JP2015224741A - オートテンショナ - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動面の偏摩耗を低減し、長寿命を図り得るオートテンショナを提供する。【解決手段】プーリ6と、該プーリ6の軸部材61を少なくとも一端で固定支持する回転体7と、該回転体7をプーリ6の回転軸と平行な軸を中心に回動自在に支持するテンショナ支持体8と、回転体7とテンショナ支持体8の間に介装され、動力伝達体からプーリ6を介して加わる力に対抗するよう回転体7を付勢する付勢手段としてのスプリング92とを備え、回転体7とテンショナ支持体8の間にはブッシュ91が挟み込まれて摺動面を成し、プーリ6の円筒部材63に前記動力伝達体から加わる力の力点の位置が、テンショナ軸方向に関してブッシュ91のテンショナ軸方向両端の位置の間にあるようオートテンショナ100を構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、摺動面の偏摩耗を低減し、長寿命を図り得るオートテンショナに関するものである。
自動車等の動力系においては、エンジンからの動力を、複数の機械のギヤ間に巻き掛けられた動力伝達体である無端のベルト等を介して伝達するとともに、該ベルトによりギヤ間で回転の同期を図り得るようになっている。このとき、動力を効率的に伝達するためには、ベルトに弛みが生じないよう十分な張力がかかっている必要がある一方、張力がかかりすぎるとベルトに対する負担が増大し、ベルトの寿命が短くなる虞がある。このため、ベルトの一点又は複数点にプーリを弾発的に当接させ、プーリの回転によってベルトの動きを保ちながらベルト全体に所定の張力を与えるオートテンショナが動力系の構成要素として用いられている。
図4は従来用いられているオートテンショナ50の一例(以下、従来例)を示すもので、オートテンショナ50は、図の上面においてベルト(図示せず)に当接するプーリ1と、該プーリ1の軸部材11を少なくとも一端で固定支持する回転体2と、該回転体2を前記プーリ1の回転軸と平行な軸を中心に回動自在に支持するテンショナ支持体3を有している(以下、プーリ1の回転軸及び回転体2の回転軸と平行な方向をテンショナ軸方向と称する)。
プーリ1は、中心軸をなす軸部材11の径方向外側に軸受12を介して円筒部材13を回動自在に支持する構造となっている。回転体2は、円筒部21と、該円筒部21の径方向外側の一方向に張り出すよう一体的に形成されたプーリ支持部22を有し、プーリ支持部22にはプーリ1の軸部材11が固定されている。回転体2の円筒部21の内側には、テンショナ支持体3の円柱部31が挿入されており、円柱部31の中心軸はプーリ1の中心軸と平行である。テンショナ支持体3の円柱部31の外周面と回転体2の円筒部21の内周面との間には、円筒形のブッシュ41が挟み込まれ、ブッシュ41の円筒面が摺動面を形成している。回転体2は、テンショナ支持体3の円柱部31の周りをブッシュ41を介して回動自在に支持されている。テンショナ支持体3は、円柱部31の少なくとも一端にカップ部32を有している。該カップ部32は、底面が円柱部31の一端から張り出すように形成され、側面が円柱部31の一部と回転体2の円筒部21の一部を径方向外側から覆うように形成されている。テンショナ支持体3は、該カップ部32を介してエンジン等の外部の機械に固定され、テンショナ支持体3によってオートテンショナ50全体を支持するようになっている。回転体2の円筒部21の外周面と、テンショナ支持体3のカップ部32の内面によって形成される空間には、付勢手段としてのスプリング42がサポート材43を介して回転体2の円筒部21の外周面に巻き掛けられるようにして配設される。サポート材43は、カップ部32の底面に固定されている。スプリング42は、一端がテンショナ支持体3に当接し、他端は回転体2に当接するようにテンショナ支持体3と回転体2の間に介装される。
上記従来例によるオートテンショナ50の作動を説明する。動力系において、動力伝達体であるベルト(図示せず)は、図中上方からプーリ1の円筒部材13の外周面に巻き掛けられるように当接する。ベルトの長手方向に沿った動きに追従して、円筒部材13は軸部材11を中心に回転する。同時に、プーリ1には、円筒部材13のベルトと当接した部分に、プーリ1の径方向内側に向かう向きにベルトの張力がかかる。
このようにしてプーリ1に対し入力される力の向きが、プーリ1の中心軸からテンショナ支持体3の中心軸へ向かう向きからずれている場合には、プーリ1と、プーリ1を支持する回転体2が、テンショナ支持体3の円柱部31を中心に、ブッシュ41を介して一体的に回転しようとする。このとき、上述のようにスプリング42の一端が回転体2に当接し、他端がテンショナ支持体3に当接しており、且つテンショナ支持体3は他の機械に固定されているので、回転体2が円柱部31を中心に回転しようとすると、スプリング42にねじりによる応力が発生する。この応力により回転体2が付勢され、ベルトから入力される力に対して回転体2に接続されたプーリ1全体が弾発し、ベルトに対して所定の張力を付与することができる。
ここで、このような従来例によるオートテンショナ50においては、ベルトからプーリ1に過大な力が入力された場合、ブッシュ41の各摺動面にかかる力に強い偏りが生じるため、ブッシュ41の摺動面が偏摩耗し、オートテンショナ50の寿命が短くなってしまう虞があった。特に、トラック等の大型車両においては、ベルトから入力される力が大きいため、上記偏摩耗の問題が顕著に生じがちであった。
従来例によるオートテンショナ50において、テンショナ支持体3の円柱部31の中心点Cの周囲に発生する力のモーメントについて、図5を参照して説明する。プーリ1の円筒部材13上の点Pにベルトが当接し、テンショナ軸方向と直交する向きに大きさFの力がかかるとする。図5に示すように、従来例においては、力点である点Pの位置は、テンショナ軸方向に関し、ブッシュ41の軸方向両端部の外側に位置する。このとき、中心点Cと力点Pとのテンショナ軸方向の距離をaとすると、中心点Cを中心として、プーリ1及びプーリ1と一体に接続された回転体2に対し、力点Pにテンショナ軸方向と直交する向きにa×Fの大きさの力のモーメントがかかることになる。この力のモーメントは、プーリ1と回転体2を、中心点Cを中心に反時計回りに回転させるように作用する。
しかし、回転体2は、テンショナ支持体3の円柱部31にブッシュ41を介して支持されており、且つテンショナ支持体3は外部の機械に固定されているため、プーリ1及び回転体2は中心点Cを中心に回転することはない。すなわち、回転体2がブッシュ41から受ける力のモーメントと、プーリ1がベルトから受ける力のモーメントが釣り合う。
このとき、上述の通り、ベルトから入力される力のモーメントは、回転体2を反時計回りに回転させるように作用するため、これと反発する向きの力のモーメントがブッシュ41から回転体2に作用することになる。つまり、図5中に矢印で示す如く、ブッシュ41のうち、プーリ1側上方(図5では左上)に位置する摺動面に、回転体2の円筒部21内周面に対して上向きの力が発生し、また、ブッシュ41のうち、カップ部32側下方(図5では右下)に位置する摺動面に、回転体2の円筒部21内周面に対して下向きの力が発生する。これらの力のモーメントが中心点Cの周囲に時計回りに作用し、前記反時計回りの力のモーメントと釣り合う。
そして、ブッシュ41の左上又は右下に位置する摺動面に発生する力は、図5中に示すように、ブッシュ41の中心から両端部へ向かうに従って大きくなる偏った分布を示す。このため、ブッシュ41においては、左上と右下の端部に摩耗が集中する偏摩耗が生じることになる。
このとき、図5中ブッシュ41の左上に位置する摺動面から円筒部21の内周面に上向きにかかる力の合計値をf1、ブッシュ41の右下に位置する摺動面から円筒部21の内周面に下向きにかかる力の合計値をf2とすると、プーリ1及び回転体2にかかる力の上下方向の釣り合いから、以下の式が成り立つ。
f1=F+f2
f1=F+f2
つまり、ブッシュ41のうち、左上に位置する摺動面に発生する力の合計値f1はFよりも大きくなり、ブッシュ41のうち、右下に位置する摺動面に発生する力の合計値f2はFよりも小さくなる。このため、ブッシュ41のうち、プーリ1側の上端部(図5では左上端部)の摩耗が特に大きくなる。
偏摩耗量が大きくなると、回転体2が次第にテンショナ支持体3に対して図中左側に倒れるように傾くようになるので、回転体2とテンショナ支持体3との間にがたつきが発生し、またプーリ1の円筒部材13のベルトとの当接面も傾斜して不安定になる。このため、ベルトに対して適切に張力を付与することができなくなるばかりか、摩耗量が大きい場合にはベルトがプーリ1から外れてしまうという問題があった。
このようなオートテンショナの摺動面の偏摩耗の問題を低減させ得る装置としては、例えば、特許文献1に記載の発明が提案されている。
特許文献1に記載の発明は、オートテンショナにおいてブッシュの摺動面の各部で平均接触圧力が異なることから、ブッシュの摺動面を分割し、各摺動面の間で異なる摩耗率を有する素材を用いることにより、又は各摺動面の間で軸方向の長さを平均接触圧力に応じて異ならせることにより、ブッシュ全体でオートテンショナの寿命期間にわたり摩耗量が均等となるようにしたものである。
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、摺動面の長さ割合や素材を変更したにすぎないものであり、摺動面にかかる力の偏り自体を低減し得るものではない。また、ブッシュの各摺動面同士の間での摩耗量の偏りには対応し得るものの、各摺動面内における摩耗量の偏りについてまで対策し得るものではなく、上記した偏摩耗の問題を十分に解決するには至っていなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、摺動面の偏摩耗を低減し、長寿命を図り得るオートテンショナを提供するものである。
本発明は、複数のギヤ間に巻き掛けられた動力伝達体にプーリを弾発的に当接させることにより、該動力伝達体に張力を付与するオートテンショナにおいて、前記プーリと、該プーリの軸部材を少なくとも一端で固定支持する回転体と、該回転体を前記プーリの回転軸と平行な軸を中心に回動自在に支持するテンショナ支持体と、前記回転体と前記テンショナ支持体の間に介装され、前記動力伝達体から前記プーリを介して加わる力に対抗するよう前記回転体を付勢する付勢手段とを備え、前記回転体と前記テンショナ支持体の間にはブッシュが挟み込まれて摺動面を成し、前記プーリの円筒部材に前記動力伝達体から加わる力の力点の位置が、テンショナ軸方向に関して前記ブッシュのテンショナ軸方向両端の位置の間にあることを特徴とするオートテンショナにかかるものである。
而して、このようにすれば、テンショナ支持体の円柱部の中心点の位置が、プーリの円筒部材に加わる力の力点の位置に近くなるため、前記中心点の周囲にベルトから受ける力によって発生する力のモーメントが従来例と比較して小さくなり、ブッシュの摺動面に発生する力の合計が小さくなると同時にブッシュのテンショナ軸方向の長さが長いためにブッシュの摺動面にかかる圧力が小さくなり、且つ、ブッシュのテンショナ軸方向端部に力が集中しないので、摺動面の偏摩耗は大幅に軽減される。
本発明のオートテンショナにおいて、ブッシュのテンショナ軸方向両端が、プーリの円筒部材のテンショナ軸方向両端よりもテンショナ軸方向に関して外側にあるようにしても良い。
而して、このようにすれば、プーリの円筒部材に加わる力の力点が該円筒部材上を移動しても、該力点の位置がテンショナ軸方向に関して必ずブッシュのテンショナ軸方向両端の位置の内側にあるようになるため、ブッシュのテンショナ軸方向端部に力が集中することを確実に防止し得る。
本発明のオートテンショナにおいて、ブッシュのテンショナ軸方向の中心位置が、プーリの円筒部材のテンショナ軸方向の中心位置と一致するようにしても良い。
而して、このようにすれば、テンショナ支持体の円柱部の中心点の周囲にベルトから受ける力によって発生する力のモーメントが略ゼロとなり、ブッシュの摺動面に発生する力の合計が小さくなると同時にブッシュのテンショナ軸方向の長さが長いためにブッシュの摺動面にかかる圧力が小さくなり、且つ、ブッシュの各摺動面にかかる力の分布が均等になり、ブッシュのテンショナ軸方向端部に力が集中しないので、摺動面の偏摩耗は大幅に軽減される。
本発明のオートテンショナによれば、摺動面の偏摩耗を低減し、長寿命を図り得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明を実施する形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の第一例(以下、第一実施例)を示すもので、複数のギヤ間に巻き掛けられた動力伝達体にプーリを弾発的に当接させることにより、該動力伝達体に張力を付与するオートテンショナ100を示している。オートテンショナ100の基本的な構造は図4に示されたオートテンショナ50と同様であり、図の上面において動力伝達体であるベルト(図示せず)に当接するプーリ6と、該プーリ6の軸部材61を少なくとも一端で固定支持する回転体7と、該回転体7を前記プーリ6の回転軸と平行な軸を中心に回動自在に支持するテンショナ支持体8を有している(以下、プーリ6の回転軸及び回転体7の回転軸と平行な方向をテンショナ軸方向と称する)。
プーリ6は、中心軸をなす軸部材61の径方向外側に軸受62を介して円筒部材63を回動自在に支持する構造となっている。回転体7は、円筒部71と、該円筒部71の径方向外側の一方向に張り出すよう一体的に形成されたプーリ支持部72を有し、プーリ支持部72にはプーリ6の軸部材61が固定されている。回転体7の円筒部71の内側には、テンショナ支持体8の円柱部81が挿入されており、円柱部81の中心軸はプーリ6の中心軸と平行である。テンショナ支持体8の円柱部81の外周面と回転体7の円筒部71の内周面との間には、円筒形のブッシュ91が挟み込まれ、ブッシュ91の円筒面が摺動面を形成している。回転体7は、テンショナ支持体8の円柱部81の周りをブッシュ91を介して回動自在に支持されている。テンショナ支持体8は、円柱部81の少なくとも一端にカップ部82を有している。該カップ部82は、底面が円柱部81の一端から張り出すように形成され、側面が円柱部81の一部と回転体7の円筒部71の一部を径方向外側から覆うように形成されている。テンショナ支持体8は、該カップ部82を介してエンジン等の外部の機械に固定され、テンショナ支持体8によってオートテンショナ100全体を支持するようになっている。回転体7の円筒部71の外周面と、テンショナ支持体8のカップ部82の内面によって形成される空間には、回転体7を付勢する付勢手段としてのスプリング92がサポート材93を介して回転体7の円筒部71の外周面に巻き掛けられるようにして配設される。サポート材93は、カップ部82の底面に固定されている。スプリング92は、一端がテンショナ支持体8に当接し、他端は回転体7に当接するようにテンショナ支持体8と回転体7の間に介装される。
ここで、本発明の特徴とするところは、回転体7の円筒部71の軸方向の長さ、テンショナ支持体8の円柱部81の軸方向の長さ、及びブッシュ91の軸方向の長さを、従来例によるオートテンショナ50の円筒部21、円柱部31、ブッシュ41と比較して長く取り、プーリ6の円筒部材63にベルトから加わる力の力点の位置が、テンショナ軸方向に関してブッシュ91のテンショナ軸方向両端の位置の間にあるよう構成した点にある。
次に、上記第一実施例によるオートテンショナ100において、テンショナ支持体8の円柱部81の中心点C2の周囲に発生する力のモーメントについて、図2を参照しながら説明する。
オートテンショナ100において、プーリ6の円筒部材63上の点P2にベルトが当接し、テンショナ軸方向と直交する向きに図5中のFと同じ大きさFの力がかかるとする。このとき、中心点C2と力点である点P2とのテンショナ軸方向の距離をbとすると、中心点C2を中心として、プーリ6及びプーリ6と一体に接続された回転体7に対し、力点P2の位置にテンショナ軸方向と直交する向きにb×Fの大きさの力のモーメントがかかることになる。
ここで、上述の通り、回転体7の円筒部71の軸方向の長さ、及びテンショナ支持体8の円柱部81の軸方向の長さは、従来例(図4,5を参照)の円筒部21、円柱部31と比較して長くとってあるため、円柱部81の中心点C2の位置は、従来例に比べ、よりプーリ6に近い側にずれる。すなわち、距離bは、距離aに比べて短く、従って、プーリ6に大きさFの力がかかった時の中心点C2の周りの力のモーメントb×Fは、従来例のオートテンショナ50においてプーリ1に大きさFの力がかかった時の中心点Cの周りのモーメントa×Fよりも小さくなる。
またこのとき、本第一実施例においては、上述した如く、力点P2の位置は、従来例の場合とは異なり、テンショナ軸方向に関してブッシュ91の軸方向両端部より内側に位置するため、図5に示した従来例の場合とはブッシュ91の摺動面に発生する力の分布が異なる。すなわち、図2中に矢印で示す如く、ブッシュ91のうち、プーリ6側の上部(図2では左上)に位置する摺動面と、カップ部82側の上部(図2では右上)に位置する摺動面に、回転体7の円筒部71の内周面に対して上向きの力が発生し、カップ部82側の下部(図2では右下)に位置する摺動面には力が発生しない。つまり、ブッシュ91の上面全体でベルトからかかる力Fに対抗し、回転体7とプーリ6を支えることになる。
このとき、図2中ブッシュ91の左上に位置する摺動面から円筒部71の内周面に上向きにかかる力の合計値をg1、ブッシュ91の右上に位置する摺動面から円筒部71の内周面に上向きにかかる力の合計値をg2とすると、プーリ6及び回転体7にかかる力の上下方向の釣り合いから、以下の式が成り立つ。
F=g1+g2
F=g1+g2
つまり、ブッシュ91のうち、左上に位置する摺動面に発生する力の合計値g1と、右上に位置する摺動面に発生する力の合計値g2は、いずれもFよりも小さくなる。加えて、上述の如くブッシュ91のテンショナ軸方向の長さが従来例と比較して長くなっているため、ブッシュ91の摺動面各部にかかる圧力はさらに小さくなる。
さらに、ブッシュ91に発生する力の分布は図中に矢印で示したようになり、力点P2の直下にあたる部分で最大となるので、ブッシュ91の端部に力が集中することはなくなる。
而して、本第一実施例によれば、テンショナ支持体8の円柱部81の中心点C2の位置が、プーリ6の円筒部材63に加わる力の力点P2の位置に近くなるため、中心点C2の周囲にベルトから受ける力によって発生する力のモーメントb×Fが従来例と比較して小さくなり、ブッシュ91の摺動面に発生する力の合計が小さくなると同時にブッシュ91のテンショナ軸方向の長さが長いためにブッシュ91の摺動面にかかる圧力が小さくなり、且つ、ブッシュ91のテンショナ軸方向端部に力が集中しないので、摺動面の偏摩耗は大幅に軽減される。
従って、上記第一実施例によれば、オートテンショナ100において、ブッシュ91の摺動面の偏摩耗を低減し、長寿命を図り得るという優れた効果を奏し得る。
ここで、オートテンショナ100において、回転体7の円筒部71の軸方向の長さ、テンショナ支持体8の円柱部81の軸方向の長さ、及びブッシュ91の軸方向の長さを更に長く取り、ブッシュ91のテンショナ軸方向両端が、プーリ6の円筒部材63のテンショナ軸方向両端よりもテンショナ軸方向に関して外側にあるように構成しても良い。
このようにすれば、プーリ6の円筒部材63に加わる力の力点P2が円筒部材63上を移動しても、該力点P2の位置がテンショナ軸方向に関して必ずブッシュ91のテンショナ軸方向両端の位置の内側にあるようになる。このため、ブッシュ91のテンショナ軸方向端部に力が集中することを確実に防止し得る。
次に、本発明を実施する形態の第二例(以下、第二実施例)の作用を、図3を参照しながら説明する。
本第二実施例によるオートテンショナ200の基本的な構造については、上記第一実施例によるオートテンショナ100と略同様であるため省略する。本第二実施例によるオートテンショナ200の特徴は、ブッシュ191のテンショナ軸方向の中心位置が、プーリ106の円筒部材163のテンショナ軸方向の中心位置と一致するよう構成した点にある。
このようにすれば、図3中に示す如く、プーリ106の円筒部材163の上面に当接するベルトからかかる力の力点P3のテンショナ軸方向の位置が、テンショナ支持体108の円柱部181の中心点C3のテンショナ軸方向の位置と略一致するため、ベルトから受ける力による中心点C3の周囲のモーメントは略ゼロとなり、また、ブッシュ191の反カップ部182側上部(図3では左上)の摺動面に発生する力と、カップ部182側上部(図3では右上)の摺動面に発生する力の分布が均等になる。
すなわち、図3中ブッシュ191の左上に位置する摺動面から回転体107の円筒部171の内周面に上向きにかかる力の合計値をh1、ブッシュ191の右上に位置する摺動面から円筒部171の内周面に上向きにかかる力の合計値をh2とすると、ベルトから受ける力Fとの間には以下の関係が成り立つ。
h1=h2=F/2
h1=h2=F/2
従って、上記第一実施例のオートテンショナ100と比較しても更に摺動面に発生する力の偏りが小さくなり、摺動面の偏摩耗を効果的に防止し得る。
而して、本第二実施例によれば、テンショナ支持体108の円柱部181の中心点C3の周囲にベルトから受ける力によって発生する力のモーメントが略ゼロとなり、ブッシュ191の各部に発生する力の合計が小さくなると同時にブッシュ191のテンショナ軸方向の長さが長いためにブッシュ191の摺動面にかかる圧力が小さくなり、且つ、ブッシュ191の各摺動面にかかる力の分布が均等になり、ブッシュ191のテンショナ軸方向端部に力が集中しないので、摺動面の偏摩耗は大幅に軽減される。
従って、上記第二実施例によるオートテンショナ200においても、ブッシュ191の摺動面の偏摩耗を低減し、長寿命を図り得るという優れた効果を奏し得る。
尚、本発明のオートテンショナは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、例えば、動力伝達体としてベルトでなくチェーンを用いる動力系にも適用し得ること、ブッシュの形状は完全な円筒形をしたものに限らず、円筒形の一部を切り欠いた形状や、円筒形の一部を成す複数の部材で構成した形状等、回転体の円筒部の内周面とテンショナ支持体の円柱部の外周面との間に摺動面を形成し得る形状であれば良いこと、ブッシュはころがり軸受で構成しても良いこと等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
6 プーリ
61 軸部材
63 円筒部材
7 回転体
8 テンショナ支持体
91 ブッシュ
92 付勢手段(スプリング)
100 オートテンショナ
61 軸部材
63 円筒部材
7 回転体
8 テンショナ支持体
91 ブッシュ
92 付勢手段(スプリング)
100 オートテンショナ
Claims (3)
- 複数のギヤ間に巻き掛けられた動力伝達体にプーリを弾発的に当接させることにより、該動力伝達体に張力を付与するオートテンショナにおいて、
前記プーリと、該プーリの軸部材を少なくとも一端で固定支持する回転体と、該回転体を前記プーリの回転軸と平行な軸を中心に回動自在に支持するテンショナ支持体と、前記回転体と前記テンショナ支持体の間に介装され、前記動力伝達体から前記プーリを介して加わる力に対抗するよう前記回転体を付勢する付勢手段とを備え、
前記回転体と前記テンショナ支持体の間にはブッシュが挟み込まれて摺動面を成し、
前記プーリの円筒部材に前記動力伝達体から加わる力の力点の位置が、テンショナ軸方向に関して前記ブッシュのテンショナ軸方向両端の位置の間にあることを特徴とするオートテンショナ。 - ブッシュのテンショナ軸方向両端が、プーリの円筒部材のテンショナ軸方向両端よりもテンショナ軸方向に関して外側にあることを特徴とする、請求項1に記載のオートテンショナ。
- ブッシュのテンショナ軸方向の中心位置が、プーリの円筒部材のテンショナ軸方向の中心位置と一致することを特徴とする、請求項1又は2に記載のオートテンショナ。
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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