JP2015220588A - 導光体、照明装置、及び画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 受光面上での照度のばらつきを抑制することが可能な導光体を提供すること。
【解決手段】 入射面5と、第1の方向Yに長い出射面2と、第1の方向Yに長い散乱面1と、を有し、入射面5から入射した光を出射面2に導く導光体103bであって、散乱面1は、光を散乱させる散乱パターン9を含み、散乱面1における散乱パターン9の単位長さあたりの密度が、第1の方向Yにおいて、入射面5側の端部5aから中央部9aに向かうに従い減少し、かつ、中央部9aから入射面5とは反対側の端部6aに向かうに従い増加する領域を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 入射面5と、第1の方向Yに長い出射面2と、第1の方向Yに長い散乱面1と、を有し、入射面5から入射した光を出射面2に導く導光体103bであって、散乱面1は、光を散乱させる散乱パターン9を含み、散乱面1における散乱パターン9の単位長さあたりの密度が、第1の方向Yにおいて、入射面5側の端部5aから中央部9aに向かうに従い減少し、かつ、中央部9aから入射面5とは反対側の端部6aに向かうに従い増加する領域を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、イメージスキャナー、複写機、ファクシミリなどの画像読取装置等の照明装置に用いられる導光体に関する。
画像読取装置には、等倍光学系を用いたCIS(Contact Image Sensor)方式を採用したものや、被写界深度が深い縮小光学系を用いた縮小結像方式を採用したものが知られている。また、画像読取装置には、LED(Light Emitting Diode)やEL(Electro Luminescence)素子などの光源が導光体の長手方向における一方の端部、つまり、片端部に配置された、片端部配置型の照明装置が採用されている。しかし、片端部配置型の照明装置においては、光源が配置された片端部から他端部に向かうに従って、導光体を透過する光束の光量が低下するため、原稿面上での照度が、導光体の長手方向に対応する主走査方向において不均一になってしまう。
特許文献1には、原稿面での主走査方向における照度を均一にするために、導光体の側面に形成される光散乱パターンの単位長さ当たりの密度が、光源を備えた発光ユニットから離れるにつれて増加するようにした構成が記載されている。また、特許文献2には、導光体の断面の面積が、光源が配置された一端面から他端面に向かうに従い次第に小さくなるようにし、かつ導光体の長手方向の一側表面に光屈折・反射領域を設けることで、原稿面上での照度のばらつきを抑制した構成が記載されている。
しかしながら、特許文献1又は2に記載の導光体を適用したとしても、イメージセンサの受光面(センサ面)上での照度が主走査方向において不均一になってしまう。これは特許文献1又は2に開示されている画像読取装置はいずれも、等倍光学系を用いたCIS方式が採用されているからである。
高画質化及び高速化を実現するためには、縮小結像方式が好ましい。しかし、縮小結像方式の画像読取装置においては、原稿面上での照度のばらつきを抑制できたとしても、コサイン4乗則に起因して、受光面上での照度が、主走査方向における中央部から端部にかけて低下してしまう。
本発明の目的は、受光面上での照度のばらつきを抑制することが可能な導光体、照明装置、及び画像読取装置を提供することである。
上記目的を達成するための、本発明の一側面としての導光体は、入射面と、第1の方向に長い出射面と、前記第1の方向に長い散乱面と、を有し、前記入射面から入射した光を前記出射面に導く導光体であって、光を散乱させる散乱パターンを含み、前記散乱面における前記散乱パターンの単位長さあたりの密度が、前記第1の方向において、前記入射面側の端部から中央部に向かうに従い減少し、かつ、前記中央部から前記入射面とは反対側の端部に向かうに従い増加する領域を具備することを特徴とする。
本発明によれば、縮小光学系を備える画像読取装置において、受光面上での照度のばらつきを抑制することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る導光体103bを説明するための要部概略図であり、図1(a)は導光体103bの斜視図、図1(b)は入射面の平面図、図1(c)は散乱面の平面図である。
導光体103bは、光が入射する入射面5と、入射面5からの光が出射する出射面2と、入射面5からの光を出射面2に導く第1の方向Yに長い散乱面1と、を有し、散乱面1は、光を散乱させる散乱パターン9を含んでいる。散乱面1は、当該散乱面1における散乱パターン9の単位長さあたりの密度が、第1の方向Yにおいて、入射面側の端部5aから中央部9aに向かうに従い減少し、かつ、中央部9aから入射面5とは反対側の端部6aに向かうに従い増加する領域を具備する。
更に、本実施形態に係る導光体は、ガラスなどの透光性の無機材料や、アクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂などの透光性の有機材料で構成された棒状の部材である。そのXZ断面の形状は、円、楕円、多角形、或いはそれらが組み合わされた形状であって良く、図1(b)に示すように少なくとも1辺が曲線である疑似的な四角形であってもよい。そして、導光体は、必要に応じて、第1の反射面3、第2の反射面4、及び第3の反射面6、を有している。
入射面5から導光体103bの内部に入射した光束は、他の面を介さずに直接、又は、出射面2、第1の反射面3、第2の反射面4、及び第3の反射面6の少なくとも1つにより反射されて、散乱面1に到達する。散乱面1に入射した光束は、散乱されて出射面2から出射する。
図1(c)に示すように、散乱面1には、光束を散乱(拡散)させる散乱パターン9が形成されている。図2に示すように、散乱面1における散乱パターン9の単位長さあたりの密度は、第1の方向Yにおいて、入射面5側の端部5aから中央部9aに向かうに従い減少し、かつ、中央部9aから第3の反射面6側の端部6aに向かうに従い徐々に増加している。この構成により、端部5a、6a及びその付近の散乱パターンで散乱され出射面2から出射される照明光の光量が、中央部9a及びその付近の散乱パターンで散乱され出射面2から出射される照明光の光量より増大する。そのため、縮小光学系を備える画像読取装置において、端部にある受光面における照度の低下を抑制することができる。
散乱パターン9の単位長さあたりの密度は、図2(a)、(b)に示すように、端部から中央部に向かって連続的に減少するものであっても、図2(c)に示すように、断続的に減少するものであってもよい。密度分布は、コサイン4乗則に起因する端部にある受光面における照度の低下を補正するような分布であると尚良い。さらに、散乱パターン9の単位長さあたりの密度が、第3の反射面6側の端部6aよりも入射面5側の端部5aにおいて小さくなるように構成することで、片端部配置型に起因する原稿面上の端部における照度の低下を抑制することができる。
散乱パターン9は、光束を散乱させることができるものであればよく、例えば、樹脂で構成される白色を有する膜や、微細な突起物の群で構成できる。また、散乱パターンの形状は、図1(c)に示したように連続的な帯状のパターンであっても、互いに離れた複数のドット群であってもよい。
[画像読取装置]
次に、本実施形態に係る導光体を備えた画像読取装置について、図3の要部概略図(ZX断面図)を用いて詳細に説明する。本実施形態に係る画像読取装置100は、照明装置103、反射部104、結像部106、及び受光部105、を一体的に保持する読取ユニット(キャリッジ)107と、原稿台102と、駆動部108と、を備えている。本実施形態に係る照明装置103は、光源103dが導光体103bの入射面側にのみ配置された、片端部配置型の照明装置である。
次に、本実施形態に係る導光体を備えた画像読取装置について、図3の要部概略図(ZX断面図)を用いて詳細に説明する。本実施形態に係る画像読取装置100は、照明装置103、反射部104、結像部106、及び受光部105、を一体的に保持する読取ユニット(キャリッジ)107と、原稿台102と、駆動部108と、を備えている。本実施形態に係る照明装置103は、光源103dが導光体103bの入射面側にのみ配置された、片端部配置型の照明装置である。
原稿台102は、原稿101を載置するための台であり、アクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂やガラスなどの透光性を有する材料から成る。受光部105は、原稿101からの光束を受光するイメージセンサから成る。反射部104は、原稿101からの光束を折り返して結像部106に導く複数の折返しミラー104a〜104dから成る。結像部106は、反射部104からの光束を受光部105の受光面上に集光し、原稿101の画像情報に基づく像を形成する縮小光学系である。駆動部108は、キャリッジ107を原稿101の原稿面に平行な方向であるZ方向(図中の矢印方向)に移動させるための駆動力を発生するモータなどで構成される。
照明装置103から出射した光束は、原稿101の原稿面にて反射及び拡散され、反射部104の第1折返しミラー104a〜第4折返しミラー104dにより結像部106に導かれ、受光部105の受光面上に集光される。受光部105は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサからなる。それらは、画素がY方向に多数並んだラインセンサや、RGB画素がY方向に一列に多数並んだラインセンサや、R画素のラインセンサとG画素のラインセンサとB画素のラインセンサとが3列に平行に並んだセンサであってもよい。そして、駆動部108によりキャリッジ107をZ方向に移動させることによって、キャリッジ107に原稿101の原稿面上をZ方向に走査させることができる。
これにより、受光部105は原稿101の原稿面全体の画像情報を読み取ることができる。
なお、キャリッジ107が原稿面を走査する際は、キャリッジ107により保持される各部材同士の相対位置は変わらない。また、変更手段としての駆動部108によって、キャリッジ107の代わりに原稿101を移動させたり、キャリッジ107及び原稿101の両方を移動させたりすることにより、キャリッジ107と原稿101とのZ方向における相対位置を変更させてもよい。キャリッジ107を移動させずに、原稿のみを移動させて相対位置を変更する場合には、変更手段として原稿の給送ローラーや給送ベルト等を用いることができる。受光部105により読み取られた画像情報は、インターフェースを通じて不図示の画像処理部、あるいはパーソナルコンピュータなどの外部機器に送信される。
図4は、図3における照明装置103の周辺の拡大図である。本実施例に係る画像読取装置100は、同一の照明装置103を2つ備えており、夫々の照明装置103は読取光軸111を挟んで対称的に配置されている。夫々の照明装置103は、上述した導光体103b及び光源103dを備え、光源103dから出射する光束を導光体103bにより原稿101における読取領域112に導光している。なお、光源103dは、導光体103bの入射面5と対向して配置されており、発光素子103aと、発光素子103aが実装される基板103cと、を含んでいる。発光素子103aとしては、無機半導体及び/又は有機半導体からなる発光層を有するLED又はEL素子が用いられる。発生する光としては白色光が望ましいが、それに限らず赤色、緑色、青色などの光であってもよい。白色光を発光する素子としては、パワーLED、高輝度LED、高輝度EL素子などと呼ばれる白色発光素子を用いることができる。
導光体103bにおいて、読取光軸111に近い側の第1反射面3と、読取光軸111から遠い側の第2反射面4と、の夫々は、集光作用を有する曲面形状を成している。具体的に、第1の反射面3及び第2の反射面4は、ZX断面内において、焦点の位置が散乱面1の中点の位置に一致する放物面又は楕円面となっており、凸のパワーを有している。この第1の反射面3及び第2の反射面4によれば、散乱面1にて散乱された光束を、効率よく読取領域112に向けて偏向させ、出射面2を介して読取領域112に導光することが可能になる。よって、読取領域112において十分な光量を確保し、かつ、光量が安定した副走査方向(Z方向)の照明領域を確保することができる。
ここで、本実施形態に係る結像部106のような縮小光学系において、入射角(光軸に対する角度)ωで光束が入射して、ある平面上に到達する場合を考えると、コサイン4乗則と呼ばれる関係を持つことが知られている。具体的には、入射角0で入射した光束がその平面上に到達した場合の照度をEo、入射角ωで入射した光束がその平面上に到達した場合の照度をE、とするとき、E=Eo×(cosω)4なる関係を満たす。このコサイン4乗則に起因して、受光部105の受光面上での照度は、主走査方向における中央部から端部にかけて低下してしまう。
さらに、本実施形態に係る画像読取装置は、各部材を一体的に保持するキャリッジ107を移動させることにより画像情報を読み取るキャリッジ一体型走査方式を採用している。この構成においては、結像部及び受光部を固定して反射部のみを移動させる2対1ミラー走査方式と比較して、結像部106が広画角となり、コサイン4乗則による端部の照度低下がより大きくなるという問題がある。
そこで、上述したように、散乱面1における散乱パターンを、その単位長さあたりの密度が、入射面5側の端部から中央部に向かうに従い減少し、かつ、中央部から入射面5とは反対側の端部に向かうに従い増加するように構成している。言い換えると、散乱面1における散乱パターンの単位長さあたりの密度が、入射面5から長手方向(第1の方向)に離れるにつれて少なくとも1つの極小値を持つように変化する構成を採っている。この構成により、縮小光学系を備える画像読取装置において、コサイン4乗則に起因する受光面上の端部における照度の低下を抑制することができる。
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る導光体103bについて詳細に説明する。本実施例に係る画像読取装置100、照明装置103、及び導光体103bの構成は、上述した実施形態に係る構成と同様である。なお、本実施例に係る導光体103bにおいて、長手方向の長さL=340mm、散乱面1の幅(長手方向に垂直な方向の長さ)D=2.4mm、高さH=6.0mm、である。また、本実施例に係る結像部106に入射する光の最大入射角ωmax=28度である。
以下、本発明の実施例1に係る導光体103bについて詳細に説明する。本実施例に係る画像読取装置100、照明装置103、及び導光体103bの構成は、上述した実施形態に係る構成と同様である。なお、本実施例に係る導光体103bにおいて、長手方向の長さL=340mm、散乱面1の幅(長手方向に垂直な方向の長さ)D=2.4mm、高さH=6.0mm、である。また、本実施例に係る結像部106に入射する光の最大入射角ωmax=28度である。
図5は、本実施例に係る導光体103bの散乱面1を示す概略図である。本実施例においては、上述したコサイン4乗則を考慮して、散乱面1に、入射面5から第3の反射面6にかけて、単位長さあたりの密度が連続的に変化する散乱パターン109を設けている。散乱面1において、散乱パターン109は白色塗料を用いたスクリーン印刷などにより形成された白色の被膜であり、散乱パターン109が設けられていない領域110は全反射面となっている。
ここで、散乱面1において、入射面5近傍の領域A(入射面側の端部に相当する)と、Y方向における中央近傍の領域B(中央部に相当する)と、第3の反射面6近傍の領域C(入射面とは反対側の端部に相当する)と、を考える。この各領域A〜Cを考慮して、散乱面1における散乱パターン109の単位長さあたりの密度の変化について詳細に説明する。なお、ここでの「近傍」とは、導光体の長手方向の長さの1/30の範囲を指しているが、図5では便宜上各領域を拡大して描画している。
また、ここでの「密度」とは、散乱面1において、ある単位面積を定めた場合に、その単位面積を有する領域110に対する散乱パターン109の面積の比率、つまり、散乱パターンの面積占有率を指している。すなわち、「単位長さあたりの密度」とは、散乱面1におけるY方向での単位長さあたりの散乱パターンの面積占有率を示す。本実施例に係る散乱面1における散乱パターン109の単位長さあたりの密度を、領域Aでd1、領域Bでd2、領域Cでd3、とするとき、以下の条件式(1)を満たしている。
d3>d1>d2 ・・・(1)
d3>d1>d2 ・・・(1)
本実施例の場合には、散乱パターンの単位長さあたりの密度は、ある位置(領域)における散乱パターンの幅(図5の縦方向の長さ)とみなすことができる。具体的には、領域Aは入射面5から中心に向かってY方向に10mmの領域、領域Bは導光体のY方向の中心から左右に10mm(片側5mm)の領域、領域Cは反射面6から中心に向かってY方向に10mmの領域である。また、領域Aでの散乱パターンの幅の平均値をd1、領域Bでの散乱パターンの幅の平均値をd2、領域Cでの散乱パターンの幅の平均値をd3とする。この場合、d1=0.74mm、d2=0.67mm、d3=1.71mm、と設定している。本実施例ではこの幅の平均値を単位長さあたりの密度とみなす。すなわち、散乱パターン109の単位長さあたりの密度は、Y方向における中央部よりも両端部の方で高くなっており、かつ、入射面5側の端部よりも第3の反射面6側の端部の方で高くなっている。
このように、条件式(1)を満たすことにより、コサイン4乗則に起因する受光面上の端部での照度低下、及び片端部配置型に起因する光源から遠い側の端部に対応する原稿面上の端部での照度低下、を抑制することができる。なお、上述した各領域における単位長さあたりの密度が、以下の条件式(2)及び(3)を満たすように散乱面1を構成することがより望ましい。
1.0<d1/d2<1.5 ・・・(2)
1.5<d3/d2<3.0 ・・・(3)
1.0<d1/d2<1.5 ・・・(2)
1.5<d3/d2<3.0 ・・・(3)
条件式(2)及び(3)を満たすことにより、領域A及びCに対応する原稿面上の両端部での照度を上げて、受光面上の両端部での照度の低下を相殺することができる。条件式(2)及び(3)の範囲から外れると、受光面上の両端部において求められる照度に対して、原稿面上での照度が強くなり過ぎる、又は弱くなり過ぎることになり、受光面上での照度のばらつきを抑制することができなくなる。本実施例においては、d1/d2=1.10、d3/d2=2.55、であるため、条件式(2)及び(3)を満たしている。
図6は、本実施例に係る照明装置103により照明される原稿面上での照度分布を示す図である。図6において、横軸は、主走査方向における中央を0mmとしたときの主走査方向における位置であり、縦軸は、主走査方向における中央での照度を1として正規化したときの照度である。また、実線は本実施例における照度分布、破線は図12に示す比較例における照度分布、をそれぞれ示している。なお、図12に示した比較例は、特許文献1に記載の構成と同様に、導光体の散乱面41に形成される散乱パターン409の単位長さ当たりの密度を、光源が配置された片端部から離れるにつれて密度が減少することなく徐々に増加するようにした構成である。
図12に示す構成によれば、図6に示したように、原稿面上での照度を主走査方向において均一にすることができているが、コサイン4乗則に起因して受光面上の端部での照度が低下してしまう。対して、本実施例に係る構成によれば、図6に示したように、原稿面上の中央部よりも両端部において照度を上げているため、コサイン4乗則に起因する受光面上の端部での照度低下を抑制することができる。
また、本実施例及び比較例に係る受光部の受光面での照度(受光信号強度)の分布を図7に示す。図7において、横軸は、受光面上での主走査方向における位置であり、縦軸は、主走査方向における中央での値を1として正規化したときの受光信号強度である。また、実線は本実施例における受光信号強度分布、破線は図12に示す比較例における受光信号強度分布、をそれぞれ示している。なお、図7においては、原稿面の最端部からの光束による受光信号強度を省略している。図7に示すように、比較例においては、コサイン4乗則に起因して受光面の端部での受光信号強度が低下する。対して、本実施例においては、導光体によって図6に示したような照度分布を実現すれば、受光信号強度を主走査方向において均一にすることができる。
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る導光体103bについて詳細に説明する。本実施例に係る画像読取装置100及び照明装置103の構成は、上述した実施形態や実施例1に係る構成と同様である。また、本実施例に係る導光体103bの構成は、散乱パターンを除いて実施例1に係る構成と同様であり、長手方向の長さL=360mm、高さH=6.0mm、散乱面1の幅D=2.4mm、である。なお、本実施例においては、結像部106に入射する光の最大入射角ωmax=35度に設定している。
以下、本発明の実施例2に係る導光体103bについて詳細に説明する。本実施例に係る画像読取装置100及び照明装置103の構成は、上述した実施形態や実施例1に係る構成と同様である。また、本実施例に係る導光体103bの構成は、散乱パターンを除いて実施例1に係る構成と同様であり、長手方向の長さL=360mm、高さH=6.0mm、散乱面1の幅D=2.4mm、である。なお、本実施例においては、結像部106に入射する光の最大入射角ωmax=35度に設定している。
図8は、本実施例に係る導光体103bの散乱面1を示す概略図である。本実施例においては、上述したコサイン4乗則を考慮して、散乱面1に、入射面5から第3の反射面6にかけて、単位長さあたりの密度が離散的に変化する散乱パターン209を設けている。散乱面1において、散乱パターン109は白色塗料を用いたスクリーン印刷などにより形成されており、散乱パターン209の密度は副走査方向において一定であり、散乱パターン209が設けられていない領域210は全反射面となっている。
ここで、実施例1と同様に、入射面5近傍の領域Aと、Y方向における中央近傍の領域Bと、第3の反射面6近傍の領域Cと、の各領域における単位長さあたりの密度を考える。本実施例においては、各領域の幅(図8の縦方向の長さ)d=1.6mm、領域Aでの単位長さあたりの密度d1の平均値は0.54、領域Bでの単位長さあたりの密度d2の平均値は0.39、領域Cでの単位長さあたりのd3の平均値は1.0、である。よって、条件式(1)を満たしている。また、d1/d2=1.38、d3/d2=2.56、であるため、条件式(2)及び(3)を満たしている。
図9は、実施例1と同様に、本実施例に係る照明装置103により照明される原稿面上での照度分布を示した図であり、コサイン4乗則を考慮して、原稿面上の中央部よりも両端部において照度を上げた分布となっている。また、本実施例においても、実施例1(図7)と同様に受光信号強度を主走査方向において均一にすることができる。
[実施例3]
以下、本発明の実施例3に係る導光体103bについて詳細に説明する。本実施例に係る画像読取装置100及び照明装置103の構成は、上述した実施形態や実施例1に係る構成と同様である。また、本実施例に係る導光体103bの構成は、散乱パターンと、高さH=7.0mmに設定した点と、を除いて実施例1に係る構成と同様である。なお、本実施例においては、結像部106に入射する光の最大入射角ωmax=35度に設定している。
以下、本発明の実施例3に係る導光体103bについて詳細に説明する。本実施例に係る画像読取装置100及び照明装置103の構成は、上述した実施形態や実施例1に係る構成と同様である。また、本実施例に係る導光体103bの構成は、散乱パターンと、高さH=7.0mmに設定した点と、を除いて実施例1に係る構成と同様である。なお、本実施例においては、結像部106に入射する光の最大入射角ωmax=35度に設定している。
図10は、本実施例に係る導光体103bの散乱面1を示す概略図である。本実施例においては、上述したコサイン4乗則を考慮して、散乱面1に、入射面5から第3の反射面6にかけてドットの密度が主走査方向に変化する散乱パターン309を設けている。散乱面1において、散乱パターン309は白色塗料を用いたスクリーン印刷などにより形成されており、散乱パターン209の密度は副走査方向に一定であり、散乱パターン309が設けられていない領域310は全反射面となっている。
ここで、実施例1と同様に、入射面5近傍の領域Aと、Y方向における中央近傍の領域Bと、第3の反射面6近傍の領域Cと、の各領域における単位長さあたりの密度を考える。本実施例において、各領域の幅(図10の縦方向の長さ)d=1.8mm、領域Aでの単位長さあたりの密度d1の平均値は0.54、領域Bでの単位長さあたりの密度d2の平均値は0.39、領域Cでの単位長さあたりの密度d3の平均値は1.0である。よって、条件式(1)を満たしている。また、d1/d2=1.38、d3/d2=2.56、であるため、条件式(2)及び(3)を満たしている。
図11は、実施例1と同様に、本実施例に係る照明装置103により照明される原稿面上での照度分布を示した図であり、コサイン4乗則を考慮して、原稿面上の中央部よりも両端部において照度を上げた分布となっている。また、本実施例においても、実施例1(図7)と同様に受光信号強度を主走査方向において均一にすることができている。
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態や実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態や実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
導光体の散乱面における散乱パターンは、上述した各実施例において、必要に応じて、入射面側の端部での単位長さあたりの密度が入射面とは反対側の端部での単位長さあたりの密度よりも小さくなるように構成してもよい。また、上述の各実施例に係る散乱パターンを組合せて構成してもよい。更にはまた、散乱面における散乱パターンの単位長さあたりの密度を、複数の極小値を持つように変化させるようにしてもよい。
導光体の形状については、上述した実施形態におけるものに限られない。上述した導光体の入射面及び反射面は扇形状の一部を成しているが、入射面からの光束を原稿面に導光できる構成であるならば、これに限られない。
なお、上述した実施形態に係る画像読取装置においては、読取光軸を挟んで2つの照明装置を対称的に配置しているが、この構成に限られるものではない。例えば、一方の照明装置に出射面を2つ設け、他方の照明装置の代わりに反射部材を配置した構成を採ってもよい。この場合、一方の出射面から出射した光束を直接原稿面に導光し、かつ他方の出射面から出射した光束を反射部材により偏向して原稿面に導光することができる。
要するに、散乱面は、当該散乱面における散乱パターンの単位長さあたりの密度が、第1の方向において、入射面側の端部から中央部に向かうに従い減少し、かつ、中央部から入射面とは反対側の端部に向かうに従い増加する領域を具備する。この構成により、従来よりも被照明体である原稿面上の両端部での照度を上げることができ、コサイン4乗則に起因して生じる端部にある受光面における照度の低下を抑えることができる。
1 散乱面
2 出射面
5 入射面
9 散乱パターン
103b 導光体
2 出射面
5 入射面
9 散乱パターン
103b 導光体
Claims (14)
- 入射面と、第1の方向に長い出射面と、前記第1の方向に長い散乱面と、を有し、前記入射面から入射した光を前記出射面に導く導光体であって、
前記散乱面は、
光を散乱させる散乱パターンを含み、
前記散乱面における前記散乱パターンの単位長さあたりの密度が、前記第1の方向において、前記入射面側の端部から中央部に向かうに従い減少し、かつ、前記中央部から前記入射面とは反対側の端部に向かうに従い増加する領域を具備することを特徴とする導光体。 - 前記散乱面において、前記入射面側の端部での前記散乱パターンの単位長さあたりの密度は、前記入射面とは反対側の端部での前記散乱パターンの単位長さあたりの密度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の導光体。
- 前記第1の方向において前記入射面とは反対側に配置され、前記入射面からの光を反射して前記散乱面に導く反射面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の導光体。
- 前記散乱面における前記散乱パターンの単位長さあたりの密度を、前記入射面側の端部でd1、前記散乱面の中央部でd2、前記入射面とは反対側の端部でd3、とするとき、
1.0<d1/d2<1.5
1.5<d3/d2<3.0
なる条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導光体。 - 前記散乱パターンの単位長さあたりの密度は、前記第1の方向において連続的に変化することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導光体。
- 前記密度は、前記散乱パターンの幅の平均値であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導光体。
- 前記散乱パターンは、連続的な帯状であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の導光体。
- 前記散乱パターンは、複数のドットから成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導光体。
- 光源と、該光源から出射する光を原稿に導く導光体とを備え、前記導光体は請求項1乃至8のいずれか1項に記載の導光体であることを特徴とする照明装置。
- 前記光源は、前記入射面側にのみ配置されていることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
- 前記光源は、1つの白色発光素子を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の照明装置。
- 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の照明装置と、前記原稿からの光を受光する受光部と、前記原稿からの光を前記受光部の受光面上に集光する縮小光学系と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
- 前記照明装置と、前記受光部と、前記縮小光学系と、を一体的に保持するキャリッジを備えることを特徴とする請求項12に記載の画像読取装置。
- 前記原稿に平行な方向において、前記原稿と前記キャリッジとの相対位置を変更する変更手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014102472A JP2015220588A (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | 導光体、照明装置、及び画像読取装置 |
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JP2014102472A Pending JP2015220588A (ja) | 2014-05-16 | 2014-05-16 | 導光体、照明装置、及び画像読取装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017135188A1 (ja) * | 2016-02-01 | 2017-08-10 | ローム株式会社 | 線状光源ユニット、およびイメージセンサモジュール |
DE112016005179T5 (de) | 2015-11-10 | 2018-07-19 | Omron Healthcare Co., Ltd. | Diagnose-Unterstützungsgerät, Diagnose-Unterstützungsverfahren, Diagnose-Unterstützungsprogramm |
-
2014
- 2014-05-16 JP JP2014102472A patent/JP2015220588A/ja active Pending
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