JP2015224728A - 直動案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直動案内装置が組み込まれた機械の寿命予測試験で、スライダの変位を複数箇所で計測する作業にかかる手間を軽減する。
【解決手段】案内レール1とスライダ2と複数の転動体とを有する直動案内装置10であり、スライダ2は、軌道面11および戻し通路が形成されたスライダ本体21と、スライダ本体21の移動方向両端に固定されたエンドキャップ22を有する。スライダ本体21の両側面に平行キー4が固定され、平行キー4の長手方向両端部41がスライダ本体21スライダ移動方向両端からはみ出している。
【選択図】図1

Description

この発明は直動案内装置に関する。
直動案内装置は、案内レールとスライダと複数の転動体とを有し、転動体を介して案内レールに対してスライダが移動する装置である。前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有する。前記軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、前記転動体は前記転動通路に配置されている。前記スライダは、前記軌道面および前記戻し通路が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の移動方向両端に固定されたエンドキャップを有する。
このような直動案内装置は各種機械に組み込まれて使用されるが、その機械の寿命予測試験の際に、スライダの変位を複数箇所で計測し、各計測値からスライダに作用する各方向(上下方向、左右方向)の荷重およびモーメント荷重(ローリング方向、ピッチング方向、およびヨーイング方向)を算出することが行なわれている。
従来は、機械の移動部をスライダ本体に固定した後に、スライダ本体にキーを固定し、このキーの変位を変位計測センサで計測することで、スライダの変位を計測している。
特許文献1には、スライダ(ケーシング)に作用する荷重に応じて発生するひずみを検出するために、各脚部(袖部)に引張りひずみ検出用センサと圧縮ひずみ検出用センサを設けることが記載されている。引張りひずみ検出用センサは、スライダに荷重が作用して両脚部に、互いに離れる方向の力が作用したとき、その力の作用で両脚部の外側面に形成される膨らみ部に設けている。圧縮ひずみ検出用センサは、この膨らみ部が形成されたとき、その膨らみ部よりも取付部側に連続する凹み部に設けている。
特開2007−263286号公報
特許文献1に記載された直動案内装置では、スライダの変形状態からスライダに荷重が作用している方向を検出することが難しく、スライダに作用している各方向(上下方向、左右方向)の荷重およびモーメント荷重(ローリング方向、ピッチング方向、およびヨーイング方向)を測定することができない。
スライダに作用している各方向の荷重およびモーメント荷重を測定するためには、スライダの変位を複数箇所で計測する必要があるが、従来の方法では、キーの固定や変位計測センサとキーとの位置合わせに手間がかかるという問題点がある。
この発明の課題は、直動案内装置が組み込まれた機械(搬送装置等)の寿命予測試験で、スライダの変位を複数箇所で計測する作業にかかる手間を軽減することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様の直動案内装置は、下記の構成(1) と下記の構成(2) または(3) とを有する。
(1) 案内レールと、スライダと、複数の転動体とを有する。前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有する。前記軌道面は前記案内レールの長手方向に延びている。前記転動体は前記転動通路に配置されている。前記転動体を介して前記案内レールに対して前記スライダが移動する。前記スライダは、前記軌道面および前記戻し通路が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の移動方向両端に固定されたエンドキャップを有する。
(2) 前記スライダ本体の両側面に平行キーが固定され、前記平行キーの長手方向両端部が前記スライダ本体のスライダ移動方向両端からはみ出している。
(3) 前記スライダ本体の上面両角部に凹部を設け、前記凹部に平行キーが固定され、前記平行キーの長手方向両端部が前記スライダ本体のスライダ移動方向両端からはみ出している。
この態様の直動案内装置では、平行キーの長手方向両端部がスライダ本体のスライダ移動方向両端からはみ出しているため、変位計測センサで前記端部の変位を計測することでスライダの変位を計測することができる。
この態様の直動案内装置は、スライダ本体に平行キーが固定されているため、直動案内装置が組み込まれた機械の寿命予測試験でキーの変位計測を行なう際に、スライダ本体にキーを固定する作業が不要となる。
この発明の直動案内装置によれば、直動案内装置が組み込まれた機械の寿命予測試験で、スライダの変位を複数箇所で計測する作業にかかる手間が軽減される。
第1実施形態の直動案内装置を示す斜視図である。 第2実施形態の直動案内装置を示す斜視図である。 実施形態の直動案内装置について、スライダの変位計測方法の一例を示す平面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明はこの実施形態に限定されない。
[第1実施形態]
図1に示すように、この実施形態の直動案内装置10は、案内レール1と、スライダ2と、図示されないボール(転動体)と、平行キー4とからなる。
案内レール1は金属製で、上側角部と各側面の二箇所に二対四個の転動溝(転動面)11が形成されている。案内レール1には、複数個の取付穴15が長手方向に等間隔で形成されている。スライダ2は、金属製のスライダ本体21と、その直動方向両端部に配置された合成樹脂製のエンドキャップ22と、さらにその両側に配置されたサイドシール23とからなる。
スライダ本体21の内側の、案内レール1の転動溝11と対向する位置に、ボールの転動溝(転動面)が形成されている。スライダ本体21の上面の四箇所に雌ねじ穴21aが形成されている。互いに対向する案内レール1の転動溝11とスライダ2の転動溝により、二対四個の転動通路が形成されている。
スライダ本体21には、二対四個の戻し通路が形成されている。各転動通路と各戻し通路は、エンドキャップ22内に形成された二対四個の方向転換路により接続されている。これらの転動通路、戻し通路、および方向転換路により、ボールの循環経路が構成されている。ボールを介して案内レール1に対してスライダ2が移動する。
スライダ本体21の両側面に、平行キー4の長手方向中央部が接着剤で固定され、平行キー4の長手方向両端部41がスライダ2のスライダ移動方向両端からはみ出している。平行キー4は、上面がスライダ本体21の上面(最も高い面)と同じか少し低い面となり、側面がスライダ本体21の側面と平行になっている。
この実施形態の直動案内装置10では、変位計測センサで平行キー4の端部41の変位を計測することで、スライダ2の変位を計測することができる。
また、この実施形態の直動案内装置10は、スライダ本体21に平行キー4が固定されているため、直動案内装置10が組み込まれた機械の寿命予測試験でキーの変位計測を行なう際に、スライダ本体21にキーを固定する作業が不要となる。よって、直動案内装置10が組み込まれた機械の寿命予測試験で、スライダ2の変位を複数箇所で計測する作業にかかる手間が軽減される。
[第2実施形態]
図2に示すように、この実施形態の直動案内装置10は、案内レール1と、スライダ2と、図示されないローラ(転動体)と、平行キー4とからなる。
案内レール1は金属製で、両側面に二対四個の転動面12が形成されている。案内レール1には、複数個の取付穴15が長手方向に等間隔で形成されている。スライダ2は、金属製のスライダ本体21と、その直動方向両端部に配置された合成樹脂製のエンドキャップ22と、さらにその両側に配置されたサイドシール23とからなる。
スライダ本体21の内側の、案内レール1の転動面12と対向する位置に、ローラの転動面が形成されている。スライダ本体21の上面の四箇所に雌ねじ穴21aが形成されている。互いに対向する案内レール1の転動面12とスライダ2の転動面により、二対四個の転動通路が形成されている。
スライダ本体21には、二対四個の戻し通路が形成されている。各転動通路と各戻し通路は、エンドキャップ22内に形成された二対四個の方向転換路により接続されている。これらの転動通路、戻し通路、および方向転換路により、ローラの循環経路が構成されている。ローラを介して案内レール1に対してスライダ2が移動する。
スライダ本体21の上面両角部に、平行キー4の断面形状に対応させた凹部21bが形成されている。これらの凹部21bに、平行キー4の長手方向中央部が接着剤で固定され、平行キー4の長手方向両端部41がスライダ2のスライダ移動方向両端からはみ出している。平行キー4は、上面がスライダ本体21の上面(最も高い面)と同じか少し低い面となり、側面がスライダ本体21の側面と同一面になっている。
この実施形態の直動案内装置10では、変位計測センサで平行キー4の端部41の変位を計測することで、スライダ2の変位を計測することができる。
また、この実施形態の直動案内装置10は、スライダ本体21に平行キー4が固定されているため、直動案内装置10が組み込まれた機械の寿命予測試験でキーの変位計測を行なう際に、スライダ本体21にキーを固定する作業が不要となる。よって、直動案内装置10が組み込まれた機械の寿命予測試験で、スライダ2の変位を複数箇所で計測する作業にかかる手間が軽減される。
[スライダの変位計測方法]
第1および第2実施形態の直動案内装置が組み込まれた機械の寿命予測試験で、スライダ2の変位を計測する際には、例えば、図3に示すようにして計測を行なうことができる。
この例では、二個のスライダ2を有する直動案内装置が二台組み込まれた搬送装置の寿命予測試験について説明する。二台の直動案内装置の案内レール1が、各取付穴15を貫通するボルト51で基台5に固定されている。二対四個のスライダ2の上面に移動部6がボルト61で固定されている。各ボルト61は、各スライダ2のスライダ本体21の上面に形成された雌ねじ穴21aに螺合されている。
四個のスライダ2毎に、第一乃至第五のリニアゲージ(変位計測センサ)71〜75が配置されている。各リニアゲージ71〜75は、本体と計測対象物に接触させる測定子とを有し、測定子の計測対象物からの進退量で変位を計測する装置である。
第一のリニアゲージ71は、二台の直動案内装置の内側に位置する平行キー4の変位を計測するものであり、平行キー4の移動部6からはみ出している端部の下面に測定子が接触するように、本体が基台5に固定されている。第二のリニアゲージ72は、二台の直動案内装置の外側に位置する平行キー4の変位を計測するものであり、平行キー4の移動部6からはみ出している端部の下面に測定子が接触するように、本体が基台5に固定されている。
第三のリニアゲージ73は、二台の直動案内装置の外側に位置する平行キー4の変位を計測するものであり、平行キー4の移動部6の下方に存在する端部の下面に測定子が接触するように、本体が基台5に固定されている。第四のリニアゲージ74は、二台の直動案内装置の外側に位置する平行キー4の変位を計測するものであり、平行キー4の移動部6からはみ出している端部の側面に測定子が接触するように、本体が基台5に固定されている。
第五のリニアゲージ75は、二台の直動案内装置の外側に位置する平行キー4の変位を計測するものであり、平行キー4の移動部6の下方に存在する端部の側面に測定子が接触するように、本体が基台5に固定されている。
したがって、この例では、第一のリニアゲージ71による変位計測値と第二のリニアゲージ72による変位計測値から、各スライダ2に作用しているローリング方向のモーメント荷重が算出できる。第三のリニアゲージ73による変位計測値と第二のリニアゲージ72による変位計測値から、各スライダ2に作用しているピッチング方向のモーメント荷重が算出できる。
また、第一のリニアゲージ71による変位計測値、第二のリニアゲージ72による変位計測値、または第三のリニアゲージ73による変位計測値から、それぞれ各スライダに作用している上下方向の荷重が算出できる。
また、第四のリニアゲージ74による変位計測値と第五のリニアゲージ75による変位計測値とから、各スライダ2に作用しているヨーイング方向のモーメント荷重が算出できる。また、第四のリニアゲージ74による変位計測値または第五のリニアゲージ75による変位計測値から、各スライダ2に作用している左右方向の荷重が算出できる。
なお、第一乃至第五のリニアゲージ71〜75の本体が、基台5に対して各スライダ2とともに移動可能に設置されていれば、移動部6の移動中にスライダ2の変位が計測できるため、移動部6の移動中に連続してスライダ2にかかる荷重およびモーメント荷重を測定することができる。
1 案内レール
10 直動案内装置
11 案内レールの転動溝(転動面)
12 案内レールの転動面
15 取付穴
2 スライダ
21 スライダ本体
21a 雌ねじ穴
21b 凹部
22 エンドキャップ
23 サイドシール
4 平行キー
41 平行キーの端部
5 基台
51 ボルト
6 移動部
61 ボルト
71 第一のリニアゲージ
72 第二のリニアゲージ
73 第三のリニアゲージ
74 第四のリニアゲージ
75 第五のリニアゲージ

Claims (2)

  1. 案内レールと、スライダと、複数の転動体とを有し、
    前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、
    前記軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、
    前記転動体は前記転動通路に配置され、
    前記転動体を介して前記案内レールに対して前記スライダが移動し、
    前記スライダは、前記軌道面および前記戻し通路が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の移動方向両端に固定されたエンドキャップを有し、
    前記スライダ本体の両側面に平行キーが固定され、前記平行キーの長手方向両端部が前記スライダ本体のスライダ移動方向両端からはみ出している直動案内装置。
  2. 案内レールと、スライダと、複数の転動体とを有し、
    前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、
    前記軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、
    前記転動体は前記転動通路に配置され、
    前記転動体を介して前記案内レールに対して前記スライダが移動し、
    前記スライダは、前記軌道面および前記戻し通路が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の移動方向両端に固定されたエンドキャップを有し、
    前記スライダ本体の上面両角部に凹部を設け、前記凹部に平行キーが固定され、前記平行キーの長手方向両端部が前記スライダ本体のスライダ移動方向両端からはみ出している直動案内装置。
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