JP2015220967A - 集電装置、鉄道車両及び集電システム - Google Patents

集電装置、鉄道車両及び集電システム Download PDF

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Abstract

【課題】架線走行区間でのすり板の磨耗を抑制しつつ停車時の急速充電を可能にする。【解決手段】集電装置2の舟体22,23の上面にはすり板32,33が取り付けられている。すり板32,33はそれぞれ鉄道車両の幅方向に並んだ右部材51、中央部材52及び左部材53を有している。中央部材52の架線に対する耐磨耗性は右部材51及び左部材53の架線に対する耐磨耗性より高い。右部材51及び左部材53の電気抵抗値は中央部材52の電気抵抗値より低い。走行時には中央部材52が架線と摺動接触するが、中央部材52は耐磨耗性が高いため磨耗しにくい。停車時には電気抵抗値の低い右部材51及び左部材53が架線に接触するため、架線に大電流を流しても、右部材51及び左部材53と架線との接点温度が上昇しにくい。このため、これらの接点部が溶融や溶着しにくい。【選択図】図2

Description

本発明は、架線に接触するすり板を有する集電装置、鉄道車両及び集電システムに関する。
鉄道車両の集電装置には、架線に直接接触するすり板が設けられている。すり板は、通常、カーボン系材料、銅系焼結合金、又は鉄系焼結合金の単一材料によって作製されている(特許文献1参照)。
特開2012−165528号公報
近年、架線が設けられていない架線レス区間で走行可能な鉄道車両が開発されている。このような車両には蓄電装置が搭載され、蓄電装置に充電した電力により車両を走行させている。
例えば、架線が設けられた走行区間(架線走行区間)において架線から供給された電力の一部を車両の走行に用い、残りで蓄電装置を充電すると、架線レス区間では蓄電装置に充電された電力により車両を走行させることができる。また、駅等の停車区間(充電区間)において架線から供給された電力で蓄電装置を充電すれば、架線レス区間で蓄電装置に充電した電力により車両を走行させることができる。駅等の停車区間では停車時間が短いため、短時間に急速充電できることが好ましい。
ところで、架線に接触するすり板は上述した3種類の材料(カーボン系材料、鉄系焼結合金、及び銅系焼結合金)のうちいずれかの単一材料で作製されているが、それぞれが特長としてもつ機械的耐磨耗性、電気的通電性に違いがあるために、架線走行区間及び停車充電区間のうち、一方の区間には適しているが他方の区間には適していないといえる。
例えば、カーボン系材料は耐磨耗性が優れているため、走行中に架線に摺動しても磨耗しにくい。このため架線走行区間に適している。しかしカーボン系材料は、架線との接触では電気的接触抵抗が大きいために大電流が流れると架線との接点温度が上昇しやすい。特に、停車中に大電流を流すと、走行時よりも放熱状態が悪いため、すり板や架線が接触部で溶解するおそれがある。このためカーボン系材料は充電区間における停車状態での急速充電に適していない。
一方、銅系焼結合金は電気抵抗値が比較的低いため、架線との電気的接触抵抗値も小さい。したがって架線との接点に短時間に大電流が流れても温度が急上昇しにくいため、充電区間における停車状態での急速充電に適している。しかし、銅系焼結合金は耐磨耗性が低いため、走行中に架線に摺動すると磨耗しやすい。このため架線走行区間には適していない。
このように、従来の単一材料を用いたすり板を装備する鉄道車両では架線走行区間及び停車時の充電区間の両区間で最適であるといえない。
そこで、本発明の目的は、架線走行区間及び停車時の充電区間の両区間で最適な集電装置、鉄道車両及び集電システムを提供することである。
本発明の鉄道車両用の集電装置は、架線に接触するすり板と、前記すり板を保持する舟体とを備えた鉄道車両用の集電装置であり、
前記すり板は、鉄道車両の幅方向に並んで配置された第1部材及び第2部材を有し、
前記第1部材の架線に対する耐磨耗性が前記第2部材の前記架線に対する耐磨耗性より高く、
前記第2部材の前記架線との電気的接触抵抗値が、前記第1部材の前記架線との電気的接触抵抗値より低い。
上記装置では、すり板に異なる2つの部材を用い、i)架線走行区間(車両走行中)では耐磨耗性が高い第1部材を架線に接触、摺動させて集電し、ii)停車時の充電区間では電気的接触抵抗値が低い第2部材を架線に接触させ、空調機などの補助機器の駆動や蓄電池の充電のために集電する。これにより、架線走行区間では第1部材が磨耗しにくい一方で、停車時の充電区間では急速充電用などの大電流を流しても第2部材と架線との接点温度が上昇しにくいため、これらの接点部の溶解や溶着が起こりにくい。したがって、架線走行区間ではすり板の磨耗を抑制でき、充電区間では急速充電等が可能であるため、架線走行区間及び停車時の充電区間の両区間で最適である。
また、上記装置において、前記第1部材の主成分がカーボンであり、前記第2部材の主成分が銅であることが好ましい。第1部材に耐磨耗性の優れたカーボン系材料を用い、第2部材に架線との電気的接触抵抗値の低い銅系材料を用いることにより、架線走行区間及び停車時の充電区間の両区間に最適な構成にすることができる。
本発明による鉄道車両の構成の一例を挙げると、架線に直流電流が流れている場合、上述した集電装置と、前記集電装置に接続され且つ交流と直流との間で電力の変換を行うインバータ(交直変換装置)と、前記インバータに接続された電動機と、前記集電装置に接続された充放電制御装置と、前記充放電制御装置に接続された蓄電装置とを備えている車両である。
上記鉄道車両では、i)架線走行区間に耐磨耗性の優れた第1部材を架線に接触させることにより、走行時のすり板の磨耗を抑制しつつ蓄電装置に充電できる。また、ii)停車時の充電区間では電気抵抗値の低い第2部材を架線に接触させることにより、蓄電装置に短時間で急速充電できる。
本発明の集電システムは、架線に接触するすり板と、前記すり板を保持する舟体とを有する鉄道車両用の集電装置と、鉄道車両が走行する線路の上方に配置される第1架線及び第2架線とを備え、
前記すり板は、鉄道車両の幅方向に並んで配置された第1部材及び第2部材を有し、
前記鉄道車両が走行する走行区間には、前記第1部材と接触する位置に前記第1架線が配置され、
前記鉄道車両が停止する停止区間には、前記第2部材と接触する位置に前記第2架線が配置され、
前記第1部材の前記第1架線に対する耐磨耗性が前記第2部材の前記第2架線に対する耐磨耗性より高く、
前記第2部材の前記第2架線との電気的接触抵抗値が、前記第1部材の前記第1架線との電気的接触抵抗値より低い。
上記システムでは、すり板に異なる2つの部材を用い、
i)架線走行区間(車両走行中)では、耐磨耗性が優れた第1部材を第1架線に接触、摺動させて集電し、ii)停車時の充電区間では、電気的接触抵抗値が低い第2部材を第2架線に接触させ、空調機などの補助機器の駆動や蓄電池の充電のために集電する。これにより、架線走行区間ではすり板の磨耗を抑制でき、停車時の充電区間では急速充電等が可能であるため、架線走行区間及び停車時の充電区間の両区間で最適である。
また、上記システムにおいて、前記第2架線は、すり板との電気的接触抵抗値が小さい材質であることが好ましい。さらに、前記第2架線の前記第2部材との電気的接触抵抗値が前記第1架線の前記第1部材との電気抵抗値より低いことが好ましい。停車時の充電区間において、第2架線とすり板の第2部材との接触部の電気抵抗値を小さくすることにより、急速充電時等の際、接触部の温度上昇を抑制できる。
また、更に上記システムにおいて、前記第2架線の剛性が前記第1架線の剛性より高いことが好ましい。剛性が高ければ、すり板をより大きな力で架線に押し付けることが可能であるため、停車時の充電区間において、第2架線とすり板の第2部材との接触部の電気抵抗値を一層小さくすることが可能となり、接触部の温度上昇を抑制できる。
また、上記システムにおいて、前記第1部材の主成分がカーボンであり、前記第2部材の主成分が銅であることが好ましい。第1部材に耐磨耗性の優れたカーボン系材料を用い、第2部材に電気抵抗値の低い銅系材料を用いることにより、架線走行区間でのすり板の磨耗を抑制しつつ停車時の急速充電を行える。
さらに上記システムにおける、鉄道車両の構成の一例を挙げると、架線に直流電流が流れている場合、上述した集電装置と、前記集電装置に接続され且つ交流と直流との間で電力の変換を行うインバータ(交直変換装置)と、前記インバータに接続された電動機と、前記集電装置に接続された充放電制御装置と、前記充放電制御装置に接続された蓄電装置とを備えている車両である。
上記システムでは、i)架線走行区間で耐磨耗性が優れた第1部材を第1架線に接触させることにより、走行時のすり板の磨耗を抑制しつつ蓄電装置に充電できる。また、ii)停車時の充電区間では、電気抵抗値の低い第2部材を第2架線に接触させることにより、蓄電装置に短時間で急速充電できる。
本発明によると、架線走行区間では耐磨耗性に優れた第1部材を架線に接触、摺動させ、停車時の充電区間では電気抵抗値の低い第2部材を架線に接触させることにより、架線走行区間でのすり板の磨耗を抑制できるとともに充電区間での急速充電が可能である。このため、本発明は架線走行区間及び停車時の充電区間の両区間で最適である。
本発明に係る鉄道車両の構成を示す模式図である。 (a)はすり板及び舟体の側面図(図1のIIA-IIA線に沿った図)であり、(b)はすり板及び舟体の平面図である。 架線及び路線の一部を示す模式図である。 (a)は架線走行区間Aでの吊架線とすり板との接触位置を示す平面図であり、(b)は架線走行区間Aでの電気の流れを説明する模式図である。 (a)は架線レス走行区間Bでのすり板の平面図であり、(b)は架線レス走行区間Bでの電気の流れを説明する模式図である。 (a)は停止区間Cでの剛体架線とすり板の平面図であり、(b)は停止区間Cでの電気の流れを説明する模式図である。 変形例に係る鉄道車両の構成を示す模式図である。
以下、本発明の1実施形態である鉄道車両について、図1〜図6を参照しつつ以下に説明する。
鉄道車両100は、図1に示すように、車体1と、車体1の屋根上に設置された集電装置2とを有している。集電装置2は架線200に接触する。
車体1には、集電装置2に接続されたインバータ(交直変換装置)10、充放電制御装置11及び補助電源装置12と、インバータ10に接続された駆動モータ(電動機)13と、充放電制御装置11に接続された蓄電池(蓄電装置)14とが搭載されている。インバータ10と充放電制御装置11は2本の電線15a,15bによって接続されている。電線15bから分岐した電線16は2本の電線17a,17bに分岐して接地装置18,19に接続され、さらにレールに接地されている。
集電装置2は、車体1の屋根に碍子を介して設置された台枠21と、架線200に押し付けられる2つの舟体22,23と、舟体22,23を台枠21に対して昇降させる枠体24とを有している。
舟体22,23の上面には、すり板32,33がボルト41,42,43,44,45,46で固定されている(図2(a)参照)。また、図2(b)に示すように、2つの舟体22,23は支持棒47,48,49,50によって平行に保持されている。すり板32,33は架線200に直接接触する(図1参照)。
本実施形態のすり板32とすり板33とは同様な構成である。図2(b)に示すように、すり板32,33は舟体22の長手方向に並んだ3つの部材51,52,53から構成されている。ここで、舟体22の長手方向とは鉄道車両100の幅方向である。
3つの部材51,52,53の中央にある中央部材(第1部材)52は、その両側の右部材(第2部材)51及び左部材(第2部材)53よりも架線200に対する耐磨耗性が高く、また架線200との電気的接触抵抗値が高い。ここで「電気的接触抵抗値」とは互いに接触する2つの部材の接触部分の電気抵抗値である。例えば「中央部材52の架線200との電気的接触抵抗値」及び「中央部材52における架線200との電気的接触抵抗値」は、中央部材52において架線200と接触した部分の電気抵抗値を意味する。
耐磨耗性は、例えば下記式から算出される磨耗量によって評価できる。
W=k・P・V・T
W:磨耗量 (μm)
k:磨耗係数(μm・mm2・min/N・m・hr)
P:面圧(MPa)
V:摺動速度(すべり速度) (m/min)
T:摺動時間 [hr]
一般的な鉄道車両用架線(Cu,Cu合金)とパンタグラフとに装備されるすり板の接触、摺動によってすり板が磨耗する現象において、一定走行距離における磨耗量を比較したとき、中央部材52の架線200に対する磨耗量は右部材51及び左部材53の架線200に対する磨耗量よりも小さい。
すり板32,33の中央部材52には例えばカーボン系材料又は鉄系材料を用いることができる。そのなかでも中央部材52の主成分がカーボンとなるように、カーボン系材料を用いることが好ましい。カーボン系材料としてi)金属粉を混合し焼結したもの、ii)多孔質カーボン材料に金属を含浸させたもの、iii)カーボン繊維強化カーボン複合材(C/C複合材)に金属を含浸させたもの等を用いることができる。
すり板32,33の右部材51及び左部材53には、主成分が銅となるように銅系材料を用いることが好ましい。銅系材料として例えば銅系焼結合金、純銅が挙げられる。
次に、鉄道車両100の運行の一例を図3〜6を参照しつつ説明する。
図3に示すように、鉄道車両100が通る路線には、吊架線210が設けられた架線走行区間Aと、架線が設けられていない架線レス走行区間Bと、一時的に停車する停止区間C(駅等)とがある。停止区間Cには2本の剛体架線(第2架線)220,230が設けられている。吊架線210のトロリ線213及び剛体架線220,230には直流または交流電圧が加圧されている。
吊架線210では、複数の支持点から吊り下げられたちょう架線211にハンガ212でトロリ線(第1架線)213が吊り下げられている。トロリ線213は線路の幅中央付近に配置されている。
剛体架線220,230は線路の幅中央を挟んで両側に配置されている。剛体架線220,230のすり板32,33との電気的接触抵抗値はトロリ線213のすり板32,33との電気的接触抵抗値より低い。また、剛体架線220,230におけるすり板32,33の右部材51及び左部材53との電気的接触抵抗値はトロリ線213におけるすり板32,33の中央部材52との電気的接触抵抗値より低い。剛体架線220,230には例えば銅系材料が用いられる。また、剛体架線220,230はトロリ線213より剛性が高い。
(架線走行区間A)
トロリ線213は、図4(a)に示すように、舟体22,23の長手方向(車両の幅方向)の中央付近に配置されているため、すり板32,33の中央部材52と接触する。これにより、トロリ線213を流れる電気は2つの中央部材52を介して集電装置2に流れ、車体1に供給される(図4(b)参照)。電気はインバータ10と充放電制御装置11と補助電源装置12に流れる。インバータ10に流れた電気は直流から交流に変換されて駆動モータ13に供給される。これにより鉄道車両100が走行する。また補助電源装置12に電気が流れることで車内の照明や空調機器等の補助機器が作動する。さらに、充放電制御装置11に流れた電気により、蓄電池14が充電される。
すり板32,33は架線に押し付けられるが、架線走行区間A(走行中)においてすり板32,33の2つの中央部材52をトロリ線213に押し付けたときのトロリ線213に対する接触圧は、停止区間C(停車時)においてすり板32,33の右部材51及び左部材53を剛体架線に押し付けたときの接触圧より小さく設定されている。また、中央部材52の耐磨耗性はその両側の右部材51及び左部材53の耐磨耗性より高く、架線走行区間Aにおける中央部材52のトロリ線213に対する耐磨耗性は停止区間Cにおける右部材51及び左部材53の剛体架線220,230に対する耐磨耗性より高い。
したがって、架線走行区間Aでは、車両走行中にすり板32,33の中央部材52がトロリ線213に摺動接触しても中央部材52が磨耗しにくい。
また、インバータ10及び充放電制御装置11に流れた電気の一部は電線15b,16,17a,17bを通過して接地装置18,19に流れる。接地装置18,19から車輪を通じて帰線電流がレール300に流れる。
なお、鉄道車両100の減速時等に駆動モータ13で生じた回生電力は、インバータ10に流れ、交流から直流に変換された後、充放電制御装置11に流れる。これにより蓄電池14が充電される。また、回生電力はトロリ線213にも戻される。
(架線レス走行区間B)
区間Bでは、架線が設置されていないため、すり板32,33に架線が接触しない(図5(a)参照)。そのため、図5(b)に示すように、蓄電池14に充電した電気を放電する。電気はインバータ10と補助電源装置12に流れ、インバータ10に流れた電気は直流から交流に変化されて駆動モータ13に供給される。これにより鉄道車両100が走行するとともに車内の照明や空調機器が作動する。
また、鉄道車両100の減速時等に駆動モータ13で生じた回生電力がインバータ10及び充放電制御装置11に流れることで、蓄電池14が充電される(黒矢印参照)。
(停止区間C)
図6(a)に示すように、剛体架線220,230は舟体22,23の長手方向(車両の幅方向)の両端側に配置されているため、剛体架線220とすり板32の右部材51及びすり板33の右部材51とが接触し、剛体架線230とすり板32の左部材53及びすり板33の左部材53とが接触する。これにより、剛体架線220,230を流れる電気は、すり板32の右部材51及び左部材53並びにすり板33の右部材51及び左部材53を介して集電装置2に流れ、車体1に供給される(図6(b)参照)。なお、図6(b)では、剛体架線220,230と、すり板32の右部材51と、すり板33の右部材51とを図示している。
電気の一部は充放電制御装置11に供給され、蓄電池14が充電される。残りは補助電源装置12に供給されることで、車内の照明や空調機が作動する。
ここで、停止区間Cでは停車時間が短いため、短時間で蓄電池14に急速充電できるように剛体架線220,230に大電流を流すことがある。しかし、これが原因で剛体架線220,230とすり板32,33との接点温度が上昇しやすい。
ところが、本実施形態では、剛体架線220,230が高剛性であるため、剛体架線220,230に通常架線に対するよりも強い圧力ですり板32の右部材51及び左部材53並びにすり板33の右部材51及び左部材53を押し付けることができる。これにより、剛体架線220,230とすり板32,33の右部材51及び左部材53との接触部の電気抵抗値を小さくすることできる。
また、停止区間C(停車時)での右部材51及び左部材53における剛体架線220,230との電気的接触抵抗値は、架線走行区間Aでの中央部材52におけるトロリ線213との電気的接触抵抗値より低い。
さらに、停止区間Cでの剛体架線220,230における右部材51及び左部材53との電気的接触抵抗値は、架線走行区間Aでのトロリ線213における中央部材52との電気的接触抵抗値より低い。
また、剛体架線220,230の表面積はトロリ線213の表面積より大きいため、剛体架線220,230は放熱しやすい。
これらにより、停止区間Cでは、剛体架線220,230と右部材51及び左部材53との接点温度が上昇しにくい。したがって、剛体架線220,230と右部材51及び左部材53との接触部の溶解や溶着が起こりにくい。
以上に述べたように、本実施形態の鉄道車両及び架線配置構造によると以下の効果を奏する。
すり板32,33に耐磨耗性の高い中央部材52と、架線200及び剛体架線220,230との電気的接触抵抗値の低い右部材51及び左部材53を用い、車両の幅方向に右部材51、中央部材52及び左部材53を並べて配置している。そして、i)架線走行区間Aでは耐磨耗性が高い中央部材52をトロリ線213に接触、摺動させて集電し、ii)停止区間Cでは電気的接触抵抗値が低い右部材51及び左部材53を剛体架線220,230に接触させ、空調機などの補助機器の駆動や蓄電池の充電のために集電する。これにより、架線走行区間Aでは中央部材52が磨耗しにくい一方で、停車時の停止区間Cでは剛体架線220,230に大電流を流しても剛体架線220,230と右部材51及び左部材53との接点温度が上昇しにくいため接点部の溶解や溶着が起こりにくい。したがって、架線走行区間Aではすり板32,33の磨耗を抑制でき、停止区間Cでは急速充電等が可能であるため、架線走行区間A及び停車時の停止区間Cの両区間で最適である。
特にすり板32,33の中央部材52に耐磨耗性の優れたカーボン系材料を用い、すり板32,33の右部材51及び左部材53を、電気的接触抵抗値の低い銅系の剛体架線220,230に対して、通常架線(吊架線210等)よりも強い圧力で接触させることにより、上記効果を向上させることができる。
また、架線走行区間Aでは、吊架線210を車両幅方向中央付近に配置し、トロリ線213とすり板32,33の中央部材52とが摺動接触するようにしている。また、停止区間Cでは、剛体架線220,230を車両幅方向両端部に配置し、剛体架線220,230とすり板32,33の右部材51及び左部材53とが接触するようにしている。架線走行区間Aでの中央部材52におけるトロリ線213に対する耐磨耗性は、停止区間Cでの右部材51及び左部材53における剛体架線220,230に対する耐磨耗性より高い。したがって走行時の中央部材52の磨耗をより抑制できる。
また、停止区間Cに設けられた剛体架線220,230は銅系材料等からなるため、電気抵抗値が比較的低い。停止区間Cでは電気抵抗値が低い部材同士(剛体架線220,230とすり板32,33の右部材51及び左部材53)が接触するため、剛体架線220,230に急速充電用の大電流を流しても、剛体架線220,230と右部材51及び左部材53との接点温度の上昇をより抑制できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、すり板32,33の中央部材52と右部材51及び左部材53とで耐磨耗性を比較したとき、I)中央部材52の架線200に対する耐磨耗性が右部材51及び左部材53の架線200に対する耐磨耗性より高く、且つ、II) 中央部材52のトロリ線213に対する耐磨耗性が右部材51及び左部材53の剛体架線220,230に対する耐磨耗性より高いが、I)及びII)の一方だけを満たす構成でもよい。また、I)だけを満たす場合、架線走行区間Aに設ける架線と停止区間Cに設ける架線とを同じ架線にしてもよい。この構成によっても架線走行区間Aでのすり板の磨耗を抑制できる。
また、上述の実施形態では吊架線210及び剛体架線220,230を流れる電流が直流である場合の車両を図示しているが(図1,4〜6)、交流用の車両でもよい(図7参照)。図7では、集電装置2とインバータ10との間にコンバータ510を配置している。コンバータ510は集電装置2と充放電制御装置11との間にも位置している。また、コンバータ510は接地装置18,19に接続されている。
さらに、上述の実施形態ではすり板32の中央部材52にカーボン系材料用い、すり板32の右部材51及び左部材53に銅系材料を用いることを例示したが、すり板の材料は変更可能である。例えば、すり板32の中央部材52に鉄系材料を用い、すり板32の右部材51及び左部材53に銅系材料を用いてもよい。また、すり板33についても同様に材料を変更してもよい。
さらに、上述の実施形態ではすり板32の中央に高耐磨耗性の中央部材52を配置し、その両側に中央部材52より電気抵抗値が低い右部材51及び左部材53を配置したが、右部材51及び左部材53のいずれか一方だけを配置してもよい。また、すり板33についても同様に右部材51及び左部材53のいずれか一方だけを配置してもよい。この場合、停止区間Cにおいて2つの剛体架線220,230のうち一方だけを配置するとよい。
さらに、上述の実施形態では集電装置2を車両の運行及び蓄電池の充電に用いたが、他の用途に利用してもよい。
また、上述の実施形態では集電装置2に2本の舟体22,23を用いたが、舟体の本数は変更可能である。例えば1本又は4本としてもよい。
1 車体
2 集電装置
10 インバータ(交直変換装置)
11 充放電制御装置
12 補助電源装置
13 駆動モータ(電動機)
14 蓄電池(蓄電装置)
22,23 舟体
32,33 すり板
51 右部材(第2部材)
52 中央部材(第1部材)
53 左部材(第2部材)
100 鉄道車両
200 架線
210 吊架線
213 トロリ線(第1架線)
220,230 剛体架線(第2架線)
510 コンバータ(交直変換装置)
A 架線走行区間(走行区間)
B 架線レス走行区間
C 停止区間

Claims (8)

  1. 架線に接触するすり板と、
    前記すり板を保持する舟体とを備えた鉄道車両用の集電装置であり、
    前記すり板は、鉄道車両の幅方向に並んで配置された第1部材及び第2部材を有し、
    前記第1部材の架線に対する耐磨耗性が前記第2部材の前記架線に対する耐磨耗性より高く、
    前記第2部材の前記架線との電気的接触抵抗値が、前記第1部材の前記架線との電気的接触抵抗値より低いことを特徴とする鉄道車両用の集電装置。
  2. 前記第1部材の主成分がカーボンであり、
    前記第2部材の主成分が銅であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用の集電装置。
  3. 請求項1又は2に記載の集電装置と、
    前記集電装置に接続され且つ交流と直流との間で電力の変換を行う交直変換装置と、
    前記交直変換装置に接続された電動機と、
    前記集電装置に接続された充放電制御装置と、
    前記充放電制御装置に接続された蓄電装置とを備えていることを特徴とする鉄道車両。
  4. 架線に接触するすり板と、前記すり板を保持する舟体とを有する鉄道車両用の集電装置と、鉄道車両が走行する線路の上方に配置される第1架線及び第2架線とを備え、
    前記すり板は、鉄道車両の幅方向に並んで配置された第1部材及び第2部材を有し、
    前記鉄道車両が走行する走行区間には、前記第1部材と接触する位置に前記第1架線が配置され、
    前記鉄道車両が停止する停止区間には、前記第2部材と接触する位置に前記第2架線が配置され、
    前記第1部材の前記第1架線に対する耐磨耗性が前記第2部材の前記第2架線に対する耐磨耗性より高く、
    前記第2部材の前記第2架線との電気的接触抵抗値が、前記第1部材の前記第1架線との電気的接触抵抗値より低いことを特徴とする鉄道車両用の集電システム。
  5. 前記第2架線の剛性が前記第1架線の剛性より高いことを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両用の集電システム。
  6. 前記第2架線の電気抵抗値が前記第1架線の電気抵抗値より低いことを特徴とする請求項4又は5に記載の鉄道車両用の集電システム。
  7. 前記第1部材の主成分がカーボンであり、
    前記第2部材の主成分が銅であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の鉄道車両用の集電システム。
  8. 前記集電装置に接続され且つ交流と直流との間で電力の変換を行う交直変換装置と、
    前記交直変換装置に接続された電動機と、
    前記集電装置に接続された充放電制御装置と、
    前記充放電制御装置に接続された蓄電装置とを有する鉄道車両をさらに備えていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の鉄道車両用の集電システム。
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