JP2015225680A - 光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トレイの移動に際しての消費電力の低減を図る。【解決手段】光ディスクを載置するためのトレイと、前記トレイに装置の内外間を移動させるモータと、前記モータを駆動するための電圧を前記モータへ供給する電圧制御部とを備え、前記電圧制御部は、前記トレイの移動開始の指示を受け付けてから前記トレイが移動を開始するまでの特定期間に、前記モータの駆動に必要な所定の最小駆動電圧を前記モータへ供給し、当該特定期間の経過後に、前記モータへ供給する電圧を前記最小駆動電圧から上昇させる光ディスクドライブ装置。【選択図】図3
Description
本発明は、光ディスクドライブ装置に関する。
挿入された光ディスクの読み取り及び又は光ディスクへの書き込みを行う光ディスクドライブ装置は、光ディスクを載置するためのトレイ(あるいはトレー)を有する。トレイは、ユーザによるリモートコントローラ(リモコン)や開閉ボタンの操作等に応じて、光ディスクドライブ装置内の収容位置から光ディスクドライブ装置外の取り出し位置へ移動したり、取り出し位置から収容位置へ移動したりする。
関連技術として、載置用トレイをスライド駆動させる駆動手段の出力モータに駆動電源が低い印加電圧である初期の印加電圧を供給し、載置用トレイに掛かる負荷が大きくスライドしない場合に、制御手段が、載置用トレイのスライド開始まで出力モータへの印加電圧を段階的に増加させる命令信号を駆動電源に出力するように構成した光ディスクの再生装置が知られている(特許文献1参照)。
また、トレイの搬出モード(OPEN)においては、ローディングモータに印加する電圧を低く設定する(2.5V)ことによって、トレイを低速モードで駆動し、搬入モード(CLOSE)においては、ローディングモータに印加する電圧を高く設定して(5V)トレイを高速モードで駆動するディスク装置が知られている(特許文献2参照)。
また、トレイの搬出モード(OPEN)においては、ローディングモータに印加する電圧を低く設定する(2.5V)ことによって、トレイを低速モードで駆動し、搬入モード(CLOSE)においては、ローディングモータに印加する電圧を高く設定して(5V)トレイを高速モードで駆動するディスク装置が知られている(特許文献2参照)。
光ディスクドライブ装置において、トレイを移動させるためのモータに駆動用の電圧が供給された場合、当該電圧の供給開始後、直ちにトレイが移動を開始する訳ではなく、実際には、当該電圧の供給開始からトレイの移動開始まではある程度の間がある。このようなトレイが移動し始めるまでの期間に前記モータへ高い電圧を供給すると、当該期間に大量の電流が消費され、消費電力が増加するという課題があった。
なお前記文献1は、出力モータへ初期の印加電圧を供給し始めた後、トレイのスライド開始まで出力モータへの印加電圧を段階的に増加させる構成であるため、このような電圧の段階的な増加が、トレイのスライド開始までの期間における消費電力の増大を招いていた。また、前記文献2は、トレイの搬出モード、搬入モードのいずれにおいても、冒頭から(つまり、実際にはトレイが動いていない期間も含めて初めから)、ローディングモータに印加する電圧を、低速モードでの移動あるいは高速モードでの移動に必要な一定電圧にまで垂直に立ち上げており、消費電力の無駄が大きかった。
本発明は少なくとも上述の課題を解決するためになされたものであり、トレイの移動に際しての消費電力の低減に有効な光ディスクドライブ装置を提供する。
本発明の態様の一つは、光ディスクドライブ装置は、光ディスクを載置するためのトレイと、前記トレイに装置の内外間を移動させるモータと、前記モータを駆動するための電圧を前記モータへ供給する電圧制御部とを備え、前記電圧制御部は、前記トレイの移動開始の指示を受け付けてから前記トレイが移動を開始するまでの特定期間に、前記モータの駆動に必要な所定の最小駆動電圧を前記モータへ供給し、当該特定期間の経過後に、前記モータへ供給する電圧を前記最小駆動電圧から上昇させる。
本発明によれば、電圧制御部は、トレイの移動開始の指示を受け付けてからトレイが移動を開始するまでの特定期間に、モータの駆動に必要な最小駆動電圧をモータへ供給し、特定期間の経過後、つまりトレイが既に移動している状況で、モータへ供給する電圧を上昇させる。従って、当該特定期間に消費される電流量を抑え、トレイの移動に際しての消費電力を低減させることができる。
本発明の技術的思想は、光ディスクドライブ装置以外の態様によって実現されてもよい。例えば、光ディスクドライブ装置が実行する処理を方法の発明として捉えたり、当該処理を前記電圧制御部に実行させるためのプログラムや、当該プログラムを記憶したコンピューター読取可能な記憶媒体を、それぞれ発明として捉えることができる。また、光ディスクドライブ装置という単位ではなく、光ディスクドライブ装置の一部分や、光ディスクドライブ装置を内蔵する電子機器を、それぞれ一つの発明として捉えることも可能である。
本発明の実施形態として、前記電圧制御部は、前記特定期間において、前記モータへ供給する電圧を前記最小駆動電圧まで徐々に上昇させるとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、光ディスクドライブ装置は、前記トレイが移動を開始したことを検出する検出部を備える。そして、前記電圧制御部は、前記トレイの移動開始の指示を受け付けてから前記検出部が前記トレイが移動を開始したことを検出するまでの時間を前記特定期間とするとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、光ディスクドライブ装置は、前記トレイが移動を開始したことを検出する検出部を備える。そして、前記電圧制御部は、前記トレイの移動開始の指示を受け付けてから前記検出部が前記トレイが移動を開始したことを検出するまでの時間を前記特定期間とするとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、前記電圧制御部は、前記トレイの移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間に応じて前記特定期間の長さを変更するとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、前記電圧制御部は、前記トレイの移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間に応じて前記特定期間に前記モータへ供給する電圧を変更するとしてもよい。
また、本発明の実施形態として、前記電圧制御部は、前記トレイの移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間に応じて前記特定期間に前記モータへ供給する電圧を変更するとしてもよい。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を更に説明する。
(第1実施例)
図1は、実施形態にかかる光ディスクドライブ装置10の主要構成をブロック図により示している。光ディスクドライブ装置10において、光ディスクDは、ディスクトレイ(以下、トレイ)11に載置される。トレイ11は、光ディスクドライブ装置10内の収用位置P1から光ディスクドライブ装置10外の取り出し位置P2への移動と、取り出し位置P2から収用位置P1への移動とが可能である。トレイモータ12は、トレイ11の当該移動に必要な動力を生み出してトレイ11を移動させる。むろん、トレイモータ12やトレイ11の周辺には、トレイモータ12からの動力をトレイ11へ伝えるためのギア類や、トレイ11の当該移動を案内するためのガイド部材等が適宜配設されるが、知られた構成であるため図示を省略している。
(第1実施例)
図1は、実施形態にかかる光ディスクドライブ装置10の主要構成をブロック図により示している。光ディスクドライブ装置10において、光ディスクDは、ディスクトレイ(以下、トレイ)11に載置される。トレイ11は、光ディスクドライブ装置10内の収用位置P1から光ディスクドライブ装置10外の取り出し位置P2への移動と、取り出し位置P2から収用位置P1への移動とが可能である。トレイモータ12は、トレイ11の当該移動に必要な動力を生み出してトレイ11を移動させる。むろん、トレイモータ12やトレイ11の周辺には、トレイモータ12からの動力をトレイ11へ伝えるためのギア類や、トレイ11の当該移動を案内するためのガイド部材等が適宜配設されるが、知られた構成であるため図示を省略している。
収容位置P1に在るトレイ11に載置された光ディスクDは、スピンドル13によって回転させられる。スピンドル13は、スピンドルモータ14によって回転する。トラバースモータ15は、光ピックアップユニット16を光ディスクDの径方向に沿って駆動する。制御部17は、光ピックアップユニット16による光ディスクDに対する読み書き動作を制御する他、各モータ12,14,15を駆動する制御を行う。つまり、制御部17は、このような各種制御を実行するための回路(IC)や部位の総称である。制御部17は、各モータ12,14,15をそれぞれ制御するモータドライバとしても機能し、各モータ12,14,15の駆動に必要なレベルの電圧を適宜生成し、各モータ12,14,15へ供給することができる。制御部17は、少なくともその機能の一部により「電圧制御部」を実現する。
制御部17には、例えば、不揮発性の記憶領域であるメモリー17aが備えられている。また、制御部17に対しては、検出スイッチ18,19が接続されている。検出スイッチ18は、収用位置P1におけるトレイ11の有無(トレイ11が停止しているか否か)を機械的あるいは電気的に検出するための検出部である。検出スイッチ19は、取り出し位置P2におけるトレイ11の有無(トレイ11が停止しているか否か)を機械的あるいは電気的に検出するための検出部である。検出部18,19による検出結果(例えば、後述の検出信号SS)は、制御部17によって監視されている。
図2は、制御部17が本実施例にかかるプログラムに従って実行する電圧制御処理を示すフローチャートである。電圧制御処理は、トレイモータ12を駆動するためにトレイモータ12へ供給する電圧を制御する処理である。
ステップS100では、制御部17は、トレイ11の移動開始の指示を受け付けたか否か判定し、当該指示を受け付けた場合にステップS110へ進む。トレイ11の移動開始の指示とは、図示しないリモコンや開閉ボタン等の操作によるトレイ搬入/搬出の指示の他、光ディスクドライブ装置10を内蔵した、或いは、光ディスクドライブ装置10と通信可能な装置のOS等を介してのトレイ搬入/搬出の指示等、様々な態様でのトレイ11の移動開始の指示を含む。以下では特に断らない限り、収容位置P1から取り出し位置P2への移動(トレイ搬出)と、取り出し位置P2から収容位置P1への移動(トレイ搬入)とを区別せずに説明を行う。
ステップS100では、制御部17は、トレイ11の移動開始の指示を受け付けたか否か判定し、当該指示を受け付けた場合にステップS110へ進む。トレイ11の移動開始の指示とは、図示しないリモコンや開閉ボタン等の操作によるトレイ搬入/搬出の指示の他、光ディスクドライブ装置10を内蔵した、或いは、光ディスクドライブ装置10と通信可能な装置のOS等を介してのトレイ搬入/搬出の指示等、様々な態様でのトレイ11の移動開始の指示を含む。以下では特に断らない限り、収容位置P1から取り出し位置P2への移動(トレイ搬出)と、取り出し位置P2から収容位置P1への移動(トレイ搬入)とを区別せずに説明を行う。
ステップS110では、制御部17は、トレイモータ12の駆動に必要な所定の最小駆動電圧をトレイモータ12へ供給する。最小駆動電圧とは、もっとも単純には、トレイモータ12を製造するメーカによるトレイモータ12の製品仕様書に記載された値であり、トレイモータ12の駆動に最低限必要な電圧である。最小駆動電圧は、最低駆動(動作)電圧、等とも呼ばれる。あるいは、制御部17は、このような仕様書に記載された値に基づいて予め設定した所定の電圧を最小駆動電圧として用いてもよい。
ステップS120では、制御部17は、ステップS100でトレイ11の移動開始の指示を受け付けたと判定してから(≒ステップS110でトレイモータ12へ最小駆動電圧の供給を開始してから)、特定期間が経過したか否か判定する。本実施例において、特定期間とは、予め長さが設定された期間(例えばN秒)であり、具体的には、収容位置P1または取り出し位置P2で停止した状態のトレイ11が最小駆動電圧で駆動するトレイモータ12の動力によって移動し始めるまでに要する期間である。
制御部17は、このような予め設定された特定期間が経過していない場合(ステップS120において“No”)は、トレイモータ12へ供給する電圧を最小駆動電圧のままとし(ステップS110)、当該特定期間が経過した場合(ステップS120において“Yes”)、ステップS130へ進む。
ステップS130では、制御部17は、トレイモータ12へ供給する電圧を、最小駆動電圧から第2電圧へ、例えばリニアに上昇させる。第2電圧とは、所定の速度でトレイを移動させるために必要な予め設定された電圧である。その後、制御部17は、例えば、第2電圧を予め設定された期間だけトレイモータ12へ供給することにより、トレイ11を移動先(収容位置P1または取り出し位置P2)へ移動させることができる。
図3Aおよび図4Aは、電圧制御処理(図2)において観察される電圧や電流等の変化を示している。なお、図3Aおよび図4Aは同じ図である。図3Aおよび図4Aでは、時間T(横軸)に対して、トレイモータ12へ供給される電圧Vtの変化を実線で示し、トレイモータ12へ流れる電流Itの変化を1点鎖線で示し、トレイ11の位置Pの変化(例えば、取り出し位置P2から収容位置P1への変化)を2点鎖線で示している。
図3B、図4Bはそれぞれ、トレイモータ12に対する従来の電圧制御処理において観察される電圧や電流等の変化であり、図3Aおよび図4Aと同様の表現態様にて、電圧Vt、電流It、および位置Pを示している。
図3B、図4Bはそれぞれ、トレイモータ12に対する従来の電圧制御処理において観察される電圧や電流等の変化であり、図3Aおよび図4Aと同様の表現態様にて、電圧Vt、電流It、および位置Pを示している。
図3A(本実施例)と図3B(従来例1)とを比較すると、まず図3Aでは、トレイ11の移動開始の指示があった時点(T=T1)から、少なくとも特定期間Uの間は、電圧Vtは、最小駆動電圧(V1)が略維持され、その後、第2電圧(V2)へ上昇する。一方、図3Bでは、T=T1において直ちにトレイモータ12へ第2電圧(V2)が供給されている。ただし、このように直ちにトレイモータ12へ最小駆動電圧(V1)よりも高い第2電圧(V2)を供給したとしても、第2電圧(V2)の供給開始と同時にトレイ11が移動を開始する訳ではなく、位置Pはしばらく変わらない。このように図3Bでは、トレイ11が移動を開始する前から比較的高い電圧(第2電圧)をトレイモータ12へ供給しているために、鎖線で囲って示したように、トレイ11が移動を開始する前の期間において電流Itが急激に上昇している。
図4B(従来例2)では、T=T1において直ちにトレイモータ12へ第2電圧(V2)が供給される訳ではないが、T=T1の時点から電圧Vtは、第2電圧(V2)に向かって(例えばリニアに)上昇を開始している。より具体的には、図4Bでは、電圧Vtは、T=T1において最小駆動電圧(V1)からスタートし、最小駆動電圧(V1)を維持する期間を設けることなく第2電圧(V2)へ上昇している。つまり図4Bでは、トレイ11が移動を開始する前から、電圧Vtは最小駆動電圧(V1)から上昇した値となっている。そのため図4Bでは、図4A(本実施例)との比較から判るように、トレイ11が移動を開始する前の期間において図4A(本実施例)よりも電流Itが上昇している。
図5は、本実施例による効果を説明するための図であり、従来例1(図3B)の結果、従来例2(図4B)の結果、および本実施例(図2、図3A、図4A)の結果、を表形式で示している。Ave電流、Ave電圧は、T=T1の時点からトレイ11の移動が終わるまでの電流Itの平均値、電圧Vtの平均値であり、Ave電力は、Ave電流とAve電圧の積である。駆動時間は、T=T1の時点からトレイ11の移動が終わるまでに要した時間であり、消費電力は、当該駆動時間に消費した電力(駆動時間×Ave電力)である。このような図5によれば、消費電力が最も大きい従来例1を基準として消費電力の軽減率を算出すると、従来例2では約3%、本実施例では約9%という軽減率が得られる。
このように本実施例によれば、電圧制御部(制御部17)は、トレイ11の移動開始の指示を受け付けてからトレイ11が移動を開始するまでの特定期間Uは少なくとも、トレイモータ12へ最小駆動電圧(V1)を供給し、特定期間Uの経過後、つまりトレイ11が最小駆動電圧(V1)により移動を開始した後の状況で、トレイモータ12へ供給する電圧を最小駆動電圧(V1)から第2電圧(V2)へ上昇させるとした。これにより、トレイ11が移動を開始する前の状況での電流の消費を抑え(図3Aと図3Bとの比較、あるいは図4Aと図4Bとの比較を参照)、トレイ11の移動に際しての消費電力を低減させることができる(図5参照)。
実施形態は上述の内容に限られるものではなく種々の態様が考えられ、後述するような各実施例を採用可能である。本明細書における実施形態や実施例を適宜組み合わせた構成も、本発明の開示範囲に入る。以下では、既に説明した事項が適宜適用されるものとし、主に、既に説明した事項と異なる点を主に説明する。
(第2実施例)
ステップS110では、制御部17は、トレイモータ12へ最小駆動電圧を供給するに際し、トレイモータ12へ供給する電圧を最小駆動電圧まで徐々に上昇させるとしてもよい。
ステップS110では、制御部17は、トレイモータ12へ最小駆動電圧を供給するに際し、トレイモータ12へ供給する電圧を最小駆動電圧まで徐々に上昇させるとしてもよい。
図6は、第2実施例に対応する、電圧Vtの変化および位置Pの変化を示している。図6によれば、特定期間U内において、T=T1の時点から電圧Vtを最小駆動電圧(V1)とするのではなく、電圧Vtを0Vからリニアに最小駆動電圧(V1)まで上昇させた後、最小駆動電圧(V1)を略維持している。このような第2実施例によれば、トレイ11を移動させるためにトレイモータ12へ電圧供給を開始した際の初期(特定期間Uの初期段階)における電流の消費をより抑えることができる。
(第3実施例)
第1および第2実施例では、特定期間は予め長さが設定された期間であったが、特定期間は、実際にトレイ11が移動を開始するまでの期間であるとしてもよい。
図7は、第3実施例に関するタイミングチャート(電圧Vtの変化と、検出部18または検出部19が出力する検出信号SSの変化との関係)を示している。
第1および第2実施例では、特定期間は予め長さが設定された期間であったが、特定期間は、実際にトレイ11が移動を開始するまでの期間であるとしてもよい。
図7は、第3実施例に関するタイミングチャート(電圧Vtの変化と、検出部18または検出部19が出力する検出信号SSの変化との関係)を示している。
テップS120では、制御部17は、ステップS100でトレイ11の移動開始の指示を受け付けたと判定してから、トレイ11が移動を開始したことを示す検出信号SS(トレイ11が移動を開始したことを示す検出信号SSの変化)を認識するまで(T1〜T2の期間)は、特定期間が経過していない(ステップS120において“No”)として、トレイモータ12へ供給する電圧を最小駆動電圧とし(ステップS110)、トレイ11が移動を開始したことを示す検出信号SSを認識した場合(T=T2。ステップS120において“Yes”)、ステップS130へ進む。
つまり、収容位置P1から取り出し位置P2への移動(トレイ搬出)が指示されている場合には、収用位置P1からトレイ11が離れたことを示す変化が検出スイッチ18が出力する検出信号SSに現れるため、制御部17は、このような検出信号SSを検出部18から入力したときに、ステップS120において“Yes”の判定をする。また、取り出し位置P2から収容位置P1への移動(トレイ搬入)が指示されている場合には、取り出し位置P2からトレイ11が離れたことを示す変化が検出スイッチ19が出力する検出信号SSに現れるため、制御部17は、このような検出信号SSを検出部19から入力したときに、ステップS120において“Yes”の判定をする。
このような第3実施例によれば、トレイモータ12へ供給する電圧を、トレイ11が移動を開始する前に最小駆動電圧よりも上昇させてしまうことを、確実に回避できる。
このような第3実施例によれば、トレイモータ12へ供給する電圧を、トレイ11が移動を開始する前に最小駆動電圧よりも上昇させてしまうことを、確実に回避できる。
(第4実施例)
第1および第2実施例のように特定期間の長さが固定されていると、トレイ11の特性によっては、特定期間が終わるまでに移動を開始できないこともある。そして、トレイ11が移動を開始する前に特定期間が終わって最小駆動電圧よりも高い電圧がトレイモータ12へ供給される状況になると、停止しているトレイ11を動かすために消費される電流量が増加する。ここで言うトレイ11の特性とは、トレイ11と、トレイ11の周辺部位との間の摩擦係数が想定される。つまり、摩擦係数が相対的に高いトレイ11は、摩擦係数が低いトレイ11と比較して、移動を開始するまでに長い時間を要する。
第1および第2実施例のように特定期間の長さが固定されていると、トレイ11の特性によっては、特定期間が終わるまでに移動を開始できないこともある。そして、トレイ11が移動を開始する前に特定期間が終わって最小駆動電圧よりも高い電圧がトレイモータ12へ供給される状況になると、停止しているトレイ11を動かすために消費される電流量が増加する。ここで言うトレイ11の特性とは、トレイ11と、トレイ11の周辺部位との間の摩擦係数が想定される。つまり、摩擦係数が相対的に高いトレイ11は、摩擦係数が低いトレイ11と比較して、移動を開始するまでに長い時間を要する。
このような状況を鑑みて、第4実施例では、制御部17は、図8に示すフローチャート(特定期間設定処理)を実行することで、特定期間の設定を変更できるようにしている。制御部17は、基本的には特定期間設定処理(図8)を、電圧制御処理(図2)とは別のタイミングで随時実行することで、今後実行する電圧制御処理(図2)で用いるための特定期間を設定しておく。
第4実施例では、電圧制御処理(図2)を実行する場合、制御部17は、テップS120では、最新の特定期間設定処理(図8)で設定された長さの特定期間が経過したか否かを判定してステップS110またはステップS130へ処理を分岐する。また、制御部17は、電圧制御処理(図2)を実行する度に、トレイ11の移動開始の指示を受け付けてから(ステップS100において“Yes”の判定をしてから)トレイ11が移動を停止するまでに要した時間(移動時間と呼ぶ。)を計測して、メモリー17aに記憶する。収容位置P1から取り出し位置P2への移動(トレイ搬出)が指示されている場合には、取り出し位置P2でトレイ11が停止したことを検出スイッチ19が検出し、制御部17は、当該検出部19からの検出結果を入力したときに、移動時間の終了を認識する。また、取り出し位置P2から収容位置P1への移動(トレイ搬入)が指示されている場合には、収容位置P1でトレイ11が停止したことを検出スイッチ18が検出し、制御部17は、当該検出部18からの検出結果を入力したときに、移動時間の終了を認識する。
特定期間設定処理(図8)においては、制御部17は、メモリー17aに記憶されている過去複数回(例えば所定のX回)分の電圧制御処理(図2)毎の移動時間の平均値を算出する(ステップS200)。そして、ステップS210では、ステップS200で算出した移動時間の平均値が、所定のしきい値以上であるか否か判定し、移動時間の平均値が当該しきい値以上であればステップS220へ進み、移動時間の平均値が当該しきい値未満であればステップS230へ進む。
ステップS220では、制御部17は、長さが異なる2種類の特定期間(第1特定期間および第2特定期間)のうち、長い方の第2特定期間を、今後の電圧制御処理(図2)で用いるための特定期間として設定する。一方、ステップS230では、制御部17は、第1特定期間および第2特定期間のうち、短い方の第1特定期間を、今後の電圧制御処理(図2)で用いるための特定期間として設定する。第1特定期間は、移動時間が正常(前記摩擦係数が正常)と認められるトレイ11を想定して長さが定められた特定期間であり、特定期間のデフォルト値と呼べる。なお、第1および第2実施例で説明した特定期間は、基本的には当該デフォルト値である。一方、第2特定期間は、移動時間が比較的長い(前記摩擦係数が比較的高い)と認められるトレイ11を想定して長さが定められた特定期間である。
このように第4実施例によれば、制御部17は、トレイ11の移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間(過去の移動時間の平均値)に応じて特定期間の長さを変更するとした。つまり、制御部17は、過去の移動時間を学習し、学習結果に基づいて特定期間の長さを最適化すると言える。この結果、前記摩擦係数が比較的高いために、移動を開始するまでに比較的時間を要するトレイ11であっても、移動を開始する前に特定期間をオーバーしてしまうことを回避でき、上述したような電流の大きな消費を免れることができる。
(第5実施例)
第5実施例は、第4実施例の一部を変更したものである。第5実施例に関しては、第4実施例と異なる点を説明する。第5実施例では、制御部17は、特定期間設定処理(図8)の替わりに、図9に示すフローチャート(初期駆動電圧設定処理)を実行することで、特定期間にトレイモータ12へ供給する電圧(初期駆動電圧)を変更できるようにしている。制御部17は、基本的には初期駆動電圧設定処理(図9)を、電圧制御処理(図2)とは別のタイミングで随時実行することで、今後実行する電圧制御処理(図2)で用いる初期駆動電圧を設定しておく。
第5実施例は、第4実施例の一部を変更したものである。第5実施例に関しては、第4実施例と異なる点を説明する。第5実施例では、制御部17は、特定期間設定処理(図8)の替わりに、図9に示すフローチャート(初期駆動電圧設定処理)を実行することで、特定期間にトレイモータ12へ供給する電圧(初期駆動電圧)を変更できるようにしている。制御部17は、基本的には初期駆動電圧設定処理(図9)を、電圧制御処理(図2)とは別のタイミングで随時実行することで、今後実行する電圧制御処理(図2)で用いる初期駆動電圧を設定しておく。
第5実施例では、電圧制御処理(図2)を実行する場合、制御部17は、ステップS110では、最新の初期駆動電圧設定処理(図9)で設定されたレベルの初期駆動電圧をトレイモータ12へ供給し、ステップS120では、前記デフォルト値の特定期間(第1特定期間)が経過したか否かを判定してステップS110またはステップS130へ処理を分岐する。
初期駆動電圧設定処理(図9)は、ステップS200,S210は図8と同じであり、制御部17は、ステップS220(図8)の替わりにステップS240を実行し、ステップS230(図8)の替わりにステップS250を実行する。ステップS240では、制御部17は、レベルが異なる2種類の初期駆動電圧(第1初期駆動電圧および第2初期駆動電圧)のうち、高い方の第2初期駆動電圧を、今後の電圧制御処理(図2)で用いるための初期駆動電圧として設定する。一方、ステップS250では、制御部17は、第1初期駆動電圧および第2初期駆動電圧のうち、低い方の第1初期駆動電圧を、今後の電圧制御処理(図2)で用いるための初期駆動電圧として設定する。第1初期駆動電圧は、移動時間が正常(前記摩擦係数が正常)と認められるトレイ11を想定してレベルが定められた初期駆動電圧であり、初期駆動電圧のデフォルト値と呼べる。実態的には、最小駆動電圧が第1初期駆動電圧に該当する。一方、第2初期駆動電圧は、移動時間が比較的長い(前記摩擦係数が比較的高い)と認められるトレイ11を想定してレベルが定められた初期駆動電圧である。ただし、第2初期駆動電圧は、上述した第2電圧(V2)より低い値である。なお、初期駆動電圧として第2初期駆動電圧を設定した場合、制御部17は、電圧制御処理(図2)のステップS130では、トレイモータ12へ供給する電圧を、第2初期駆動電圧から第2電圧へ上昇させる。
このように第5実施例によれば、制御部17は、トレイ11の移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間(過去の移動時間の平均値)に応じて、特定期間にトレイモータ12へ供給する初期駆動電圧を変更するとした(最小駆動電圧のままとするか、最小駆動電圧よりも高い第2初期駆動電圧とする)。つまり、制御部17は、過去の移動時間を学習し、学習結果に基づいて初期駆動電圧を最適化すると言える。この結果、前記摩擦係数が比較的高いために、移動を開始するまでに比較的時間を要するトレイ11であっても、特定期間中に比較的高い初期起動電圧が供給されることで、移動を開始する前に特定期間をオーバーしてしまうことを回避でき、上述したような電流の大きな消費を免れることができる。
(その他)
上述した第4実施例および第5実施例を組み合わせて以下のように構成するとしてもよい。つまり、移動時間の平均値に応じて、以後の電圧制御処理(図2)で、
特定期間は第1特定期間とし、初期駆動電圧は第1初期駆動電圧とする第1モード、
特定期間は第2特定期間とし、初期駆動電圧は第1初期駆動電圧とする第2モード、
特定期間は第1特定期間とし、初期駆動電圧は第2初期駆動電圧とする第3モード、
特定期間は第2特定期間とし、初期駆動電圧は第2初期駆動電圧とする第4モード、
のいずれかを採用するようにしてもよい。
上述した第4実施例および第5実施例を組み合わせて以下のように構成するとしてもよい。つまり、移動時間の平均値に応じて、以後の電圧制御処理(図2)で、
特定期間は第1特定期間とし、初期駆動電圧は第1初期駆動電圧とする第1モード、
特定期間は第2特定期間とし、初期駆動電圧は第1初期駆動電圧とする第2モード、
特定期間は第1特定期間とし、初期駆動電圧は第2初期駆動電圧とする第3モード、
特定期間は第2特定期間とし、初期駆動電圧は第2初期駆動電圧とする第4モード、
のいずれかを採用するようにしてもよい。
光ディスクドライブ装置10は、単体で存在してもよいし、他の電子機器に内蔵されていてもよい。具体的には、光ディスクドライブ装置10は、DVD/ブルーレイレコーダや、テレビや、PC(パーソナルコンピュータ)等に内蔵される。
さらに、
・上記各実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、
・上記各実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記各実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、
・上記各実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記各実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、
は本発明の一実施例として開示されるものである。
・上記各実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、
・上記各実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記各実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、
・上記各実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記各実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、
は本発明の一実施例として開示されるものである。
10…光ディスクドライブ装置、11…トレイ、12…トレイモータ、17…制御部、17a…メモリー、18,19…検出スイッチ、D…光ディスク
Claims (5)
- 光ディスクを載置するためのトレイと、
前記トレイに装置の内外間を移動させるモータと、
前記モータを駆動するための電圧を前記モータへ供給する電圧制御部とを備え、
前記電圧制御部は、前記トレイの移動開始の指示を受け付けてから前記トレイが移動を開始するまでの特定期間に、前記モータの駆動に必要な所定の最小駆動電圧を前記モータへ供給し、当該特定期間の経過後に、前記モータへ供給する電圧を前記最小駆動電圧から上昇させることを特徴とする光ディスクドライブ装置。 - 前記電圧制御部は、前記特定期間において、前記モータへ供給する電圧を前記最小駆動電圧まで徐々に上昇させることを特徴とする請求項1に記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記トレイが移動を開始したことを検出する検出部を備え、
前記電圧制御部は、前記トレイの移動開始の指示を受け付けてから前記検出部が前記トレイが移動を開始したことを検出するまでの時間を前記特定期間とすることを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスクドライブ装置。 - 前記電圧制御部は、前記トレイの移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間に応じて前記特定期間の長さを変更することを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスクドライブ装置。
- 前記電圧制御部は、前記トレイの移動時間を計測して記憶し、当該記憶した移動時間に応じて前記特定期間に前記モータへ供給する電圧を変更することを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の光ディスクドライブ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014108729A JP2015225680A (ja) | 2014-05-27 | 2014-05-27 | 光ディスクドライブ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014108729A JP2015225680A (ja) | 2014-05-27 | 2014-05-27 | 光ディスクドライブ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015225680A true JP2015225680A (ja) | 2015-12-14 |
Family
ID=54842315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014108729A Pending JP2015225680A (ja) | 2014-05-27 | 2014-05-27 | 光ディスクドライブ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015225680A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102016222159A1 (de) | 2015-11-18 | 2017-05-18 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Pneumatischer Reifen |
-
2014
- 2014-05-27 JP JP2014108729A patent/JP2015225680A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102016222159A1 (de) | 2015-11-18 | 2017-05-18 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Pneumatischer Reifen |
DE102016222159B4 (de) | 2015-11-18 | 2021-12-30 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Pneumatischer Reifen |
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