造方法は、前記した方法には限定されない。
以上説明した本発明の弾性フィルムは、プロピレン−エチレン共重合体(a1)、無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)を特定の比率で含む層(A)を最表層として有する。そのため、充分な弾性を有しており、新たな不具合の発生を抑制しつつ優れた耐ブロッキング性が得られる。優れた耐ブロッキング性が得られる要因は、以下のように考えられる。
アマイド系ブロッキング防止剤(a3)は、アミド基に基づく親水性と、脂肪酸に基づく疎水性とを有するため、弾性フィルムの表面近傍での濃度が高くなる。さらに、プロピレン−エチレン共重合体(a1)は疎水性が高いため、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)のアミド基は弾性フィルムの表面側に配置されやすい。これにより、弾性フィルムの表面におけるプロピレン−エチレン共重合体(a1)の露出量が低減され、粘着性が低くなることでブロッキングが起きにくくなる。また、無機系ブロッキング防止剤(a2)が弾性フィルムの表面に存在することでフィルム表面の粗度が上がる。これにより、フィルム同士、またはフィルムと金属ロールとの接触面積が低減されるため、優れた耐ブロッキング性が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[原料]
本実施例で使用した原料の略号を以下に示す。
(プロピレン−エチレン共重合体(a1))
a1−1:vistamaxx 6102(ガラス転移温度:−30℃、プロピレン単位含有率84質量%、エクソン・モービル社製)。
(無機系ブロッキング防止剤(a2)のマスター・バッチ)
a2−1:TEP 1HC783(炭酸カルシウム(粒径:5μm、含有率:50質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、東洋インキ社製)。
a2−2:PE 180NLD2(炭酸カルシウム(粒径:5μm、含有率:50質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、SUNPLAC社製)。
a2−3:キノプラスEMB−7A2806AC(ゼオライト(粒径:2μm、含有率:20質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、住化カラー社製)。
a2−4:スムースマスターS(シリカ(粒径10μm、含有率:20質量%)、ベース樹脂:ポリエチレン、大日精化工業社製)。
(無機系ブロッキング防止剤(a2))
a2−5:TEP 1HC783(炭酸カルシウム、粒径:5μm、東洋インキ社製)。
a2−6:PE 180NLD2(炭酸カルシウム、粒径:5μm、SUNPLAC社製)。
a2−7:キノプラスEMB−7A2806AC(ゼオライト、粒径:2μm、住化カラー社製)。
a2−8:スムースマスターS(シリカ、粒径10μm、大日精化工業社製)。
(アマイド系ブロッキング防止剤(a3))
a3−1:アマイドAP−1(ステアリン酸アマイド、日本化成社製)。
(他の樹脂)
b−1:ポリエチレン。
[実施例1]
成分(a1−1)95質量部、成分(a2−1)5質量部、および成分(a3−1)1質量部をタンブラーミキサーにより混合して混合物を得た。次いで、Tダイを備えた押出機(住友重機械モダン社製)を用いて、前記混合物を200℃で押出成形して幅30cm、厚さ50μmの弾性フィルムを得た。
[実施例2〜10]
各成分の組成を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして弾性フィルムを得た。
[比較例1〜32]
各成分の組成を表1〜3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして弾性フィルムを得た。
[評価方法]
各例で得られた弾性フィルムの評価方法を以下に示す。
(弾性)
得られた弾性フィルムから、長手方向(MD)25mm幅、幅方向(TD)100mm幅のサンプルを短冊状に切り取り、得られたサンプルをTRAPEZIUM3000のつかみ具で標線間距離が25mmになるように固定した。次に、TDに速度254m/分でひずみ200%まで延伸後、30秒間保持した。30秒後同速度にて0%まで戻した。サンプルを延伸状態から元の状態に戻す際におけるサンプルの荷重(N/25mm)が0Nになるときの残留ひずみを測定した。弾性の評価は、以下の基準に従って行った。
○:残留ひずみが29%以下である。
×:残留ひずみが29%超である。
(金属ロールへのアマイド付着)
各例の製造工程において弾性フィルムの搬送に用いた金属ロールの表面を目視により確認し、金属ロールへのステアリン酸アマイドの付着状態を以下の基準で評価した。
○:金属ロール表面にステアリン酸アマイドが付着していない。
×:金属ロール表面にステアリン酸アマイドが付着している。
(耐ブロッキング性)
各例の弾性フィルムの長さ100m分を、直径3cmの巻き芯を用いて巻き取った後、手により繰り出し、そのときの巻き芯近傍の繰り出し性(開反性)から耐ブロッキング性を評価した。評価は以下の基準に従って行った。
○:フィルムを簡単に繰り出せる。
×:フィルムを繰り出すのに力を要する。
(耐穴開き性)
各例で得られた弾性フィルムを目視にて確認し、以下の基準で耐穴開き性を評価した。
○:フィルムに穴が開いていない。
×:フィルムに穴が開いている。
各例の弾性フィルムの組成および評価結果を表1〜3に示す。
なお、表1〜3における組成(原料の使用量)は質量部で示す。また、「(a1)/[樹脂成分+(a2)]」は、プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対するプロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合(質量%)を意味する。また、「(a2)/[樹脂成分+(a2)]」は、プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合(質量%)を意味する。また、「(a3)/[樹脂成分+(a2)]」は、プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計100質量部に対するアマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合(質量部)を意味する。
Figure 2015227409
Figure 2015227409
Figure 2015227409
表1〜3に示すように、プロピレン−エチレン共重合体(a1)、無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)を特定の比率で含む実施例1〜10の弾性フィルムは、充分な弾性と優れた耐ブロッキング性を有していた。また、実施例1〜10では、金属ロールへのアマイド系ブロッキング防止剤(a3)の付着が見られず、またフィルムに穴も開かなかった。
無機系ブロッキング防止剤(a2)を用いなかった比較例1〜10の弾性フィルムは、充分な耐ブロッキング性が得られなかった。
無機系ブロッキング防止剤(a2)およびアマイド系ブロッキング防止剤(a3)の少なくとも一方の割合が少ない比較例11、12、16、17、21〜23、27〜29の弾性フィルムは、充分な耐ブロッキング性が得られなかった。
アマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合が過剰な比較例4、13、18、24、30では、金属ロールへのアマイド系ブロッキング防止剤(a3)の付着が見られた。
プロピレン−エチレン共重合体(a1)の量が少ない比較例10、14、19、25、31の弾性フィルムは、充分な弾性が得られなかった。
無機系ブロッキング防止剤(a2)の量が過剰な比較例15、20、26、32では、得られた弾性フィルムに穴が開いていた。
本発明の弾性フィルムは、失禁用品、生理用ナプキン、包帯、外科用ドレープ、締め付けバンド、帽子、スポーツ用サポーター、医療品サポーター、使い捨て紙おむつの結束部材等に好適に使用できる。

Claims (1)

  1. プロピレン−エチレン共重合体(a1)を含む樹脂成分と、無機系ブロッキング防止剤(a2)と、アマイド系ブロッキング防止剤(a3)とを含有する層(A)を最表層とし、
    前記層(A)中の前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する前記プロピレン−エチレン共重合体(a1)の割合が75質量%以上であり、
    前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計質量に対する前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の割合が2〜18質量%であり、
    かつ前記樹脂成分と前記無機系ブロッキング防止剤(a2)の合計100質量部に対する前記アマイド系ブロッキング防止剤(a3)の割合が0.2〜2質量部である、弾性フィルム。
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