JP2015224808A - 廃棄物の焼却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の形態の廃棄物を好ましい環境で焼却装置に移送し、設備コストを低減し、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却して無害化する。
【解決手段】内部が加熱される円筒状の回転ドラム4が、筒体の中心軸を水平姿勢の回転中心として回転機構5で回転して、回転ドラム4内に出し入れ自在に廃棄物を入れて焼却する回転筒1を収納している。回転ドラム4は、中心から外側に向かって放射状に延びる複数組の区画ロッド(22)を内部に固定して、各組の区画ロッド22で回転ドラム4の内部を複数の焼却チャンバ23に区画している。焼却チャンバ23に回転筒1を配置して、回転ドラム4が回転状態で加熱されて、回転筒1に入れて廃棄物を焼却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、PCBや溶融金属を含有する廃棄物の焼却に最適な焼却装置に関する。
PCBは、絶縁オイルとして理想的な特性を有することから、膨大な量のPCBがトランスや高電圧用電線の絶縁オイルとして使用されてきた。ところが、PCBが極めて高い発ガン性を有することから使用が禁止され、膨大なPCBを含む廃棄物が、無害化されずに放置されているのが実情である。このようなPCBを廃棄するために、焼却して無害化する装置は開発されている(特許文献1参照)。
特開2008−275179号公報 特開2005−77013号公報
特許文献1の廃棄装置は、PCBを含有する電気機器を破砕した後、ロータリーキルンで焼却する。ロータリーキルンは、下り勾配に配置した回転円筒炉の内部に供給される廃棄物を焼却しながら排出側に移送する。この焼却装置でPCBを含む電気器機を破砕して焼却すると、廃棄物に含まれる半田やアルミニウム等の溶融金属が焼却熱で溶融されて回転円筒炉の内面に付着する。回転円筒炉の内面に溶融金属が付着すると、回転円筒炉が溶融金属に腐食されて甚だしく損傷される弊害が発生する。さらに、ロータリーキルンは、全体の構造が極めて複雑で設備コストが極めて高くなることに加えて、有害な燃焼ガスが外部に漏れるのを完全に阻止するのが極めて難しい欠点がある。それは、回転円筒炉の一端に廃棄物を連続的に供給して、他端からは連続的に排出するので、供給側と排出側からのガス漏れを完全に阻止することが難しいからである。さらに、廃棄物を回転円筒炉で移送しながら焼却するので、廃棄物に含まれるPCBを焼却して完全に無害化するために筒体を長くして焼却温度を高くする必要がある。このため、装置全体が極めて複雑で大規模となり、さらに装置全体を閉鎖構造としてガス漏れを阻止する構造とすることから設備コストが極めて高くなる欠点もある。さらにまた、回転円筒炉を下り勾配に配置して移送しながら焼却して無害化するので、種々の形態の廃棄物を完全に無害化して廃棄するのが難しい欠点もある。種類や形態が異なる廃棄物は、焼却して完全に無害化するための焼却時間や焼却温度が異なるからである。たとえば、内部にPCBを含有する大きな固まり状の廃棄物は、小さい廃棄物に比較して焼却時間や焼却温度を高くして無害化する必要がある。
さらに、廃棄物は、破砕し、あるいは切断して焼却することで含有するPCBをより効率よく焼却できる。たとえば、内部に絶縁オイルとしてPCBを含有するコンデンサーは破砕し、PCBを含む電線は短く切断して、PCBを速やかに焼却できる。これ等の廃棄物は、破砕あるいは切断された状態で、焼却装置に供給される。廃棄物を破砕又は切断する装置と、焼却装置とをラインで連結して、破砕又は切断された廃棄物を焼却装置に移送できる。ただ、種々の形態の廃棄物を焼却して処理する設備は、廃棄物の形態によっては破砕し、あるいは切断するので、切断装置や破砕装置から焼却装置に供給される移送工程においてPCBの外部漏れが問題となる。切断され、あるいは破砕された廃棄物は、PCBが外部に漏れやすくなるからである。
さらにまた、PCBを含む廃棄物に限らず、焼却して廃棄されるプリント基板などにおいても、溶融金属が焼却炉の内面に付着してこれを損傷する欠点がある。たとえばプリント基板は、焼却して金属成分のみを分離できる。基板や絶縁材等の有機物が消失されて、金属成分のみが残存するからである。ロータリーキルンや従来の焼却装置でプリント基板を焼却すると、融点の低い鉛、アルミニウム、半田などの溶融金属が溶融されて炉の内面に付着して、短時間で炉を損傷する弊害が発生する。
本発明は、従来の焼却装置が有するこれ等の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、焼却炉の損傷を防止しながら、種々の形態の廃棄物を好ましい環境で焼却装置に移送できると共に、設備コストを低減しながら、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却できる廃棄物の焼却装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の廃棄物の焼却装置は、内部が加熱される円筒状の回転ドラム4と、この回転ドラム4を円筒の中心軸を水平姿勢の回転中心として回転させる回転機構5と、回転ドラム4内に出し入れ自在にセットされる回転筒1とを備える。回転ドラム4は、中心から外側に向かって放射状に延びる複数組の区画ロッド22を内部に固定している。各組の区画ロッド22は、筒体の軸方向に離して設けられ、軸方向に離して配置している各組の区画ロッド22は、筒体の中心軸を含む同一面内に配置されて、各組の区画ロッド22によって、回転ドラム4の内部を複数の焼却チャンバ23に区画している。回転筒1は、中心軸を回転ドラム4の軸方向に延びる姿勢で焼却チャンバ23に収納される筒状であって、内部には廃棄物の収納室を設けている。焼却装置は、回転筒1の収納室に廃棄物を供給し、廃棄物を供給している回転筒1を回転ドラム4の焼却チャンバ23に配置し、回転筒1を収納する回転ドラム4が回転状態で加熱されて、回転筒1内の廃棄物を焼却する。
以上の廃棄物の焼却装置は、種々の形態の廃棄物を好ましい環境で焼却装置に移送でき、さらに、設備コストを低減しながら、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却できる特徴がある。それは、以上の焼却装置が、廃棄物を回転筒に入れて回転ドラム内に入れ、回転ドラムを回転させながら、内部を加熱して、廃棄物を焼却するからである。この焼却装置は、廃棄物を回転筒に入れて回転ドラムに配置し、さらに、焼却された廃棄物を回転筒に入れた状態で回転ドラムから取り出して廃棄できる。このため、廃棄物を切断し、あるいは破砕した状態で回転筒に入れて、切断機や破砕機から焼却装置に移送できる。すなわち、回転筒は、廃棄物の焼却のみでなく、廃棄物を焼却装置に移送する容器にも併用でき、さらに、回転ドラムから焼却された廃棄物を取り出す容器にも使用できる。すなわち、廃棄物を能率よく外部環境を悪化させることなく回転ドラムに供給でき、また無害化された廃棄物を能率よく短時間で排出できる。所定量の廃棄物を回転筒にいれて一緒に回転ドラムに出し入れできるからである。このことは、バッチ式焼却装置においては、廃棄物を効率よく焼却できる特徴を実現する。それは、廃棄物を出し入れするために、回転ドラムを開く時間を短くできるからである。回転ドラムは、廃棄物を焼却する状態で、内部温度を上昇させるが、開いた状態で内部温度が低下するので、開く時間をできる限り短くして、内部温度の低下をより小さくして、速やかに加熱できることが大切である。回転ドラムの内部温度を焼却温度まで上昇させるのに要する時間が長くなると、能率よく焼却できなくなるからである。また、回転筒に入れて回転ドラムに供給される廃棄物は、破砕されあるいは切断された状態でPCB等の有害物が外部に流れ出すのを防止できる特徴も実現する。
さらに、以上の焼却装置は、焼却炉の損傷を防止しながら種々の廃棄物を焼却できる特徴も実現する。それは、廃棄物を回転筒の内部に入れて回転ドラム内で焼却するので、廃棄物が焼却されて溶融金属等が溶融されて流出しても、溶融金属が回転筒から流出して回転ドラムの内面に付着して損傷させなかからである。焼却して廃棄される廃棄物は、種々の材料のものが混在する。たとえば、PCBを含む廃棄物である電線、コンデンサー、ブッシュ、あるいは使用済みで廃棄されるプリント基板などは、いずれも金属が混在しており、焼却するときに融点の低い溶融金属が溶融されて流出するのは避けられない。焼却する前工程で、廃棄物から融点の低い溶融金属を分離できないからである。溶融金属は、鉛(融点323℃)、アルミニウム(融点660℃)、ハンダ(融点約200℃)等であるが、これ等の金属が流出して焼却炉の表面に付着すると、焼却炉を構成している鉄などの金属と化合して腐食させる。以上の焼却装置は、焼却炉である回転ドラム内に直接には廃棄物を供給せず、回転状態で廃棄物を漏れない構造とする回転筒に入れて供給する。このため、焼却工程で溶融金属が流出しても、回転筒内に溜まって回転ドラム内には流出しない。回転筒内には溶融金属が溜まるが、回転筒は廃棄物を焼却するごとに焼却する回転ドラムから取り出されるので、付着する溶融金属を簡単に除去できる。また、回転筒は、ステンレス等の金属板を筒状に加工して安価に多量生産できるので、仮に内面に溶融金属が付着して腐食しても簡単に新しいものに交換できる。
さらに、以上の焼却装置は、加熱されて回転される回転ドラム内に、回転筒に入れた廃棄物を入れて焼却する構造によって、設備全体のコストを低減しながら、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却して無害化できる。それは、ロータリーキルン式の焼却装置に比較して、全体の構造を極めて簡単にできると共に、回転ドラム4を閉鎖構造として、PCB等の有害物の外部漏れを防止して焼却できるからである。また、回転筒に入れて廃棄物を回転ドラムに供給し、また焼却された廃棄物を排出するので、廃棄物を回転ドラムに移送して供給する工程においても、有害物が外部に流出するのを阻止できることによっても、有害物の外部漏れを有効に防止できる。
本発明の廃棄物の焼却装置は、回転筒1を円筒状とすることができる。この焼却装置は、回転筒1を回転ドラム4内で効率よく回転できるので、内部に収納している廃棄物を効果的に撹拌して、全ての廃棄物を短時間で均一に無害化できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、周壁25の中央部に開口部27を設けることができる。この焼却装置は、周壁25の開口部27から内部に火炎などの燃焼ガスを流入して、廃棄物を速やかに焼却できる特徴があるる
本発明の焼却装置は、周壁25で回転筒1の両端開口部を閉塞することができる。この構造の焼却装置は、回転状態で廃棄物を外部に漏らすことなく焼却できる特徴がある。また、回転筒1の内部の焼却環境をコントロールできる特徴も実現する。たとえば、回転筒1の内部を還元雰囲気として廃棄物に含まれる金属の酸化を防止しながら焼却できる特徴もある。
本発明の焼却装置は、回転筒1の一端又は両端に設けている周壁25を開閉自在に連結することができる。この焼却装置は、周壁25を開いて廃棄物を簡単に出し入れできる。
本発明の焼却装置は、回転筒1の外周に、回転方向に沿って、区画ロッド22をガイドするリング状凸部24を設けることができる。この焼却装置は、回転ドラム4が回転される状態で、リング状凸部24と区画ロッド22とで回転筒1の軸方向のずれを阻止できるので、回転筒1が回転ドラム4の内部で、筒体の両端内面に衝突するのを防止できる。このため、回転ドラム両端内面の損傷を防止できる。
本発明の焼却装置は、回転筒1に入れて焼却す廃棄物をPCBを含有する廃棄物とすることができる。この焼却装置は、PCBやPCBから発生する有害ガスを外部に漏らすことなく焼却できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、回転筒1に入れて焼却す廃棄物を、PCBを含有する切断された電線、PCBを含むコンデンサのいずれかとすることができる。この焼却装置は、電線やPCBを含むコンデンサーを効率よく移送しながら、PCBや有害ガス等の有害物質を外部に漏らすことなく焼却できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、回転筒1にいれて焼却す廃棄物を、アルミニウム、鉛、半田の何れかの焼却温度で溶融する金属を含む廃棄物とすることができる。この焼却装置は、低融点溶融金属を含む廃棄物による弊害を防止しながら、廃棄物を焼却できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、回転筒1に入れて焼却する廃棄物をプリント基板とすることができる。この焼却装置はプリント基板を焼却して金属成分を分離できると共に、プリント基板に付着している融点の低い溶融金属による回転ドラム4の損傷を防止できる。
本発明の焼却装置は、回転筒1に挿入して焼却される廃棄物を、切断された電線とすることができる。この焼却装置は、電線をより効率よく移送しながら、効率よく焼却して無害化できる。
本発明の実施例にかかる焼却装置の概略正面図である。 図1に示す焼却装置の概略側面図である。 図1に示す焼却装置の平面図である。 回転ドラム4に収納される回転筒1の断面図である。 図4に示す回転筒1を図において右側から見た側面図である。 他の実施例にかかる回転筒1の断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための廃棄物の焼却装置を例示するものであって、本発明は廃棄装置を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1ないし図3に示す焼却装置は、PCBや融点の低い溶融金属を含む廃棄物、たとえば、絶縁オイルにPCBが含まれる電線、コンデンサー、ブッシングや、焼却されて溶融される低融点の金属、たとえば、アルミニウム、鉛、ハンダなどの溶融金属を含む廃棄物を焼却する装置であって、内部を加熱する円筒状の回転ドラム4と、この回転ドラム4を円筒の中心軸を水平姿勢の回転中心として回転させる回転機構5と、回転ドラム4内に出し入れ自在にセットされる回転筒1とを備える。図に示す焼却装置は、回転ドラム4の両端の開口部を回転しない第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2とで閉塞している。さらに、回転ドラム4内を加熱するために、回転ドラム4の内部に燃焼ガスを噴射して加熱するバーナー8と、回転ドラム4内の燃焼ガスを吸引して排出する排気ファン9とを連結している。バーナー8は、第1の閉塞蓋7の貫通孔6に連結されて回転ドラム4の内部に燃焼ガスを噴射する。排気ファン9は、第2の閉塞蓋2に設けている排ガス口3に連結されて回転ドラム4内の燃焼ガスを吸引して強制的に排気して、回転ドラム4内を大気圧よりも低くする。
以上の焼却装置は、回転ドラム4の両端開口部を回転しない第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2とで閉塞しているが、本発明の焼却装置は、図示しないが、回転ドラム4の両端開口部に連結されて、回転ドラム4と一緒に回転する閉塞蓋で閉塞することもできる。この焼却装置は、一方の閉塞蓋の中心に貫通孔を設けてここにバーナー8を連結し、他方の閉塞蓋に排ガス口3を設けて、この排ガス口3から燃焼ガスを排気する。また、この焼却装置は、一方又は両方の閉塞蓋を回転状態に回転ドラム4に連結して、回転ドラム4に廃棄物を供給できる構造としいる。
回転ドラム4は、円筒状に加工された金属板の内面に、耐熱断熱材を固定して耐熱断熱構造としている。耐熱断熱材を耐火レンガとする回転ドラム4は、耐火レンガによって優れた耐熱断熱特性を実現できる。このため、回転ドラム4内の燃料温度を900℃〜1000℃程度まで高くして、PCBを含む廃棄物を焼却して無害化でき、またプリント基板などの有機物を消失して金属成分を効率よく分離できる。耐熱断熱材には耐火レンガが適しているが、耐熱性と断熱性に優れた他のものも使用できる。
回転機構5は、円筒状の回転ドラム4を上に載せて回転させる対向ロール17と、対向ロール17を駆動して、回転ドラム4を回転させる減速モータ(図示せず)とを備える。対向ロール17は、図2の側面図に示すように、2個のロールを互いに離して配置して、回転軸を平行としている。対向ロール17の間隔は、ここに回転ドラム4を載せて安定して回転できるように、たとえば回転ドラム4の半径の1/2〜1.5倍としている。対向ロール17は表面を耐熱性に優れたゴム状弾性体として、回転ドラム4をスリップさせることなく安定して回転できる。ただ、ロールは金属製として、回転ドラム4を載せて回転することができる。さらに、図2の回転機構5は、回転ドラム4にU字状のスリップバンド18を掛けている。スリップバンド18は、U曲されて内側に回転ドラム4を摺動できるように配置して、その両端を基台14に固定している。この回転機構5は、回転ドラム4を対向ロール17から外れないように安全に回転できる。ただ、回転機構5は、スリップバンド18を使用することなく、それ自体の自重で対向ロール17に載せて回転することもできる。
第1の閉塞蓋7は、図3の平面図に示すように、蝶番15を介して水平面内で回動できるように基台14に連結されて、回転ドラム4の一方の開口部を開閉する。第2の閉塞蓋2は、基台に固定されて回転ドラム4の他方の開口部を開閉することなく閉塞する。基台14は、図2の側面図に示すように、回転ドラム4の外側に配置される外枠19を有する。外枠19は、回転ドラム4の両側に位置する縦枠19Aと、この縦枠19Aの上端を連結した横枠19Bとからなる。第1の閉塞蓋7は、一方の縦枠19A(図において左側の縦枠19A)に、蝶番15を介して水平面内で回動できるように連結される。蝶番15は、第1の閉塞蓋7を水平面内で回動できるように、回転軸(図示せず)を垂直姿勢として一方の固定片15Aを縦枠19Aに、他方の固定片15Aを第1の閉塞蓋7に固定している。他方の縦枠19A(図において右側の縦枠19A)は、回転ドラム4の開口部を閉塞する位置に第1の閉塞蓋7を固定するストッパ20を設けている。
図のストッパ20は、水平面内で傾動される止めボルト20Aと、この止めボルト20Aにねじ込まれるロックナット20Bとからなる。第1の閉塞蓋7は、蝶番15を固定する第1の鍔部と、止めボルト20Aを挿入するスリット21を設けている第2の鍔部とを両側に設けている。このストッパ20は、ロックナット20Bを緩め、止めボルト20Aをスリット21の外側に移動して、第1の閉塞蓋7を開閉する。第1の閉塞蓋7を回転ドラム4の開口部を閉塞する位置に移動して、止めボルト20Aを第2の鍔部のスリット21に挿入し、ロックナット20Bを締め付けて、第1の閉塞蓋7を回転ドラム4の開口部を閉塞する位置に固定する。
第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2は、金属板の内面に耐熱断熱材を固定したもので、回転ドラム4の開口部に接近して、回転ドラム4の開口部を閉塞する。耐熱断熱材は耐火レンガが最適であるが、耐熱性と断熱特性に優れた他の材質のものも使用できる。第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2の金属板は、回転ドラム4の外径よりも大きい円板状である。図1の拡大断面図に示す第1の閉塞蓋7は、内面に固定している耐火レンガの外周縁を、回転ドラム4に固定している耐火レンガの開口端に接近させて、回転ドラム4と隙間を狭くしている。さらに、第1の閉塞蓋7及び第2の閉塞蓋2は、回転ドラム4との間に耐熱シール10を配置して、回転ドラム4との間の隙間を少なくしている。
耐熱シール10は、第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2に固定されたテーパー状の耐熱布で、回転ドラム4の外側面に先端縁を弾性的に接触させて、回転ドラム4との隙間を閉塞している。耐熱布は可撓性を有する耐熱性の布地で、閉塞蓋の回転ドラム4との対向面に固定されて、先端縁を回転ドラム4の外周面に接触させている。テーパー状の耐熱布は、先窄み状の先端縁を回転ドラム4の外周面に接触されるように、閉塞蓋に固定される。
バーナー8は、第2の閉塞蓋2の貫通孔6に連結されて、回転ドラム4内に、重油などの燃料を霧状にして噴射して燃焼させる。バーナー8は、燃料と一緒に空気を供給する。霧状に噴射される燃料は、空気に混合されて回転ドラム4の内部で火炎となって燃焼される。PCBを焼却する装置は、回転ドラム4内の温度を、たとえば900℃〜1000℃に加熱して、PCBを焼却して無害化する。プリント基板を焼却する装置は、プリント基板の有機物を消失する温度に加熱される。貫通孔6は、回転中心よりも下方に設けられて、バーナー8は回転ドラム4内の下部に燃料を噴射して加熱する。回転ドラム4は回転して、内部に供給される廃棄物を上下に移動させる。回転する回転ドラム4は、底部の水平部から垂直部に廃棄物を持ち上げ、垂直部に近づくと重力で落下して上下に移動される。上下に移動される廃棄物に向かって、噴射される火炎は、回転ドラム4の内部で全ての廃棄物を均一に加熱して焼却する。とくに、回転中心軸と平行な方向に噴射される火炎は、回転筒の内部で回転されながら上下に移動される廃棄物を均一に加熱して焼却する。
排気ファン9は、第2の閉塞蓋2に設けた排ガス口3に連結されて、回転ドラム4内から燃焼ガスを強制的に吸引して、回転ドラム4の内圧を大気圧よりも低くする。回転ドラム4が両端を閉塞蓋で閉塞しているからである。バーナー8が霧状の燃料と一緒に空気を回転ドラム4に供給して燃焼させるので、回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に排気しないと、回転ドラム4の内圧は大気圧よりも高くなる。回転ドラム4の内圧が大気圧よりも高くなると、回転ドラム4からPCBを含む燃焼ガスが外部に漏れて、環境を悪化させる原因となる。本発明の焼却装置は、排気ファン9でもって回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に排気して、内圧を大気圧よりも低くする。排気ファン9は、回転ドラム4から強制的に吸引して排気する燃焼ガスの流量を、バーナー8が燃料と空気とを回転ドラム4に供給して発生する燃焼ガスと空気のトータル流量よりも多くして、回転ドラム4の内圧を大気圧よりも低くして、回転ドラム4から外部にガスが漏れるのを阻止する。
排気ファン9は、第1の閉塞蓋7に設けた排ガス口3に吸入側を連結して、回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に排気する。排気ファン9の排出側には、排気ガスに含まれる有害成分を除く除去器16を連結している。この除去器16は、排気ガスに含まれるダイオキシンなどの有害物質を除去するバグフィルターや静電気の吸着力を利用して有害物質を吸着する静電装置が使用できる。さらに、除去器16は、排気ファン9の排出側に設けた二次燃焼室とすることもできる。二次燃焼室は、内部にサブバーナー(図示せず)から火炎を噴射して内部を高温に加熱して、有害物質を焼却して無害化する。
回転筒1は、回転ドラム4内の焼却チャンバ23に収納される外形の筒状であって、内部に廃棄物の収納室を設けている。回転筒1は、内部の収納室に廃棄物を入れて焼却チャンバ23に入れられる。廃棄物を収納している回転筒1は、加熱状態で回転される回転ドラム4内で加熱されて、収納している廃棄物を焼却する。
回転筒1はSUS304等の金属板を円筒状に加工して製作される。円筒状の回転筒1は、回転ドラム4の内部でスムーズに回転されて、内部の廃棄物を撹拌しながら均一に焼却する。ただ、回転筒1は必ずしも円筒状とする必要はなく、たとえば、多角筒状、コーナー部を面取り状態に湾曲している多角筒状、楕円筒状等とすることもできる。
回転筒1は、両端に、回転状態で内部の廃棄物が外部に漏れるのを阻止する周壁25を内面に突出して設けている。図4の断面図と図5の側面図に示す回転筒1は、周壁25の中央部に開口部27を設けている。この回転筒1は、内部に火炎や加熱空気を流入して内部を高温に加熱できるので、廃棄物を速やかに焼却できる。したがって、この回転筒1は、PCBを含む廃棄物である電線、コンデンサー、ブッシュなどを速やかに焼却し、またプリント基板の有機物を速やかに焼失できる。とくに、両端の周壁25に開口部27を設けている回転筒1は、回転ドラム4内の火炎や加熱された空気を循環させて、より速やかに廃棄物を焼却できる。ただ、回転筒1は、両端の周壁25に開口部27を設けることなく、一方の周壁25にのみ開口部27を設けることもできる。開口部27は、回転ドラム4の内部で回転される回転筒1から廃棄物が外部に漏れないように、内径を回転筒1の直径の1/5〜1/2として、周壁25をリング状としている。この回転筒1は、内部に入れる廃棄物量を、回転筒1の静止状態において、側壁の高さよりも低くして開口部27から外部に漏らすことなく焼却できる。とくに、電線のように細長い廃棄物は、回転筒1の軸方向に配列されて回転されるので、開口部27から外部に漏らすことなく焼却できる。周壁25は、多孔板や網材として、内部に火炎や加熱空気を流入させて、廃棄物を焼却することもできる。
図6の回転筒1は、回転筒1の両端を開口部を設けない周壁25で閉塞している。この回転筒1は、回転ドラム4内の燃焼ガスを内部に流入させないので、回転筒1内の焼却環境を最適な雰囲気にコントロールできる。この回転筒1は、たとえば内部を還元雰囲気にコントロールして廃棄物を焼却できる。還元雰囲気で焼却される廃棄物は、廃棄物に含まれる金属を酸化することなく、あるいは酸化を防止して焼却できる。したがって、この回転筒1は、廃棄物としてプリント基板を入れて焼却するのに適している。それは、回転筒1の内部に廃棄されるプリント基板を入れて焼却することで、プラスチック等の有機物を熱で消失して、金などの金属を酸化することなく取りだしできるからである。
図4と図5の回転筒1は、一方の周壁25を開閉できるように、脱着自在に回転筒1に連結している。この回転筒1は、周壁25を外して、内部に廃棄物を供給し、また焼却された廃棄物を取り出すことができる。この周壁25は、外周に設けたフランジ28を、回転筒1の開口端の外周に固定しているフランジ28にネジ止めして、回転筒1に連結される。この回転筒1は、周壁25を外して廃棄物を内部に供給し、その後周壁25を固定して回転ドラム4の焼却チャンバ23に入れられる。焼却チャンバ23で廃棄物を焼却した後、回転筒1は回転ドラム4から取り出され、周壁25を外して焼却された廃棄物が取り出される。
さらに、図に示す回転筒1は、外周に、回転方向に沿って、区画ロッド22をガイドするリング状凸部24を設けている。リング状凸部24は、回転筒1の外周面に断面形状を台形とする突出部を回転方向に沿って所定の間隔で固定して、突出部の上端面の両側に線材を固定して設けている。図の回転筒1は、2列のリング状凸部24を両端部に設けている。この回転筒1は、両端部に設けている一対のリング状凸部24を、回転ドラム4の両端部に固定している一対の区画ロッド22の内側に配置して、回転筒1が回転ドラム4内で軸方向に位置ずれするのを防止する。したがって、この回転筒1は、回転ドラム4両端面に衝突することがなく、回転される回転ドラム4内の焼却チャンバ23内に配置される。このため、回転ドラム4両端内面の損傷を防止できる特徴がある。また、リング状凸部24でもつて、回転筒1と回転ドラム4の筒体との間に隙間を設けて、ここに火炎や加熱空気を流入させて、回転筒1を常に外周から加熱できる特徴も実現する。
以上の焼却装置は、以下の工程で廃棄物を焼却して無害化する。
1.回転ドラム4から取りだされた回転筒1に廃棄物を供給する。このとき、回転筒1の周壁25を開いて、廃棄物を回転筒1の内部に供給し、その周壁25を回転筒1に固定して、回転筒1の開口部27を閉塞する。開口部27のある回転筒1は、周壁25を外すことなく、開口部27から廃棄物を供給することもできる。
2.開閉蓋7を開いて回転ドラム4内部に設けた各々の焼却チャンバ23に、廃棄物を入れた回転筒1を供給する。
3.廃棄物を入れた回転筒1を収納する状態で、回転ドラム4の開閉蓋7を閉じる。
4.回転ドラム4を回転する状態で、バーナー8から回転ドラム4内に燃料を噴射して空気を供給し、火炎からなる燃焼ガスで回転ドラム4内を加熱して、回転筒1内の廃棄物を焼却する。この状態で、排気ファン9が回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に吸引して排気して、回転ドラム4の内圧を大気圧よりも低くする。大気圧よりも低い回転ドラム4は、内部の燃焼ガスが回転ドラム4と開閉蓋7との間の隙間から外部に漏れることがなく、この隙間からは外気を吸入させる。
5.回転筒1内に収納している全ての廃棄物を焼却した後、バーナー8の運転を停止する。
6.その後、排気ファン9の運転を停止して、開閉蓋を開いて焼却された廃棄物を収納している回転筒1を回転ドラム4から取り出し、回転筒1を開いて焼却された廃棄物を廃棄する。
本発明の廃棄物の焼却装置は、主としてPCBを含む廃棄物やプリント基板などの溶融金属を含む廃棄物を焼却する装置に利用される。
1…回転筒
2…第2の閉塞蓋
3…排ガス口
4…回転ドラム
5…回転機構
6…貫通孔
7…第1の閉塞蓋
8…バーナー
9…排気ファン
10…耐熱シール
14…基台
15…蝶番 15A…固定片
16…除去器
17…対向ロール
18…スリップバンド
19…外枠 19A…縦枠 19B…横枠
20…ストッパ 20A…止めボルト 20B…ロックナット
21…スリット
22…区画ロッド
23…焼却チャンバ
24…リング状凸部
25…周壁
27…開口部
28…フランジ
本発明は、PCBや溶融金属を含有する廃棄物の焼却に最適な焼却装置に関する。
PCBは、絶縁オイルとして理想的な特性を有することから、膨大な量のPCBがトランスや高電圧用電線の絶縁オイルとして使用されてきた。ところが、PCBが極めて高い発ガン性を有することから使用が禁止され、膨大なPCBを含む廃棄物が、無害化されずに放置されているのが実情である。このようなPCBを廃棄するために、焼却して無害化する装置は開発されている(特許文献1参照)。
特開2008−275179号公報 特開2005−77013号公報
特許文献1の廃棄装置は、PCBを含有する電気機器を破砕した後、ロータリーキルンで焼却する。ロータリーキルンは、下り勾配に配置した回転円筒炉の内部に供給される廃棄物を焼却しながら排出側に移送する。この焼却装置でPCBを含む電気器機を破砕して焼却すると、廃棄物に含まれる半田やアルミニウム等の溶融金属が焼却熱で溶融されて回転円筒炉の内面に付着する。回転円筒炉の内面に溶融金属が付着すると、回転円筒炉が溶融金属に腐食されて甚だしく損傷される弊害が発生する。さらに、ロータリーキルンは、全体の構造が極めて複雑で設備コストが極めて高くなることに加えて、有害な燃焼ガスが外部に漏れるのを完全に阻止するのが極めて難しい欠点がある。それは、回転円筒炉の一端に廃棄物を連続的に供給して、他端からは連続的に排出するので、供給側と排出側からのガス漏れを完全に阻止することが難しいからである。さらに、廃棄物を回転円筒炉で移送しながら焼却するので、廃棄物に含まれるPCBを焼却して完全に無害化するために筒体を長くして焼却温度を高くする必要がある。このため、装置全体が極めて複雑で大規模となり、さらに装置全体を閉鎖構造としてガス漏れを阻止する構造とすることから設備コストが極めて高くなる欠点もある。さらにまた、回転円筒炉を下り勾配に配置して移送しながら焼却して無害化するので、種々の形態の廃棄物を完全に無害化して廃棄するのが難しい欠点もある。種類や形態が異なる廃棄物は、焼却して完全に無害化するための焼却時間や焼却温度が異なるからである。たとえば、内部にPCBを含有する大きな固まり状の廃棄物は、小さい廃棄物に比較して焼却時間や焼却温度を高くして無害化する必要がある。
さらに、廃棄物は、破砕し、あるいは切断して焼却することで含有するPCBをより効率よく焼却できる。たとえば、内部に絶縁オイルとしてPCBを含有するコンデンサーは破砕し、PCBを含む電線は短く切断して、PCBを速やかに焼却できる。これ等の廃棄物は、破砕あるいは切断された状態で、焼却装置に供給される。廃棄物を破砕又は切断する装置と、焼却装置とをラインで連結して、破砕又は切断された廃棄物を焼却装置に移送できる。ただ、種々の形態の廃棄物を焼却して処理する設備は、廃棄物の形態によっては破砕し、あるいは切断するので、切断装置や破砕装置から焼却装置に供給される移送工程においてPCBの外部漏れが問題となる。切断され、あるいは破砕された廃棄物は、PCBが外部に漏れやすくなるからである。
さらにまた、PCBを含む廃棄物に限らず、焼却して廃棄されるプリント基板などにおいても、溶融金属が焼却炉の内面に付着してこれを損傷する欠点がある。たとえばプリント基板は、焼却して金属成分のみを分離できる。基板や絶縁材等の有機物が消失されて、金属成分のみが残存するからである。ロータリーキルンや従来の焼却装置でプリント基板を焼却すると、融点の低い鉛、アルミニウム、半田などの溶融金属が溶融されて炉の内面に付着して、短時間で炉を損傷する弊害が発生する。
本発明は、従来の焼却装置が有するこれ等の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、焼却炉の損傷を防止しながら、種々の形態の廃棄物を好ましい環境で焼却装置に移送できると共に、設備コストを低減しながら、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却できる廃棄物の焼却装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の廃棄物の焼却装置は、内部が加熱される円筒状の回転ドラム4と、この回転ドラム4を円筒の中心軸を水平姿勢の回転中心として回転させる回転機構5と、回転ドラム4内に出し入れ自在にセットされる回転筒1とを備える。回転ドラム4は、中心から外側に向かって放射状に延びる複数組の区画ロッド22を内部に固定している。各組の区画ロッド22は、円筒の軸方向に離して設けられ、軸方向に離して配置している各組の区画ロッド22は、円筒の中心軸を含む同一面内に配置されて、各組の区画ロッド22によって、回転ドラム4の内部を複数の焼却チャンバ23に区画している。回転筒1は、中心軸を回転ドラム4の軸方向に延びる姿勢で焼却チャンバ23に収納される筒状であって、内部には廃棄物の収納室を設けている。焼却装置は、回転筒1の収納室に廃棄物を供給し、廃棄物を供給している回転筒1を回転ドラム4の焼却チャンバ23に配置し、回転筒1を収納する回転ドラム4が回転状態で加熱されて、回転筒1内の廃棄物を焼却する。
以上の廃棄物の焼却装置は、種々の形態の廃棄物を好ましい環境で焼却装置に移送でき、さらに、設備コストを低減しながら、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却できる特徴がある。それは、以上の焼却装置が、廃棄物を回転筒に入れて回転ドラム内に入れ、回転ドラムを回転させながら、内部を加熱して、廃棄物を焼却するからである。この焼却装置は、廃棄物を回転筒に入れて回転ドラムに配置し、さらに、焼却された廃棄物を回転筒に入れた状態で回転ドラムから取り出して廃棄できる。このため、廃棄物を切断し、あるいは破砕した状態で回転筒に入れて、切断機や破砕機から焼却装置に移送できる。すなわち、回転筒は、廃棄物の焼却のみでなく、廃棄物を焼却装置に移送する容器にも併用でき、さらに、回転ドラムから焼却された廃棄物を取り出す容器にも使用できる。すなわち、廃棄物を能率よく外部環境を悪化させることなく回転ドラムに供給でき、また無害化された廃棄物を能率よく短時間で排出できる。所定量の廃棄物を回転筒にいれて一緒に回転ドラムに出し入れできるからである。このことは、バッチ式焼却装置においては、廃棄物を効率よく焼却できる特徴を実現する。それは、廃棄物を出し入れするために、回転ドラムを開く時間を短くできるからである。回転ドラムは、廃棄物を焼却する状態で、内部温度を上昇させるが、開いた状態で内部温度が低下するので、開く時間をできる限り短くして、内部温度の低下をより小さくして、速やかに加熱できることが大切である。回転ドラムの内部温度を焼却温度まで上昇させるのに要する時間が長くなると、能率よく焼却できなくなるからである。また、回転筒に入れて回転ドラムに供給される廃棄物は、破砕されあるいは切断された状態でPCB等の有害物が外部に流れ出すのを防止できる特徴も実現する。
さらに、以上の焼却装置は、焼却炉の損傷を防止しながら種々の廃棄物を焼却できる特徴も実現する。それは、廃棄物を回転筒の内部に入れて回転ドラム内で焼却するので、廃棄物が焼却されて溶融金属等が溶融されて流出しても、溶融金属が回転筒から流出して回転ドラムの内面に付着して損傷させなかからである。焼却して廃棄される廃棄物は、種々の材料のものが混在する。たとえば、PCBを含む廃棄物である電線、コンデンサー、ブッシュ、あるいは使用済みで廃棄されるプリント基板などは、いずれも金属が混在しており、焼却するときに融点の低い溶融金属が溶融されて流出するのは避けられない。焼却する前工程で、廃棄物から融点の低い溶融金属を分離できないからである。溶融金属は、鉛(融点323℃)、アルミニウム(融点660℃)、ハンダ(融点約200℃)等であるが、これ等の金属が流出して焼却炉の表面に付着すると、焼却炉を構成している鉄などの金属と化合して腐食させる。以上の焼却装置は、焼却炉である回転ドラム内に直接には廃棄物を供給せず、回転状態で廃棄物を漏れない構造とする回転筒に入れて供給する。このため、焼却工程で溶融金属が流出しても、回転筒内に溜まって回転ドラム内には流出しない。回転筒内には溶融金属が溜まるが、回転筒は廃棄物を焼却するごとに焼却する回転ドラムから取り出されるので、付着する溶融金属を簡単に除去できる。また、回転筒は、ステンレス等の金属板を筒状に加工して安価に多量生産できるので、仮に内面に溶融金属が付着して腐食しても簡単に新しいものに交換できる。
さらに、以上の焼却装置は、加熱されて回転される回転ドラム内に、回転筒に入れた廃棄物を入れて焼却する構造によって、設備全体のコストを低減しながら、種々の廃棄物を理想的な状態で焼却して無害化できる。それは、ロータリーキルン式の焼却装置に比較して、全体の構造を極めて簡単にできると共に、回転ドラム4を閉鎖構造として、PCB等の有害物の外部漏れを防止して焼却できるからである。また、回転筒に入れて廃棄物を回転ドラムに供給し、また焼却された廃棄物を排出するので、廃棄物を回転ドラムに移送して供給する工程においても、有害物が外部に流出するのを阻止できることによっても、有害物の外部漏れを有効に防止できる。
本発明の廃棄物の焼却装置は、回転筒1を円筒状とすることができる。この焼却装置は、回転筒1を回転ドラム4内で効率よく回転できるので、内部に収納している廃棄物を効果的に撹拌して、全ての廃棄物を短時間で均一に無害化できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、周壁25の中央部に開口部27を設けることができる。この焼却装置は、周壁25の開口部27から内部に火炎などの燃焼ガスを流入して、廃棄物を速やかに焼却できる特徴があるる
本発明の焼却装置は、周壁25で回転筒1の両端開口部を閉塞することができる。この構造の焼却装置は、回転状態で廃棄物を外部に漏らすことなく焼却できる特徴がある。また、回転筒1の内部の焼却環境をコントロールできる特徴も実現する。たとえば、回転筒1の内部を還元雰囲気として廃棄物に含まれる金属の酸化を防止しながら焼却できる特徴もある。
本発明の焼却装置は、回転筒1の一端又は両端に設けている周壁25を開閉自在に連結することができる。この焼却装置は、周壁25を開いて廃棄物を簡単に出し入れできる。
本発明の焼却装置は、回転筒1の外周に、回転方向に沿って、区画ロッド22をガイドするリング状凸部24を設けることができる。この焼却装置は、回転ドラム4が回転される状態で、リング状凸部24と区画ロッド22とで回転筒1の軸方向のずれを阻止できるので、回転筒1が回転ドラム4の内部で、筒体の両端内面に衝突するのを防止できる。このため、回転ドラム両端内面の損傷を防止できる。
本発明の焼却装置は、回転筒1に入れて焼却す廃棄物をPCBを含有する廃棄物とすることができる。この焼却装置は、PCBやPCBから発生する有害ガスを外部に漏らすことなく焼却できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、回転筒1に入れて焼却す廃棄物を、PCBを含有する切断された電線、PCBを含むコンデンサのいずれかとすることができる。この焼却装置は、電線やPCBを含むコンデンサーを効率よく移送しながら、PCBや有害ガス等の有害物質を外部に漏らすことなく焼却できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、回転筒1にいれて焼却す廃棄物を、アルミニウム、鉛、半田の何れかの焼却温度で溶融する金属を含む廃棄物とすることができる。この焼却装置は、低融点溶融金属を含む廃棄物による弊害を防止しながら、廃棄物を焼却できる特徴がある。
本発明の焼却装置は、回転筒1に入れて焼却する廃棄物をプリント基板とすることができる。この焼却装置はプリント基板を焼却して金属成分を分離できると共に、プリント基板に付着している融点の低い溶融金属による回転ドラム4の損傷を防止できる。
本発明の焼却装置は、回転筒1に挿入して焼却される廃棄物を、切断された電線とすることができる。この焼却装置は、電線をより効率よく移送しながら、効率よく焼却して無害化できる。
本発明の実施例にかかる焼却装置の概略正面図である。 図1に示す焼却装置の概略側面図である。 図1に示す焼却装置の平面図である。 回転ドラム4に収納される回転筒1の断面図である。 図4に示す回転筒1を図において右側から見た側面図である。 他の実施例にかかる回転筒1の断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための廃棄物の焼却装置を例示するものであって、本発明は廃棄装置を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1ないし図3に示す焼却装置は、PCBや融点の低い溶融金属を含む廃棄物、たとえば、絶縁オイルにPCBが含まれる電線、コンデンサー、ブッシングや、焼却されて溶融される低融点の金属、たとえば、アルミニウム、鉛、ハンダなどの溶融金属を含む廃棄物を焼却する装置であって、内部を加熱する円筒状の回転ドラム4と、この回転ドラム4を円筒の中心軸を水平姿勢の回転中心として回転させる回転機構5と、回転ドラム4内に出し入れ自在にセットされる回転筒1とを備える。回転ドラム4は、中心から外側に向かって放射状に延びる複数組の区画ロッド22を内部に固定している。各組の区画ロッド22は、円筒の軸方向に離して設けられ、軸方向に離して配置している各組の区画ロッド22は、円筒の中心軸を含む同一面内に配置されて、各組の区画ロッド22によって、回転ドラム4の内部を複数の焼却チャンバ23に区画している。図に示す焼却装置は、回転ドラム4の両端の開口部を回転しない第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2とで閉塞している。さらに、回転ドラム4内を加熱するために、回転ドラム4の内部に燃焼ガスを噴射して加熱するバーナー8と、回転ドラム4内の燃焼ガスを吸引して排出する排気ファン9とを連結している。バーナー8は、第1の閉塞蓋7の貫通孔6に連結されて回転ドラム4の内部に燃焼ガスを噴射する。排気ファン9は、第2の閉塞蓋2に設けている排ガス口3に連結されて回転ドラム4内の燃焼ガスを吸引して強制的に排気して、回転ドラム4内を大気圧よりも低くする。
以上の焼却装置は、回転ドラム4の両端開口部を回転しない第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2とで閉塞しているが、本発明の焼却装置は、図示しないが、回転ドラム4の両端開口部に連結されて、回転ドラム4と一緒に回転する閉塞蓋で閉塞することもできる。この焼却装置は、一方の閉塞蓋の中心に貫通孔を設けてここにバーナー8を連結し、他方の閉塞蓋に排ガス口3を設けて、この排ガス口3から燃焼ガスを排気する。また、この焼却装置は、一方又は両方の閉塞蓋を回転状態に回転ドラム4に連結して、回転ドラム4に廃棄物を供給できる構造としいる。
回転ドラム4は、円筒状に加工された金属板の内面に、耐熱断熱材を固定して耐熱断熱構造としている。耐熱断熱材を耐火レンガとする回転ドラム4は、耐火レンガによって優れた耐熱断熱特性を実現できる。このため、回転ドラム4内の燃料温度を900℃〜1000℃程度まで高くして、PCBを含む廃棄物を焼却して無害化でき、またプリント基板などの有機物を消失して金属成分を効率よく分離できる。耐熱断熱材には耐火レンガが適しているが、耐熱性と断熱性に優れた他のものも使用できる。
回転機構5は、円筒状の回転ドラム4を上に載せて回転させる対向ロール17と、対向ロール17を駆動して、回転ドラム4を回転させる減速モータ(図示せず)とを備える。対向ロール17は、図2の側面図に示すように、2個のロールを互いに離して配置して、回転軸を平行としている。対向ロール17の間隔は、ここに回転ドラム4を載せて安定して回転できるように、たとえば回転ドラム4の半径の1/2〜1.5倍としている。対向ロール17は表面を耐熱性に優れたゴム状弾性体として、回転ドラム4をスリップさせることなく安定して回転できる。ただ、ロールは金属製として、回転ドラム4を載せて回転することができる。さらに、図2の回転機構5は、回転ドラム4にU字状のスリップバンド18を掛けている。スリップバンド18は、U曲されて内側に回転ドラム4を摺動できるように配置して、その両端を基台14に固定している。この回転機構5は、回転ドラム4を対向ロール17から外れないように安全に回転できる。ただ、回転機構5は、スリップバンド18を使用することなく、それ自体の自重で対向ロール17に載せて回転することもできる。
第1の閉塞蓋7は、図3の平面図に示すように、蝶番15を介して水平面内で回動できるように基台14に連結されて、回転ドラム4の一方の開口部を開閉する。第2の閉塞蓋2は、基台に固定されて回転ドラム4の他方の開口部を開閉することなく閉塞する。基台14は、図2の側面図に示すように、回転ドラム4の外側に配置される外枠19を有する。外枠19は、回転ドラム4の両側に位置する縦枠19Aと、この縦枠19Aの上端を連結した横枠19Bとからなる。第1の閉塞蓋7は、一方の縦枠19A(図において左側の縦枠19A)に、蝶番15を介して水平面内で回動できるように連結される。蝶番15は、第1の閉塞蓋7を水平面内で回動できるように、回転軸(図示せず)を垂直姿勢として一方の固定片15Aを縦枠19Aに、他方の固定片15Aを第1の閉塞蓋7に固定している。他方の縦枠19A(図において右側の縦枠19A)は、回転ドラム4の開口部を閉塞する位置に第1の閉塞蓋7を固定するストッパ20を設けている。
図のストッパ20は、水平面内で傾動される止めボルト20Aと、この止めボルト20Aにねじ込まれるロックナット20Bとからなる。第1の閉塞蓋7は、蝶番15を固定する第1の鍔部と、止めボルト20Aを挿入するスリット21を設けている第2の鍔部とを両側に設けている。このストッパ20は、ロックナット20Bを緩め、止めボルト20Aをスリット21の外側に移動して、第1の閉塞蓋7を開閉する。第1の閉塞蓋7を回転ドラム4の開口部を閉塞する位置に移動して、止めボルト20Aを第2の鍔部のスリット21に挿入し、ロックナット20Bを締め付けて、第1の閉塞蓋7を回転ドラム4の開口部を閉塞する位置に固定する。
第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2は、金属板の内面に耐熱断熱材を固定したもので、回転ドラム4の開口部に接近して、回転ドラム4の開口部を閉塞する。耐熱断熱材は耐火レンガが最適であるが、耐熱性と断熱特性に優れた他の材質のものも使用できる。第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2の金属板は、回転ドラム4の外径よりも大きい円板状である。図1の拡大断面図に示す第1の閉塞蓋7は、内面に固定している耐火レンガの外周縁を、回転ドラム4に固定している耐火レンガの開口端に接近させて、回転ドラム4と隙間を狭くしている。さらに、第1の閉塞蓋7及び第2の閉塞蓋2は、回転ドラム4との間に耐熱シール10を配置して、回転ドラム4との間の隙間を少なくしている。
耐熱シール10は、第1の閉塞蓋7と第2の閉塞蓋2に固定されたテーパー状の耐熱布で、回転ドラム4の外側面に先端縁を弾性的に接触させて、回転ドラム4との隙間を閉塞している。耐熱布は可撓性を有する耐熱性の布地で、閉塞蓋の回転ドラム4との対向面に固定されて、先端縁を回転ドラム4の外周面に接触させている。テーパー状の耐熱布は、先窄み状の先端縁を回転ドラム4の外周面に接触されるように、閉塞蓋に固定される。
バーナー8は、第2の閉塞蓋2の貫通孔6に連結されて、回転ドラム4内に、重油などの燃料を霧状にして噴射して燃焼させる。バーナー8は、燃料と一緒に空気を供給する。霧状に噴射される燃料は、空気に混合されて回転ドラム4の内部で火炎となって燃焼される。PCBを焼却する装置は、回転ドラム4内の温度を、たとえば900℃〜1000℃に加熱して、PCBを焼却して無害化する。プリント基板を焼却する装置は、プリント基板の有機物を消失する温度に加熱される。貫通孔6は、回転中心よりも下方に設けられて、バーナー8は回転ドラム4内の下部に燃料を噴射して加熱する。回転ドラム4は回転して、内部に供給される廃棄物を上下に移動させる。回転する回転ドラム4は、底部の水平部から垂直部に廃棄物を持ち上げ、垂直部に近づくと重力で落下して上下に移動される。上下に移動される廃棄物に向かって、噴射される火炎は、回転ドラム4の内部で全ての廃棄物を均一に加熱して焼却する。とくに、回転中心軸と平行な方向に噴射される火炎は、回転筒の内部で回転されながら上下に移動される廃棄物を均一に加熱して焼却する。
排気ファン9は、第2の閉塞蓋2に設けた排ガス口3に連結されて、回転ドラム4内から燃焼ガスを強制的に吸引して、回転ドラム4の内圧を大気圧よりも低くする。回転ドラム4が両端を閉塞蓋で閉塞しているからである。バーナー8が霧状の燃料と一緒に空気を回転ドラム4に供給して燃焼させるので、回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に排気しないと、回転ドラム4の内圧は大気圧よりも高くなる。回転ドラム4の内圧が大気圧よりも高くなると、回転ドラム4からPCBを含む燃焼ガスが外部に漏れて、環境を悪化させる原因となる。本発明の焼却装置は、排気ファン9でもって回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に排気して、内圧を大気圧よりも低くする。排気ファン9は、回転ドラム4から強制的に吸引して排気する燃焼ガスの流量を、バーナー8が燃料と空気とを回転ドラム4に供給して発生する燃焼ガスと空気のトータル流量よりも多くして、回転ドラム4の内圧を大気圧よりも低くして、回転ドラム4から外部にガスが漏れるのを阻止する。
排気ファン9は、第1の閉塞蓋7に設けた排ガス口3に吸入側を連結して、回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に排気する。排気ファン9の排出側には、排気ガスに含まれる有害成分を除く除去器16を連結している。この除去器16は、排気ガスに含まれるダイオキシンなどの有害物質を除去するバグフィルターや静電気の吸着力を利用して有害物質を吸着する静電装置が使用できる。さらに、除去器16は、排気ファン9の排出側に設けた二次燃焼室とすることもできる。二次燃焼室は、内部にサブバーナー(図示せず)から火炎を噴射して内部を高温に加熱して、有害物質を焼却して無害化する。
回転筒1は、中心軸を回転ドラム4の軸方向に延びる姿勢で回転ドラム4内の焼却チャンバ23に収納される外形の筒状であって、内部に廃棄物の収納室を設けている。回転筒1は、内部の収納室に廃棄物を入れて焼却チャンバ23に入れられる。廃棄物を収納している回転筒1は、加熱状態で回転される回転ドラム4内で加熱されて、収納している廃棄物を焼却する。
回転筒1はSUS304等の金属板を円筒状に加工して製作される。円筒状の回転筒1は、回転ドラム4の内部でスムーズに回転されて、内部の廃棄物を撹拌しながら均一に焼却する。ただ、回転筒1は必ずしも円筒状とする必要はなく、たとえば、多角筒状、コーナー部を面取り状態に湾曲している多角筒状、楕円筒状等とすることもできる。
回転筒1は、両端に、回転状態で内部の廃棄物が外部に漏れるのを阻止する周壁25を内面に突出して設けている。図4の断面図と図5の側面図に示す回転筒1は、周壁25の中央部に開口部27を設けている。この回転筒1は、内部に火炎や加熱空気を流入して内部を高温に加熱できるので、廃棄物を速やかに焼却できる。したがって、この回転筒1は、PCBを含む廃棄物である電線、コンデンサー、ブッシュなどを速やかに焼却し、またプリント基板の有機物を速やかに焼失できる。とくに、両端の周壁25に開口部27を設けている回転筒1は、回転ドラム4内の火炎や加熱された空気を循環させて、より速やかに廃棄物を焼却できる。ただ、回転筒1は、両端の周壁25に開口部27を設けることなく、一方の周壁25にのみ開口部27を設けることもできる。開口部27は、回転ドラム4の内部で回転される回転筒1から廃棄物が外部に漏れないように、内径を回転筒1の直径の1/5〜1/2として、周壁25をリング状としている。この回転筒1は、内部に入れる廃棄物量を、回転筒1の静止状態において、側壁の高さよりも低くして開口部27から外部に漏らすことなく焼却できる。とくに、電線のように細長い廃棄物は、回転筒1の軸方向に配列されて回転されるので、開口部27から外部に漏らすことなく焼却できる。周壁25は、多孔板や網材として、内部に火炎や加熱空気を流入させて、廃棄物を焼却することもできる。
図6の回転筒1は、回転筒1の両端を開口部を設けない周壁25で閉塞している。この回転筒1は、回転ドラム4内の燃焼ガスを内部に流入させないので、回転筒1内の焼却環境を最適な雰囲気にコントロールできる。この回転筒1は、たとえば内部を還元雰囲気にコントロールして廃棄物を焼却できる。還元雰囲気で焼却される廃棄物は、廃棄物に含まれる金属を酸化することなく、あるいは酸化を防止して焼却できる。したがって、この回転筒1は、廃棄物としてプリント基板を入れて焼却するのに適している。それは、回転筒1の内部に廃棄されるプリント基板を入れて焼却することで、プラスチック等の有機物を熱で消失して、金などの金属を酸化することなく取りだしできるからである。
図4と図5の回転筒1は、一方の周壁25を開閉できるように、脱着自在に回転筒1に連結している。この回転筒1は、周壁25を外して、内部に廃棄物を供給し、また焼却された廃棄物を取り出すことができる。この周壁25は、外周に設けたフランジ28を、回転筒1の開口端の外周に固定しているフランジ28にネジ止めして、回転筒1に連結される。この回転筒1は、周壁25を外して廃棄物を内部に供給し、その後周壁25を固定して回転ドラム4の焼却チャンバ23に入れられる。焼却チャンバ23で廃棄物を焼却した後、回転筒1は回転ドラム4から取り出され、周壁25を外して焼却された廃棄物が取り出される。
さらに、図に示す回転筒1は、外周に、回転方向に沿って、区画ロッド22をガイドするリング状凸部24を設けている。リング状凸部24は、回転筒1の外周面に断面形状を台形とする突出部を回転方向に沿って所定の間隔で固定して、突出部の上端面の両側に線材を固定して設けている。図の回転筒1は、2列のリング状凸部24を両端部に設けている。この回転筒1は、両端部に設けている一対のリング状凸部24を、回転ドラム4の両端部に固定している一対の区画ロッド22の内側に配置して、回転筒1が回転ドラム4内で軸方向に位置ずれするのを防止する。したがって、この回転筒1は、回転ドラム4両端面に衝突することがなく、回転される回転ドラム4内の焼却チャンバ23内に配置される。このため、回転ドラム4両端内面の損傷を防止できる特徴がある。また、リング状凸部24でもつて、回転筒1と回転ドラム4の筒体との間に隙間を設けて、ここに火炎や加熱空気を流入させて、回転筒1を常に外周から加熱できる特徴も実現する。
以上の焼却装置は、以下の工程で廃棄物を焼却して無害化する。
1.回転ドラム4から取りだされた回転筒1に廃棄物を供給する。このとき、回転筒1の周壁25を開いて、廃棄物を回転筒1の内部に供給し、その周壁25を回転筒1に固定して、回転筒1の開口部27を閉塞する。開口部27のある回転筒1は、周壁25を外すことなく、開口部27から廃棄物を供給することもできる。
2.開閉蓋7を開いて回転ドラム4内部に設けた各々の焼却チャンバ23に、廃棄物を入れた回転筒1を供給する。
3.廃棄物を入れた回転筒1を収納する状態で、回転ドラム4の開閉蓋7を閉じる。
4.回転ドラム4を回転する状態で、バーナー8から回転ドラム4内に燃料を噴射して空気を供給し、火炎からなる燃焼ガスで回転ドラム4内を加熱して、回転筒1内の廃棄物を焼却する。この状態で、排気ファン9が回転ドラム4から燃焼ガスを強制的に吸引して排気して、回転ドラム4の内圧を大気圧よりも低くする。大気圧よりも低い回転ドラム4は、内部の燃焼ガスが回転ドラム4と開閉蓋7との間の隙間から外部に漏れることがなく、この隙間からは外気を吸入させる。
5.回転筒1内に収納している全ての廃棄物を焼却した後、バーナー8の運転を停止する。
6.その後、排気ファン9の運転を停止して、開閉蓋を開いて焼却された廃棄物を収納している回転筒1を回転ドラム4から取り出し、回転筒1を開いて焼却された廃棄物を廃棄する。
本発明の廃棄物の焼却装置は、主としてPCBを含む廃棄物やプリント基板などの溶融金属を含む廃棄物を焼却する装置に利用される。
1…回転筒
2…第2の閉塞蓋
3…排ガス口
4…回転ドラム
5…回転機構
6…貫通孔
7…第1の閉塞蓋
8…バーナー
9…排気ファン
10…耐熱シール
14…基台
15…蝶番 15A…固定片
16…除去器
17…対向ロール
18…スリップバンド
19…外枠 19A…縦枠 19B…横枠
20…ストッパ 20A…止めボルト 20B…ロックナット
21…スリット
22…区画ロッド
23…焼却チャンバ
24…リング状凸部
25…周壁
27…開口部
28…フランジ

Claims (10)

  1. 廃棄物の焼却装置であって、
    内部が加熱される円筒状の回転ドラム(4)と、
    この回転ドラム(4)を円筒の中心軸を水平姿勢の回転中心として回転させる回転機構(5)と、
    前記回転ドラム(4)内に出し入れ自在にセットされる回転筒(1)とを備え、
    前記回転ドラム(4)は、中心から外側に向かって放射状に延びる複数組の区画ロッド(22)が内部に固定され、各組の区画ロッド(22)は、筒体の軸方向に離して設けられると共に、軸方向に離して配置してなる各組の区画ロッド(22)は、筒体の中心軸を含む同一面内に配置されて、各組の区画ロッド(22)によって、前記回転ドラム(4)の内部を複数の焼却チャンバ(23)に区画しており、
    さらに、前記回転筒(1)は、中心軸を前記回転ドラム(4)の軸方向に延びる姿勢で前記焼却チャンバ(23)に収納される筒状であって、内部に廃棄物の収納室を有し、かつ両端には回転状態で内部の廃棄物が漏れるのを阻止する周壁(25)を内面に突出して設けており、
    前記回転筒(1)の収納室に廃棄物が供給され、廃棄物を収納してなる前記回転筒(1)が前記回転ドラム(4)の焼却チャンバ(23)に配置され、前記回転筒(1)の収納された回転ドラム(4)が回転状態で加熱されて、前記回転筒(1)内の廃棄物を焼却するようにしてなる廃棄物の焼却装置。
  2. 請求項1又は2に記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)を円筒状とすることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  3. 請求項3に記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記周壁(25)が中央部に開口部(27)を設けてなることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  4. 請求項1又は2のいずれかに記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記周壁(25)が前記回転筒(1)の両端開口部(27)を閉塞してなることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  5. 請求項3に記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)の一端又は両端に設けてなる周壁(25)が、開閉自在に連結されてなることを特徴する廃棄物の焼却装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)の外周に、回転方向に沿って、前記区画ロッド(22)をガイドするリング状凸部24を設けてなることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)に供給して焼却される廃棄物をPCBを含有する廃棄物とすることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  8. 請求項7に記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)に供給して焼却される廃棄物を、PCBを含有する切断された電線、PCBを含むコンデンサ、PCBを含むブッシュのいずれかとすることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)に供給して焼却される廃棄物を、アルミニウム、鉛、半田の何れかの焼却温度で溶融する金属を含む廃棄物とすることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
  10. 請求項9に記載される廃棄物の焼却装置であって、
    前記回転筒(1)に供給して焼却される廃棄物を、プリント基板とすることを特徴とする廃棄物の焼却装置。
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