(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄に記載した、蓄電装置から電気機器への電力の供給に関して、課題を見出した。以下、具体的に説明する。
近年、一般家庭、オフィスビル、または、工場などの建物に蓄電装置を設け、蓄電装置に充電された電力を電気機器に供給するシステムが検討されている。このシステムでは、例えば、電力系統から供給される余剰電力、または、太陽光などの自然エネルギーを利用した発電システムで生成された電力などが蓄電装置に充電される。
このようなシステムについて、特許文献1には、DC/DCコンバータ、主蓄電装置、および、複数の副蓄電装置を有するシステムが示されている。特許文献1に示されたシステムは、副蓄電装置の切替処理中に、主蓄電装置に対応するコンバータの出力電圧を上げ、副蓄電装置の充放電を停止する。また、特許文献2には、パワーコンディショナと複数の蓄電池との間に切替装置が示されている。特許文献2に示された切替装置は、複数の蓄電池の切替において、電流を抑制する。
しかしながら、切替が開始されてから完了するまでの間、切替元の蓄電装置からも切替先の蓄電装置からも電力が供給されないため、十分な電力が電気機器へ供給されない可能性がある。
特許文献1に示されたシステムは、副蓄電装置の切替処理中に、主蓄電装置に対応するコンバータの出力電圧を上げる。しかし、主蓄電装置の充電状態によっては、十分な電力が電気機器へ供給されない可能性がある。
そこで、本発明の一態様に係る電力供給切替システムは、電気機器に接続される電力制御器と、前記電力制御器、および、第1蓄電装置群の複数の蓄電装置に接続され、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置のうち前記電力制御器に導通する蓄電装置である第1蓄電装置を切り替える第1切替動作を実行する第1切替装置と、前記電力制御器、および、第2蓄電装置群の複数の蓄電装置に接続され、前記第2蓄電装置群の複数の蓄電装置のうち前記電力制御器に導通する蓄電装置である第2蓄電装置を切り替える第2切替動作を実行する第2切替装置と、前記第2切替動作が実行されている途中に、前記第1切替動作が実行されないように、前記第1切替動作の実行を制限する切替制御装置とを備える。
これにより、電力供給切替システムは、一の切替装置が切替動作を実行している期間に、他の切替動作による切替動作が発生することを防止できるので、切替装置間の切替動作中に、電気機器に対して電力供給が不足することを防止できる。その結果、切替動作中に電気機器に対して電力供給が途絶えることなく継続的に電気機器を稼動することが可能である。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記切替制御装置と、前記第2切替装置と通信する通信部とを備え、前記切替制御装置は、前記第2切替装置から前記通信部を介して、前記第2切替動作が実行されることを示す切替信号を受信した場合、前記第1切替動作の実行を制限してもよい。
これにより、一の切替装置は、他の切替装置からの信号に基づいて、他の切替装置と連携することができる。
また、例えば、前記電力制御器は、前記電気機器および前記第1切替装置に接続される第1電力制御装置と、前記電気機器および前記第2切替装置に接続される第2電力制御装置とを備え、前記第1電力制御装置は、前記切替制御装置と、前記第2電力制御装置と通信する第1通信部と、前記第1切替装置と通信する第2通信部とを備え、前記切替制御装置は、前記第2電力制御装置から前記第1通信部を介して、前記第2切替動作が実行されることを示す切替信号を受信した場合、前記第2通信部を介して前記第1切替装置へ、前記第1切替動作の実行を制限するための制限信号を送信してもよい。
これにより、一の切替装置は、電力制御装置間の連携に基づいて、他の切替装置と連携することができる。
また、例えば、前記切替制御装置は、前記電力制御器を制御して、前記第2切替動作の実行中に、前記第1蓄電装置の充放電電力を増加させてもよい。
これにより、電力供給切替システムは、切替によって電力供給可能な蓄電装置の数が減少している間でも、電気機器へ適切に電力を供給することができる。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記第1蓄電装置の充電状態が所定の条件を満たし、かつ、前記第2切替動作が実行中でなく、かつ、前記第1切替装置を含む第1切替装置群から前記電力制御器へ供給されている電力である供給電力が前記第1切替装置群のうち前記第1切替装置を除く第2切替装置群から前記電力制御器へ供給可能な電力範囲内である場合、前記第1切替動作を実行してもよい。
これにより、電力供給切替システムは、切替の際に供給可能な電力が低減するという影響を減らすことができる。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記供給電力が前記電力範囲内でない場合、前記第1切替動作を実行しなくてもよい。
これにより、電力供給切替システムは、切替によって十分な電力が電気機器に供給されなくなることを回避することができる。
また、例えば、前記切替制御装置は、前記供給電力が前記電力範囲内である切替可能時間帯を予測し、前記充電状態が前記所定の条件を満たす切替予定時間を予測し、前記切替予定時間よりも前に前記切替可能時間帯において前記第1切替装置に前記第1切替動作を実行させてもよい。
これにより、電力供給切替システムは、適切なタイミングで切替を実行することができる。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置のデータを取得し、前記第1蓄電装置が前記データに基づいて異常と判定され、かつ、前記第2切替動作が実行中でない場合、前記第1切替動作を実行してもよい。
これにより、切替装置は、他の切替装置で切替動作が実行されておらず、かつ、異常な蓄電装置を利用している場合に、切替動作を実行することができる。これにより、電力供給切替システムは、適切に電力を供給することができる。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置のデータを取得し、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置のうち前記電力制御器に導通していない第3蓄電装置が前記データに基づいて異常と判定された場合、前記第1切替動作において、前記第3蓄電装置への切替を制限してもよい。
これにより、切替装置は、異常な蓄電装置への切替動作を制限することができる。これにより、電力供給切替システムは、適切に電力を供給することができる。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置の1つに対してメンテナンスのための要求信号を受け付け、前記第1蓄電装置に対して前記要求信号が受け付けられ、かつ、前記第2切替動作が実行中でない場合、前記第1切替動作を実行してもよい。
これにより、切替装置は、他の切替装置で切替動作が実行されていない場合、メンテナンスの要求信号に基づいて、切替動作を実行することができる。これにより、電力供給切替システムは、適切に電力を供給することができる。
また、例えば、前記第1切替装置は、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置の1つに対してメンテナンスのための要求信号を受け付け、前記第1蓄電装置群の複数の蓄電装置のうち前記電力制御器に導通していない第4蓄電装置に対して前記要求信号が受け付けられた場合、前記第1切替動作において、前記第4蓄電装置への切替を制限してもよい。
これにより、切替装置は、メンテナンス予定の蓄電装置への切替動作を制限することができる。これにより、電力供給切替システムは、適切に電力を供給することができる。
また、例えば、前記第1蓄電装置群は、互いに異なる第3蓄電装置群と第4蓄電装置群とを含み、前記電力制御器は、前記第1蓄電装置に充放電させるDC/DCコンバータを備え、前記第1切替装置は、前記DC/DCコンバータ、および、前記第3蓄電装置群の複数の蓄電装置に接続され、前記DC/DCコンバータと、前記第3蓄電装置群の複数の蓄電装置のそれぞれとを導通または非導通に切り替える第1補助切替装置と、前記DC/DCコンバータ、および、前記第4蓄電装置群の複数の蓄電装置に接続され、前記DC/DCコンバータと、前記第4蓄電装置群の複数の蓄電装置のそれぞれとを導通または非導通に切り替える第2補助切替装置とを備え、前記切替制御装置は、(i)前記第1補助切替装置を介して、前記DC/DCコンバータと、前記第3蓄電装置群の複数の蓄電装置のうち前記DC/DCコンバータに導通している蓄電装置との間の状態を非導通に切り替え、かつ、(ii)前記第2補助切替装置を介して、前記DC/DCコンバータと、前記第4蓄電装置群の複数の蓄電装置の1つとの間の状態を導通に切り替えることにより、前記第1切替装置に前記第1切替動作を実行させてもよい。
これにより、1つのDC/DCコンバータに接続される複数の切替装置(補助切替装置)が連携して1つの蓄電装置を電力制御器に導通させることができる。これにより、電力供給切替システムは、適切に電力を供給することができる。
また、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を具体的に参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、電力供給切替システムは、蓄電システムと表現される場合がある。電力供給切替システムは、単に、電力供給システムまたは切替システムと表現されてもよい。
また、動作を制限するという表現は、動作が行われない状態に動作を制限するという意味、すなわち、動作が全く行われないように動作を制御するという意味も含む。
また、同じ名称が付された複数の装置または複数のシステムは、互いに対応する複数の装置または複数のシステムを示し、同一または類似の動作を行う。特に、同じ符号が付された複数の構成要素は、基本的に同じ動作を行う。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における電力供給切替システムを示す構成図である。図1に示された電力供給切替システム100は、電力制御器(電力コントローラ)110、切替装置121、122、および、切替制御装置130を備える。また、電力供給切替システム100は、電気機器150、および、蓄電装置群141、142に接続される。蓄電装置群141、142は、それぞれ、複数の蓄電装置を含む。各蓄電装置は、さらに、1以上の蓄電池を備えてもよい。
電力制御器110は、電気機器150に接続される。例えば、電力制御器110は、電力を制御する。電力制御器110は、1以上の電力制御装置を含んでもよい。より具体的には、電力制御装置は、パワーコンディショナである。電気機器150は、例えば家電製品などであって、電力制御器110を介して供給された電力を消費する負荷装置である。
切替装置121は、電力制御器110、および、蓄電装置群141の複数の蓄電装置に接続される。そして、切替装置121は、切替動作を実行する。切替動作は、複数の蓄電装置のうち電力制御器110に導通する蓄電装置を切り替える動作である。より具体的には、切替装置121は、蓄電装置群141の複数の蓄電装置の1つから他の1つへ、電力制御器110に導通する蓄電装置を切り替える。
切替装置122は、電力制御器110、および、蓄電装置群142の複数の蓄電装置に接続される。そして、切替装置122は、切替動作を実行する。切替動作は、上記の通り、複数の蓄電装置のうち電力制御器110に導通する蓄電装置を切り替える動作である。より具体的には、切替装置122は、蓄電装置群142の複数の蓄電装置の1つから他の1つへ、電力制御器110に導通する蓄電装置を切り替える。
切替制御装置130は、切替装置122において切替動作が実行されている途中に、切替装置121において切替動作が実行されないように、切替装置121が切替動作を実行することを制限する。
これにより、電力供給切替システム100において、切替装置121は、切替装置122が切替動作を実行している期間に、切替動作を実行しない。したがって、電力供給切替システム100は、電気機器150へ安定的に電力を供給することができる。
なお、電力供給切替システム100は、図1において、2つの蓄電装置群141、142に接続される2つの切替装置121、122を備えている。しかし、電力供給切替システム100は、3つ以上の蓄電装置群に接続される3つ以上の切替装置を備えてもよい。
また、切替制御装置130は、電力制御器110を制御して、切替装置122が切替動作を実行している間、切替装置121を介して電力制御器110に導通する蓄電装置の充放電電力を増加させてもよい。
また、切替装置121は、次の3つの条件が満たされる場合に、切替動作を実行してもよい。1つ目の条件は、電力制御器110に導通する蓄電装置の充電状態が所定の条件を満たすことである。2つ目の条件は、切替装置122が切替動作の実行中でないことである。3つ目の条件は、切替装置121を含む切替装置群から電力制御器110へ供給されている電力が切替装置121を除く切替装置群から電力制御器110へ供給可能な電力範囲内であることである。
また、切替装置121は、切替装置121を含む切替装置群から電力制御器110へ供給されている電力が切替装置121を除く切替装置群から供給可能な電力範囲内でない場合、切替動作を実行しなくてもよい。
また、切替制御装置130は、さらに、切替装置121を含む切替装置群から電力制御器110へ供給されている電力が切替装置121を除く切替装置群から供給可能な電力範囲内である切替可能時間帯を予測してもよい。切替制御装置130は、さらに、電力制御器110に導通する蓄電装置の充電状態が所定の条件を満たす切替予定時間を予測してもよい。そして、切替制御装置130は、切替予定時間よりも前に、切替可能時間帯において、切替装置121に切替動作を実行させてもよい。
また、切替装置121は、蓄電装置群141の複数の蓄電装置のデータを取得してもよい。そして、取得されたデータに基づいて、電力制御器110に導通している蓄電装置が異常と判定され、かつ、切替装置122が切替動作の実行中でない場合に、切替装置121は切替動作を実行してもよい。
また、取得されたデータに基づいて、電力制御器110に導通していない蓄電装置が異常と判定された場合、切替装置121は、異常と判定された蓄電装置への切替を制限してもよい。
また、切替装置121は、蓄電装置群141の複数の蓄電装置の1つに対してメンテナンスのための要求信号を受け付けてもよい。そして、電力制御器110に導通している蓄電装置に対して要求信号が受け付けられ、切替装置122が切替動作の実行中でない場合、切替装置121は切替動作を実行してもよい。
また、電力制御器110に導通していない蓄電装置に対して要求信号が受け付けられた場合、切替装置121は、要求信号が受け付けられた蓄電装置への切替動作を制限してもよい。
図2は、本実施の形態の第1変形例における電力供給切替システムを示す構成図である。図2に示された電力供給切替システム100Aは、電力制御器110、および、切替装置121A、122を備える。電力供給切替システム100Aの電力制御器110、および、切替装置121A、122は、電力供給切替システム100の電力制御器110、および、切替装置121、122に対応する。
電力供給切替システム100Aの切替装置121Aは、電力供給切替システム100の切替装置121と比較して、切替制御装置130A、および、通信部160を備える。切替装置121Aの切替制御装置130Aは、電力供給切替システム100の切替制御装置130に対応する。通信部160は、切替装置122と通信する。
切替制御装置130Aは、切替装置122から通信部160を介して、切替装置122が切替動作を実行することを示す切替信号を受信した場合、切替装置121Aが切替動作を実行することを制限する。
これにより、切替装置121Aは、切替装置122からの切替信号に基づいて、切替装置122と連携することができる。
図3は、本実施の形態の第2変形例における電力供給切替システムを示す構成図である。図3に示された電力供給切替システム100Bは、電力制御器110B、および、切替装置121、122を備える。電力供給切替システム100Bの電力制御器110B、および、切替装置121、122は、電力供給切替システム100の電力制御器110、および、切替装置121、122に対応する。
電力供給切替システム100Bの電力制御器110Bは、電力供給切替システム100の電力制御器110と比較して、電力制御装置171、172を備える。電力制御装置171は、電気機器150および切替装置121に接続される。電力制御装置172は、電気機器150および切替装置122に接続される。
電力制御装置171は、切替制御装置130B、および、通信部161、162を備える。電力制御装置171の切替制御装置130Bは、電力供給切替システム100の切替制御装置130に対応する。通信部161は、電力制御装置172と通信する。通信部162は、切替装置121と通信する。
切替制御装置130Bは、電力制御装置172から通信部161を介して切替信号を受信した場合、通信部162を介して切替装置121へ制限信号を送信する。ここで、切替信号は、切替装置122が切替動作を実行することを示す信号である。制限信号は、切替装置121が切替動作を実行することを制限するための信号である。
これにより、切替装置121は、電力制御装置171、172の間の連携に基づいて、切替装置122と連携することができる。
図4は、本実施の形態の第3変形例における電力供給切替システムを示す構成図である。図4に示された電力供給切替システム100Cは、電力制御器110C、切替装置121C、122、および、切替制御装置130Cを備える。電力供給切替システム100Cの電力制御器110C、切替装置121C、122、および、切替制御装置130Cは、電力供給切替システム100の電力制御器110、切替装置121、122、および、切替制御装置130に対応する。
電力供給切替システム100Cの電力制御器110Cは、電力供給切替システム100の電力制御器110と比較して、DC/DCコンバータ180を備える。DC/DCコンバータ180は、DC/DCコンバータ180に導通している蓄電装置に充放電させる。
また、電力供給切替システム100Cの切替装置121Cは、電力供給切替システム100の切替装置121と比較して、補助切替装置191、192を備える。
補助切替装置191は、DC/DCコンバータ180、および、蓄電装置群143の複数の蓄電装置に接続される。そして、補助切替装置191は、DC/DCコンバータ180と、蓄電装置群143の複数の蓄電装置のそれぞれとの間の状態(電力経路)を導通または非導通に切り替える。
補助切替装置192は、DC/DCコンバータ180、および、蓄電装置群144の複数の蓄電装置に接続される。そして、補助切替装置192は、DC/DCコンバータ180と、蓄電装置群144の複数の蓄電装置のそれぞれとの間の状態(電力経路)を導通または非導通に切り替える。
蓄電装置群141Cは、蓄電装置群141に対応し、互いに異なる蓄電装置群143、144を含む。
切替制御装置130Cは、補助切替装置191、192を介して、切替装置121Cに切替動作を実行させる。例えば、切替制御装置130Cは、補助切替装置191を介して、DC/DCコンバータ180と、蓄電装置群143の複数の蓄電装置のうちDC/DCコンバータ180に導通している蓄電装置との間の状態を非導通に切り替える。そして、切替制御装置130Cは、補助切替装置192を介して、DC/DCコンバータ180と、蓄電装置群144の複数の蓄電装置の1つとの間の状態を導通に切り替える。
これにより、1つのDC/DCコンバータ180に接続される複数の補助切替装置191、192が連携して1つの蓄電装置をDC/DCコンバータ180に導通させることができる。これにより、電力供給切替システム100Cは、適切に電力を供給することができる。
以下、より具体的な実施の形態を示す。
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図5には、蓄電システム200、電力系統201、負荷装置(電気機器)202、太陽電池(PV)203、電力制御装置204、および、蓄電装置3111…323nが示されている。蓄電システム200は、電力制御装置2071…207n、および、切替装置2211…222n等を備える。電力系統201、負荷装置202、および、電力制御装置204、2071…207nの間は交流配線で接続されている。
各電力制御装置は、例えば、パワーコンディショナである。各電力制御装置は、DC/DCコンバータを有していなくてもよい。つまり、各電力制御装置は、インバータのみを備えてもよい。
電力制御装置204は、インバータ205およびDC/DCコンバータ206を備える。インバータ205は、DC/DCコンバータ206、および、負荷装置202等に接続される。DC/DCコンバータ206は、インバータ205および太陽電池203に接続される。また、図5において、電力制御装置2071…207nは、インバータ2081…208n、および、DC/DCコンバータ2111…212nを備える。
例えば、電力制御装置2071は、インバータ2081およびDC/DCコンバータ2111を備え、電力制御装置207nは、インバータ208nおよびDC/DCコンバータ211n、2121を備える。DC/DCコンバータ2111は、切替装置2211に接続され、DC/DCコンバータ211nは、切替装置221nに接続され、DC/DCコンバータ212nは、切替装置222nに接続される。
また、切替装置2211は蓄電装置3111、3121に接続され、切替装置221nは蓄電装置311n、312nに接続され、切替装置222nは蓄電装置321n、322n、323nに接続される。
各切替装置は、切替装置に接続された複数の蓄電装置のうちの1つを導通状態に切り替え、その他の蓄電装置を非導通状態に切り替える。図5の例では、蓄電装置3111、311n、321nが導通状態の蓄電装置である。
各DC/DCコンバータは、その配下の切替装置および蓄電装置と共に、充放電ストリングを構成する。充放電ストリングは、単にストリングと表現される場合がある。
例えば、DC/DCコンバータ2111、切替装置2211、および、蓄電装置3111、3121は、1つの充放電ストリングを構成する。また、DC/DCコンバータ211n、切替装置221n、および、蓄電装置311n、312nは、1つの充放電ストリングを構成する。また、DC/DCコンバータ212n、切替装置222n、および、蓄電装置321n、322n、323nは、1つの充放電ストリングを構成する。
電力制御装置204、2071…207nは互いに通信し、これらのうち1台(例えば電力制御装置2071)は、各電力制御装置から現在の電力値を取得し、全ての電力値の合計(系統側への出力電力値)を算出する。この1台(例えば電力制御装置2071)は、電力値の合計を複数のストリングに、均等に配分する、または、電池情報に基づいて配分することなどによって、各電力制御装置の目標出力電力値を算出し、各電力制御装置に目標出力電力値を設定する。
そして、各電力制御装置は、設定された目標出力電力値に基づいて、出力電力の制御を行う。
導通状態の蓄電装置は、電力系統201から供給される余剰電力または太陽電池203で生成された電力などで充電される。また、導通状態の蓄電装置は、電力で動作する機器(負荷装置202)に電力を供給するため、放電される。各切替装置は、特許文献2のように、例えば、導通状態の蓄電装置のSOC(満充電容量に対する残容量の比率)が所定の閾値を下回った場合に、導通状態の蓄電装置を非導通状態に切り替え、他の蓄電装置を導通状態に切り替える。
しかし、上記の切替において、充放電が停止する。そのため、同時に2個以上の切替装置が切替を行う場合、負荷装置202への供給電力が低下する。これにより、電力系統201からの買電電力が大きくなったり、電力系統201からの供給電力が契約電力以上になったりする可能性がある。また、停電中に負荷が大きい場合、システム全体が停止する可能性が高い。
そこで、切替装置2211…222nが切替情報(「通常中」(切替なし)、および、「切替中」などの情報)を互いに通信する。例えば、1つの切替装置が、切替動作を行う予定を有する場合に、他の切替装置に「切替中」を送信し、他の切替装置の切替を禁止する。これにより、2個の切替装置が同時に出力を失うことが抑制される。したがって、負荷装置202への電力供給の低下が抑制される。
図6は、本実施の形態における切替装置を示す構成図である。図6に示された切替装置220は、電池情報取得部231、切替判定部232、切替制御部233および切替部234を備える。また、図6に示された切替装置220は、図5に示された切替装置2211…222nに対応する。すなわち、図5に示された切替装置2211…222nは、図6に示された切替装置220と同様の構成要素を備える。
図7は、図6に示された切替部234を示す構成図である。図7に示された切替部234は、DC/DCコンバータ210、および、蓄電装置301、302に接続される。DC/DCコンバータ210は、図5に示されたDC/DCコンバータ2111…212nに対応する。蓄電装置301、302は、蓄電装置3111…323nに対応する。
切替部234は、リレー411、412、421、422等を備える。リレー411、412、421、422は、DC/DCコンバータ210に接続される。リレー412は、抵抗器を介して、蓄電装置301に接続される。リレー422は、抵抗器を介して、蓄電装置302に接続される。図7では、リレー411が閉じられており、蓄電装置301が導通状態である。蓄電装置301を非導通状態に切り替え、蓄電装置302を導通状態に切り替えるための切替動作については、後述する。
図8は、図6に示された切替装置220の動作を示すフローチャートである。図5に示された切替装置2211…222nも、図8に示された動作と同様の動作を行う。
まず、電池情報取得部231は、切替装置220に接続された各蓄電装置と通信し、SOC(充電状態、State Of ChargeまたはState−Of−Chargeとも表現される)などのような、切替判定に用いられるデータを切替装置220に接続された各蓄電装置から収集する(ステップF101)。そして、電池情報取得部231は、収集したデータを切替判定部232へ送信する。
次に、切替判定部232は、他のすべての切替装置から切替情報を取得する(ステップF102)。切替情報は、切替についての情報であり、「切替中」または「通常中」などを示す。切替判定部232は、このタイミングではなく、事前に切替情報を取得してもよい。例えば、他の切替装置は、他の切替装置において切替の状態が変化したタイミングにおいて、切替装置220へ切替情報を送信してもよい。切替判定部232は、切替の状態が変化したタイミングにおいて送信された切替情報を取得してもよい。
そして、切替判定部232は、切替条件(例えば、SOCが所定閾値を下回る)を満たし、かつ、他のすべての切替装置から「通常中」を受信した場合(ステップF103でYes)、他のすべての切替装置に「切替中」を送信する(ステップF104)。その後、切替判定部232は、切替制御部233に切替開始を指示する。
切替制御部233は、リレー411…422をON(導通)またはOFF(非導通)にしたり、切替装置220に接続された電力制御装置に充放電動作を停止または再開させたりすることにより、導通状態の蓄電装置を切り替える(ステップF105)。切替制御部233は、切替が完了した後、切替判定部232に対し、切替完了を通知する。
そして、切替判定部232は、他のすべての切替装置へ「通常中」を送信する(ステップF106)。
図9は、図8に示された切替動作に対応するシーケンス図である。具体的には、図9は、切替装置2211が切替動作を実行する際の切替装置2211、2212、2213の動作を示す。切替装置2211、2212、2213は、互いに同等の構成要素である。
まず、切替装置2211は、他の切替装置2212、2213から、切替情報を受信する。図9の例では、切替装置2211は、他の切替装置2212、2213から、「通常中」を受信する(ステップF102)。
次に、切替装置2211は、切替条件が満たされ、かつ、他の切替装置2212、2213から「通常中」が受信されたか否かを判定する(ステップF103)。
切替装置2211は、切替条件が満たされ、かつ、他の切替装置2212、2213から「通常中」が受信された場合(ステップF103でYes)、「切替中」を他の切替装置2212、2213へ送信する(ステップF104)。
その後、切替装置2211は、切替処理を開始する(ステップF105)。そして、切替処理の完了後に、切替装置2211は、「通常中」を他の切替装置2212、2213へ送信する(ステップF106)。これにより、他の切替装置2212、2213が切替動作を実行している途中に、切替装置2211が切替動作を実行することを回避することができる。
図10は、図6に示された切替装置220が実行する切替動作を示すフローチャートである。図10に示された切替動作は、図8に示された切替処理(ステップF105)に対応する。また、具体的には、図10は、蓄電装置301から蓄電装置302へ、導通状態の蓄電装置を切り替えるための切替動作を示す。
まず、切替の開始前において、切替装置220に接続された電力制御装置が充放電動作を行っており、切替部234のリレー411がONにされ、切替部234のリレー412、421、422がOFFにされている。
次に、切替動作において、切替制御部233は、切替装置220に接続された電力制御装置に充放電動作を停止させる。これにより、電力制御装置は充放電動作を停止する(ステップF201)。
次に、切替制御部233は、リレー412をONにする(ステップF202)。次に、切替制御部233は、リレー411をOFFにする(ステップF203)。次に、切替制御部233は、リレー422をONにする(ステップF204)。次に、切替制御部233は、リレー412をOFFにする(ステップF205)。次に、切替制御部233は、リレー421をONにする(ステップF206)。次に、切替制御部233は、リレー422をOFFにする(ステップF207)。
最後に、切替制御部233は、電力制御装置に充放電動作を開始させる。これにより、電力制御装置は充放電動作を再開する(ステップF208)。このような切替動作によって、電位差による突入電流が抑制される。このような切替動作には、10秒程度の時間がかかることが想定される。
なお、電力制御装置は、電流制限を行うことで充放電を停止し、電流制限を解除することで充放電を再開してもよい。また、切替装置222nのように3個以上の蓄電装置が切替可能である場合、予め定められた番号順(例えば、321n、322n、323nの順)のローテーションによって、3個以上の蓄電装置のうち導通対象の蓄電装置が選択されてもよい。
また、図5の蓄電装置3111…323nのそれぞれは、1個の蓄電池を有する蓄電装置に限られない。例えば、蓄電装置3111…323nのそれぞれは、直並列に接続された複数個の蓄電池を有してもよいし、それぞれが複数個の蓄電池で構成され、直並列に接続された複数個の蓄電池パックを有していてもよい。
切替装置220の電池情報取得部231、切替判定部232および切替制御部233は、実施の形態1の切替制御装置130に対応する。すなわち、本実施の形態の切替制御装置は、切替装置2211…222nのそれぞれに含まれる。しかし、切替制御装置は、電力制御装置、または、後述の統合コントローラにおいて実装されてもよい。
図11は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)の変形例を示す構成図である。図11に示された蓄電システム200A、電力制御装置207A1…207An、および、切替装置221A1…222Anは、図5に示された蓄電システム200、電力制御装置2071…207n、および、切替装置2211…222nに対応する。本変形例では、切替装置221A1…222Anは、電力制御装置207A1…207Anを経由して切替情報を送信または受信してもよい。
電力制御装置207A1…207Anが、切替動作を実行するか否かを判定し、切替装置221A1…222Anの各リレーをON(導通)またはOFF(非導通)にしてもよい。また、切替動作が同時に実行されないように、電力制御装置207A1…207Anのうち特定の電力制御装置、または、統合コントローラなどが、切替動作を監視してもよいし、切替装置221A1…222Anへ切替動作の指示を出してもよい。
なお、上記の複数の例において、ストリング数が多く、複数個の切替装置が同時に切替動作を実行しても、蓄電システムが十分な電力を供給できる場合がある。そのため、蓄電システムは、同時に切替可能な切替装置の数に制限を設定してもよい。そして、蓄電システムは、設定された範囲において複数個の切替装置が同時に切替動作を実行することができるように、各切替装置を制御してもよい。
また、蓄電装置が異常である場合に切替が実行されてもよいし、異常な蓄電装置への切替が制限されてもよい。
例えば、図5において、切替装置2211は、導通状態の蓄電装置3111が異常(過電流異常、過電圧異常、または、高温異常など)と判定した場合、強制的に蓄電装置3121への切替を開始する。切替完了後に蓄電装置3111の異常が解消された場合、切替装置2211は、蓄電装置3111への切替を実行してもよい。また、切替装置2211は、非導通状態の蓄電装置3121が異常と判定した場合、蓄電装置3121への切替が実行されないように、蓄電装置3121への切替を制限してもよい。
また、メンテナンス指示が受け付けられた場合に切替が実行されてもよいし、メンテナンス指示が受け付けられた蓄電装置への切替が制限されてもよい。メンテナンス指示は、例えば、蓄電装置の修理または交換のための指示であり、メンテナンスモードで運転を実行するための指示である。
例えば、図5において、ユーザーが、導通状態の蓄電装置3111を交換する際、操作画面に蓄電装置3111のメンテナンス開始指示を入力する。そして、交換後、ユーザーは、操作画面にメンテナンス終了指示を入力する。操作画面を介してメンテナンス開始指示を受信した切替装置2211は、強制的に蓄電装置3111から蓄電装置3121への切替を開始する。切替装置2211は、切替完了後にメンテナンス終了指示を受信するまで、蓄電装置3111への切替が実行されないように、3111への切替を制限する。
また、例えば、ユーザーが、非導通状態の蓄電装置3121を交換する際、操作画面に蓄電装置3121のメンテナンス開始指示を入力する。そして、交換後、ユーザーは、操作画面にメンテナンス終了指示を入力する。メンテナンス開始指示を受信した切替装置2211は、操作画面を介してメンテナンス終了指示を受信するまで、蓄電装置3121への切替を制限する。
上記の動作に基づいて、異常と判定された蓄電装置、または、メンテナンス指示が受け付けられた蓄電装置への切替動作が制限される。
(実施の形態3)
実施の形態2では、複数の切替装置が、切替情報を送受信し、同時に切替を実行しないように動作する。しかしながら、切替中のストリングは、充放電できない。そのため、切替中において蓄電システム全体の出力電力は小さくなる。これに対して、本実施の形態では、複数の切替装置が、同時に切替を実行しないように動作するだけでなく、各電力制御装置が出力電力を変更する。
図12は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図12に示された蓄電システム200B、電力制御装置207B1…207Bn、および、切替装置221B1…222Bnは、図5に示された蓄電システム200、電力制御装置2071…207n、および、切替装置2211…222nに対応する。また、図5に示された蓄電システム200と比較して、図12に示された蓄電システム200Bは、追加の構成要素として、統合コントローラ500を備える。
統合コントローラ500は、電力制御装置207B1…207Bnから切替情報を収集する。切替情報は、切替装置221B1…222Bnの切替動作についての情報であり、例えば、「通常中」(切替なし)、「切替要求」および「切替中」などの情報である。
統合コントローラ500は、切替装置221B1…222Bnのうち、1つの切替装置が切替動作を行う予定を有する場合、他の切替装置へ「切替中」を送信し、他の切替装置における切替動作を禁止する。そして、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれの出力電力を変更する。これにより、切替中のストリングが充放電できない電力に相当する電力を、他のストリングが充放電する。そのため、負荷装置202へ供給される電力の低下が抑制される。
図13は、図12に示された統合コントローラ500を示す構成図である。統合コントローラ500は、切替情報取得部501、切替装置選択部502、電力値取得部503、全体電力値算出部504、および、目標電力値算出部505を備える。
図14は、図13に示された統合コントローラ500の動作を示すフローチャートである。
まず、切替情報取得部501は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから切替情報を取得する。より具体的には、切替情報取得部501は、切替装置221B1…222Bnから電力制御装置207B1…207Bnを介して切替情報を取得する。そして、切替情報取得部501は、切替装置選択部502へ切替情報を送信する(ステップF301)。
次に、切替装置選択部502は、切替装置を選択して、切替の指示を行う(ステップF302)。具体的には、切替装置選択部502は、「切替要求」を送信した切替装置へ「切替指示」を送信する。ただし、「切替中」を送信した他の切替装置が存在する場合、「切替中」を送信した他の切替装置が切替動作を完了した後(通常状態への遷移後)、切替装置選択部502は、「切替要求」を送信した切替装置へ「切替指示」を送信する。
切替装置選択部502は、複数の切替装置から「切替要求」を受信した場合、複数の切替装置において切替動作が順次行われるように、「切替要求」の受信順に複数の切替装置へ「切替指示」を送信する。また、切替装置選択部502は、目標電力値算出部505へ切替情報および切替指示情報を送信する。切替指示情報は、どの切替装置に「切替指示」を送信したかを示す情報である。切替情報は、切替指示情報を含んでもよい。
次に、電力値取得部503は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから現在の出力電力値を取得し、取得された現在の出力電力値を全体電力値算出部504へ送信する(ステップF303)。
次に、全体電力値算出部504は、式1に基づいて、電力制御装置207B1…207Bnから出力される電力の合計値である全体目標電力値Pbを算出する(ステップF304)。なお、負のPbは充電を示す。目標買電電力値Paは、電力系統201から供給される電力の値に対応し、スケジュールなどに基づいてユーザーによって指定される。負のPaは売電を示す。負荷電力値PLは、負荷装置202へ供給される電力の値に対応する。発電電力値PCは、太陽電池203から供給される電力の値に対応する。
Pb=PL−Pa−Pc…(式1)
次に、目標電力値算出部505は、全体目標電力値Pb、切替情報および切替指示情報に基づいて、全体目標電力値Pbを電力制御装置207B1…207Bnに配分し、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれに目標電力値を設定する(ステップF305)。すなわち、目標電力値算出部505は、充放電ストリング毎に目標電力値を算出する。
ここで、目標電力値算出部505は、「切替中」を送信した切替装置、もしくは、「切替指示」が送信された切替装置を含む充放電ストリングは、算出対象の充放電ストリングから除外する。そして、目標電力値算出部505は、全体目標電力値Pbを算出対象の充放電ストリングに、均等に配分する、または、電池情報に基づいて配分するなどによって、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれの目標電力値を算出する。
なお、電力制御装置207B1…207Bnは、統合コントローラ500で算出された目標電力値に基づいて、出力電力を制御する。また、電力制御装置207B1…207Bnは、切替装置221B1…222Bnから取得した切替情報、および、センサから取得した電力値を統合コントローラ500へ送信する。また、電力制御装置207B1…207Bnは、切替装置221B1…222Bnに統合コントローラ500からの「切替指示」を送信する。
図15は、本実施の形態における切替装置を示す構成図である。図15に示された切替装置220Bは、電池情報取得部231、切替判定部232B、切替制御部233B、および、切替部234を備える。
また、図15に示された切替装置220B、電池情報取得部231、切替判定部232B、切替制御部233B、および、切替部234は、図6に示された切替装置220、電池情報取得部231、切替判定部232、切替制御部233、および、切替部234に対応する。また、図15に示された切替装置220Bは、図12に示された切替装置221B1…222Bnに対応する。すなわち、図12に示された切替装置221B1…222Bnは、図12に示された切替装置220Bと同様の構成要素を備える。
図16は、図15に示された切替装置220Bの動作を示すフローチャートである。図12に示された切替装置221B1…222Bnも、図16に示された動作と同様の動作を行う。
まず、電池情報取得部231は、切替装置220Bに接続された各蓄電装置と通信し、SOCなどのような、切替判定に用いられるデータを切替装置220Bに接続された各蓄電装置から収集する(ステップF401)。そして、電池情報取得部231は、収集したデータを切替判定部232Bへ送信する。
次に、切替判定部232Bは、切替条件(例えば、SOCが所定閾値を下回る)を満たす場合(ステップF402でYes)、切替装置220Bに接続された電力制御装置へ「切替要求」を送信する(ステップF403)。その後、切替判定部232Bは、電力制御装置から「切替指示」を受信した場合(ステップF404でYes)、「切替中」を電力制御装置へ送信する(ステップF405)。そして、切替判定部232Bは、切替制御部233Bに切替開始を指示する。
切替制御部233Bは、図10に示された動作に従って、各リレーをON(導通)またはOFF(非導通)にしたり、切替装置220Bに接続されたDC/DCコンバータの充放電動作を停止または再開させたりすることにより、切替を制御する(ステップF406)。切替が完了した後、切替制御部233Bは、切替判定部232Bに対し、切替完了を通知する。
そして、切替判定部232Bは、切替装置220Bに接続された電力制御装置へ「通常中」を送信する。(ステップF407)。
なお、電力制御装置は、電流制限を行うことで充放電を停止し、電流制限を解除することで充放電を再開してもよい。
本実施の形態の統合コントローラ500は、実施の形態1の切替制御装置130に対応する。すなわち、本実施の形態の切替制御装置は、統合コントローラ500に含まれる。統合コントローラ500の一部または全部は、電力制御装置207B1…207Bnにおいて実装されてもよい。その場合、電力制御装置207B1…207Bnは、互いに通信して、各目標電力値を算出してもよい。また、電力制御装置207B1…207Bnが切替装置221B1…222Bnの代わりに各リレーを制御してもよい。
また、ストリング数が多く、複数個の切替装置が同時に切替動作を実行しても、蓄電システム200Bが十分な電力を供給できる場合がある。そのため、蓄電システム200Bは、同時に切替可能な切替装置の数に制限を設定してもよい。そして、蓄電システム200Bは、設定された範囲において複数個の切替装置が同時に切替動作を実行することができるように、各切替装置を制御してもよい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、複数の切替装置は、同時に切替を実行しない。本実施の形態では、さらに、全体の目標出力電力値に基づいて切替タイミングが変更される。
図17は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図17に示された蓄電システム200Cは、統合コントローラ500Cを備える。本実施の形態における統合コントローラ500Cの構成および動作が、実施の形態3における統合コントローラ500の構成および動作と異なる。その他は、実施の形態3と同様である。
統合コントローラ500Cは、切替装置221B1…222Bnから電力制御装置207B1…207Bnを介して切替情報を収集する。そして、統合コントローラ500Cは、切替装置221B1…222Bnのうち、1つの切替装置が切替動作を行う予定を有する場合、全体の目標出力電力値が所定値以下であるタイミングで、切替装置に切替動作を開始させる。統合コントローラ500Cは、目標出力電力値が所定値よりも大きいタイミングで、切替装置に切替動作を開始させない。
図18は、図17に示された統合コントローラ500Cを示す構成図である。統合コントローラ500Cは、切替情報取得部501、電力値取得部503、全体電力値算出部504、電力範囲取得部506、および、切替タイミング変更部507を備える。図18に示された切替情報取得部501、電力値取得部503、および、全体電力値算出部504は、図13に示された切替情報取得部501、電力値取得部503、および、全体電力値算出部504に対応する。
図19は、図18に示された統合コントローラ500Cの動作を示すフローチャートである。
まず、切替情報取得部501は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから切替情報を取得する。より具体的には、切替情報取得部501は、切替装置221B1…222Bnから電力制御装置207B1…207Bnを介して切替情報を取得する(ステップF501)。そして、切替情報取得部501は、切替タイミング変更部507へ切替情報を送信する。
次に、電力値取得部503は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから現在の出力電力値を取得し、取得された現在の出力電力値を全体電力値算出部504へ送信する(ステップF502)。
次に、全体電力値算出部504は、式1に基づいて、電力制御装置207B1…207Bnから出力される電力の合計値である全体目標電力値Pbを算出する(ステップF503)。全体電力値算出部504は、算出された全体目標電力値Pbを切替タイミング変更部507へ送信する。
次に、電力範囲取得部506は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから、充放電ストリングが出力することが可能な電力範囲を取得する(ステップF504)。そして、電力範囲取得部506は、取得した電力範囲を切替タイミング変更部507へ送信する。例えば、電力範囲は、充放電ストリングにおける導通状態の蓄電装置の出力可能な電力範囲、および、充放電ストリングに対応する電力制御装置の定格電力値などから算出される。
切替タイミング変更部507は、切替予定を有する切替装置を含むストリングが充放電動作を停止した場合でも、他のストリングで出力可能な電力の合計値PSが、全体目標電力値Pbに対して十分な余裕を有するか否かを判定する。余裕分に対応する電力値Pαは、設定可能な値でもよい。
そして、以下の式2が満たされる場合、切替タイミング変更部507は、合計値PSが余裕を有すると判定し、「切替指示」を送信する。一方、式2が満たされない場合、切替タイミング変更部507は、合計値PSが余裕を有していないと判定し、「切替指示」を送信しない。すなわち、切替タイミング変更部507は、切替動作を禁止する。これにより、切替タイミング変更部507は、出力可能な電力の合計値PSが全体目標電力値Pbに対して十分余裕を有するタイミングに切替動作が実行されるように、切替タイミングを変更する(ステップF505)。
Pb<PS+Pα…(式2)
切替情報取得部501が複数の切替装置から「切替要求」を受信した場合、切替タイミング変更部507は、受信順に式2が満たされるか否かを判定する。そして、式2が満たされる場合、切替タイミング変更部507は、「切替指示」を送信する。
なお、本実施の形態における統合コントローラ500Cは、実施の形態3における統合コントローラ500の目標電力値算出部505を備えてもよい。そして、実施の形態3における統合コントローラ500と同様に、統合コントローラ500Cは、各電力制御装置の出力電力を変更してもよい。
本実施の形態の統合コントローラ500Cは、切替制御装置130に対応する。すなわち、本実施の形態の切替制御装置は、統合コントローラ500Cに含まれる。統合コントローラ500Cの一部または全部は、電力制御装置207B1…207Bnにおいて実装されてもよい。その場合、電力制御装置207B1…207Bnは、互いに通信して、切替タイミングを変更してもよい。また、電力制御装置207B1…207Bnが切替装置221B1…222Bnの代わりに、各リレーを制御してもよい。
また、ストリング数が多く、複数個の切替装置が同時に切替動作を実行しても、蓄電システム200Cが十分な電力を供給できる場合がある。そのため、蓄電システム200Cは、同時に切替可能な切替装置の数に制限を設定してもよい。そして、蓄電システム200Cは、設定された範囲において複数個の切替装置が同時に切替動作を実行することができるように、各切替装置を制御してもよい。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態4と同様に、複数の切替装置は、同時に切替を実行しない。本実施の形態では、さらに、経時的に推移する全体の出力電力値を予測して、切替タイミングが変更される。
図20は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図20に示された蓄電システム200Dは、統合コントローラ500Dを備える。本実施の形態における統合コントローラ500Dの構成および動作が、実施の形態4における統合コントローラ500Cの構成および動作と異なる。その他は、実施の形態4と同様である。
統合コントローラ500Dは、切替装置221B1…222Bnから電力制御装置207B1…207Bnを介して切替情報を収集する。そして、統合コントローラ500Dは、切替装置221B1…222Bnのうち、1つの切替装置が切替動作を行う予定を有する場合、目標出力電力値が所定値以下であることが予測される時間帯に、切替装置に切替動作を開始させる。
図21は、図20に示された統合コントローラ500Dを示す構成図である。統合コントローラ500Dは、電力値取得部503、電力範囲取得部506、切替タイミング変更部507D、全体目標電力値予測部508、個別目標電力値予測部509、電池情報取得部510、および、切替時刻算出部511を備える。
図21に示された電力値取得部503、電力範囲取得部506、および、切替タイミング変更部507Dは、図18に示された電力値取得部503、電力範囲取得部506、および、切替タイミング変更部507に対応する。
図22は、図21に示された統合コントローラ500Dの動作を示すフローチャートである。
まず、電力値取得部503は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから現在の出力電力値を取得する(ステップF601)。そして、電力値取得部503は、取得された現在の出力電力値を全体目標電力値予測部508へ送信する。
次に、全体目標電力値予測部508は、式1に基づいて、電力制御装置207B1…207Bnから出力される電力の合計値である全体目標電力値Pbを算出する。そして、全体目標電力値予測部508は、例えば時間毎に、全体目標電力値を学習する。全体目標電力値予測部508は、学習された全体目標電力値に基づいて、経時的に推移する全体目標電力値Pb(t)を予測する(ステップF602)。そして、全体目標電力値予測部508は、予測された全体目標電力値Pb(t)を個別目標電力値予測部509へ送信する。
次に、個別目標電力値予測部509は、経時的に推移する全体目標電力値Pb(t)を複数のストリングに配分し、ストリング毎に経時的に推移する個別目標電力値Bn(t)を予測する(ステップF603)。個別目標電力値予測部509は、全体目標電力値Pb(t)を複数のストリングに対して、均等に配分してもよいし、電池情報に基づいて配分してもよい。
次に、電池情報取得部510は、各蓄電装置からSOCなどの電池情報を取得する。そして、電池情報取得部510は、切替時刻算出部511へ電池情報を送信する(ステップF604)。
次に、切替時刻算出部511は、式3に基づいて、導通状態の蓄電装置のSOC(%)の変化を予測し、切替条件(SOCが所定の下限値以下、または、SOCが所定の上限値以上など)が満たされる時間(切替予定時刻と呼ぶ)を予測する(ステップF605)。所定の下限値、および、所定の上限値は、ユーザーにより画面などを介して設定可能でもよい。
SOCn(t)=SOCn(0)−
(Bn(t)×100×t)/(FCCn×3600)…(式3)
ここで、tは、現在時刻からの時間(秒)を示す。SOCn(t)は、時刻tにおける対象蓄電装置のSOCを示す。SOCn(0)は、現在時刻の対象蓄電装置のSOCを示す。FCCnは、対象蓄電装置の満充電容量(Wh)を示す。
次に、電力範囲取得部506は、電力制御装置207B1…207Bnのそれぞれから、充放電ストリングが出力することが可能な電力範囲を取得する(ステップF606)。そして、電力範囲取得部506は、取得した電力範囲を切替タイミング変更部507Dへ送信する。例えば、電力制限は、充放電ストリングにおける導通状態の蓄電装置の出力可能な電力範囲、および、充放電ストリングに対応する電力制御装置の定格電力値などから算出される。
切替タイミング変更部507Dは、切替動作を行うストリングが切替予定時刻に充放電を停止した場合、他のストリングで出力可能な電力の合計値PS(t)が全体目標電力値Pb(t)に対して十分な余裕を有するか否かを判定する。
切替予定時刻において式4が満たされる場合、切替タイミング変更部507Dは、合計値PS(t)が全体目標電力値Pb(t)に対して余裕を有すると判定し、式4が満たされる時刻に「切替指示」を送信する。切替予定時刻において式4が満たされない場合、切替タイミング変更部507Dは、切替予定時刻より前、かつ、式4を満たす時刻を算出し、算出された時刻に切替予定時刻を変更する(ステップF607)。
Pb(t)<PS(t)−Pα…(式4)
図23は、本実施の形態における切替予定時刻の変更を示す図である。変更前の切替予定時刻において、SOCが下限を下回る。しかし、変更前の切替予定時刻では、全体の充放電量を他のストリングで十分に補うことが困難である。そこで、統合コントローラ500Dは、全体の充放電量を他のストリングで十分に補うことが可能な時間帯に、切替予定時刻を変更する。これにより、統合コントローラ500Dは、適切な時間帯において、切替装置に切替動作を実行させることができる。
なお、本実施の形態の統合コントローラ500Dは、切替制御装置130に対応する。すなわち、本実施の形態の切替制御装置は、統合コントローラ500Dに含まれる。
統合コントローラ500Dの一部または全部は、電力制御装置207B1…207Bnにおいて実装されてもよい。その場合、電力制御装置207B1…207Bnは、互いに通信して、経時的に推移する全体の出力電力値を予測して、切替タイミングを変更してもよい。また、電力制御装置207B1…207Bnが切替装置221B1…222Bnの代わりに各リレーを制御してもよい。
また、ストリング数が多く、複数個の切替装置が同時に切替動作を実行しても、蓄電システム200Dが十分な電力を供給可能と予測される場合がある。このような場合、複数個の切替装置が同時に切替動作を実行してもよい。
(実施の形態6)
本実施の形態では、1つのDC/DCコンバータにされた複数の切替装置が連携して動作する。
図24は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図24に示された蓄電システム200E、および、電力制御装置207Enは、図5に示された蓄電システム200、および、電力制御装置207nに対応する。また、図24に示された切替装置221E1…223Enは、図5に示された切替装置2211…222nに対応する。また、図5に示された蓄電システム200と比較して、図24に示された蓄電システム200Eは、切替管理コントローラ600を備える。
また、本実施の形態では、電力制御装置207EnのDC/DCコンバータ211nに切替装置221En…223Enが接続される。切替装置221Enに、蓄電装置311n、312nが接続される。切替装置222Enに、蓄電装置321n、322nが接続される。切替装置223Enに、蓄電装置331n、332nが接続される。
切替管理コントローラ600は、切替装置221E1…223Enと通信する。また、切替管理コントローラ600は、蓄電装置311n…332nのうち、DC/DCコンバータ211nに導通する1個の蓄電装置を選択し、切替装置221En…223Enへ、各リレーをON(導通)またはOFF(非導通)にするための指示を送信する。図24では、蓄電装置311nに対応するリレーがONにされている。
図25は、図24に示された切替管理コントローラ600を示す構成図である。切替管理コントローラ600は、切替情報取得部601、および、導通蓄電装置選択部602を備える。
図26は、図25に示された切替管理コントローラ600の動作を示すフローチャートである。
まず、切替情報取得部601は、DC/DCコンバータ211nに接続され切替管理コントローラ600によって管理される切替装置221En…223Enと通信する。ここでは、切替装置221En…223Enを管理対象の切替装置(管理対象切替装置)と呼ぶ場合がある。切替装置221En…223Enは、実施の形態1の補助切替装置191、192に対応する。切替情報取得部601は、切替装置221En…223Enから切替情報を取得する(ステップF701)。
また、切替情報取得部601は、別のDC/DCコンバータ2111に接続された他の切替装置221E1と通信する。切替情報取得部601は、別のDC/DCコンバータ2111に対応する別の切替管理コントローラと通信してもよい。そして、切替情報取得部601は、他の切替装置221E1から切替情報を取得する(ステップF701)。
管理対象の切替装置221En…223Enから取得される切替情報と、他の切替装置221E1から取得される切替情報とは、互いに異なる特性を有していてもよい。例えば、管理対象以外の他の切替装置221E1から取得される切替情報は、「切替中」または「通常中」を示す。一方、管理対象の切替装置221En…223Enから取得される切替情報は、「切替中」、「通常中」または「切替要求」を示す。切替情報取得部601は、取得した切替情報を導通蓄電装置選択部602へ送信する。
導通蓄電装置選択部602は、管理対象以外の他の切替装置221E1から「切替中」を受信した場合、切替が実行されないように切替を制限する(ステップF702)。
導通蓄電装置選択部602は、他の切替装置221E1から「切替中」を受信しなかった場合、導通蓄電装置選択部602は、管理対象の切替装置221En…223Enから「切替要求」を受信したか否かを判定する(ステップF703)。導通蓄電装置選択部602は、管理対象の切替装置221En…223Enから「切替要求」を受信した場合、他の切替装置221E1へ「切替中」を送信する(ステップF704)。
また、この場合、導通蓄電装置選択部602は、管理対象の切替装置221En…223Enのうち、次の導通対象の1個の蓄電装置を選択する(ステップF705)。選択方法として、予め定められた番号の順序に従ってローテーションを行う方法がある。
そして、導通蓄電装置選択部602は、導通状態の蓄電装置に接続された切替装置へ、「非導通指示」を送信する(ステップF706)。非導通処理の完了後、導通蓄電装置選択部602は、次の導通対象の蓄電装置に接続された切替装置へ、「導通指示」を送信する(ステップF707、F708)。導通処理の完了後、導通蓄電装置選択部602は、他の切替装置221E1へ「通常中」を送信する(ステップF709、F710)。
図27は、本実施の形態における管理対象の切替装置を示す構成図である。図27に示された切替装置220Eは、電池情報取得部231、切替判定部232E、切替部234、導通制御部241、および、非導通制御部242を備える。
また、図27に示された切替装置220E、電池情報取得部231、切替判定部232E、および、切替部234は、図6に示された切替装置220、電池情報取得部231、切替判定部232、および、切替部234に対応する。図27に示された導通制御部241および非導通制御部242は、図6に示された切替制御部233に対応する。
また、図27に示された切替装置220Eは、図24に示された切替装置221En…222Enに対応する。すなわち、図24に示された切替装置221En…222Enは、図27に示された切替装置220Eと同様の構成要素を備える。図24に示された切替装置221E1も、図27に示された切替装置220Eと同様の構成要素を備えてもよい。
図28は、図27に示された切替装置220Eの動作を示すフローチャートである。図24に示された切替装置221En…222Enは、図28に示された動作と同様の動作を行う。また、切替装置221E1も、図28に示された動作と同様の動作を行ってもよい。
まず、電池情報取得部231は、切替装置220Eに接続された各蓄電装置と通信し、SOCなどのような切替判定に用いられるデータを切替装置220Eに接続された各蓄電装置から切替装置220Eに接続された各蓄電装置から収集する(ステップF801)。電池情報取得部231は、収集したデータを切替判定部232Eへ送信する。
次に、切替判定部232Eは、切替条件(例えば、SOCが所定閾値を下回る)が満たされる場合(ステップF802でYes)、「切替要求」を切替管理コントローラ600へ送信する(ステップF803)。
その後、切替判定部232Eは、切替管理コントローラ600から「非導通指示」を受信した場合(ステップF804でYes)、「切替中」を切替管理コントローラ600へ送信する(ステップF805)。そして、切替判定部232Eは、非導通制御部242に非導通処理を実行させる(ステップF806)。非導通処理の完了後、切替判定部232Eは、切替管理コントローラ600へ「通常中」を送信する(ステップF807)。
また、切替判定部232Eは、切替管理コントローラ600から「導通指示」を受信した場合(ステップF808でYes)、「切替中」を切替管理コントローラ600へ送信する(ステップF809)。そして、切替判定部232Eは、導通制御部241に導通処理を実行させる(ステップF810)。導通処理の完了後、切替判定部232Eは、切替管理コントローラ600へ「通常中」を送信する(ステップF811)。
図29は、図28に示された非導通処理を示すフローチャートである。まず、非導通制御部242は、切替装置220Eに接続された電力制御装置におけるDC/DCコンバータに充放電動作を停止させる(ステップF901)。次に、非導通制御部242は、導通状態の蓄電装置に対応するリレーをOFF(非導通)にする(ステップF902)。
そして、非導通制御部242は、電力制御装置におけるDC/DCコンバータに充放電動作を再開させる(ステップF903)。
その後、非導通制御部242は、切替判定部232Eに非導通処理完了を通知する。
図30は、図28に示された導通処理を示すフローチャートである。まず、導通制御部241は、切替装置220Eに接続された電力制御装置におけるDC/DCコンバータに充放電動作を停止させる(ステップF1001)。
次に、導通制御部241は、導通対象の蓄電装置に対応するリレー(抵抗側)をON(導通)にする(ステップF1002)。さらに、導通制御部241は、導通対象の蓄電装置に対応するリレー(抵抗側の反対側)をON(導通)にし、導通対象の蓄電装置に対応するリレー(抵抗側)をOFF(非導通)にする(ステップF1003、F1004)。そして、導通制御部241は、電力制御装置におけるDC/DCコンバータに充放電を再開させる(ステップF1005)。
その後、導通制御部241は、切替判定部232Eに導通処理完了を通知する。
なお、本実施の形態では、新たに切替管理コントローラ600が追加されている。切替管理コントローラ600は、新たな構成要素として追加されなくてもよい。切替管理コントローラ600の代わりに、例えば、1つの切替装置221Enが、切替装置222En、223Enと通信し、管理対象の切替装置221En…223Enの切替動作を制御してもよい。あるいは、実施の形態3の統合コントローラ500、または、電力制御装置207En等が、管理対象の切替装置221En…223Enの切替動作を制御してもよい。
(実施の形態7)
本実施の形態は実施の形態6と類似するが、本実施の形態における複数の切替装置の接続形態は、実施の形態6における複数の切替装置の接続形態と異なる。
図31は、本実施の形態における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図31に示された蓄電システム200Fは、図24に示された蓄電システム200Eに対応する。図31には、図24に示された構成要素と同様の構成要素が示されている。これらは、図24に示された構成要素と同様に動作する。
図31の例では、電力制御装置207EnのDC/DCコンバータ211nに切替装置221Enが接続される。切替装置221Enに蓄電装置311nおよび切替装置222Enが接続される。切替装置222Enに蓄電装置321nおよび切替装置223Enが接続される。切替装置223Enに蓄電装置331n、332nが接続される。
切替管理コントローラ600は、切替装置221En…223Enと通信する。また、切替管理コントローラ600は、蓄電装置311n…332nの中から、DC/DCコンバータ211nに導通する1個の蓄電装置を選択する。また、切替管理コントローラ600は、切替装置221En…223Enに蓄電装置311n…332nに対応するリレーの導通または非導通を制御する。図31では、蓄電装置332nとDC/DCコンバータ211nとが導通するように、各リレーが制御されている。
切替管理コントローラ600の動作は、実施の形態6と同様である。切替管理コントローラ600は、1個の蓄電装置がDC/DCコンバータ211nに導通するように、管理対象の切替装置221En…223Enに対し、各蓄電装置に対応するリレーの導通または非導通を制御する。
例えば、蓄電装置311nから蓄電装置332nへの切替動作において、切替管理コントローラ600は、切替装置221Enを介して、蓄電装置311nとDC/DCコンバータ211nとの間のリレーをOFF(非導通)にする。その後、切替管理コントローラ600は、切替装置221En…223Enを介して、蓄電装置332nとDC/DCコンバータ211nとの間の各リレーをON(導通)にする。
なお、本実施の形態の蓄電システム200Fは、切替管理コントローラ600を備える。しかし、蓄電システム200Fは、切替管理コントローラ600を備えていなくてもよい。切替管理コントローラ600の代わりに、例えば、1つの切替装置221Enが、切替装置222En、223Enと通信し、管理対象の切替装置221En…223Enの切替動作を制御してもよい。
あるいは、実施の形態3の統合コントローラ500、または、電力制御装置207En等が、管理対象の切替装置221En…223Enの切替動作を制御してもよい。
図32は、本実施の形態の第1変形例における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図32に示された蓄電システム200Gは、図31に示された蓄電システム200Fに対応する。
図32では、切替装置221Enに切替装置222En、223Enが接続されている。切替装置222Enに蓄電装置311n、312nが接続されている。切替装置223Enに蓄電装置321n、322nが接続されている。そして、蓄電装置311nとDC/DCコンバータ211nとが導通するように、その間の各リレーがONにされている。
図33は、本実施の形態の第2変形例における蓄電システム(電力供給切替システム)を示す構成図である。図33に示された蓄電システム200Hは、図31に示された蓄電システム200Fに対応する。また、蓄電システム200Hでは、本実施の形態の蓄電システム200Fの接続構成と実施の形態6の蓄電システム200Eの接続構成とが組み合わされている。
図33では、DC/DCコンバータ211nに切替装置221En、222Enが接続されている。切替装置221Enに蓄電装置311n、312nが接続されている。切替装置222Enに蓄電装置321nおよび切替装置223Enが接続されている。切替装置223Enに蓄電装置331n、332nが接続されている。図33では、蓄電装置332nとDC/DCコンバータ211nとが導通するように、その間の各リレーがONにされている。
以上の通り、複数の実施の形態に示された電力供給切替システムは、電気機器へ安定的に電力を供給することができる。
また、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の電力供給切替システムなどを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、第1蓄電装置群に含まれる複数の蓄電装置のうち、電気機器に接続される電力制御器に導通する蓄電装置である第1蓄電装置を切り替える第1切替動作を実行する第1切替ステップと、第2蓄電装置群に含まれる複数の蓄電装置のうち、前記電力制御器に導通する蓄電装置である第2蓄電装置を切り替える第2切替動作を実行する第2切替ステップと、前記第2切替動作が実行されている途中に、前記第1切替動作が実行されないように、前記第1切替動作の実行を制限する制限ステップとを含む電力供給切替方法を実行させる。
また、各構成要素は、回路でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
また、上記各実施の形態において通信部が図示されていない場合があるが、各構成要素は、他の構成要素と通信するための通信部を備えてもよい。各構成要素は、他の複数の構成要素と通信するための複数の通信部を備えてもよいし、他の複数の構成要素と通信するための共通の通信部を備えてもよい。これらの複数の構成要素は、有線または無線の通信線を介して接続されてもよい。
他の複数の構成要素へのデータ送信には、ブロードキャストが用いられてもよいし、マルチキャストが用いられてもよい。あるいは、ユニキャストで、順次、他の複数の構成要素へデータが送信されてもよい。
また、別々の複数の構成要素が1つの構成要素を構成してもよい。例えば、空間的に互いに離れた複数の補助装置が、1つの装置を構成してもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る切替装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記各実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を特定の処理部の代わりに別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。