JP2015218836A - シール構造、回転駆動装置、搬送装置、工作機械および半導体製造装置 - Google Patents

シール構造、回転駆動装置、搬送装置、工作機械および半導体製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接触式シールの交換頻度を低減することができるシール構造、回転駆動装置、搬送装置、工作機械および半導体製造装置を提供すること。【解決手段】圧力の異なる2つの空間を隔てるシール構造1は、圧力の異なる2つの空間のうち高圧側の空間に配置される筒状のハウジング2と、ハウジング2に挿入されるシャフト31と、ハウジング2に備えられ、シャフト31を回転可能に支持する軸受4と、を備える。また、シール構造1は、シャフト31の一端部に固定されてシャフト31とともに回転し、かつ側面が所定の大きさの隙間である第1隙間を有してハウジング2の内壁と対向するシール固定部材32と、シール固定部材32に固定されてシール固定部材32とともに回転し、ハウジング2に接して、第1隙間を密封する環状の第1シール部材5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、圧力の異なる2つの空間を隔てるシール構造、回転駆動装置、搬送装置、工作機械および半導体製造装置に関する。
搬送装置、半導体製造装置または工作機械等の製造装置には、真空チャンバなどのプロセス室内と外部環境とを隔離させつつ、回転ステージを回転させたり、半導体基板、工作物または工具を回転させたりするシール構造が用いられる。このようなシール構造として、例えば、特許文献1には、位置決め装置(図2参照)が記載されている。
特開2007−9939号公報
特許文献1に記載された技術は、シール溝内に接触式シールであるOリングが収容されていることで、真空チャンバなどのプロセス室内と外部環境とを隔離させつつ、回転軸を回転させるものである。しかし、特許文献1における接触式シールは、密封性を高めるものの、回転軸との接触部分で摩擦を生じるので、摩耗を生じる可能性がある。さらに、摩擦熱により接触式シールの温度が上昇すると、接触式シールが熱膨張し接触式シールの回転軸に対する接触圧が大きくなるので、接触式シールの摩耗が進みやすくなる。このため、接触式シールの寿命が短くなり、部品交換の頻度が高くなる可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接触式シールの交換頻度を低減することができるシール構造、回転駆動装置、搬送装置、工作機械および半導体製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るシール構造は、圧力の異なる2つの空間を隔てるシール構造であって、前記圧力の異なる2つの空間のうち高圧側の空間に配置される筒状のハウジングと、前記ハウジングに挿入されるシャフトと、前記ハウジングに備えられ、前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、前記シャフトの一端部に固定されて前記シャフトとともに回転し、かつ側面が所定の大きさの隙間である第1隙間を有して前記ハウジングの内壁と対向するシール固定部材と、前記シール固定部材に固定されて前記シール固定部材とともに回転し、前記ハウジングに接して、前記第1隙間を密封する環状の第1シール部材と、を備えることを特徴とする。
これにより、シャフトが回転すると、第1シール部材とハウジングとの間で摩擦が生じる。密封部材である第1シール部材の熱伝導率は、他の部材と比較して小さい。したがって、第1シール部材およびハウジングの間で生じた摩擦熱の大部分は、ハウジング側に伝わり、シャフトの温度上昇は抑制される。そして、ハウジングの熱は、異なる2つの空間のうち高圧側の空間に伝熱する。高圧側の空間では、低圧側の空間と比較して空気の対流が大きいため、高圧側の空間の空気とハウジングの外表面との間で熱伝達が生じやすい。これにより、第1シール部材との摩擦によってハウジングに生じた熱の放熱が促進される。このため、第1シール部材の温度上昇が抑制されるので、第1シール部材の熱膨張が抑制される。したがって、第1シール部材のハウジングに対する接触圧の増加が抑制されることで、第1シール部材の摩耗の進行が抑制される。よって、本発明に係るシール構造は、接触式シールである第1シール部材の交換頻度を低減することができる。
本発明の望ましい態様として、前記シール固定部材の前記シャフトと固定される一端部とは異なる他端部に固定されて前記シール固定部材とともに回転するシール押え部材を備え、前記第1シール部材は、前記シャフトの径方向内側に向かって突出し前記シール固定部材および前記シール押え部材に挟まれて固定されるシールフランジ部を備えることが好ましい。
これにより、第1シール部材のシール固定部材に対する相対的な回転が抑制される。すなわち、第1シール部材は、シール固定部材とともに回転しやすくなる。このため、シール構造は、第1シール部材がハウジングとの摩擦により滑る可能性を低減できる。よって、シール構造は、第1シール部材とシール固定部材との間に摩擦が生じる可能性を抑制することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第1シール部材は、前記シール固定部材に接する固定部と、前記ハウジングに接するリップ部と、前記固定部と前記リップ部とを連結する環状連結部と、を備えることが好ましい。
これにより、リップ部の弾性変形による弾性力により、第1シール部材はハウジングに押し付けられる。このため、シール構造は、ハウジングに対する第1シール部材の押圧力を高め、第1隙間の密封性を向上させることができる。そして、第1シール部材は、Oリング等である場合に比較して、ハウジングとシャフトとの間のヒートブリッジとなる部分が小さいため、ハウジングとの間で生じる摩擦熱をシャフト側へ熱伝導しにくくしている。これにより、シール構造は、摩擦熱の外部空間側への放熱をより促進することができる。このため、シール構造は、第1シール部材の摩耗を抑制することができる。
本発明の望ましい態様として、前記リップ部と、前記環状連結部と、前記固定部とで囲まれる空間に設けられて、前記リップ部を前記ハウジングに押し付ける付勢部材を備えることが好ましい。
これにより、第1シール部材は、リップ部の弾性変形による弾性力および付勢部材の弾性変形による弾性力により、ハウジングに押し付けられる。このため、シール構造は、ハウジングに対する第1シール部材の押圧力を高め、第1隙間の密封性を向上させることができる。そして、リップ部に摩耗が生じても、付勢部材は、ハウジングに対する第1シール部材の押圧力を維持するように作用する。このため、シール構造は、接触式シールである第1シール部材の交換頻度を低減することができる。
本発明の望ましい態様として、前記リップ部と、前記環状連結部と、前記固定部とで囲まれる空間は、前記圧力の異なる2つの空間のうち、高圧側の空間に向かって開口していることが好ましい。
これにより、リップ部と、環状連結部と、固定部とで囲まれる空間に、圧力の異なる2つの空間のうち高圧側の空間の空気が流入することで、リップ部と、環状連結部と、固定部とで囲まれる空間が膨張する。このため、圧力の異なる2つの空間の圧力差によって、ハウジングに対する第1シール部材の押圧力が高められる。これにより、シール構造は、圧力の異なる2つの空間のうち低圧側を高真空環境としても、高い密封性を維持できる。
本発明の望ましい態様として、前記ハウジングは、筒状の部材である外側部材と、前記外側部材の内側に配置される筒状の部材である内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間の隙間である第2隙間を密封する環状の第2シール部材と、を備え、前記第1シール部材は、前記内側部材の内壁に接することが好ましい。
これにより、第1シール部材が回転しても、外側部材には摩耗が生じず、内側部材に摩耗が生じる。これにより、摩耗の生じていない外側部材をそのまま使用し、摩耗が生じた内側部材を外側部材から取り外して交換することで、部品の交換作業が完了する。このため、シール構造は、ハウジングのメンテナンスの労力を軽減することができる。
本発明の望ましい態様として、前記ハウジングは、前記第1シール部材よりも前記シャフトの径方向外側の位置に設けられた空間であって冷媒が循環する冷媒導入部を備えることが好ましい。
これにより、第1シール部材が回転することにより第1シール部材とハウジングとの接触部分で生じる摩擦熱は、ハウジングを伝熱して冷媒に放熱される。そして、シール構造は、冷媒が強制的に対流させられるため、摩擦熱の放熱を促進することができる。このため、第1シール部材の温度上昇が抑制されるので、第1シール部材の摩耗の進行が抑制される。よって、シール構造は、接触式シールである第1シール部材の交換頻度を低減することができる。
本発明の望ましい態様として、上述したシール構造と、前記シャフトを回転させる電動機とを備える、回転駆動装置であることが好ましい。この構造により、回転駆動装置は、高い密封性を実現でき、かつ接触式シールの交換頻度を低減することができる。
本発明の望ましい態様として、上述したシール構造と、被搬送物を移動させる可動部材を備え、前記シャフトの回転と、前記可動部材とが連動する、搬送装置であることが好ましい。この構造により、搬送装置は、高い密封性を実現でき、かつ接触式シールの交換頻度を低減することができる。
本発明の望ましい態様として、上述したシール構造を備える、工作機械であることが好ましい。この構造により、工作機械は、高い密封性を実現することができ、かつ接触式シールの交換頻度を低減することができる。その結果、工作機械は、工作の品質を高めることができる。
本発明の望ましい態様として、上述したシール構造を備える、半導体製造装置であることが好ましい。この構造により、半導体製造装置は、高い密封性を実現することができ、かつ接触式シールの交換頻度を低減することができる。その結果、半導体製造装置は、製造物である半導体の品質を高めることができる。
本発明によれば、接触式シールの交換頻度を低減することができるシール構造、回転駆動装置、搬送装置、工作機械および半導体製造装置を提供することができる。
図1は、実施形態1に係るシール構造を備えた半導体製造装置を模式的に示す断面図である。 図2は、実施形態1に係るシール構造を模式的に示す断面図である。 図3は、図2のA−A断面図である。 図4は、実施形態1に係る第1シール部材の周辺部分の拡大図である。 図5は、実施形態2に係るシール構造を模式的に示す断面図である。 図6は、図5のB−B断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき、図面を参照しつつ説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るシール構造を備えた半導体製造装置を模式的に示す断面図である。図2は、実施形態1に係るシール構造を模式的に示す断面図である。図1および図2は、回転部材3の回転中心軸Zrを含み、かつ回転中心軸Zrと平行な平面でシール構造1を切った断面を示している。なお、実施形態1において、軸方向とは、回転中心軸Zrと平行な方向であり、径方向とは、回転中心軸Zrに対して直交する方向である。図3は、図2のA−A断面図である。図4は、実施形態1に係る第1シール部材の周辺部分の拡大図である。シール構造1は、例えば、真空環境、減圧環境、プロセスガス充填環境等の特殊環境下におかれる内部空間Vの密閉を保ちながら回転を伝達する機械要素である。内部空間Vと隔てられた外部空間Eは、内部空間Vに対して高圧である空間または大気雰囲気の空間である。シール構造1は、半導体製造または工作機械製造等の製造装置、搬送装置、回転駆動装置に適用される。ここでは、一例として、半導体製造のための製造装置において、スピンドルを回転軸として備える回転駆動装置(スピンドルユニット)にシール構造1を適用する場合を説明するが、シール構造1の適用対象はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、例えば半導体製造に用いられる半導体製造装置100は、シール構造1と、筐体10と、電動機8と、電動機8を制御する制御装置91を含む。シール構造1と、電動機8とは、回転駆動装置6として、電動機8の回転を伝達して、搬送テーブルとしての可動部材33を回転させる。半導体製造装置100は、筐体10の内部空間Vを真空環境、減圧環境、プロセスガス充填環境にした上で、内部空間Vにある被搬送物(例えば、半導体基板、工作物または工具)を可動部材33に搭載して移動させる。被搬送物を移動させる場合、電動機8を内部空間Vに設置すると、電動機8の動作により異物が発生する可能性がある。そこで、半導体製造装置100は、内部空間Vに可動部材33を残したまま、電動機8を外部空間Eに設置する。そして、シール構造1は、内部空間Vと外部空間Eを隔てて密封性を高めながら、外部空間Eに設置された電動機8の動力を内部空間Vに伝える。電動機8は、例えば、ダイレクトドライブモータ、ベルトドライブを用いた駆動装置、リニアモータ、サーボモータなどである。制御装置91は、入力回路と、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置であるメモリと、出力回路とを含む。メモリに記憶させるプログラムに応じて、電動機8を制御し、内部空間Vにある被搬送物(例えば、半導体基板、工作物または工具)を搬送テーブル(可動部材)33に搭載して移動させ、半導体製造装置100は、所望の製品を製造することができる。
シール構造1は、ハウジング2と、回転部材3と、軸受4とを含む。ハウジング2は、軸受4を収容する部材である。実施形態1において、ハウジング2は、例えばアルミニウム合金、鉄またはステンレス鋼等の金属で形成されており、ハウジング本体としての筒状の部材である外側部材21と、外側部材21の内側に配置される筒状の部材である内側部材22と、を備える。外側部材21は、胴部211と、胴部211の一端部に設けられたフランジ部212と、を有する。実施形態1において、胴部211は筒形状(例えば円筒)の部材であり、軸方向に貫通する貫通孔21b、21cを有している。貫通孔21cは、貫通孔21bよりも内部空間V側に位置している。貫通孔21cの内周は、貫通孔21bの内周よりも大きい。内側部材22は、胴部221と、胴部221の一端部に設けられたフランジ部222とを有する。胴部221は筒形状(例えば円筒)の部材であり、軸方向に貫通する貫通孔22bを有している。胴部221の側面22cは、外側部材21の貫通孔21cの内壁に対向している。
フランジ部212は、板状の鍔部材である。実施形態1において、フランジ部212の形状は、平面視が円形であるが、これらの形状は円形に限定されない。外側部材21は、フランジ部212を筐体10の外部から筐体10の開口部10eを覆うようにあてがい、フランジ部212と筐体10の壁面とをボルト(不図示)で締結することで筐体10に固定されている。これにより、外側部材21は、筐体10の開口部10eを筐体10の外部から塞ぐことができる。このため、外側部材21の外壁は外部空間Eに曝されている。フランジ部212は、平面視で筐体10と重なり合う部分に環状溝があり、この環状溝にOリング11がはめ込まれている。Oリング11は、フランジ部212と筐体10との間の隙間を密封し、シール構造1の密封性を向上させている。
フランジ部222は、板状の鍔部材である。実施形態1において、フランジ部222の形状は、平面視が円形であるが、これらの形状は円形に限定されない。フランジ部222は、フランジ部212に対して平面視で重なり合っている。内側部材22は、フランジ部222を貫通するボルト27でフランジ部212に固定されている。フランジ部212には、平面視でフランジ部222と重なり合う部分に環状溝があり、この環状溝にOリング(第2シール部材)12がはめ込まれている。Oリング(第2シール部材)12は、フランジ部212とフランジ部222との間の隙間である第2隙間16を密封し、シール構造1の密封性を向上させている。
回転部材3は、例えばアルミニウム合金、鉄またはステンレス鋼等の金属で形成されており、シャフト31と、シール固定部材32と、可動部材33とを備えている。シャフト31の一端部は、外側部材21の胴部211に挿入されている。シャフト31の他端部は、カップリング82を介して、電動機8の出力シャフト81に接続されている。可動部材33は、シール固定部材32を介して、シャフト31の一端部に固定されている。
可動部材33およびシール固定部材32は、シャフト31とともに回転する。可動部材33は、シール固定部材32の一端部に接する円柱状の胴部331と、胴部331のシール固定部材32側とは反対側の一端部に設けられる載置部332とを有する。実施形態1において、載置部332は、胴部331と一体に形成される板状の部材であって、平面視が円形である。載置部332の外径は、胴部331の外径よりも大きく、例えばフランジ部222の外径と同程度となっている。載置部332の胴部331側とは反対側の面に被搬送物が載置される。なお、胴部331および載置部332は、別部材であってもよい。
なお、上述した本実施形態において、可動部材33は電動機8によって回転運動させられていたが、可動部材33の動作は必ずしも回転運動でなくてもよい。例えば、電動機8がリニアモータであって、可動部材33の動作がストロークを限定された直線運動であってもよい。
軸受4は、実施形態1では、外側部材21の内部に設置されてシャフト31を回転可能に支持する。軸受4は、軸受41および軸受42を含み、2重の筒状である軸受スペーサ43を介して、回転中心軸Zrに沿って距離を離して配置されている。これにより、軸受4は、軸受41および軸受42の複数箇所でシャフト31を支持することで、シャフト31の振れ回りを抑制することができる。実施形態1において、シャフト31は、2個の軸受41、42によってハウジング2に支持されるが、軸受の数は2個に限定されない。
図2に示すように、軸受41、42は、外輪41a、42aと、転動体41b、42bと、内輪41c、42cと、を含む。内輪41c、42cは、外輪41a、42aの径方向内側に配置される。このように、実施形態1において、軸受41、42は、いずれも転がり軸受である。転動体41b、42bは、外輪41a、42aと内輪41c、42cとの間に配置される。外輪41a、42aは、外側部材21の胴部211が有する貫通孔21bの内壁に接している。内輪41c、42cは、シャフト31の側面31bに接している。
図2に示すように、外輪41aは、胴部211が有する貫通孔21bの内壁から径方向内側へ突出した位置決め部21aに軸方向の一端が接している。外輪42aは、胴部221が有する貫通孔22bの内壁が彫り込まれた段差部22aに軸方向の一端が接している。このため、位置決め部21aと段差部22aとは、軸受41、軸受スペーサ43および軸受42を軸方向に挟み込み固定する。このような構造により、軸受41、42は、ハウジング2に取り付けられる。実施形態1において、両方の軸受41、42は、いずれも玉軸受であるが、転がり軸受としての軸受41、42の種類は玉軸受に限定されない。また、実施形態1において、軸受41、42は、いずれも転がり軸受であるが、滑り軸受であってもよい。
シール固定部材32は、シャフト31と同軸であり、円柱状の小径部321と、小径部321と一体に形成され、小径部321の外周よりも大きな外周を有する大径部322とを有する。小径部321と大径部322との境界部分には、段差部32aが形成されている。小径部321は、例えば、軸受4の径方向内側の位置でシャフト31の一端部と接している。小径部321の外周は、例えば、シャフト31の外周すなわち内輪42cの内周に等しい。大径部322は、軸方向で軸受42よりも可動部材33側に位置しており、可動部材33の胴部331に接している。大径部322の外周は、シャフト31の外周すなわち内輪42cの内周よりも大きい。大径部322の側面32pは、内側部材22が有する貫通孔22bの内壁と所定の大きさの隙間を有して対向する。また、大径部322は、可動部材33に接する一端部に、回転中心軸Zrを中心とした環状の切り欠きであるシール固定凹部32bを有する。
図2に示すように、シール固定部材32は、軸方向に貫通する貫通孔32h1および貫通孔32h2を備えている。貫通孔32h1は、シール固定部材32の回転中心軸Zrと同軸に開けられている。貫通孔32h2は、シール固定部材32の回転中心軸Zrを中心として点対称の位置に複数開けられている。ここで、上述した搬送テーブルとしての可動部材33は、軸方向に貫通する貫通孔33hを備えている。貫通孔33hは、可動部材33の回転中心軸Zrを中心として点対称の位置に複数開けられている。一方、シャフト31の一端31cの端面には、ねじ穴31h1およびねじ穴31h2が開けられている。ねじ穴31h1は、シャフト31の回転中心軸Zrと同軸に開けられている。ねじ穴31h2は、シャフト31の回転中心軸Zrを中心として点対称の位置に複数開けられている。
ボルト34は、貫通孔32h1を貫通し、ねじ穴31h1と締結して、シール固定部材32とシャフト31とを固定する。そして、ボルト34でシール固定部材32とシャフト31とが固定された状態で、複数のボルト35は、貫通孔33hおよび貫通孔32h2を貫通し、ねじ穴31h2と締結して、可動部材33とシール固定部材32とシャフト31とを固定する。可動部材33と内側部材22との間には、図2、4で示すように内部空間Vに繋がる所定の隙間が設けられている。また、ボルト35には、環状のシールワッシャ36が嵌められている。シールワッシャ36は、ボルト35と貫通孔33hの内壁との間の隙間を密封し、シール構造1の密封性を向上させている。なお、貫通孔32h2の内部を雌ねじとして、ボルト35が貫通孔32h2にも締結してもよい。
図2に示すように、内輪41cは、シャフト31の側面31から径方向外側へ突出する位置決め部31aに軸方向の一端が接している。内輪42cは、シール固定部材32の段差部32aに軸方向の一端が接している。このため、位置決め部31aとシール固定部材32とは、軸受41、軸受スペーサ43および軸受42を軸方向に挟み込み固定する。このような構造により、軸受41、42は、シャフト31に取り付けられる。なお、ボルト34がシール固定部材32とシャフト31とを固定することで、シール固定部材32が適正な押圧力を内輪42cの軸方向へ加えることができる。
シール固定部材32には、第1シール部材5が備えられている。第1シール部材5は、例えば、樹脂またはゴム等の非金属材料で形成されている。第1シール部材5は、図3に示すように回転中心軸Zrを中心とした環状の弾性部材であり、側面32pに接するようにシール固定部材32に嵌められて固定されている。これにより、第1シール部材5は、シール固定部材32とともに回転中心軸Zrを中心として回転する。第1シール部材5は、シール固定部材32の側面32pと内側部材22が有する貫通孔22bの内壁との間の隙間(第1隙間)15を密封する。そして、図1に示すように、第1シール部材5は、軸受4よりも、圧力の異なる2つの空間のうち低圧側の内部空間V寄りに配置されている。この構造により、第1シール部材5が、軸受4に用いられている潤滑剤などを内部空間V側に飛散させないようにしている。
実施形態1において、シール固定部材32は、第1シール部材5を固定するための部材であるとともに、軸受4に対する内輪押え部材でもある。この構造により、シール構造1は、部品点数を削減することができ、製造コストを抑制できる。なお、第1シール部材5を固定するための部材と内輪押え部材とは、別部材であってもよい。
図4に示すように、第1シール部材5は、弾性部材であり、リップ部51と、固定部52と、環状連結部53と、シールフランジ部54とを備える。リップ部51は、内側部材22が有する貫通孔22bの内壁に沿った環状部材であり、貫通孔22bの内壁に接する。固定部52は、シール固定部材32の側面32pに沿った環状部材であり、側面32pに接する。環状連結部53は、リップ部51と固定部52とを連結している。この構造により、リップ部51、固定部52および環状連結部53の一体としての断面形状が略U字形状となっている。これにより、リップ部51の弾性変形による圧力により、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力が高められる。このため、第1隙間15の密封性が向上する。また、リップ部51と、環状連結部53と、固定部52とで囲まれる空間は、圧力の異なる2つの空間のうち、高圧側となる外部空間Eに向かって開口している。
シールフランジ部54は、固定部52から径方向内側に向かって突出する部材である。シールフランジ部54は、例えば、環状で板状の部材であり、シール固定部材32のシール固定凹部32bに挿入されている。ボルト35によって可動部材33がシール固定部材32を介してシャフト31に固定されると、シール固定部材32および可動部材33は、シール固定凹部32bに挿入されたシールフランジ部54を挟み込み固定する。これにより、第1シール部材5のシール固定部材32に対する相対的な回転が抑制される。すなわち、第1シール部材5は、シール固定部材32とともに回転しやすくなる。このため、シール構造1は、第1シール部材5が内側部材22との摩擦により滑る可能性を低減できる。よって、シール構造1は、第1シール部材5とシール固定部材32との間に摩擦が生じる可能性を抑制することができる。
実施形態1において、可動部材33は、搬送テーブルであるとともに、シール押え部材でもある。この構造により、シール構造1は、部品点数を削減することができ、製造コストを抑制できる。なお、搬送テーブルとシール押え部材とは、別部材であってもよい。
図4に示すように、リップ部51と、環状連結部53と、固定部52とで囲まれる空間には、付勢部材56が配置されている。付勢部材56は、例えばステンレス鋼等であり、平板状の板状部56aおよび板状部56bを屈曲部56cで折り曲げた、断面視でV字状となる弾性体である。付勢部材56には、板状部56aおよび板状部56bの先端同士が広がるように弾性力が生じている。これにより、付勢部材56は、リップ部51をハウジング2の内側部材22に押し付けることができる。
第1シール部材5は、リップ部51の弾性変形による圧力および付勢部材56の弾性変形による圧力により、内側部材22に押し付けられる。このため、シール構造1は、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力を高めることができる。さらに、リップ部51と、環状連結部53と、固定部52とで囲まれる空間は、圧力の異なる2つの空間のうち、高圧側となる外部空間Eに向かって開口しているので、当該空間に外部空間Eの空気が流入することで当該空間が膨張する。このため、圧力の異なる2つの空間の圧力差によって、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力が高められる。これにより、シール構造1は、内部空間Vを高真空環境としても、高い密封性を維持できる。
また、図4に示すように、第1シール部材5のリップ部51においては、先端部51aが内側部材22に接触している。一方、リップ部51の基部51bは、内側部材22に接触しておらず、内側部材22との間に隙間をあけて対向している。これにより、第1シール部材5は、リップ部51の先端部51aにて線状に内側部材22に接触するので、密封性を向上させることができる。
ところで、特許文献1のような従来技術においては、接触式シールは、ハウジングに固定されてシャフトに接している。このため、シャフトが回転すると、接触式シールとシャフトとの間で摩擦が生じることになる。したがって、摩擦熱によって接触式シールおよびシャフトの温度が上昇する。特に、シャフトの接触式シールと接触する面において、回転中心軸Zrに対して直交する接線方向の速度が0.5m/s以上である場合、接触式シールの温度が上昇しやすい。樹脂またはゴムで形成される接触式シールは、金属で形成される他の部材と比較して熱膨張係数が大きいため、接触式シールが熱膨張すると、接触式シールのシャフトに対する接触圧が大きくなる。これにより、接触式シールの摩耗が進みやすくなる可能性がある。このため、接触式シールの温度上昇は抑制されるのが望ましい。そのために、従来の技術のシール構造は、接触式シールとともに高温となるシャフトの温度上昇を抑える必要がある。しかし、シャフトの一端部は高真空環境であるプロセス室に位置しているため、シャフトに蓄積した熱は、プロセス室側に放熱されない。このため、シャフトに蓄積した熱は、駆動源側に伝熱するが、駆動源側も発熱しているため、駆動源側への放熱量も限定される。
これに対して、実施形態1においては、シャフト31が回転すると、接触式シールである第1シール部材5とハウジング2の内側部材22との間で摩擦が生じる。第1シール部材5は上述したように樹脂またはゴムで形成されているため、第1シール部材5の熱伝導率は、金属で形成された他の部材と比較して1/1000から1/100程度である。したがって、第1シール部材5および内側部材22の間で生じた摩擦熱の大部分は、内側部材22側に伝わり、回転部材3の温度上昇は抑制される。可動部材33と内側部材22との間には、高真空環境である内部空間Vに繋がる隙間が設けられているため、実施形態1における内側部材22の熱は、可動部材33側へ伝熱しにくくなっている。一方、ボルト27によって内側部材22と外側部材21とが固定されているため、内側部材22の熱は、フランジ部222から外側部材21に伝熱する。外部空間Eでは、高真空環境である内部空間Vと異なり空気の対流があるため、外部空間Eの空気と外側部材21の外表面との間で熱伝達が生じやすい。これにより、第1シール部材5との摩擦によって内側部材22に生じた熱の放熱が促進される。このため、第1シール部材5の温度上昇が抑制されるので、第1シール部材5の熱膨張が抑制される。したがって、第1シール部材5の内側部材22に対する接触圧の増加が抑制されることで、第1シール部材5の摩耗の進行が抑制される。よって、シール構造1は、接触式シールである第1シール部材5の交換頻度を低減することができる。
なお、内側部材22と外側部材21との間の隙間には、放熱グリースが充填されていることが好ましい。これにより、内側部材22の熱は、胴部221から放熱グリースを介して外側部材21の胴部211に伝熱しやすくなる。内側部材22と外側部材21との間の熱伝導に寄与する部分が増加するため、内側部材22の熱がより効率的に外側部材21へ伝熱される。このため、第1シール部材5の温度上昇がより抑制されるので、第1シール部材5の摩耗の進行がより抑制される。
上述したように、第1シール部材5は、リップ部51と、固定部52と、環状連結部53と、を備える。これにより、第1シール部材5は、例えばOリング等である場合に比較して、内側部材22とシール固定部材32との間のヒートブリッジとなる部分が小さいため、内側部材22との間で生じる摩擦熱をシール固定部材32側へ熱伝導しにくくしている。これにより、シール構造1は、摩擦熱の外部空間E側への放熱をより促進することができる。このため、シール構造1は、第1シール部材5の摩耗を抑制することができる。
なお、第1シール部材5は、例えば、シールフランジ部54に相当する部分でシール固定部材33および可動部材33によって固定されるOリング等であってもよい。第1シール部材5がOリングである場合であっても、第1シール部材5とハウジング2の内側部材22との間で摩擦が生じることに変わりなく、第1シール部材5との摩擦によって内側部材22に生じた熱は、外側部材21を介して外部空間Eに放熱される。ただし、第1シール部材5は、上述したようにリップ部51と、固定部52と、環状連結部53と、を備える方が摩擦熱をシール固定部材32側へ熱伝導しにくくできる点で好ましい。
また、実施形態1においては、リップ部51に摩耗が生じても、付勢部材56が接触圧を維持するように作用する。このため、シール構造1は、接触式シールである第1シール部材5の交換頻度を低減することができる。
第1シール部材5の材質は、ポリエチレンまたはポリテトラフルオロエチレンであるとより好ましい。ポリエチレンまたはポリテトラフルオロエチレンは、第1シール部材5の材質として、耐摩耗性、耐薬品性に優れ、内側部材22との潤滑に好適である。
第1シール部材5が接触するシール固定部材32および内側部材22の材質は、高炭素クロム軸受鋼鋼材、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼、Siを3.4質量%以上含む析出硬化性ステンレスの高珪素合金のいずれか1つが好ましい。この構造により、第1シール部材5の摩耗が抑制され、実施形態1においてシール構造1は、接触式シールである第1シール部材5の交換頻度を低減することができる。
以上説明したように、シール構造1は、圧力の異なる2つの内部空間Vと外部空間Eとを隔てることができる。シール構造1は、圧力の異なる2つの空間のうち高圧側である外部空間Eに配置される筒状のハウジング2と、ハウジング2に挿入されるシャフト31と、ハウジング2に備えられ、シャフト31を回転可能に支持する軸受4と、を備える。また、シール構造1は、シャフト31の一端部に別体として固定されシャフト31とともに回転し、かつ側面32pが所定の大きさの隙間である第1隙間15を有してハウジング2が有する内側部材22の内壁22bと対向するシール固定部材32と、シール固定部材32に固定されてシール固定部材32とともに回転し、ハウジング2が有する内側部材22の内壁22bに接して、第1隙間15を密封する環状の第1シール部材5とを備える。
これにより、シャフト31が回転すると、第1シール部材5とハウジング2の内側部材22との間で摩擦が生じる。上述したように、樹脂またはゴムで形成された第1シール部材5の熱伝導率は、金属で形成された他の部材と比較して小さい。したがって、第1シール部材5および内側部材22の間で生じた摩擦熱の大部分は、内側部材22側に伝わり、回転部材3の温度上昇は抑制される。そして、内側部材22の熱は、外側部材21を介して外部空間E側に伝熱する。外部空間Eでは、高真空環境である内部空間Vと異なり空気の対流があるため、外部空間Eの空気と外側部材21の外表面との間で熱伝達が生じやすい。これにより、第1シール部材5との摩擦によって内側部材22に生じた熱の放熱が促進される。このため、第1シール部材5の温度上昇が抑制されるので、第1シール部材5の熱膨張が抑制される。したがって、第1シール部材5の内側部材22に対する接触圧の増加が抑制されることで、第1シール部材5の摩耗の進行が抑制される。よって、シール構造1は、接触式シールである第1シール部材5の交換頻度を低減することができる。
実施形態1に係るシール構造1は、シール固定部材32のシャフト31と固定される一端部とは異なる他端部に固定されてシール固定部材32とともに回転する可動部材(シール押え部材)33を備える。また、第1シール部材5は、シャフト31の径方向内側に向かって突出しシール固定部材32および可動部材(シール押え部材)33に挟まれて固定されるシールフランジ部54を備える。
これにより、第1シール部材5のシール固定部材32に対する相対的な回転が抑制される。すなわち、第1シール部材5は、シール固定部材32とともに回転しやすくなる。このため、シール構造1は、第1シール部材5が内側部材22との摩擦により滑る可能性を低減できる。よって、実施形態1に係るシール構造1は、第1シール部材5とシール固定部材32との間に摩擦が生じる可能性を抑制することができる。
実施形態1に係るシール構造1において、第1シール部材5は、シール固定部材32に接する固定部52と、ハウジング2が有する内側部材22の内壁に接するリップ部51と、固定部52とリップ部51とを連結する環状連結部53と、を備える。
これにより、リップ部51の弾性変形による弾性力により、第1シール部材5はハウジング2の内側部材22に押し付けられる。このため、シール構造1は、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力を高め、第1隙間15の密封性を向上させることができる。そして、第1シール部材5は、例えばOリング等である場合に比較して、内側部材22とシール固定部材32との間のヒートブリッジとなる部分が小さいため、内側部材22との間で生じる摩擦熱をシール固定部材32側へ熱伝導しにくくしている。これにより、シール構造1は、摩擦熱の外部空間E側への放熱をより促進することができる。このため、シール構造1は、第1シール部材5の摩耗を抑制することができる。
実施形態1に係るシール構造1において、リップ部51と、環状連結部53と、固定部52とで囲まれる空間に設けられて、リップ部51をハウジング2が有する内側部材22の内壁に押し付ける付勢部材56を備える。
これにより、第1シール部材5は、リップ部51の弾性変形による弾性力および付勢部材56の弾性変形による弾性力により、内側部材22に押し付けられる。このため、シール構造1は、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力を高め、第1隙間15の密封性を向上させることができる。そして、リップ部51に摩耗が生じても、付勢部材56は、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力を維持するように作用する。このため、シール構造1は、接触式シールである第1シール部材5の交換頻度を低減することができる。
実施形態1に係るシール構造1において、リップ部51と、環状連結部53と、固定部52とで囲まれる空間は、圧力の異なる2つの空間のうち高圧側の空間である外部空間Eに向かって開口している。
これにより、リップ部51と、環状連結部53と、固定部52とで囲まれる空間に外部空間Eの空気が流入することで、当該空間が膨張する。このため、圧力の異なる2つの空間の圧力差によって、内側部材22に対する第1シール部材5の押圧力が高められる。これにより、シール構造1は、内部空間Vを高真空環境としても、高い密封性を維持できる。
実施形態1に係るシール構造1において、ハウジング2は、筒状の部材である外側部材21と、外側部材21の内側に配置される筒状の部材である内側部材22と、外側部材21と内側部材22との間の隙間である第2隙間16を密封する環状のOリング(第2シール部材)12と、を備え、第1シール部材5は、内側部材22の内壁に接する。
これにより、第1シール部材5が回転しても、外側部材21には摩耗が生じず、内側部材22に摩耗が生じる。これにより、摩耗の生じていない外側部材21をそのまま使用し、摩耗が生じた内側部材22を外側部材21から取り外して交換することで、部品の交換作業が完了する。このため、シール構造1は、ハウジング2のメンテナンスの労力を軽減することができる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係るシール構造を模式的に示す断面図である。図6は、図5のB−B断面図である。上述した実施形態1と同じ構成要素には、同じ構造を付して、説明を省略する。実施形態2に係るシール構造1は、上述した実施形態1に係るハウジング2とは異なるハウジング2Aを備える。
ハウジング2Aは、ハウジング本体としての筒状の部材である外側部材21Aと、外側部材21Aの内側に配置される筒状の部材である内側部材22Aと、を備える。外側部材21Aは、胴部211Aと、胴部211Aの一端部に設けられたフランジ部212と、を有する。実施形態2において、胴部211Aは筒形状(例えば円筒)の部材であり、軸方向に貫通する貫通孔21b、21cを有している。内側部材22Aは、胴部221Aと、胴部221Aの一端部に設けられたフランジ部222とを有する。胴部221Aは筒形状(例えば円筒)の部材であり、軸方向に貫通する貫通孔22bを有している。
実施形態2における胴部221Aは、大径部223と、大径部223と一体に形成され、大径部223の外周よりも小さい外周を有する小径部224とを有する。大径部223と小径部224との境界部分には、段差部22dが形成されている。大径部223は、軸受4の径方向外側の位置で、外側部材21Aが有する貫通孔21bと貫通孔21cとの境界部分にある段差部21dに接している。段差部21dには回転中心軸Zrを中心とした環状溝があり、この環状溝にOリング13がはめ込まれている。Oリング13は、大径部223と外側部材21Aの胴部211Aとの間の隙間を密封している。
小径部224は、大径部223よりもフランジ部222側に配置されている。また、段差部22dは、軸方向で軸受4と第1シール部材5との間の位置に配置されている。これにより、小径部224は、径方向から見て第1シール部材5と重なり合っている。このため、第1シール部材5から内側部材22Aの側面22cAまでの距離が、実施形態1における第1シール部材5から内側部材22の側面22cまでの距離よりも小さくなっている。
内側部材22Aの側面22cAは、外側部材21Aが有する貫通孔21cの内壁に対向している。大径部223および小径部224の外周は、ともに貫通孔21cの内周よりも小さい。このため、外側部材21Aと内側部材22Aとの間には、側面22cAおよび貫通孔21cの内壁に囲まれた空間である冷媒導入部75が形成されている。図6に示すように、冷媒導入部75は、回転中心軸Zrを中心とした環状の空間であり、第1シール部材5よりも径方向外側に設けられている。冷媒導入部75には、冷媒が導入される。実施形態2において、冷媒は純水である。なお、冷媒は、純水以外の液体であってもよいし、二酸化炭素等の気体であってもよい。
実施形態2において、内側部材22Aは、冷媒導入部75を形成するための部材であるとともに、軸受4に対する外輪押え部材でもある。この構造により、実施形態2に係るシール構造1は、部品点数を削減することができ、製造コストを抑制できる。なお、冷媒導入部75を形成するための部材と外輪押え部材とは、別部材であってもよい。例えば、冷媒導入部75は、外側部材21Aにおける胴部211Aに設けられた内部空間であってもよい。
実施形態2において、外側部材21Aの胴部211Aには、軸方向で外部空間E側の一端部から段差部21dに向かって貫通する2つの貫通孔74、76が設けられている。図6に示すように、貫通孔74、76は、例えば回転中心軸Zrを中心として点対称の位置に開けられている。また、貫通孔74、76は、平面視で冷媒導入部75に重なる位置に開けられており、冷媒導入部75に繋がっている。実施形態2に係るシール構造1は、貫通孔74によって冷媒導入部75に冷媒を導入し、貫通孔76によって冷媒導入部75に冷媒を排出する。上述したように、Oリング13が大径部223と外側部材21Aの胴部211Aとの間の隙間を密封しているので、シール構造1は、冷媒の軸受4側への漏洩を防ぐことができる。
実施形態2に係るシール構造1は、冷却装置71と、配管72、73と、を備えている。冷却装置71は、例えばコンプレッサーを備えており、冷媒を冷却することができる。配管72は、冷却装置71と貫通孔74とを接続している。配管73は、冷却装置71と貫通孔76とを接続している。冷却装置71にて冷却された冷媒は、配管72および貫通孔74を介して冷媒導入部75へ運ばれ、内側部材22Aの熱を奪うことで内側部材22Aを冷却する。内側部材22Aから熱を受け取った冷媒は、貫通孔76および配管73を介して冷却装置71に戻される。このように、冷媒が冷却装置71および冷媒導入部75を循環することで、内側部材22Aが冷却され続ける。なお、冷却装置71は、必ずしもコンプレッサーを用いて冷媒を冷却しなくてもよく、ペルチェ素子等を用いて冷媒を冷却してもよい。
以上説明したように、実施形態2に係るシール構造1において、ハウジング2Aは、第1シール部材5よりも径方向外側の位置に設けられた空間であって冷媒が循環する冷媒導入部75を備える。
これにより、第1シール部材5が回転することにより第1シール部材5と内側部材22Aとの接触部分で生じる摩擦熱は、内側部材22Aの小径部224を伝熱して冷媒に放熱される。そして、実施形態2に係るシール構造1は、冷媒が強制的に対流させられるため、摩擦熱の放熱を促進することができる。このため、第1シール部材5の温度上昇が抑制されるので、第1シール部材5の摩耗の進行が抑制される。よって、実施形態2に係るシール構造1は、接触式シールである第1シール部材5の交換頻度を低減することができる。
以上、実施形態1および実施形態2を説明したが、前述した内容により限定されるものではない。また、実施形態1から実施形態2の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換および変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
1 シール構造
10 筐体
11、13 Oリング
12 Oリング(第2シール部材)
15 第1隙間
16 第2隙間
2 ハウジング
21 外側部材
211 胴部
212 フランジ部
21a 位置決め部
21b、21c 貫通孔
22 内側部材
221 胴部
222 フランジ部
223 大径部
224 小径部
3 回転部材
31 シャフト
32 シール固定部材
321 小径部
322 大径部
32b シール固定凹部
32p 側面
33 可動部材(搬送テーブル、シール押え部材)
331 胴部
332 載置部
4、41、42 軸受
41a、42a 外輪
41c、42c 内輪
5 第1シール部材
51 リップ部
52 固定部
53 環状連結部
54 シールフランジ部
56 付勢部材
6 回転駆動装置
71 冷却装置
72、73 配管
74、76 貫通孔
75 冷媒導入部
8 電動機
91 制御装置
100 半導体製造装置
E 外部空間
V 内部空間

Claims (11)

  1. 圧力の異なる2つの空間を隔てるシール構造であって、
    前記圧力の異なる2つの空間のうち高圧側の空間に配置される筒状のハウジングと、
    前記ハウジングに挿入されるシャフトと、
    前記ハウジングに備えられ、前記シャフトを回転可能に支持する軸受と、
    前記シャフトの一端部に固定されて前記シャフトとともに回転し、かつ側面が所定の大きさの隙間である第1隙間を有して前記ハウジングの内壁と対向するシール固定部材と、
    前記シール固定部材に固定されて前記シール固定部材とともに回転し、前記ハウジングに接して、前記第1隙間を密封する環状の第1シール部材と、
    を備えることを特徴とするシール構造。
  2. 前記シール固定部材の前記シャフトと固定される一端部とは異なる他端部に固定されて前記シール固定部材とともに回転するシール押え部材を備え、
    前記第1シール部材は、前記シャフトの径方向内側に向かって突出し前記シール固定部材および前記シール押え部材に挟まれて固定されるシールフランジ部を備えることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記第1シール部材は、前記シール固定部材に接する固定部と、前記ハウジングに接するリップ部と、前記固定部と前記リップ部とを連結する環状連結部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のシール構造。
  4. 前記リップ部と、前記環状連結部と、前記固定部とで囲まれる空間に設けられて、前記リップ部を前記ハウジングに押し付ける付勢部材を備えることを特徴とする請求項3に記載のシール構造。
  5. 前記リップ部と、前記環状連結部と、前記固定部とで囲まれる空間は、前記圧力の異なる2つの空間のうち、高圧側の空間に向かって開口していることを特徴とする請求項3または4に記載のシール構造。
  6. 前記ハウジングは、筒状の部材である外側部材と、前記外側部材の内側に配置される筒状の部材である内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との間の隙間である第2隙間を密封する環状の第2シール部材と、を備え、
    前記第1シール部材は、前記内側部材の内壁に接することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシール構造。
  7. 前記ハウジングは、前記第1シール部材よりも前記シャフトの径方向外側の位置に設けられた空間であって冷媒が循環する冷媒導入部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のシール構造。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のシール構造と、前記シャフトを回転させる電動機とを備える、回転駆動装置。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載のシール構造と、被搬送物を移動させる可動部材を備え、前記シャフトの回転と、前記可動部材とが連動する、搬送装置。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載のシール構造を備える、工作機械。
  11. 請求項1から7のいずれか1項に記載のシール構造を備える、半導体製造装置。
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WO2018139501A1 (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 スクロール型圧縮機
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