以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、“第1始動口”に対して符号105を割り当てた場合、“第1始動口”を、“第1始動口105”と表記することもあるし、単に“始動口105”と表記することもある。
本発明に係る遊技機の好適な実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態は、本発明に係る遊技機を、旧第一種に属する遊技機(所謂デジパチ)に適用した例である。
<<遊技機の基本構成>>
まず、本発明の実施形態に係る遊技機の基本構成について説明する。図1は、本実施形態に係る遊技機100の正面図である。遊技機100は、パチンコ遊技機であって、遊技盤101を含む、図1に示された各構成部材を備える。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。尚、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技盤101に正対する遊技者から見た上下左右を指す。
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。遊技盤101の前方(遊技者側)において遊技領域103を視認可能に覆うガラス板(不図示)が枠部材113に固定されている。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口109及び普通入賞口110が設置される。
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、大当たり抽選の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が大当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などをも表示して良い。
画像表示部104の下方には、第1始動口105及び第2始動口106が設置される。始動口105及び106は、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。遊技球が始動口105又は106を通過することによって、即ち始動口105又は106に遊技球が入賞することによって、大当たり抽選を受けるための権利が取得される。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。
第2始動口106の近傍に、電動チューリップ107が設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイドによって行われる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。電動チューリップ107は、画像表示部104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108も、始動口105及び106と同様、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。
第2始動口106の右側には大入賞口109が設けられる。大入賞口109も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっている。大入賞口109が開放されている状態においてのみ、遊技球は大入賞口109へ入賞することができる。大入賞口109は、通常、閉鎖されており、大当たり抽選にて大当たりに当選した場合に、所定条件(例えば、29.5秒経過又は遊技球9個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば16回)だけ繰り返す。遊技機100は、大入賞口109に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口110が設置される。遊技機100は、普通入賞口110への入賞を検出した場合には所定個数(例えば8個)の賞球を払い出す。尚、第1始動口105、第2始動口106、ゲート108、大入賞口109、普通入賞口110は、図1に示した位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109及び普通入賞口110の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細については図2を用いて後述する。尚、情報表示部112の設置位置を任意に変更することができる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲み、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出した形状を有している。枠部材113には、スピーカ114及び演出ライト部115などが組み込まれている。演出ライト部115は複数のランプ及び複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。
枠部材113の右下位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材117が設けられている。発射指示部材117は、操作ハンドル116により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材117を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材117を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。また、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。発射指示部材117が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機100は遊技球を発射する。
枠部材113において遊技領域103の下方には、演出ボタン118、十字キー119及び打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118及び十字キー119は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。打球供給皿120は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。
また、遊技盤101上には、演出時に駆動される可動役物130が設けられている。例えば、可動役物130を用いた演出の実行時において、可動役物130は、図1に示した位置から下方へスライドして画像表示部104の前面へ進出し、それ以外のときは図示のように画像表示部104の上部に設けられた収納スペースに退避している。
<<情報表示部の詳細>>
次に、情報表示部112の詳細について説明する。図2は、情報表示部112の概略拡大図である。図2に示す如く、情報表示部112は、特別図柄表示部201、普通図柄表示部202、保留表示部203、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205を備えている。各表示部201〜205をLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。
特別図柄表示部201は、第1特別図柄表示部201a及び第2特別図柄表示部201bを有する。第1特別図柄表示部201aは、第1始動口105への遊技球の入賞に応じて行われた大当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄(以下、第1特別図柄とも呼ぶ)を表示する。第2特別図柄表示部201bは、第2始動口106への遊技球の入賞に応じて行われた大当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄(以下、第2特別図柄とも呼ぶ)を表示する。例えば、表示部201a及び201bの夫々は、8つのLEDを有するLED表示器となっており、8つのLEDの点灯態様により特別図柄を表示する。
本実施形態の大当たりには、4R当たりと、16R長当たりと、16R短当たりとがある。大当たりにおける“R”はラウンドを示す。例えば、表示部201a又は201bにおいて、一番右のLEDのみが点灯した場合はハズレを示し、左から1つ目、2つ目、4つ目及び7つ目のLEDが点灯した場合は4R当たりを示し、全LEDが点灯した場合は16R長当たりを示し、左から2つ目、5つ目及び6つ目のLEDが点灯した場合は16R短当たりを示す。4R当たりは、遊技者が4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりである。16R長当たりは、遊技者が16ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりである。16R短当たりは、大入賞口109の開放時間が比較的長い4つのラウンドと大入賞口109の開放時間が比較的短い12個のラウンドとから成り、遊技者が実質4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりである。尚、各々の大当たりを表す点灯態様は複数パターンあっても良い。
第1特別図柄表示部201a及び第2特別図柄表示部201bの夫々は、大当たり抽選が行われると直ちにその抽選結果を示すわけでなく、抽選結果を示す前に特別図柄を所定時間、変動表示させる。表示部201a又は201bは、変動表示において、例えば図中の左から右へ流れるように各LEDを点灯させたり消灯させたりする。特別図柄の変動が停止したときのLEDの点灯態様によって大当たり抽選の抽選結果が示される。
尚、特別図柄がハズレを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は、例えば、ハズレを示す所謂バラケ目で停止する。画像表示部104は、特別図柄に対応する装飾図柄を表示でき、表示される装飾図柄は例えば第1〜第3装飾図柄を含む。バラケ目とは、第1装飾図柄と第2装飾図柄とを関連性のない図柄で停止させることに相当し、リーチ演出に発展することのない装飾図柄の停止態様である。
一方、特別図柄が4R当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は4R当たりを示す青色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」及び「7,7,7」を除く「2,2,2」などの数字図柄のゾロ目)で停止する。特別図柄が16R長当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は16R長当たりを示す赤色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」又は「7,7,7」の数字図柄のゾロ目)で停止する。
特別図柄が16R短当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は16R短当たりを示す装飾図柄(例えば、「チャンス」の文字が記された、モード移行を示す文字図柄のゾロ目)で停止する。尚、特別図柄が16R長当たりを示す図柄で停止した場合であっても、画像表示部104上に4R当たりを示す装飾図柄を停止させ、その後(例えば大当たり遊技移行前や大当たり遊技移行後)において、16R長当たりであることを明示する昇格演出を行うこともある。
普通図柄表示部202は、遊技球がゲート108を通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果を示す普通図柄を表示する。例えば、普通図柄表示部202は、「○」、「△」及び「×」を示す3つのLEDから成り、3つのLEDの内の何れか1つのLEDを点灯させることにより普通図柄を表示する。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、遊技機100は、所定時間、電動チューリップ107を開状態とする。普通図柄表示部202も、普通図柄抽選が行われると直ちにその抽選結果を示すわけでなく、抽選結果を示す前に普通図柄を所定時間、変動表示させる。普通図柄表示部202は、変動表示において、「○」、「△」及び「×」を示す3つのLEDを、順番に且つ繰り返し点灯及び消灯させる。
普通図柄の変動が停止すると、普通図柄表示部202のLEDの点灯態様によって、普通図柄抽選の抽選結果が表される。普通図柄抽選における当たりである普図当たりには、長開放当たりと短開放当たりとがあるものとする。電動チューリップ107が開状態とされる時間は、長開放当たりの方が短開放当たりよりも長い。「○」に対応するLEDの点灯は長開放当たりに当選したことを示し、「△」に対応するLEDの点灯は短開放当たりに当選したことを示す。「×」に対応するLEDの点灯は、普通図柄抽選のハズレを示す。尚、後述の電サポ遊技状態においては、非電サポ遊技状態の場合に比べて普通図柄の変動時間が短くなるとともに、「△」のLEDが点灯した場合であっても非電サポ遊技状態の場合に比べて電動チューリップ107の開放時間が長くなるようにしている。
保留表示部203は、第1特別図柄保留表示部203a、第2特別図柄保留表示部203b及び普通図柄保留表示部203cを有する。第1又は第2特別図柄の変動中などに遊技球が第1始動口105に入賞したとき、その入賞による大当たり抽選の権利は、所定数(例えば4)を上限として保留され且つ遊技機100内で記憶される。表示部203aは、第1始動口105の入賞に基づき保留された大当たり抽選の権利の数を、保留情報数U1として表示する。同様に、第1又は第2特別図柄の変動中などに遊技球が第2始動口106に入賞したとき、その入賞による大当たり抽選の権利は、所定数(例えば4)を上限として保留され且つ遊技機100内で記憶される。表示部203bは、第2始動口106の入賞に基づき保留された大当たり抽選の権利の数を、保留情報数U2として表示する。始動口105又は106への入賞のタイミングによっては、第1又は第2特別図柄の変動中でなくとも、大当たり抽選の権利が保留されることもある。普通図柄の変動中などに遊技球がゲート108を通過したとき(換言すればゲート108に入賞したとき)、その入賞による普通図柄抽選の権利は、所定数(例えば4)を上限として保留され且つ遊技機100内で記憶される。表示部203cは、その保留された普通図柄抽選の権利の数を、保留情報数U3として表示する。遊技球がゲート108を通過するタイミングによっては、普通図柄の変動中でなくとも、普通図柄抽選の権利が保留されることもある。
ラウンド数表示部204は、大当たりに当選した場合における大当たりのラウンド数を表示する。例えば、表示部204において、4R当たりの場合には「4」を表すLEDが点灯し、16R長当たり又は16R短当たりの場合には「16」を表すLEDが点灯する。右打ち表示部205は、右打ちにより遊技が行われるべき遊技状態(後述の電サポ遊技状態及び大当たり遊技状態)にて点灯するLEDを有し、該LEDの点灯によって遊技者に右打ちを促すものである。右打ちとは、遊技領域103の内、遊技領域103を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊遊技領域103の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。
<<遊技機の背面構成>>
次に、図3を参照して、遊技機100の背面構成を説明する。図3は、遊技機100の背面構成を示す、遊技機100の背面斜視図である。遊技機100の裏面には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、遊技機100内の各基板に電源を供給する電源基板304、及び、出力端子基板305等が設けられている。それらの基板(特に演出制御基板303)は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機100の裏面には、電源基板304に電力を供給するための電源プラグ315や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。
枠部材113は、左右方向の一端側(例えば遊技者から見て左側)においてヒンジ機構部320を介して外枠330に連結されており、ヒンジ機構部320を支点として左右方向の他端側(例えば遊技者から見て右側)を外枠330から離れる方向に回動可能とされている。枠部材113がヒンジ機構部320を支点として扉のように回動することによって、遊技盤101を含む、外枠330の内側部分を開放することができる。枠部材113の他端側(例えば遊技者から見て右側)には、その他端側を外枠330に固定するロック機構(不図示)が設けられている。
<<遊技機の基本動作>>
次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、遊技球が第1始動口105又は第2始動口106へ入賞すると、遊技球が入賞した始動口に応じた大当たり抽選を行う。遊技球が第1始動口105へ入賞して大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第1特別図柄を停止表示させる。一方、遊技球が第2始動口106へ入賞して大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で第2特別図柄を停止表示させる。
遊技機100は、特別図柄(第1又は第2特別図柄)を変動表示させると、それに合わせて画像表示部104上で装飾図柄(例えば3つの数字)を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。例えば、大当たりを示す所定の図柄で特別図柄を停止表示させた場合(即ち、大当たり抽選で大当たりに当選した場合)には、大当たりを示す組み合わせ(例えば「7・7・7」といった所謂ゾロ目)で装飾図柄を停止表示させる。
大当たりを示す組み合わせで装飾図柄を停止表示させると、遊技機100は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、当選した大当たりに応じたラウンド分(例えば16ラウンド)、大入賞口109を開放させる大当たり遊技が行われる。大入賞口109の開放中に遊技球が大入賞口109へ入賞すると、遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技状態中には、大当たり抽選は行われない。大当たり遊技状態は、当選したラウンド分の大入賞口109の開放が完了すると終了する。大当たり遊技状態では、右打ちによって遊技が行われる。
大当たり遊技状態の終了後、遊技機100は、大当たり抽選を行う遊技状態へ復帰する。例えば、大当たり遊技状態の終了後、確変遊技状態に移行する。遊技機100は、大当たり遊技状態の終了後、所定回数分の特別図柄の変動が行われるまで(即ち、所定回数分の大当たり抽選が行われるまで)、遊技状態が確変遊技状態とされる機種であるとする。このような機種は、一般にST機と呼ばれる。但し、遊技機100は、ST機でなくても構わない。即ち例えば、遊技機100は、大当たりとして確変大当たり及び通常大当たりを選択的にとりうる確変機であっても良い。確変機では、確変大当たりに当選すると、大当たり遊技状態の終了後、次の大当たりに当選するまで確変遊技状態が維持されるが、通常大当たりに当選すると、大当たり遊技状態の終了後、確変遊技状態にならない。
<<遊技機の遊技状態>>
遊技機100は、大当たり遊技中の大当たり遊技状態を除いて、低確率非電サポ遊技状態である通常遊技状態、確変遊技状態とも言うべき高確率電サポ遊技状態、及び、高確率非電サポ遊技状態の内、何れか1つの遊技状態をとる。電サポとは、電チューサポート機能の略であり、詳細については後述する。
通常遊技状態は、低確率遊技状態に属する。低確率遊技状態において、遊技機100は、低確率特図当たり判定テーブル(後述の図8のテーブルTAt1参照)を用いた大当たり抽選を行い、本実施形態では例として、1/200の確率で大当たりに当選する大当たり抽選を行うものとする。
高確率電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態は、高確率遊技状態に属する。高確率遊技状態において、遊技機100は、高確率特図当たり判定テーブル(後述の図8のテーブルTAt2参照)を用いた大当たり抽選を行い、ここでは例として、5/200の確率で大当たりに当選する大当たり抽選を行うものとする。つまり、高確率遊技状態では、低確率遊技状態に比べて、5倍高い確率で大当たりに当選するようになっている。
高確率電サポ遊技状態は、電サポ遊技状態に属する。電サポ遊技状態において、遊技機100は、電動チューリップ107の開閉を伴う遊技サポート機能(以下「電サポ」という)を付与する(即ち電サポを発動させる)。電サポの具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、例えば、電サポが付与されたとき、そうでない時と比べて、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄抽選の当選確率の増加(従って、電動チューリップ107の開放頻度の増加)、及び、電動チューリップ107の開放時間の増加が図られる。
電サポ遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率の増加に伴い、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、大当たり抽選の契機は主として第2始動口106への入賞となる。
通常遊技状態又は高確率非電サポ遊技状態は、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態(特に通常遊技状態)では、上述した左打ちによって遊技が行われ、大当たり抽選の契機は主として第1始動口105への入賞となる。
遊技機100は、大当たりの発生を契機として遊技状態の変更を行う他、遊技状態の変更後、所定回数の大当たり抽選を行ったときに遊技状態の更なる変更を行う。本実施形態では、例として以下のような遊技状態が設定されるものとする。即ち、大当たり遊技の終了後、遊技状態は、70変動が終了するまでは高確率電サポ遊技状態とされ、その後、更に4変動が終了するまでは高確率非電サポ遊技状態とされ、更にその後の遊技状態は通常遊技状態とされる。iを任意の自然数とした場合、i変動とは、i回分の特別図柄の変動(即ちi回分の大当たり抽選)を指す。
尚、電サポが付与される低確率遊技状態(即ち低確率電サポ遊技状態)に遊技状態を移行させる大当たりや、電サポが付与されない高確率遊技状態(即ち高確率非電サポ遊技状態)に遊技状態を移行させる所謂潜伏確変大当たりを、大当たりとしてとり得るように遊技機100を構成しても良い。
また、高確率非電サポ遊技状態に移行させる大当たりをとり得るようにした場合には、小当たりをとり得るようにしても良い。小当たりは、通常のハズレ(小当たり以外のハズレ)とは異なる特別図柄で表される特定のハズレである。小当たりに当選したとき、大入賞口109の開放を伴う小当たり遊技が実行される。小当たり遊技における大入賞口109の開放態様と、潜伏確変大当たりの大当たり遊技における大入賞口109の開放態様とを似通った開放態様にすると共に、それらの遊技中及び遊技後の演出についても互いに似通った演出とすることができる。これにより、遊技状態が高確率遊技状態及び低確率遊技状態のどちらに設定されているのかを遊技者に秘匿させることができ、遊技の興趣を向上させることが可能である。
<<遊技機の内部構成>>
次に、図4を用いて、遊技機100の内部構成について説明する。図4は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。図4に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、図4に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。例えば、図3の主制御基板301、賞球制御基板302及び演出制御基板303により、夫々、図4の主制御部401、賞球制御部402及び演出制御部403が形成され、図3の出力端子基板305は図4の盤用外部情報端子基板491を含む。
[1.主制御部]
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)等を備えて構成される。CPU411は、遊技の進行に関する各種プログラム等をROM412から読み出し、RAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略すことがある)が接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、第1始動口SW414aと、第2始動口SW414bと、ゲートSW415と、大入賞口SW416と、普通入賞口SW417とが接続されている。
第1始動口SW414aは、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する。第2始動口SW414bは、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する。ゲートSW415は、ゲート108を通過した遊技球を検出する。大入賞口SW416は、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する。普通入賞口SW417は、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する。
SW414a及び414b並びにSW415〜417の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部401へ出力し、主制御部401は、入力された検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための権利に相当する特図判定用情報(図6(a)参照)を記憶したり、特図判定用情報を用いて大当たり抽選をおこなったり、賞球制御部402に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。
SW414a、414b、415、416及び417として、近接スイッチなどを採用することができる。また、第1始動口105が遊技盤101上に複数設けられている場合、複数の第1始動口105の夫々に対して第1始動口SW414aが設けられる。第2始動口106、ゲート108、大入賞口109又は普通入賞口110が複数設けられる場合も同様である。
また、主制御部401には、遊技盤101上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド418と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド419が接続されている。
主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド418に対し電気信号を入力又は非入力とし、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド419に対し電気信号を入力又は非入力とする。ソレノイド418、419は、夫々、主制御部401から供給される電気信号を機械的な運動に変換することで、電動チューリップ107の開閉動作、大入賞口109の開閉動作を行う。
また、主制御部401には、図2の情報表示部112内の各種表示部が接続される。図4では、第1特別図柄表示部201a、第2特別図柄表示部201b、普通図柄表示部202及び保留表示部203が主制御部401に接続される様子が図示され、図面の煩雑化防止のため、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205の図示は割愛されている。
主制御部401は、大当たり抽選の抽選結果に基づき第1特別図柄表示部201a又は第2特別図柄表示部201bの表示制御を行い、普通図柄抽選の抽選結果に基づき普通図柄表示部202の表示制御を行う。更に、主制御部401は、保留情報数U1、U2及びU3に基づき保留表示部203の表示内容を制御する。
ここで、主制御部401のCPU411がROM412内のプログラムを実行することで実現される各種処理及びRAM413に設定(即ち記憶)される情報の例について説明する。尚、主制御部401に関して以下に示す処理、プログラム、テーブル及び記憶領域は、CPU411が行う処理、ROM412内のプログラム及びテーブル、並びに、RAM413内の記憶領域の一部に過ぎず、他にも様々な処理、プログラム、テーブル及び記憶領域が、CPU411にて実行、又は、ROM412若しくはRAM413に用意されている。図4に示す如く、ROM412には、テーブルTAt、TZt、THt、FAt、FZt、FHt及びDKtが格納され、RAM413には、記憶領域413a〜413jが設定されている。
CPU411は、ROM412内のメイン処理プログラムにより、メイン処理を実行する(図18参照)。遊技機100へ電力が供給されるとメイン処理が実行される。メイン処理において、CPU411は、主制御部401のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域413aに記憶させる。例えば、後述のタイマ割込処理を実行する周期などを示す情報が、設定情報に含まれる。
また、メイン処理では、遊技機100への電源の遮断の有無が監視され、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成して、該バックアップ情報をバックアップ記憶領域413bに記憶させる。RAM413にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(例えば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RAM413は、遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。尚、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等の不揮発性のRAM又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを、RAM413に採用しても良い。この場合、RAM413は、バックアップ電源がなくともバックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
CPU411は、ROM412内のタイマ割込処理プログラムにより、タイマ割込処理を実行する(図18参照)。タイマ割込処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理が順次実行される。タイマ割込処理は、メイン処理によって設定記憶領域413aに記憶された周期で、メイン処理に対して割り込み実行される。
CPU411は、ROM412内の乱数更新処理プログラムにより、乱数更新処理を実行する(図18参照)。乱数更新処理において、CPU411は、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数などの各種乱数を取得するためのカウンタのカウント値を更新する。例えば、乱数更新処理が1回実行される毎に、カウンタ記憶領域413cに記憶された各乱数カウンタのカウント値に「1」が加算される。尚、本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。
―――カウンタ記憶領域;図5―――
図5に、カウンタ記憶領域413cの記憶内容の例を示す。カウンタ記憶領域413cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数カウンタC5を含む、主制御部401が管理する各種乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタC1〜C5は、夫々、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数をカウントする。
CPU411は、乱数更新処理が実行される毎に、カウンタ記憶領域413c内の各乱数カウンタC1〜C5のカウント値に「1」を加算することで各カウント値を更新する。乱数更新処理において、CPU411は、乱数カウンタC1〜C5の内、何れか任意のカウンタのカウント値が所定値に達したときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。本実施形態においては例として、特図当たり乱数を「0〜199」の範囲内でカウントさせるものとし、且つ、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数を「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数及び普図図柄乱数は、例えば「0〜9」の範囲内でカウントされる。
乱数更新処理において、CPU411は、更に初期値乱数をカウントしても良い。ここで、初期値乱数は、例えば、特図当たり乱数が所定値(本実施形態の例では「199」)に達した際に、カウンタC1のカウント値をいずれの値に戻すかを決定するための乱数である。この場合、CPU411は、特図当たり乱数を示すカウンタC1のカウント値が所定値に達した際には、その時の初期値乱数をカウンタC1のカウント値に設定し、以後、同様のカウントアップを行う。
CPU411は、ROM412内のスイッチ処理プログラムにより、スイッチ処理を実行する(図18参照)。スイッチ処理では、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、大入賞口スイッチ処理及び普通入賞口スイッチ処理が順次実行される。
CPU411は、ROM412内の始動口スイッチ処理プログラムにより、始動口スイッチ処理を実行する(図18参照)。始動口スイッチ処理は、第1及び第2始動口スイッチ処理から成る。第1始動口スイッチ処理において、CPU411は、第1始動口SW414aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cのカウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を、特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)をRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。第2始動口スイッチ処理において、CPU411は、第2始動口SW414bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cのカウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)を、RAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。
―――特図判定用情報記憶領域(特図保留情報記憶領域);図6―――
図6(a)に、特図判定用情報記憶領域413dの記憶内容の例を示す(図6(b)は後に参照される)。特図判定用情報記憶領域413dは、8つの特図判定用情報格納領域TJである特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8から成る。格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105又は第2始動口106への遊技球の入賞が検出されたタイミングで取得されたカウンタC1〜C3のカウント値、即ち、該タイミングで取得された特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数が互いに関連づけられた状態で記憶され、1つの特図当たり乱数、1つの特図図柄乱数及び1つの特図変動パターン乱数の組が1つの特図判定用情報を形成する。
また、格納領域TJ1〜TJ8には、それぞれの特図判定用情報の取得の契機となった入賞が、第1始動口105によるものであったか、第2始動口106によるものであったかも記憶される。記憶領域413dは、第1始動口105の入賞に基づく特図判定用情報及び第2始動口106の入賞に基づく特図判定用情報の夫々を、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。従って、格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105及び第2始動口106のそれぞれの始動口毎に4つを上限として、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域413d内における、第1始動口105への入賞を契機とした特図判定用情報の個数が、上記の保留情報数U1に相当する。記憶領域413d内における、第2始動口106への入賞を契機とした特図判定用情報の個数が、上記の保留情報数U2に相当する。
また、格納領域TJ1〜TJ8は、大当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。図6(a)の例では、格納領域TJ1から格納領域TJ2、格納領域TJ3、・・・、格納領域TJ8といったように、記号“TJ”に付随する番号が若い特図判定用情報格納領域TJに記憶された特図判定用情報ほど、大当たり抽選を受けるための優先順位が高く設定されている。
本実施形態では、基本的に、時間的に先に入賞して取得された特図判定用情報の方から、番号が若い特図判定用情報格納領域TJに記憶される。但し、第2始動口106への入賞によって取得された特図判定用情報が、第1始動口105への入賞によって取得された特図判定用情報よりも、番号が若い保留情報格納領域に記憶されるものとする。
CPU411は、ROM412内のゲートスイッチ処理プログラムにより、ゲートスイッチ処理を実行する(図18参照)。ゲートスイッチ処理において、CPU411は、ゲートSW415によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cのカウンタC4及びC5のカウント値を取得し、取得したカウンタC4及びC5のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報(普図保留情報)を、RAM413の普図判定用情報記憶領域413iに記憶させる。
―――普図判定用情報記憶領域(普図保留情報記憶領域);図7―――
図7(a)に、普図判定用情報記憶領域413iの記憶内容の例を示す(図7(b)は後に参照される)。記憶領域413iは普図判定用情報を所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。これに対応し、記憶領域413iは、4つの普図判定用情報格納領域FJである普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4から形成される。格納領域FJ1〜FJ4の夫々には、ゲート108への遊技球の通過が検出されたタイミングで取得されたカウンタC4及びC5のカウント値、即ち、該タイミングで取得された普図当たり乱数及び普図図柄乱数が互いに関連づけられた状態で記憶され、1つの普図当たり乱数及び1つの普図図柄乱数の組が1つの普図判定用情報を形成する。記憶領域413i内における普図判定用情報の個数が、上記の保留情報数U3に相当する。
また、格納領域FJ1〜FJ4には、普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、記号“FJ”に付随する番号が若い普図判定用情報格納領域FJに記憶された普図判定用情報ほど、普通図柄抽選を受けるための優先順位が高く設定されている。本実施形態では、時間的に先に取得された普図判定用情報の方から、番号が若い普図判定用情報格納領域FJに記憶されるようになっている。
CPU411は、ROM412内の大入賞口スイッチ処理プログラムにより、大入賞口スイッチ処理を実行する(図18参照)。大入賞口スイッチ処理において、CPU411は、大入賞口109に入賞した遊技球を大入賞口SW416により検出する。
CPU411は、ROM412内の普通入賞口スイッチ処理プログラムにより、普通入賞口スイッチ処理を実行する(図18参照)。普通入賞口スイッチ処理において、CPU411は、普通入賞口110に入賞した遊技球を普通入賞口SW417により検出する。
CPU411は、ROM412内の特別図柄処理プログラムにより、特別図柄処理を実行する(図18参照)。特別図柄処理において、CPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、特別図柄表示部201に表示させた特別図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。大当たり抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含むと考えて良い(図18参照)。
特別図柄処理において、CPU411は、特図判定用情報記憶領域413d内で最も優先順位を高く設定された格納領域TJ1の特図判定用情報を判定対象(当該判定対象)TT(図6(b)参照)として取得し、判定対象TTの特図判定用情報を用いて特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。判定対象TTに対する特別図柄処理の開始に伴い、CPU411は、図6(b)に示す如く、格納領域TJi+1に格納されていた特図判定用情報を格納領域TJiに移動させる特図記憶シフト処理も実行する(ここで、iは任意の整数)。このとき、判定対象TTとなった特図判定用情報は記憶領域413dから消去されて他の記憶領域(不図示)に移される。
特別図柄処理において、CPU411は、まず、ROM412に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと判定対象TTの特図当たり乱数との比較を伴う特図当たり判定を行う。
―――特図当たり判定テーブル;図8―――
図8に、特図当たり判定テーブルTAtの例を示す。図8に示すように、特図当たり判定テーブルTAtは、低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。テーブルTAt1及びTAt2の夫々は、大当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。
CPU411は、特図当たり判定時(即ち大当たり抽選時)に、高確率遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルTAt1を用いて特図当たり判定を行い、高確率遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルTAt2を用いて特図当たり判定を行う。そして、CPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち大当たりに当選していない)と判定する。遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。
特図当たり乱数は、数値範囲「0〜199」内のいずれかの整数値をとる。テーブルTAt1では、大当たりに対して、“0”の判定値のみを割り当てている。一方、テーブルTAt2では、大当たりに対して、“0”、“1”、“2”、“3”及び“4”の判定値から成る計5個の判定値を割り当てている。このため、テーブルTAt1を用いて特図当たり判定が行われた場合、大当たりの当選確率(大当たり抽選の当選確率)は1/200となる一方、テーブルTAt2を用いて特図当たり判定が行われた場合、大当たりの当選確率(大当たり抽選の当選確率)は1/40(=5/200)となる。
特別図柄処理において大当たりに当選したと判定した場合、CPU411は、ROM412に記憶されている特図図柄判定テーブルTZtと判定対象TTの特図図柄乱数とを比較して比較結果に基づき大当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。
―――特図図柄判定テーブル;図9―――
図9に、特図図柄判定テーブルTZtの例を示す。図9に示すように、特図図柄判定テーブルTZtは、第1特図図柄判定テーブルTZt1と、第2特図図柄判定テーブルTZt2とから構成される。テーブルTZt1及びTZt2の夫々では、大当たりの各種類(16R長当たり、16R短当たり及び4R当たりの夫々)に対して、所定の判定値が対応づけられている。判定対象TTが第1始動口105への遊技球の入賞を契機として取得された特図判定用情報である場合にはテーブルTZt1を用いて、判定対象TTが第2始動口106への遊技球の入賞を契機として取得された特図判定用情報である場合にはテーブルTZt2を用いて、特図図柄判定が行われる。
特別図柄処理において、CPU411は、判定対象TTの特図図柄乱数が、16R長当たりに対応づけられた判定値、16R短当たりに対応づけられた判定値、4R当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、夫々、16R長当たり、16R短当たり、4R当たりに当選したと判定する。
テーブルTZt1では、特図図柄乱数がとり得る数値「0〜99」の内、16R長当たりに対して計5個の判定値「0〜4」を割り当てている。従って、テーブルTZt1を用いた場合、大当たりにおいて16R長当たりとなる確率(割合)は、5%(=5/100)である。更に、テーブルTZt1では、16R短当たりに対して計35個の判定値「5〜39」を割り当て、且つ、4R当たりに対して計60個の判定値「40〜99」を割り当てている。従って、テーブルTZt1を用いた場合、大当たりにおいて16R短当たりとなる確率(割合)は35%(=35/100)であり、大当たりにおいて4R当たりとなる確率(割合)は60%(=60/100)である。
一方、テーブルTZt2では、16長当たりに対して計40個の判定値「0〜39」を割り当て、且つ、4R当たりに対して計60個の判定値「40〜99」を割り当て、且つ、16R短当たりに対して判定値を1つも割り当てていない。従って、テーブルTZt2を用いた場合、大当たりにおいて16長当たりとなる確率(割合)は40%(=40/100)であり、大当たりにおいて4R当たりとなる確率(割合)は60%(=60/100)であり、大当たりにおいて16R短当たりとなる確率(割合)は0%(=0/100)である。
このように、第2始動口106への入賞による特図図柄判定では、第1始動口105への入賞による特図図柄判定よりも16R長当たりに当選しやすい。つまり、第2始動口106への入賞による特図図柄判定は、第1始動口105への入賞による特図図柄判定よりも遊技者にとって有利なものとなっている。尚、電サポ遊技状態においては、電サポが付与されるため、殆どの場合、テーブルTZt2を用いた特図図柄判定が行われる。そのため、電サポ遊技状態では、16R短当たりに当選することは殆どない。
また、CPU411は、特別図柄処理において、特図変動パターンテーブルTHtと判定対象TTの特図変動パターン乱数とを比較して比較結果に基づき特図変動パターンを選択及び判定する特図変動パターン判定を行う。
―――特図変動パターンテーブル;図10―――
図10に、特図変動パターンテーブルTHtの例を示す。特図変動パターンテーブルTHtは、非電サポ遊技状態において用いられる第1特図変動パターンテーブルTHt1及び第2特図変動パターンテーブルTHt2と、電サポ遊技状態において用いられる第3特図変動パターンテーブルTHt3及び第4特図変動パターンテーブルTHt4と、から構成される。
テーブルTHt1〜THt4の夫々は、特図変動パターンTHp1〜THp7の全部又は一部に対し所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、各特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄を変動させる時間(以下「変動時間」という)を定義している。特図変動パターンTHp1及びTHp7は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp2〜THp6はリーチ演出が行われる特図変動パターンである(図15参照)。特図変動パターンTHp7に対応する判定値は、テーブルTHt3にのみ存在する。特図変動パターンTHp1〜THp7における特別図柄の変動時間は、夫々、10秒、30秒、40秒、60秒、70秒、90秒、1秒である。
非電サポ遊技状態において、特別図柄処理を行うCPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt2を選択する。一方、電サポ遊技状態において、特別図柄処理を行うCPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt3を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt4を選択する。その後、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブルにおける、特図変動パターンTHpiに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHpiを選択及び設定する(ここで、iは1以上7以下の整数)。
テーブルTHt1では、特図変動パターンTHp1、THp2、THp3、THp4、THp5に対して、夫々、計81個の判定値「0〜80」、計9個の判定値「81〜89」、計6個の判定値「90〜95」、計3個の判定値「96〜98」、1個の判定値「99」を割り当てている。テーブルTHt2では、特図変動パターンTHp2、THp3、THp4、THp5、THp6に対して、夫々、計5個の判定値「0〜4」、計10個の判定値「5〜14」、計25個の判定値「15〜39」、計50個の判定値「40〜89」、計10個の判定値「90〜99」を割り当てている。
テーブルTHt1では、特図変動パターンTHp6に対し判定値が割り当てられていない。つまり、テーブルTHt1では、プレミアリーチ演出(大当たり確定演出)が行われる特図変動パターンTHp6は選択されないようになっている。テーブルTHt2では、特図変動パターンTHp1に対し判定値が割り当てられていない。つまり、テーブルTHt2では、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンTHp1は選択されないようになっている。テーブルTHt1及びTHt2が用いられる非電サポ遊技状態では、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たり時に選択されやすくハズレ時に選択され難くなっている。そして、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たりに対する信頼度が高くなるように、テーブルTHt1及びTHt2内の判定値が定められている。
テーブルTHt3では、特図変動パターンTHp4、THp5に対して、夫々、計5個の判定値「90〜94」、計5個の判定値「95〜99」を割り当て、特図変動パターンTHp1及びTHp7の夫々に対して、計90個の共通の判定値「0〜89」を割り当てている。テーブルTHt3では、特図変動パターンTHp2、THp3及びTHp6に対し判定値が割り当てられていない。
テーブルTHt3における特図変動パターンTHp1及びTHp7の取り扱いについて説明する。電サポ遊技状態において特図当たり判定の判定結果がハズレであり且つ判定対象TTの特図変動パターン乱数が判定値「0〜89」に属するケースでは、第2始動口保留が無い場合に限って特図変動パターンTHp1が判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定され、第2始動口保留が1以上ある場合には特図変動パターンTHp7が判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定される。ここで、第2始動口保留とは、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている第2始動口106への入賞による特図判定用情報を指す。
特図変動パターンTHp7の変動を行うようにしているのは、電サポ遊技状態においては、第2始動口保留が1以上記憶される状態が往々にして発生し、このような状態において迅速な遊技を可能にするためである。一方、電サポ遊技状態において、第2始動口保留がない場合に10秒の変動時間を有する特図変動パターンTHp1の変動を行うことにより、遊技球を第2始動口106へ入賞させるための時間を稼ぎ、これによって遊技者に不利な状況を生じにくくしている。電サポ遊技状態でも、第1始動口105に対応する特図判定用情報が記録されている場合には、その特図判定用情報に基づく特別図柄の変動が行われることがある。但し、そのような変動の実行は、図9のテーブルTZtを鑑みれば、遊技者にとって不利である。このような不利な状況が発生しにくくなるように、上述のようなテーブルTHt3を形成している。
一方、テーブルTHt4では、特図変動パターンTHp4、THp5、THp6に対して、夫々、計30個の判定値「0〜29」、計60個の判定値「30〜89」、計10個の判定値「90〜99」を割り当てている。テーブルTHt4では、特図変動パターンTHp1〜THp3に対し判定値が割り当てられていない。
テーブルTHt3及びTHt4では、リーチ演出用の特図変動パターンとして、信頼度が比較的低い特図変動パターンTHp2及びTHp3が選択されないようにし、信頼度が比較的高い特図変動パターンTHp4〜THp6のみが選択可能になっている。つまり、遊技者に有利な電サポ遊技状態においては、遊技者をより高揚させることができる信頼度の高いリーチのみを行うようにしている。
―――特図判定結果記憶領域;図11―――
図11に、特図判定結果記憶領域413eの例を示す。記憶領域413eには、判定対象TTについての特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果が、互いに対応付けられた状態で記憶される。
尚、記憶領域413eには、特図当たり判定の判定結果及び特図図柄判定の判定結果の双方を表す図柄を示す情報を記憶するようにしても良い。具体的には例えば、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果が16R長当たり、16R短当たり、4R当たり、ハズレを示すとき、記憶領域413eに、夫々、「1」、「2」、「3」、「−」という図柄を記憶するようにしても良い。
CPU411は、ROM412内の普通図柄処理プログラムにより、普通図柄処理を実行する(図18参照)。普通図柄処理において、CPU411は、普図判定用情報記憶領域413iに記憶されている普図判定用情報などを用いて、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域413jに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、普通図柄表示部202に表示させた普通図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。普通図柄抽選は、普図当たり判定及び普図図柄判定を含むと考えて良い(図18参照)。
普通図柄処理において、CPU411は、普図判定用情報記憶領域413i内で最も優先順位を高く設定された格納領域FJ1の普図判定用情報を普図判定対象FF(図7(b)参照)として取得し、普図判定対象FFの普図判定用情報などを用いて普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定を順次実行する。普図判定対象FFに対する普通図柄処理の開始に伴い、CPU411は、図7(b)に示す如く、格納領域FJi+1に格納されていた普図判定用情報を格納領域FJiに移動させる普図記憶シフト処理も実行する(ここで、iは任意の整数)。このとき、普図判定対象FFとなった普図判定用情報は記憶領域413iから消去されて他の記憶領域(不図示)に移される。
普図当たり判定において、CPU411は、特図当たり判定と同様に、普図判定対象FFの普図当たり乱数が、普図当たり判定テーブルFAtに規定されている判定値であって且つ普図当たりに対応づけられた判定値と一致するかを判定する。そして、CPU411は、普図判定対象FFの普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致すれば普図当たりに当選したと判定し、そうでなければ普図当たりに落選したと判定する。普図図柄判定テーブルFZtには、長開放当たりに対応づけられた判定値と、短開放当たりに対応づけられた判定値とが定義されている。普図当たりに当選した場合、CPU411は、普図図柄判定において、普図判定対象FFの普図図柄乱数をテーブルFZt内の判定値と比較し、普図判定対象FFの普図図柄乱数が長開放当たりに対応づけられた判定値と一致している場合には長開放当たりに当選したと判定する一方、普図判定対象FFの普図図柄乱数が短開放当たりに対応づけられた判定値と一致している場合には短開放当たりに当選したと判定する。
普図変動パターン判定において、CPU411は、電サポの付与有無などに基づき、普図変動パターンテーブルFHtから、普通図柄の変動時間等を規定する普図変動パターンを選択する。CPU411は、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定の判定結果が記憶された普図判定結果記憶領域413jの記憶内容に基づいて、普通図柄の表示制御を行わせる。例えば、普図変動パターンが示す変動時間だけ普通図柄の変動を行った後、普図当たり判定の判定結果及び普図図柄判定の判定結果の双方を示す図柄で普通図柄を停止させる。
CPU411は、ROM412内の電動役物制御処理プログラムにより、電動役物制御処理を実行する(図18参照)。電動役物制御処理では、大入賞口処理及び電チュー処理が順次実行される。
CPU411は、ROM412内の大入賞口処理プログラムにより、大入賞口処理を実行する(図18参照)。大入賞口処理において、CPU411は、特別図柄処理の処理結果などに基づき大入賞口109を開閉動作させる。ROM412内の大入賞口開放パターンテーブルDKtには、図12に示す如く、大当たりの種類ごとの大入賞口109の開放態様を定義する複数の大入賞口開放パターンDKp1〜DKp3が格納されている。特別図柄処理の処理結果が大当たりを示しているとき、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて、大入賞口109が開閉動作される。パターンDKp1〜DKp3は、夫々、16R長当たり、16R短当たり、4R当たりに対応している。パターンDKp1〜DKp3の夫々は、大当たりにおけるラウンド数Rmaxと、各ラウンドでの大入賞口109の開放時間と、オープニング時間と、インターバル時間と、エンディング時間とを定めている。16R長当たり、16R短当たり、4R当たりにおけるラウンド数Rmaxは、夫々、16、16、4である。
また、大入賞口処理プログラムは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラムを実行させる。遊技状態設定処理プログラムによる遊技状態設定処理において、CPU411は、遊技状態を定める高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグなどの遊技フラグを遊技フラグ記憶領域413fに設定する(詳細は後述)。
CPU411は、ROM412内の電チュー処理プログラムにより、電チュー処理を実行する(図18参照)。電チュー処理において、CPU411は、普通図柄処理の処理結果に基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。
CPU411は、ROM412内の賞球処理プログラムにより、賞球処理を実行する(図18参照)。賞球処理において、CPU411は、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を、賞球コマンドとして賞球情報記憶領域413gに設定する。
CPU411は、ROM412内の出力処理プログラムにより、出力処理を実行する(図18参照)。出力処理において、CPU411は、RAM413に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報などを、主制御部401に接続された各制御部(賞球制御部402及び演出制御部403を含む)に対して出力する。
また、上述した始動口スイッチ処理プログラムは、サブプログラムとして、事前判定処理を実現する事前判定処理プログラムを実行する(図18参照)。ROM412内の事前判定処理プログラムによる事前判定処理において、CPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶された各特図判定用情報に対し、上述の特別図柄処理と同様の特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行させ、これらの判定結果を事前判定情報記憶領域413hに記憶させる。
―――事前判定情報記憶領域;図13―――
図13に、事前判定情報記憶領域413hの例を示す。事前判定情報記憶領域413hには、特図判定用情報記憶領域413dの格納領域TJ1〜TJ8に記憶された各々の特図判定用情報に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果が記憶される。
尚、事前判定情報記憶領域413hには、特図当たり判定の判定結果及び特図図柄判定の判定結果の双方を表す図柄を示す情報を記憶させるようにしても良い。具体的には例えば、事前判定対象の特図判定用情報に対する特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果が16R長当たり、16R短当たり、4R当たり、ハズレを示すとき、記憶領域413hに、夫々、「1」、「2」、「3」、「−」という図柄を記憶するようにしても良い。
また、図4に示すように、主制御部401には盤用外部情報端子基板491が接続されており、主制御部401は、RAM413内の記憶内容を示す情報を、基板491を通じて外部(例えば遊技場のホールコンピュータ)に出力することができる。
[2.賞球制御部]
図4を参照し、賞球制御部402は、CPU421と、ROM422と、RAM423と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU421は、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出し制御に関する各種プログラムをROM422から読み出し、RAM423をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行することで、払い出し指示に従う賞球の払い出しを行う。
賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。例えば、図示のように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW426と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427とが接続されている。
SW424〜427の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ出力する。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、SW424〜427から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402は、SW424〜427から入力される検出信号を主制御部401へ出力しても良い。
また、賞球制御部402には、発射部428及び払出部429が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作(遊技者による操作)を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部402には、賞球を払い出すための払出部429が接続される。払出部429は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部402は、払出部429を制御して払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)への入賞に対応した賞球の払い出しを実現する。また、賞球制御部402には枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が取り扱う各種情報を、基板492を通じて外部に出力することができる。
[3.演出制御部]
次に、遊技機100の演出制御部403について説明する。
[3−1.演出統括部]
図14は、演出制御部403の内部ブロック図を含む、遊技機100の一部ブロック図である。演出制御部403は、演出制御部403の全体を統括する演出統括部403aと、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御を行う画像/音声制御部403bと、演出ライト部115及び遊技盤101上の盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物130の駆動制御を行うランプ制御部403cなどを備えている。
演出統括部403aは、CPU431と、ROM432と、RAM433と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU431は、遊技機100が行う演出の制御に関する各種プログラムをROM432から読み出し、RAM433をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、演出統括部403aには、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン118及び十字キー119が接続されている。演出ボタン118は、遊技者により操作(即ち押下)されたとき、その旨を示す制御信号を演出統括部403aへ出力する。十字キー119は、複数のキーから成り、遊技者により操作(即ち押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部403aへ出力する。演出統括部403aは、演出ボタン118及び十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者による操作を受け付けたこと及びその操作内容を示す操作コマンドをRAM433に設定する。
ここで、演出統括部403aのCPU431が実行するプログラムの例及び各プログラムを実行することでRAM433に設定(即ち記憶)される情報の例について説明する。尚、演出統括部403aに関して以下に示す処理、プログラム、テーブル及び記憶領域は、CPU431が行う処理、ROM432内のプログラム及びテーブル、並びに、RAM433内の記憶領域の一部に過ぎず、他にも様々な処理、プログラム、テーブル及び記憶領域が、CPU431にて実行、又は、ROM432若しくはRAM433に用意されている。図14に示す如く、ROM432には、テーブルTEt、Mt、OEt及びFEtが格納され、RAM433には、記憶領域433a〜433dが設定されている。
CPU431は、ROM432内の演出メイン処理プログラムにより、演出メイン処理を実行する(図19参照)。演出統括部403aへの電源の供給に応答して演出メイン処理が実行される。演出メイン処理において、演出統括部403aは、演出統括部403a内のCTCなどの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を設定記憶領域433aに記憶させる。
CPU431は、ROM432内の演出タイマ割込処理プログラムにより、演出タイマ割込処理を実行する(図19参照)。演出タイマ割込処理は、演出メイン処理により設定記憶領域433aに記憶された所定の周期で、演出メイン処理に対して割り込み実行される。演出タイマ割込処理では、コマンド受信処理、操作受付処理及びコマンド送信処理が順次実行される。
CPU431は、ROM432内のコマンド受信処理プログラムにより、コマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理において、CPU431は、ROM432内の各種サブプログラムを実行させる。コマンド受信処理に付随して実行される各種処理には、ROM432内の特図演出処理プログラム、普図演出処理プログラム及び大当たり演出処理プログラムによる特図演出処理、普図演出処理及び大当たり演出処理(図19参照)が含まれる。
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含み、演出開始処理に特図変動演出パターン選択処理が内包される。特図変動演出パターン選択処理において、CPU431は、主制御部401などから受信されたコマンドに基づき、ROM432に記憶された特図変動演出パターンテーブルTEtから特図変動演出パターンを選択及び判定する。
―――特図変動演出パターンテーブル;図15―――
図15に、特図変動演出パターンテーブルTEtの例を示す。テーブルTEtには、ノーマルハズレ演出やリーチ演出などの変動演出の演出内容を定義する特図変動演出パターンが、複数、格納されている。図15のテーブルTEtには、互いに異なる7つの特図変動演出パターンTEp1〜TEp7が格納され、特図変動演出パターンTEp1〜TEp7に対して特図変動パターンTHp1〜THp7が1対1に対応づけられている。
変動演出とは、特別図柄の変動及び変動終了時において演出制御部403により実行される演出を指し、詳細には、特図変動演出と呼ばれても良い。遊技機100において、変動演出を含む任意の演出は、演出実現要素を用いて実現される。演出実現要素は、画像表示部104による画像表示、スピーカ114による音声出力、演出ライト部115による発光、盤ランプ135による発光、及び、可動役物130の駆動の内、少なくとも1つを含む。
尚、変動演出パターンとして、特別図柄に関する変動演出パターン(即ち、特図変動演出パターン)と普通図柄に関する変動演出パターン(即ち、普図変動演出パターン)とがあるが、以下では、変動演出の内、特別図柄に関する変動演出が主として議論されるため、特図変動演出パターンテーブル、特図変動演出パターンを、以下、変動演出パターンテーブル、変動演出パターンと呼ぶこともある。
ノーマルハズレ演出は、特図変動パターンTHp1及びTHp7に対応づけられ、最も頻出する通常のハズレ演出である。リーチ演出とは、例えば3つの装飾図柄(第1装飾図柄〜第3装飾図柄)を変動させる場合、有効ライン上に第1装飾図柄及び第2装飾図柄を同一のもので揃えた後に第3装飾図柄のみを変動させ、変動時間をノーマルハズレ演出のそれよりも長くして、大当たりへの期待を高めるようにした演出である。
リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、低信頼度リーチ演出、中信頼度リーチ演出、高信頼度リーチ演出及びプレミアリーチ演出がある。プレミアリーチ演出は、大当たり確定を示す演出である。変動演出パターンTEp2〜TEp6において、記号TEpに付随する数値(2〜6の何れか)が大きいほど、大当たりに対する信頼度が高い演出になっている。
コマンド受信処理において、CPU431は、主制御部401から受信したコマンド(例えば変動開始コマンド)に基づき、演出統括部403a内の特図判定結果記憶領域433bの記憶内容が主制御部401の特図判定結果記憶領域413eの記憶内容と同じとなるように、記憶領域433bの記憶内容を更新できる。変動演出パターン選択処理では、更新された記憶領域433b内の特図変動パターンを示す情報に基づき、図15のテーブルTEtを用いて、当該特図変動パターンに対応する変動演出パターンを選択し、選択結果を記憶領域433bに含めることができる。そして、CPU431は、選択した変動演出パターンに対応する変動演出が実現されるよう、選択した変動演出パターンを示す情報を含んだ変動演出開始コマンドを送信コマンド記憶領域433dに設定する(即ち記憶させる)。
また、コマンド受信処理において、CPU431は、主制御部401から受信したコマンド(例えば後述の事前判定コマンド)に基づき、主制御部401の事前判定情報記憶領域413hと、演出統括部403aの事前判定情報記憶領域433cとの記憶内容を同期させる。この同期により、記憶領域433cの記憶内容を記憶領域413hのそれと同じにすることができる。但し、記憶領域433cには、記憶領域413h内の各特図変動パターンに対応する各特図変動演出パターンを記憶させることができる(図13、図15及び図16参照)。
―――事前判定情報記憶領域;図16―――
図16に、事前判定情報記憶領域433cの例を示す。事前判定情報記憶領域433cには、図6の格納領域TJ1〜TJ8に対応する格納領域tj1〜tj8が設けられる。格納領域tj1〜tj8には、夫々、格納領域TJ1〜TJ8に記憶された特図判定用情報に対する特図当たり判定及び特図図柄判定の各判定結果並びに変動演出パターンの選択結果が記憶される。或る特図判定用情報に対する変動演出パターンの選択結果とは、その特図判定用情報に対する特図変動パターンと変動演出パターンテーブルTEtとに基づき、変動演出パターン選択処理によって選択された変動演出パターンを表す(図13、図15及び図16参照)。
例えば、図16では、格納領域tj1にノーマルリーチ演出用の変動演出パターンTEp2が記憶され、格納領域tj2にノーマルハズレ演出用の変動演出パターンTEp1が記憶され、格納領域tj3に高信頼度リーチ演出用の変動演出パターンTEp5が記憶されている。更に、格納領域tj3には、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果として、“16R長当たり”を示す情報が記憶されている。尚、演出制御部403は、記憶領域433cの記憶内容等に基づき、複数の変動演出にわたる一連の連続演出を行うことも可能である。
普図演出処理(図19参照)は、主制御部401から普通図柄に関するコマンドが受信された場合に、CPU431にて実行される。例えば普図演出処理において、CPU431は、主制御部401から普図変動開始コマンドが受信された場合に、普図変動演出パターンテーブルFEtの中から一つの普図変動演出パターンを選択してRAM433に設定する。そして、CPU431は、設定した普図変動演出パターンにより定められた普図演出を開始させるコマンドを生成してRAM433に設定する。普図変動演出パターンテーブルFEtには、複数の普図変動演出パターンが格納されている。各普図変動演出パターンは、普通図柄の変動時に行う普図演出の演出内容を定義している。
また、ROM432における大当たり演出パターンテーブルOEtには、複数の大当たり演出パターンが格納されている。各大当たり演出パターンには、大当たり遊技中に行う大当たり演出の演出内容が定義されている。大当たり演出処理(図19参照)において、演出制御部403は、大当たりの種類に応じた大当たり演出パターンをテーブルOEtから選択し、実行する。
CPU431は、ROM432内の操作受付処理プログラムにより、操作受付処理を実行する(図19参照)。操作受付処理において、CPU431は、演出ボタン118及び十字キー119からの制御信号を受け付けて、遊技者操作があったことを示す操作コマンドを送信コマンド記憶領域433dに設定する(即ち記憶させる)。
CPU431は、ROM432内のコマンド送信処理プログラムにより、コマンド送信処理を実行する(図19参照)。コマンド送信処理において、CPU431は、送信コマンド記憶領域433dに記憶されている各種コマンドを、演出統括部403aから画像/音声制御部403b又はランプ制御部403cに送信する。画像/音声制御部403b及びランプ制御部403cは、演出統括部403aからのコマンドに従う演出を、上記演出実現要素を用いて実現する。
また、CPU431は、演出モードテーブルMtを用いて演出モードを設定することができる。主制御部401などから受信したコマンドに基づき、CPU431は、演出モードテーブルMtに定義される複数の登録モードの中から演出モードを選択及び設定する。複数の登録モードには、通常モード、確変モード及び特殊モードが含まれる。
―――演出モードテーブル;図17―――
図17に、演出モードテーブルMtの例を示す。図17に示すように、演出モードテーブルMtでは、通常モード、確変モード及び特殊モードに対してモードフラグが対応づけられている。遊技機100の遊技状態が通常遊技状態であるとき、モードフラグの値は“0”に設定され、この時、演出モードは通常モードとなる。遊技機100の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であるとき、モードフラグの値は“1”に設定され、この時、演出モードは確変モードとなる。遊技機100の遊技状態が高確率非電サポ遊技状態であるとき、モードフラグの値は“2”に設定され、この時、演出モードは特殊モードとなる。
大当たり遊技終了後における遊技状態変遷についての上述の説明から理解されるように、演出モードは、大当たり遊技終了後、70変動が経過するまでの間、確変モードに設定され、大当たり遊技終了後、71変動〜74変動までの間、特殊モードに設定される。演出制御部403は、通常モード、確変モード及び特殊モード間において、互いに異なる演出を実行できる。
[3−2.画像/音声制御部]
図14を参照し、画像/音声制御部403bは、CPU441と、ROM442と、RAM443と、図示されない入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU441は、演出統括部403aの指示に応じた各種プログラムをROM442から読み出し、RAM443をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行することにより、演出統括部403aから実行指示された演出を実現する。
ROM442には、演出用データが記憶される。演出用データは、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像、保留画像、予告演出画像などの画像データや、効果音、BGMなどの音声データ等を含む。
CPU441は画像表示部104の表示内容を制御できる。例えば、CPU441は、演出統括部403aにより実行指示された演出に対応する画像データをROM442から読み込んで、読み込んだ画像データによる画像を画像表示部104に表示させる。この際、CPU441は、画像表示部104の表示画面上に複数の画像を重畳表示させることができる。画像表示部104の表示画面上において、同一位置に複数の画像が重なる場合などには、それらの画像を階層構造で重ねたレイヤが設定される。例えば、下層のレイヤに背景画像を設定し、その上の階層に装飾図柄を設定し、さらにその上の階層に予告画像を設定する。これにより、装飾図柄が背景画像よりも手前に見えるように且つ予告画像が装飾図柄より更に手前に見えるように表示できる。
また、CPU441は、演出統括部403aにより実行指示された演出に対応する音声データをROM442から読み込んで、読み込んだ音声データによる音をスピーカ114から出力させる。
また、ボタン演出が実行されるとき、CPU441は、ボタン演出について所定の有効期間を設定し、有効期間内に演出ボタン118への操作の入力が検出された場合には、ボタン演出にて定義された画像データをROM442から読み込んで、読み込んだ画像データによる画像を画像表示部104に表示させる、及び/又は、ボタン演出にて定義された音声データをROM442から読み込んで、読み込んだ音声データによる音をスピーカ114から出力させる。
[3−3.ランプ制御部]
ランプ制御部403cは、CPU451と、ROM452と、RAM453と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU451は、演出統括部403aの指示に応じた各種プログラムをROM452から読み出し、RAM453をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
ランプ制御部403cは、演出統括部403aから受信したコマンドに基づき、演出ライト部115及び盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物130の駆動制御を行うことができる。可動役物130にランプが含まれる場合、可動役物130の駆動制御には、可動役物130内のランプの点灯制御も含まれる。また、ランプ制御部403cには可動役物130の位置検出を行うための役物センサ(不図示)が接続され、ランプ制御部403cは、役物センサの検出信号に基づき可動役物130の駆動制御を行うことができる。
<<信頼度について>>
ここで、用語“信頼度”について説明を補足する。或る1つの特図判定用情報Q1に対して或る演出Q2が行われる場合において、特図判定用情報Q1が大当たりに当選する確率、即ち、特図判定用情報Q1に基づく特図当たり判定において大当たりと判定される期待値(確率論上の期待値)を、大当たりの信頼度、特図判定用情報Q1の信頼度、又は、演出Q2の信頼度と呼ぶ。演出Q2は、特図判定用情報Q1に対応する特別図柄の変動中に行われる当該予告(当該予告演出)でありうるし、特図判定用情報Q1に対応する特別図柄の変動開始前に行われる先読み予告(先読み予告演出)でありうる。
1つの特図判定用情報Q1に関して、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q1に対して演出Q2が実行される確率を“r”で表し、特図当たり判定の結果が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q1に対して演出Q2が実行される確率を“v”で表す。そうすると、特図判定用情報Q1に対して演出Q2が行われるときの大当たりの信頼度は、(100×v/(r+v))%である。
例えば、非電サポ遊技状態において(図10のテーブルTHt1及びTHt2参照)、1つの特図判定用情報Q1が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q1に特図変動パターンTHp3が割り当てられる確率rは “(199/200)×(6/100)”であり、1つの特図判定用情報Q1が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q1に特図変動パターンTHp3が割り当てられる確率vは “(1/200)×(10/100)”であるので、特図判定用情報Q1に対して特図変動パターンTHp3が割り当てられたときの大当たりの信頼度(特図判定用情報Q1の信頼度、特図変動パターンTHp3による演出の信頼度)は、約0.8%となる。同様に例えば、特図判定用情報Q1に対して特図変動パターンTHp5が割り当てられたときの大当たりの信頼度(特図判定用情報Q1の信頼度、特図変動パターンTHp5による演出の信頼度)は、約20%となる。
<<先読み予告演出(第1実施形態)>>
次に、上述の構成を基礎とした遊技機100にて実行できる特徴的な先読み予告演出を説明する。先読み予告演出に注目した実施形態を、便宜上、第1実施形態と呼ぶ。図20は、この先読み予告演出の概要を説明するための図である。
尚、以下の説明において、変動とは、特に記述無き限り、特別図柄又は特別図柄に対応する装飾図柄の変動を指す。また、単に保留といった場合、それは、大当たり抽選の権利の保留又は保留された大当たり抽選の権利を指す。従って例えば、或る保留の変動とは、その保留についての特別図柄又は装飾図柄の変動を指す。また、今回の特別図柄の変動を当該変動とも言い、当該変動についての保留を当該保留とも言う。
図20に示すように、遊技球が第1始動口105に入賞すると、第1始動口スイッチ414aが当該遊技球の入賞を検出し、上述の如く、特図判定用情報が取得されて大当たり抽選の権利が保留される。第1始動口105の入賞に基づく大当たり抽選の権利が消化されて特図当たり判定が行われると共に、当該大当たり抽選の権利に基づく第1特別図柄の変動制御が開始される。第1特別図柄の変動開始に応じて、主制御部401から演出制御部403に変動開始コマンドが送信され、変動開始コマンドに応じて特別図柄に対応する装飾図柄が変動を開始する。
ここで、第1始動口105の入賞に基づく大当たり抽選の権利が保留される際に、当該権利(当該権利に対応する特図判定用情報)に対して事前判定処理が行われ、事前判定情報を含む事前判定コマンドが主制御部401から演出制御部403に送信される。事前判定情報は、事前判定処理の結果を示す情報を含み、従って、保留された権利に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果を特定する。
演出制御部403は、受信した事前判定情報に基づいて、先読み予告判定を行う。先読み予告判定では、先読み予告演出を実行するか否かを判定すると共に、実行する先読み予告演出の種類を判定する。先読み予告演出は、保留されている大当たり抽選の権利に対して実行されるものであり、先読み予告演出の対象となる大当たり抽選の権利(又は当該権利に対応する特図判定用情報)を先読み対象と呼ぶ。
演出制御部403は、複数の先読み予告演出の何れかを選択的に実行できるが、ここでは、複数の先読み予告演出に含まれる先読み予告演出SYに注目する。先読み予告演出SYを実行すると判定した場合、演出制御部403は、先読み対象に対する特別図柄の変動よりも前の変動における装飾図柄の停止図柄(停止時の図柄配列)を決定する。例えば、先読み対象の変動よりも2回以上前の変動における装飾図柄の停止図柄を決定するとともに、さらにその次の変動における停止図柄を決定する。そして、演出制御部403は、主制御部401から変動停止コマンドを受信した場合、決定した停止図柄で装飾図柄を停止表示させる。このようにして、演出制御部403は、装飾図柄の停止時の図柄配列によって、先読み予告演出SYを行う。更に、先読み予告演出SYは、保留画像の表示態様の決定及びそれに従う保留画像の表示制御も含むが、それについては後に詳説する。
図21は、遊技機100において用いられる装飾図柄の種類を示す図である。図21に示すように、装飾図柄は、青図柄、緑図柄、赤図柄又は金図柄に分類され、これらは装飾図柄の色を示している。即ち、青図柄、緑図柄、赤図柄、金図柄は、夫々、青、緑、赤、金の色を基調とした、青、緑、赤、金の色を含む装飾図柄である。装飾図柄には数値、文字又は記号等が付与されている。青図柄には数値2、4、6又は8が付与され、緑図柄には数値1、5又は9が付与され、赤図柄には数値3又は7が付与され、金図柄には文字Sが付与されている。例えば、青図柄の内の1つの装飾図柄が3つ揃うと(例えば、「2,2,2」)、4R当たりとなり、赤図柄の内の1つの装飾図柄が3つ揃うと(例えば、「7,7,7」)、16長当たりとなる。
次に、図22(a)〜(c)等を参照して、先読み予告演出SYについて説明する。 今、特別図柄の変動中であって、且つ、第1始動口105の入賞に基づく大当たり抽選の権利が保留1、保留2、保留3として既に保留されている状態において、遊技球が第1始動口105に入賞して大当たり抽選の権利が保留4として追加的に保留され、保留4が先読み対象となって先読み予告演出SYが行われる場合を考える。保留3に係る大当たり抽選の権利よりも先に保留2に係る大当たり抽選の権利が保留され、保留2に係る大当たり抽選の権利よりも先に保留1に係る大当たり抽選の権利が保留されているものとする。更に、現在の特別図柄の変動に対応する大当たり抽選の権利を保留0と呼ぶ。図22(a)〜(c)は、保留4に対して先読み予告演出SYが行われる場合において、保留0に対する特別図柄の変動が開始して終了するまでの区間中における画像表示部104の表示例を示している。
演出制御部403の制御の下、画像表示部104には、第1〜第3装飾図柄から成る装飾図柄10と、複数の保留画像20とが表示される。1つの保留画像20は、保留された1つの大当たり抽選の権利、又は、現在の特別図柄の変動に対応する大当たり抽選の権利を示す画像である。画像表示部104において、保留は、より右側に表示されているものから順に消化される。即ち、現在の特別図柄の変動(保留0の変動)が終了すると、保留1、保留2、保留3、保留4の順に消化される。保留画像20の種類として、白、青、緑、赤、金の保留画像20(以下、白保留、青保留、緑保留、赤保留、金保留という)がある。白保留、青保留、緑保留、赤保留、金保留は、夫々、白、青、緑、赤、金の色を基調とした保留画像20であって、白、青、緑、赤、金の色を含む。保留0〜4の保留画像20は、それらの何れの保留画像20にもなりうるが、ここでは、保留0〜3の保留画像20は白保留であるとし、且つ、保留4の発生時点において保留4の保留画像20は白保留であるとする。
図22(a)に示すように、特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口105に入賞したことに応じ、画像表示部104において保留4の保留画像20が保留3の左側に追加される(図22(b))。その後、図22(c)に示すように、例えば、当該変動が終了してハズレを示す図柄配列で装飾図柄10が停止表示される。保留4の追加の際に、保留4に対して先読みが行われる。先読みとは、保留4に係る特図判定用情報に基づいて行われる事前判定処理である。ここでは、保留4に係る特図当たり判定の結果が大当たりであることを想定する。
図23(a)〜(c)、図24(a)〜(c)、図25(a)〜(c)、図26(a)〜(c)は、夫々、保留4に対して先読み予告演出SYが行われる場合において、保留1についての変動(即ち1回目の特別図柄の変動)が開始して終了する区間中、保留2についての変動(即ち2回目の特別図柄の変動)が開始して終了する区間中、保留3についての変動(即ち3回目の特別図柄の変動)が開始して終了する区間中、保留4についての変動(即ち4回目の特別図柄の変動)が開始して終了する区間中の画像表示部104の表示例を示している。
保留0の変動が終了すると、図23(a)に示すように、保留1の変動が開始し、当該変動において特図当たり判定の結果がハズレの場合は、ハズレを示す所定の図柄配列で装飾図柄10が停止され、これによってハズレであることが遊技者に報知される(図23(c))。但し、ここでは、図23(c)に示すように、装飾図柄10を形成する第1〜第3装飾図柄が全て青図柄で停止される。ハズレを示す図柄配列を有するものの第1〜第3装飾図柄が青図柄で統一されている図柄配列を青チャンス目と呼ぶ。装飾図柄10を青チャンス目で停止させる場合、装飾図柄10にエフェクトが加えられるとともに、青チャンス目で停止したことを示す効果音が出力されたり、光による演出が行われたりしても良い。後述の他のチャンス目(緑、赤、金チャンス目を含む)で停止した場合も同様である。
更に、装飾図柄10が青チャンス目で停止したとき、図23(c)に示すように、保留4の保留画像20を白保留から青チャンス目に対応する青保留に変化させることができる。このとき、保留4の保留画像20が青保留に変化したことを示す効果音が出力されたり、光による演出が行われたりしても良い。保留4の保留画像20が、緑保留、赤保留又は金保留に変化せしめられた場合も同様である。
保留1の変動が終了すると、図24(a)に示すように、保留2の変動が開始し、当該変動において特図当たり判定の結果がハズレの場合は、ハズレを示す所定の図柄配列で装飾図柄10が停止され、これによってハズレであることが遊技者に報知される(図24(c))。但し、ここでは、図24(c)に示すように、第1〜第3装飾図柄が全て緑図柄で停止される。ハズレを示す図柄配列を有するものの第1〜第3装飾図柄が緑図柄で統一されている図柄配列を緑チャンス目と呼ぶ。更に、装飾図柄10が緑チャンス目で停止したとき、図24(c)に示すように、保留4の保留画像20を青保留から緑チャンス目に対応する緑保留に変化させることができる。
保留2の変動が終了すると、図25(a)に示すように、保留3の変動が開始し、当該変動において特図当たり判定の結果がハズレの場合は、ハズレを示す所定の図柄配列で装飾図柄10が停止され、これによってハズレであることが遊技者に報知される(図25(c))。但し、ここでは、図25(c)に示すように、第1〜第3装飾図柄が全て赤図柄で停止される。ハズレを示す図柄配列を有するものの第1〜第3装飾図柄が赤図柄で統一されている図柄配列を赤チャンス目と呼ぶ。更に、装飾図柄10が赤チャンス目で停止したとき、図25(c)に示すように、保留4の保留画像20を緑保留から赤チャンス目に対応する赤保留に変化させることができる。
保留3の変動が終了すると、図26(a)に示すように、保留4の変動が開始し、当該変動において特図当たり判定の結果が大当たりの場合は、大当たりを示す所定の図柄配列(保留4の特図図柄判定の結果に応じた図柄配列)で装飾図柄10が停止され、これによって大当たりに当選したことが遊技者に報知される(図26(c))。
上述の青チャンス目、緑チャンス目及び赤チャンス目並びに後述の金チャンス目の夫々は、装飾図柄10が特定態様とされるチャンス目の一種である。チャンス目は、当該変動の特図当たり判定の結果がハズレであることを示す。しかし、チャンス目で装飾図柄10を停止させる演出は、保留4に対する先読み予告演出SYの一部であり、その後の特図当たり判定(保留4に対する特図当たり判定)の結果が大当たりになることを遊技者に期待させる演出である。チャンス目で装飾図柄10を停止させる演出において、チャンス目の色に応じ、その後の特図当たり判定(保留4に対する特図当たり判定)の結果が大当たりになる信頼度は異なる。具体的には、図27に示す如く、青、緑、赤及び金チャンス目の内、青チャンス目で装飾図柄10が停止する場合の信頼度が最も低く、緑チャンス目、赤チャンス目、金チャンス目の順で信頼度が高くなる。このように、青、緑、赤及び金チャンス目は、青チャンス目を起点として青、緑、赤及び金チャンス目の順で序列化されている。先読み予告演出SYにおいて、一旦、或るチャンス目を停止表示した後、そのチャンス目よりも信頼度の低いチャンス目が停止表示されることは無い(所謂チャンスダウンは無い)ものとする。
保留4の保留画像20を青、緑若しくは赤保留又は後述の金保留に変化させる演出は、保留4に対する先読み予告演出SYの一部であり、保留4に対する特図当たり判定の結果が大当たりになることを遊技者に期待させる演出である。保留4の保留画像20の表示態様を変化させる演出において、変化先の保留4の色に応じ、その後の特図当たり判定(保留4に対する特図当たり判定)の結果が大当たりになる信頼度は異なる。具体的には、図28に示す如く、青、緑、赤及び金保留の内、青保留が表示されるときの信頼度が最も低く、緑、赤、金保留の順で信頼度が高くなる。このように、青、緑、赤及び金保留は、青保留を起点として青、緑、赤及び金保留の順で序列化されている。尚、青保留が表示されるときの信頼度はそれほど高くはないものの、白保留のそれよりは高い。
上述の如く、先読み予告演出SY中において、青、緑、赤、金チャンス目には互いに異なる信頼度(先読み対象の信頼度)が割り当てられ、青、緑、赤、金保留にも互いに異なる信頼度(先読み対象の信頼度)が割り当てられている。先読み対象の信頼度(先読み対象が大当たりであると判定される期待値)に関し、青、緑、赤及び金チャンス目は、夫々、青、緑、赤及び金保留に対応している。例えば、先読み対象の信頼度に関し、先読み予告演出SY中で青、緑、赤、金チャンス目が停止表示されるときの信頼度は、夫々、先読み対象の保留画像20が青、緑、赤、金保留とされるときの信頼度と一致していて良い(前者の信頼度と後者の信頼度を異ならせることも可能である)。
遊技機100では、複数の連続する変動にわたって段階的に先読み予告演出SYが行われる。先読み対象の保留4が入賞して1回目の変動においては、青チャンス目の停止表示が行われることで先読み予告演出SYが行われていることが遊技者に認識される(図23(c))。これにより、次以降の変動に対する期待感が高まる。青チャンス目で停止した後の次の変動においては、さらに信頼度の高い緑チャンス目で停止することがある(図24(c))。これにより、次以降の変動に対する期待感が更に高まる。更に、その次の変動においては、さらに信頼度の高い赤チャンス目で停止することがある(図25(c))。これにより、次以降の変動に対する期待感がさらに高まる。このように、信頼度の異なる特定の図柄配列を複数用意し、信頼度が高まる方向に装飾図柄10の停止図柄配列を変化させていくことで、以降の変動における大当たりの期待感を高めることができる。
加えて、図23(c)等に示した先読み予告演出SYでは、装飾図柄10が青チャンス目で停止したとき、先読み対象の保留4の保留画像20を、青チャンス目の停止表示に連動して白保留から青保留に変更している。これにより、先読み予告演出SYが保留4に対するものであることを遊技者に認識させることができる。青チャンス目の表示が画像表示部104から消えた後も、暫くの間は(上述の例では、保留4の保留画像20が緑保留に変化する前までは)青保留が画像表示部104に表示され続けるので、チャンス目の色が何色であったのかを忘れてしまったとしても、又は、よそ見等をしていて青チャンス目の停止表示を見逃したとしても、遊技者は青保留を見ることで青チャンス目の停止表示があったことを認識又は推測することができる。先読み対象の保留4の保留画像20を緑、赤又は金保留に変更する場合も同様である。また、チャンス目の表示態様と保留画像の表示態様変化を関連付けた演出により、面白みのある新鮮な演出が実現され、遊技の興趣向上が期待される。
上述の例における、各保留の装飾図柄10の停止態様及び保留4の保留画像20の変遷の様子を図29に示す。図29の例では、保留1の変動開始と共に保留4に対する先読み予告演出SYが開始され、保留3の変動終了と共に保留4に対する先読み予告演出SYが終了している。
図29の例では、信頼度が上昇する順に段階的にチャンス目の色が発展しているが、先読み予告演出SYはこれに限定されない。先読み予告演出SYにおける各保留の装飾図柄10の停止態様及び保留4の保留画像20の変遷の様子の他の例を、図30及び図31に示す。図30及び図31の例でも、保留1の変動開始と共に保留4に対する先読み予告演出SYが開始され、保留3の変動終了と共に保留4に対する先読み予告演出SYが終了している。図30及び図31の例の夫々において、保留0の変動停止時における保留4の保留画像20は白保留であるとする。
図30の例において、保留1、2、3に係る装飾図柄10の停止態様は、夫々、青、青、赤チャンス目である。このため、保留1に係る装飾図柄10の変動が停止したとき、保留4の保留画像20は白保留から青保留に変更される。しかし、保留2に係る装飾図柄10の変動が停止したときには、保留4の保留画像20は青保留のままである。その後、保留3に係る装飾図柄10の変動が赤チャンス目にて停止したときに、保留4の保留画像20は青保留から赤保留に変更される。
図31の例において、保留1、2、3に係る装飾図柄10の停止態様は、夫々、緑、金、金チャンス目である。このため、保留1に係る装飾図柄10の変動が停止したとき、保留4の保留画像20は白保留から緑保留に変更され、保留2に係る装飾図柄10の変動が停止したとき、保留4の保留画像20は緑保留から金保留に変更される。この後、保留3に係る装飾図柄10の変動が停止したとき、保留4の保留画像20は金保留のままとされる。図31の例に対応する、保留1、2、3の変動停止時における画像表示部104の表示例を図32(a)〜(c)に示す。金チャンス目とは、装飾図柄10を形成する第1〜第3装飾図柄の内、中央に位置する第2装飾図柄が金図柄となるチャンス目である。図32(b)及び(c)の例では、保留2に係る金チャンス目の第1及び第3装飾図柄は緑図柄であり、保留3に係る金チャンス目の第1及び第3装飾図柄は赤図柄である。赤図柄を含む金チャンス目の方が緑図柄を含む金チャンス目よりも、信頼度が高くても良い。
また、保留0の変動中に遊技球が第1始動口105に入賞して保留4が形成される場合、保留0に係る装飾図柄10の停止態様をも、保留4を先読み対象とする先読み予告演出SYに含めても良い。この例を図33に示す。図33の例に関し、保留4に係る入賞があった場合、この入賞を契機として先読み予告演出SYが開始される。先読み予告演出SYが開始されると、保留0に係る装飾図柄10が青チャンス目で停止され、それに伴って保留4の保留画像20は白保留から青保留に変更される。その後、保留1、2、3に係る装飾図柄10が、順次、緑、赤、金チャンス目で停止され、保留1、2、3に係る装飾図柄10の変動が停止したとき、保留4の保留画像20は、順次、緑、赤、金保留へと変更される。その後に、保留4に係る特別図柄の変動が開始され、特図当たり判定の結果が報知される。この場合は、比較的高い確率(例えば60%)で大当たりとなる。
また、図29〜〜図33の例では、何れも、或るチャンス目が停止表示されたとき、常に、そのチャンス目の色に対応する色に、先読み対象(保留4)の保留画像20の色が変更されているが、先読み予告演出SYはこれに限定されない。例えば、図29の例において、保留2に係る装飾図柄10が緑チャンス目で停止したとき、演出制御部403は、保留4の保留画像20を青保留から緑保留に変化させることもできるが、青保留のまま維持することもできる。また例えば、図30に例において、保留3に係る装飾図柄10が赤チャンス目で停止したとき、演出制御部403は、保留4の保留画像20を青保留から赤保留に変化させることもできるが、青保留のまま維持することもできるし、青保留から緑保留に変化させることもできる。
先読み予告演出SY中の保留変化の考え方をまとめる。保留4に対する先読み予告演出SYにおいて、保留0、1、2又は3に係る装飾図柄10を特定のチャンス目で停止させたとき、演出制御部403は、保留4の保留画像20の色を、その特定のチャンス目の色まで発展させることができる。ここにおける発展とは、保留画像20の色を、より信頼度の高いものへと変更することを意味する。
従って例えば、先読み対象(保留4)に係る特別図柄の変動よりも前の特別図柄の変動(保留0、1、2又は3に係る変動)において、装飾図柄10を青チャンス目で停止させたとき、先読み対象の保留画像20が白保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を白保留で維持又は青保留に変更することができ(図34(a)参照)、先読み対象の保留画像20が既に青保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を青保留のまま維持することができる(図34(b)参照)。
同様に例えば、先読み対象(保留4)に係る特別図柄の変動よりも前の特別図柄の変動(保留0、1、2又は3に係る変動)において、装飾図柄10を緑チャンス目で停止させたとき、先読み対象の保留画像20が白保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を白、青又は緑保留に維持又は変更することができ(図35(a)参照)、先読み対象の保留画像20が青保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を青又は緑保留に維持又は変更することができ(図35(b)参照)、先読み対象の保留画像20が既に緑保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を緑保留のまま維持することができる(図35(c)参照)。
同様に例えば、先読み対象(保留4)に係る特別図柄の変動よりも前の特別図柄の変動(保留0、1、2又は3に係る変動)において、装飾図柄10を赤チャンス目で停止させたとき、先読み対象の保留画像20が白保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を白、青、緑又は赤保留に維持又は変更することができ(図36(a)参照)、先読み対象の保留画像20が青保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を青、緑又は赤保留に維持又は変更することができ(図36(b)参照)、先読み対象の保留画像20が緑保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を緑又は赤保留に維持又は変更することができ(図36(c)参照)、先読み対象の保留画像20が既に赤保留であった場合には、先読み対象の保留画像20を赤保留のまま維持することができる(図36(d)参照)。
先読み対象(保留4)に係る特別図柄の変動よりも前の特別図柄の変動(保留0、1、2又は3に係る変動)において、装飾図柄10を金チャンス目で停止させたときも同様であり、そのときの先読み対象の保留画像20の変化又は維持の様子を図37(a)〜(e)に示す。従って例えば、図31の例において、保留2に係る装飾図柄10が金チャンス目で停止したとき、先読み対象(保留4)の保留画像20が緑、赤又は金保留に維持又は変更されてもよく、その後、保留3に係る装飾図柄10が金チャンス目で停止したとき、先読み対象(保留4)の保留画像20は緑、赤又は金保留に維持又は変更されうる。
尚、チャンス目の停止表示に連動して、先読み対象の保留画像20の表示態様を変更するタイミングは、基本的に、チャンス目の停止表示が行われるタイミングと同じであるが、チャンス目の停止表示が行われるタイミングと若干異なるタイミング(例えば、チャンス目の停止表示が行われるタイミングより所定の微小時間だけ前又は後のタイミング)であってもよい。
上述の説明から理解されるが、先読み予告演出SYを実行するときの演出制御部403は、装飾図柄10をチャンス目(特定態様)で停止表示させたとき、その停止表示に連動して、先読み対象の保留画像20の表示態様を、停止表示されたチャンス目(特定態様)に応じた態様に変更可能である。この際、先読み予告演出SYの中で、先読み対象(保留4)の保留画像20を、最終チャンス目に応じた表示態様まで変更可能である。最終チャンス目とは、先読み対象に係る特別図柄の変動直前において停止表示された装飾図柄10のチャンス目である。従って、先読み対象が保留4であるならば、保留3に係る装飾図柄10の停止態様としてのチャンス目が最終チャンス目である。最終チャンス目が青、緑、赤、金チャンス目である場合、最終チャンス目が停止表示された時点で、先読み対象に係る保留画像20を、夫々、青、緑、赤、金保留まで変更可能(発展可能)である。
尚、第1始動口105への入賞に基づく保留に対して先読み予告演出SYを実行することを説明したが、第2始動口106の入賞に基づく保留に対して先読み予告演出SYを実行するようにしても良い。即ち、上述の保留0〜4は、第1始動口105への入賞に基づく大当たり抽選の権利を示すものであっても良いし、第2始動口106への入賞に基づく大当たり抽選の権利を示すものであっても良い。更に、第1始動口105への入賞に基づく大当たり抽選の権利と、第2始動口105への入賞に基づく大当たり抽選の権利とが、保留0〜4内に混在していても良い。
<<遊技機の動作フローチャート>>
次に、上述した動作を実現するために遊技機100が行う処理の流れを、フローチャートに沿って説明する。
[1.主制御部が行う処理]
まず、主制御部401が行う処理について説明する。尚、以下に説明する主制御部401の各処理は、主制御部401のCPU411がROM412に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
―――タイマ割込処理;図38―――
図38を参照し、主制御部401が行うタイマ割込処理を説明する。図38は、タイマ割込処理の内容を示すフローチャートである。主制御部401は、電源の供給が開始されると、起動処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン処理を実行開始する。主制御部401は、電源が供給されている間、このメイン処理を継続的に実行する。主制御部401は、このメイン処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(例えば4ms)で割り込み実行する。
図38に示すように(図18も参照)、タイマ割込処理において、主制御部401は、ステップS1の乱数更新処理、ステップS2のスイッチ処理、ステップS3の特別図柄処理、ステップS4の普通図柄処理、ステップS5の電動役物制御処理、ステップS6の賞球処理、及び、ステップS7の出力処理を順次実行する。ステップS1〜S7の乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理は、図4〜図13及び図18等を参照しつつ、それらの処理について上述した内容を含んでいて良い。
まずステップS1の乱数更新処理において、主制御部401は、各種抽選に用いる乱数を更新する。
続くステップS2のスイッチ処理は(図18も参照)、第1始動口105又は第2始動口106に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図39参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(図40参照)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理、及び、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理などを含む。
その後、ステップS3の特別図柄処理において、主制御部401は、大当たり抽選を行い、大当たり抽選の結果に応じて特別図柄を変動表示した後、停止表示させる。
その後、ステップS4の普通図柄処理において、主制御部401は、普通図柄抽選を行い、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄を変動表示した後、停止表示させる。
その後、ステップS5の電動役物制御処理は(図18も参照)、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(図46参照)、及び、電動チューリップ107の動作を制御する電チュー処理(不図示)などを含む。
その後、ステップS6の賞球処理において、主制御部401は、例えば、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109又は普通入賞口110への遊技球の入賞に対して、所定個数の賞球の払い出しを指示する賞球コマンドをRAM413に設定する。
その後、ステップS7の出力処理において、主制御部401は、ステップS1〜S6の各処理によりRAM413に設定された情報を示す各種コマンドを賞球制御部402及び演出制御部403に出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部402に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部403に出力される。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了する。タイマ割込処理が終了すると、主制御部401が実行する処理はメイン処理に戻る。
―――始動口スイッチ処理;図39―――
図39を参照し、図38のステップS2のスイッチ処理に含まれる始動口スイッチ処理の内容を説明する。図39は、始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部401は、まず、第1始動口SW414aがONになったか否かを判定する(ステップS211)。第1始動口SW414aがONになっていなければ(ステップS211のNo)、ステップS216へ移行する。SW414aにおいて、自身が検出すべき遊技球が検出されたときSW414aはONとなり、自身が検出すべき遊技球が検出されなかったときSW414aはOFFとなる。SW414b及びSW415〜SW417(図4参照)についても同様である。
第1始動口SW414aがONであれば(ステップS211のYes)、主制御部401は、保留情報数U1がROM412に予め記憶されている所定の最大保留数U1max(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS212)。保留情報数U1は、特図判定用情報記憶領域413d内における、第1始動口105への入賞を契機とした特図判定用情報の個数に相当する。「U1<U1max」でなければ(ステップS212のNo)、ステップS216へ移行する。
一方、「U1<U1max」であれば(ステップS212のYes)、主制御部401は、保留情報数U1に「1」を加算すると共に(ステップS213)、カウンタ記憶領域413cにおける各カウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報を、特図判定用情報記憶領域413dに記憶する(ステップS214)。
特図判定用情報を取得及び記憶すると、主制御部401は、記憶された特図判定用情報に基づき事前判定処理(図41参照)を行い(ステップS215)、その後、ステップ216に移行する。ステップS216において、主制御部401は、第2始動口SW414bがONになったか否かを判定する(ステップS216)。第2始動口SW414bがONでなければ(ステップS216のNo)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW414bがONであれば(ステップS216のYes)、主制御部401は、保留情報数U2がROM412に予め記憶されている所定の最大保留数U2max(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS217)。保留情報数U2は、特図判定用情報記憶領域413d内における、第2始動口106への入賞を契機とした特図判定用情報の個数に相当する。「U2<U2max」でなければ(ステップS217のNo)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
一方、「U2<U2max」であれば(ステップS217のYes)、主制御部401は、保留情報数U2に「1」を加算すると共に(ステップS218)、カウンタ記憶領域413cにおける各カウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報を、特図判定用情報記憶領域413dに記憶する(ステップS219)。この際、主制御部401は、第2始動口106への入賞を契機に取得された特図判定用情報の優先順位が、第1始動口105への入賞を契機に取得された特図判定用情報の優先順位よりも高くなるように、記憶領域413dの記憶内容を制御する。従って、第1始動口105への入賞を契機に取得された特図判定用情報が記憶領域413dにある場合、ステップS219において、その特図判定用情報は、優先順位が低くなる格納領域TJへシフトされることになる。
ステップS219にて特図判定用情報を取得及び記憶すると、主制御部401は、記憶された特図判定用情報に基づき事前判定処理(図41参照)を行い(ステップS220)、始動口スイッチ処理を終了する。
―――ゲートスイッチ処理;図40―――
次に、図40を参照し、図38のステップS2のスイッチ処理に含まれるゲートスイッチ処理の内容を説明する。図40は、ゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。ゲートスイッチ処理において、主制御部401は、まず、ゲートSW415がONになったか否かを判定する(ステップS231)。ゲートSW415がONになっていなければ(ステップS231のNo)、ゲートスイッチ処理を終了する。
ゲートSW415がONであれば(ステップS231のYes)、主制御部401は、保留情報数U3がROM412に予め記憶されている所定の最大保留数U3max(例えば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS232)。保留情報数U3は、普図判定用情報記憶領域413i内における普図判定用情報の個数に相当する。「U3<U3max」でなければ(ステップS232のNo)、そのままゲートスイッチ処理を終了する。
一方、「U3<U3max」であれば(ステップS232のYes)、主制御部401は、保留情報数U3に「1」を加算すると共に(ステップS233)、カウンタ記憶領域413cにおける各カウンタC4及びC5のカウント値を取得し、取得したカウンタC4及びC5のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報を、普図判定用情報記憶領域413iに記憶する(ステップS234)。その後、ゲートスイッチ処理を終了する。
―――事前判定処理;図41―――
次に、図41を参照して、図39のステップS215又はS220にて実行される事前判定処理の内容を説明する。図41は、事前判定処理の内容を示すフローチャートである。
事前判定処理において、主制御部401は、まず、高確率遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2101)。高確率遊技フラグは、後述の処理にてON又はOFFに設定される、RAM413内のフラグである。メイン処理の実行開始時点において、高確率遊技フラグはOFFである。上述したように、遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。
主制御部401は、高確率遊技フラグがONであれば(ステップS2101のYes)、高確率特図当たり判定テーブルTAt2(図8参照)を選択する一方(ステップS2102)、高確率遊技フラグがOFFであれば(ステップS2101のNo)、低確率特図当たり判定テーブルTAt1(図8参照)を選択する(ステップS2103)。
続いて、主制御部401は、ステップS2102又はステップS2103で選択した特図当たり判定テーブルと、事前判定対象としての特図判定用情報の特図当たり乱数とを比較することで、特図当たり判定を行う(ステップS2104)。この特図当たり判定では、事前判定対象の特図当たり乱数が、選択した特図当たり判定テーブル内の大当たりに対応付けられた判定値と一致するか否かを判定し、これによって、事前判定対象が大当たりに当選しているか否かを判定する。図41の事前判定処理が図39のステップS214を経由して実行されるものであった場合には、ステップS214にて記憶された特図判定用情報が事前判定対象となり、図41の事前判定処理が図39のステップS219を経由して実行されるものであった場合には、ステップS219にて記憶された特図判定用情報が事前判定対象となる。
ステップS2104において、特図当たり判定をおこなった結果、事前判定対象が大当たりであれば、事前判定対象に対し、当たり図柄判定とも言うべき特図図柄判定を行う。この際、主制御部401は、事前判定対象が第1始動口105への遊技球の入賞を契機として取得された特図判定用情報である場合には特図図柄判定テーブルTZt1(図9参照)を選択し、事前判定対象が第2始動口106への遊技球の入賞を契機として取得された特図判定用情報である場合には特図図柄判定テーブルTZt2(図9参照)を選択する。そして、主制御部401は、事前判定対象の特図図柄乱数と、選択した特図図柄判定テーブル内の判定値とを比較することで、事前判定対象の大当たりの種類を判定する。
その後、主制御部401は、特図変動パターン判定処理(後述)を行う(ステップS2105)。更に、主制御部401は、ステップS2104の処理結果とステップS2105の処理結果とを対応づけた情報を、事前判定対象に対する事前判定結果として、RAM413(図13の事前判定情報記憶領域413h)に記憶させる(ステップS2106)。そして、今回の事前判定結果を表す事前判定コマンドを生成してRAM413に設定し(ステップS2107)、事前判定処理を終了する。
―――特別図柄処理;図42―――
次に、図42を参照して、図38のステップS3にて実行される特別図柄処理の内容を説明する。図42は、特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
特別図柄処理において、主制御部401は、まず、確定中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS311)。確定中フラグがONである時点は、特別図柄の確定期間に属する。特別図柄の確定期間とは、特別図柄の変動を停止してから所定の確定表示時間が経過するまでの、停止した特別図柄を遊技者に認識させるための期間である。確定中フラグは、後述の処理にてON又はOFFに設定される、RAM413内のフラグである。メイン処理の実行開始時点において、確定中フラグはOFFである。確定中フラグがONである場合(ステップS311のYes)、ステップS327に移行する。
一方、確定中フラグがOFFである場合(ステップS311のNo)、大当たり遊技フラグがONとなっているかを判定する(ステップS312)。大当たり遊技フラグは、後述の処理にてON又はOFFに設定される、RAM413内のフラグである。後述の説明から明らかとなるが、現在の遊技状態が大当たり遊技状態であるとき、大当たり遊技フラグはONとされる。メイン処理の実行開始時点において、大当たり遊技フラグはOFFである。
大当たり遊技フラグがONであれば(ステップS312のYes)、特別図柄を変動表示させずにそのまま特別図柄処理を終了する。大当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS312のNo)、主制御部401は、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS313)。特別図柄が変動表示中であれば、ステップS323へ移行する。一方、特別図柄が変動表示中でなければ(ステップS313のNo)、主制御部401は、保留情報数U2が1以上であるか否かを判定する(ステップS314)。
保留情報数U2が1以上であれば(ステップS314のYes)、主制御部401は、保留情報数U2から「1」を減算し(ステップS315)、ステップS318へ移行する。ステップS314において保留情報数U2が0であれば(ステップS314のNo)、主制御部401は、保留情報数U1が1以上であるか否かを判定する(ステップS316)。ステップS316において、保留情報数U1が0であれば(ステップS316のNo)、特別図柄処理を終了する。保留情報数U1が1以上であれば(ステップS316のYes)、主制御部401は、保留情報数U1から「1」を減算し(ステップS317)、ステップS318へ移行する。
ステップS318において、主制御部401は、図6(b)を参照して説明した特図記憶シフト処理を実行する。これにより、ステップS318の処理前における格納領域TJ1の特図判定用情報が、今回の判定対象TTとなる。
特図記憶シフト処理の後、主制御部401は、判定対象TTに対して大当たり抽選処理(図43参照)及び特図変動パターン判定処理(図44参照)を実行する(ステップS319及びS320)。特図変動パターン判定処理により特図変動パターンを判定すると、判定された特図変動パターンに基づき特別図柄表示部201の特別図柄の変動表示を開始する(ステップS321)。この際、今回の判定対象TTが第1始動口105への入賞による特図判定用情報である場合には、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させ、今回の判定対象TTが第2始動口106への入賞による特図判定用情報である場合には、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。
特別図柄の変動表示開始に合わせ、主制御部401は、変動開始コマンドをRAM413に設定する(ステップS322)。変動開始コマンドの設定後、ステップS323に移行する。ここで設定される変動開始コマンドには、ステップS319の大当たり抽選処理の抽選結果を示す情報及びステップS320にて判定(選択)された特図変動パターンを示す情報が含まれる。更に、現在の遊技状態を示す情報や、ステップS319の大当たり抽選処理の対象(即ち判定対象TT)が第1始動口105及び第2始動口106のどちらの入賞によるものなのかを示す情報等も、変動開始コマンドに含まれていて良い。この変動開始コマンドは、図38のステップS7における出力処理の実行時に、演出制御部403に対して出力される。
ステップS323において、主制御部401は、特別図柄の変動表示の開始から所定の変動時間が経過したか否かを判定する。ここにおける所定の変動時間は、ステップS321の変動表示開始直前にステップS320にて判定(選択)された特図変動パターンにより定義される。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS323のNo)、主制御部401は、そのまま特別図柄処理を終了する。
一方、所定の変動時間が経過すると(ステップS323のYes)、主制御部401は、特別図柄表示部201にて変動表示中の特別図柄を停止表示し(ステップS324)、変動停止コマンドをRAM413に設定する(ステップS325)。ここで設定された変動停止コマンドは、図38のステップS7に示した出力処理の実行時に、演出制御部403に対して出力される。変動停止コマンドは、変動開始コマンドが含む情報と同じものを含んでいても良い。
変動停止コマンドをRAM413に設定した後、主制御部401は、確定中フラグをONにし(ステップS326)、ステップS327に移行する。ステップS327において、主制御部401は、図45を用いて後述する停止中処理を実行し、その後、特別図柄処理を終了する。
―――大当たり抽選処理;図43―――
次に、図43を参照して、図42のステップS319にて実行される大当たり抽選処理の内容を説明する。図43は、大当たり抽選処理の内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、上述の特図当たり判定及び特図図柄判定が実行される。
具体的には大当たり抽選処理において、まず、主制御部401は、高確率遊技フラグがONであるか否かを判定する。主制御部401は、高確率遊技フラグがONであれば(ステップS3101のYes)高確率特図当たり判定テーブルTAt2(図8参照)を選択し(ステップS3102)、高確率遊技フラグがOFFであれば(ステップS3101のNo)、低確率特図当たり判定テーブルTAt1(図8参照)を選択する(ステップS3103)。
続いて、主制御部401は、ステップS3102又はS3103で選択した特図当たり判定テーブルTAtを用い、ステップS3104にて特図当たり判定を行う。即ち、判定対象TTとしての特図判定用情報の特図当たり乱数が、選択した特図当たり判定テーブルTAt内の判定値(大当たりに対応付けられた判定値)と一致している場合には大当たり(即ち大当たり抽選に当選した)と判定し、そうでない場合、ハズレ(即ち大当たりでない)と判定する。特図当たり判定の判定結果はRAM413に設定される。
特図当たり判定において、大当たりであれば(ステップS3105のYes)、特図図柄判定を行う(ステップS3106)。特図図柄判定では、判定対象TTとしての特図判定用情報の特図図柄乱数と特図図柄判定テーブルTZt1又はTZt2(図9参照)とを比較して、特図図柄乱数が、特図図柄判定テーブルTZt1又はTZt2内の、どの種類の大当たり(16R長当たり、16R短当たり、4R当たり)に対応付けられた判定値と一致するかを判定する。この際、判定対象TTが第1始動口105の入賞による特図判定用情報である場合には、テーブルTZt1が用いられ、判定対象TTが第2始動口106の入賞による特図判定用情報である場合には、テーブルTZt2が用いられる。そして、特図図柄判定の判定結果を表す図柄をRAM413に設定して(ステップS3107)、大当たり抽選処理を終了する。大当たり時で設定される図柄は、大当たりを表す大当たり図柄である。
一方、ステップS3104の特図当たり判定の判定結果が大当たりでなければ(ステップS3105のNo)、ハズレを示す図柄(ハズレ図柄)をRAM413に設定して(ステップS3108)、大当たり抽選処理を終了する。
―――特図変動パターン判定処理;図44―――
次に、図44を参照して、図42のステップS320にて実行される特図変動パターン判定処理の内容を説明する。図44は、特図変動パターン判定処理の内容を示すフローチャートである。図42のステップS320では、判定対象TTに対して特図変動パターン判定処理が実行される。図43の特図変動パターン判定処理を図41のステップS2105にても実行可能である。但し、図41のステップS2105では、事前判定対象に対して特図変動パターン判定処理が実行される。以下では、説明の具体化のため、判定対象TTに対する特図変動パターン判定処理を説明する。
特図変動パターン判定処理において、上述の特図変動パターン判定が実行される。具体的には特図変動パターン判定処理において、まず主制御部401は、判定対象TTに対する特図当たり判定の判定結果が大当たりであるかを判定する(ステップS3201)。大当たりであれば(ステップS3201のYes)、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt2又はTHt4(図10参照)を選択する(ステップS3202)。この際、非電サポ遊技状態においてはテーブルTHt2を選択し、電サポ遊技状態においてはテーブルTHt4を選択する。
判定対象TTに対する特図当たり判定の判定結果が大当たりでなければ(ステップS3201のNo)、即ちハズレであれば、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt1又はTHt3(図10参照)を選択する(ステップS3203)。この際、非電サポ遊技状態においてはテーブルTHt1を選択し、電サポ遊技状態においてはテーブルTHt3を選択する。
この後、主制御部401は、ステップS3202又はS3203で選択した特図変動パターンテーブルTHtと、判定対象TTの特図変動パターン乱数とを比較して、特図変動パターン乱数が、特図変動パターンテーブルTHtにおいてどの特図変動パターンに対応するかを判定する特図変動パターン判定を行い(ステップS3204)、この判定結果をRAM413に設定してから(ステップS3205)特図変動パターン判定処理を終了する。
―――停止中処理;図45―――
次に、図45を参照して、図42のステップS327にて実行される停止中処理の内容を説明する。図45は、停止中処理の内容を示すフローチャートである。
停止中処理において、主制御部401は、まず、特別図柄の変動が停止した時点から所定の確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS3301)。所定の確定表示時間が経過していない場合(ステップS3301のNo)、そのまま停止中処理を終了する。
一方、所定の確定表示時間が経過している場合(ステップS3301のYes)、主制御部401は、確定中フラグをOFFにしてから(ステップS3302)、電サポ遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3303)。電サポ遊技フラグは、後述の処理にてON又はOFFに設定される、RAM413内のフラグである。メイン処理の実行開始時点において、電サポ遊技フラグはOFFである。遊技機100の遊技状態は、電サポ遊技フラグがONであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがOFFであるときに非電サポ遊技状態である。
電サポ遊技フラグがONではない場合(ステップS3303のNo)、ステップS3308に移行する一方、電サポ遊技フラグがONである場合(ステップS3303のYes)、電サポ遊技残回数Jから「1」を減算する(ステップS3304)。電サポ遊技残回数Jは、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す。電サポ遊技残回数Jは、メイン処理の実行開始時に「0」に設定され、大当たり後に、例えば「70」に設定される(図51参照;詳細は後述)。
主制御部401は、電サポ遊技残回数Jの減算後、電サポ遊技残回数Jが「0」であるか判定する(ステップS3305)。“J=0”である場合(ステップS3305のYes)、電サポ遊技フラグをOFFにすると共に(ステップS3306)、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行してから(ステップS3307)、ステップS3308に移行する。一方、“J=0”でない場合(ステップS3305のNo)、直接、ステップS3308に移行する。
ステップS3308において、主制御部401は、高確率遊技フラグがONであるか否かを判定し、高確率遊技フラグがOFFである場合には(ステップS3308のNo)ステップS3312に移行する。一方、高確率遊技フラグがONである場合(ステップS3308のYes)、高確率遊技残回数Xから「1」を減算する(ステップS3309)。
高確率遊技残回数Xは、高確率遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す。高確率遊技残回数Xは、メイン処理の実行開始時に「0」に設定され、大当たり後に、例えば「74」に設定される(図51参照;詳細は後述)。
主制御部401は、高確率遊技残回数Xの減算後、高確率遊技残回数Xが「0」であるか判定する(ステップS3310)。“X=0”である場合(ステップS3310のYes)、高確率遊技フラグをOFFにしてから(ステップS3311)、ステップS3312に移行する。一方、“X=0”でない場合(ステップS3310のNo)、直接、ステップS3312に移行する。
ステップS3312において、主制御部401は、判定対象TTに対する大当たり抽選処理の結果を確認し、その結果が大当たりを表していない場合(ステップS3312のNo)、そのまま停止中処理を終了する。
一方、判定対象TTに対する大当たり抽選処理の結果が大当たりを表している場合、大当たり遊技フラグをONにし(ステップS3313)、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行し(ステップS3314)、残回数J及びXに「0」を設定し(ステップS3315)、電サポ遊技フラグ及び高確率遊技フラグをOFFにし(ステップS3316)、大入賞口開放パターンテーブルDKt(図12参照)を参照して大当たりの種類に基づき大入賞口開放パターンを設定する(ステップS3317)。その後、大当たり遊技のオープニングを開始し(ステップS3318)、オープニングコマンドをRAM413に設定してから(ステップS3319)停止中処理を終了する。
―――普通図柄処理―――
次に、図38のステップS4にて実行される普通図柄処理の内容を説明する(フローチャートの図示省略)。ステップS4の普通図柄処理において、主制御部401は、普図判定用情報記憶領域413iに普図判定用情報が記憶されていて且つ普通図柄が変動中でないとき、その普図判定用情報を用いて普図当たり判定及び普図図柄判定を含む普通図柄抽選を実行すると共に、電サポの付与有無などに基づき普図変動パターン判定を実行し、判定された普図変動パターンに従って普通図柄の変動表示を開始する。
この変動表示の開始に合わせ、主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果を示す情報及び判定された普図変動パターンを示す情報などを含んだ普図変動開始コマンドをRAM413に設定する。普通図柄の変動表示の開始後、普図変動パターンにより定義される所定の変動時間が経過すると、主制御部401は普通図柄の変動表示を停止させ、普図変動停止コマンドをRAM413に設定する。上述の如く設定された普図変動開始コマンド及び普図変動停止コマンドは、図38のステップS7に示した出力処理の実行時に、演出制御部403に対して出力される
―――大入賞口処理;図46―――
次に、図46を参照して、図38のステップS5の電動役物制御処理に含まれる大入賞口処理の内容を説明する。図46は、大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。大当たり遊技フラグがONとされる期間に大当たり遊技が行われる。大当たり遊技が行われる期間は、オープニング処理が実行されるオープニング期間から始まり、エンディング処理が実行されるエンディング期間の終了に伴い終了する。オープニング期間とエンディング期間との間に、大入賞口109の開閉動作がラウンド数分、繰り返される。隣接するラウンド間における大入賞口109が閉じている期間は、インターバル期間である。図46の大入賞口処理における大入賞口109の開放態様は、図45のステップS3317にて設定された大入賞口開放パターンに従う(図12参照)。ステップS3317にて設定された大入賞口開放パターンにおいて、オープニング期間、インターバル期間、エンディング期間の時間長さが、オープニング時間、インターバル時間、エンディング時間として定義され、ラウンド数Rmax及び各ラウンドにおける大入賞口109の開放時間も定義される。
大入賞口処理において、主制御部401は、まず、大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS511)。大当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS511のNo)、主制御部401は、そのまま大入賞口処理を終了する。
大当たり遊技フラグがONであれば(ステップS511のYes)、主制御部401は、現在がオープニング中であるかを判定する(ステップS512)。オープニング中であれば(ステップS512のYes)、主制御部401はオープニング処理をおこなってから(ステップS513)、ステップS514へ移行するが、オープニング中でなければ(ステップS512のNo)、ステップS514へ直接移行する。
ステップS514において、主制御部401は、大入賞口109が開放中であるかを判定する。大入賞口109の開放中であれば(ステップS514のYes)、開放中処理をおこなってから(ステップS515)、ステップS516へ移行するが、大入賞口109の開放中でなければ(ステップS514のNo)、ステップS516へ直接移行する。
ステップS516において、主制御部401は、現在がインターバル中であるかを判定する。インターバル中であれば(ステップS516のYes)、インターバル処理をおこなってから(ステップS517)、ステップS518へ移行するが、インターバル中でなければ(ステップS516のNo)、ステップS518へ直接移行する。
ステップS518において、主制御部401は、現在がエンディング中であるかを判定する。エンディング中であれば(ステップS518のYes)、エンディング処理をおこなって(ステップS519)大入賞口処理を終了する。エンディング中でなければ(ステップS518のNo)、そのまま大入賞口処理を終了する。
―――オープニング処理;図47―――
図47は、オープニング処理の内容を示すフローチャートである。オープニング処理において、主制御部401は、まず、オープニングを開始してから所定のオープニング時間が経過したかを判定する(ステップS5101)。オープニング時間が経過していなければ(ステップS5101のNo)、そのままオープニング処理を終了する。
オープニング時間が経過していれば(ステップS5101のYes)、主制御部401はオープニングを終了し(ステップS5102)、現在のラウンドが何ラウンド目であるかを示すラウンド番号Rに「1」を設定する(ステップS5103)。そして、1ラウンド目の大入賞口109の開放を開始し(ステップS5104)、オープニング処理を終了する。
―――開放中処理;図48―――
図48は、開放中処理の内容を示すフローチャートである。開放中処理において、主制御部401は、まず、現ラウンドにおける大入賞口109の開放を開始してから、所定の開放時間が経過したかを判定する(ステップS5201)。所定の開放時間が経過していなければ(ステップS5201のNo)、主制御部401は現ラウンドにおける大入賞口109の開放中に、大入賞口109へ規定個数(例えば10個)の遊技球の入賞があったかを判定する(ステップS5202)。規定個数の入賞がなければ(ステップS5202のNo)、そのまま開放中処理を終了する。
所定の開放時間が経過した場合(ステップS5201のYes)又は規定個数の入賞があった場合(ステップS5202のYes)、主制御部401は、大入賞口109を閉口させる(ステップS5203)。そして、ラウンド番号Rが、設定された大入賞口動作パターンのRmax(図12参照)と一致するかを判定する(ステップS5204)。
ラウンド番号RがRmaxと一致しなければ(ステップS5204のNo)、インターバルを開始して(ステップS5205)、開放中処理を終了する。ラウンド番号RがRmaxと一致すれば(ステップS5204のYes)、最終ラウンドの開放が終了したと判定して、エンディングを開始する(ステップS5206)。エンディングを開始すると、主制御部401はエンディングコマンドをRAM413に設定して(ステップS5207)、開放中処理を終了する。このエンディングコマンドには、今回の大当たりのエンディング期間の情報などが含まれている。エンディングコマンドは、図38のステップS7に示した出力処理の実行時に、演出制御部403に対して送信される。
―――インターバル処理;図49―――
図49は、インターバル処理の内容を示すフローチャートである。インターバル処理において、主制御部401は、まず、現在のインターバルを開始してから所定のインターバル時間が経過したかを判定する(ステップS5301)。インターバル時間が経過していなければ(ステップS5301のNo)、そのままインターバル処理を終了する。
インターバル時間が経過していれば(ステップS5301のYes)、主制御部401はインターバルを終了し(ステップS5302)、ラウンド番号Rに「1」を加算する(ステップS5303)。そして、主制御部401は、Rラウンド目の大入賞口109の開放を開始して(ステップS5304)、インターバル処理を終了する。
―――エンディング処理;図50―――
図50は、エンディング処理の内容を示すフローチャートである。エンディング処理において、主制御部401は、まず、エンディングを開始してから所定のエンディング時間が経過したかを判定する(ステップS5401)。エンディング時間が経過していなければ(ステップS5401のNo)、そのままエンディング処理を終了する。
エンディング時間が経過していれば(ステップS5401のYes)、主制御部401は、エンディングを終了し(ステップS5402)、ラウンド番号Rに「0」を設定する(ステップS5403)。そして、今回の大当たり遊技後の遊技状態を設定するための遊技状態設定処理(図51参照)を行う(ステップS5404)。その後、大当たり遊技フラグをOFFに設定すると共に(ステップS5405)、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行し(ステップS5406)、エンディング処理を終了する。
―――遊技状態設定処理;図51―――
図51は、遊技状態設定処理の内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、主制御部401は、まず、電サポ遊技フラグをONに設定するとともに(ステップS5404a)、電サポ遊技残回数Jに「70」を設定する(ステップS5404b)。そして、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS5404c)。更に、高確率遊技フラグをONに設定する共に(ステップS5404d)、高確率遊技残回数Xに「74」を設定し(ステップS5404e)、遊技状態設定処理を終了する。
[2.演出統括部が行う処理]
次に、演出制御部403の演出統括部403aが行う処理について説明する。尚、以下に示す演出統括部403aの各処理は、例えば、演出統括部403aのCPU431がROM432に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
―――演出タイマ割込処理;図52―――
図52を参照し、演出統括部403aが行う演出タイマ割込処理を説明する。図52は、演出タイマ割込処理の内容を示すフローチャートである。演出統括部403aは、起動中、継続的に所定の演出メイン処理(不図示)を行っており、この演出メイン処理に対して、図52に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(例えば4ms)で割り込み実行する。
図52に示すように(図19も参照)、演出タイマ割込処理において、演出統括部403aは、ステップS11のコマンド受信処理、ステップS12の操作受付処理及びステップS13のコマンド送信処理を順次実行する。ステップS11〜S13のコマンド受信処理、操作受付処理及びコマンド送信処理は、図14〜図17及び図19等を参照しつつ、それらの処理について上述した内容を含んでいて良い。
ステップS11のコマンド受信処理の内容は後述の図53等を用いて詳説する。ステップS11に続くステップS12の操作受付処理において、演出統括部403aは、演出ボタン118又は十字キー119が遊技者から操作を受け付けた際に、その旨を示す情報を含んだ操作コマンドをRAM433に設定する。その後、ステップS13のコマンド送信処理において、演出統括部403aは、ステップS11及びS12の各処理にてRAM433に設定された情報を示すコマンドを画像/音声制御部403b又はランプ制御部403cに送信する。コマンド送信処理の終了によって演出タイマ割込処理も終了する。演出タイマ割込処理が終了すると、演出統括部403aが実行する処理は演出メイン処理に戻る。画像/音声制御部403b及びランプ制御部403cは、コマンド送信処理により自身に入力されたコマンドに従って動作することで、該コマンドが示す演出を実現する。
―――コマンド受信処理;図53―――
図53を用いて、図52のステップS11におけるコマンド受信処理を説明する。図53は、コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。図53のコマンド受信処理において、演出統括部403aは、まず、主制御部401から事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS111)。事前判定コマンドは、主制御部401の事前判定処理(図41参照)の判定結果を示すものであり、主制御部401のタイマ割込処理における出力処理(図38参照)において、主制御部401から送信される。
事前判定コマンドを受信していなければ(ステップS111のNo)、ステップS115へ移行する。事前判定コマンドを受信していれば(ステップS111のYes)、演出統括部403aは、事前判定コマンドに基づき事前判定情報記憶領域433c(図16参照)の記憶内容を更新すると共に自身が認識する保留情報数(U1又はU2)に「1」を加算する。更に、演出統括部403aは、先読み予告演出判定処理を実行し(ステップS113;詳細は後述)、事前判定コマンドに基づき、保留情報数(U1又はU2)が「1」増加した旨を示す保留増加コマンドをRAM433に設定した後(ステップS114)、ステップS115に進む。尚、事前判定コマンドは、保留情報数U1及びU2のどちらが増加したのかを示す情報も含む。保留増加コマンドが、コマンド送信処理(図52参照)にて画像/音声制御部403bに送信されることで、事前判定対象に対応する保留画像が画像表示部104に新たに表示される。保留増加コマンドは、保留画像をどのような表示態様とするかを示す情報を含む。
ステップS115において、演出統括部403aは、主制御部401から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。変動開始コマンドは、主制御部401の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図42のステップS322参照)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS115のNo)、ステップS117へ直接移行する。変動開始コマンドを受信していれば(ステップS115のYes)、演出統括部403aは、変動開始コマンドに対応する変動演出を開始させるための演出開始処理を行ってから(ステップS116)、ステップS117へ移行する。演出開始処理については後述する(図55参照)。
ステップS117において、演出統括部403aは、主制御部401から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する。変動停止コマンドは、主制御部401の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図42のステップS325参照)。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS117のNo)、ステップS119へ直接移行する。変動停止コマンドを受信していれば(ステップS117のYes)、演出統括部403aは、実行中の変動演出を終了させる演出終了処理を行ってから(ステップS118)、ステップS119へ移行する。演出終了処理については後述する(図56参照)。
ステップS119において、演出統括部403aは、主制御部401から普通図柄コマンドを受信したか否かを判定する。普通図柄コマンドとして、主制御部401の普通図柄処理において設定される普図変動開始コマンド及び普図変動停止コマンドがある。普通図柄コマンドを受信していなければ(ステップS119のNo)、ステップS121へ直接移行する。普通図柄コマンドを受信していれば(ステップS119のYes)、演出統括部403aは、普図演出処理を行ってから(ステップS120)、ステップS121へ移行する。詳細は割愛するが、普図演出処理では、例えば、普図変動開始コマンドの受信に伴って普図変動開始コマンドに依存する普図演出の実行を開始した後、普図変動停止コマンドの受信に伴って普図演出を停止させる。
ステップS121において、演出統括部403aは、主制御部401からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS121)。オープニングコマンドは、主制御部401の停止中処理において設定されるコマンドである(図45のステップS3319参照)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS121のNo)、ステップS123へ直接移行する。オープニングコマンドを受信していれば(ステップS121のYes)、演出統括部403aは、大当たり中の演出である大当たり演出を実行するための大当たり演出処理を開始し(ステップS122)、ステップS123へ移行する。大当たり演出は、大当たりの種類ごとに定められていて良い。
ステップS123において、演出統括部403aは、主制御部401からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS123)。エンディングコマンドは、主制御部401の開放中処理において設定されるコマンドである(図48のステップS5207参照)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS123のNo)、そのままコマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信している場合(ステップS123のYes)、演出統括部403aは、実行中の大当たり演出処理を停止する一方で、所定のエンディング演出を実行するためのエンディング演出処理を行い(ステップS124)、コマンド受信処理を終了する。
―――先読み予告演出判定処理;図54―――
図54を用いて、図53のステップS113における先読み予告演出判定処理を説明する。図54は、先読み予告演出判定処理の内容を示すフローチャートである。図54の先読み予告演出判定処理において、演出統括部403aは、まず、先読みフラグがONであるか否かを判定し、先読みフラグがONである場合にはそのまま先読み予告演出判定処理を終えるが、先読みフラグがOFFである場合にはステップS1102に進む。先読みフラグは、先読み予告演出が実行中であるか否かを判定するためのフラグである。先読みフラグは、後述の処理にてON又はOFFに設定される、RAM433内のフラグであって、演出メイン処理の実行開始時点においてOFFに設定されている。
ステップS1102において、演出統括部403aは、先読み予告演出を実行するか否かを判定するための先読み判定を行う。先読み判定において、演出統括部403aは、事前判定コマンド及び事前判定情報記憶領域433cの記憶内容に基づき、先読み予告演出を実行するか否かを判定する。より具体的には、演出統括部403aは、今回の事前判定コマンドによって増加した保留に係る特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定の各判定結果、及び、既に保留されている特図当たり判定において大当たりが存在しているか否かに基づき、先読み予告演出の実行有無を判別する。
具体例として、保留1〜3が存在し且つ保留0に係る変動中において、先読み判定の対象が保留4となった場合を考える(図22(b)参照)。この場合、演出統括部403aは、保留0〜3の何れかが大当たりである場合、保留4に対して先読み予告演出を実行しないと判定する。保留0〜3の何れもが大当たりでない場合、演出統括部403aは、保留4に係る特図当たり判定の結果及び特図変動パターンに基づく抽選を行うことにより、保留4に対して先読み予告演出を実行するか否かを判定する。この抽選において、演出統括部403aは、例えば、保留4に係る特図当たり判定の結果が大当たりである場合に、先読み予告演出を行うと判定する確率を比較的高くし、保留4に係る特図当たり判定の結果が大当たりでない場合に、先読み予告演出を行うと判定する確率を比較的低くする。また、保留0〜3の中に、信頼度が一定値以上の保留が存在する場合には(例えばリーチが発生する保留が存在する場合には)、保留4に対してチャンス目を伴う先読み予告演出を行わないと判定するようにしても良い。
先読み予告演出を実行すると判定されると(ステップS1103のYes)ステップS1104に進むが、先読み予告演出を実行しないと判定されると(ステップS1103のNo)、先読み予告演出判定処理が終了する。先読み予告演出として様々な演出を行うことができるが、ここでは、図29等を参照して説明したような先読み予告演出SYに注目する。
ステップS1104において、演出統括部403aは、装飾図柄10の停止パターンを決定する。ここでは、今回増加した保留(即ち先読み対象)より前に消化される保留に対して、装飾図柄10をどのようなパターンで停止させるかを決定する。
具体的には、演出統括部403aは、現在の保留情報数(U1、U2)、今回増加した保留(即ち先読み対象)に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、先読み対象の変動よりも前の各変動における装飾図柄10の停止パターンを決定する。即ち、先読み対象に対する特別図柄の変動よりも前の特別図柄の各変動において、どのような停止態様で装飾図柄10を停止させるかを決定する。
より具体的には、演出統括部403aは、まず、現在の保留情報数に基づき、先読み予告演出SYを行う期間を、変動の回数を単位として、算出する。上述したように、先読み対象は、第2始動口106への入賞に基づく大当たり抽選の権利であっても良いが、ここでは説明の具体化のため、第1始動口105への入賞に基づく大当たり抽選の権利であるとし、保留情報数U1に基づき先読み予告演出SYを行う期間(変動回数)を算出する方法を説明する。そうすると、演出統括部403aは、現在の変動を除き、現在の保留情報数U1から1を減算した値を、先読み予告演出SYを行う期間として算出する。例えば、図29の例では、保留4を先読み対象として、先読み予告演出SYを行う期間が保留1〜3に対する3回分の変動期間とされる。仮に例えば、保留1の特別図柄の変動中に保留4が先読み対象として発生したならば、先読み予告演出SYを行う期間は保留2及び3に対する2回分の変動期間とされる。
尚、演出統括部403aは、先読みの実行時に特別図柄が変動していて且つ当該変動の終了までの残り時間が所定時間以上であるとき、当該変動を含めて先読み予告演出SYを行う期間を設定しても良い。この場合、現在の保留情報数U1そのものを先読み予告演出SYを行う期間として設定できる。即ち例えば、図33の例では、保留4を先読み対象として、先読み予告演出SYを行う期間が保留0〜3に対する4回分の変動期間とされる。現在の変動を含めて先読み予告演出SYを行う場合には、現在変動中の特別図柄が停止する際の装飾図柄10の停止態様を、後述の図55のステップS1207で既に決定した態様から、ステップS1104で決定した態様に変更すると良い。
演出統括部403aのROM432には、先読み予告演出SYにおける装飾図柄10の停止態様を規定するチャンス目テーブルが複数格納されており、演出統括部403aは、先読み予告演出SYを行う期間に応じて1つのチャンス目テーブルを選択する。図57は、先読み予告演出SYを行う期間が2回分の変動期間であるときに選択されるチャンス目テーブルの一例であり、図58は、先読み予告演出SYを行う期間が3回分の変動期間であるときに選択されるチャンス目テーブルの一例である。
図57に示すように、先読み予告演出SYを行う期間が2回分の変動期間であるとき、演出統括部403aは、先読み対象に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、ステップS1104にて決定すべき停止パターンとして、停止パターンTPA1〜TPA10の何れかを選択する。停止パターンTPA1〜TPA10において、先読み対象の2つ前及び1つ前の変動に対する装飾図柄10の停止態様は、夫々、
“青、青”、“青、緑”、“青、赤”、“青、金”、
“緑、緑”、“緑、赤”、“緑、金”、
“赤、赤”、“赤、金”、
“金、金”のチャンス目である。
図58に示すように、先読み予告演出SYを行う期間が3回分の変動期間であるとき、演出統括部403aは、先読み対象に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、ステップS1104にて決定すべき停止パターンとして、停止パターンTPB1〜TPB20の何れかを選択する。停止パターンTPB1〜TPB20において、先読み対象の3つ前、2つ前及び1つ前の変動に対する装飾図柄10の停止態様は、夫々、
“青、青、青”、“青、青、緑”、“青、青、赤”、“青、青、金”、
“青、緑、緑”、“青、緑、赤”、“青、緑、金”、
“青、赤、赤”、“青、赤、金”、
“青、金、金”、
“緑、緑、緑”、“緑、緑、赤”、“緑、緑、金”、
“緑、赤、赤”、“緑、赤、金”、
“緑、金、金”、
“赤、赤、赤”、“赤、赤、金”、
“赤、金、金”、
“金、金、金”のチャンス目である。
図57及び図58に示すチャンス目テーブルの他に、演出統括部403aのROM432には、先読み予告演出SYを行う期間が1回分の変動期間であるときのチャンス目テーブルも格納されている。更に、現在の変動を含めて先読み予告演出SYを行う期間が設定可能とされている場合には、先読み予告演出SYを行う期間が4回分の変動期間であるときのチャンス目テーブルもROM432に記憶される。
先読み予告演出SY中の装飾図柄10の停止態様(特に例えば、先読み対象の1つ前の変動に対する装飾図柄10の停止態様)は、先読み対象の信頼度が高ければ高いほど、より信頼度の高いチャンス目とされる。つまり、先読み対象に係る特図当たり判定の結果が大当たりであるとき、先読み予告演出SY中の装飾図柄10の停止態様(特に例えば、先読み対象の1つ前の変動に対する装飾図柄10の停止態様)は、青、緑、赤、金チャンス目の内の、より信頼度が高いものに設定されやすく、且つ、先読み対象に係る特図当たり判定の結果がハズレであるとき、先読み予告演出SY中の装飾図柄10の停止態様(特に例えば、先読み対象の1つ前の変動に対する装飾図柄10の停止態様)は、青、緑、赤、金チャンス目の内の、より信頼度が低いものに設定されやすい。そのような設定が成されるように、演出統括部403aは、先読み対象に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、先読み予告演出SY中の装飾図柄10の停止パターンを設定する。
このことから明らかなように、先読み予告演出SY中の装飾図柄10の停止態様(特に例えば、先読み対象の1つ前の変動に対する装飾図柄10の停止態様)が、青、緑、赤、金チャンス目の内の、より信頼度が高いものに設定されたとき、先読み対象に係る特図当たり判定において大当たりとなる期待値がより高くなる。
ステップS1104において、演出統括部403aは、装飾図柄10の停止パターンの選択及び決定に加えて、先読み対象に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、図34〜図37を参照して説明した規則に従って先読み対象の保留画像20の変化パターンも決定する。先読み対象の保留画像20の変化パターンは、先読み予告演出SYの実行中に先読み対象の保留画像20をどのタイミングでどのように変化させるかを規定するものである。先読み予告演出SYの実行中に先読み対象の保留画像20を変化させないと決定することも可能である。
先読み予告演出SYにおいて、先読み対象の保留画像20(特に例えば、先読み対象に係る変動直前における先読み対象の保留画像20)は、先読み対象の信頼度が高ければ高いほど、より信頼度の高い色の保留画像とされる。つまり、先読み対象に係る特図当たり判定の結果が大当たりであるとき、先読み対象の保留画像20(特に例えば、先読み対象に係る変動直前における先読み対象の保留画像20)は、青、緑、赤、金保留の内の、より信頼度が高いものに設定されやすく、且つ、先読み対象に係る特図当たり判定の結果がハズレであるとき、先読み対象の保留画像20(特に例えば、先読み対象に係る変動直前における先読み対象の保留画像20)は、青、緑、赤、金保留の内の、より信頼度が低いものに設定されやすい。そのような設定が成されるように、演出統括部403aは、先読み対象に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、先読み予告演出SY中における先読み対象の保留画像20の変化パターンを設定する。
このことから明らかなように、先読み対象の保留画像20(特に例えば、先読み対象に係る変動直前における先読み対象の保留画像20)が、青、緑、赤、金保留の内の、より信頼度が高いものに設定されたとき、先読み対象に係る特図当たり判定において大当たりとなる期待値がより高くなる。
ステップS1104の処理の後、演出統括部403aは、先読みフラグにONを設定してから(ステップS1105)、先読み予告演出判定処理を終える。
―――演出開始処理;図55―――
次に、図55を用いて、図53のステップS116に示した演出開始処理を説明する。図55は、演出開始処理の内容を示すフローチャートである。演出開始処理において、まず、演出統括部403aは、図53のコマンド受信処理にて受信された変動開始コマンドを解析することで、変動開始コマンドに含まれる、大当たり抽選の抽選結果を示す情報及び特図変動パターンを示す情報などを取得する(ステップS1201)。
そして、演出統括部403aは、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS1202)。変動演出パターン選択処理では、変動開始コマンドの解析結果に基づき、予め定められた複数の変動演出パターンの中から、今回の特別図柄の変動に対する演出の内容を定める変動演出パターンを選択する。具体的には例えば、図15に示した特図変動演出パターンテーブルTEtを用い、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出パターンTEp1〜TEp7の何れか1つを選択する。変動演出パターンTEp1〜TEp7の各々は、更に複数の変動演出パターンに細分化されていて、変動開始コマンドの解析結果に基づき、細分化された1つの変動演出パターンが選択されてもよい。
変動演出パターンの選択に続いて、演出統括部403aは、先読みフラグのON/OFFを確認し(ステップS1203)、先読みフラグがONである場合(ステップS1203のYes)、処理をステップS1204へ進める一方、先読みフラグがONでない場合(ステップS1203のNo)、処理をステップS1207へ進める。
ステップS1204において、演出統括部403aは、今回の変動が先読み対象についての変動か否かを判定する。即ち、演出統括部403aは、今回受信した変動開始コマンドに対応する変動が、上記ステップS1105(図54参照)において先読みフラグをONにさせた保留に対応する変動であるか否かを判定する。今回の変動が先読み対象についての変動である場合(ステップS1204のYes)、演出統括部403aは、先読みフラグをOFFにしてから(ステップS1205)、ステップS1207の処理を実行する。
今回の変動が先読み対象についての変動でない場合(ステップS1204のNo)、ステップS1206に進む。ステップS1206において、演出統括部403aは、上記ステップS1104(図54参照)で決定された停止パターンに基づいて、この変動が停止するときの装飾図柄10の停止態様を決定する(ステップS1206)。例えば、ステップS1104において先読み対象の1回前の変動における装飾図柄10の停止態様が赤チャンス目と決定されており、且つ、今回の変動が先読み対象の1回前の変動である場合、演出統括部403aは、今回の変動における装飾図柄10の停止態様を赤チャンス目に設定する。
ステップS1207において、演出統括部403aは、今回受信した変動開始コマンドに基づき今回の変動における装飾図柄10の停止態様を決定する。
ステップS1206又はステップS1207の処理の後、演出統括部403aは、自身が認識する保留情報数(U1又はU2)から「1」を減算すると共に、保留情報数(U1又はU2)が「1」減少した旨を示す保留減少コマンドをRAM433に設定する(ステップS1208)。保留減少コマンドが、コマンド送信処理(図52参照)にて画像/音声制御部403bに送信されることで、今回の変動に対応する保留画像20の表示位置が画像表示部104上において当該変動の対応位置にシフトされ(又は今回の変動に対応する保留画像20が画像表示部104から消去され)、且つ、他の保留画像20の表示位置もシフトされる。例えば、図22(c)及び図23(a)の例において変動開始コマンドが保留1に対するものである場合、保留減少コマンドの送信により、画像表示部104上で保留1〜4の保留画像20が右側に1段階ずつシフトされる。
保留減少コマンドの設定後、演出統括部403aは、変動演出開始コマンドをRAM433に設定し(ステップS1209)、演出開始処理を終了する。変動演出開始コマンドは、ステップS1202にて選択された変動演出パターンによる変動演出の内容を定義している。変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図52参照)にて画像/音声制御部403b及びランプ制御部403cに送信されることで、選択された変動演出パターンによる変動演出が開始される。
―――演出終了処理;図56―――
次に、図56を用いて、図53のステップS118に示した演出終了処理を説明する。図56は、演出終了処理の内容を示すフローチャートである。図56において、演出統括部403aは、まず、変動開始コマンド又は変動停止コマンドに大当たりを示す情報が含まれているか否かを判定する(ステップS1301)。変動開始コマンド又は変動停止コマンドに大当たりを示す情報が含まれている場合(ステップS1301のYes)、モードフラグに確変モードに対応する「1」を設定すると共に(ステップS1302)、モード残変動回数Mに「70」を設定し(ステップS1303)、ステップS1311に移行する。モード残変動回数Mは、演出モードが変更されるまでの、特別図柄の残り変動回数を表している。
一方、変動開始コマンド又は変動停止コマンドに大当たりを示す情報が含まれていない場合(ステップS1301のNo)、モードフラグが、確変モードを示す「1」又は特殊モードを示す「2」であるか否かを判定する(ステップS1304)。モードフラグが「1」でも「2」でもない場合(ステップS1304のNo)、ステップS1311に移行する。
モードフラグが「1」又は「2」である場合(ステップS1304のYes)、モード残変動回数Mから「1」を減算する(ステップS1305)。この後、ステップS1306において、モード残変動回数Mが「0」であるか否かを判定し、モード残変動回数Mが「0」ではない場合(ステップS1306のNo)、ステップS1311に移行する。
ステップS1306において、モード残変動回数Mが「0」である場合(ステップS1306のYes)、ステップS1307にて、モードフラグが確変モードを示す「1」であるか否かを判定する。モードフラグが「1」である場合(ステップS1307のYes)、モードフラグに特殊モードを示す「2」を設定する(ステップS1308)と共に、モード残変動回数Mを「4」に設定した後(ステップS1309)、ステップS1311に移行する。
ステップS1307において、モードフラグが確変モードを示す「1」ではない場合(ステップS1307のNo)、即ち、モードフラグが特殊モードを示す「2」である場合、モードフラグに通常モードを示す「0」を設定した後(ステップS1310)、ステップS1311に移行する。
ステップS1311において、演出統括部403aは、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM433に設定し、演出終了処理を終了する。変動演出終了コマンドが、コマンド送信処理(図52参照)にて画像/音声制御部403b及びランプ制御部403cに送信されることで変動演出が終了し、図55のステップS1206又はS1207にて決定された停止図柄で装飾図柄10が停止表示される。今回の変動演出が先読み予告演出SY中のものである場合には(現在、先読みフラグがONであるならば)、装飾図柄10を上記ステップS1104で決定された停止パターンに従うチャンス目で停止させるための指示、及び、先読み対象の保留画像20の表示態様を上記ステップS1104で決定された変化パターンに従って変更させるための指示が、変動演出終了コマンドの中に含められ、それらの指示に従う演出が実現される。
[変形例等]
上述の説明に対する変形例等を列挙する。
図33等で参照して上述したように、現在の変動を含めて先読み予告演出SYを行うことも可能である。つまり、特別図柄の変動中に先読み対象としての特図判定用情報が取得及び保留されたとき、先読み予告演出SYにおいて、現在の変動に係る装飾図柄10をチャンス目で停止表示させることができる。これは、現在の変動を除いて、先読み対象しか保留されていない場合でも(即ち、U1=1でも)同様である。
また、当然ではあるが、特別図柄の変動中ではなく且つ保留情報数(U1、U2)がゼロであるとき(例えば客待ち中)において、遊技球が始動口(105又は106)に入賞した場合には、仮に、その入賞に基づく特図当たり判定の信頼度が如何に高くとも(例えば、その入賞に基づく特図当たり判定の結果が大当たりであっても)、その入賞に基づく保留に対して先読み予告演出SYは実行できない。
また、保留画像20が現在の画像から他の画像に変化する可能性が高いことを示唆する予兆演出を、演出制御部403にて行うことができる。演出制御部403は、事前判定コマンドを受信して保留画像20を追加するときに、追加される保留画像20に予兆演出を適用するかどうかを、事前判定コマンドに基づく抽選により決定できる。例えば、予兆演出は、追加される保留画像20の色を白色としつつ明滅させる演出である。より具体的には例えば、図29の例において、始動口(105、106)への入賞により保留4が発生したとき、演出制御部403は、保留4に係る保留画像20を、予兆演出を伴わない白保留又は予兆演出を伴う白保留にすることができる。演出制御部403は、保留4が予兆演出を伴う場合、保留4が予兆演出を伴わない場合と比べて、保留4を先読み対象にした先読み予告演出SYを行う確率を高めると良い。逆に考えれば、保留4を先読み対象にした先読み予告演出SYを行うと判断した場合、保留4の保留画像20を画像表示部104に新たに表示する際に、保留4に高確率(例えば50%を超える確率)で予兆演出を適用しても良い。
演出制御部403は、先読み予告演出の一種として、チャンス目の停止表示を伴わずに先読み対象の保留画像20を白保留と異ならせる単品保留先読み演出を実行できる。図54のS1102の先読み判定において、演出制御部403は、事前判定コマンド及び事前判定情報記憶領域433cの記憶内容に基づき、先読み予告演出を実行するか否かを判定すると共に、実行すべき先読み予告演出の種類を決定できる。単品保留先読み演出においても、例えば、先読み対象の変動直前において先読み対象の保留画像20を赤保留にすることができる(先読み対象の保留画像20の表示開始時点から、その保留画像20が赤保留とされることもある)。但し、赤チャンス目の停止表示を伴い且つ先読み対象の変動直前において先読み対象の保留画像20が赤保留とされる先読み予告演出SYの方が、先読み対象の変動直前において先読み対象の保留画像20を赤保留にする単品保留先読み演出よりも信頼度が高いと良い。青、緑又は金保留についても同様である。先読み予告演出(例えば、先読み予告演出SY又は単品保留先読み演出)の信頼度とは、当然、先読み対象に対する信頼度を指す。
基本的には、先読み予告演出SYにおいて保留画像20が変化せしめられるのは、先読み対象の保留画像20であるが、それ以外の任意の1以上の保留画像20の表示態様も、先読み対象の保留画像20の表示態様変化に合わせて変化させるようにしても良い。例えば、図23(a)〜(c)の例において、保留1の変動終了時に保留4の保留画像20を青保留に変化させるとき、演出制御部403は、保留2及び3の保留画像20の内、少なくとも一方も青保留に変化させるようにしても良く、保留1の変動終了後も短時間であるが保留1の保留画像20を画像表示部104に表示させ続ける場合にあっては、保留1の保留画像20をも青保留に変化させるようにしても良い。つまり、演出制御部403は、複数の保留画像20が表示されている状態において、装飾図柄10がチャンス目の態様で停止表示されたとき、その停止表示に連動して、複数の保留画像20の内、先読み対象の保留画像20を含む2以上の保留画像20の表示態様を、停止表示されたチャンス目の態様に応じた態様に変更しても良い。複数の保留画像20の表示態様を変化させることで、演出がより賑やかとなり、遊技者の期待感を高めることができる。
また、先読み予告演出SYが適用される先読み対象の特図当たり判定の結果がハズレであって且つ先読み対象の変動停止前において、遊技球が始動口(105又は106)に入賞して信頼度が所定値以上の特図判定用情報(例えば、先読み対象の信頼度以上の信頼度を有する特図判定用情報)が保留5として発生したとき、演出制御部403は、以下の追加連続演出を行うようにしても良い。追加連続演出では、先読み対象に係る装飾図柄10をもチャンス目で停止させ、それに連動して、先読み対象の次の保留の保留画像20の表示態様を変化させる。
例えば、図29の例において、保留3に係る変動中に保留5が発生した場合を考え、この場合に実行できる追加連続演出の例を図59に示す(保留4はハズレであるとする)。この場合、演出制御部403は、保留5の発生時に保留5の保留画像20を画像表示部104に追加表示し、保留5に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、追加連続演出の実行可否を判定すると共に追加連続演出における保留5の保留画像20の変化パターンを決定する。追加連続演出を実行可と判定すると、演出制御部403は、保留4に係る装飾図柄10の停止態様を、図55のステップS1207にて決定したものからチャンス目に変更する。この変更後のチャンス目は、保留3に係る装飾図柄10の停止チャンス目と同じ、又は、その停止チャンス目よりも信頼度の高いチャンス目とされる。図59の例では、保留3、4に係る装飾図柄10の停止態様は、夫々、赤チャンス目、金チャンス目とされている。
演出制御部403は、保留4に係る装飾図柄10を金チャンス目で停止させたとき、保留5の保留画像20に対して決定した変化パターンに従い、保留5の保留画像20を現在のものから金保留を上限として発展させることができる。例えば、保留4の変動中において保留5の保留画像20が白保留であったならば、保留4に係る装飾図柄10を金チャンス目で停止させたとき、保留5の保留画像20を、青、緑、赤又は金保留に変更することができる。図59の例では、保留3及び4の変動中において保留5の保留画像20が白保留となっているが、保留3又は4の変動中における保留5の保留画像20は白保留以外でも良い。追加連続演出により、あたかも先読み予告演出SYによる連続演出が継続しているかのように見せることができ、遊技者の期待感を更に高めることができる。
上述の説明における先読み予告演出SYでは、先読み対象の保留画像20の変更は、保留画像20の色の変更であるが、先読み対象の保留画像20の表示態様が、停止表示された装飾図柄10の表示態様に応じた態様に変更されるものである限り、この変更の態様は任意である。例えば、保留画像20の変更は、保留画像20に変化を与えるものであれば任意であり、保留画像20の色、形、大きさ、模様等の変化を含みうる。
上述の先読み予告演出SYにおいて順次停止表示される複数のチャンス目は、信頼度が低下する方向に変化してゆかないが、演出制御部403は、信頼度が低下する方向にチャンス目を変化させるようにしても良い。例えば、図29の例において、保留1、2、3の装飾図柄10の停止態様を、夫々、青、赤、緑チャンス目にしても良い。これと類似して、演出制御部403は、信頼度が低下する方向に先読み対象の保留画像20を変化させるようにしても良い。例えば、図31の例において、保留1、2、3の変動が停止したとき、保留画像20を、夫々、緑、金、白保留に変化させても良い。それらの所謂成り下がり演出(チャンスダウン演出)は、例えば、先読み対象について大当たりが確定しているときに実行されると良い。即ち、演出制御部403は、先読み対象の特図当たり判定の結果が大当たりであるときに限って、先読み予告演出SYの中で、信頼度が低下する方向にチャンス目の停止態様又は先読み対象の保留画像20の表示態様を変化させるようにしても良い。
また、通常、遊技者は、チャンス目の態様が信頼度の増加する方向に発展してゆくことを期待する。故に、チャンス目の態様が発展してゆかないと、チャンス目の停止表示で膨らんだ期待感がしぼんでしまうことも多い。これを考慮し、例えば、同一のチャンス目が連続的に停止表示されたときには、信頼度が高まるような仕組みを組み込んでおいても良い。より具体的には例えば、図29の例において、保留1、2、3の装飾図柄10の停止態様を、夫々、青、青、青チャンス目にしたときの先読み対象(保留4)の信頼度を、保留1、2又は3の装飾図柄10を緑、赤、金チャンス目にて停止表示させるときの信頼度以上にしておいても良い。
先読み予告演出SYでは、先読み対象の変動開始前に特定の演出を発生させ、特定の演出の発生時に、先読み対象の保留画像20の表示態様を、その特定の演出の内容に応じた態様に変更させる。上述の説明では、特定の演出がチャンス目の停止表示となっているが、特定の演出は、それ以外の任意の演出であっても良い。例えば、演出ライト部115内のランプ、盤ランプ135及び可動役物130内のランプを含む演出用ランプの発光制御、画像表示部104における装飾図柄10の画像及び保留画像20以外の画像の表示制御、又は、スピーカ114による音の出力制御によって、特定の演出が実現されても良い。例えば、演出用ランプを利用する場合、演出用ランプを青、緑、赤、金色にて発光させることを、青、緑、赤、金チャンス目による装飾図柄10の停止表示に相当させても良い。
上記特定の演出は、複数種類の演出の組み合わせであっても良い。即ち例えば、チャンス目にて装飾図柄10を停止表示させる演出と、演出用ランプを発光させる演出とによって、上記特定の演出を構成しても良い。より具体的には例えば、先読み対象(保留4)に対する先読み予告演出SYにおいて、保留0、1、2又は3について装飾図柄10を青、緑、赤又は金チャンス目で停止表示させると共に演出用ランプを青、緑、赤又は金色にて発光させるようにしても良く、チャンス目の停止表示又は演出用ランプの発光に連動して、チャンス目の停止表示態様又は演出用ランプの発光態様に応じ、先読み対象(保留4)の保留画像20の表示態様を変更するようにしても良い。この場合も、停止表示されたチャンス目が青、緑、赤、金チャンス目であるならば、夫々、先読み対象(保留4)の保留画像20を、青、緑、赤、金保留まで変更可能(発展可能)であって良く、また、演出用ランプの発光色が青、緑、赤、金であるならば、夫々、先読み対象(保留4)の保留画像20を、青、緑、赤、金保留まで変更可能(発展可能)であって良い。
また、先読み予告演出SYにおいて、青チャンス目の停止表示のみが行われるときに比べ、青チャンス目の停止表示と演出用ランプの青発光が行われるときの方が、先読み対象の信頼度が高くても良い。チャンス目の色及び演出用ランプの発光色が、青以外の場合も同様である。
停止表示されたチャンス目に対応付られた信頼度と、演出用ランプの発光色に対応付けられた信頼度が異なる場合もある。この場合については、以下の方法MA1〜MA3の何れかを採用可能である。
方法MA1では、停止表示されたチャンス目に対応付られた信頼度と、演出用ランプの発光色に対応付けられた信頼度の内、高い方の信頼度以下の信頼度が割り当てられた態様まで、先読み対象の保留画像20の表示態様を変更可能(発展可能)である。つまり例えば、第1信頼度が割り当てられた青チャンス目の停止表示と共に第2信頼度が割り当てられた緑による演出用ランプの発光があった場合(第2信頼度>第1信頼度)、先読み対象の保留画像20を、第2信頼度が割り当てられた緑保留まで変更可能(発展可能)である。
方法MA2では、保留の色の決定に際し、チャンス目の色が演出用ランプの発光色よりも優先的に考慮される。つまり例えば、緑チャンス目の停止表示があったとき、演出用ランプの発光色の如何に関係なく、先読み対象の保留画像20を緑保留まで変更可能(発展可能)である。
方法MA3では、保留の色の決定に際し、演出用ランプの発光色がチャンス目の色よりも優先的に考慮される。つまり例えば、演出用ランプの発光色が赤色であったとき、チャンス目の色に関係なく、先読み対象の保留画像20を赤保留まで変更可能(発展可能)である。
チャンス目にて装飾図柄10を停止表示させる第1演出と、演出用ランプを発光させる第2演出とを組み合わせる例を説明したが、第2演出は、エフェクト画像を画像表示部104に表示させる演出であっても良く、この場合、エフェクト画像の色が演出用ランプの発光色に相当する(エフェクト画像は、装飾図柄10の画像及び保留画像20以外の画像である)。
先読み予告演出SYでは、基本的に、先読み対象の信頼度を示唆する演出としてチャンス目による装飾図柄10の停止表示を行い、チャンス目による装飾図柄10の停止表示を行うときに、付加的に、先読み対象の保留画像20の変化を行っている。しかし、先読み予告演出中に、先読み対象の保留画像20を変化させることを前提として、その変化に付随する形で、先読み対象よりも前の変動においてチャンス目による装飾図柄10の停止表示を行うようにしても良い。
<<擬似連続演出(第2実施形態)>>
以上の説明が本発明の第1実施形態を構成する。次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2実施形態において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施形態の記載が第2実施形態にも適用される。矛盾の無い限り、第1及び第2実施形態を組み合わせても良い。第1実施形態における先読み予告演出SYは、複数の保留にまたがって連続的に実行される連続演出(連続予告演出)である。これに対して、第2実施形態では、遊技機100にて実行できる特徴的な擬似連演出(擬似連続予告演出)を説明する。
擬似連演出では、1回の特別図柄の変動において、装飾図柄10を擬似的に変動及び停止させる演出(装飾図柄10を変動させてから擬似的に停止させる擬似停止演出)が所定回数繰り返される。装飾図柄10を擬似的に変動及び停止させる回数(擬似停止演出の実行回数)を擬似連回数と呼ぶ。擬似連回数は1以上且つ所定回数(例えば5回)以下とされる。例えば、擬似連回数が2回の場合には、装飾図柄10が変動して擬似的に停止した後(1回目)、2回目の変動(擬似変動)が開始され、その後にリーチ演出を経由して又は経由せずに、装飾図柄10が停止して特別図柄の変動が停止したことが報知される。擬似連回数が多いほど、当該変動において大当たりとなる確率が高くなる。
演出制御部403は、複数の擬似連演出の何れかを選択的に実行できるが、ここでは、複数の擬似連演出に含まれる擬似連演出GRに注目する。図60〜図64を参照して、擬似連演出GRの一例を説明する。図60〜図63は、擬似連演出GRの一例に係り、夫々、1回目、2回目、3回目、4回目の装飾図柄10の擬似変動の様子を示す図である。図64は、図60〜図63に対応する擬似連演出GRの流れを表す図である。画像表示部104に表示され得る複数の保留画像20の内、今回の特別図柄の変動に関わる保留画像20、即ち、保留0の保留画像20を特に記号“20C”によって参照し、“当該保留画像”とも呼ぶ。図60〜図63の例では、当該保留画像20Cに加えて、保留1〜4の保留画像20も表示されているが、保留1〜4の存否は問わない。また、図60〜図63の例では、当該変動の開始時点において当該保留画像20Cは白保留であるとする。
当該変動の開始に伴って、装飾図柄10の変動(1回目の擬似的な変動)も開始され、その後、装飾図柄10の1回目の擬似停止が発生する。擬似停止の状態では、装飾図柄10を形成する第1〜第3装飾図柄は完全には停止せずに、遊技者が停止したと認識可能な態様で第1〜第3装飾図柄が仮停止(微変動)する。演出制御部403は、1回目の擬似停止時における装飾図柄10の擬似停止態様を青チャンス目にすることができ、1回目の擬似停止に連動して、当該保留画像20Cを青保留に変化させることができる(図60)。その後、装飾図柄10の変動が擬似的に再開され(2回目の擬似的な変動が開始され)、所定時間の経過後、装飾図柄10の2回目の擬似停止が発生する。演出制御部403は、2回目の擬似停止時における装飾図柄10の擬似停止態様を緑チャンス目にすることができ、2回目の擬似停止に連動して、当該保留画像20Cを緑保留に変化させることができる(図61)。更にその後、装飾図柄10の変動が擬似的に再開され(3回目の擬似的な変動が開始され)、所定時間の経過後、装飾図柄10の3回目の擬似停止が発生する。演出制御部403は、3回目の擬似停止時における装飾図柄10の擬似停止態様を赤チャンス目にすることができ、3回目の擬似停止に連動して、当該保留画像20Cを赤保留に変化させることができる(図62)。
更にその後、装飾図柄10の変動が擬似的に再開され(4回目の擬似的な変動が開始され)、所定時間の経過後、特別図柄の変動が停止すると共に装飾図柄10の変動が停止し、当該変動における大当たり抽選の結果が遊技者に報知される。図63の例では、当該保留が大当たりに当選している。当該変動における大当たり抽選の結果が報知される前に、リーチ演出が行われるようにしても良く、リーチ演出の実行中は、当該保留画像20Cを画像表示部104から消去するようにしても良い。図60〜図63の例では、擬似停止されるチャンス目及び当該保留画像20Cが金チャンス目及び金保留まで発展していないが、それらの発展が成されることもある。
チャンス目で装飾図柄10を擬似停止させる演出は、当該保留0に対する擬似連演出GRの一部であり、当該保留0に対する特図当たり判定の結果が大当たりになることを遊技者に期待させる演出である。チャンス目で装飾図柄10を擬似停止させる演出において、チャンス目の色に応じて、当該保留0に対する特図当たり判定の結果が大当たりになる信頼度は異なる。具体的には、図27に示す如く、青、緑、赤及び金チャンス目の内、青チャンス目で装飾図柄10が擬似停止する場合の信頼度が最も低く、緑チャンス目、赤チャンス目、金チャンス目の順で信頼度が高くなる。このように、青、緑、赤及び金チャンス目は、青チャンス目を起点として青、緑、赤及び金チャンス目の順で序列化されている。擬似連演出GRにおいて、一旦、或るチャンス目を擬似停止表示した後、そのチャンス目よりも信頼度の低いチャンス目が擬似停止表示されることは無い(所謂チャンスダウンは無い)ものとする。このように、装飾図柄10の停止と装飾図柄10の擬似停止との違いはあるが、装飾図柄10のチャンス目の意義は第1実施形態で述べたものと同様である。第1実施形態の記載を第2実施形態に適用する際、第1実施形態における装飾図柄10のチャンス目による停止を、装飾図柄10のチャンス目による擬似停止に置き換えて考えれば良い。
当該保留画像20Cを青、緑、赤又は金保留に変化させる演出は、当該保留0に対する擬似連演出GRの一部であり、当該保留0に対する特図当たり判定の結果が大当たりになることを遊技者に期待させる演出である。当該保留画像20Cの表示態様を変化させる演出において、変化先の当該保留画像20Cの色に応じ、当該保留0に対する特図当たり判定の結果が大当たりになる信頼度は異なる。具体的には、図28に示す如く、青、緑、赤及び金保留の内、青保留が表示されるときの信頼度が最も低く、緑、赤、金保留の順で信頼度が高くなる。このように、青、緑、赤及び金保留は、青保留を起点として青、緑、赤及び金保留の順で序列化されている。尚、青保留が表示されるときの信頼度はそれほど高くはないものの、白保留のそれよりは高い。このように、保留画像の表示態様が示す意義は、第1実施形態で述べたものと同様である。
上述の如く、先読み予告演出SYと同様、擬似連演出GRにおいて、青、緑、赤、金チャンス目には互いに異なる信頼度(当該保留0の信頼度)が割り当てられ、青、緑、赤、金保留にも互いに異なる信頼度(当該保留0の信頼度)が割り当てられている。当該保留0の信頼度(当該保留0が大当たりであると判定される期待値)に関し、青、緑、赤及び金チャンス目は、夫々、青、緑、赤及び金保留に対応している。例えば、当該保留0の信頼度に関し、擬似連演出GR中で青、緑、赤、金チャンス目が擬似停止表示されるときの信頼度は、夫々、当該保留0の保留画像20が青、緑、赤、金保留とされるときの信頼度と一致していて良い(前者の信頼度と後者の信頼度を異ならせることも可能である)。
擬似連演出GRでは、信頼度の異なるチャンス目が複数用意され、段階的に信頼度が高まる方向に装飾図柄10をチャンス目で順次擬似停止する。これにより、当該変動における大当たりの期待感を段階的に高めることができる。また、遊技者は、時として、擬似停止したチャンス目の色が何色であったのかを忘れてしまったり、よそ見等をしていてチャンス目の擬似停止表示を見逃すことがある。そのような事態が発生すると、当該変動の期待度を示唆すべきチャンス目の機能が発揮されなくなる。擬似連演出GRでは、装飾図柄10が青チャンス目で擬似停止したとき、当該保留画像20Cを、青チャンス目の擬似停止表示に連動して白保留から青保留に変更することができる。故に、擬似停止したチャンス目の色が何色であったのかを忘れてしまったとしても、又は、よそ見等をしていて青チャンス目の擬似停止表示を見逃したとしても、遊技者は青保留を見ることで青チャンス目の擬似停止表示があったことを認識又は推測することができる。当該保留画像20Cを緑、赤又は金保留に変更する場合も同様である。また、チャンス目の表示態様と保留画像の表示態様変化を関連付けた演出により、面白みのある新鮮な演出が実現され、遊技の興趣向上が期待される。
図64の例では、信頼度が上昇する順に段階的にチャンス目の色が発展しているが、擬似連演出GRはこれに限定されない。つまり例えば、擬似連回数が3回である場合、図30の例に類似して、1回目、2回目、3回目の装飾図柄10の擬似停止態様を、夫々、青、青、赤チャンス目にしても良いし、この際、1回目の装飾図柄10の擬似停止に連動して当該保留画像20Cを白保留から青保留に変更し、且つ、2回目の装飾図柄10の擬似停止時には当該保留画像20Cを青保留のまま維持し、且つ、3回目の装飾図柄10の擬似停止に連動して当該保留画像20Cを青保留から赤保留に変更するようにしても良い。
擬似連演出GRにおいて、或るチャンス目が擬似停止表示されたとき、常に、そのチャンス目の色に対応する色に、当該保留画像20Cの色が変更されるとは限らない。例えば、図64の例において、装飾図柄10が緑チャンス目で擬似停止したとき、演出制御部403は、当該保留画像20Cを青保留から緑保留に変化させることもできるが、青保留のまま維持することもできる。
つまり、擬似連演出GRにおいて、装飾図柄10を特定のチャンス目で擬似停止させたとき、演出制御部403は、保留画像20Cの色を、その特定のチャンス目の色まで発展させることができる。ここにおける発展とは、当該保留画像20の色を、より信頼度の高いものへと変更することを意味する。
従って例えば、擬似連演出GR中において装飾図柄10を青チャンス目で擬似停止させたとき、保留画像20Cが白保留であった場合には、保留画像20Cを白保留で維持又は青保留に変更することができ(図65(a)参照)、保留画像20Cが既に青保留であった場合には、保留画像20Cを青保留のまま維持することができる(図65(b)参照)。
同様に例えば、擬似連演出GR中において装飾図柄10を緑チャンス目で擬似停止させたとき、保留画像20Cが白保留であった場合には、保留画像20Cを白保留で維持又は青若しくは緑保留に変更することができ(図66(a)参照)、保留画像20Cが青保留であった場合には、保留画像20Cを青保留で維持又は緑保留に変更することができ(図66(b)参照)、保留画像20Cが既に緑保留であった場合には、保留画像20Cを緑保留のまま維持することができる(図66(c)参照)。
同様に例えば、擬似連演出GR中において装飾図柄10を赤チャンス目で擬似停止させたとき、保留画像20Cが白保留であった場合には、保留画像20Cを白保留で維持又は青、緑若しくは赤保留に変更することができ(図67(a)参照)、保留画像20Cが青保留であった場合には、保留画像20Cを青保留で維持又は緑若しくは赤保留に変更することができ(図67(b)参照)、保留画像20Cが緑保留であった場合には、保留画像20Cを緑保留で維持又は赤保留に変更することができ(図67(c)参照)、保留画像20Cが既に赤保留であった場合には、保留画像20Cを赤保留のまま維持することができる(図67(d)参照)。
擬似連演出GR中において装飾図柄10を金チャンス目で擬似停止させたときも同様であり、そのときの保留画像20Cの変化又は維持の様子を図68(a)〜(e)に示す。
尚、チャンス目の擬似停止表示に連動して、保留画像20Cの表示態様を変更するタイミングは、基本的に、チャンス目の擬似停止表示が行われるタイミングと同じであるが、チャンス目の擬似停止表示が行われるタイミングと若干異なるタイミング(例えば、チャンス目の擬似停止表示が行われるタイミングより所定の微小時間だけ前又は後のタイミング)であってもよい。
上述の説明から理解されるが、擬似連演出GRを実行するときの演出制御部403は、装飾図柄10をチャンス目(特定態様)で擬似停止表示させたとき、その擬似停止表示に連動して、保留画像20Cの表示態様を、擬似停止表示されたチャンス目(特定態様)に応じた態様に変更可能である。この際、擬似連演出GRの中で、保留画像20Cを、最終チャンス目に応じた表示態様まで変更可能である。ここにおける最終チャンス目とは、今回の特別図柄及び装飾図柄10の変動の停止直前に擬似停止表示された装飾図柄10のチャンス目である。従って、図64の例では、赤チャンス目が最終チャンス目である。最終チャンス目が青、緑、赤、金チャンス目である場合、最終チャンス目が擬似停止表示された時点で、保留画像20Cを、夫々、青、緑、赤、金保留まで変更可能(発展可能)である。
尚、演出制御部403は、第1始動口105への入賞に基づく保留及び第2始動口106への入賞に基づく保留のどちらに対しても、擬似連演出GRを適用できる。
演出統括部403aが行う処理の流れは、図52〜図56を参照して上述したものと同様である。故に、ここでは、図55等を参照しつつ、その処理に含まれる擬似連演出GRに関する処理のみを詳説する。第1実施形態で述べたように、変動開始コマンドを受信すると、演出統括部403aは、変動開始コマンドを解析することで、変動開始コマンドに含まれる、大当たり抽選の抽選結果を示す情報及び特図変動パターンを示す情報などを取得する(ステップS1201)。
そして、ステップS1202において、演出統括部403aは、変動演出パターン選択処理を実行する。変動演出パターン選択処理では、変動開始コマンドの解析結果に基づき、予め定められた複数の変動演出パターンの中から、今回の特別図柄の変動に対する演出(変動演出)の内容を定める変動演出パターンを選択する。その複数の変動演出パターンの中に擬似連演出GRに対応する変動演出パターンが含まれている。演出統括部403aは、変動開始コマンド中の特図変動パターンが規定する当該変動の変動時間が所定時間以上である場合に、擬似連演出GRの変動演出パターンを選択することができる。
変動演出パターン選択処理において、擬似連演出GRの変動演出パターンが選択される場合、演出統括部403aは、当該変動における特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、装飾図柄10の擬似停止パターンを決定する。即ち、特別図柄の当該変動において、どのような態様で装飾図柄10を擬似停止させるか及び擬似連回数を何回にするかを決定する。
演出統括部403aのROM432には、擬似連演出GRにおける装飾図柄10の擬似停止態様を規定するチャンス目テーブルが複数格納されており、演出統括部403aは、擬似連回数に応じて1つのチャンス目テーブルを選択する。擬似連回数が2回であるときに選択されるチャンス目テーブルの一例は、既に参照した図57と同じであり、擬似連回数が3回であるときに選択されるチャンス目テーブルの一例は、既に参照した図58と同じである。但し、これらのチャンス目テーブルが擬似連演出GRに用いられる場合、チャンス目テーブルにおける各停止パターンは擬似停止パターンとして機能する。
図57に示すように、擬似連回数が2回であるとき、演出統括部403aは、当該変動に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、擬似連演出GRにおける擬似停止パターンとして、擬似停止パターンTPA1〜TPA10の何れかを選択する。擬似停止パターンTPA1〜TPA10において、装飾画像10の1回目、2回目の擬似停止態様は、夫々、
“青、青”、“青、緑”、“青、赤”、“青、金”、
“緑、緑”、“緑、赤”、“緑、金”、
“赤、赤”、“赤、金”、
“金、金”のチャンス目である。
図58に示すように、擬似連回数が3回であるとき、演出統括部403aは、当該変動に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、擬似連演出GRにおける擬似停止パターンとして、擬似停止パターンTPB1〜TPB20の何れかを選択する。擬似停止パターンTPB1〜TPB20において、装飾画像10の1回目、2回目、3回目の擬似停止態様は、夫々、
“青、青、青”、“青、青、緑”、“青、青、赤”、“青、青、金”、
“青、緑、緑”、“青、緑、赤”、“青、緑、金”、
“青、赤、赤”、“青、赤、金”、
“青、金、金”、
“緑、緑、緑”、“緑、緑、赤”、“緑、緑、金”、
“緑、赤、赤”、“緑、赤、金”、
“緑、金、金”、
“赤、赤、赤”、“赤、赤、金”、
“赤、金、金”、
“金、金、金”のチャンス目である。
図57及び図58に示すチャンス目テーブルの他に、演出統括部403aのROM432には、擬似連回数が2回又は3回以外であるときのチャンス目テーブルも格納されている。
擬似連演出GR中の装飾図柄10の擬似停止態様(特に例えば、特別図柄の停止直前における装飾図柄10の擬似停止態様)は、当該保留の信頼度が高ければ高いほど、より信頼度の高いチャンス目とされる。つまり、当該保留に係る特図当たり判定の結果が大当たりであるとき、擬似連演出GR中の装飾図柄10の擬似停止態様(特に例えば、特別図柄の停止直前における装飾図柄10の擬似停止態様)は、青、緑、赤、金チャンス目の内の、より信頼度が高いものに設定されやすく、且つ、当該保留に係る特図当たり判定の結果がハズレであるとき、擬似連演出GR中の装飾図柄10の擬似停止態様(特に例えば、特別図柄の停止直前における装飾図柄10の擬似停止態様)は、青、緑、赤、金チャンス目の内の、より信頼度が低いものに設定されやすい。また、当該保留に係る特図当たり判定の結果が大当たりであるとき、擬似連回数はより大きなものに設定されやすく、且つ、当該保留に係る特図当たり判定の結果がハズレであるとき、擬似連回数はより小さなものに設定されやすい。そのような設定が成されるように、演出統括部403aは、当該保留に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、擬似連演出GRにおける擬似連回数を設定すると共に装飾図柄10の擬似停止パターンを設定する。
このことから明らかなように、擬似連演出GR中の装飾図柄10の擬似停止態様(特に例えば、特別図柄の停止直前における装飾図柄10の擬似停止態様)が、青、緑、赤、金チャンス目の内の、より信頼度が高いものに設定されたとき、当該保留に係る特図当たり判定において大当たりとなる期待値がより高くなる。
変動演出パターン選択処理において擬似連演出GRの変動演出パターンを選択した場合、演出統括部403aは、擬似連回数の設定並びに装飾図柄10の擬似停止パターンの選択及び決定に加え、当該保留に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、図65〜図68を参照して説明した規則に従って保留画像20Cの変化パターンも決定する。保留画像20Cの変化パターンは、擬似連演出GRの実行中に保留画像20Cをどのタイミングでどのように変化させるかを規定するものである。擬似連演出GRの実行中に保留画像20Cを変化させないと決定することも可能である。
擬似連演出GRにおいて、保留画像20C(特に例えば、最終チャンス目が擬似停止した後の保留画像20C)は、当該保留の信頼度が高ければ高いほど、より信頼度の高い色の保留画像とされる。つまり、当該保留に係る特図当たり判定の結果が大当たりであるとき、保留画像20C(特に例えば、最終チャンス目が擬似停止した後の保留画像20C)は、青、緑、赤、金保留の内の、より信頼度が高いものに設定されやすく、且つ、当該保留に係る特図当たり判定の結果がハズレであるとき、保留画像20C(特に例えば、最終チャンス目が擬似停止した後の保留画像20C)は、青、緑、赤、金保留の内の、より信頼度が低いものに設定されやすい。そのような設定が成されるように、演出統括部403aは、当該保留に係る特図当たり判定及び特図変動パターン判定の結果等に基づき、擬似連演出GR中における保留画像20Cの変化パターンを設定する。
このことから明らかなように、保留画像20C(特に例えば、最終チャンス目が擬似停止した後の保留画像20C)が、青、緑、赤、金保留の内の、より信頼度が高いものに設定されたとき、当該保留に係る特図当たり判定において大当たりとなる期待値がより高くなる。
変動演出パターン選択処理において擬似連演出GRの変動演出パターンが選択された場合、演出統括部403aは、擬似連演出GRの内容を規定する情報を変動演出開始コマンドに含める(図55のステップS1209)。即ち、変動演出開始コマンドにて、擬似連回数、装飾図柄10の擬似停止パターン及び保留画像20Cの変化パターンが定義され、この変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(図52参照)にて画像/音声制御部403b及びランプ制御部403cに送信されることで、擬似連演出GRによる変動演出が開始される。この変動演出は、変動演出終了コマンドの設定及び送信を通じて終了する。
[変形例等]
第2実施形態についての変形例等を列挙する。
演出制御部403は、事前判定コマンドを受信して保留画像20を追加するときに、追加される保留画像20に上述の予兆演出を適用するかどうかを、事前判定コマンドに基づく抽選により決定できる。予兆演出の適用例の説明具体化のため、保留0についての特別図柄の変動中に保留4の保留画像20が追加されることを考える。始動口(105、106)への入賞により保留4が発生したとき、演出制御部403は、保留4に係る保留画像20を、予兆演出を伴わない白保留又は予兆演出を伴う白保留にすることができる。演出制御部403は、保留4が予兆演出を伴う場合、保留4が予兆演出を伴わない場合と比べ、保留4が当該保留になったときに、当該保留4に擬似連演出GRを行う確率を高めると良い。
演出制御部403は、事前判定コマンドを受信して保留画像20を追加するときに、事前判定コマンドに基づき、追加される保留画像20に対応する変動演出として擬似連演出GRを適用するかを決定しておくこともできる。事前判定コマンドに基づき保留4に対して擬似連演出GRを適用すると判断した場合、保留4の保留画像20を画像表示部104に新たに表示する際に、保留4に高確率(例えば50%を超える確率)で予兆演出を適用しても良い。
上述したように、演出制御部403は、保留画像20を赤保留にする単品保留先読み演出も実行可能である。但し、或る1つの特図当たり判定についての保留画像20に関し、赤チャンス目の擬似停止表示を伴った上で当該保留の保留画像20(即ち保留画像20C)が赤保留とされる擬似連演出GRの方が、赤チャンス目の擬似停止表示を伴うことなく保留画像20を赤保留にする演出よりも、信頼度が高いと良い。青、緑又は金保留についても同様である。
上述の説明における擬似連演出GRでは、保留画像20Cの変更は、保留画像20Cの色の変更であるが、保留画像20Cの表示態様が、擬似停止表示された装飾図柄10の表示態様に応じた態様に変更されるものである限り、この変更の態様は任意である。例えば、保留画像20Cの変更は、保留画像20Cに変化を与えるものであれば任意であり、保留画像20Cの色、形、大きさ、模様等の変化を含みうる。
上述の説明の擬似連演出GRにおいて順次擬似停止表示される複数のチャンス目は、信頼度が低下する方向に変化してゆかないが、演出制御部403は、信頼度が低下する方向にチャンス目を変化させるようにしても良い。例えば、図64の例において、装飾図柄10の1回目、2回目、3回目の擬似停止態様を、夫々、青、赤、緑チャンス目にしても良い。これと類似して、演出制御部403は、擬似連演出GR中に信頼度が低下する方向に保留画像20Cを変化させるようにしても良い。例えば、図64の例において、装飾図柄10の1回目、2回目、3回目の擬似停止に連動して、保留画像20Cを、夫々、青、緑、白保留に変化させても良い。それらの所謂成り下がり演出(チャンスダウン演出)は、例えば、保留画像20Cに係る特図当たり判定において大当たりが確定しているときに実行されると良い。即ち、演出制御部403は、当該保留に係る特図当たり判定の結果が大当たりであるときに限り、擬似連演出GRの中でチャンス目の擬似停止態様又は当該保留画像20の表示態様を、信頼度が低下する方向に変化させても良い。
また、通常、遊技者は、チャンス目の態様が信頼度の増加する方向に発展してゆくことを期待する。故に、チャンス目の態様が発展してゆかないと、擬似連演出GRの開始で膨らんだ期待感がしぼんでしまうことも多い。これを考慮し、例えば、同一のチャンス目が連続的に擬似停止表示されたときには、信頼度が高まるような仕組みを組み込んでおいても良い。より具体的には例えば、図64の例において、装飾図柄10の1回目、2回目、3回目の擬似停止態様を、夫々、青、青、青チャンス目にしたときの当該保留0の信頼度(今回の特別図柄の変動に係る特図判定用情報の信頼度)を、装飾図柄10の1回目、2回目又は3回目の擬似停止態様を緑、赤、金チャンス目にしたときの信頼度以上にしておいても良い。
擬似連演出GRでは、特別図柄の変動中に特定の演出を発生させ、特定の演出の発生時に、当該保留画像20Cの表示態様を、その特定の演出の内容に応じた態様に変更させる。上述の説明では、特定の演出がチャンス目の擬似停止表示となっているが、特定の演出は、それ以外の任意の演出であっても良い。例えば、演出ライト部115内のランプ、盤ランプ135及び可動役物130内のランプを含む演出用ランプの発光制御、画像表示部104における装飾図柄10の画像及び保留画像20以外の画像の表示制御、又は、スピーカ114による音の出力制御によって、特定の演出が実現されても良い。例えば、演出用ランプを利用する場合、演出用ランプを青、緑、赤、金色にて発光させることを、青、緑、赤、金チャンス目による装飾図柄10の擬似停止表示に相当させても良い。
上記特定の演出は、複数種類の演出の組み合わせであっても良い。即ち例えば、チャンス目にて装飾図柄10を擬似停止表示させる演出と、演出用ランプを発光させる演出とによって、上記特定の演出を構成しても良い。より具体的には例えば、当該保留0に対する擬似連演出GRにおいて、装飾図柄10を青、緑、赤又は金チャンス目で擬似停止表示させると共に演出用ランプを青、緑、赤又は金色にて発光させるようにしても良く、チャンス目の擬似停止表示又は演出用ランプの発光に連動して、チャンス目の擬似停止表示態様又は演出用ランプの発光態様に応じ、当該保留0の保留画像20Cの表示態様を変更するようにしても良い。この場合も、擬似停止表示されたチャンス目が青、緑、赤、金チャンス目であるならば、夫々、保留画像20Cを、青、緑、赤、金保留まで変更可能(発展可能)であって良く、また、演出用ランプの発光色が青、緑、赤、金であるならば、夫々、保留画像20Cを、青、緑、赤、金保留まで変更可能(発展可能)であって良い。
また、擬似連演出GRにおいて、青チャンス目の擬似停止表示のみが行われるときに比べ、青チャンス目の擬似停止表示と演出用ランプの青発光が行われるときの方が、当該保留0の信頼度が高くても良い。チャンス目の色及び演出用ランプの発光色が、青以外の場合も同様である。
擬似停止表示されたチャンス目に対応付られた信頼度と、演出用ランプの発光色に対応付けられた信頼度が異なる場合もある。この場合については、以下の方法MB1〜MB3の何れかを採用可能である。
方法MB1では、擬似停止表示されたチャンス目に対応付られた信頼度と、演出用ランプの発光色に対応付けられた信頼度の内、高い方の信頼度以下の信頼度が割り当てられた態様まで、保留画像20Cの表示態様を変更可能(発展可能)である。つまり例えば、第1信頼度が割り当てられた青チャンス目の擬似停止表示と共に第2信頼度が割り当てられた緑による演出用ランプの発光があった場合(第2信頼度>第1信頼度)、保留画像20Cを、第2信頼度が割り当てられた緑保留まで変更可能(発展可能)である。
方法MB2では、保留の色の決定に際し、チャンス目の色が演出用ランプの発光色よりも優先的に考慮される。つまり例えば、緑チャンス目の擬似停止表示があったとき、演出用ランプの発光色の如何に関係なく、保留画像20Cを緑保留まで変更可能(発展可能)である。
方法MB3では、保留の色の決定に際し、演出用ランプの発光色がチャンス目の色よりも優先的に考慮される。つまり例えば、演出用ランプの発光色が赤色であったとき、チャンス目の色に関係なく、保留画像20Cを赤保留まで変更可能(発展可能)である。
チャンス目にて装飾図柄10を擬似停止表示させる第1演出と、演出用ランプを発光させる第2演出とを組み合わせる例を説明したが、第2演出は、エフェクト画像を画像表示部104に表示させる演出であっても良く、この場合、エフェクト画像の色が演出用ランプの発光色に相当する(エフェクト画像は、装飾図柄10の画像及び保留画像20以外の画像である)。
擬似連演出GRでは、基本的に、当該保留の信頼度を示唆する演出としてチャンス目による装飾図柄10の擬似停止表示を行い、チャンス目による装飾図柄10の擬似停止表示を行うときに、付加的に、当該保留画像20Cの変化を行っている。しかし、擬似連演出GR中に、保留画像20Cを変化させることを前提として、その変化に付随する形で、チャンス目による装飾図柄10の擬似停止表示を行うようにしても良い。
<<本発明の考察>>
本発明について考察する。尚、以下の第1側面及び第2側面に係る遊技機の説明文中に挿入されるかっこ書きは、本発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1側面に係る遊技機(100)は、始動条件の成立に基づいて、所定の特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かの特別遊技判定(特図当たり判定)を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定の結果に基づき、図柄(10)を図柄表示手段(104)にて変動表示させてから停止表示させる図柄表示制御手段と、前記始動条件が成立した場合に、前記特別遊技判定の権利を保留する保留記憶手段(413d)と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利に対して事前判定を行う事前判定手段と、前記保留記憶手段に保留された前記特別遊技判定の権利を示す保留表示(20)を保留表示手段(104)に行わせる保留表示制御手段と、を備え、前記図柄表示制御手段は、前記事前判定の対象に係る前記図柄の変動前の前記図柄の変動において、前記特別遊技の実行の期待度として互いに異なる期待度(信頼度)が割り当てられた複数の特定態様(青、赤、緑、金チャンス目)の内、前記事前判定の結果に基づく態様で前記図柄を停止表示させることが可能であり、前記保留表示制御手段は、前記事前判定の対象に対応する前記保留表示の態様を、互いに異なる期待度が割り当てられた複数の保留態様(青、赤、緑、金保留の態様)の何れかにすることが可能であり、前記図柄が何れかの特定態様で停止表示されたとき、前記事前判定の対象に対応する前記保留表示の態様を、前記図柄の停止態様についての期待度以下の期待度が割り当てられた保留態様に変更可能である。
これにより、図柄の停止表示態様と保留表示の態様変化を関連付けた、面白みのある新鮮な演出が実現され、遊技の興趣向上が期待される。
尚、遊技機100において、特別遊技判定手段、図柄表示制御手段及び事前判定手段は、主制御部401によって実現され、保留表示制御手段は演出制御部403によって実現される。また、遊技球が始動口105又は106に入賞することで上記始動条件が成立する。
具体的には例えば、第1側面に係る遊技機(100)において、前記保留表示制御手段は、前記事前判定の対象に対応する前記保留表示の態様を、最終停止態様(最終チャンス目)についての期待度以下の期待度が割り当てられた保留態様に変更可能であり、前記最終停止態様は、前記複数の特定態様の何れかであって、且つ、前記事前判定の対象(例えば先読み対象としての保留4)に係る前記図柄の変動直前における前記図柄の停止態様(例えば保留3についての図柄の停止態様)であって良い。
本発明の第2側面に係る遊技機(100)は、始動条件の成立に基づいて、所定の特別遊技(大当たり遊技)を行うか否かの特別遊技判定(特図当たり判定)を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定の結果に基づき、図柄(10)を図柄表示手段(104)にて変動表示させてから停止表示させる図柄表示制御手段と、前記図柄(10)の変動中において、当該変動に係る前記特別遊技判定の権利を示す当該保留表示(20C)を保留表示手段(104)に表示させる保留表示制御手段と、を備え、前記図柄表示制御手段は、前記図柄の変動期間において、前記特別遊技の実行の期待度として互いに異なる期待度(信頼度)が割り当てられた複数の特定態様(青、赤、緑、金チャンス目)の内、前記特別遊技判定の結果に基づく態様で前記図柄を擬似停止させる擬似停止演出を実行可能であり、前記保留表示制御手段は、当該保留表示の態様を、互いに異なる期待度が割り当てられた複数の保留態様(青、赤、緑、金保留の態様)の何れかにすることが可能であり、前記図柄が何れかの特定態様で擬似停止表示されたとき、当該保留表示の態様を、前記図柄の擬似停止態様についての期待度以下の期待度が割り当てられた保留態様に変更可能である。
これにより、図柄の停止表示態様と保留表示の態様変化を関連付けた、面白みのある新鮮な演出が実現され、遊技の興趣向上が期待される。
具体的には例えば、第2側面に係る遊技機(100)において、前記保留表示制御手段は、当該保留表示の態様を、最終擬似停止態様(擬似停止された最終チャンス目)についての期待度以下の期待度が割り当てられた保留態様に変更可能であり、前記最終擬似停止態様は、前記複数の特定態様の何れかであって、且つ、前記図柄の停止直前における前記図柄の擬似停止態様であって良い。
尚、本発明の遊技機が備えうる保留表示手段において、保留表示は、上述の如く画像表示部104による保留画像20の表示であっても良いし、保留ランプ部(不図示)による保留ランプの点灯によって実現されても良い。遊技盤101に設けられうる保留ランプ部は、U1max(例えば「4」)個の第1特図ランプと、U2max(例えば「4」)個の第2特図ランプと、を備える。演出制御部403は、第1始動口105への遊技球の入賞に基づく大当たり抽選の権利が保留されているとき、その保留個数分だけ第1特図ランプを点灯させ、第2始動口106への遊技球の入賞に基づく大当たり抽選の権利が保留されているとき、その保留個数分だけ第2特図ランプを点灯させる。各特図ランプは多色点灯が可能である。演出制御部403は、任意の保留(例えば、上述の保留0、1、2、3、4又は5)に関し、保留画像20の表示の代わりに、対応する第1特図ランプ又は第2特図ランプを点灯させることができ、保留画像20を白、青、緑、赤、金保留にすべきときに、対応する第1特図ランプ又は第2特図ランプの発光色を、夫々、白、青、緑、赤、金(又は黄色)にすると良い。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
また、上述の実施形態では、本発明を旧第一種タイプのパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明を、それ以外のタイプ(例えば旧一種二種混合タイプ)のパチンコ遊技機に適用しても良いし、パチンコ遊技機に分類されない、スロットマシンなどの他の遊技機に適用しても良い。パチンコ遊技機では、遊技媒体として遊技球が用いられるが、スロットマシンではコインが遊技媒体として用いられる。
また、各フローチャートに関し、上述した処理の順序は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、任意に複数の処理の実行順序を変更できる又は複数の処理を並列に実行できる。