JP2015221601A - 潜り込み防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜り込み防止装置100は、ボルト30の軸部32に取り付けられボルト30の頭部31との間にフレーム部材10の後壁11を挟むことによりボルト30をフレーム部材10に固定するカラー50とを有し、カラー50は、ボルト30の軸部32を挿入可能な内径を有するとともに取付孔16の内部に進入可能な外径を有する円筒部51と、その円筒部51において軸部32の先端側に形成され取付孔16よりも大きい外径を有するフランジ部52とを有し、円筒部51の内周面には、半径方向内方に突出してボルト30の軸部32の雄ねじのねじ谷と噛み合う突起部53が設けられ、突起部53は、その基端側から先端側にかけてフランジ部52側に向けて突出して設けられている。
【選択図】 図4
Description
この際、フレーム部材に予めボルトを取り付けておき、このボルトの頭部と車両側のステーとの間にフレーム部材の側壁を挟んだ状態でナットを締結することにより、フレーム部材をステーに固定することが行われている。
このカラーの押し込み方向への移動の際には、カラーの突起部が雄ねじのねじ山と接触しても、その突起部がフランジ部側に向けて突出して設けられていることから、ねじ山との接触が大きな抵抗となることがなく、突起部はねじ山を容易に乗り越えながら移動する。そして、ボルトの頭部とカラーのフランジ部との間にフレーム部材の後壁を挟むことにより、ボルトをフレーム部材に固定することができる。
また、カラーの押し込み方向とは逆方向への移動については、フランジ部側に向けて突出した突起部が雄ねじのねじ山と鉤状に噛み合う状態となることから、押し込み時とは異なり突起部と雄ねじのねじ山との接触が大きな抵抗となってカラーの移動が制限される。したがって、カラーが不用意にボルトの軸部から外れることが防止され、ボルトのフレーム部材への固定状態が良好に維持されるようになっている。
また、本発明の潜り込み防止装置においては、カラーの突起部をボルトの雄ねじに噛み合わせることにより、カラーをボルトの軸部に係止して、フレーム部材にボルトを固定することとしているので、ボルト側にカラーを係止するための形状を設ける等、特殊なボルトを用いることなく、一般的なボルトを使用することができる。
このように、本発明の潜り込み防止装置においては、一般的なボルトを用いた簡単な構成でフレーム部材にボルトが固定されているとともに、ボルトのフレーム部材への固定状態を良好に維持することができることから、ステーへの取り付け作業性に優れたものとなっている。
カラーのフランジ部が形成された部分は、その他の円筒部よりも剛性が高くなっているが、フランジ部から円筒部の一部にかけて軸方向に切欠いたスリットを設けることで、剛性を若干低くすることができる。したがって、カラーをボルトの軸部に押し込む際の抵抗を緩和させることができ、カラーをボルトの軸部に容易に装着することができる。
カラーのフランジ部を収納する座ぐり穴部を設けておくことで、潜り込み防止装置をステーに取り付ける際にフランジ部が邪魔になることを回避できる。
例えば、アルミニウム材により形成されるフレーム部材と、スチール材により形成されるボルト及びナットとの電位差の異なる金属の間に、絶縁性を有する樹脂により形成されるカラーを介在させることで、電離作用によるフレーム部材の腐食を低減することができる。
図1及び図2は、第1実施形態の潜り込み防止装置100を示している。この潜り込み防止装置100は、図1に示すように、車両(図示略)の前方部又は後方部の下方位置において車両の幅方向に延びる角筒状のフレーム部材10により構成され、車両のステー21に固定された状態で使用される。そして、図1に荷重Fで示すように、車両がフレーム部材10の前壁(正面)12に衝突して負荷が加えられた際に、車両の潜り込みを防止するものである。
また、フレーム部材10の材料には、例えば6000系合金又は7000系合金のアルミニウムを使用することができる。
なお、ボルト30の頭部31は、凸条部18と接触することにより空回りを防止できる形状であれば良い。このため、頭部31の形状を四角形状や楕円等の種々の形状とするボルトを用いることも可能である。
まず、図4(a)に示すように、ボルト30の軸部32をフレーム部材10の取付孔16に挿入し、その状態で軸部32の先端側からカラー50を押し込む。そして、図4(b)に示すように、カラー50を軸部32の基端側に向けてさらに押し込むと、フレーム部材10の取付孔16とボルト30の軸部32との隙間にカラー50の円筒部51が押し込まれる。この際、カラー50の円筒部51の内周面に設けられた突起部53とボルト30の軸部32の雄ねじのねじ谷とがいずれかの位置で噛み合うことにより、カラー50がボルト30の軸部32に係止され、ボルト30の頭部31とカラー50のフランジ部52との間にフレーム部材10の後壁11を挟み込んで、ボルト30をフレーム部材10に固定することができる。
なお、図示はしていないが、カラー50をボルト30の軸部32に押し込む際には、ボルト30がフレーム部材10の内側に動くことがないように、フレーム部材10の内側に中子を予め挿入させておく。
例えば、図5に示す第2実施形態のカラー60のように、円筒部51の内周面の周方向に連続した帯状の突起部63を軸方向に多段にして形成したり、図6に示す第3実施形態のカラー70のように、突起部73の高さを異ならせて形成したりすることもできる。
また、フレーム部材の取付孔を長穴で形成した場合には、図6に示す第3実施形態のカラー70のように、フランジ部72を円筒部の端部の周辺だけではなく、取付孔の形状に合わせて偏芯させた形状として設ける等して、種々の形状に対応させることができる。
例えば、フレーム部材は、アルミニウム合金だけでなく、スチール等の他の材料を使用してもよい。
11 後壁
12 前壁
15 曲げ部
16 取付孔
17 座ぐり穴部
18 凸条部
21 ステー
22 取付板部
23 貫通孔
30 ボルト
31 頭部
32 軸部
40 ナット
50,60,70 カラー
51 円筒部
52,72 フランジ部
53,63,73 突起部
54 スリット
100 潜り込み防止装置
Claims (4)
- 車両の幅方向に沿って配置される中空形状のフレーム部材と、前記フレーム部材を車両側のステーに固定するために該フレーム部材に取り付けられるボルトと、前記ボルトの軸部に取り付けられ該ボルトの頭部との間に前記フレーム部材の後壁を挟むことにより前記ボルトを前記フレーム部材に固定するカラーとを有し、
前記フレーム部材には、前記後壁に前記ボルトの軸部を挿入して取り付けるための取付孔が設けられており、
前記カラーは、前記ボルトの軸部を挿入可能な内径を有するとともに前記取付孔の内部に進入可能な外径を有する円筒部と、前記円筒部において前記軸部の先端側に形成され前記取付孔よりも大きい外径を有するフランジ部とを有し、
前記円筒部の内周面には、半径方向内方に突出して前記ボルトの軸部の雄ねじのねじ谷と噛み合う突起部が設けられ、
前記突起部は、その基端側から先端側にかけて前記フランジ部側に向けて突出して設けられていることを特徴とする潜り込み防止装置。 - 前記カラーには、前記フランジ部から前記円筒部の一部にかけて軸方向に切欠いたスリットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の潜り込み防止装置。
- 前記フレーム部材には、前記取付孔の端部に前記フランジ部を収納する座ぐり穴部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の潜り込み防止装置。
- 前記カラーは、絶縁性を有する樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の潜り込み防止装置。
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