JP2015225696A - 放電ユニット - Google Patents

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山下 哲也
Tetsuya Yamashita
哲也 山下
誠一 村上
Seiichi Murakami
誠一 村上
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Abstract

【課題】樹脂部材の熱収縮に起因して放電電極と対向電極との間の電極間距離を最適に保てなくなることを抑制する。
【解決手段】放電電極(70)と対向電極(60)の少なくとも一方は、金属電極(60,70)で構成され、樹脂部材(41,90)は、金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)の長手方向の両端を保持するための一対の樹脂製支持部(49,51,92,93)を有し、一対の樹脂製支持部(49,51,92,93)の少なくとも一方には、樹脂部材(41,90)が長手方向内方へ熱収縮しても、金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)が撓み変形するのを抑制する変形抑制部(45a,49b,51b)が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図15

Description

本発明は、放電電極と、対向電極とを備えた放電ユニットに関し、特に所望とする電極間距離を確保するための対策に係るものである。
従来より、放電電極と、対向電極とを備え、両者の電極の間で放電を行う放電ユニットが知られている。
例えば特許文献1には、この種の放電ユニットが開示されている。特許文献1の放電ユニットは、空気清浄機に搭載されている。放電ユニットは、同文献の図2に示すように、放電電極と対向電極とを備えている。放電電極は、電極支持部と、該電極支持部から突出する複数の放電針とを有している。
放電ユニットでは、電源から放電電極と対向電極との間に電圧が印加され(電位差が付与され)、例えば放電電極に高電圧が供給される。この結果、放電電極の放電針の先端から、接地状態の対向電極に向かってストリーマ放電が生起する。このストリーマ放電に伴い、空気中では、反応性の高い物質(電子、イオン、ラジカル、オゾン等の活性種)が生成する。この活性種により、空気中の有害物質や臭気物質等が分解・除去される。
特開2005−296916号公報
ところで、例えば上述した対向電極や放電電極の間隔を保つために、これらの電極を樹脂部材によって支持する構造が考えられる。このような構造として、発明者は、金属製の対向電極や放電電極の長手方向の両端部を樹脂部材で支持する構造を考案した。一方、樹脂部材の熱膨張係数は、金属電極の熱膨張係数と比較すると極めて大きい。このため、
周囲の環境温度が急激に低下すると、樹脂部材が長手方向内方へ収縮し、これに伴い金属電極にも長手方向内方への力(圧縮力)が作用してしまうことがあった。このようにして、金属電極が長手方向内方へ圧縮されると、金属電極が撓んでしまい、一対の電極(放電電極と対向電極)との間の電極間距離を最適に保てなくなる虞がある。
放電ユニットにおいて、放電電極と対向電極との間で所望とする放電を安定して行うためには、放電電極と対向電極との間の電極間距離を最適に保つ必要がある。従って、このようにして金属製の対向電極や放電電極が撓んでしまい、電極間距離が最適な設計値から外れてしまうと、所望とする放電を安定して行うことができず、放電ユニットの性能が損なわれてしまうという問題が生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、樹脂部材の熱収縮に起因して放電電極と対向電極との間の電極間距離を最適に保てなくなることを抑制することである。
第1の発明は、横長の樹脂部材(41,90)と、上記樹脂部材(41,90)の長手方向に沿って延び、互いに対向する放電電極(70)及び対向電極(60)と、該放電電極(70)と対向電極(60)との間に電圧を印加する電圧供給部(30)とを備えた放電ユニットを対象とし、上記放電電極(70)と上記対向電極(60)の少なくとも一方は、金属電極(60,70)で構成され、上記樹脂部材(41,90)は、上記金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)の長手方向の両端を保持するための一対の樹脂製支持部(45,46,49,51,92,93)を有し、上記一対の樹脂製支持部(45,46,49,51,92,93)の少なくとも一方には、上記樹脂部材(41,90)が長手方向内方へ熱収縮しても、上記金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)が撓み変形するのを抑制する変形抑制部(45a,49b,51b)が設けられていることを特徴とする。
第1の発明では、電圧供給部(30)から放電電極(70)と対向電極(60)との間に電圧が印加されることで、放電電極(70)の放電針(72)の突端部(先端部)から対向電極(60)に向かって放電が生じる。この結果、空気中では、電子、イオン、ラジカル、オゾン等の反応性の高い活性種が生成される。
本発明では、放電電極(70)及び対向電極(60)の少なくとも一方が、横長の樹脂部材(41,90)に沿って延びる金属電極(60,70)で構成される。金属電極(60,70)は、その電極本体(61,71,72)の長手方向の両端が樹脂部材(41,90)の一対の樹脂製支持部(45,46,49,51,92,93)に支持される。ここで、本発明では、一対の樹脂製支持部(45,46,49,51,92,93)の少なくとも一方に、変形抑制部(45a,49b,51b)が設けられる。このため、樹脂部材(41,90)が長手方向内方に熱収縮したとしても、金属電極(60,70)が撓み変形することが変形抑制部(45a,49b,51b)によって抑制される。
第2の発明は、第1の発明において、上記金属電極(60,70)は、上記電極本体(61,71,72)の長手方向の少なくとも一方の端部に形成され、該電極本体(61,71,72)の長手方向内方に向かうにつれて幅が狭くなるように構成された少なくとも1枚の逆テーパ板部(62,73,76)を有し、上記変形抑制部(45a,49b,51b)は、上記樹脂部材(41,90)の長手方向内方に向かうにつれて幅が狭くなるように上記逆テーパ板部(62,73,76)の外形に沿った形状に構成され、該逆テーパ板部(62,73,76)が内嵌される嵌合溝(45a,49b,51b)で構成されていることを特徴とする。
第2の発明では、金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)の長手方向の端部に少なくとも1枚の逆テーパ板部(62,73,76)が形成される。逆テーパ板部(62,73,76)は、電極本体(61,71,72)の長手方向内方に向かって(即ち、逆テーパ板部(62,73,76)の突端側から基端側に向かって)幅が狭くなるように構成される。一方、樹脂部材(41,90)の樹脂製支持部(45,46,49,51,92,93)には、この逆テーパ板部(62,73,76)の外形に沿った形状の嵌合溝(45a,49b,51b)が形成され、この嵌合溝(45a,49b,51b)が変形抑制部を構成する。つまり、嵌合溝(45a,49b,51b)も、樹脂部材(41,90)の内方に向かって幅が狭くなる形状に形成され、その内部に逆テーパ板部(62,73,76)が嵌合する。
樹脂部材(41,90)が長手方向内方へ熱収縮すると、逆テーパ板部(62,73,76)に対して嵌合溝(45a,49b,51b)が相対的に内側に変位しようとする。嵌合溝(45a,49b,51b)が逆テーパ板部(62,73,76)に対して僅かに内側に変位すると、逆テーパ板部(62,73,76)の外側面と嵌合溝(45a,49b,51b)の内側面との間に僅かな隙間が形成される。熱収縮により内方へ変位する嵌合溝(45a,49b,51b)の幅広の部位が、逆テーパ板部(62,73,76)の幅広の部位よりも内側寄るからである。このように逆テーパ板部(62,73,76)と嵌合溝(45a,49b,51b)との間に僅かな隙間が形成されると、嵌合溝(45a,49b,51b)と逆テーパ板部(62,73,76)との間の摩擦抵抗が小さくなり、嵌合溝(45a,49b,51b)の収縮力が逆テーパ板部(62,73,76)に作用することを抑制できる。この結果、樹脂部材(41,90)が長手方向内方に熱収縮したとしても、樹脂部材(41,90)とともに逆テーパ板部(62,73,76)が内方へ変位してしまうことが抑制され、ひいては金属電極(60,70)が撓み変形してしまうことが抑制される。
第3の発明は、第2の発明において、上記樹脂部材(41)は、上記嵌合溝(45a)の開放側に形成され、上記逆テーパ板部(62)を覆う被覆部(45b)を有していることを特徴とする。
第3の発明では、樹脂部材(41)の嵌合溝(45a)の開放側に被覆部(45b)が形成され、逆テーパ板部(62)の全周が樹脂部材(41)で覆われる。この結果、逆テーパ板部(62)が厚さ方向にガタついてしまうことを防止でき、放電電極(70)と対向電極(60)との間の電極間距離が最適に保持される。
第4の発明は、第3の発明において、上記被覆部(45b)には、上記逆テーパ板部(62)の一部を外部へ露出させる切欠部(45c)が形成されていることを特徴とする。
第4の発明では、樹脂部材(41)の被覆部(45b)に切欠部(45c)が形成され、逆テーパ板部(62)の一部が外部へ露出される。これにより、逆テーパ板部(62)と被覆部(45b)との間の摩擦抵抗が小さくなるため、樹脂部材(41)の熱収縮に伴い逆テーパ板部(62)に作用する力(圧縮力)を低減できる。
第5の発明は、第4の発明において、上記切欠部(45c)は、上記逆テーパ板部(62)の突端側に形成されていることを特徴とする。
第5の発明では、被覆部(45b)に形成された切欠部(45c)が、逆テーパ板部(62)の突端側に形成される。つまり、切欠部(45c)は、逆テーパ板部(62)のうち最も幅広い部分に対応する位置に形成される。これにより、逆テーパ板部(62)と被覆部(45b)との間の摩擦抵抗が更に小さくなるため、樹脂部材(41)の熱収縮に伴い逆テーパ板部(62)に作用する力(圧縮力)を更に低減できる。
第6の発明は、第2乃至第5のいずれか1つの発明において、上記対向電極(60)は、平板状の上記電極本体(61)を有する上記金属電極(60)で構成され、上記逆テーパ板部(62)は、上記対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向の中間部を挟んで両側に1枚ずつ設けられ、上記樹脂部材(41,90)には、上記2枚の上記逆テーパ板部(62)に対応する位置にそれぞれ上記嵌合溝(45a)が1つずつ形成されていることを特徴とする。
第6の発明では、金属電極(60)が対向電極(60)で構成される。対向電極(60)では、平板状の電極本体(61)の長手方向の側端部に2枚の逆テーパ板部(62)が形成される。これらの2枚の逆テーパ板部(62)は、電極本体(61)の幅方向の中間部を挟んで両側に形成され、各逆テーパ板部(62)が樹脂部材(41)の各嵌合溝(45a)に内嵌する。これにより、対向電極(60)の側端部は、電極本体(61)の中間部を挟んで2箇所において、樹脂部材(41)に支持される。このようにすると、対向電極(60)が幅方向の中間部を軸として傾斜してしまうことを防止でき、対向電極(60)の平面度を保つことができる。この結果、放電電極(70)と対向電極(60)との電極間距離を最適に保持できる。
第7の発明は、第6の発明において、上記2つの逆テーパ板部(62)の各々は、対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向の外方側面に形成され、該電極本体(61)の長手方向内方に向かうにつれて電極本体(61)の幅方向中間部に近づく傾斜面(62a)と、上記対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向の内方側面に形成され、該電極本体(61)の長手方向に沿ったストレート面(62b)とをそれぞれ有していることを特徴とする。
第7の発明では、2つの逆テーパ板部(62)のうち幅方向の外方側に傾斜面(62a)が形成され、幅方向の内方側にストレート面(62b)が形成される。樹脂部材(41)のうち2つの嵌合溝(45a)が形成される部位が、対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向内方へ収縮すると、この収縮力が各逆テーパ板部(62)の傾斜面(62a)に作用する。これにより、各嵌合溝(45a)は、各逆テーパ板部(62)の傾斜面(62a)に沿って電極本体(61)の長手方向内方へ変位し、隙間が拡がることで更に内方へと変位する。一方、逆テーパ板部(62)のストレート面(62b)は、嵌合溝(45a)の内壁(ストレート面)と面接触する。この結果、逆テーパ板部(62)と嵌合溝(45a)との間の隙間が過剰に拡がることを回避でき、対向電極(60)が幅方向にガタついてしまうことを規制できる。
第8の発明は、第2乃至第6のいずれか1つの発明において、上記逆テーパ板部(62,73,76)は、該逆テーパ板部(62,73,76)の幅方向の両側面に形成され、上記金属電極(60,70)の長手方向内方に向かうにつれて幅が狭くなるよう傾斜する2つの傾斜面(62a,73a,76a)を有していることを特徴とする。
第8の発明では、逆テーパ板部(62,73,76)の幅方向の両側にそれぞれ傾斜面(62a,73a,76a)が形成されるため、樹脂部材(41,90)が収縮した際、逆テーパ板部(62,73,76)と嵌合溝(45a,49b,51b)との間の隙間を十分確保できる。この結果、逆テーパ板部(62,73,76)に作用する摩擦抵抗を確実に低減き、逆テーパ板部(62,73,76)に作用する圧縮力を効果的に低減できる。
第9の発明は、請求項2乃至8のいずれか1つにおいて、上記樹脂部材(41,90)は、上記放電電極(70)と対向電極(60)とを絶縁しながら支持する絶縁性の基台部(41)で構成され、上記対向電極(60)は、上記金属電極(60)で構成され、上記対向電極(60)には、上記電極本体(61)の長手方向の両端のちの一方のみに上記逆テーパ板部(62)が形成され、上記基台部(41)には、上記一対の樹脂製支持部(45,46)の一方に上記嵌合溝(45a)が設けられ、該一対の絶縁性支持部(49,51)の他方が上記対向電極(60)の長手方向の他端側部位(63)が埋設される埋設部(46)を構成することを特徴とする。
第9の発明では、樹脂部材(41,90)が、絶縁性樹脂からなる基台部(41)で構成される。基台部(41)は、放電電極(70)と対向電極(60)とを絶縁しながら支持する。金属電極(60)である対向電極(60)の長手方向の一端には、逆テーパ板部(62)が形成され、この逆テーパ板部(62)が基台部(41)の嵌合溝(45a)に嵌合する。対向電極(60)の長手方向の他端側部位(63)は、基台部(41)の埋設部(46)に埋設される。基台部(41)が長手方向に熱収縮すると、嵌合溝(45a)が逆テーパ板部(62)に対して内方へ変位する一方、対向電極(60)の他端側部位(63)と埋設部(46)との相対位置は変化しない。つまり、本発明では、対向電極(60)の他端側部位(63)のみが基台部(41)によって強固に支持される。
また、本発明では、対向電極(60)の他端側部位(63)が絶縁性樹脂からなる埋設部(46)に埋設される。このため、対向電極(60)の他端側部位(63)と放電電極(70)との間での漏れ電流を低減でき、両者の電極(60,70)の絶縁を確保できる。
第10の発明は、第1乃至第9のいずれか1つの発明において、上記樹脂部材(41,90)は、上記金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)の長手方向の両端を上記一対の樹脂製支持部(45,46)で保持しながら上記金属電極(60)とともにインサート成型されるように構成されることを特徴とする。
第10の発明では、金属電極(60,70)が、樹脂部材(41,90)とともにインサート成型される。このように金属電極(60,70)を樹脂部材(41,90)とともにインサート成型すると、高温(例えば180℃)の状態で成型された樹脂部材(41,90)が、その後、急激に冷やされるため、樹脂部材(41,90)の長手方向における熱収縮が極めて大きくなる。しかしながら、本発明では、樹脂部材(41,90)が長手方向内方に熱収縮しても、金属電極(60)が撓み変形するのを変形抑制部(45a,49b,51b)が抑制するため、放電電極(70)と対向電極(60)との間の電極間距離を最適に保持できる。
本発明によれば、樹脂部材(41,90)が長手方向内方へ熱収縮した場合に、変形抑制部(45a,49b,51b)が金属電極(60,70)の撓み変形を抑制する。これにより、金属電極(60,70)の撓み変形に起因して、放電電極(70)と対向電極(60)との間の電極間距離が設計値から外れてしまうことを回避でき、放電ユニットで安定した放電を行うことができる。
第2の発明によれば、樹脂部材(41,90)が熱収縮することに伴い逆テーパ板部(62,73,76)と嵌合溝(45a,49b,51b)との間に僅かな隙間を形成できるので、逆テーパ板部(62,73,76)に圧縮力が作用することを防止できる。この結果、金属電極(60,70)の撓み変形を確実に防止できる。
第3の発明によれば、逆テーパ板部(62)を被覆部(45b)で覆うことにより、逆テーパ板部(62)が厚さ方向に変位することを規制できる。従って、放電電極(70)と対向電極(60)との間の電極間距離を最適に保つことができる。
第4の発明によれば、被覆部(45b)に切欠部(45c)を形成することで、逆テーパ板部(62)に作用する摩擦抵抗を低減でき、逆テーパ板部(62)に作用する圧縮力を低減できる。特に、第5の発明によれば、切欠部(45c)が逆テーパ板部(62)の幅広の部位に対応しているため、摩擦抵抗を効果的に低減でき、逆テーパ板部(62)に作用する圧縮力を更に低減できる。
第6の発明によれば、対向電極(60)の側端部において、幅方向中間部を挟んで両側にそれぞれ逆テーパ板部(62)を設けたので、対向電極(60)の平面度を保つことができ、電極間距離を最適に保持できる。
第7の発明によれば、各逆テーパ板部(62)の幅方向の一方の側面に傾斜面(62a)を形成し、他方の側面にストレート面(62b)を形成したため、各逆テーパ板部(62)が嵌合溝(45a)とともに変位してしまうのを回避しつつ、対向電極(60)の位置が幅方向にずれてしまうことを回避できる。
第8の発明によれば、逆テーパ板部(62,73,76)の両側にそれぞれ傾斜面(62a,73a,76a)を形成することで、逆テーパ板部(62,73,76)と嵌合溝(45a,49b,51b)との間に確実に隙間を形成でき、金属電極(60,70)の撓み変形を確実に回避できる。
第9の発明によれば、対向電極(60)の他端側部位(63)を基台部(41)によって確実に支持できる。また、対向電極(60)の他端側部位(63)を樹脂によってモールドできるので、放電電極(70)と対向電極(60)との間での漏れ電流を低減でき、両者の電極(60,70)間に高電圧を印加できる。
第10の発明によれば、金属電極(60,70)を樹脂部材(41,90)にインサート成型することで、対向電極(60)と放電電極(70)の相対的な位置寸法の精度が向上する。また、インサート成型により、金属電極(60,70)の一部が樹脂によってモールドされるため、放電電極(70)と対向電極(60)との間の漏れ電流を低減でき、両者の電極(70,60)の電位差を十分に確保できる。更に、インサート成型後に樹脂部材(41,90)が急激に熱収縮したとしても、変形抑制部(45a)によって金属電極(60,70)が撓み変形してしまうのを確実に回避できる。
図1は、実施形態に係る空気調和装置の概略の構成図である。 図2は、実施形態に係る放電ユニットのケーシングの斜視図である。 図3は、実施形態に係る放電ユニットの内部構造を示す斜視図である。 図4は、実施形態に係る放電ユニットの内部構造を示す上面図である。 図5は、実施形態に係る放電処理部の斜視図である。 図6は、図5におけるY矢視図である。 図7は、図5におけるX矢視図である。 図8は、図6におけるA−A断面図である。 図9は、実施形態に係る対向電極の斜視図である。 図10は、実施形態に係る放電電極の平面図である。 図11は、実施形態に係る放電処理部の製造工程を示す斜視図であり、図11(A)は第1工程、図11(B)は第2工程、図11(C)は第3工程をそれぞれ示している。 図12は、放電電極の連絡部及び接続部と、電圧供給部の電源トランスの近傍を拡大した斜視図である。 図13は、図12におけるB−B断面図である。 図14は、対向電極の突板部の近傍を拡大した斜視図である。 図15は、対向電極の突板部の近傍を拡大した平面図であり、図15(A)は、インサート成型直後の状態を、図15(B)は、インサート成型後に基台部が熱収縮した第1の状態を、図15(C)は、インサート成型後に第1の状態の基台部が更に熱収縮した第2の状態をそれぞれ示すものである。 図16は、放電電極の延出部の近傍を拡大した平面図である。 図17は、放電電極の第1幅広部の近傍を拡大した平面図である。 図18は、その他の実施形態に係る放電ユニットの対向電極の突板部の近傍を拡大した平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本発明に係る放電ユニット(20)は、空気調和装置(10)に搭載されている。空気調和装置(10)は、室内空間(S)の空気の温度を調節する。
〈空気調和装置の構成〉
図1に示すように、空気調和装置(10)は、天井(C)の裏面に設置されている。空気調和装置(10)は、横長の箱形の空調用ケーシング(11)を備えている。空調用ケーシング(11)の長手方向の一方の側面には、内気ダクト(12)が接続されている。空調用ケーシング(11)の長手方向の他方の側面には、給気ダクト(13)が接続されている。空調用ケーシング(11)の内部には、空気通路(11a)が形成されている。内気ダクト(12)は、流入端が室内空間(S)に連通し、流出端が空気通路(11a)に連通している。給気ダクト(13)は、流入端が空気通路(11a)に連通し、流出端が室内空間(S)に連通している。
空気通路(11a)には、空気流れの上流側(内気ダクト(12)側)から下流側(給気ダクト(13)側)に向かって順に、プレフィルタ(14)、放電ユニット(20)、触媒フィルタ(15)、熱交換器(16)、及びファン(17)が配置されている。プレフィルタ(14)は、空気中の比較的大きな塵埃を捕集する。放電ユニット(20)は、放電に伴い活性種を生成し、この活性種で空気中の有害成分や臭気成分を分解する。放電ユニット(20)の詳細は後述する。
触媒フィルタ(15)は、例えばハニカム構造の基材の表面に触媒を担持させたものである。この触媒には、マンガン系の触媒や貴金属系の触媒が用いられる。触媒フィルタ(15)は、放電によって生成する活性種を更に活性化し、空気中の有害成分や臭気成分の分解を促進する。触媒フィルタ(15)には、空気中の有害成分や臭気成分を吸着する吸着剤(例えば活性炭)が担持されている。
熱交換器(16)は、空気通路(11a)を流れる空気の加熱と冷却とを行う。具体的に、熱交換器(16)は、図示を省略した冷媒回路に接続されている。冷媒回路では、充填された冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。熱交換器(16)は、その内部を流れる低圧冷媒によって空気を冷却する蒸発器として機能する。また、熱交換器は、その内部を流れる高圧冷媒によって空気を加熱する凝縮器として機能する。ファン(17)は、空気通路(11a)の空気を搬送する。
〈放電ユニットの構成〉
放電ユニット(20)は、ストリーマ放電式に構成されている。つまり、放電ユニット(20)は、ストリーマ放電を行うことで低温プラズマを生成し、これに伴い空気中で反応性の高い活性種(高速電子、イオン、ラジカル、オゾン等)を生成する。放電ユニット(20)は、ケーシング(21)と、該ケーシング(21)に収容される電圧供給部(30)及び放電処理部(40)とを備えている。
〔ケーシング〕
図2に示すように、ケーシング(21)は、横長の略直方体形状に形成されている。ケーシング(21)は、絶縁性の樹脂材料で構成される。ケーシング(21)は、下側ケース部(22)と、該下側ケース部(22)の上部に取り付けられる上側ケース部(23)とで構成されている。ケーシング(21)の内部には、該ケーシング(21)の長手方向(左右方向)の中間部に仕切部(24)が設けられる。仕切部(24)は、ケーシング(21)の内部を左右の2つの空間に仕切っている。これらの空間のうち右側の空間が、機器収容室(26)を構成し、左側の空間が通風路(27)を構成する。なお、仕切部(24)は、詳細は後述する第2支持壁部(51)、第2導電性支持部(93)、及びその周囲に形成される複数のリブ(図示省略)によって構成される。
ケーシング(21)の前面の左側の略半分の部位には、2つの横長の流入口(28a,28b)が上下に並んで形成される。これらの流入口(28a,28b)のうち下側の流入口(28a)は、下側ケース部(22)の前面に形成され、上側の流入口(28b)は、上側ケース部(23)の前面下端部に形成される切欠によって構成されている。これらの流入口(28a,28b)は、ケーシング(21)の外部と通風路(27)とを連通させている。
ケーシング(21)の後面の左側の略半分の部位には、2つの横長の流出口(29)が上下に並んで形成される。これらの流出口(29)のうち下側の流出口(図示省略)は、上側ケース部(23)の後面下端部に形成される切欠によって構成され、上側の流出口(29)は、上側ケース部の後面の上縁部に形成されている。これらの流出口(29)は、通風路(27)とケーシング(21)の外部とを連通させている。
上側ケース部(23)の右側面の中央部には、ケーシング(21)の内部に向かって凹んだケース側凹部(23a)が形成されている。ケース側凹部(23a)の内部には、電圧供給部(30)のコネクタ(32)が配置される。
〔電圧供給部〕
図3及び図4に示すように、電圧供給部(30)は、機器収容室(26)に配置され、外部の電源から供給された電源電圧を放電処理部(40)へ供給するように構成される。電圧供給部(30)は、基板(31)と、上記コネクタ(32)と、電源トランス(33)と、アース接続部(34)(図4を参照)とを備えている。基板(31)は、機器収容室(26)の底部近傍に設置されている。基板(31)は、左右に横長の板状に形成され、機器収容室(26)の全域に亘るように配置されている。
コネクタ(32)は、基板(31)上の右側に設置されている。コネクタ(32)は、上述したようにケース側凹部(23a)の内部に配置され、ケーシング(21)の外部に露出している。コネクタ(32)には、外部電源と電気的に繋がる配線が接続される。
電源トランス(33)は、基板(31)上の左側に設置されている。電源トランス(33)は、コネクタ(32)を経由して外部から供給された電圧を昇圧するように構成される。電源トランス(33)の上面の左端部には、上方へ突出する差込ピン(35)(出力端子)が設けられる。差込ピン(35)は、前後に幅広な板状に形成され、突端(上端)に向かうにつれてその幅が縮小されている。この差込ピン(35)は、放電電極(70)の接続部(82)に差し込まれる。
電源トランス(33)には、差込ピン(35)の周囲を囲むトランス側周壁部(36)が形成されている。トランス側周壁部(36)は、横断面が矩形状の筒型に形成され、上側が開放されている。アース接続部(34)は、基板(31)上において、電源トランス(33)のトランス側周壁部(36)の後側(背面側)に設置されている。アース接続部(34)は、上方に突出する一対の金属製の爪部(34a,34a)で構成されている。この一対の爪部(34a,34a)の間に、対向電極(60)のアース接点部(65)が挟持される。また、アース接続部(34)及びアース接点部(65)の周囲には、アース側周壁部(54)が形成される(図4を参照)。
〔放電処理部〕
図3及び図4に示すように、放電処理部(40)は、ケーシング(21)の内部の左側に配置され、ストリーマ放電を生起するように構成される。図5〜図8にも示すように、放電処理部(40)は、ケーシング(21)の底部に設置される基台部(41)を有している。基台部(41)には、下側から上側に向かって順に、対向電極(60)、放電電極(70)、及びスタビライザ(90)が支持されている。
基台部(41)は、絶縁性の樹脂材料から成り、放電電極(70)と対向電極(60)とを絶縁しながら支持する絶縁性支持部材を構成している。対向電極(60)及び放電電極(70)は、導電性の金属電極で構成される。放電電極(70)は、電圧供給部(30)と電気的に接続され、高電圧が印加される。対向電極(60)は、アース接続部(34)と電気的に接続され、接地状態となっている。電圧供給部(30)から放電電極(70)と対向電極(60)との間に電圧が印加されると、両者の電極(60,70)の間でストリーマ放電が行われる。スタビライザ(90)は、導電性の樹脂材料から成り、放電電極(70)と同電位になるとともに放電電極(70)の近傍で安定した電界を形成するための導電性部材を構成している。
[基台部]
図5〜図8に示すように、基台部(41)は、その外形が左右方向(ケーシング(21))の長手方向に延びる横長形状に形成されている。基台部(41)は、左右方向に横長の枠状の基台部本体(42)を備えている。
基台部本体(42)は、横断面が矩形状の枠型に形成されている。基台部本体(42)は、前側に形成される前側壁部(43)と、後側に形成される後側壁部(44)と、左側に形成される第1側壁部(45)と、右側に形成される第2側壁部(46)とが一体に連続して構成されている。
第1側壁部(45)は、対向電極(60)の長手方向の一端(左端)を支持する第1樹脂製支持部を構成している。具体的に、第1側壁部(45)の上端部には、該第1側壁部(45)の外面から内面に亘って左右に延びる2つの溝(45a,45a)が形成されている。各溝(45a,45a)は、基台部本体(42)の内側に向かうにつれて、前後方向の幅が徐々に狭くなっている。つまり、各溝(45a,45a)の平面形状は、台形ないし楔形に形成されている。各溝(45a,45a)は、対向電極(60)の2つの突板部(62)がそれぞれ1つずつ内嵌する嵌合溝を構成している。
第1側壁部(45)の上端の内縁には、各突板部(62)を上側から覆うように前後に延びる2つの上端壁部(45b)(被覆部)が形成される。また、第1側壁部(45)の上端の外縁には、各突板部(62)を外部に露出させるように前後に延びる2つの切欠部(45c,45c)が形成される。各切欠部(45c,45c)は、第1側壁部(45)の外縁側(即ち、突板部(62)の突端側)に形成される。
第2側壁部(46)は、対向電極(60)の長手方向の他端(右端)を支持する第2樹脂製支持部を構成している。図8に示すように、第2側壁部(46)は、対向電極(60)の屈曲板部(63)が埋設される埋設部を構成している。
図5〜図8に示すように、基台部(41)は、第1底壁部(48)と第1支持壁部(49)とを有している。第1底壁部(48)は、基台部本体(42)の第1側壁部(45)の下端部から左方に延出している。第1支持壁部(49)は、樹脂製支持部を構成し、第1底壁部(48)の左端部から上方に延出している。第1支持壁部(49)の上端の幅方向の中間部には、下方に凹んだ第1上側凹部(49a)が形成されている。第1上側凹部(49a)の底面の幅方向の中間部には、更に下方に凹んだ第1下側凹部(49b)が形成されている。第1下側凹部(49b)の下端部の横断面は、放電電極(70)の長手方向内方に向かうにつれて前後の幅が徐々に狭くなっている。第1下側凹部(49b)は、放電電極(70)の延出部(73)が内嵌する嵌合溝を構成している。
基台部(41)は、第2底壁部(50)と第2支持壁部(51)とを有している。第2底壁部(50)は、基台部本体(42)の第2側壁部(46)の下部から右方に延出している。第2支持壁部(51)は、樹脂製支持部を構成し、第2底壁部(50)の左右方向の中間部から上方に延出している。第2支持壁部(51)の上端の幅方向の中間部には、下方に凹んだ第2上側凹部(51a)が形成されている。第2上側凹部(51a)の底面の幅方向の中間部には、更に下方に凹んだ第2下側凹部(51b)が形成されている。第2下側凹部(51b)の下端部の横断面は、放電電極(70)の長手方向内方へ向かうにつれて前後の幅が徐々に狭くなっている。第2下側凹部(51b)は、放電電極(70)の第1幅広部(76)が内嵌する嵌合溝を構成している。
第1下側凹部(49b)の底面と第2下側凹部(51b)の底面の高さは概ね等しくなっている。第2下側凹部(51b)の底面は、幅方向(前後方向)に延びて放電電極(70)の第1幅広部(76)を板厚方向に挟持するための下側幅広面(51c)を構成している。
基台部(41)は、第1突出板(52)と、第2突出板(53)と、上述したアース側周壁部(54)とを有している。第1突出板(52)は、基台部本体(42)の第2側壁部(46)と第2支持壁部(51)の間に配置され、第2底壁部(50)から上方に突出している。第1突出板(52)は、第2底壁部(50)の前端から後端に亘って前後に延びている。第2突出板(53)は、第2底壁部(50)の右端部から上方に突出している。第2突出板(53)は、第2底壁部(50)の前端から後端に亘って前後方向に延びている。
図5に示すように、アース側周壁部(54)は、第2突出板(53)の右面の後部に連続している。アース側周壁部(54)は、左側が開放された横断面Uの字状(コの字状)に形成され、その左側の一対の端部が第2突出板(53)に接続している。これにより、アース接続部(34)及びアース接点部(65)は、第2突出板(53)及びアース側周壁部(54)に囲まれている。
[対向電極]
対向電極(60)は、基台部本体(42)の長手方向に沿って延び、該基台部本体(42)に支持されている。図9に示すように、対向電極(60)は、電極本体を構成する対向部(61)と、対向部(61)の左端から突出する上記2つの突板部(62,62)(逆テーパ板部)と、対向部(61)から下方に屈曲した上記屈曲板部(63)とを有している。対向部(61)は、基台部本体(42)に囲まれる矩形板状に形成される。突板部(62)は、対向電極(60)の長手方向の内方に近づくにつれて(先端側から基端側に向かうにつれて)前後方向の幅が徐々に狭くなっている。突板部(62)の平面形状は、突端側が幅広となる台形ないし楔形に形成されている。各突板部(62)は、第1側壁部(45)の各溝(45a)に内嵌している。
屈曲板部(63)の中央部には、円形穴(63a)が形成されている。図8に示すように、屈曲板部(63)が第2側壁部(46)にモールドされた状態では、円形穴(63a)の内部に第2側壁部(46)を構成する樹脂が充填される。
図9に示すように、対向電極(60)は、アース連絡板(64)を有している。アース連絡板(64)は、ケーシング(21)の後面に沿って延びる平板状に形成される。アース連絡板(64)の一端(左端)は、屈曲板部(63)の右後側の角部に連結している。アース連絡板(64)の他端には、矩形穴(64a)が形成されている。なお、矩形穴(64a)に代えて円形状の穴を用いてもよい。アース連絡板(64)では、矩形穴(64a)の右側の端部が、上述したアース接点部(65)を構成する。このアース接点部(65)が、一対の爪部(34a,34a)に挟持されることで、アース接点部(65)がアース接続部(34)に接続され、対向電極(60)が接地状態となる(図4を参照)。
[放電電極]
図5に示すように、放電電極(70)は、基台部(41)の長手方向に沿って延び、該基台部(41)の第1支持壁部(49)と第2支持壁部(51)とによって支持されている。放電電極(70)は、全域に亘って厚みが均一となる薄板状に形成される。図5〜図8、図10に示すように、放電電極(70)は、左右に延びる細長い矩形状の支持部(71)と、該支持部(71)の前後の側面にそれぞれ支持される複数の放電針(72)とを有している。支持部(71)は、対向部(61)の上方に位置し、該対向部(61)の幅方向(前後方向)の中間部に対向している。支持部(71)及び放電針(72)は、放電電極(70)の電極本体を構成している。
本実施形態に係る複数の放電針(72)は、支持部(71)の長手方向に等間隔置きに配列されている。複数の放電針(72)は、支持部(71)の前側面から前方に突出する10本の放電針(72a)と、支持部(71)の後側面から後方に突出する10本の放電針(72b)とで構成されている。各放電針(72)は、通風路(27)を流れる空気流れに沿って延びている。なお、放電針(72a,72b)の本数は単なる例示であり、如何なる本数であってもよい。また、放電針(72)を支持部(71)の幅方向の一方の側面のみに設けてもよい。
放電電極(70)では、前側と後側の各放電針(72a,72b)の長さ(図10のL3)が互いに等しい。本実施形態の放電電極(70)では、前側の各放電針(72a)と後側の各放電針(72b)とが前後方向において同軸上に位置している。各放電針(72)は、前後に亘って縦断面が同一形状となる棒状ないし線状に形成されている。前側の各放電針(72a)は互いに平行に配列され、後側の各放電針(72b)も互いに平行に配列されている。各放電針(72)は、対向部(61)と実質的に平行に配置されている。
放電電極(70)には、支持部(71)の一端(左端)から前後方向に張り出した延出部(73)が形成されている。延出部(73)は、放電電極(70)の長手方向内方へ向かうにつれて(先端側から基端側に向かうにつれて)前後方向の幅が徐々に狭くなる逆テーパ板部を構成している。延出部(73)の平面形状は、突端側が幅広となる台形状に形成されている。延出部(73)は、第1下側凹部(49b)の下端部に内嵌している。つまり、第1下側凹部(49b)は、延出部(73)の外形に沿った形状をしている。
図10に示すように、延出部(73)は、支持部(71)から該延出部(73)の前端までの幅方向の距離L1と、支持部(71)から該延出部(73)の後端までの幅方向の距離L1とが互いに等しい。また、上記距離L1は、前側及び後側の各放電針(72)の長さL3より大きい。
放電電極(70)の他端側(右端側)には、電圧供給部(30)の差込ピン(35)に接続される接続部(82)と、支持部(71)と接続部(82)との間に連続して形成される連絡部(80)とが形成されている。
連絡部(80)には、支持部(71)側から接続部(82)側に向かって順に、第1幅広部(76)、第1と第2の細長部(77,78)、第2幅広部(79)、及び連結部(81)が形成されている。第1幅広部(76)は、支持部(71)の他端(右端)から前後方向の両側に延びている。第1幅広部(76)は、第2下側凹部(51b)の下側幅広面(51c)に設置される。また、第1幅広部(76)は、放電電極(70)の長手方向内方へ向かうにつれて(先端側から基端側に向かうにつれて)前後方向の幅が徐々に狭くなる逆テーパ板部を構成している。第1幅広部(76)の平面形状は、突端側が幅広となる台形状に形成されている。第1幅広部(76)は、第2下側凹部(51b)の下端部に内嵌している。つまり、第2下側凹部(51b)は、第1幅広部(76)の外形に沿った形状をしている。
図10に示すように、第1幅広部(76)は、支持部(71)の前縁から第1幅広部(76)の前端までの幅方向の距離L2と、支持部(71)の後縁から第1幅広部(76)の後端までの幅方向の距離L2とが互いに等しい。また、これらの距離L2は、各放電針(72a,72b)の長さL3よりも大きい。また、第1幅広部(76)の左右の幅W2は、支持部(71)の前後の幅W1よりも小さい。
第1幅広部(76)の両端には、第1細長部(77)の一端と、第2細長部(78)の一端とがそれぞれ接続している。第2幅広部(79)は、第1細長部(77)の他端と第2細長部(78)の他端とに亘るように前後方向に延びている。これにより、連絡部(80)では、第1幅広部(76)と第2幅広部(79)と2つの細長部(77,78)との間に、前後に延びる細長の開口(76b)が形成される。
各細長部(77,78)の幅W3、及び第2幅広部(79)の幅W4は、支持部(71)の幅W1よりも小さい。このため、各細長部(77,78)及び第2幅広部(79)は、支持部(71)よりも剛性の低い脆弱部(板バネ部(86))を構成する。即ち、各細長部(77,78)及び第2幅広部(79)は、支持部(71)よりも撓み変形、あるいは収縮変形し易く構成されている。
連結部(81)は、第2幅広部(79)の長手方向の中間部から右側に突出して形成される。接続部(82)は、矩形板状に形成され、連結部(81)の右前の角部に連続している。接続部(82)には、その内部に矩形波形のパターンに切り欠かれた切欠孔(83)が形成されている。より詳細には、接続部(82)では、その左縁部から右方に向かって突出する4本の左側突片部(84)と、該接続部(82)の右縁部から左方に向かって突出する3本の右側突片部(85)とが、互いに交互に並ぶように配列されている。なお、図10に示す状態は、上述した電源トランス(33)の差込ピン(35)が接続部(82)に差し込まれる前の状態である。
[スタビライザ]
図5〜図8に示すように、スタビライザ(90)は、放電電極(70)の上方に配置される。スタビライザ(90)は、放電電極(70)と同電位となる導電性部材を構成している。スタビライザ(90)は、放電電極(70)の放電針(72)の先端から対向電極(60)へ進展するストリーマ放電を安定させるための電界を形成する。
スタビライザ(90)は、縦断面視において下側が開放するU字状(コの字状)に形成されている。具体的に、スタビライザ(90)は、導電性中間部(91)と、第1導電性支持部(92)と、第2導電性支持部(93)(導電性支持部)とを有している。
導電性中間部(91)は、放電電極(70)の支持部(71)を挟んで対向部(61)と反対側に形成される平板状に形成される。つまり、導電性中間部(91)は、支持部(71)及び放電針(72)と平行に配置される。導電性中間部(91)は、前側の放電針(72a)の先端、及び後側の放電針(72b)の先端を覆うように幅広に形成される。
第1導電性支持部(92)は、導電性中間部(91)の長手方向の一端(左端)の下部に連続し、下方へ延出する板状に形成されている。第1導電性支持部(92)は、導電性中間部(91)に連続する板状の第1上側板部(92a)と、該第1上側板部(92a)の下面の幅方向の中間部から下方に突出する第1凸板部(92b)とで構成される。第1導電性支持部(92)は、第1上側板部(92a)が第1支持壁部(49)の第1上側凹部(49a)に嵌合し、第1凸板部(92b)が第1支持壁部(49)の第1下側凹部(49b)に嵌合するように構成される。
第2導電性支持部(93)は、導電性中間部(91)の長手方向の他端(右端)の下部に連続し、下方へ延出する板状に形成されている。第2導電性支持部(93)は、導電性中間部(91)に連続する板状の第2上側板部(93a)と、該第2上側板部(93a)の下面の幅方向の中間部から下方に突出する第2凸板部(93b)とで構成される。第2導電性支持部(93)は、第2上側板部(93a)が第2支持壁部(51)の第2上側凹部(51a)に嵌合し、第2凸板部(93b)が第2支持壁部(51)の第2下側凹部(51b)に嵌合するように構成される。第2導電性支持部(93)の第2凸板部(93b)の下面は、幅方向(前後方向)に延びて放電電極(70)の第1幅広部(76)を板厚方向に挟持するための上側幅広面(93c)を構成している。
放電電極(70)の第1幅広部(76)は、第2支持壁部(51)の下側幅広面(51c)と第2導電性支持部(93)の上側幅広面(93c)との間に挟持される。つまり、基台部(41)及びスタビライザ(90)は、放電電極(70)の第1幅広部(76)を板厚方向に挟持する一対の挟持部材を構成している。
−運転動作−
空気調和装置(10)の運転動作について説明する。図1に示す空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。空気調和装置(10)のファン(17)が運転されると、室内空間(S)の空気が、内気ダクト(12)を介して空気通路(11a)へ吸引される。この空気は、プレフィルタ(14)を通過する。プレフィルタ(14)では、空気中の比較的大きな塵埃が捕集される。
プレフィルタ(14)を通過した空気は、放電ユニット(20)を通過する(図2を参照)。具体的に、この空気は、ケーシング(21)の流入口(28a,28b)より通風路(27)へ流入する。放電ユニット(20)では、電圧供給部(30)の電源トランス(33)から放電電極(70)へ高電圧が印加される。この結果、放電電極(70)の放電針(72)の先端から対向電極(60)の対向部(61)に向かってストリーマ放電が進展する。また、高電圧は、放電電極(70)と接続するスタビライザ(90)にも印加される。これにより、放電針(72)から対向部(61)へ向かうストリーマ放電が安定する。
放電処理部(40)でストリーマ放電が行われると、これに伴い空気中で活性種が生成される。この結果、空気中の有害成分や臭気成分が活性種により酸化・分解され、空気が浄化される。通風路(27)の空気は、活性種とともに流出口(29)からケーシング(21)の外部へ流出し、触媒フィルタ(15)を通過する。触媒フィルタ(15)では、空気中の臭気成分等が吸着される。吸着された臭気成分は、活性種によって分解されることで、吸着剤が再生される。
このようにして浄化された空気は、熱交換器(16)で加熱又は冷却された後、給気ダクト(13)を介して室内空間(S)へ供給される。これにより、室内空間(S)の暖房や冷房が行われるとともに、室内空気の清浄化が行われる。
−放電ユニットの製造工程−
次いで、放電ユニット(20)の製造工程について、図11を参照しながら説明する。
まず、第1工程では、金型内に対向電極(60)を設置した状態で、絶縁性の樹脂材料から成る基台部(41)がインサート成型される。つまり、第1工程では、図11(A)に示すように、対向電極(60)が基台部(41)に支持されたユニットが一体成型される。図11(A)の状態では、対向電極(60)の2つの突板部(62)が、基台部(41)の各溝(45a)に嵌合して保持されるとともに、対向電極(60)の屈曲板部(63)が、基台部(41)の第2側壁部(46)の内部にモールドされる。
次いで、第2工程では、基台部(41)に放電電極(70)をセットする。具体的に、放電電極(70)の延出部(73)を第1下側凹部(49b)の下端に嵌合させると同時に、放電電極(70)の第1幅広部(76)を第2下側凹部(51b)の下端に嵌合させる(図11(B)を参照)。
次いで、第3工程では、別途、射出成型したスタビライザ(90)を基台部(41)に溶着する(図11(C)を参照)。具体的には、スタビライザ(90)の第1導電性支持部(92)の第1上側板部(92a)を第1支持壁部(49)の第1上側凹部(49a)に、スタビライザ(90)第1凸板部(92b)を第1支持壁部(49)の第1下側凹部(49b)に嵌合させた状態で、第1導電性支持部(92)と第1支持壁部(49)とを超音波溶着する。この結果、第1導電性支持部(92)と第1支持壁部(49)との間に放電電極(70)の延出部(73)が遊嵌しながら支持された状態で、第1導電性支持部(92)と第1支持壁部(49)とが固定される。
また、第3工程では、スタビライザ(90)の第2導電性支持部(93)の第2上側板部(93a)を第2支持壁部(51)の第2上側凹部(51a)に、スタビライザ(90)第2凸板部(93b)を第2支持壁部(51)の第2下側凹部(51b)に嵌合させた状態で、第2導電性支持部(93)と第2支持壁部とを超音波溶着する。この結果、第2導電性支持部(93)と第2支持壁部(51)との間に放電電極(70)の1幅広部(76)が遊嵌しながら支持された状態で、第1導電性支持部(92)と第1支持壁部(49)とが固定される。
以上のように、本実施形態では、金属製の対向電極(60)を樹脂製の基台部(41)にインサート成型した後、放電電極(70)を基台部(41)に支持され、その後、別途、成型したスタビライザ(90)を基台部(41)に溶着させることで、放電処理部(40)が製造される。
次いで、放電処理部(40)を放電ユニット(20)のケーシング(21)の内部に設置する。この際には、図12及び図13に示すように、放電電極(70)の接続部(82)に差込ピン(35)を挿通させるように、放電処理部(40)を下側ケース部(22)の底部に向かって下方へ移動させる。この結果、差込ピン(35)を挟んで両側に位置する各突片部(84,85)が上方へ湾曲し、湾曲した突片部(84,85)の間に差込ピン(35)が挟持される。これにより、放電電極(70)の接続部(82)と電圧供給部(30)とが直に接続される。
同時に、放電処理部(40)を下側ケース部(22)の底部に向かって下方へ移動させながら、対向電極(60)のアース接点部(65)をアース接続部(34)の一対の爪部(34a,34a)に挟持させる(図4を参照)。これにより、放電処理部(40)を下側ケース部(22)の内部にセットするだけで、放電電極(70)と電圧供給部(30)の接続と、対向電極(60)の接地とを同時に行うことができる。
このような状態の放電処理部(40)をビス等の固定部材(図示省略)によって下側ケース部(22)に固定し、その後、下側ケース部(22)の上部に上側ケース部(23)を取り付ける。この結果、上述した放電ユニット(20)を得ることができる。
−金属電極の撓み抑制対策等に係る作用及び効果−
ところで、上述のように金属製の対向電極(60)を樹脂性(例えばポリプロピレン製)の基台部(41)にインサート成型すると、その後に対向電極(60)及び基台部(41)の温度が急激に低下することで、対向電極(60)が厚さ方向に撓んでしまう可能性がある。
具体的には、例えば樹脂性の基台部(41)の熱膨張係数は、金属製の対向電極(60)の熱膨張係数と比較して極めて大きい。このため、インサート成型後に基台部(41)及び対向電極(60)が急激に冷やされると、基台部(41)の収縮変形量は、対向電極(60)の収縮変形量と比較して極めて大きくなる。特に、基台部(41)では、長手方向(左右方向)内方での収縮量が大きくなる。このため、基台部(41)に支持される対向部(61)に対し、基台部(41)の長手方向内方への収縮力が作用すると、対向部(61)が長手方向内方に圧縮され、厚さ方向に撓んでしまう。この結果、放電電極(70)の放電針(72)と対向電極(60)の対向部(61)との間の電極間距離を最適に保てず、安定した放電を行うことができない。
また、放電ユニット(20)の周囲温度は、空気調和装置(10)の使用環境によって大きく異なる。このため、放電ユニット(20)の周囲温度が極めて低くなった場合にも、基台部(41)の長手方向内方への収縮力が大きくなり、対向部(61)が厚さ方向に撓んでしまう虞がある。
同様に、放電ユニット(20)の周囲温度が急激に低下し、基台部(41)の長手方向内方への収縮力が放電電極(70)の支持部(71)に作用すると、支持部(71)が長手方向内方へ圧縮され、厚さ方向に撓んでしまう。この結果、放電電極(70)の放電針(72)と対向電極(60)の対向部(61)との間の電極間距離を最適に保てず、安定した放電を行うことができない。
以上のように、放電ユニット(20)では、対向電極(60)のインサート成形時や、周囲温度の変化に伴い基台部(41)の温度が低下すると、放電電極(70)や対向電極(60)が撓んでしまい、電極間距離を最適に保つことができないという問題が生じる。
そこで、本実施形態では、対向電極(60)や放電電極(70)に逆テーパ板部(62,73,76)を形成し、これらを基台部(41)の各嵌合溝(45a,49b,51b)(変形抑制部)に内嵌させることで、基台部(41)が長手方向内方に熱収縮しても、対向部(61)や支持部(71)が厚さ方向に撓んでしまうことを抑制している。この点について、以下に詳細に説明する。
〈対向電極の撓み防止対策等〉
図14に示すように、本実施形態の対向電極(60)の対向部(61)には、該対向部(61)の一端側(左側)の側縁部に2つの突板部(62)が形成される。本実施形態では、対向部(61)の幅方向の中間部(該中間部を通る長手方向の中心線C1)を挟んで両側にそれぞれ1つずつ突板部(62,62)が設けられる。より詳細に、一対の突板部(62,62)は、対向部(61)の左側の2つの角部の近傍に配置されている。また、本実施形態の各突板部(62,62)は、対向部(61)の幅方向外側の側面が、長手方向内方に向かうにつれて中心線C1に近づくような傾斜面(62a)を構成している。また、各突板部(62,62)は、対向部(61)の幅方向内側の側面が、対向部(61)の長手方向(中心線C1)に沿ったストレート面(62b)を構成している。
一方、基台部(41)の第1側壁部(45)に形成される各溝(45a)は、上述したインサート成型によって形成される。具体的に、インサート成型では、まず、基台部(41)の外形に沿った内壁を有する金型の内部に、対向電極(60)をセットする。この際、対向電極(60)の各突板部(62,62)の突端(左端)と金型の内壁との間に僅かな隙間を形成する。これにより、突板部(62,62)が金型と接触せず、突板部(62,62)や金型が傷ついたり、突板部(62,62)が変形したりすることを防止できる。
このような状態で、金型内に絶縁性樹脂を射出すると、対向電極(60)の周囲に基台部(41)が成型される。この際、突板部(62)と金型の間には僅かに隙間が形成されるため、この隙間の内部にも樹脂が充填され、この部位に樹脂性の薄膜(95)が形成される(図15(A)を参照)。そして、このインサート成型により、基台部(41)の第1側壁部(45)の上縁部には、各突板部(62)の外形に沿った形状の2つの溝(45a)と、各溝(45a)の上側の開放部をそれぞれ覆う上端壁部(45b)と、各突板部(62)の突端側部位を外部に露出させる2つの切欠部(45c)が形成される。
対向電極(60)と基台部(41)とのインサート成型の後、対向電極(60)及び基台部(41)が急激に冷やされると、基台部(41)が収縮変形しようとする。ここで、第1側壁部(45)が基台部(41)の長手方向内方へ収縮しようとすると、各溝(45a)が各突板部(62)に対して内側寄りに僅かに変位する(図15(B)を参照)。この際、突板部(62)の突端側に形成された薄膜(95)は、突板部(62)に押し込まれて破れることになる。
各突板部(62)は、対向部(61)の長手方向に向かうにつれて幅が狭くなっているため、各突板部(62)の傾斜面(62a)と、内側に変位した各溝(45a)の内壁との間には、僅かな隙間(G)が形成される。これにより、突板部(62)と各溝(45a)の内壁との間の摩擦抵抗が小さくなり、基台部(41)の長手方向内方の収縮力が突板部(62)に作用することを防止できる。この結果、突板部(62)が基台部(41)とともに長手方向内方へ収縮してしまうことを防止できる。
また、基台部(41)は、その幅方向内方にも収縮変形する。ここで、各突板部(62)では、幅方向の外側に傾斜面(62a)を形成する一方、幅方向の内側にストレート面(62b)を形成している。このため、基台部(41)が幅方向内方に収縮すると、各溝(45a)が各突板部(62)の傾斜面(62a)に沿うように長手方向内方へ変位する。一方、突板部(62)のストレート面(62b)は、各溝(45a)の幅方向内側の内壁(ストレート面)と面接触する。この結果、各突板部(62)と各溝(45a)との間の隙間(G)が過剰に拡がることを回避しつつ、第1側壁部(45)だけを対向電極(60)に対して相対的に変位させることができる(図15(C)を参照)。
このように本実施形態では、インサート成型後に基台部(41)が熱収縮しても、対向部(61)に長手方向内方への圧縮力が作用してしまうことを防止できる。この結果、対向部(61)が厚さ方向に撓んでしまうことを回避でき、放電電極(70)の放電針(72)と対向部(61)との間隔を最適に保持できる。
また、本実施形態では、各溝(45a)の上側の開放部にそれぞれ上端壁部(45b)を形成し、各突板部(62)の全周を樹脂で覆うようにしている。これにより、各突板部(62)が厚さ方向(上下方向)にガタついてしまうのを防止でき、放電電極(70)と対向電極(60)との間の電極間距離を最適に保持できる。
また、本実施形態の基台部(41)では、各突板部(62)の突端側部位を外部に露出させるように2つの切欠部(45c)をそれぞれ形成している。これにより、各突板部(62)に作用する摩擦抵抗を効果的に低減でき、基台部(41)の収縮力が突板部(62)に作用することを効果的に抑制できる。
更に、本実施形態の対向電極(60)では、対向部(61)の幅方向の中心線C1を挟んで、前後の両側にそれぞれ突板部(62)を1枚ずつ設けている(図14を参照)。このため、対向電極(60)が、中心線C1を軸として傾斜してしまうことを防止でき、対向部(61)の水平な平面度を保つことができる。この結果、放電電極(70)の放電針(72)と対向電極(60)の対向部(61)とを平行且つ最適な距離に保つことができる。
更に、本実施形態の対向電極(60)では、対向部(61)の他端側の屈曲板部(63)が第2側壁部(46)にモールドされる(図8を参照)。このため、屈曲板部(63)と放電電極(70)との間の漏れ電流を低減でき、放電電極(70)と対向電極(60)との間に所望とする高電圧を印加することができる。
〈放電電極の撓み防止対策等〉
上述したように、放電ユニット(20)の周囲温度が極めて低くなると、基台部(41)が長手方向に熱収縮し、これに伴い放電電極(70)の支持部(71)も長手方向内方に収縮し易くなる。本実施形態では、これを回避するために、放電電極(70)の支持部(71)の両側にもそれぞれ逆テーパ板部(73,76)を設けている。
具体的に、図16に示すように、放電電極(70)の支持部(71)の一端部(左端部)には、逆テーパ状の延出部(73)が形成されている。このため、周囲温度の変化に起因して基台部(41)が長手方向内方へ熱収縮しても、第1下側凹部(49b)と延出部(73)との間に僅かな隙間が形成されることにより、延出部(73)の前後の側面に作用する摩擦抵抗を低減できる。この結果、延出部(73)に対して第1支持壁部(49)だけを基台部(41)の長手方向内方へ変位させることができ、支持部(71)が厚さ方向に撓んでしまうのを防止できる。
また、図17に示すように、放電電極(70)の支持部(71)の他端部(右端部)には、逆テーパ状の第1幅広部(76)が形成されている。このため、周囲温度の変化に起因して基台部(41)が長手方向内方へ収縮しても、第2下側凹部(51b)と第1幅広部(76)との間に僅かな隙間が形成されることにより、第1幅広部(76)の前後の側面に作用する摩擦抵抗を低減できる。この結果、第1幅広部(76)に対して第2支持壁部(51)だけを基台部(41)の長手方向内方へ変位させることができ、支持部(71)が厚さ方向に撓んでしまうのを防止できる。
更に、第1幅広部(76)は、基台部(41)の第2支持壁部(51)とスタビライザ(90)の第2導電性支持部(93)の間に挟持されている。このため、接続部(82)の接続位置の誤差に起因して接続部(82)ないし連絡部(80)が撓み変形したとしても、この際に生じる力が支持部(71)へ伝わってしまうことを防止できる。これにより、放電電極(70)の支持部(71)が厚さ方向に撓むことを回避でき、放電針(72)と対向電極(60)との間の電極間距離を最適に保つことができる。
また、本実施形態では、支持部(71)よりも幅広の延出部(73)をスタビライザ(90)と基台部(41)との間に挟持し、且つ支持部(71)よりも幅広の第1幅広部(76)をスタビライザ(90)と基台部(41)との間に挟持している(図5を参照)。このようにすると、支持部(71)が中心線C2を軸として傾くことを回避でき、放電電極(70)の水平な平面度を確保できる。この結果、放電針(72)と対向部(61)とを平行且つ最適な距離に保つことができる。
また、本実施形態では、図10に示すように、第1幅広部(76)及び延出部(73)よりも幅方向の内側に各放電針(72)が位置している。これにより、放電電極(70)の搬送時や組み付け時等において、何らかのモノが放電針(72)に接触してしまうのを第1幅広部(76)や延出部(73)によって防止できる。従って、放電針(72)が曲がったり、折れたりすることを回避でき、放電ユニット(20)の信頼性を向上できる。
また、本実施形態では、図12に示すように、放電電極(70)の連絡部(80)に脆弱部(86)を設けている。この脆弱部(86)は、支持部(71)と比較して剛性が低く撓み変形ないし収縮変形しやすい。従って、放電電極(70)と電圧供給部(30)の接続位置に誤差が生じたとしても、放電電極(70)に作用する力を脆弱部(86)によって吸収できる。この結果、放電電極(70)の支持部(71)に力が伝達することを防止でき、支持部(71)の撓みを一層確実に防止できる。
また、このように放電電極(70)の連絡部(80)に脆弱部(86)を形成すると、接続部(82)での応力集中も回避できる。即ち、本実施形態の放電ユニット(20)では、上述したように基台部(41)、対向電極(60)、放電電極(70)、及びスタビライザ(90)が一体的な放電処理部(40)としてユニット化され、この放電処理部(40)がケーシング(21)の内部に固定される。このため、放電処理部(40)の取付誤差や、放電電極(70)と電圧供給部(30)の接続箇所の誤差が生じると、放電電極(70)の接続部(82)に応力が集中し、接続部(82)が折れ曲がったり、破損したりする虞がある。
これに対し、本実施形態では、放電電極(70)の連絡部(80)に脆弱部(86)を形成しているため、このような応力を脆弱部(86)によって吸収できる。この結果、放電電極(70)と電圧供給部(30)とを確実に接続でき、放電ユニット(20)の信頼性を向上できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、対向電極(60)の一端側(左側)の側縁部に2枚の突板部(62)を形成し、基台部(41)の第1支持壁部(49)に各突板部(62)に対応する2つの溝(45a,45a)を形成している。しかしながら、例えば図18に示すように、対向電極(60)の側縁部に1枚の突板部(62)を形成してもよいし、3つ以上の突板部(62)を形成してもよい。図5の例では、対向電極(60)の側縁部の幅方向の中間部に1枚の突板部(62)が形成され、基台部(41)には、この突板部(62)に対応する位置に溝(45a)(嵌合溝、変形抑制部)が設けられている。突板部(62)には、幅方向の両側にそれぞれ傾斜面(62a,62a)が形成されている。この構成においても、基台部(41)が熱収縮した際、対向部(61)に対して長手方向内方の圧縮力が作用するのを防止できるので、対向部(61)の厚さ方向の撓み変形を防止できる。なお、この1つの突板部(62)において、一方の側面に傾斜面(62a)を形成し、他方の側面にストレート面(62b)を形成してもよい。
また、上記実施形態に係る放電処理部(40)の製造工程では、図11に示すように、対向電極(60)と基台部(41)とをインサート成型した後、基台部(41)に放電電極(70)をセットした状態で、別途、樹脂成形したスタビライザ(90)を基台部(41)に溶着して固定している。しかしながら、対向電極(60)と基台部(41)とをインサート成型した後、基台部(41)に放電電極(70)をセットし、その後、入子部材等を嵌め込んだ後、放電電極(70)とスタビライザ(90)とをインサート成型してもよい。このようにすると、導電性樹脂から成るスタビライザ(90)の第1導電性支持部(92)と第2導電性支持部(93)(一対の樹脂製支持部)の各下面に、放電電極(70)の各逆テーパ板部(73,76)に沿った形状の嵌合溝を形成することができる。これにより、スタビライザ(90)のインサート成型後、このスタビライザ(90)が長手方向内方に熱収縮したとしても、上述した実施形態と同様にして、放電電極(70)の支持部(71)に圧縮力が作用することを回避できる。この結果、放電電極(70)の支持部(71)が厚さ方向に撓み変形してしまうことを回避でき、放電針(72)と対向部(61)との電極間距離を最適に保つことができる。
また、上記実施形態では、対向電極(60)の対向部(61)の一方の側縁部のみに逆テーパ板部(62)を形成しているが、他方の側縁部のみに逆テーパ板部を形成してもよいし、両方の側縁部に逆テーパ板部を形成してもよい。この構成においても、各テーパ板部に対応する位置に変形抑制部としての嵌合溝を形成することで、対向電極(60)の撓み変形を抑制できる。
同様に、本実施形態では、放電電極(70)の支持部(71)の両端部にそれぞれ逆テーパ板部(73,76)を形成しているが、いずれか一方のみに逆テーパ板部を形成し、この逆テーパ板部に対応する位置に嵌合溝を形成してもよい。
また、上記実施形態のアース側周壁部(54)(図5を参照)の内部に絶縁性の樹脂をモールド成型してもよいし、上記実施形態のトランス側周壁部(36)の内部に絶縁性の樹脂をモールド成型してもよい。これにより、各接続点からの漏れ電流を防止でき、放電電極(70)と対向電極(60)との間の電位差を確実に確保できる。
上述した実施形態の空気調和装置(10)は、天井(C)裏に設置されるものである。しかし、例えば壁掛式、天井埋込式、天井吊式等の他の方式の空気調和装置に本発明に係る放電ユニット(20)を適用してもよい。また、本実施形態に係る放電ユニット(20)を空気清浄機に適用してもよい。
以上説明したように、本発明は、放電電極と、対向電極とを備えた放電ユニットについて有用である。
20 放電ユニット
30 電源供給部
41 基台部(樹脂部材)
45 第1側壁部(樹脂製支持部)
45a 溝(嵌合溝、変形抑制部)
45b 被覆部(上端壁部)
45c 切欠部
46 第2側壁部(樹脂製支持部、埋設部)
49 第1支持壁部(樹脂製支持部)
49b 第2下側凹部(嵌合溝、変形抑制部)
51 第2支持壁部(樹脂製支持部)
51b 第2下側凹部(嵌合溝、変形抑制部)
60 対向電極
61 対向部(電極本体)
62 突板部(逆テーパ板部)
63 屈曲板部(他端側部位)
70 放電電極
71 支持部(電極本体)
72 放電針(電極本体)
73 延出部(逆テーパ板部)
76 第1幅広部(逆テーパ板部)
90 スタビライザ(樹脂部材)
92 第1導電性支持部(樹脂製支持部)
93 第2導電性支持部(樹脂製支持部)

Claims (10)

  1. 横長の樹脂部材(41,90)と、上記樹脂部材(41,90)の長手方向に沿って延び、互いに対向する放電電極(70)及び対向電極(60)と、該放電電極(70)と対向電極(60)との間に電圧を印加する電圧供給部(30)とを備えた放電ユニットであって、
    上記放電電極(70)と上記対向電極(60)の少なくとも一方は、金属電極(60,70)で構成され、
    上記樹脂部材(41,90)は、上記金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)の長手方向の両端を保持するための一対の樹脂製支持部(45,46,49,51,92,93)を有し、
    上記一対の樹脂製支持部(49,51,92,93)の少なくとも一方には、上記樹脂部材(41,90)が長手方向内方へ熱収縮しても、上記金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)が撓み変形するのを抑制する変形抑制部(45a,49b,51b)が設けられている
    ことを特徴とする放電ユニット。
  2. 請求項1において、
    上記金属電極(60,70)は、
    上記電極本体(61,71,72)の長手方向の少なくとも一方の端部に形成され、該電極本体(61,71,72)の長手方向内方に向かうにつれて幅が狭くなるように構成された少なくとも1枚の逆テーパ板部(62,73,76)を有し、
    上記変形抑制部(45a,49b,51b)は、上記樹脂部材(41,90)の長手方向内方に向かうにつれて幅が狭くなるように上記逆テーパ板部(62,73,76)の外形に沿った形状に構成され、該逆テーパ板部(62,73,76)が内嵌される嵌合溝(45a,49b,51b)で構成されている
    ことを特徴とする放電ユニット。
  3. 請求項2において、
    上記樹脂部材(41)は、上記嵌合溝(45a)の開放側に形成され、上記逆テーパ板部(62)を覆う被覆部(45b)を有している
    ことを特徴とする放電ユニット。
  4. 請求項3において、
    上記被覆部(45b)には、上記逆テーパ板部(62)の一部を外部へ露出させる切欠部(45c)が形成されている
    ことを特徴とする放電ユニット。
  5. 請求項4において、
    上記切欠部(45c)は、上記逆テーパ板部(62)の突端側に形成されている
    ことを特徴とする放電ユニット。
  6. 請求項2乃至5のいずれか1つにおいて、
    上記対向電極(60)は、平板状の上記電極本体(61)を有する上記金属電極(60)で構成され、
    上記逆テーパ板部(62)は、上記対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向の中間部を挟んで両側に1枚ずつ設けられ、
    上記樹脂部材(41,90)には、上記2枚の上記逆テーパ板部(62)に対応する位置にそれぞれ上記嵌合溝(45a)が1つずつ形成されている
    ことを特徴とする放電ユニット。
  7. 請求項6において、
    上記2つの逆テーパ板部(62)の各々は、
    上記対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向の外方側面に形成され、該電極本体(61)の長手方向内方に向かうにつれて電極本体(61)の幅方向中間部に近づく傾斜面(62a)と、
    上記対向電極(60)の電極本体(61)の幅方向の内方側面に形成され、該電極本体(61)の長手方向に沿ったストレート面(62b)とをそれぞれ有している
    ことを特徴とする放電ユニット。
  8. 請求項2乃至6のいずれか1つにおいて、
    上記逆テーパ板部(62,73,76)は、該逆テーパ板部(62,73,76)の幅方向の両側面に形成され、上記金属電極(60,70)の長手方向内方に向かうにつれて幅が狭くなるよう傾斜する2つの傾斜面(62a,73a,76a)を有している
    ことを特徴とする放電ユニット。
  9. 請求項2乃至8のいずれか1つにおいて、
    上記樹脂部材(41,90)は、上記放電電極(70)と対向電極(60)とを絶縁しながら支持する絶縁性の基台部(41)で構成され、
    上記対向電極(60)は、上記金属電極(60)で構成され、
    上記対向電極(60)には、上記電極本体(61)の長手方向の両端のちの一方のみに上記逆テーパ板部(62)が形成され、
    上記基台部(41)には、上記一対の樹脂製支持部(45,46)の一方に上記嵌合溝(45a)が設けられ、該一対の絶縁性支持部(49,51)の他方が上記対向電極(60)の長手方向の他端側部位(63)が埋設される埋設部(46)を構成する
    ことを特徴とする放電ユニット。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1つにおいて、
    上記樹脂部材(41,90)は、上記金属電極(60,70)の電極本体(61,71,72)の長手方向の両端を上記一対の樹脂製支持部(45,46)で保持しながら上記金属電極(60)とともにインサート成型されるように構成される
    ことを特徴とする放電ユニット。
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