JP2015224255A - 転動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低トルクでありながらも、グリース漏れを起こし難い転動装置を提供する。【解決手段】炭素数16〜18の芳香族アミンをグリース全量の15〜23質量%含有し、構造回復率が79%以上であるグリース組成物により潤滑されている転動装置。【選択図】図1
Description
本発明は転動装置に関し、より詳細にはグリース漏れが少なく、低トルクの転動装置に関する。
各種産業機械で使用されるモータは様々な慣用で運転されるため、モータの主軸を支持するために組み込まれる軸受には、使用される条件下で長期間使用可能な潤滑剤が求められている。また、近年の環境意識の高まりから、モータも高能率化が求められており、使用される軸受には低トルク化の要求が強い。
例えば、特許文献1では、流動点の低い基油を用い、増ちょう剤にはシクロヘキシル基と直鎖アルキル基及び分岐アルキル基を持つジウレアを用いることで、グリース組成物の流動性を高めている。また、特許文献2では、増ちょう剤にリチウム石けんとN−置換テレフタラミン酸金属塩を用い、基油を低粘度化するためにアルコールとエステル油とを用いることで、グリース組成物のトルク特性を向上させている。
しかしながら、増ちょう剤はせん断を受けることによりその網目構造が変化し、グリース状態は初期と使用後とでは大きく変化する。また、せん断によって軟化したグリース組成物はトルクを低減するが、軟化した状態では軸受から漏れ出すという懸念点がある。
そこで本発明は、低トルクでありながらも、グリース漏れを起こし難い転動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、下記の転動装置を提供する。
(1)炭素数16〜18の芳香族アミンをグリース全量の15〜23質量%含有し、構造回復率が79%以上であるグリース組成物により潤滑されていることを特徴とする転動装置。
(2)前記グリース組成物が、更にポリアルキレングリコール誘導体をグリース全量の12〜25質量%含有し、基油としてポリオールエステル油、アルキルジフェニルエーテル油及びポリアルキレングリコール油の何れか1種以上をグリース全量の60〜70質量%以上含有し、かつ、ちょう度が260〜390であることを特徴とする上記(1)記載の転動装置。
(1)炭素数16〜18の芳香族アミンをグリース全量の15〜23質量%含有し、構造回復率が79%以上であるグリース組成物により潤滑されていることを特徴とする転動装置。
(2)前記グリース組成物が、更にポリアルキレングリコール誘導体をグリース全量の12〜25質量%含有し、基油としてポリオールエステル油、アルキルジフェニルエーテル油及びポリアルキレングリコール油の何れか1種以上をグリース全量の60〜70質量%以上含有し、かつ、ちょう度が260〜390であることを特徴とする上記(1)記載の転動装置。
本発明によれば、低トルクでありながらも、グリース漏れが抑えるられた長寿命の転動装置が得られる。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明において転動装置の種類には制限はなく、例えば図1に示す玉軸受を例示することができる。図示される玉軸受は、外周面に内輪軌道面1aが形成された内輪1と、内周面に外輪軌道面2aが形成された外輪2との間に複数の玉3を保持器4により転動自在に保持したものであり、内輪1、外輪2及び玉3で形成される軸受空間にグリース組成物Gを充填し、一対のシール5,6で封止して構成されている。
本発明では、グリース組成物Gとして、構造回復率が高く、低トルクでもある下記特定組成のグリース組成物を用いる。グリース組成物の構造回復率は、せん断を受けて軟化した状態から、せん断を取り除いたときに元の硬さに戻るまでの回復のしやすさを表す指標であり、せん断前後の見かけ粘度から評価することができる。具体的には、レオメータにて、せん断速度0.01〜960s−1の範囲で見かけ粘度を2回測定し、その際、1回目を測定した後に5分間静置し、同じ条件にて2回目の見かけ粘度を測定する。そして、せん断速度100s−1における1回目の見かけ粘度の測定値と、2回目の見かけ粘度の測定値とから、下記式により構造回復率を求める。
構造回復率(%)=(2回目の見かけ粘度測定値)/(1回目の見かけ粘度測定値)
×100
構造回復率(%)=(2回目の見かけ粘度測定値)/(1回目の見かけ粘度測定値)
×100
構造回復率は高いほどグリース漏れを起こし難く、本発明では79%以上、好ましくは85%以上とする。
このような構造回復率とするために、基油に、炭素数8〜18、好ましくは炭素数16〜18の芳香族アミンをグリース全量の15〜23質量%となる量配合する。
また、芳香族アミンとともに、ポリアルキレングリコール誘導体をグリース全量の12〜25質量%、好ましくは13〜25質量%となる量併用することにより、構造回復率がより高まる。
ポリアルキレングリコール誘導体は、下記(1)式で表される、
Y−〔O−(EO)k−(AO)m−H〕n ・・・(1)
(式中、Yは水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基、AOは炭素数4〜8のオキシアルキレン基であり、EOとAOとはブロック状に結合しており、kは1〜50、mは1〜50であり、EOの質量割合はEOとAOの合計量100質量部に対し10〜75質量部である。また、nは3〜6である。)
Y−〔O−(EO)k−(AO)m−H〕n ・・・(1)
(式中、Yは水酸基を3〜6個有する多価アルコールから水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基、AOは炭素数4〜8のオキシアルキレン基であり、EOとAOとはブロック状に結合しており、kは1〜50、mは1〜50であり、EOの質量割合はEOとAOの合計量100質量部に対し10〜75質量部である。また、nは3〜6である。)
ポリアルキレングリコール誘導体(A)を芳香族アミン(B)ともに併用する場合、質量比で、(A/B)比で12/32〜5/3とすることが好ましい。配合割合をこの範囲にすることにより、構造回復率を高めるのにより効果的となる。
一方、グリース組成物の基油には、25℃で液状のエステル油、エーテル油またはポリアルキレングリコール油、もしくはこれらを混合して用いることが好ましい。尚、エステル油としてはポリオールエステル油等、エーテル油としてはアルキルジフェニルエーテル油等、ポリアルキレングリコール油としてはアルキルトリフェニルエーテル油等を挙げることができる。
また、基油は、低トルク化のために、40℃における動粘度が15〜35mm2/sであることが好ましい。更に、基油の含有量は、グリース全量の60〜70質量%とすることが好ましい。
更に、グリース組成物には、本発明の範囲を損なわない範囲で、通常のグリース用添加剤を適量添加することができる。
上記のグリース組成物は、基油に、芳香族アミン及びポリアルキレングリコール誘導体を規定量、必要に応じて他の添加剤を適量添加し、加熱してこれらを完全に溶解させ、撹拌しながら室温まで冷却して得られる。尚、流動性とグリース漏洩を抑えるために、ちょう度は260〜390であることが好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜6)
表1に示すように、基油にポリアルキレングリコール誘導体を加えて70℃にて均一に溶解させた後、芳香族アミンまたは脂肪族アミンを徐々に加えて100〜120℃に加熱して溶解させた後、撹拌しながら25℃まで冷却して、試験グリースを調製した。また、各試験グリースのちょう度を、表記の通りに調整した。尚、比較例には市販のウレアグリースを用いた。
表1に示すように、基油にポリアルキレングリコール誘導体を加えて70℃にて均一に溶解させた後、芳香族アミンまたは脂肪族アミンを徐々に加えて100〜120℃に加熱して溶解させた後、撹拌しながら25℃まで冷却して、試験グリースを調製した。また、各試験グリースのちょう度を、表記の通りに調整した。尚、比較例には市販のウレアグリースを用いた。
そして、試験グリースについて、下記の(1)構造回復率及び(2)トルクを測定した。
(1)構造回復率測定
直径25mmのパラレルプレートを用い、ギャップ0.5mmの間に試験グリースを満たし、30℃においてせん断速度0.01〜960s−1の範囲で見かけ粘度を2回測定し、その際に1回目の測定後5分間静置し、同じ条件にて2回目の見かけ粘度を測定した。そして、せん断速度100s−1における1回目の見かけ粘度の測定値と2回目の見かけ粘度の測定値とから、下記式により構造回復率を求めた。
構造回復率(%)=(2回目の見かけ粘度測定値)/(1回目の見かけ粘度測定値)
×100
直径25mmのパラレルプレートを用い、ギャップ0.5mmの間に試験グリースを満たし、30℃においてせん断速度0.01〜960s−1の範囲で見かけ粘度を2回測定し、その際に1回目の測定後5分間静置し、同じ条件にて2回目の見かけ粘度を測定した。そして、せん断速度100s−1における1回目の見かけ粘度の測定値と2回目の見かけ粘度の測定値とから、下記式により構造回復率を求めた。
構造回復率(%)=(2回目の見かけ粘度測定値)/(1回目の見かけ粘度測定値)
×100
結果を表1、並びに図2に実施例1、図3に実施例3、図4に比較例1の試験グリースの見かけ粘度の測定結果をグラフ化して示す。また、図5に、芳香族アミンの含有量と構造回復率との関係を示す。尚、図5のプロット「▲」は比較例を示す。
(2)トルク測定
深溝玉軸受(内径25mm、外径62mm、幅17mm)に、試験グリースを軸受空間の35体積%を占める量封入し、回転数3000min−1、ラジアル荷重98N、室温にてトルクを測定した。回転初期の最大トルクを起動トルク、回転後14〜15分におけるトルクの平均値を動トルクとした。結果を表1に、比較例1に対する相対値で示す。
深溝玉軸受(内径25mm、外径62mm、幅17mm)に、試験グリースを軸受空間の35体積%を占める量封入し、回転数3000min−1、ラジアル荷重98N、室温にてトルクを測定した。回転初期の最大トルクを起動トルク、回転後14〜15分におけるトルクの平均値を動トルクとした。結果を表1に、比較例1に対する相対値で示す。
表1に示すように、各実施例では本発明に従う試験グリースを封入したことにより、構造回復率が高い一方で、起動トルク及び動トルクを低減した軸受が得られている。
また、図2〜4に示すように、実施例1及び実施例3の試験グリースは1回目と2回目とで見かけ粘度の差がウレアグリースに比べて格段に小さく、構造回復性に優れることがわかる。
更に、図5に示すように、芳香族アミンの含有量が15〜25質量%の範囲で高い構造回復率が得られている。
1 内輪
2 外輪
3 玉
4 保持器
5,6 シール
G グリース組成物
2 外輪
3 玉
4 保持器
5,6 シール
G グリース組成物
Claims (2)
- 炭素数16〜18の芳香族アミンをグリース全量の15〜23質量%含有し、構造回復率が79%以上であるグリース組成物により潤滑されていることを特徴とする転動装置。
- 前記グリース組成物が、更にポリアルキレングリコール誘導体をグリース全量の12〜25質量%含有し、基油としてポリオールエステル油、アルキルジフェニルエーテル油及びポリアルキレングリコール油の何れか1種以上をグリース全量の60〜70質量%以上含有し、かつ、ちょう度が260〜390であることを特徴とする請求項1記載の転動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014107920A JP2015224255A (ja) | 2014-05-26 | 2014-05-26 | 転動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014107920A JP2015224255A (ja) | 2014-05-26 | 2014-05-26 | 転動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015224255A true JP2015224255A (ja) | 2015-12-14 |
Family
ID=54841283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014107920A Pending JP2015224255A (ja) | 2014-05-26 | 2014-05-26 | 転動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015224255A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022509157A (ja) * | 2018-11-22 | 2022-01-20 | シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー | 潤滑剤特性を決定するための方法 |
WO2022071195A1 (ja) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | Ntn株式会社 | 転がり軸受および電動機 |
-
2014
- 2014-05-26 JP JP2014107920A patent/JP2015224255A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022509157A (ja) * | 2018-11-22 | 2022-01-20 | シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー | 潤滑剤特性を決定するための方法 |
JP7192118B2 (ja) | 2018-11-22 | 2022-12-19 | シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー | 潤滑剤特性を決定するための方法 |
US11761871B2 (en) | 2018-11-22 | 2023-09-19 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Method for determining lubricant properties |
WO2022071195A1 (ja) * | 2020-09-30 | 2022-04-07 | Ntn株式会社 | 転がり軸受および電動機 |
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