JP2015218798A - ボールジョイント用ダストカバー - Google Patents

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Abstract

【課題】
他端小径開口部に形成したダストリップのシール性能を向上させることにより、小径開口部のシール性能が良好なボールジョイント用ダストカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】ボールスタッドの一端に形成された球頭部がソケット内に保持され、前記ボールスタッドの他端の軸はナックルに締め付け固定され、一端大径開口部が前記ソケットの外周面に固定保持され、前記ナックルと弾性接触しているダストリップを備えた他端小径開口部が前記軸に保持されたボールジョイント用ダストカバーにおいて、前記ダストリップの前記ナックルと接触する面に複数本の環状突起を形成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボールジョイント用ダストカバーに関する。
また、本発明は、自動車懸架装置、操舵装置等に使用されるボールジョイント用ダストカバーに関する。
従来、ボールジョイント継ぎ手部の防塵、防水を目的としてダストカバーが装着されているボールジョイントとしては図5に記載のボールジョイント用ダストカバーが知られている。(特許文献1)
この種ボールジョイント用ダストカバーのシール構造は、ボールスタッド100の一端に形成された球頭部200がソケット300内に保持されている。
そして、ボールスタッド100の他端の軸400は、ナックル500に締め付け固定されている。
一方、弾性材製ダストカバー600の断面略コ字形状の一端大径開口部800が、ソケット300の外周面に形成された環状の溝部310内に、円環状押さえリング810により固定保持され、断面L字形状の金属補強環710が埋設され、ナックル500と弾性接触しているダストリップ900を備えた他端小径開口部700が軸400に保持された構成となっている。
そして、このダストリップ900がナックル500の面(図上下側の面)に適度に圧接されることにより、ボールスタッド100の揺動運動及び往復回転運動に対してシール性を発揮する形を取っている。
しかし、この種従来の弾性材製ダストカバー600のダストリップ900は、図6に示す形状を呈している。
そして、ボールスタッド100の往復回転運動に伴い、ダストリップ900は、図7の黒く塗りつぶした形に摩耗が進行する。
この結果、ダストリップ900のシール性能に大きく影響する先端部910が摩耗により損傷を受ける為、ダストリップ900のシール性能が大きく低下する。
この為、他端小径開口部700におけるシール性能が低下し、外部から土砂や塵芥がダストカバー600内に浸入する問題を惹起した。
また、この様なダストリップ900のシール性能の低下は、外部から土砂や塵芥がダストカバー600内に浸入するだけでなく、ダストカバー600内に封入されたグリースが漏れ出る危険性を招来した。
特開昭62−137408号公報
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、他端小径開口部に形成したダストリップのシール性能を向上させることにより、小径開口部のシール性能が良好なボールジョイント用ダストカバーを提供することを目的とする。
本発明のボールジョイント用ダストカバーは、ボールスタッドの一端に形成された球頭部がソケット内に保持され、前記ボールスタッドの他端の軸はナックルに締め付け固定され、一端大径開口部が前記ソケットの外周面に固定保持され、前記ナックルと弾性接触しているダストリップを備えた他端小径開口部が前記軸に保持されたボールジョイント用ダストカバーにおいて、前記ダストリップの前記ナックルと接触する面に複数本の環状突起を形成したことを特徴とする。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、他端小径開口部に設けたダストリップのナックルと接触する面に、複数本の環状突起を形成する構成とした為、ダストリップのシール性能を向上させ、小径開口部のシール性能を良好に維持出来る。
更に、請求項2記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、環状突起を形成している外側傾斜面の長さは内側傾斜面よりも短く、外側傾斜面の傾斜角度は内側傾斜面の傾斜角度に比べ大きい構成としている為、外部からの土砂や塵芥がダストカバー内に浸入することをより効果的に排除出来る。
更に、請求項3記載の発明のボールジョイント用ダストカバーによれば、環状突起の高さは環状突起の間隙よりも小さい構成としている為、長期間に渡って小径開口部のシール性能を良好に維持出来る。
本発明に係る装着状態のボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。 図1のボールジョイント用ダストカバーの装着前の部分拡大図。 図2を更に拡大した説明図。 本発明に係るボールジョイント用ダストカバーのダストリップの摩耗状態を示す説明図。 従来技術に係るボールジョイント用ダストカバーの縦断面図。 図5のボールジョイント用ダストカバーの装着前の部分拡大図。 従来技術に係るボールジョイント用ダストカバーのダストリップの摩耗状態を示す説明図。
以下、本発明を実施するための態様について説明する。
図1、図2及び図3に示される様に、本発明に係るボールジョイント用ダストカバーは、ボールスタッド1の一端に形成された球頭部2がソケット3内に保持され、このボールスタッド1の他端の軸4はナックル5に締め付け固定され、一端大径開口部8がソケット3の外周面に固定保持され、断面L字形状の金属補強環71が埋設され、ナックル5と弾性接触しているダストリップ9を備えた他端小径開口部7が軸4に保持された基本構成を備えている。
尚、本実施態様に於いては、他端小径開口部7に金属補強環71を埋設する構成としたが、必ずしも金属補強環71を埋設する必要は無く、金属補強環71を埋設しない態様のものに於いても、本発明は有効に機能する。
また、他端小径開口部7に補強環を埋設する場合、金属補強環に代わり樹脂補強環を使用しても良い。
そして、ダストリップ9のナックル5と接触する面に3本の環状突起91を形成する構成となっている。
この様に、他端小径開口部7には、ナックル5の面と弾性接触している3本の環状突起91を備えるダストリップ9が一体形成されている。
このダストリップ9の存在により、外部からの塵埃や土砂等のダストカバー6内への浸入を効果的に阻止出来る。
この環状突起91は、2本以上存在すれば良いが、好ましくは3本以上存在することが好ましい。
また、この環状突起91は、図3に示す様に、各環状突起91を形成している外側傾斜面L1(図上上側)の長さは内側傾斜面L2(図上下側)よりも短く、環状突起91の底部を結ぶ線Xと外側傾斜面L1の成す傾斜角度αは、環状突起91の底部を結ぶ線Xと内側傾斜面L2の成す傾斜角度βに比べ大きく設計されている。
この様に設計することにより、外部からの土砂や塵芥がダストカバー6内に浸入することをより効果的に排除出来る。
更に、環状突起91の高さHは環状突起91の間隙Dよりも小さく設計されている。
この為、長期間に渡って他端小径開口部7のシール性能を良好に維持出来る。
この様な構成を備える本発明に係るボールジョイント用ダストカバーのダストリップ9は、ボールスタッド1の往復回転運動に伴い、図4の黒く塗りつぶした形に摩耗が進行する。
この様に、最も外側(図上上方)に位置する環状突起91から、順次内側(図上下側)に位置する環状突起9に摩耗が進行する為、最も外側(図上上方)に位置する環状突起91のシール性能が低下しても、次に位置する環状突起91が良好なシール性能を発揮する為、長期間に渡って、外部からの土砂や塵芥がダストカバー内に浸入することをより効果的に排除出来る。
また、ダストカバー6の材質は、クロロプレン等のゴム状弾性材や、ポリエステル系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性エラストマーから、適宜用途に合わせ選択して使用される。
また、ダストカバー6内には、グリースが封入されている。
一方、ダストカバー6の断面略コ字形状の一端大径開口部8は、ソケット3の外周面に形成された環状の溝部31内に、円環状押さえリング81により固定保持される構成となっている。
この押さえリング81は、断面略矩形状のサークリップを使用したが、一端大径開口部8に金属補強環を埋設一体化したタイプ等用途に応じ各種押えリングが採用される。
また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに使用できる。
1 ボールスタット
2 球頭部
3 ソケット
4 軸
5 ナックル
6 ダストカバー
7 他端小径開口部
8 一端大径開口部
9 ダストリップ
31 溝部
71 金属補強環
81 円環状押えリング
91 環状突起

Claims (3)

  1. ボールスタッド(1)の一端に形成された球頭部(2)がソケット(3)内に保持され、前記ボールスタッド(1)の他端の軸(4)はナックル(5)に締め付け固定され、一端大径開口部(8)が前記ソケット(3)の外周面に固定保持され、前記ナックル(5)と弾性接触しているダストリップ(9)を備えた他端小径開口部(7)が前記軸(4)に保持されたボールジョイント用ダストカバー(6)において、
    前記ダストリップ(9)の前記ナックル(5)と接触する面に複数本の環状突起(91)を形成したことを特徴とするボールジョイント用ダストカバー。
  2. 前記環状突起(91)を形成している外側傾斜面(L1)の長さは内側傾斜面(L2)よりも短く、前記外側傾斜面(L1)の傾斜角度(α)は前記内側傾斜面(L2)の傾斜角度(β)に比べ大きいことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント用ダストカバー。
  3. 前記環状突起(91)の高さ(H)は前記環状突起(91)の間隙(D)よりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイント用ダストカバー。
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