JP2015225034A - 半透明材料の熱拡散率の測定方法 - Google Patents
半透明材料の熱拡散率の測定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015225034A JP2015225034A JP2014111454A JP2014111454A JP2015225034A JP 2015225034 A JP2015225034 A JP 2015225034A JP 2014111454 A JP2014111454 A JP 2014111454A JP 2014111454 A JP2014111454 A JP 2014111454A JP 2015225034 A JP2015225034 A JP 2015225034A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thermal diffusivity
- back surface
- temperature
- heat transfer
- translucent material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 title claims abstract description 151
- 238000000691 measurement method Methods 0.000 title abstract 4
- 238000012546 transfer Methods 0.000 claims abstract description 79
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims abstract description 54
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 claims abstract description 32
- 230000005855 radiation Effects 0.000 claims abstract description 31
- 238000009529 body temperature measurement Methods 0.000 claims abstract description 25
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims abstract description 14
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 77
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 claims description 63
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 18
- 230000002123 temporal effect Effects 0.000 claims description 3
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 abstract 1
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 91
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 51
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 description 21
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 12
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 7
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 5
- 229910010293 ceramic material Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000011810 insulating material Substances 0.000 description 4
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 4
- BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N platinum Chemical compound [Pt] BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000012780 transparent material Substances 0.000 description 4
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 3
- 230000008569 process Effects 0.000 description 3
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 2
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 2
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 2
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 2
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 2
- 229910052697 platinum Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000012935 Averaging Methods 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000011247 coating layer Substances 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 238000000151 deposition Methods 0.000 description 1
- 150000002016 disaccharides Chemical class 0.000 description 1
- 230000005670 electromagnetic radiation Effects 0.000 description 1
- 230000017525 heat dissipation Effects 0.000 description 1
- 230000031700 light absorption Effects 0.000 description 1
- 239000011148 porous material Substances 0.000 description 1
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 1
- 239000010979 ruby Substances 0.000 description 1
- 229910001750 ruby Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 1
- 239000007921 spray Substances 0.000 description 1
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Abstract
【解決手段】表面から裏面への熱移動が、拡散伝熱と放射伝熱により生じる半透明材料の熱拡散率の測定方法であり、半透明材料から作製した測定試料11の表裏面にそれぞれ、熱移動が拡散伝熱により生じる不透明材料16、17を密着配置し、一方の不透明材料16の表面を加熱光で照射し、他方の不透明材料17の裏面の温度を測定して、その温度変化を示す裏面温度測定データを求める第1工程と、半透明材料の熱拡散率を変数として含み、不透明材料16の表面を加熱光で照射した際の不透明材料17の裏面の温度の理論的な時間変化を示す、拡散伝熱と放射伝熱を用いた裏面温度理論式と、裏面温度測定データとを比較して、半透明材料の熱拡散率を決定する第2工程とを有する。
【選択図】図1
Description
このとき、試料が満足すべき必要条件は、裏面温度理論式が導出される際の試料の条件となる。
(i)試料の表面から裏面へ(5)式のフーリエの式に基づき、(1)式を変形した(6)式の一次元熱伝導方程式が成立する。
(ii)試料の表面に照射するレーザ光のエネルギーが試料の表面で吸収される。
また、測定して得られた裏面温度測定データと比較する裏面温度理論式としては、(7)式〜(9)式に示す時間空間解や、(10)式及び(11)式に示すラプラス空間解が用いられる。なお、(7)式中のanは(8)式で、βnは(9)式で、それぞれ定義する。
例えば、透光性材料や断熱材等の半透明材料の熱拡散率を測定する場合、作製した測定試料の表裏面に黒化膜や金属膜を形成し不透光化して測定する。なお、断熱材のような半透明材料の多くは不均質材であるため、この熱拡散率を測定する場合は、更に、近似的に均質で緻密とみなされる程度にまで、測定試料を厚くして測定する。
前記半透明材料から作製した測定試料の表裏面にそれぞれ、熱移動が拡散伝熱により生じる不透明材料を密着配置し、一方の前記不透明材料の表面を加熱光で照射し、他方の前記不透明材料の裏面の温度を測定して、該裏面の温度変化を示す裏面温度測定データを求める第1工程と、
前記半透明材料の熱拡散率を変数として含み、前記不透明材料の表面を加熱光で照射した際の前記不透明材料の裏面の温度の理論的な時間変化を示す、前記拡散伝熱と前記放射伝熱を用いた裏面温度理論式と、前記裏面温度測定データとを比較して、前記半透明材料の熱拡散率を決定する第2工程とを有する。
ここで、前記2乗偏差を最小とする条件は、前記変数をすべて独立変数として求めることができる。
また、前記2乗偏差を最小とする条件は、前記裏面温度測定データの温度減衰領域から求まる実測減衰時定数と、前記裏面温度理論式から求まる時定数とを同値とする付加条件を用いて求めることができる。
また、裏面温度理論式が更に、不透明材料のビオ数を変数として含む場合、特に、高温時における半透明材料の熱拡散率を精度よく求めることができる。これは、高温時に、試料の表裏面より放射されるエネルギーを無視できず、この現象を表すビオ数(各不透明材料の放射率と定常温度T0 3の積に比例)が無視できないことによる。なお、高温時とは、放射伝熱現象が無視できなくなる温度域であり、例えば、800K以上であり、上限は特に限定されるものではない。
まず、本発明の一実施の形態に係る半透明材料の熱拡散率の測定方法を適用する測定装置10について、図1(a)、(b)を参照しながら説明する。
・試料内で電磁波の放射と吸収の現象を行う材料であり、吸収係数μ、屈折率の2乗n2、及び、温度Tの積に比例した電磁波の放射がある材料である(電磁波の放射と吸収の現象は、透明材料では生じず、半透明材料で生じる)。ここに、温度Tは、定常温度T0から加熱光(レーザ光)照射により上昇する温度増分である。
・試料の両端面間で多重反射の現象がある材料である。
この半透明材料を用いて作製する測定試料11は、例えば、直径10mm、厚さ数ミリ程度のものであるが、測定条件に応じて形状や寸法を種々変更できる。
上記したように、測定試料11の表面に板材16を密着させることで、板材16の表面に照射したレーザ光のエネルギーを、表面で100%吸収させることができる。更に、吸収させた熱を拡散伝熱にしたがって測定試料11に供給することができる。
一方、測定試料11の裏面に板材17を密着させることで、測定試料11を通過した熱を受取って、拡散伝熱にしたがって移動させることができ、裏面温度を表す裏面温度理論式を、一次元熱伝導方程式の解として求めることができる。
レーザ光検出部13は、レーザ光発生部12から発生したレーザ光の加熱波形(レーザ光波形)の検出を行うものである。
ハーフミラー14は、レーザ光の吸収率が極めて小さく、かつ、透過性が極めて高い材質を有する基材で形成されている。例えば、入射したレーザ光から、予め設定した光量のレーザ光を反射させ、残部を通過させるコーティング層を、基材の表面に設けた構成とすることができる。
また、ハーフミラー14の光軸と3層材18の中心軸(厚み方向に沿った)とを一致させることにより、3層材18の表面を、通過したレーザ光で照射して加熱することができる。これにより、3層材18の表面をレーザ光で照射した場合、3層材18の裏面の温度変化を非定常の一次元熱伝導方程式により表すことができる。
なお、演算処理部19は、前記の各機能を発現するプログラムをコンピュータに搭載することにより形成できる。
また、出力器20には、例えば、コンピュータ用の表示機器、印字機器が使用できる。
まず、測定しようとする半透明材料から測定試料11を作製する。そして、測定試料11の表裏面に、熱移動が拡散伝熱のみの不透明材料からなる板材16、17をそれぞれ密着配置して、3層材18を形成する。
また、板材16、17は、測定試料11の表裏面にセラミックス材又は金属材を蒸着することにより、あるいは、測定試料11の表裏面にセラミックス材又は金属材の微粉末を塗布して焼付けることにより、更には、カーボンスプレーにより形成することもできる。これにより、板材の形成と、板材の測定試料11の表裏面への密着を同時に行うことができる。
また、一方の板材16について、密度ρ1、比熱c1、熱拡散率α1、熱伝導率k1、厚みdl1、及び、放射率ε1を変数とし、測定試料11について、密度ρ2、比熱c2、熱拡散率α2、熱伝導率k2、厚みdl2、屈折率の2乗n2、及び、吸収係数μを変数とし、他方の板材17について、密度ρ3、比熱c3、熱拡散率α3、熱伝導率k3、厚みdl3、及び、放射率ε3を変数とし、更に、レーザ光照射前の試料温度T0を変数として(既知のデータはその数値を)、演算処理部19に入力する。
ここで、発射されたレーザ光はハーフミラー14に到達し、ハーフミラー14によってレーザ光の光量の一部が反射され、レーザ光検出部13に入射して、レーザ光の波形が求められ、そのデータが演算処理部19に入力される。また、ハーフミラー14を透過した残部のレーザ光は、3層材18の表面に到達し、表面を加熱する。
このときの温度変化を、例えば、放射型温度計を備えた温度測定部15により測定し、得られた測定値は演算処理部19に入力される。なお、演算処理部19では、入力された測定値を記録すると共に、測定値のラプラス変換を行って裏面温度測定データTm(p)を作成し記録する(以上、第1工程)。
3層材18を温度(定常温度)T0に設定した後、第1層である板材16(以下、単に第1層ともいう)の表面をレーザ光で照射して、第3層である板材17(以下、単に第3層ともいう)の裏面温度を測定するものとする。
ここで、温度T0からの温度変化をTとする。また、第1層の表面座標をx=0とし、第3層の裏面座標をx=L3とし、第1層と第2層の測定試料11(以下、単に第2層ともいう)との界面座標をx=L1、また、第2層と第3層の界面座標をx=L2とする。
ここで、第1層の表面からの外部への放射エネルギーと、第1層の裏面から第2層への放射エネルギーを区別するため、表面から外部への放射エネルギーにはu0を付ける。同様に、第3層についても裏面(x=L3)から外部への放射エネルギーにu1を付ける。また、3層材18の表裏面よりエネルギー放射がある場合、u0とu1は1とする。
従って、以下の関係が成り立つ。
dl1+dl2=L2
dl1+dl2+dl3=L3
λ1=4ε1σT0 3
λ3=4ε3σT0 3
そして、第2層内部からの放射に関する定数λ2は、以下のように示される。
λ2=e1n2σT0 3
なお、上記したe1は定数(例えば、e1=8πがあるが、放射や吸収のモデルのたて方により多少異なるものと考えられ、e1=32/3等もある。)であり、σはステファンボルツマン定数である。また、3層材の裏面温度の減衰を時定数τとして定義する。
以上のことから、第2層である測定試料11内部の単位体積、かつ、単位時間当たりに放射されるエネルギーqνは、(12)式で与えられる。
ラプラス空間における裏面温度理論式T(L3,p)は、上記した3層材18の表面をレーザ光で照射した場合の裏面温度の理論的な時間変化を示す(13)式で示される。
ここで、測定試料11は、熱移動が拡散伝熱と放射伝熱により生じる材料で構成されていることから、裏面温度理論式T(L3,p)は、(14)式の放射伝熱的温度式Trad(L3,p)と、(15)式の拡散伝熱的温度式Tdif(L3,p)の和として表される。この(14)式中のAと(15)式中のBは、定数である。
また、(14)式と(15)式の右辺のTs(L3,β)は、(16)式で表される。なお、(16)式中の右辺分子のk1r1k2βk3r3の係数は、レーザ光の照射により、3層材18の表面に吸収される単位面積当たりのエネルギーQf(t)を、ラプラス変換したものである。ここで、Qは単位面積当たりの入熱量を、tは時間を表す。
従って、吸収係数μがこの値μcより小さい場合は、放射伝熱的熱伝導が主体となり、一方、吸収係数μがこの値μcより大きい場合は、拡散伝熱的熱伝導が主体となる。この両熱伝導の境界を定義する吸収係数μcは、図2に示す(23)式の光学厚さ式で与えられる。なお、図2において、(23)式の線より左側が放射伝熱的熱伝導であり、右側が拡散伝熱的熱伝導である。また、光学厚さは、吸収係数μと厚さL(=dl2)の積で表される。
この(23)式において、e2は定数である。また、この境界の吸収係数μcを用いて、(21)式と(22)式に用いるラプラス変数pcを、(24)式に示す。
なお、第1層と第2層の界面における第2層内への放射が、3次元的に放射されるランバート面特性のような場合には、定数e2は(25)式とは異なる定数となると考えられるが、それは個々の面の特性に合わせて設定するものとする。このランバート面とは、界面垂直方向からの角度をθとすると、面からの放射強度はI0cos(θ)となるような面である。また、I0は、垂直方向の放射強度である。
これは、第2層と第3層の界面についても同様である。
定数Aは、放射伝熱的温度式Trad(L3,p)に用いるものであり、定数Bは、拡散伝熱的温度式Tdif(L3,p)に用いるものである。
ここで、図3(a)、(b)に、温度T=300KとT=2000Kのそれぞれにおける両定数A、Bの吸収係数依存性を示す。
図3(a)、(b)に示すように、吸収係数μが大きくなるに伴い、μ=μcにおいて、定数(係数)Aは1から0に、また、定数(係数)Bは0から1に、それぞれ変化することがわかる。なお、この変化は温度により多少異なる。
解析法としては、直接法と時定数法があるが、まず、解析法の概略について説明する。
上記したように、演算処理部19で裏面温度理論式が求まると、演算処理部19では、裏面温度理論式Tth(理論裏面温度データ)と裏面温度測定データTmを用いて、(26)式で表される2乗偏差式Rを作成する。
この2乗偏差の総和は、ラプラス変数pを複数設定して作成するものであり、裏面温度理論式T(L3,p)と裏面温度測定データTm(p)の2乗偏差の和で示される。なお、(26)式中のiは、i=1、2、3であり、1は第1層(板材16)、2は第2層(測定試料11)、3は第3層(板材17)を、それぞれ示している。
この解析に際しては、第2層の比熱c2、密度ρ2、及び、厚さdl2を既知とし、第2層の熱拡散率α2、吸収係数μ、屈折率の2乗n2、及び、試料表裏面(第1層と第3層)からの熱損失を表すビオ数hを、それぞれ解析するものとする。
なお、ビオ数hは、第1層と第3層の物性値及び放射率を同一として、第1層と第3層の熱伝導率k1、k3、及び、放射率ε1、ε3を用いて、(27)式で表される。これより、ビオ数hを解析することは、第1層と第3層の放射率ε1、ε3を解析することと同じである。
ここで、解析する変数(独立変数)として、(28)式〜(33)式の組み合わせを検討する。
(a1)第2層の熱拡散率以外の変数を固定し、熱拡散率のみを変数として、2乗偏差が最小値を与える熱拡散率を計算する。
(a2)熱拡散率とビオ数以外の変数を固定してビオ数を複数設定し、各ビオ数に対して上記(a1)の計算を行い、次に、2乗偏差が小さくなる方向にビオ数を再設定して、上記(a1)の計算を行う。この手順を繰り返すことにより、2乗偏差を最小とする熱拡散率とビオ数を求める。
これにより、熱拡散率α2とビオ数hが求まる。
ここでは、まず、上記(a1)の計算を行った後、上記(a2)におけるビオ数を、吸収係数又は屈折率の2乗に変更して、上記(a2)の計算を行う。
これにより、熱拡散率α2と吸収係数μ又は屈折率の2乗n2が求まる。
ここでは、上記(a1)と上記(a2)の計算を順次行った後、第2層の吸収係数又は屈折率の2乗を第3の変数とし、この変数を複数設定する。そして、各第3の変数に対して上記(a2)の計算を行い、次に、2乗偏差が小さくなる方向にこの第3の変数を再設定して、上記(a2)の計算を行い、この手順を繰り返す(以上、(a3))。
これにより、2乗偏差を最小とする熱拡散率α2、ビオ数h、及び、第3の変数(即ち、吸収係数μ又は屈折率の2乗n2)が求まる。
ここでは、まず、上記(a1)の計算を行った後、第2層の吸収係数を第2の変数とし、屈折率の2乗を第3の変数として、上記(a2)と上記(a3)と同様の計算を行うことにより、熱拡散率α2、吸収係数μ、及び、屈折率の2乗n2が求まる。
なお、図7では、熱拡散率α2、吸収係数μ、及び、屈折率の2乗n2の順に、解析する方法を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、熱拡散率α2、屈折率の2乗n2、及び、吸収係数μの順に解析することもできる。
ここで、解析する変数として、前記した(28)式、(31)式、及び、(32)式と、(34)式の組み合わせを検討する。
この推察に基づく時定数法の解析フローの一例を、図8〜図10にそれぞれ示す。詳細には、(28)式に対する解析フローを図8に、(31)式と(32)式に対する解析フローを図9に、(34)式に対する解析フローを図10に、それぞれ示している。
(b1)第2層の熱拡散率の初期値と裏面温度測定データの温度減衰領域から求まる時定数(実測減衰時定数)と時定数理論式をもとに、ビオ数の初期値を計算する。
(b2)第2層の屈折率の2乗と吸収係数を固定した状態で、ビオ数の初期値をもとに、2乗偏差を最小とする第2層の熱拡散率を計算する。
(b3)計算により求めた熱拡散率を、後述する時定数式に代入して、ビオ数を更新する。そして、このビオ数を、前記した(27)式に代入し、第1層と第3層の放射率ε1、ε3を更新する。
(b4)更新したビオ数をもとに、上記(b2)にて熱拡散率の計算を行い、上記(b3)でビオ数を更新する繰り返し計算を行うことにより、熱拡散率とビオ数を求める。
これにより、熱拡散率α2とビオ数hが求まる。
上記(b1)〜(b4)の計算を順次行う。
(b5)第2層の屈折率の2乗(又は吸収係数)を第3の変数として複数設定し、各第3の変数に対し上記(b2)〜(b4)の計算を実施して、各第3の変数に対して2乗偏差を最小とする熱拡散率とビオ数を求める。そして、2乗偏差が小さくなる方向に第3の変数を新たに設定して、上記(b2)〜(b4)を繰り返す計算を行い、2乗偏差が最小となる第3の変数、熱拡散率、及び、ビオ数を求める。
これにより、熱拡散率α2、ビオ数h、及び、第3の変数が求まる。
上記(b1)〜(b5)の計算を順次行う。
(b6)上記(b1)〜(b5)の計算で取り上げていない変数である第2層の吸収係数(又は屈折率の2乗)を第4の変数とし、この第4の変数を複数設定し、各第4の変数に対し上記(b2)〜(b5)の計算を実施して、各第4の変数に対して2乗偏差を最小とする熱拡散率、ビオ数、及び、第3の変数を求める。そして、2乗偏差が小さくなる方向に第4の変数を新たに設定して、上記(b2)〜(b5)を繰り返す計算を行い、2乗偏差が最小となる第4の変数、熱拡散率α2、ビオ数h、及び第3の変数を求める。
なお、図10では、第3の変数を屈折率の2乗とし、第4の変数を吸収係数として、解析する方法を示したが、この変数を逆、即ち、第3の変数を吸収係数とし、第4の変数を屈折率の2乗として、解析することも可能である。
以下に、1)吸収係数が小さく(35)式が成立する場合、2)吸収係数が大きく(36)式が成立する場合、3)試料内部への放射伝熱が無視でき3層の不透明体の時定数が成立する場合のそれぞれの時定数式を記載する。なお、上記1)及び2)は、それぞれの条件が成立するときに用いるべき時定数式であり、3)は、吸収係数とは無関係に使用する時定数式である。
時定数τは、以下に示すf0、s0、s1cosh、s1sinhを用いて、(39)式〜(43)式で表される。
時定数τは、以下に示すf、s0、s1を用いて、(45)式〜(48)式で表される。
内部への放射伝熱が無視できる場合、以下に示す各層が不透明体の3層材の時定数式を用いることができる。なお、本式は試料加熱後に、試料全体の温度が平衡に到達した後は、半透明体においても近似的に成立する。
以下に、吸収係数が小さく前記した(35)式が成立する場合と、吸収係数が大きく前記した(36)式が成立する場合の解析結果を示す。ここで、吸収係数が前記した(23)式に示す光学厚さの境界付近(即ち(51)式)の値を持つ場合には、この近似は成立せず、前記した(13)式の温度式を用いて、同様の解析を実施することになる。なお、この場合の解析結果については記載していないが、同様の手順で、第2層の熱拡散率や他の解析を行うことができる。
ここで、解析を行うに際しては、ε1=n2=ε3=0.8とした。
ここで、解析を行うに際しては、ε1=n2=ε3=0.8とした。
従って、本発明の半透明材料の熱拡散率の測定方法を用いることで、放射伝達現象が生じる場合にも、拡散伝熱の熱拡散率を精度よく測定できることがわかる。
また、前記実施の形態においては、加熱光として、レーザ光を使用した場合について説明したが、例えば、可視光や赤外光等の電磁波を使用することもでき、また、加熱板を3層材の表面に接触させる方法を適用することも可能である。
更に、使用する物性値には、電磁波の波長依存性を示すもの(放射率、吸収係数、屈折率2乗)があるため、これらは必要に応じて、波長による平均化処理を行うことが好ましい。
Claims (6)
- 表面から裏面への熱移動が、拡散伝熱と放射伝熱により生じる半透明材料の熱拡散率の測定方法であって、
前記半透明材料から作製した測定試料の表裏面にそれぞれ、熱移動が拡散伝熱により生じる不透明材料を密着配置し、一方の前記不透明材料の表面を加熱光で照射し、他方の前記不透明材料の裏面の温度を測定して、該裏面の温度変化を示す裏面温度測定データを求める第1工程と、
前記半透明材料の熱拡散率を変数として含み、前記不透明材料の表面を加熱光で照射した際の前記不透明材料の裏面の温度の理論的な時間変化を示す、前記拡散伝熱と前記放射伝熱を用いた裏面温度理論式と、前記裏面温度測定データとを比較して、前記半透明材料の熱拡散率を決定する第2工程とを有することを特徴とする半透明材料の熱拡散率の測定方法。 - 請求項1記載の半透明材料の熱拡散率の測定方法において、前記裏面温度理論式は更に、1)前記半透明材料の吸収係数と屈折率、及び/又は、2)前記不透明材料のビオ数を、変数として含み、該変数を前記第2工程で決定することを特徴とする半透明材料の熱拡散率の測定方法。
- 請求項1又は2記載の半透明材料の熱拡散率の測定方法において、前記裏面温度理論式は、一次元熱伝導方程式のラプラス空間式であり、前記裏面温度測定データは、測定した前記不透明材料の裏面の温度変化をラプラス変換したものであることを特徴とする半透明材料の熱拡散率の測定方法。
- 請求項3記載の半透明材料の熱拡散率の測定方法において、前記変数を、前記裏面温度理論式と前記裏面温度測定データとの2乗偏差を最小とする条件から決定することを特徴とする半透明材料の熱拡散率の測定方法。
- 請求項4記載の半透明材料の熱拡散率の測定方法において、前記2乗偏差を最小とする条件は、前記変数をすべて独立変数として求めることを特徴とする半透明材料の熱拡散率の測定方法。
- 請求項4記載の半透明材料の熱拡散率の測定方法において、前記2乗偏差を最小とする条件は、前記裏面温度測定データの温度減衰領域から求まる実測減衰時定数と、前記裏面温度理論式から求まる時定数とを同値とする付加条件を用いて求めることを特徴とする半透明材料の熱拡散率の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014111454A JP6127019B2 (ja) | 2014-05-29 | 2014-05-29 | 半透明材料の熱拡散率の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014111454A JP6127019B2 (ja) | 2014-05-29 | 2014-05-29 | 半透明材料の熱拡散率の測定方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015225034A true JP2015225034A (ja) | 2015-12-14 |
JP2015225034A5 JP2015225034A5 (ja) | 2016-03-10 |
JP6127019B2 JP6127019B2 (ja) | 2017-05-10 |
Family
ID=54841870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014111454A Active JP6127019B2 (ja) | 2014-05-29 | 2014-05-29 | 半透明材料の熱拡散率の測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6127019B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101833445B1 (ko) | 2017-06-27 | 2018-02-28 | 한국기초과학지원연구원 | 레이저 위상잠금 열화상기법을 이용한 열확산 검출장치 |
CN108362733A (zh) * | 2018-02-11 | 2018-08-03 | 哈尔滨工业大学 | 基于锁相热波与光学层析相结合的半透明材料光热特性分布测量方法 |
JP2019120496A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | Koa株式会社 | 金属皮膜の熱伝導率計測方法 |
CN110160964A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-08-23 | 哈尔滨工业大学 | 基于Chirp调频激光辐照的半透明材料光热特性参数检测方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08261967A (ja) * | 1995-03-27 | 1996-10-11 | Chiyoukouon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法を用いた熱定数の測定方法及びその装置 |
JP2002122559A (ja) * | 2000-10-17 | 2002-04-26 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 熱拡散率と界面熱抵抗の測定方法 |
JP2003065982A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Chokoon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法 |
JP2007322276A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Chokoon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法を用いた熱定数の測定方法 |
US20090110025A1 (en) * | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Korea Advanced Institute Of Science And Technology | Apparatus and method for measuring thermal diffusivity using the flash method |
JP2012002758A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Japan Ultra-High Temperature Materials Research Center | 光加熱法を用いた熱定数の測定方法 |
-
2014
- 2014-05-29 JP JP2014111454A patent/JP6127019B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08261967A (ja) * | 1995-03-27 | 1996-10-11 | Chiyoukouon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法を用いた熱定数の測定方法及びその装置 |
JP2002122559A (ja) * | 2000-10-17 | 2002-04-26 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 熱拡散率と界面熱抵抗の測定方法 |
JP2003065982A (ja) * | 2001-08-24 | 2003-03-05 | Chokoon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法 |
JP2007322276A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Chokoon Zairyo Kenkyusho:Kk | レーザフラッシュ法を用いた熱定数の測定方法 |
US20090110025A1 (en) * | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Korea Advanced Institute Of Science And Technology | Apparatus and method for measuring thermal diffusivity using the flash method |
JP2012002758A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Japan Ultra-High Temperature Materials Research Center | 光加熱法を用いた熱定数の測定方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6014002200; 細野和也: '透熱性材料の熱拡散率測定法' Japan Symposium on Thermophysical Properties Vol.27th, 20061007, Page.334-336 * |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101833445B1 (ko) | 2017-06-27 | 2018-02-28 | 한국기초과학지원연구원 | 레이저 위상잠금 열화상기법을 이용한 열확산 검출장치 |
JP2019120496A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | Koa株式会社 | 金属皮膜の熱伝導率計測方法 |
JP7060378B2 (ja) | 2017-12-28 | 2022-04-26 | Koa株式会社 | 金属皮膜の熱伝導率計測方法 |
CN108362733A (zh) * | 2018-02-11 | 2018-08-03 | 哈尔滨工业大学 | 基于锁相热波与光学层析相结合的半透明材料光热特性分布测量方法 |
CN108362733B (zh) * | 2018-02-11 | 2020-06-09 | 哈尔滨工业大学 | 基于锁相热波与光学层析相结合的半透明材料光热特性分布测量方法 |
CN110160964A (zh) * | 2019-05-24 | 2019-08-23 | 哈尔滨工业大学 | 基于Chirp调频激光辐照的半透明材料光热特性参数检测方法 |
CN110160964B (zh) * | 2019-05-24 | 2021-11-19 | 哈尔滨工业大学 | 基于Chirp调频激光辐照的半透明材料光热特性参数检测方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6127019B2 (ja) | 2017-05-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Sun | Analysis of pulsed thermography methods for defect depth prediction | |
JP5178001B2 (ja) | 絶縁塗膜の非破壊評価の装置 | |
Sfarra et al. | Ceramics and defects: Infrared thermography and numerical simulations—a wide-ranging view for quantitative analysis | |
JP6127019B2 (ja) | 半透明材料の熱拡散率の測定方法 | |
KR100939062B1 (ko) | 섬광법에 의한 열확산 계수 측정장치 및 그 측정방법 | |
CN107843616B (zh) | 快速测量薄膜材料的热导率的装置和方法 | |
TW201514483A (zh) | 用以判斷一樣本材料層參數的熱成像方法及系統 | |
JP2015108546A (ja) | 熱拡散率測定装置 | |
JP2018025560A (ja) | 熱拡散率測定装置 | |
US11022574B2 (en) | Method and apparatus for rapid measurement of thermal conductivity of a thin film material | |
Zhao et al. | Investigation of the effects of Ni-based alloy DZ125 on the normal spectral emissivity during oxidation | |
US20020031164A1 (en) | Method and apparatus for photothermal analysis of a layer of material, especially for thickness measurement thereof | |
Thiel et al. | Localization of subsurface defects in uncoated aluminum with structured heating using high-power VCSEL laser arrays | |
JP3568271B2 (ja) | レーザフラッシュ法を用いた熱定数の測定方法及びその装置 | |
CN108918580B (zh) | 一种无损稳态导热率测量方法 | |
JP6243811B2 (ja) | 定常法による物性値の測定方法及びその測定装置 | |
Golovin et al. | Determination of the thermal diffusivity of materials by a nondestructive express method with the use of step-by-step local heating of the surface and high-speed thermography | |
Kang et al. | Thermal Boundaries in Cone Calorimetry Testing | |
JP5490628B2 (ja) | 光加熱法を用いた熱定数の測定方法 | |
Ishizaki et al. | Microscale mapping of thermal contact resistance using lock-in thermography | |
JP4761547B2 (ja) | レーザフラッシュ法を用いた熱定数の測定方法 | |
Anuchin et al. | Influence of the Method of Attaching Surface Thermocouples on the Error of Temperature Determination in Testing Ceramic Materials on Radiative Heating Installations | |
Monte et al. | A Terahertz blackbody radiation standard based on emissivity measurements and a Monte-Carlo simulation | |
Shi et al. | Modeling the Normal Spectral Emissivity of Aluminum 1060 at 800-910 K During the Growth of Oxide Layer | |
JP4101012B2 (ja) | 熱抵抗を有する積層材の熱特性評価方法及びその装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160114 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160118 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20161121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170314 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170410 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6127019 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |