JP2015222095A - 吸着具 - Google Patents

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【課題】駆動設計の自由度を確保しつつ吸着パッドの摩耗も防止する吸着具を提供すること。【解決手段】 軸12を中心に回動するシーソー体10と、シーソー体10の片側に、陰圧により被吸着物を吸着する吸着パッド21と、軸12をはさみ、吸着パッド21とは反対方向に配向させてシーソー体10に延設した蛇腹体31と、蛇腹体31の末端をふさぎ、シーソー体10の回動とは独立し軸に対して位置を変えない閉止板32と、吸着パッド21および蛇腹体31の基端側にそれぞれ設けた真空発生器22、33と、これらに圧縮空気を送気するエアチューブ13と、を有し、圧縮空気が送気された場合には蛇腹体31が縮み被吸着物に吸着パッド21が当接して吸着を開始し、圧縮空気を止めると吸着パッド21が被吸着物を解放すると共に蛇腹体31が伸び被吸着物から吸着パッド21が離れることを特徴とする吸着具1。【選択図】図1

Description

本発明は、真空発生器を介した陰圧により被吸着物を吸着する吸着具に関し、特に、吸着パッドの吸着終了時の伸び代を考慮せずに移動が可能な吸着具に関する。
従来、製箱ラインにおいて箱を移載する場合など、物品(被吸着物)を陰圧にて吸着し、横移動し、目的場所に載置および吸着解除し、再び元に戻る運動を繰り返す吸着ユニットが知られている。
物品に当接し吸着する部分には、ゴム等の柔軟素材による吸着パッド、吸着カップなどと称される部品が用いられ、陰圧が好適に保持されるようにしている(以降では代表して吸着パッドと称することとする)。
ここで、吸着解除に着目すると、陰圧が解除され吸着により縮んでいた吸着パッドが伸びる。すなわち、伸び代長さ分だけ吸着パッドが物品に押し付いている状態となる。したがって、吸着ユニットを初期位置に戻す場合、物品表面をこすらないよう必ずまず伸び代分の上昇が少なくとも必要となる。
吸着ユニットの別の例を図4に示す。これは、フラットシートをマンドレルに沿わせながら押し型に嵌め込みブランクシートを折り上げる際に使用する、マンドレル付き吸着ユニットを示している。シートの折り上げ後には吸着解除して押し型から吸着ユニットを引き上げるが、この例では、吸着パッドの伸び代分が当接したままの引き上げとならざるをえず吸着パッドが摩耗してしまう。
したがって、初めの例では、駆動設計の自由度が損なわれるという問題点があり、次の例では、吸着パッドが摩耗してしまうという問題点があった。
特開2006−297636 特開2001−079962 特開平09−323713
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、真空発生器を介した陰圧により被吸着物を吸着する吸着具であって、駆動設計の自由度を確保しつつ吸着パッドの摩耗も防止する吸着具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の吸着具は、軸を中心に回動するシーソー体と、シーソー体の片側に、回動方向に配向させ延設した、陰圧により被吸着物を吸着する吸着パッドと、軸をはさみ、吸着パッドとは反対方向に配向させてシーソー体に延設した蛇腹体と、蛇腹体の末端をふさぎ、シーソー体の回動とは独立し軸に対して位置を変えない閉止体と、吸着パッドの基端側に設けた第1真空発生器と、蛇腹体の基端側に設けた第2真空発生器と、第1真空発生器および第2真空発生器へ圧縮空気を送気する送気部と、を有し、第1真空発生器および第2真空発生器の作用により、送気部から圧縮空気が送気された場合には蛇腹体が縮み被吸着物に吸着パッドが当接して吸着を開始し、圧縮空気が送気されなくなった場合には吸着パッドが被吸着物を解放すると共に蛇腹体が伸び被吸着物から吸着パッドが離れることを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、圧縮空気のON/OFFにより吸着をおこなうと共に、このON/OFFをそのまま利用して吸着パッドの伸び代を吸収し、駆動設計の自由度を確保しつつ吸着パッドの摩耗も防止する吸着具を提供することが可能となる。特に、駆動系に圧縮空気を用いるラインである場合にその圧縮空気発生機構を流用でき好適である。
シーソー体は、板体や棒体を採用することができる。その回動角は、吸着具を移動させる基体や被吸着物、その載置面等と干渉しないのであれば、特に限定されない。軸はシーソー体と一体すなわちシーソー体の一部として形成されていてもよく、また、シーソー体にあけられた孔に別途挿通した別体の軸として構成されていてもよい。蛇腹体は広く、陰圧により収縮し、陰圧解除により伸長するのであれば特に限定されず、たとえばバネを内包したゴム状の管体のようなものも含まれるものとする。吸着パッドや蛇腹体の延設方向は、厳密な回動方向(接線方向)である必要はなく、被吸着物の吸着面との関係で適宜傾いていてもよいものとする。閉止体が軸に対して位置を変えない、とは、基体に対してまたは被吸着物に対して実質的に位置を変えないことを意味する。吸着パッドまたは蛇腹体の基端側とは、必ずしも吸着パッドまたは蛇腹体に真空発生器を直づけする必要はなく、気体通路の中途に設けてもよい。圧縮空気が送気されなくなった場合とは、吸着や収縮を維持するほどの真空ないし陰圧でなくなった場合を含み、必ずしも、送気量0である場合に限定されない。送気部は、チューブとする例を挙げることができ、請求項2のようにシーソー体に接続する態様でもよく、また、二股チューブとして第1真空発生器および第2真空発生器に接続するようにしてもよい。使用の態様により、第1真空発生器および第2真空発生器にそれぞれ個々独立して接続されるチューブ(すなわち二本のチューブ)として構成してもよく、送気制御も個別におこなうようにしてもよい。ただし、制御タイミングは別々であっても、実質的に吸着パッドの作動と蛇腹体の動作が同時となるようにするのが好ましい。なお、被吸着物を解放すると共に蛇腹体が伸び、における、共に、とは、必ずしも厳密な同時作動に限らず、時間のずれが含まれてもよいものとする。
請求項2に記載の吸着具は、請求項1に記載の吸着具において、送気部はシーソー体に取り付けられ、シーソー体内部に、第1真空発生器、第2真空発生器、および、送気部を連通する通路を形成したことを特徴とする。
すなわち、請求項2に係る発明は、構成を簡素化することができる。
なお、通路は実質的に気密とすることはいうまでもない。
請求項3に記載の吸着具は、請求項1または2に記載の吸着具において、被吸着物の吸着面の法線方向と、吸着パッドの吸着方向とが一致する位置にて蛇腹体の縮み長さを規制する規制体を設けたことを特徴とする。
すなわち、請求項3に係る発明は、好適な吸着を実現する。
なお、規制体は、シーソー体の回動と独立した閉止体に固定するようにする。
請求項4に記載の吸着具は、請求項1、2または3に記載の吸着具において、シーソー体は軸を軸通させる軸通孔を有し、閉止体は軸に連接されていることを特徴とする。
すなわち、請求項4に係る発明は、閉止体を、吸着具を取り付ける基体等に別途取り付けて独立性を担保するのでなく、軸に取り付けて独立性を確保し、装置構成の簡素化および取扱性を高める。
本発明によれば、真空発生器を介した陰圧により被吸着物を吸着する吸着具であって、駆動設計の自由度を確保しつつ吸着パッドの摩耗も防止する吸着具を提供することができる。
本発明の吸着具において圧縮空気を送気していないときの様子を示した正面図である。点線部分は内部構造を示している。 本発明の吸着具において圧縮空気を送気した場合の物品の非吸着時の様子と吸着時の様子とを示した正面図である。吸着パッドの縮みの有無が生じる。 物品Wの載置から水平移動して離脱するまでの様子を示した説明図である。 従来のマンドレル付き吸着ユニットを説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは説明の便宜上、吸着具が、吸着している直方体の物品を水平の物品載置面に載置し、吸着終了して離脱する例を説明する。図1は、本発明の吸着具において圧縮空気を送気していないときの様子を示した正面図である。図2は、本発明の吸着具において圧縮空気を送気したときの場合の物品の非吸着時の様子と吸着時の様子とを示した正面図である。なお、説明の便宜上、適宜構成要素を省略し、また、縮尺比を異ならせて描画している。
吸着具1は、シーソー体10と、シーソー体10の片端に形成された吸着部20と、シーソー体10の他端に形成された蛇腹部30と、を主要な構成とし、基体Bに取り付けられ移動する。
シーソー体10は、所定肉厚の板体であって、中心部分に孔11が形成され、軸12が挿通されている。軸12には、取付アーム121が備わり基体Bへ吸着具1を取り付ける。すなわち、取付アーム121を介して軸12が基体Bに固定され、シーソー体10は基体Bに対して軸回動する。
また、シーソー体10には、エアチューブ13が取り付けられ、図示しないポンプを介して、圧縮空気を吸着部20および蛇腹部30に伝達する。シーソー体10の内部には気密な中空路14が形成され、後述の二つの真空発生器にそれぞれ連通させている。これにより、エアチューブ13からの圧縮空気は同時に伝達されることとなる。
吸着部20は、ゴム製の切頭円錐形の吸着パッド21と、吸着パッド21の基端側に設けた第1真空発生器22(図では断面を模式的に示している)と、により構成される。第1真空発生器22はシーソー体10の片端に埋入させ、中空路14と連通している。なお、吸着パッド21は、シーソー体10の延伸方向(長手方向)と軸12にそれぞれに略直交するように配向させている。以降では吸着部20を設けた側をシーソー体10の表側と称することとする。
蛇腹部30は、基端側がシーソー体10に取り付けられた中空の蛇腹体31と、蛇腹体31の先端側を閉じ、蛇腹部30の気密性を担保する閉止板32と、第2真空発生器33(図では断面を模式的に示している)と、により構成される。第2真空発生器33はシーソー体10に埋入させ、中空路14と連通している。また、蛇腹部30は、閉止板32を取付アーム121に取り付ける保持棒321も備える。なお、蛇腹体31の延設方向は、吸着パッド21の配向方向と正反対としている。すなわち、蛇腹体31は、図示したように、軸12をはさみ、シーソー体10の延伸方向と軸12にそれぞれに略直交する向きであって、シーソー体10の裏側に設けている。
蛇腹体31は、ゴム製であり、その素材性質および形状に基づき、縮んだ際には復元力を発揮する。後述するように、圧縮空気の送出を止めると、吸着パッド21による吸着が終了するが、このとき蛇腹体31が伸びて、シーソー体10の回動により吸着パッド21が物品Wから離れる。なお、蛇腹部30の配置を吸着部20と反対としているので、シーソー体10が回動しても蛇腹部30は物品載置面と干渉しないという利点も有する。
なお、閉止板32は、軸12に実質的に取り付けてあるので、基体Bに対して位置が変わらず、シーソー体10の動きに影響をうけない。すなわち、閉止板32は、シーソー体10が回動したときに蛇腹体31の伸縮を実現する構成部といえる。
なお、閉止板32は、閉止板32の法線方向に規制棒322を備え、これにより、蛇腹体31の収縮によるシーソー体10の回動が物品載置面と平行となる位置にて止まるようにしている。
次に圧縮空気の送出終了時の吸着具1の動きについて説明する。図3は、物品Wの載置から水平移動して離脱するまでの様子を示した説明図である。まず物品Wが載置される(図3a、b)。このとき、吸着具1は物品Wを吸着しているが、シーソー体10の姿勢は水平である。
次に圧縮空気の送出を止める。すると、吸着パッド21の吸引力がゼロになる。同時に、第2真空発生器33を介した陰圧により収縮していた蛇腹体31が復元する。このとき、基体Bの位置はそのままに、吸着パッド21はその伸び代長さを超えて上昇し、物品Wから離れる(図3c)。最後に、基体Bは物品載置面からの高さを変えることなく、水平移動する(図3d)。
以上の動作は、原理的に、従来のマンドレル付き吸着ユニットの不具合、すなわち、吸着パッドが物品をこすってしまう不具合を解消する動きとなっている。
なお、吸着動作に関しては、吸着具1は、第1真空発生器22と第2真空発生器33を別々に設けているので、吸着パッド21が物品を吸着していなくても蛇腹体31は収縮する。そして、蛇腹体31の収縮にともなって吸着パッド21が下降して物品Wに当接し、物品Wの吸着が開始される。なお、シーソー体10は、物品載置面に水平になる位置にて規制棒322の規制により回動を停止する。なお、基体Bないし軸12の物品載置面からの高さは、適宜吸着パッド21の縮み代を考慮して設定すればよい。
以上、本発明の吸着具1によれば、吸着終了後すぐに水平移動も可能とし駆動設計の自由度を確保しつつ吸着パッドの摩耗も防止できる。
なお、本発明の吸着具は上記の態様に限定されない。まず、蛇腹体は、外筒内周に内筒外周が接する入籠型の二重円筒であって、中にバネを収容したものとすることもできる。また、規制棒322をこの二重円筒に収容してもよい。もとより、蛇腹体31を採用する場合にはこの中に規制棒322を収容することもできる。また、規制棒に代え、この二重円筒自体によりシーソー体10の回動を規制してもよい。すなわち、入籠状体となったときの筒自体によりシーソー体10の回動を規制するようにしてもよい。
また、蛇腹部30を吸着部20に比して軸12に近づけ、吸着部20の実質的回動量を大きくすることもできる。規制棒322の規制位置も、吸着時の吸着パッド21の縮み代を考慮して決定することもできる。閉止体は蛇腹体の上面として一体的に構成されていてもよい。
真空発生器は、それぞれ、シーソー体10の外部に露出させてもよい。このとき、エアチューブ13は、シーソー体10に取り付けず、中途で二股に分けまたは二本とし、第1真空発生器22および第2真空発生器33にそれぞれ直接接続する。二本に分ける場合は、それぞれの真空発生器の能力をより適正化することも可能となる。
また、軸とシーソー体とを一体化することもできる。この場合は、軸の両端に軸受を設け、この軸受から取付アーム121を延伸させ基体Bに取り付けるようにすることができる。
なお、以上の例では、基体Bを吸着具と別構成として説明したが、基体Bを含めた吸着具であってもよいことはいうまでもない。吸着ユニットと称することもできる。
本発明は、汎用の吸着・載置モーションについても当然使用することができる。すなわち、基体Bの下降→吸着→基体Bの上昇→水平移動→基体Bの下降→吸着終了→上昇→基体Bの水平逆移動→(基体Bの下降)にも利用できる。使用の態様により、基体Bの上昇量を0または従来より少なくすることができ、近年の省スペース化等の要請に資することも可能である。
1 吸着具
10 シーソー体
11 孔
12 軸
121 取付アーム
13 エアチューブ
14 中空路
20 吸着部
21 吸着パッド
22 第1真空発生器
30 蛇腹部
31 蛇腹体
32 閉止板
321 保持棒
322 規制棒
33 第2真空発生器
B 基体
W 物品

Claims (4)

  1. 軸を中心に回動するシーソー体と、
    シーソー体の片側に、回動方向に配向させ延設した、陰圧により被吸着物を吸着する吸着パッドと、
    軸をはさみ、吸着パッドとは反対方向に配向させてシーソー体に延設した蛇腹体と、
    蛇腹体の末端をふさぎ、シーソー体の回動とは独立し軸に対して位置を変えない閉止体と、
    吸着パッドの基端側に設けた第1真空発生器と、
    蛇腹体の基端側に設けた第2真空発生器と、
    第1真空発生器および第2真空発生器へ圧縮空気を送気する送気部と、
    を有し、
    第1真空発生器および第2真空発生器の作用により、送気部から圧縮空気が送気された場合には蛇腹体が縮み被吸着物に吸着パッドが当接して吸着を開始し、圧縮空気が送気されなくなった場合には吸着パッドが被吸着物を解放すると共に蛇腹体が伸び被吸着物から吸着パッドが離れることを特徴とする吸着具。
  2. 送気部はシーソー体に取り付けられ、
    シーソー体内部に、第1真空発生器、第2真空発生器、および、送気部を連通する通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載の吸着具。
  3. 被吸着物の吸着面の法線方向と、吸着パッドの吸着方向とが一致する位置にて蛇腹体の縮み長さを規制する規制体を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の吸着具。
  4. シーソー体は軸を軸通させる軸通孔を有し、
    閉止体は軸に連接されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の吸着具。
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