JP2015223143A - Tcrの細胞傷害活性誘導能を評価するためのnk細胞株、およびその作製方法 - Google Patents

Tcrの細胞傷害活性誘導能を評価するためのnk細胞株、およびその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】TCR遺伝子の細胞傷害活性誘導能を評価する方法を提供する。
【解決手段】NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入されており、TCR遺伝子が導入されたときにCD3-TCR複合体を細胞膜上に形成可能である、TCRの細胞障害活性を評価するための、細胞株を用いる。由来するNK細胞株は、好ましくはKYHG-1、KANK-1、NK-92、NKLまたはNK-YSである。発現カセットは、好ましくはCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子が各々2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで連結されたものであり、細胞株にはさらに、IL-2遺伝子が発現可能に導入されていることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、TCRの抗原特異的細胞傷害活性誘導能を評価するためのNK細胞株、およびその作製方法に関する。本発明は、ライフサイエンスおよび医療等の分野で有用である。
TCR遺伝子治療は、がんのテーラーメイド医療として注目を集めている新しい養子免疫療法の一つであり、がん患者のT細胞に、がん細胞に発現する腫瘍抗原を認識できるTCR遺伝子を導入する。この際に、高い細胞障害活性誘導能を有するTCRを導入することが重要であり、そのため、TCR遺伝子の細胞傷害活性誘導能を評価するための種々の検証方法が提案されている。例えば、レトロウイルスを用いて目的TCR遺伝子をヒトTリンパ球に導入し、細胞表面に発現させ、そして51Choromium標識した標的細胞とこれらTリンパ球を共培養し、培養上清中に放出される51Choromiumの量より、TCR遺伝子の細胞傷害活性誘導能を検証することが提案されている(非特許文献1)。
α鎖とβ鎖から構成されるTCRは、細胞膜上ではさらにCD3分子と結合し、複合体を形成している。CD3は細胞内領域にITAM (immunoreceptor tyrosine-based activation motif) と呼ばれるアミノ酸配列を持ち、このモチーフが細胞内のシグナル伝達に関与する。TCRα/β遺伝子をT細胞に導入する場合、T細胞がもともと有していた内在のTCRα/β鎖と導入したTCRα/β鎖もペアを形成しうる。そのため、目的のα/β鎖のペアの割合が減るばかりでなく、ミスペアリングがもとで意図しない抗原特異的なTCRをもつT細胞が作製される可能性がある。この問題を解決すべく、目的TCR遺伝子に加え、内在のTCRをノックダウンするsiRNAを導入する方法が報告されている(非特許文献2)。
一方、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の1種であり、特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶において重要である。NK細胞は、TCRおよびCD3、ならびに膜免疫グロブリンであるB細胞受容体を発現しておらず、通常、ヒトではCD16A(FcγRIIIA)とCD56、マウスではNK1.1/NK1.2という表面マーカーを発現している。NK細胞は定常状態でも活性化した細胞傷害性リンパ球に特徴的な形態(大きなサイズ、小胞体に富む細胞質、顆粒など)をしており、新たなタンパク質合成や再構成をほとんどせずに、そのままで細胞傷害性を示す。したがって迅速に応答できる。
NK細胞の細胞傷害活性機構にはNatural killing(NK)活性と抗体依存性細胞傷害活性(ADCC; Antibody dependent cellular cytotoxicity)が知られている。NK活性は正常細胞に発現するMajor histocompatibility complex (MHC) class Iに結合してNK細胞の活性化を抑える抑制分子を介して、がん化などによりMHC class I分子の発現が低下した標的細胞に細胞傷害を行う機構である。ADCC活性はNK細胞表面上に抗体のFc部分に結合してNK細胞を活性化するFc受容体(CD16A)を持ち、標的細胞に結合した抗体に結合すると、標的細胞の傷害を行う機構である。
NK細胞は、in vitroで継続的に培養可能な株がいくつか樹立されている。NK細胞株またはNKT細胞株であるKHYG-1、NK-92、YTおよびSNT-8について、NK活性を比較した報告がある(非特許文献3)。NK細胞のADCC活性は、その細胞表面にあるCD16を介し、抗体が結合した標的細胞を傷害することによる。しかしながら、樹立されたNK細胞株は多くの場合、CD16を欠失している。そこで、NK-92にCD16遺伝子を導入して細胞表面に発現させた報告がある(非特許文献4)。また、KHYG-1にCD16を導入し、ADCCを利用したアッセイにおいてエフェクタ細胞として用いることが提案されている(特許文献1)。
他方、これまで樹立されたNK細胞株はいずれも培養培地中にIL-2を添加する必要がある。そこでNK-92に外来のIL-2遺伝子を導入することで、細胞内にIL-2を発現させ、培養中にIL-2の添加が不要なNK-92由来株が樹立されている。このIL-2導入NK-92株は、IL-2が導入されていない場合と比較して、in vivoにおいてもより高いNK活性を発揮することが報告されている(非特許文献5)。
国際公開WO2009/041113
Blood 2009 Jul; 114(3): 535-546 Cancer Res. 2009 Dec 1; 69(23): 9003-9011 Experimental Hematology 2005; 33: 1160-1171 J Immunol 2008; 180: 6392-6401 Blood 1998; 91: 3850-3861
TCR遺伝子治療に際し、TCR遺伝子の細胞傷害活性誘導能を評価することが必要である。その際、TCRを導入するT細胞は、健常人ボランティアまたは被験者からの末梢血採血により入手できるが、この末梢血からのT細胞の分離には、比重分離遠心を行うなどの煩雑で時間の要する行程を経る必要がある。そしてT細胞への遺伝子導入効率やT細胞の活性は、提供者に拠って異なり、また同一人から採取したものであっても、採取時期により差異があることも多い。さらに提供者からの採血量にも限界があるため、分離されるT細胞の量が限られる。加えて、通常、T細胞への遺伝子導入は非常に困難であり、目的のTCR遺伝子の細傷害活性誘導能を測定する際の大きな障害となっている。更に、ヒトから分離したTリンパ球はその細胞自身のTCR遺伝子を発現しており、これらが導入したTCRとペアになることで目的のTCRペアの発現量が減少するのみならず、意図しない反応が生じうる。
一方、Tリンパ球以外に細胞傷害活性をもつ細胞にNK細胞があるが、これまで樹立されているNK細胞株の多くは、培養培地中にIL-2を添加する必要がある。そのため大量に調整して実験に使用するには経済的な問題があり、また、生体内での生存期間が限られるため、TCRを導入して担がんマウス等を用いるin vivoの実験によりTCRの細胞傷害活性誘導能の測定に用いることが困難であると考えられた。
本発明は、以下を提供する:
[1] NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入されており、TCR遺伝子が導入されたときにCD3-TCR複合体を細胞膜上に形成可能である、TCRの細胞障害活性を評価するための、細胞株。
[2] NK細胞株が、KYHG-1、KANK-1、NK-92、NKLまたはNK-YSである、[1]に記載の細胞株。
[3] NK細胞株が、KYHG-1である、[2]に記載の細胞株。
[4] 発現カセットが、CD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子が各々2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで連結されたものである、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の細胞株。
[5] さらにIL-2遺伝子が発現可能な状態で導入されている、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の細胞株。
[6] IL-2遺伝子が、IRES配列の下流に連結されて導入されている、[5]に記載の細胞株。
[7] IL-2を添加しない培地で、または動物体内で維持されている、[5]または[6]に記載の細胞株。
[8] (1)NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入された細胞を準備し;
(2)準備した細胞に候補TCRをコードする遺伝子を導入してCD3-候補TCR複合体が細胞膜上に形成された細胞を得て;
(3)得られた細胞とあらかじめ準備した標的細胞とを接触させ;そして
(4)標的細胞が障害されたか否かおよび/または標的細胞が障害された程度を基準として、候補TCRの細胞障害活性誘導能を評価する
工程を含む、候補TCRの細胞障害活性誘導能の評価方法。
[9] 8に定義された工程(1)〜(4)を含み、細胞障害活性誘導能に基づき候補TCRの採否を決定する、TCRのスクリーニング方法。
[10] 2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで各々連結されたCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子、ならびにIRES配列およびIRESの下流に連結されたIL-2遺伝子を含む、ベクター。
[11] NK細胞株である細胞を[10]に記載されたベクターで形質転換し;そして
形質転換された細胞を、IL-2非依存性であることを指標に、選抜する
工程を含む、TCRの細胞障害活性誘導能の評価のための細胞株の作製方法。
[12] IL-2非依存性であることを指標に選抜する工程が、培地中のIL-2の濃度を段階的に低下することによる、[11]に記載の作成方法。
本発明により、細胞株を用いて、TCR遺伝子の細胞傷害活性誘導能を評価することができる。そのため、煩雑で時間のかかるT細胞の調製工程を経る必要がない。また、均質な細胞を大量に調製することができるため、高い確率で候補TCR遺伝子を導入でき、候補TCRの細胞傷害活性誘導能を安定して評価できる。
本発明の細胞株を用いる場合は、元来T細胞が発現する内在TCRとのミスペアリングを回避できるため、目的のTCRのみが評価できる。
本発明の好ましい実施態様においては、細胞株はIL-2の培地中への添加を必要としないので、安価に大量に調製できる。また、動物体内での長期生存が期待でき、in vivoでもTCRの細胞傷害活性誘導能が評価できる。
実施例で使用した2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで各々連結されたCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子を含む構築物の配列、およびIL-2の配列。 実施例で使用した2A連結CD3遺伝子群を含む構築物の模式図。連結部分の配列も示した。 (A) EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株の導入TCR発現確認。2A-CD3-IL-2ベクターを導入したNK細胞株にEBV-BRLF1198-206特異的TCRのα鎖とβ鎖をそれぞれ発現するレトロウイルスを感染させた。感染させたNK細胞株をCD3ε-APCを用いて染色し、導入したTCRの細胞表面への発現を確認した。(上段;導入なし、下段;導入あり) EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株による細胞傷害活性。EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株とEBV-BRLF1198-206ペプチドを提示させた標的細胞と、無関係なペプチド(HIVgp)を提示させた標的細胞を共培養することで、導入したTCR依存的な細胞傷害を測定した。
(細胞株)
本発明は、NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入されており、TCR遺伝子が導入されたときにCD3-TCR複合体を細胞膜上に形成可能である、TCRの細胞障害活性誘導能を評価するための、細胞株を提供する。
本発明で細胞について「株」というときは、特に記載した場合を除き、性質を大きく変えることなく継続的にin vitroで培養可能な細胞群をいう。
本発明の細胞株はNK細胞株に由来する。本発明でNK細胞というときは、特に記載した場合を除き、通常の意味で用いている。NK細胞であることは、表面マーカー(例えばCD2を有し、CD3およびTCRを有さない(CD2+CD3-TCR-))等の特徴により、特定できる。NK細胞株は、種々のものが細胞バンクから入手可能であり、また市販もされている。本発明に用いることのできるNK細胞株の例としては、特に限定されないが、KYHG-1、KANK-1、NK-92、NKLおよびNK-YSが挙げられる。
NK細胞株に由来するとは、NK細胞株を出発細胞とし、形質転換等の手法により、得られたものであることをいう。
(発現カセット)
本発明の細胞株には、CD3鎖(CD3を構成する各々の分子、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζのいずれかを指す。)をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入されている。発現カセットは、同じ細胞にTCR遺伝子が導入された際、発現したTCRとともに、TCR-CD3複合体を細胞膜上に機能可能に形成できるものであればどのような構成であってもよいが、好ましい態様においては、CD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子を含む。
各遺伝子は、それぞれ独立したプロモーターの制御下に配置し、遺伝子と同じ数の発現ユニットとしてもよいが、各遺伝子を介在配列を介してポリシストロニックに連結し、単一プロモーターを用いる一つの発現カセットとすることが好ましい。
CD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子を連結するための介在配列の好ましい例は、IRES(Internal ribosome entry site)、2Aペプチドをコードする配列である。その前後に配置された遺伝子の間で発現量が異なることがあるIRESより、2Aペプチドをコードする配列がより好ましい。
2Aペプチドは、ウイルス由来の20アミノ酸残基前後のペプチド配列であり、細胞に内在するプロテアーゼ(2Aペプチダーゼ)により認識され、C末端から1残基の位置で切断される。2Aペプチドにより一つのユニットに連結された複数の遺伝子は、一つのユニットとして転写・翻訳された後、2Aぺプチダーゼで切断される。2Aペプチドの例としては、F2A(foot-and-mouth disease virus由来)、E2A(equine rhinitis A virus由来)、T2A(Thosea asigna virus由来)、P2A(porcine teschovirus-1由来)が挙げられる。一つのユニットとして転写・翻訳可能な連結を、ポリシストロニックであるという。
介在配列は、2Aペプチドをコードする配列以外に、さらに他の配列を含んでいてもよい。このような他の配列は、連結されたコード配列の発現を妨げない限り限定されず、当業者であれば適宜選択することができる。
CD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子を連結する順番は、機能可能なCD3が発現される限り特に限定されないが、この順で連結されていることが好ましいと考えられる。すなわち、発現カセットの特に好ましい実施態様においては、CD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子が、この順で2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドを介して連結されている。このような発現カセットの配列の一例を、配列表の配列番号1に示す。
発現カセットは、当業者であれば公知の手段を用いて、適宜調製することができる。
(IL-2遺伝子)
本発明の細胞株には、さらにIL-2遺伝子が発現可能な状態で導入されていてもよい。このような細胞株は、培地にIL-2を添加する必要がなく、より安価に培養できるので、大量に調製する場合に、特に好ましい。IL-2遺伝子は、ヒト由来のものを用いることができる。ヒト由来のIL-2遺伝子の塩基配列の例を、配列表の配列番号2に示した。
IL-2遺伝子の導入は、先に述べた発現カセットの機能を損なわず、かつIL-2が有効に発現される限り、種々の方法で行うことができる。例えば、発現カセットの下流に、介在配列を介してさらにIL-2遺伝子連結することができる。ここで用いることのできる介在配列の例としては、特に限定されないが、IRESおよび2Aペプチドをコードする配列が挙げられる。ここで用いる介在配列の好ましい例は、IRESである。なお、2Aペプチドをコードする配列で連結した場合、翻訳産物が2Aペプチドで切断された後、切断末端には数個のアミノ酸が残るため、これがIL-2遺伝子の細胞外への分泌に影響しないかを検討してもよい。
プロモーターを2個もつベクターに、発現カセットとIL-2遺伝子をそれぞれ組み込むこともできる。このようなベクターの例として、pFC-EF1-MCS-PGK-RFP-Puro (cat# FC550A-1)、pFC-PGK-MCS-EF1-GFP-Puro(cat#FC551A-1)が挙げられる。
既存のNK細胞株は通常、培地へのIL-2の添加を必要とするが、CD3遺伝子に加えて、IL-2遺伝子が発現可能な状態で導入された本発明の細胞株は、IL-2を生産することができ、IIL-2を添加しない培地で培養することができる。また、IL-2を生産することができるから、動物体内であっても長期間にわたり生存できる(非特許文献5参照)と期待できる。
(細胞株の作製方法)
本発明の細胞株は、例えば、次のように作製することができる。なお本発明において「作製」は、「製造」または「生産」と言い換えることができる。
細胞株の作製においては、まず、2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで各々連結されたCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子からなる発現カセット、ならびにIL-2遺伝子を発現可能に挿入したベクターを準備する。
発現カセットおよびIL-2遺伝子を挿入するベクターは、特に限定されず、例としては、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、センダイウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、HSVベクター、プラスミドベクター、PACベクター、BACベクターが挙げられる。好ましい実施態様では、発現ベクターとしてウイルスベクター、好ましくはレトロウイルスベクターが用いられる。ベクターの構築のためのさらに詳しい手順の例は、本明細書の実施例の項およびNat. Biotechnol. 2004 May; 22(5): 589-594を参考にすることができる。
ベクターにより形質転換される細胞としては、継代培養が可能な細胞株として樹立されている種々のNK細胞株を用いることができる。好適な例は、KYHG-1、KANK-1、NK-92、NKLまたはNK-YSである。特に好ましい例は、KHYG-1である。
ベクターの細胞への導入方法は特に制限されるものではなく、一般的な方法、例えば、ウイルスベクターを用いる場合にはそれを細胞に感染させる方法、リン酸カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン法、エレクトロポレーション法、リポソーム法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、HVJリポソーム法等を用いることができる。
形質転換処理がされた後、目的の機能を有する細胞を選抜する。選抜は、細胞表面におけるCD3の発現の有無を指標とすることもできるが、IL-2遺伝子を導入している場合は、IL-2非依存性であることを指標に、選抜することができる。選抜のための条件は、当業者であれば適宜設計できるが、例えば、培地中のIL-2濃度を段階的に低減し、最終的には無添加の培地で培養し、生存可能な細胞を選抜することによる。
培地中のIL-2濃度の低減は、IL-2 が添加されている培養系に、IL-2を含まない培地を段階的に加えることにより、行うことができる。このとき、培地中のIL-2の濃度が急減には下がらないようにするとよい。
このようにして得られた細胞株は新規なものであるが、由来するNK細胞株の培養方法に準じた方法で、継代し、維持することができる。例えばKYHG-1細胞に由来する場合は、RPMI 1640培地であって、10% 牛胎児血清を含み、必要に応じ100 units/mlのIL-2を添加した培地により、5%CO2、37℃で培養することができる。継代は、3、4日毎に1/4に分けることにより行うことができる。IL-2遺伝子を導入した場合は、培地へのIL-2の添加を低減または省略することができる。
得られた細胞株は、候補TCRの細胞障害活性誘導能を評価するために利用できる。本発明の細胞株は、NK細胞株に由来するので、内在性TCRを有さない。そのため、人工的に導入した外来性TCRを効率良く発現させることができ、また内在性TCRとのミスペアリングが生じ得ず、導入したTCRの能力を有効に評価することができる。IL-2が産生可能な細胞株は、生体内での生存期間が長く期待できる(非特許文献5参照)ので、in vivoでの候補TCRの細胞障害活性誘導能の評価にも使用できると考えられる。
(細胞障害活性誘導能の評価方法)
得られた細胞株による、候補TCRの細胞障害活性誘導能の評価方法は、下記の工程を含む。
(1)得られた細胞株、すなわちNK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入された細胞を準備し;
(2)準備した細胞に候補TCRをコードする遺伝子を導入してCD3-候補TCR複合体が細胞膜上に形成された細胞を得て;
(3)得られた細胞とあらかじめ準備した標的細胞とを接触させ;そして
(4)標的細胞が障害されたか否かおよび/または標的細胞が障害された程度を指標として、候補TCRの細胞障害活性誘導能を評価する。
工程(1)の細胞の準備は、当該細胞として、細胞株として維持・継代されているものを用いることにより、容易となる。当該細胞は、IL-2遺伝子が導入されているものであってもよい。
準備した細胞に対し、工程(2)として、候補TCRをコードする遺伝子を導入し、CD3-候補TCR複合体が細胞膜上に発現された細胞を得る。評価の対象となる候補TCRは、種々の方法でクローニングされたTCRα/βペアであり得る。例えば、がん患者由来のT細胞から約10日以内に目的のTCR遺伝子がクローニングできる方法が開発されている(Nat. Medcine 2013 Nov.; 19(11): 1542-1548, WO2014/017533)。本発明の候補TCRは、このような方法により得たものであってもよい。
候補TCRをコードする遺伝子の細胞への導入は、常法を用いて行うことができる。例えばレトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、センダイウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、HSVベクター、プラスミドベクター、PACベクター、BACベクターにTCR遺伝子を組み込み、細胞に感染させ、あるいはリン酸カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン法、エレクトロポレーション法、リポソーム法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、HVJリポソーム法により、細胞に導入することによる。
候補TCRをコードする遺伝子の導入が適切になされていることは、細胞表面のCD3の染色により確認してもよい。従来から行われているヒトプライマリーTリンパ球にTCR遺伝子を導入した場合では、内在のTCRがCD3と会合して細胞表面に発現することがあるため、CD3のみを染色しても導入したTCRとCD3の組み合わせと内在のTCRとCD3との組み合わせを区別できない。そのため、目的のTCRの確認は、抗原特異的MHC tetramerを用いる必要がある。しかしながら、本願では内在のTCRを持たない細胞にTCRが導入されるため、細胞表面のCD3の染色のみで確認できる。
次に、候補TCRが細胞膜上に発現された細胞をエフェクター細胞として、候補TCRによって認識される抗原を提示している標的細胞に接触させる工程(3)を行う。候補TCR発現細胞と、抗原提示標的細胞とが接触することにより、候補TCRが十分な細胞障害活性誘導能を有している場合、標的細胞が障害される。接触は、双方の細胞を共培養することにより実施できる。接触の際の、候補TCR発現細胞(effector cell)と抗原提示標的細胞(target cell)との比(effector/target cell ratio、E/T ratio)は、細胞障害活性が十分に誘導される比とする。通常、5以上であり、好ましくは10以上である。工程(3)は、細胞障害活性が十分に誘導される時間をかけて行う。通常、1〜48時間であり、好ましくは2〜12時間である。
工程(3)において十分な時間処理した後、細胞障害が発生したか否かを検出する工程(4)を行う。この工程において使用することができる手法は、当該技術分野で知られる細胞障害または細胞毒性を評価するための種々の手段を利用できる。一般に、NK細胞の細胞障害性は、51Cr標識した標的細胞を用いて測定されるが、この方法を利用してもよい。詳細な実験条件は、本明細書の実施例の項を参考にすることができる。また、CTL、NK細胞、LAK細胞または単球により引き起こされる細胞性細胞傷害の検出と定量には、細胞から放出された乳酸脱水素酵素(LDH)を高感度に測定することによっても行われているが、工程(3)において、この方法を利用してもよい。また、51CrやLDHの放出を指標とせず、ポリカスパーゼ試薬でアポトーシス細胞を染色することにより、フローサイトメトリーで細胞障害性の測定を行う方法が開発されており、そのためのキットが市販されている。工程(3)において、この方法を利用してもよい。
工程(3)は、担がんマウスを用いたin vivoの評価として実施することもできる。このための手法は、例えば、マウスに標的がん細胞の懸濁液を皮下注射し、その数日後に適切な量の本発明により得られた細胞株を腫瘍内投与する。場合により、細胞株の腫瘍内投与を適切な間隔で繰り返し、複数回実施する。その後、経時的に、または適切な日数経過後に、腫瘍の大きさ、マウスの体重等を測定することによる。
本発明により提供される細胞障害活性誘導能の評価方法は、TCR遺伝子治療により処置可能な疾患または状態にある対象(患者)由来のT細胞から得た候補TCRを評価するために用いることができる。このような疾患または状態の典型的な例は、がんまたは感染症であり、好ましくは、がんである。本発明の適用が期待できる疾患には、がんまたは感染症が含まれ、がんには、成人のがんおよび幼児期のがんが含まれ、また消化器がん、肺がん、および難治性の食道がん、頭頸部がん、卵巣がん、多発性骨髄種等が含まれる。感染症には、ウイルス感染症(例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)、成人T細胞性白血病、エボラ出血熱、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、ウイルス性髄膜炎、黄熱、風邪症候群、狂犬病、サイトメガロウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群 (SARS)、進行性多巣性白質脳症、水痘、帯状疱疹、手足口病、デング熱、伝染性紅斑、伝染性単核球症、天然痘、風疹、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹 、咽頭結膜熱(プール熱)、マールブルグ出血熱、ハンタウイルス腎出血熱、ラッサ熱、流行性耳下腺炎、ウエストナイル熱、ヘルパンギーナ、チクングニア熱)、細菌感染症、リケッチア感染症、寄生性感染症、プリオン病が含まれる。「処置」は、特に記載した場合を除き、発症リスクの低減、予防、治療、進行の抑制を含む。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
〔EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株の導入TCR発現確認〕
1.方法
(1) ベクターの構築
2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで各々連結されたCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子を含む発現カセット(配列番号1)の作製は文献(Nat Biotechnol. 2004 May;22(5):589-94)に従って行った。発現カセットは、制限酵素EcoRIとNotIにより処理した後、レトウイルスベクターに組み込んだ。また、IL-2遺伝子(配列番号2)は文献(Heart. 2002 Apr;87(4):363-7)に従って準備し、制限酵素NcoIとSalIにより処理した後、ベクターのIRESの下流に組み込んだ。
使用した配列のアクセッション番号を下表に示す。また発現カセットの構成、および発現カセットの構築に関連するポリヌクレオチドの配列を、図2に示した。
(2) 形質転換
作製した発現ベクターをレトロウイルスパッケージング細胞株であるPhoenix-Aに、FuGENE 6(Roche)を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後に、トランスフェクトされたPhoenix-A細胞から組換えレトロウイルスを含む培養上清を集めた。
このレトロウイルス上清を、50μg/ml retronectin(TaKaRa)で一夜コートしておいたプレートに添加した。32℃において1900×g、2時間遠心することにより、その上清中のレトロウイルスをそのプレート上にスピンロードした(spin-loaded)。2×105個/mlのこれらの細胞を、レトロウイルスをロードしたプレートのウェルに添加した。そのプレートを32℃において1000×g、10分間遠心後、5%CO2中で37℃において一夜培養した。
(3) 細胞の選択・分離
レトロウイルスを感染させたKHYG-1細胞の培地中のIL-2濃度を徐々に減少させる、具体的にはIL-2含まない培地を徐々に加えることで、該当遺伝子が導入された細胞の選択・分離を行った。
2.結果
2A-CD3-IL-2ベクターを導入したKHYG-1細胞にEBV-BRLF1198-206特異的TCRのα鎖とβ鎖をそれぞれ発現するレトロウイルスを感染させた。感染させた細胞をCD3ε-APCを用いて染色し、導入したTCRの細胞表面への発現を確認した(図3A上段;導入なし、図3A下段;導入あり)。
従来から行われているヒトプライマリーTリンパ球にTCR遺伝子を導入した場合では、内在のTCRがCD3εと会合して細胞表面に発現しているため、ヒトCD3ε(hCD3)のみを染色しても目的のTCRの組み合わせとそれ以外を区別することができない。そのため、抗原特異的MHC tetramerを用いなければ、細胞表面への導入TCRの発現が確認できない。一方、2A-CD3-IL-2を導入したNK細胞株の場合は、内在のTCRを持たないため(図3A上段)、CD3εの染色のみで導入TCRの細胞表面への発現が確認できる(図3A下段)。したがって、抗原特異的MHC tetramerを要さず、容易かつ安価に発現確認が行える。
〔EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株による細胞傷害活性〕
1.方法:
EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株の細胞障害性を、51Cr放出アッセイを用いて測定した。簡潔には、ペプチドをロードしたC1R-A24標的細胞を51Crで37℃、60分間標識した。次いで、その標的細胞および、TCRを導入したNK細胞株(エフェクター細胞)を、示したエフェクター細胞対標的細胞(E/T)比で96ウェルプレートに蒔き、5%CO2を含有する加湿した空気の中で37℃、4時間培養した。培養後、その上清を新しいウェルに移し、トップカウンター(パーキンエルマー)を用いて放出された51Cr量を測定した。細胞障害性の百分率を、次の式を用いて計算した:
%溶解=(F実験-F自然発生)/(F最大-F自然発生)×100。
2.結果
EBV-BRLF1198-206特異的TCRを導入したNK細胞株とEBV-BRLF1198-206ペプチドを提示させた標的細胞と、無関係なペプチド(HIVgp)を提示させた標的細胞を共培養することで、導入したTCR依存的な細胞傷害を測定した。その結果、BRLF1198-206ペプチドを提示させた標的細胞に対してのみ明らかな細胞傷害が観測された(図4)。導入したTCR特異的な細胞傷害活性の測定にこのNK細胞株は利用可能であることが示された。
本発明は、TCR遺伝子治療において、候補となるTCRの細胞傷害活性誘導能を評価するために、用いることができる。本発明により、より有効なTCR遺伝子治療の実施が期待できる
SEQ ID NO.:1 発現カセットのヌクレオチド配列
SEQ ID NO.:2 hIL-2
SEQ ID NO.:3 1
SEQ ID NO.:4 5a
SEQ ID NO.:5 5b
SEQ ID NO.:6 6a
SEQ ID NO.:7 6b
SEQ ID NO.:8 7
SEQ ID NO.:9 8a
SEQ ID NO.:10 8b

Claims (12)

  1. NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入されており、TCR遺伝子が導入されたときにCD3-TCR複合体を細胞膜上に形成可能である、TCRの細胞障害活性を評価するための、細胞株。
  2. NK細胞株が、KYHG-1、KANK-1、NK-92、NKLまたはNK-YSである、請求項1に記載の細胞株。
  3. NK細胞株が、KYHG-1である、請求項2に記載の細胞株。
  4. 発現カセットが、CD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子を各々2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで連結したものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞株。
  5. さらにIL-2遺伝子が発現可能な状態で導入されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞株。
  6. IL-2遺伝子が、IRES配列の下流に連結されて導入されている、請求項5に記載の細胞株。
  7. IL-2を添加しない培地で、または動物体内で維持されている、請求項5または6に記載の細胞株。
  8. (1)NK細胞株に由来し、CD3鎖をコードする複数の遺伝子をポリシストロニックに連結した発現カセットが導入された細胞を準備し;
    (2)準備した細胞に候補TCRをコードする遺伝子を導入してCD3-候補TCR複合体が細胞膜上に形成された細胞を得て;
    (3)得られた細胞とあらかじめ準備した標的細胞とを接触させ;そして
    (4)標的細胞が障害されたか否かおよび/または標的細胞が障害された程度を基準として、候補TCRの細胞障害活性誘導能としてを評価する
    工程を含む、候補TCRの細胞障害活性誘導能の評価方法。
  9. 請求項8に定義された工程(1)〜(4)を含み、細胞障害活性誘導能に基づき候補TCRの採否を決定する、TCRのスクリーニング方法。
  10. 2Aペプチドをコードするポリヌクレオチドで各々連結されたCD3γ遺伝子、CD3δ遺伝子、CD3ε遺伝子およびCD3ζ遺伝子、ならびにIRES配列およびIRESの下流に連結されたIL-2遺伝子を含む、ベクター。
  11. NK細胞株である細胞を請求項10に記載されたベクターで形質転換し;そして
    形質転換された細胞を、IL-2非依存性であることを指標に選抜する
    工程を含む、TCRの細胞障害活性誘導能の評価のための細胞株の作製方法。
  12. IL-2非依存性であることを指標に選抜する工程が、培地中のIL-2の濃度を段階的に低下することによる、請求項11に記載の作成方法。
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