JP2015224971A - オゾン分解除去用触媒の劣化診断装置、それを備える大気浄化装置、及びオゾン分解除去用触媒の劣化診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属膜の電気抵抗測定手段と、触媒温度測定手段と、触媒通過風速測定手段と、初期状態の触媒の温度と抵抗値との検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度での金属膜の電気抵抗値に補正し、基準条件での触媒の抵抗値とオゾン浄化率との検量線から、電気抵抗の補正値に対応する基準条件でのオゾン浄化率C0を算出し、基準風速での触媒温度とオゾン浄化率との検量線並びに基準温度での触媒を通過する風速とオゾン浄化率との検量線から、オゾン浄化率C0を実走行条件でのオゾン浄化率CSwに補正し、オゾン浄化率CSwを用いて算出した大気浄化クレジット値に基づいて触媒の劣化を診断する手段と、を備えることを特徴とするオゾン分解除去用触媒の劣化診断装置。
【選択図】図3
Description
前記触媒の金属膜の電気抵抗を測定する手段と、
前記触媒の温度を測定する手段と、
前記触媒を通過する風速を測定する手段と、
下記式(1):
R=f1(T) (1)
(式中、Rは触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、Tは触媒の温度(単位:℃)を表す)
で表される、初期状態の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、前記金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度T0(単位:℃)における金属膜の電気抵抗値R0(単位:Ω)に補正し、
下記式(2):
CST=f2(RST) (2)
(式中、CSTは触媒の基準温度T0及び触媒を通過する基準風速Sw0(単位:m/s)におけるオゾン浄化率(単位:%)を表し、RSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0における触媒の抵抗値(単位:Ω)を表す)
で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記補正した電気抵抗値R0に対応する前記基準温度及び前記基準風速におけるオゾン浄化率C0を算出し、
下記式(3):
CT/CST=f3(T) (3)
(式中、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、CTは前記触媒温度T及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表し、CSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線、並びに下記式(4):
CSw/CST=f4(Sw) (4)
(式中、Swは触媒を通過する風速(単位:m/s)を表し、CSwは前記基準温度T0及び前記風速Swにおけるオゾン浄化率を表し、CSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記オゾン浄化率C0を前記触媒の温度の測定値及び前記触媒を通過する風速の測定値に対応するオゾン浄化率CSwに補正し、
該オゾン浄化率CSwを用いて、下記式(5):
大気浄化クレジット値=K×オゾン浄化率×触媒を通過する風量 (5)
により、大気浄化クレジット値を算出し、
該大気浄化クレジット値に基づいて前記触媒の劣化を診断する手段と、
を備えることを特徴とするものである。
前記触媒の金属膜の電気抵抗、前記触媒の温度及び前記触媒を通過する風速を測定し、
前記式(1)で表される、初期状態の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、前記金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度T0(単位:℃)における金属膜の電気抵抗値R0(単位:Ω)に補正し、
前記式(2)で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記補正した電気抵抗値R0に対応する前記基準温度及び前記基準風速におけるオゾン浄化率C0を算出し、
前記式(3)で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線、並びに前記式(4)で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記オゾン浄化率C0を前記触媒の温度の測定値及び前記触媒を通過する風速の測定値に対応するオゾン浄化率CSwに補正し、
該オゾン浄化率CSwを用いて、前記式(5)により、大気浄化クレジット値(単位:mg/マイル)を算出し、
該大気浄化クレジット値に基づいて前記触媒の劣化を診断することを特徴とする方法である。
前記触媒の金属膜の電気抵抗を測定する手段と、
前記触媒の温度を測定する手段と、
前記触媒を通過する風速を測定する手段と、
下記式(1):
R=f1(T) (1)
(式中、Rは触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、Tは触媒の温度(単位:℃)を表す)
で表される、初期状態の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、前記金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度T0(単位:℃)における金属膜の電気抵抗値R0(単位:Ω)に補正し、
下記式(2):
CST=f2(RST) (2)
(式中、CSTは触媒の基準温度T0及び触媒を通過する基準風速Sw0(単位:m/s)におけるオゾン浄化率(単位:%)を表し、RSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0における触媒の抵抗値(単位:Ω)を表す)
で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記補正した電気抵抗値R0に対応する前記基準温度及び前記基準風速におけるオゾン浄化率C0を算出し、
下記式(3):
CT/CST=f3(T) (3)
(式中、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、CTは前記触媒温度T及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表し、CSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線、並びに下記式(4):
CSw/CST=f4(Sw) (4)
(式中、Swは触媒を通過する風速(単位:m/s)を表し、CSwは前記基準温度T0及び前記風速Swにおけるオゾン浄化率を表し、CSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記オゾン浄化率C0を前記触媒の温度の測定値及び前記触媒を通過する風速の測定値に対応するオゾン浄化率CSwに補正し、
該オゾン浄化率CSwを用いて、下記式(5):
大気浄化クレジット値=K×オゾン浄化率×触媒を通過する風量 (5)
により、大気浄化クレジット値を算出し、
該大気浄化クレジット値に基づいて前記触媒の劣化を診断する手段と、
を備えるものである。
前記触媒の金属膜の電気抵抗、前記触媒の温度及び前記触媒を通過する風速を測定し、
前記式(1)で表される、初期状態の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、前記金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度T0(単位:℃)における金属膜の電気抵抗値R0(単位:Ω)に補正し、
前記式(2)で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記補正した電気抵抗値R0に対応する前記基準温度及び前記基準風速におけるオゾン浄化率C0を算出し、
前記式(3)で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線、並びに前記式(4)で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記オゾン浄化率C0を前記触媒の温度の測定値及び前記触媒を通過する風速の測定値に対応するオゾン浄化率CSwに補正し、
該オゾン浄化率CSwを用いて、前記式(5)により、大気浄化クレジット値(単位:mg/マイル)を算出し、
該大気浄化クレジット値に基づいて前記触媒の劣化を診断する方法である。
先ず、本発明にかかるオゾン分解除去用触媒について説明する。本発明によって劣化を診断することが可能なオゾン分解除去用触媒は、支持体と、この支持体の表面に担持され、かつ前記支持体と絶縁されている金属膜とを備えるものである。
次に、本発明において用いられる各種検量線の作成方法について説明する。すなわち、初期状態(新品)の触媒を所定の温度に加熱して金属膜の抵抗値を測定する。この金属膜の抵抗値を複数の温度において測定し、下記式(1):
R=f1(T) (1)
(式中、Rは触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、Tは触媒の温度(単位:℃)を表す)
で表される、初期状態(新品)の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を作成する。
R=a1×T+b1 (1a)
(式中、Rは触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、a1及びb1は触媒毎に決定される定数である)
で表されることが多い。
CST=f2(RST) (2)
(式中、CSTは触媒の基準温度T0及び触媒を通過する基準風速Sw0(単位:m/s)におけるオゾン浄化率(単位:%)を表し、RSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0における触媒の抵抗値(単位:Ω)を表す)
で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を作成する。
CST=−a2×RST+b2 (2a)
(式中、CSTは触媒の基準温度T0及び触媒を通過する基準風速Sw0(単位:m/s)におけるオゾン浄化率(単位:%)を表し、RSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0における触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、a2及びb2は触媒毎に決定される定数である)
で表されることが多い。
CT/CT0=f3(T) (3)
(式中、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、CTは前記触媒温度Tにおけるオゾン浄化率を表し、CT0は前記基準温度T0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線を作成する。
CT/CT0=a3×T+b3 (3a)
(式中、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、CTは前記触媒温度Tにおけるオゾン浄化率を表し、CT0は前記基準温度T0におけるオゾン浄化率を表し、a3及びb3は触媒毎に決定される定数である)
で表されることが多い。
CSw/CSw0=f4(Sw) (4)
(式中、Swは触媒を通過する風速(単位:m/s)を表し、CSwは前記風速Swにおけるオゾン浄化率を表し、CSw0は前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を作成する。
CSw/CSw0=−a4×ln(Sw)+b4 (4a)
(式中、Swは触媒を通過する風速(単位:m/s)を表し、CSwは前記風速Swにおけるオゾン浄化率を表し、CSw0は前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表し、a4及びb4は触媒毎に決定される定数である)
で表されることが多い。
次に、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は前記図面に限定されるものではない。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
ステップ2においては、前記電気抵抗測定手段、前記温度測定手段及び前記通過風速測定手段を用いて、実走行条件における触媒の金属膜の電気抵抗、触媒温度及び触媒を通過する風速を測定する。得られた各測定値を用い、電子制御ユニットにおいて、以下のステップ3〜7に従って、オゾン浄化率及び大気浄化クレジット値を算出して、触媒の劣化の有無を診断する。
前記式(1)で表される、初期状態(新品)の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、下記式(1b):
R=f1(T)+α (1b)
に変形する。ここで、αは触媒の劣化に伴う電気抵抗の上昇値(単位:Ω)を表す。
前記式(2)中のRSTに前記電気抵抗値R0を代入して、前記電気抵抗値R0に対応する前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率C0を求める。
前記式(3)中のCT0及びTに前記オゾン浄化率C0及び前記触媒温度の測定値を代入し、実走行時の触媒温度Tにおけるオゾン浄化率CTを求める。さらに、前記式(4)中のCSw0及びSwに前記オゾン浄化率CT及び前記触媒通過風速の測定値を代入し、実走行時の触媒温度T及び触媒通過風速Swにおけるオゾン浄化率CSwを求める。
このようにして求めた、実走行時の触媒温度T及び触媒通過風速Swにおけるオゾン浄化率CSw及び実走行時に触媒を通過する風量の測定値を、下記式(5):
大気浄化クレジット値=K×オゾン浄化率×触媒を通過する風量 (5)
に代入して、大気浄化クレジット値a(単位:mg/マイル)を算出する。
ステップ6において、オゾン分解除去用触媒を異常であると判定した場合には、本ステップにおいて警告灯を点灯させる制御処理を行い、触媒劣化診断サブルーチンを終了する。
特開2011−152512号公報の実施例1に記載の方法に従って、検量線作成用の触媒層付きラジエータテストピースを作製した。すなわち、金属塩として塩化パラジウム(II)162mgをイオン交換水1Lに溶解した。この水溶液に、強く撹拌しながら1質量%のステアリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液10mlを加え、さらに0.15質量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液50mlを加えて、パラジウムコロイド溶液を調製した。このパラジウムコロイド溶液1Lに、支持体として、予めベーマイト処理を施して表面粗化したアルミニウム製ラジエータから切り出した直径30mm×厚さ16mmのテストピースを1時間浸漬した後、引き上げ、水洗および乾燥を施して、パラジウムコロイド粒子を表面に吸着させることにより活性化させたアルミニウム製ラジエータテストピースを得た。
金属膜の電気抵抗測定装置として、アルミナ基板にAg−Co触媒層を備えるOBDセンサーを作製した。すなわち、先ず、ベーマイト処理を施したアルミニウム製ラジエータテストピースの代わりに、サンドブラスト処理を施して表面粗化したOBDセンサー用アルミナ基板(20mm×20mm×0.4mm)を用いた以外は作製例1と同様にして、コバルト(第一の触媒成分)と銀(第二の触媒成分)でメッキされたAg−Co触媒層付きアルミナ基板を作製した。なお、このAg−Co触媒層付きアルミナ基板における触媒層の厚みは1μmであり、Ag量及びCo量は、前記アルミニウム製ラジエータテストピースのAg量及びCo量に相当する量である。
特開2011−152512号公報の実施例1に記載の方法に従って、触媒層付きラジエータを作製した。すなわち、ベーマイト処理を施したアルミニウム製ラジエータテストピースの代わりに、ベーマイト処理を施して表面粗化したアルミニウム製ラジエータを用いた以外は作製例1と同様にして、コバルト(第一の触媒成分)と銀(第二の触媒成分)でメッキされたAg−Co触媒層付きラジエータを作製した。なお、このAg−Co触媒層付きラジエータにおける触媒層の厚みは1μmであり、アルミニウム製ラジエータ1L当たりのAg量は0.5g/Lであり、Coの量は12.1g/Lであった。
<触媒の温度と抵抗値の検量線>
先ず、図5に示す反応装置に作製例2で得たOBDセンサーを、反応管31内の中心部(図5中の32)に触媒層が配置されるように装着した。反応管上部より所定温度の空気(露点:21℃)を流通させて触媒を所定温度に加熱し、Ag−Co膜の電気抵抗を測定した。抵抗値は、Ag−Co膜に10mAの定電流を印加した時の電圧を測定して求めた。複数の温度についてAg−Co膜の電気抵抗を測定し、得られた抵抗値を触媒温度に対してプロットし(図6)、下記式(1a−1):
R=0.00370×T+1.80 (1a−1)
で表される、初期状態(新品)の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を得た。
図5に示す反応装置に作製例2で得たOBDセンサーを、反応管31内の中心部(図5中の32)に触媒層が配置されるように装着した。反応管上部より濃度100ppmのSO2を含む空気(露点:21℃)を、基準温度75℃、流量5L/分で4時間流通させた後、空気の流通を停止して20時間放置した。4時間の空気流通と20時間の放置を1サイクルとし、合計6サイクルの劣化試験を行なった。各サイクルにおいて、空気流通時の金属膜の電気抵抗の経時変化を調べた。抵抗値は、金属膜に10mAの定電流を印加した時の電圧を測定して求めた。
CST=−29.4×RST+127 (2a−1)
で表される、基準温度75℃及び基準風速1m/sにおける触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を得た。
図5に示す反応装置に作製例1で得たAg−Co触媒層付きラジエータテストピースを、反応管31内の中心部(図5中の32)に装着した。反応管上部より濃度1ppmのO3を含む空気(露点:21℃)を基準風速1m/s、所定の温度で流通させ、触媒通過前後の空気中のオゾン濃度を測定してオゾン浄化率を求めた。このオゾン浄化率測定を複数の温度について行なった。得られたオゾン浄化率を温度に対してプロットし(図8)、下記式(3a−1):
CT/CT0=0.00140×T+0.890 (3a−1)
で表される、基準風速1m/sにおける初期状態(新品)の触媒の温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線を得た。
図5に示す反応装置に作製例1で得たAg−Co触媒層付きラジエータテストピースを、反応管31内の中心部(図5中の32)に装着した。反応管上部より濃度1ppmのO3を含む空気(露点:21℃)を基準温度75℃、所定の風速で流通させ、触媒通過前後の空気中のオゾン濃度を測定してオゾン浄化率を求めた。このオゾン浄化率測定を複数の風速について行なった。得られたオゾン浄化率を風速に対してプロットし(図9)、下記式(4a−1):
CSw/CSw0=−0.167×ln(Sw)+1.01 (4a−1)
で表される、基準温度75℃における初期状態(新品)の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を得た。
図2に示す大気浄化装置において、表面に触媒を備える支持体11として製造例1で作製したAg−Co触媒層付きラジエータを装着し、電気抵抗測定手段12として作製例2で作製したOBDセンサー、温度測定手段13として温度センサー、風速測定手段14として風速計を装着した。
R=(0.00370×T+1.80)+α (1b−1)
に変形し、前記電気抵抗及び触媒温度の測定値を代入してαを求めたところ、α=0.13であった。このα及び基準温度75℃を前記式(1b−1)中のα及びTに代入し、基準温度75℃における金属膜の電気抵抗値R0を求めたところ、R0=2.21Ωであった(ステップ3(図3中のS3))。
Claims (3)
- 支持体と、該支持体の表面に担持され、かつ前記支持体と絶縁されている金属膜とを備えるオゾン分解除去用触媒の劣化診断装置であって、
前記触媒の金属膜の電気抵抗を測定する手段と、
前記触媒の温度を測定する手段と、
前記触媒を通過する風速を測定する手段と、
下記式(1):
R=f1(T) (1)
(式中、Rは触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、Tは触媒の温度(単位:℃)を表す)
で表される、初期状態の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、前記金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度T0(単位:℃)における金属膜の電気抵抗値R0(単位:Ω)に補正し、
下記式(2):
CST=f2(RST) (2)
(式中、CSTは触媒の基準温度T0及び触媒を通過する基準風速Sw0(単位:m/s)におけるオゾン浄化率(単位:%)を表し、RSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0における触媒の抵抗値(単位:Ω)を表す)
で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記補正した電気抵抗値R0に対応する前記基準温度及び前記基準風速におけるオゾン浄化率C0を算出し、
下記式(3):
CT/CST=f3(T) (3)
(式中、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、CTは前記触媒温度T及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表し、CSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線、並びに下記式(4):
CSw/CST=f4(Sw) (4)
(式中、Swは触媒を通過する風速(単位:m/s)を表し、CSwは前記基準温度T0及び前記風速Swにおけるオゾン浄化率を表し、CSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記オゾン浄化率C0を前記触媒の温度の測定値及び前記触媒を通過する風速の測定値に対応するオゾン浄化率CSwに補正し、
該オゾン浄化率CSwを用いて、下記式(5):
大気浄化クレジット値=K×オゾン浄化率×触媒を通過する風量 (5)
により、大気浄化クレジット値を算出し、
該大気浄化クレジット値に基づいて前記触媒の劣化を診断する手段と、
を備えることを特徴とするオゾン分解除去用触媒の劣化診断装置。 - 支持体と該支持体の表面に担持されかつ前記支持体と絶縁されている金属膜とを備えるオゾン分解除去用触媒と、請求項1に記載の劣化診断装置とを備えることを特徴とする大気浄化装置。
- 支持体と該支持体の表面に担持されかつ前記支持体と絶縁されている金属膜とを備えるオゾン分解除去用触媒の劣化を診断する方法であって、
前記触媒の金属膜の電気抵抗、前記触媒の温度及び前記触媒を通過する風速を測定し、
下記式(1):
R=f1(T) (1)
(式中、Rは触媒の抵抗値(単位:Ω)を表し、Tは触媒の温度(単位:℃)を表す)
で表される、初期状態の触媒についての温度と抵抗値との関係を示す検量線を用い、触媒の劣化による電気抵抗の上昇を考慮して、前記金属膜の電気抵抗の測定値を触媒の基準温度T0(単位:℃)における金属膜の電気抵抗値R0(単位:Ω)に補正し、
下記式(2):
CST=f2(RST) (2)
(式中、CSTは触媒の基準温度T0及び触媒を通過する基準風速Sw0(単位:m/s)におけるオゾン浄化率(単位:%)を表し、RSTは前記基準温度T0及び前記基準風速Sw0における触媒の抵抗値(単位:Ω)を表す)
で表される、前記基準温度及び前記基準風速における触媒の抵抗値とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記補正した電気抵抗値R0に対応する前記基準温度及び前記基準風速におけるオゾン浄化率C0を算出し、
下記式(3):
CT/CT0=f3(T) (3)
(式中、Tは触媒の温度(単位:℃)を表し、CTは前記触媒温度Tにおけるオゾン浄化率を表し、CT0は前記基準温度T0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準風速における初期状態の触媒についての温度とオゾン浄化率との関係を示す検量線、並びに下記式(4):
CSw/CSw0=f4(Sw) (4)
(式中、Swは触媒を通過する風速(単位:m/s)を表し、CSwは前記風速Swにおけるオゾン浄化率を表し、CSw0は前記基準風速Sw0におけるオゾン浄化率を表す)
で表される、前記基準温度における初期状態の触媒を通過する風速とオゾン浄化率との関係を示す検量線を用いて、前記オゾン浄化率C0を前記触媒の温度の測定値及び前記触媒を通過する風速の測定値に対応するオゾン浄化率CSwに補正し、
該オゾン浄化率CSwを用いて、下記式(5):
大気浄化クレジット値=K×オゾン浄化率×触媒を通過する風量 (5)
により、大気浄化クレジット値(単位:mg/マイル)を算出し、
該大気浄化クレジット値に基づいて前記触媒の劣化を診断することを特徴とするオゾン分解除去用触媒の劣化診断方法。
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