JP2015218647A - 内燃機関のデコンプ装置 - Google Patents

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Tatsuo Kobayashi
辰夫 小林
西田 秀之
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【課題】デコンプ状態にするためのデコンプカムシャフトの回転駆動をより小さな力で行う。【課題手段】本発明の一態様のデコンプ装置50は、ロッカーアーム52を動かすべく、ロッカーアームの支点部材53に作用するように構成されたカム部材59と、カム部材59を備えたデコンプカムシャフト60を回転させるためのアクチュエータ57と、支点部材53に対するカム部材59の作用力が所定値を超えないようにカム部材59に対して設けられた弾性部59bとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のデコンプ装置に関する。
少なくとも圧縮行程中に筒内圧を解放するために筒内燃焼室を排気通路に連通させるデコンプ装置(減圧装置)を備えた内燃機関が公知である。かかるデコンプ装置は、内燃機関の停止時や始動時に内燃機関の振動騒音および回転変動を抑制する目的で使用され、また内燃機関の始動時に圧縮負荷ひいては始動用モータの負荷を低減し、バッテリ消費電力等を抑制する目的で使用される。
特許文献1には、内燃機関のデコンプ装置の一例が開示されている。この装置は、排気弁を駆動するロッカーアームに当接する支点部材(HLA)と、この支点部材をその軸方向に動かすようにデコンプカムシャフトに設けられたデコンプカムと、デコンプカムシャフトを回転させるためのアクチュエータとを備えている。機関始動時、デコンプカムシャフトを回転させることでデコンプカムが回転し、それにより、支点部材がその軸方向に動かされ、ロッカーアームの揺動中心を押し上げる。その結果、特許文献1の記載によれば、排気弁が開弁することになり、機関始動時に筒内圧縮圧を逃がすデコンプ状態となり、機関始動を容易にすることができる。
特開2007−024030号公報
ところで、特許文献1では、デコンプ装置の作動によりデコンプカムシャフトを回転させることで、複数の気筒の全てで、排気弁を駆動するロッカーアームを一律に動かすようにデコンプ装置は構成されている。
一方、開状態の排気弁のロッカーアームには排気バルブスプリングからの反力が作用している。したがって、閉状態の排気弁のロッカーアームを動かすことに比べて、開状態の排気弁のロッカーアームを動かすためには大きな力が必要とされる。よって、特許文献1のデコンプ装置は、デコンプカムシャフトを駆動するためのアクチュエータの小型化の点で問題がある。
そこで本発明は、上記事情に鑑みて創案され、その目的は、デコンプ状態にするためのデコンプカムシャフトの回転駆動をより小さな力で行うことを可能にする内燃機関のデコンプ装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
クランクシャフトに連動して回転する駆動カムによって揺動されるロッカーアームが機関バルブを開弁させる内燃機関のデコンプ装置であって、
ロッカーアームを動かすべく、ロッカーアームの支点部材に作用するように構成されたカム部材と、
カム部材を備えたデコンプカムシャフトを回転させるためのアクチュエータと、
支点部材に対するカム部材の作用力が所定値を超えないように該カム部材に対して設けられた弾性部と
を備えた、内燃機関のデコンプ装置
が提供される。
本発明の上記一態様によれば、支点部材に対するカム部材の作用力が所定値を超えないようにカム部材に対して設けられた弾性部を備えるので、デコンプカムシャフトのカム部材の支点部材に対する作用力は所定値を越えないように制限できる。よって、本発明の上記一態様によれば、開状態の排気弁がある場合でも、デコンプ状態にするためのデコンプカムシャフトの回転駆動をより小さな力で行うことができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の第1実施形態に係るデコンプ装置が適用された内燃機関の構成を示す概略図である。 図1の内燃機関の一部の拡大正面断面図である。 図1の内燃機関の一部の拡大側面断面図である。 第1実施形態のデコンプ装置の制御フローチャートである。 第1実施形態のデコンプ装置のデコンプカムを表した図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその正面図である。 第1実施形態のデコンプ装置のデコンプカムシャフトの組み立てを説明するための模式図である。 閉状態の排気弁に関する模式図であり、(a)はデコンプ装置停止時の図であり、(b)はデコンプ装置作動時の図である。 全開状態の排気弁に関する模式図であり、(a)はデコンプ装置停止時の図であり、(b)はデコンプ装置作動時の図である。 排気弁リフトの量と排気バルブスプリングの作用による荷重との関係を表したグラフである。 排気バルブスプリングの作用による荷重と、デコンプ装置の作動によるリフト量との関係を表したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るデコンプ装置のデコンプカムシャフトの1つのデコンプカムに関する図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図1に、本第1実施形態のデコンプ装置が適用された内燃機関の構成を概略的に示す。本実施形態に係る内燃機関(エンジン)1は車両に搭載され、多気筒(例えば直列4気筒)の火花点火式内燃機関として構成されている。ただし、エンジンの種類、気筒数、シリンダ配置形式(直列、V型、水平対向等)、着火方式等は特に限定されず、例えばエンジンは圧縮着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)であってもよい。車両の種類、用途等も特に限定されず、例えば車両はエンジン1を唯一の動力源とする通常の車両であってもよいし、エンジン1と電気モータとの2つの動力源を備える所謂ハイブリッド車両であってもよい。車両には、車両およびエンジン1を制御するように構成された制御ユニットとしての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20が設けられている。
エンジン1のシリンダブロック2に形成されたシリンダ(筒)2a内にはピストン3が往復動可能に収容され、ピストン3にはクランクシャフト4が連結されている。エンジン1のシリンダヘッド5には吸気ポート6を開閉する吸気弁7と、排気ポート8を開閉する排気弁9とが気筒ごとに2つずつ配設されている。各吸気弁7および各排気弁9は、それぞれ機関バルブであり、カムシャフト10、11を含む動弁機構によって開閉駆動される。カムシャフト10、11は動力伝達機構を介してクランクシャフト4に連結されていて、クランクシャフト4に連動して回転する。シリンダヘッド5の頂部には、筒内燃焼室12内の混合気に点火するための点火プラグ13が気筒ごとに取り付けられている。なお、吸気弁7および排気弁9の少なくとも一方の開弁特性を変更するための可変バルブ機構(例えば可変バルブタイミング機構)が設けられてもよい。
各気筒の吸気ポート6は、気筒毎の吸気マニフォールドもしくは枝管14を介して、吸気集合室であるサージタンク15に接続されている。サージタンク15の上流側には吸気管16が接続されており、吸気管16の上流端にはエアクリーナ(図示せず)が設けられている。そして吸気管16には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ17と、電子制御式のスロットルバルブ18とが組み込まれている。吸気ポート6、枝管14、サージタンク15および吸気管16は、それぞれ吸気通路の一部を形成する。吸気通路、特に吸気ポート内6に燃料を噴射するためのインジェクタ19が気筒ごとに配設されている。
各気筒の排気ポート8には図示しない排気マニフォールドおよび排気管が接続され、排気管には三元触媒からなる触媒が設置されている。触媒の上流側および下流側には排気ガスの空燃比を検出するための上流側および下流側空燃比センサが設置されている。ECU20はこれら空燃比センサの出力に基づき、各空燃比をストイキ(理論空燃比)に制御するための空燃比フィードバック制御を実行する。
センサ類に関し、上述のエアフローメータ17、上流側および下流側空燃比センサに加え、エンジン1のクランク角を検出するためのクランク角センサ35、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ36、エンジン1の冷却水温度を検出するための水温センサ37がECU20に電気的に接続されている。クランク角センサ35の出力に基づいて、ECU20は、エンジン回転数を検出する。また、エンジン1を始動または停止させるためのスタートスイッチ39がECU20に電気的に接続されている。さらに、車両の車速を検出するための車速センサ40がECU20に電気的に接続されている。ECU20は、これらセンサの出力に基づく検出値に基づいて、点火プラグ13、スロットルバルブ18、インジェクタ19などを制御する。そして点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度などを制御する。
このエンジン1は、アイドルストップ(アイドル・リダクション)制御を実行可能に構成されている。アイドルストップ実行条件が成立したとき、エンジン1は停止される。そして、再始動条件が成立したとき、エンジン1は再始動される。ここでは、エンジン1の運転中、車速がゼロであり、アクセルペダルが踏まれていない時間が所定時間を越えているとき、アイドルストップ実行条件が成立したとECU20は判定する。アイドルストップ実行条件には、ブレーキペダルが踏まれていることなどがさらに含まれてもよい。そして、例えば、ブレーキペダルが戻されたとき(ブレーキが解除されたとき)、および/あるいはアクセルペダルが踏まれたとき、再始動条件が成立したとして、エンジン1は再始動される。具体的には、ECU20はスタータ(不図示)を作動させ、エンジン1を再始動させる。
加えて、本実施形態のエンジン1においては、少なくともエンジンの圧縮行程中に筒内圧を解放するため、筒内燃焼室12を排気通路(排気ポート8)に連通させるデコンプ装置(減圧装置)50が設けられている。
以下、図2および図3を参照してデコンプ装置50を説明する。本実施形態のデコンプ装置50は、エンジン1の排気弁9を一定量リフト(開弁)させることにより、少なくとも圧縮行程中の筒内圧すなわち圧縮圧を解放するよう構成されている。よって本実施形態のデコンプ装置50は排気弁9を構成要素の一部として流用する。
図示されるように、シリンダヘッド5には、排気弁9用の動弁機構の構成要素として排気カムシャフト11(カムシャフト)、排気バルブスプリング51(バルブスプリング)、ロッカーアーム52および油圧ラッシュアジャスター(以下、HLAという)53が設けられる。排気バルブスプリング51、ロッカーアーム52およびHLA53は排気弁9毎に設けられる。なお吸気弁7用の動弁機構も同様に構成され、対応する部品を便宜上同一の符号を用いて図2に表す。
排気バルブスプリング51は、排気弁9を閉方向に付勢する。ロッカーアーム52は、クランクシャフト4と連動して回転する排気カムシャフト11のカム(駆動カム)から駆動力を受けて揺動し、排気弁9を選択的に開方向に作動させる。本実施形態では排気カムシャフト11がロッカーアーム52に直接接触され、排気カムシャフト11がロッカーアーム52を直接駆動する。しかしながら、排気カムシャフト11とロッカーアーム52との間にローラーアーム等の中間部材を介設し、排気カムシャフト11が中間部材を介してロッカーアーム52を駆動するようにしてもよい。
HLA53は周知のように、ロッカーアーム52の揺動中心をなす。HLA53は、排気カムシャフト11(または中間部材)とロッカーアーム52とのクリアランスを常時なくすように作動する。したがってHLA53はロッカーアーム52に当接する。HLA53は、支点部材に相当する。
これら排気カムシャフト11、排気バルブスプリング51、ロッカーアーム52およびHLA53は、デコンプ装置50の構成要素をもなす。これらに加え、デコンプ装置50は、HLA53を排気弁9の開側に選択的にリフト可能なカム部材としてのデコンプカム59を備えたデコンプカムシャフト60と、デコンプカムシャフト60を回転駆動するデコンプアクチュエータ57とを備える。
デコンプカムシャフト60は、全気筒に共通の単一の部材であり、カムシャフト挿通孔61内に回転自在に挿通支持されている。カムシャフト挿通孔61は、各HLA53の底部に臨むようシリンダヘッド5に形成されている。デコンプカムシャフト60は、各HLA53の底面部に接触するよう配設されたデコンプカム59を有し、デコンプカムシャフト60の回転によりデコンプカム59が回転されたときにHLA53は動かされ得る。なお、シリンダヘッド5に形成されたHLA支持孔62内にHLA53は昇降可能に支持される。デコンプカムシャフト60は、電動式のデコンプアクチュエータ57により回転駆動される。アクチュエータ57は電動式以外であってもよい。
デコンプアクチュエータ57はECU20に電気的に接続され、ECU20により制御される。ECU20からデコンプアクチュエータ57に、オン/オフ信号およびデコンプアクチュエータ57の目標変位量を示す信号が送られ、デコンプアクチュエータ57からECU20に、デコンプアクチュエータ57の実際の変位量を示す信号が送られる。
デコンプ装置50の作動時、デコンプアクチュエータ57がオンされ、デコンプアクチュエータ57は目標変位量に等しい量だけ回転変位して、デコンプカムシャフト60を、例えば図2、3に示す停止位置から180°異なる作動位置(図3に仮想線で示す)に回転させる。すると、デコンプカム59がHLA53に作用し、HLA53を直接押し上げ、上方にリフトさせる。これによりロッカーアーム52が動かされ、具体的には所定量回転し、排気弁9を開方向(下方)にリフトさせる。このような作動は各排気弁9に対して一斉に行われる。これにより排気カムシャフト11のベース円拡大と同様の効果を得られ、各排気弁9は全閉にならず、少なくとも、全開時のリフト量より遙かに少ない微小量だけリフトされる。
本実施形態のデコンプ装置50は、概して、エンジン始動前に作動状態にさせられる。特に、ここでは、エンジンが停止する時にデコンプ装置50は作動され、エンジン始動時まで作動状態に維持される。ここで、図4のフローチャートに基づいて、デコンプ装置50の作動制御について説明する。図4のフローチャートは所定時間間隔で繰り返される。デコンプ装置50の制御部として、ECU20の一部が機能する。
まず、ステップS401では、作動フラグがOFFであるか否かが判定される。作動フラグは、デコンプ装置50が作動されたとき(デコンプカムシャフト60が作動位置にあるとき)ONにされるフラグであり、デコンプ装置50が停止されたとき(デコンプカムシャフト60が停止位置(ノーマル位置)にあるとき)OFFにされるフラグである。初期状態では作動フラグはOFFになっている。
ステップS401で作動フラグがOFFであるので肯定判定されると、ステップS403でデコンプ装置50の作動条件が成立しているか否かが判定される。例えば、車両が停止していて、ブレーキペダルが踏まれていて、アクセルペダルが踏まれていない時間が所定時間(例えば数秒)経過したとき、ステップS403で肯定判定される。上記アイドルストップ実行条件が成立したときデコンプ装置50の作動条件が成立したと判定されてもよい。あるいは、エンジン1を始動させるべくスタートスイッチ39がONにされたとき、デコンプ装置50の作動条件が成立したと判定されてもよい。デコンプ装置50の作動条件は種々設定可能である。
そして、デコンプ装置50の作動条件が成立しているので、ステップS403で肯定判定されると、ステップS405でデコンプ装置50が作動される。これにより、上記のごとく、デコンプアクチュエータ57が作動され、デコンプカムシャフト60は、停止位置から180°異なる作動位置に回転させられる。ステップS405を経ることで、作動フラグはONにされ、今回のルーチンは終了する。ステップS403で否定判定されると、今回のルーチンは終了する。
一方、作動フラグがONであるので、ステップS401で作動フラグがOFFでないとして否定判定されると、ステップS407で、デコンプ装置50の停止条件(ノーマル状態復帰条件)が成立しているか否かが判定される。例えば、アクセルペダルが踏まれて、エンジン回転数が所定回転数(例えば400rpm)を超えたとき、ステップS407で肯定判定される。上記再始動条件が成立してエンジン回転数が所定回転数を超えたとき、ステップS407で肯定判定されてもよい。あるいは、エンジン1を停止させるべくスタートスイッチ39がOFFにされたとき、または、スタートスイッチ39がOFFにされてさらにエンジン回転数が所定回転数以下になったとき、ステップS407で肯定判定されてもよい。デコンプ装置50の停止条件は種々設定可能である。
そして、デコンプ装置50の停止条件が成立したので、ステップS407で肯定判定されると、ステップS409でデコンプ装置50が停止される、つまりデコンプ装置50が排気弁9を強制的に開状態にしないノーマル状態に復帰される。これにより、上記のごとく、デコンプアクチュエータ57が作動され、デコンプカムシャフト60は、作動位置から−180°異なる停止位置に回転させられる(ステップS405での停止位置から作動位置への回転と逆向きに180°回転させられる)。ステップS409を経ることで、作動フラグはOFFにされ、今回のルーチンは終了する。ステップS407で否定判定されると、今回のルーチンは終了する。
このように、ECU20は、エンジン(再)始動の際に排気弁9を常時開弁させるよう、デコンプアクチュエータ57を作動させてHLA53をリフトさせる。これにより、エンジン始動時の振動騒音および回転変動を抑制すると共に、圧縮負荷ひいては始動用モータの負荷を低減し、バッテリ消費電力、燃費等を抑制することができる。
ところで、デコンプ装置が作動するとき、排気弁が閉じている気筒や、排気弁が開いている気筒が存在し得る。開状態の排気弁のロッカーアームには排気バルブスプリングからの反力が作用している。したがって、この状態で、デコンプ装置を作動させると、閉状態の排気弁のロッカーアームを動かすことに比べて、開状態の排気弁のロッカーアームを動かすために、大きな力(作用力)が必要とされる。そこで、デコンプカムシャフト60のデコンプカム59には、このような相対的に大きな力をHLA53に及ぼさなくてもよいように、つまり、HLA53に対するデコンプカム59の作用力が所定値を超えないように、弾性部が設けられている。
図5に、デコンプカム59を示す。デコンプカム59はベース円状部59aと、弾性山部59bとを備えている。弾性山部59bは、ベース円状部59aに対して弾性変形するように構成されている。図5から理解できるように、弾性山部59bが完全にベース円状部59aに向けて撓んだとき、デコンプカム59はほぼ断面円形または円筒形になるように構成されている。弾性山部59bは、所定値を超える荷重に対して完全に撓み、その自由端部がベース円状部59aに近接するように、例えば当接するように設計されている。
このデコンプカム59の穴59cにシャフト本体60Aが挿入されて、これらが互いに対して固定されることで、デコンプカム59はデコンプカムシャフト60の一部を構成する。デコンプカムシャフト60の組み立てについて図6に基づいて説明する。なお、図6は、図3の矢印Aの方向において、シャフト本体60Aにデコンプカム59や円筒形状の外形を有するジャーナル部材60Bが互いに対して組み立てられるところを模式的に示す。
シャフト本体60Aは断面六角形状を有している棒状部材である。このシャフト本体60Aが挿入されるように、デコンプカム59は断面六角形状の穴59cを有する。したがって、組み立てられたデコンプカムシャフト60において、デコンプカム59はシャフト本体60Aに対して回転不能である。加えて、これらのデコンプカム59およびジャーナル部材60Bは溶接によりシャフト本体60Aにしっかりと固定される。しかし、例えば、圧入により、デコンプカム59およびジャーナル部材60Bのそれぞれのシャフト本体60Aへの固定が成されてもよい。シャフト本体60Aに対して、複数のデコンプカム59は全て同じ向きに固定される(図3、図6参照)。よって、単一のデコンプカムシャフト60を回転させることで、そのデコンプカムシャフト60における全てのデコンプカム59を一律に作動位置または停止位置に位置付けることが可能になる。
このようなデコンプカム59の作用および効果について図7、図8に基づいて説明する。なお、図7、8は、それぞれ、各部材の動作を分かり易くするために形状、寸法、縮尺、配置等をデフォルメした図であり、図2および図3に示した実際の形状等と違うことに留意されたい。
図7(a)、(b)は、ここでは分かり易い例として、エンジン停止状態(クランクシャフトの回転停止状態でもある)において排気弁9が完全に閉弁しているときの例(気筒)を示す。また、図8(a)、(b)は、ここでは分かり易い例として、エンジン停止状態において排気弁9が全開になっている(最大リフトしている)ときの例(気筒)を示す。
図7(a)に示すように、エンジン停止状態かつデコンプ装置停止状態において、排気カムシャフト11はそのベース円位置p1でロッカーアーム52に接し、ロッカーアーム52および排気弁9を実質的に押し下げていない。したがってロッカーアーム52には排気バルブスプリング51からの反力は作用しておらず、ロッカーアーム52はHLA53を実質的に押し下げていない。
図7(a)の状態から、図7(b)に示すように、エンジン停止状態でデコンプ装置が作動されたとする。この場合、図7(b)に示す矢印a1方向に、デコンプカム59が180°回転され、HLA53がリフト量Lh1だけリフトされる。すると、ロッカーアーム52が、排気カムシャフト11との接点をほぼ中心として回転され(動かされ)、排気弁9を押し下げ、排気弁9を最小デコンプリフト量Ldminだけリフトさせる。
これに対して、図8(a)に示すように、エンジン停止状態かつデコンプ装置停止状態において、排気弁9を全開(リフト量=Lmax)とするような回転位相位置に排気カムシャフト11が停止されるときがある。この場合、排気カムシャフト11は、その最大リフト位置p2でロッカーアーム52に接し、ロッカーアーム52および排気弁9を、排気バルブスプリング51からの反力に逆らって最大リフトLmaxまで押し下げている。したがって、ロッカーアーム52には排気バルブスプリング51からの反力が作用し、ロッカーアーム52はHLA53を押し下げるような力を加える。
図8(a)の状態から、図8(b)に示すように、エンジン停止状態でデコンプ装置が作動されたとする。この場合、デコンプカム59の弾性山部59bには、所定値を超える荷重がかかる。弾性山部59bは、所定値を超える荷重に対して撓むように設計されているので、つまり、所定値(前述の所定値と異なる)を超える作用力をHLA53に及ぼさないように設計されているので、デコンプカムシャフト60の作動位置への回転により弾性変形する(撓む)ことになる。図8(b)では、デコンプカムシャフト60が作動位置に回転されたにもかかわらず、この弾性山部59bが弾性変形することにより、デコンプカム59がHLA53を実質的に押し上げていないところが表されている(排気弁のリフト量L´≒Lmax)。したがって、デコンプカム59のHLA53に対する作用力が所定値を超えることはなく、デコンプカムシャフト60は、アクチュエータ57によるより小さな駆動力で回転できる。よって、アクチュエータ57を小型化することが可能になる。
ここで、図9、図10に基づいてさらに説明する。図9は、排気弁リフトの量と排気バルブスプリング51の作用による荷重との関係を表したグラフである。図9から明らかなように、排気弁リフト量がゼロのとき(閉じているとき)の荷重が最小であり、排気弁リフト量が大きくなるほど(排気弁の開き量が大きくなるほど)荷重は大きくなる傾向にある。なお、図9の荷重L0は排気バルブスプリング51の取付荷重である。
図10は、排気バルブスプリング51の作用による荷重と、デコンプ装置50の作動による排気弁9のリフト量との関係を表したグラフである。図10から理解できるように、荷重が第1荷重L1を超えて大きくなるにつれて、デコンプカム59の弾性山部59bの弾性変形量(撓み量)が大きくなるので、排気弁9のリフト量が小さくなる。第1荷重L1は弾性山部59bが弾性変形し始める荷重である。荷重が第1荷重L1より大きな第2荷重L2に達すると、デコンプ装置50による排気弁9のリフト量が最小値(例えばゼロ)になる。このように、デコンプ装置50の作動による排気弁9のリフト量は、デコンプカム59の弾性山部59bの弾性変形量に対応する。この図9および図10の関係を有して、デコンプカム59は設計されている。なお、弾性山部59bが弾性変形し始める荷重、および/または弾性山部59bが最も変形した状態になる最少荷重は、アクチュエータ57の性能などに応じて設定されるとよい。
以上述べたように、第1実施形態によれば、デコンプ装置50の作動時、排気バルブスプリング51の作用による荷重に応じて、デコンプカム59の弾性山部59bが撓むので、HLA53に対するデコンプカム59の作用力が所定値を超えないようにすることができる。したがって、その分、デコンプカムシャフト60の回転駆動力を小さくすることができる。よって、アクチュエータ57として、例えば特許文献1のアクチュエータに比べて、非力なアクチュエータ(例えばモータ)を使用することができる。これは、デコンプ装置50の応答速度(制御速度)の向上に貢献し得、ドライバビリティの向上を可能にする。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のデコンプ装置では、デコンプカムシャフト160のデコンプカム159は断面略卵形状の輪郭を有し、これは通常の排気カムシャフトのカム部材の外形形状と同様の外形形状を有する。そして、HLA53に対するデコンプカム159の作用力を調整するように、デコンプ装置は、シャフトアダプタ165およびスプリング166を備える。これらについて以下では図11に基づいて説明する。他の構成に関しては、第2実施形態は上記第1実施形態と概ね同じであるので、既に説明した構成要素に対応する構成要素に同じ符号を付して、その説明を省略する。なお、第2実施形態のデコンプ装置では、スプリング166が弾性部を構成する。
シャフト本体60Aに対してシャフトアダプタ165が固定される。シャフト本体60Aは断面六角形状であるので、シャフトアダプタ165は断面六角形状の取付穴165aを有する。この取付穴165aにシャフト本体60Aが挿入される。ここでは溶接によりシャフト本体60Aにシャフトアダプタ165がしっかりと固定されるが、他の方法(例えば圧入)が採用されてもよい。
シャフトアダプタ165上にカム部材であるデコンプカム159は取り付けられる。デコンプカム159は、(デコンプカムシャフト160の軸線に一致する)シャフトアダプタ165の長手方向軸線の周りにおいて、シャフトアダプタ165上を所定範囲内で摺動可能に構成されている。この所定範囲は、デコンプカム159の凹部159aの周方向長さ範囲に相当する。
さらに、スプリング166の第1端166aは、シャフトアダプタ165の取付穴165bに挿入されて係合している。スプリング166の第2端166bは、デコンプカム159の凹部159aの周方向の一端部に固定されている。このとき、スプリング166には初期テンション(初期荷重)がかけられている。この初期テンションがかけられたノーマル状態での、デコンプカム159、シャフトアダプタ165、スプリング166が、図11では、実線で表されている。
図11では、デコンプ装置が停止状態から作動状態に作動されるときの(ステップS405)、デコンプカムシャフト160の回転方向が矢印a2で表されている。排気弁が閉状態などにある排気バルブスプリング51による荷重が小さい気筒では、デコンプカムシャフト160の回転に伴うシャフトアダプタ165の回転と共に、矢印a3で示すようにデコンプカム159も回転する。これにより、上述のごとく、排気弁9が動かされる。
一方、排気弁が開状態にある気筒では、特にある程度以上開いた状態にある気筒では、例えば全開状態にある気筒では、デコンプカム159が排気バルブスプリング51の作用による荷重を受け、その荷重にスプリング166の初期荷重が負けるので、スプリング166は弾性変形し(撓み)、デコンプカム159は、シャフトアダプタ165に対して、矢印a4で示すように相対的に逆回転する。したがって、デコンプカム159は矢印a4方向に逃がされる。実線のデコンプカム159に対してデコンプカム159が逃されたときの一例が、図11で、破線で示されている。
このように、第2実施形態のデコンプ装置では、その作動時、排気弁の状態に応じて、デコンプカム159の作用力が所定値を超えないようにデコンプカム159に対して設けられたスプリング166が弾性変形し、デコンプカム159が必要量逃がされる。よって、デコンプカムシャフト160の回転駆動力をその分小さくすることが可能になる。
なお、第2実施形態のデコンプ装置では、デコンプカム159は第1実施形態のデコンプカム59よりも簡単な形状を有するので、その加工や焼入れ処理の点で、第2実施形態のデコンプ装置は第1実施形態のデコンプ装置よりも優れる。また、弾性部を構成するスプリング166は、特別な構成を備えないので、その管理面で優れる。したがって、第2実施形態のデコンプ装置は、コスト面で優れる。
以上、本発明を第1および第2実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されない。例えば、上記2つの実施形態のデコンプ装置は、複数気筒を有する内燃機関のみならず、単気筒エンジンに適用されてもよい。また、上記2つの実施形態のデコンプ装置は排気弁に適用されたが、吸気弁に適用されてもよい。さらに、本発明のデコンプ装置はエンジン始動前や停止前の任意のときに作動されてよく、本発明のデコンプ装置の作動条件や停止条件は、上記実施形態に限定されず、エンジン始動前や停止前の種々の状況、条件に沿って変更されることができる。
上記の各実施形態および各構成は、矛盾が生じない限り任意に組み合わせることが可能である。本発明の実施形態には、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。したがって本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
8 排気ポート
9 排気弁
11 排気カムシャフト
12 筒内燃焼室
20 電子制御ユニット(ECU)
50 デコンプ装置
51 バルブスプリング
52 ロッカーアーム
53 油圧ラッシュアジャスター(HLA)
57 デコンプアクチュエータ
59、159 デコンプカム
59a ベース円状部
59b 弾性山部
60、160 デコンプカムシャフト
165 シャフトアダプタ
166 スプリング

Claims (1)

  1. クランクシャフトに連動して回転する駆動カムによって揺動されるロッカーアームが機関バルブを開弁させる内燃機関のデコンプ装置であって、
    前記ロッカーアームを動かすべく、該ロッカーアームの支点部材に作用するように構成されたカム部材と、
    該カム部材を備えたデコンプカムシャフトを回転させるためのアクチュエータと、
    前記支点部材に対する前記カム部材の作用力が所定値を超えないように該カム部材に対して設けられた弾性部と
    を備えた、内燃機関のデコンプ装置。

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