JP2015216901A - 食鳥屠体用首皮筋入れ装置及び方法 - Google Patents

食鳥屠体用首皮筋入れ装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】首皮筋入れ装置の寿命低下、大型化及び高コスト化をまねくことなく、首皮を目標位置で正確に切断可能にする。
【解決手段】シャックル30でワークWを肢部fが上方となるように吊り下げる。シャックル30に吊り下げられたワークWの肩部sを肩乗せ台56に乗せ、基準位置に位置決めする。ワークWの首部nの周囲を位置決めブロック62及び押えブロック72で把持する。位置決めブロック62及び押えブロック72が取り付けられた下部ユニット24を下降させ、首皮nsを伸長させる。この下降タイミングより遅れたタイミングで、伸長した首皮nsの目標位置Pにカッタ86を挿入する。引き続き下部ユニット24を下降させ、頭部付け根hまで切開線cを形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、食鳥屠体から首皮を採取する際に、前工程として首皮に筋入れを行うための装置及び方法に関する。
一般に、鶏などの食鳥屠体の解体・脱骨処理では、シャックルに肢部を介して逆さに吊り下げられた状態の食鳥屠体を脱羽放血した後、内蔵などの除去(中抜き)、解体、及び脱骨を行っている。
これらの処理は、通常、シャックルが取り付けられたオーバーヘッドコンベアに吊り下げられて移動する多数の食鳥屠体に対して高速で連続的に行われる。この連続した工程の中で、中抜きで摘出された内蔵の一部や脱骨で除去された骨等のように、食用として不適切な部位は分離され廃棄される。
従来、食鳥屠体の首皮も採取に手間が掛かる為回収しない場合もあった。しかし、近年首皮を焼き鳥の素材として直接食したり、あるいはミンチにした首皮を増量材や結着剤としてチキンナゲットや肉団子等の加工食品に用いるようになり、首皮の需要は急速に増加しつつある。首皮の利用を目的としてこれを分離する場合は、手作業によりワークから首皮を切り離して回収していた。
ところが、このような手作業による首皮の分離は、作業効率が悪く、製品の歩留まり低下を引き起こすこととなる。
そこで、特許文献1には、食鳥屠体から自動的に首皮を分離除去する装置が提案されている。この装置は、頭部が切除され内蔵が除去された食鳥屠体であって、首骨の延在方向に沿って首皮の背側に切れ目が入れられた食鳥屠体を対象とし、該食鳥屠体の肩と首皮の腹側部位とをそれぞれ把持し、これらを首骨延在方向に互いに離隔するように引っ張り、首皮を首骨の基部で切開する。そして、肩と首皮とをさらに引っ張り、首皮を首骨から分離するようにしている。
一般に、食鳥の首皮は、背側の方が脂がのって製品としての価値は高いことが知られている。しかしながら、特許文献1に記載の装置では、首皮の背側に切れ目が入れられた食鳥屠体を用いているため、背側が切り開かれてしまい、製品価値が低下してしまう可能性があった。このため、採取後の首ガラには切開刃による傷が背中に残り、首皮の内側にある「こにく」が傷つけられ、その採取量が少なくなるという問題があった。
また、この装置は首皮を引っ張る際に、腹側部位を部分的に把持するようにしているので、回収される首皮形状が不均一となり、さらに歩留まりも低下してしまうという問題もあった。
また、この装置は、首皮把持手段による首皮の腹側部位の把持を容易にするため、棒状の首皮分離材を胸側部位と首骨の間に挿入している。そのため、内臓が除去された食鳥屠体のみを対象としており、また、食鳥屠体の脱骨・解体処理の一連の処理工程の中でこの装置を組み込む位置が限定されてしまうため、設備全体としての設計自由度が狭くなるという問題もあった。
特許文献1にも開示されているように、通常、首皮取り装置は、鉛直方向に立設された複数のガイド棒を有する円筒フレームと、各ガイド棒に沿って上下動する支持ブロック及び首皮把持ブロックを備えている。各食鳥屠体は支持ブロックに載置されて位置決めされ、首皮把持ブロックに設けられた把持部材で把持された状態で、前記円筒フレームが高速で回転し、多数の食鳥屠体から連続的に首皮取りが行われる。
特許文献1に開示された首皮取り装置では、首皮と首骨との間に棒状の首皮分離材を挿入し、首皮を首骨から分離させることで、把持部材による首皮の把持を容易にしている。しかし、棒状の首皮分離材を食鳥屠体のほぼ全長に亘り挿入するため、前記支持ブロック及び前記首皮把持ブロックの上下動のストロークを大幅に増大させる必要がある。そのため、支持ブロックや首皮把持ブロックの上下動の速度が大幅に増加するので、ブッシュなど摺動部の摩耗が激しくなり、装置の寿命が短縮するという問題がある。
上下動の速度を緩和するため、円筒フレームの直径を大きくすると、首皮取り装置が大型化し、広い設置スペースを要すると共に、高コストとなるという問題がある。
そこで、本発明者等は、これらの問題点を解消した首皮取り装置を提案した(特許文献2)。この装置は、首皮が胸側で切開された食鳥屠体を用いているので、脂がのった上質の背側首皮を形状よく残すことができ、高品質の首皮を回収することができる。また、食鳥屠体の首部周囲を囲む複数の把持部材を設け、該把持部材で首皮を把持するようにしたので、首皮の全周に亘って引っ張る力を与えることができ、形状のよい首皮を回収することができ、また歩留まりを向上させることも可能となる。
また、食鳥屠体の腹腔に器具等を挿入せず、複数の把持部材で首部の周囲を囲み、首皮を把持して引っ張るようにしたので、中抜き前及び中抜き後のいずれの食鳥屠体にも適用でき、この装置を脱骨・解体処理のラインに組み込むことも出来る。さらに、装置の寿命低下と装置の大型化及び高コスト化を防止できる。
ところで、首皮取り装置による首皮取り工程の前工程として、首皮を頸椎方向へ切開すう筋入れ工程が必要となる。この筋入れ工程を行う装置が特許文献3及び4に開示されている。
特許文献3に開示された筋入れ装置は、首部の背側部位に切れ目を入れる装置であり、かつ特許文献1と同様に、棒状の首皮分離材を食鳥屠体の腹腔に挿入するものである。
特許文献4に開示された筋入れ装置は、首部の胸側部位に切れ目を入れる装置であり、かつ特許文献1及び3と同様に、棒状の首皮分離材を食鳥屠体の腹腔に挿入するものである。
特開2010−029079号公報 特開2012−249607号公報 特開2011−110004号公報 特開2010−268718号公報
特許文献3に開示された筋入れ装置は、首部の背側部位に切れ目を入れるため、採取された首皮と首ガラ部の製品価値が低下してしまうという問題がある。また、棒状の首皮分離材を食鳥屠体の腹腔に挿入するため、特許文献1と同様に、装置の用途が限定され、かつ装置の寿命が短縮するという問題がある。
特許文献4に開示された筋入れ装置は、首部の胸側部位に切れ目を入れる装置であるため、採取された首皮の商品価値が低下してしまうという問題は解消される。しかし、特許文献1及び3と同様に、棒状の首皮分離材を食鳥屠体の腹腔に挿入するため、特許文献1及び3と同様の前記問題がある。
また、従来の首皮筋入れ装置は、食鳥屠体を把持する把持部材と首皮切開刃とが同一の支持部材に取り付けられているので、食鳥屠体を把持する動作と首皮切開刃による切開動作が同時に行われる。首皮は弾力性があるため、首皮が緩んだ状態のときに首皮切開刃を当てても、刃先が伸びる首皮と一緒に動くことで、首皮を切開できない場合がある。そのため、食鳥屠体の目標とする部位に切れ目を入れられず、切れ目開始位置が遅れてしまうという問題がある。
図11(B)に示すように、切れ目開始位置が遅れると、首皮nsに入れられた切れ目cが首皮nsの全長に行き渡らず、未切開部位ucが残る。未切開部位ucが残ると、首皮採取工程で筒状の首皮nsが採取される。首皮nsの内面には食道の一部が残っていたり、リンパ線などが残っている。筒状の首皮nsでは、以後の工程で首皮内面に残った残留物の除去が困難になるという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたものであり、首皮筋入れ装置の寿命低下、大型化及び高コスト化をまねくことなく、首皮を目標位置で正確に切断可能にすることを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の食鳥屠体用首皮筋入れ装置は、頭部が除去された食鳥屠体の首皮に頸椎方向に筋入れするものであり、食鳥屠体を肢部が上方となるように吊り下げるシャックルと、該シャックルに吊り下げられた食鳥屠体の肩部を下方から支持する肩乗せ台を有し、食鳥屠体を基準位置に位置決めする位置決め手段と、該位置決め手段に位置決めされた食鳥屠体の首部周囲を複数の把持部材で囲んで首皮及び頚椎部を把持する首皮把持手段と、位置決め手段及び首皮把持手段の少なくとも一方を首骨延在方向へ移動させ、位置決め手段と首皮把持手段との間隔を可変とする移動機構と、首皮把持手段に食鳥屠体に対して進退可能に設けられた首皮切開刃とを備えている。
そして、前記移動機構により位置決め手段と首皮把持手段との間隔を離隔させる離隔開始タイミングに対して、前記首皮切開刃を食鳥屠体の首皮に挿入するタイミングを遅らせることで、伸長された首皮に首皮切開刃を挿入するように構成している。
このように、首皮把持手段を下方へ移動させるタイミングに対して、首皮切開刃で首皮に切れ目を入れるタイミングを遅らせることで、伸長した首皮に首皮切開刃を当てることができる。伸長した首皮に首皮切開刃を当てることで、首皮が刃先と一緒に動かず、首皮切開刃の刃先と首皮との間に相対速度が生じるため、首皮の目標位置に正確に切れ目を入れることができる。これによって、首皮採取工程で未切開部が残らず、シート状の高品質な首皮を採取できる。また、シート状の首皮を採取できるので、首皮の内面に残った食道やリンパ線等の残留物を容易に除去できる。
また、食鳥屠体の肩部を肩乗せ台によって設定される基準位置に常に位置決めできるので、食鳥屠体の大小の固体差にかかわらず、常に切り始めを定位置に位置決めできる。そのため、首皮切開刃を目標位置に正確に挿入できる。目標位置とは、例えば首皮を胸側から切開する場合、胸部中央の窪みである。刃先が胸部中央から左右にずれると、胸側肉部を傷付けるおそれがある。胸部中央の窪みに首皮切開刃を挿入することで、胸側肉部を傷付けず、かつ首皮の全長に切れ目を入れることができる。
また、首皮把持手段は、食鳥屠体の首部周囲を複数の把持部材で囲んで首皮を把持するように構成されているので、首皮を安定把持できる。そのため、回収される首皮の形状を均一化でき、首皮の歩留まりを向上できる。
また、特許文献1、3及び4のように、食鳥屠体の腹腔に器具等を挿入しないので、食鳥屠体の移動ストロークを大きくする必要がない。こうして、位置決め手段や首皮把持手段の移動ストロークを短縮できるため、ブッシュなど摺動部の摩耗を低減でき、装置の寿命短縮や大型化及び高コスト化を回避できる。
また、本発明の筋入れ装置は、首皮把持手段に首皮切開刃に対し首皮に向かう方向にバネ力を付勢するバネ部材が設けられている。このバネ部材のバネ力を調整することで、首皮を確実に切開でき、首皮内側の頚椎に刃先を食い込ますことがなくなる。従って、首皮切開刃へのダメージを抑え、刃先の欠損をなくし、刃先の寿命を延ばすことが出来る。
本発明の一実施態様は、首皮把持手段の複数の把持部材は首部を両側から把持する第1の把持部材及び第2の把持部材で構成されると共に、第1の把持部材は第2の把持部材に対し接近又は離隔する方向に首皮把持手段に回動可能に軸支され、首皮切開刃は、位置決め手段によって位置決めされた食鳥屠体に対し接近又は離隔する方向に、第1の把持部材に回動可能に軸支されている。
このように、首皮切開刃が第1の把持部材に回動可能に軸支されているので、簡易かつ低コストな手段で、首皮切開刃による切断タイミングを第1の把持部材の移動と独立して設定することができる。
本発明の別な一実施態様は、シャックルを搬送するオーバーヘッドコンベアと、鉛直方向に立設され同一円周上に配置された複数のスライドガイド、及びこれら複数のスライドガイドを連結する連結部を有し、オーバーヘッドコンベアの可動部に係合して回転する円筒フレームと、円筒フレームの内側に配設された固定ドラムと、固定ドラムの外周面に設けられたガイドレールと、円筒フレームの外側に固定して配設された外側フレームとを備え、首皮把持手段がスライドガイドに対してスライド自在に取り付けられ、円筒フレームの回転に伴って首皮把持手段がガイドレールに沿って移動することにより前記移動機構が構成されている。
通常、食鳥屠体の脱骨・解体処理においては、シャックルに吊り下げた食鳥屠体をオーバーヘッドコンベアで搬送しながら連続処理するようになっている。そこで、前記構成により、オーバーヘッドコンベアに係合して回転する円筒フレームによって各動作が実施されるようにすることで、新たに駆動装置を設ける必要がなく、首皮把持手段と食鳥屠体が完全に同期して作業を行う。これによって、イニシャルコスト及びランニングコストを安価にできる。
本発明のさらに別な一実施態様は、第1の把持部材は、第2の把持部材に向かって円弧状に突出した形状をを有し、第2の把持部材に対向した面に開口し食鳥屠体の首部を収容可能な溝が形成された押えブロックを備えている。
この押えブロックによって、食鳥屠体の首部を基準位置に確実に位置決めできると共に、円弧状の形状を有しているため、第1の把持部材が移動するときでも、押えブロックが他の部材に引っ掛かることがなく、筋入れ動作のじゃまにならない。
本発明のさらに別な一実施態様は、前記構成に加えて、外側フレームに設けられ、第1の把持部材に取り付けられた第1のカムローラを案内する第1のカムと、外側フレームに設けられ、首皮切開刃に取り付けられた第2のカムローラを案内する第2のカムとをさらに備えている。そして、第1のカムローラが第1のカムに案内されることで、第1の把持部材及び第2の把持部材で首皮を把持可能にすると共に、第2のカムローラが第2のカムに案内されることで、首皮切開刃で食鳥屠体の首皮を切開可能にしている。
このように、円筒フレームと共に移動する第1のカムローラ及び第2のカムローラが、外側フレームに固定された第1のカム及び第2のカムに沿って上下動することで、駆動装置を用いずに、第1の把持部材及び第2の把持部材の動作と、首皮切開刃の動作とが可能となる。
本発明のさらに別な一実施態様は、食鳥屠体の胸部が位置決め手段に首皮切開刃に対面するように位置決めされている。そして、首皮切開刃によって食鳥屠体の首皮を頸椎方向に喉部から頭部付け根まで切開する。
前述の「こにく」は首部の背側に多く存在する。また、背側のほうが脂がのって商品としての価値が高い。本実施態様によれば、背側に切れ目を入れないので、採取した首皮及び「こにく」の商品価値を高くすることができる。
次に、本発明の食鳥屠体用首皮筋入れ方法は、頭部が除去された食鳥屠体の首皮に頸椎方向に筋入れするものであり、食鳥屠体を肢部が上方となるようにシャックルで吊り下げる吊下げ工程と、シャックルに吊り下げられた食鳥屠体の肩部を肩乗せ台で下方から支持し、食鳥屠体を基準高さに位置決めする位置決め工程と、該位置決め工程で位置決めされた食鳥屠体の首部周囲を首皮把持手段で把持する首皮把持工程と、首皮把持手段で食鳥屠体を把持した状態で、肩乗せ台と首皮把持手段との間隔とを離隔させる移動工程と、該移動工程の途中で首皮が伸長した時、首皮切開刃を首皮の目標位置に挿入し、引き続き移動工程を行い頭部付け根まで頸椎方向に首皮を切開する切開工程とを行うものである。
このように、首皮把持手段を下方へ移動させるタイミングに対して、首皮切開刃で首皮に切れ目を入れるタイミングを遅らせ、伸長した首皮に首皮切開刃を当てることで、首皮切開刃の刃先に対し首皮が逃げることなく、首皮の目標位置に正確に切れ目を入れることができる。これによって、首皮採取工程でシート状の高品質な首皮を採取できる。
また、食鳥屠体の肩部を肩乗せ台によって設定される基準位置に常に位置決めできるので、食鳥屠体の大小の固体差にかかわらず、常に首部を一定位置に位置決めできる。そのため、首皮切開刃を目標位置に正確に挿入できる。
また、首皮把持手段は、食鳥屠体の首部周囲を把持するように構成されているので、首皮を安定把持できる。そのため、回収される首皮の形状を均一化でき、首皮の歩留まりを向上できる。
また、食鳥屠体の腹腔に器具等を挿入しないので、食鳥屠体の移動ストロークを大きくする必要がない。そのため、装置の寿命低下や大型化及び高コスト化をまねかない。
さらに、首皮切開刃はバネ部材を介して食鳥屠体に対して進退可能なように首皮把持手段に取り付けられ、前記切開工程は、バネ部材のバネ力を調整し、そのバネ力により首皮切開刃が首皮のみを切断し、頚骨へのくい込みを避けることができる。
これによって、首皮を効果的に切開し、頚骨に首皮切開刃を食い込ませることがなくなる。そのため、刃物寿命を延ばすと共に、刃物先端部の欠損等の事故を防止できる。
本発明方法の一実施態様は、前記位置決め工程において、食鳥屠体の胸部が首皮切開刃に対面するように位置決めされるものであり、前記切開工程における目標位置は喉部との境界に位置する胸部中央の窪みである。
この実施態様によれば、食鳥屠体の胸部を切開することで背側に切れ目を入れないので、商品価値の高い「こにく」を別工程で傷つけずに多く採取できる。また、切れ目開始点を喉部との境界に位置する胸部中央の窪みとすることで、胸側肉部を傷付けずに済む。
本発明によれば、首皮筋入れ装置の寿命低下、大型化及び高コスト化をまねかず、かつ首皮を目標位置で正確に切断でき、商品価値の高いシート状の首皮及び「こにく」を採取できる。また、回収される首皮の形状を均一化でき、首皮の歩留まりを向上できる。
本発明の一実施形態に係る首皮筋入れ装置の正面図である。 前記首皮筋入れ装置の平面図である。 食鳥屠体を胸側から視た説明図である。 シャックルの一例を示す斜視図である。 位置決め工程における前記首皮筋入れ装置の一部を示す正面図である。 首皮把持工程における前記首皮筋入れ装置の一部を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の押えブロックを示す斜視図である。 前記首皮筋入れ装置による動作工程を示す動作工程図である。 前記首皮筋入れ装置の上部ガイドレール及び下部ガイドレールの配置を示す配置図である。 前記首皮筋入れ装置のカムの配置を示す配置図である。 前記首皮筋入れ装置の位置決め工程を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の位置決め工程を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の首皮把持工程を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の移動工程を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の移動工程及び切開工程を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の移動工程及び切開工程を示す正面図である。 前記首皮筋入れ装置の筋入れ終了後を示す正面図である。 (A)は本発明による採取された首皮を示し、(B)従来の採取方法により採取された首皮を示す説明図である
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態に係る首皮筋入れ装置を図1〜図11に基づいて説明する。図1及び図2は本実施形態に係る首皮筋入れ装置10の全体構成を示している。以下の説明では、頭部が除去され、既に放血、脱毛等の前処理を施してある食鳥屠体(以下「ワーク」と言う。)を筋入れの対象としている。内臓を除去する中抜きは行っていても行っていなくてもよい。本実施形態はワークWの胸側(喉側)の首皮に切れ目を入れる例である。首皮筋入れ装置10で筋入れされたワークは、その後、例えば、特許文献2に開示された首皮取り装置で首皮を採取される。
首皮筋入れ装置10は、鉛直方向に立設固定されたメインシャフト11と、オーバーヘッドコンベア12と、メインシャフト11に回転自在に支持され、オーバーヘッドコンベア12に係合して回転するスポーク14と、スポーク14の下方でメインシャフト11の周囲に設けられ、メインシャフト11に回転自在に支持された円筒体16と、円筒体16に取り付けられ、円筒体16と共に回転する円筒フレーム18と、円筒フレーム18の内側でメインシャフト11に取り付けられ、メインシャフト11と共に静止した固定ドラム20とを備えている。
スポーク14の下面から股ループ保持シャフト17aが垂下され、股ループ保持シャフト17aの下端に股ループ17bが結合されている。股ループ保持シャフト17a及び股ループ17bはスポーク14と共に回転する。
円筒フレーム18には上部ユニット22及び下部ユニット24が設けられている。メインシャフト11の上部でメインシャフト11を支持する支持フレーム26が水平方向に設けられている。支持フレーム26はオーバーヘッドコンベア12を支持する半円形のガイドレール32を支持している。支持フレーム26は前記各部材の外側に鉛直方向に設けられた外側フレーム28に取り付けられている。
オーバーヘッドコンベア12は、シャックル30が所定間隔で取り付けられており、シャックル30に肢部が上方となるように吊り下げられたワークWを搬送するものである。オーバーヘッドコンベア12には、例えばチェーンコンベアが用いられる。
図3はワークWを胸側から視た図である。図3に示すように、本実施形態では、ワークWの咽部tの点Pから頭部付け根hまでの胸側の首皮を切開線cに沿って切開する。ここで、nは首部、nsは首皮、sは肩部、bは胸部、dは手羽部、fは肢部である。点Pは喉部tとの境界に位置する胸部bの中央の窪みであり、切開線cの始点とすべき目標位置である。
スポーク14は、オーバーヘッドコンベア12に係合して回転するようになっている。例えば、オーバーヘッドコンベア12がチェーンコンベアである場合、スポーク14の外周に放射状に設けられた突起部がチェーンコンベアのチェーン穴部に挿入され、チェーンが移動することによりスポーク14が回転する。
図4に示すように、シャックル30は、上端の連結部30aでオーバーヘッドコンベア12と連結されており、この連結部30aから棒状部材30bが下方に垂下している。棒状部材30bの下端には、ワークWの両肢部をそれぞれ支持する支持部30eが取り付けられている。支持部30eは下方に湾曲した棒状部材からなり、この湾曲した内部にワークWの肢部fが挿入される。ワークWは支持部30eに肢部fを介して逆さに吊り下げられる。連結具30aは上部が二股に形成され、上端に一対のガイドローラ30cが設けられている。ガイドローラ30cは水平面内に配置されたガイドレール32上を走行し、オーバーヘッドコンベア12はガイドレール32によって支持される。
なお、ガイドローラ30c及びガイドレール32は、図4に示す構成のものに限られず、種々の異なる構成のものを採用できる。
棒状部材30bは、支持部30eと結合部30dで互いに相対的な角度が変化可能に接続されている。これによって、ワークWの吊下げ高さを変更できる。
図1及び図2に戻り、メインシャフト11は回転せず、支持フレーム26及び94に支持されている。円筒体16はスポーク14に係合し、オーバーヘッドコンベア12の駆動力により回転する。具体的には、この係合機構は、スポーク14から下方に延出した押し板14aと、円筒体16から半径方向に延出した受け板16aとからなる。そして、スポーク14の回転に伴い押し板14aが受け板16aに接触し、受け板16aを押すことにより、スポーク14と円筒体16及び円筒フレーム18とが同期して回転する。
ここで、受け板16a若しくは押し板14aのいずれか一方の接触面に位置調整手段16bを設けることが好ましい。位置調整手段16bとして、例えば回転方向に軸が配置されたボルトが用いられる。このボルトの長さを調整することにより、スポーク14とメインシャフト16との回転方向における相対位置を微調整でき、ひいてはシャックル30と後述するスライドガイド42との位置合わせを行うことができる。
なお、メインシャフト16の下部に、メインシャフト16を上下動させる油圧機構34を設けてもよい。メインシャフト16を停止したいときに、油圧機構34によりメインシャフト16を下げることで、前記係合機構の係合が解除され、円筒体16及び円筒フレーム18を停止することができる。
円筒フレーム18は、円筒体16に固定された円盤状の上部連結部36と、ローラ40を介して固定ドラム20の外周面に摺接する下部摺接部38と、上部連結部36と下部摺接部38との間に架け渡され、鉛直方向に立設された複数の丸棒状のスライドガイド42とを有する。
固定ドラム20は、円筒フレーム18の内部に配置され、回転する円筒フレーム18には影響されず固定されている。固定ドラム20の外周面に上部ガイドレール44及び下部ガイドレール46が設けられている。これらのガイドレール44及び46の構成については後述する。
外側フレーム28は円筒フレーム18の外側に配置され、円筒フレーム18の回転には影響を受けず固定されている。外側フレーム28の内側には、後述するカム88a、88b及び90が設けられている。
図2に示すように、外側フレーム28と円筒フレーム18との間で、オーバーヘッドコンベア12の入口及びその下流にガイドバー48が設けられている。ガイドバー48は円筒フレーム18から一定距離を隔てて円弧状に配置されており、このガイドバー48によりシャックル30に吊り下げられたワークWが位置決めされるようになっている。
さらに、股ループ17bはシャックル30に吊下げられたワークWの左右の脚の間に挿入されることで、ワークWの位置決めを確実なものにしている。股ループ17bはスポーク14と同期して回転する。
次に、図5及び図6に基づいて、スライドガイド42に取り付けられた上部ユニット22及び下部ユニット24の構成を説明する。ここで、図5はワーク位置決め工程における動作を示し、図6は首皮把持工程における動作を示している。
上部ユニット22及び下部ユニット24はスライドガイド42にスライド自在に取り付けられている。上部ユニット22は、隣り合う2本のスライドガイド42が貫通する上部基部50を有している。
上部基部50は、固定ドラム20に向けて突出するガイドシュー52を有している。このガイドシュー52は、固定ドラム20に設けられた上部ガイドレール44に摺動するように係合しており、円筒フレーム18の回転に伴って上部ユニット22が上部ガイドレール44に従ってスライドガイド42をスライドするようになっている。
円筒フレーム18の上端には、円筒フレーム18の周方向外方に向けてワークWの両側に突出し、円筒フレーム18に対するワークWの周方向位置を位置決めする一対の位置決め板54が設けられている。
また、上部基部50には肩乗せ台56が取り付けられている。肩乗せ台56はワークWの首部nを挿入可能な凹部を有して水平方向に配置された板で構成されている。肩乗せ台56に上方からワークWの肩部s(図3参照)を当接させることで、ワークWの鉛直方向の位置決めを行う。即ち、肩乗せ台56が基準高さとなって、筋入れ時のワークWの高さが決定される。
筋入れに際しては、商品価値のある胸部bの肉部を傷付けてはならない。また、胸部b近傍の喉部tを切断しないと、図12(B)に示すように、首皮採取工程で採取した首皮は筒状のまま採取され、図12(A)に示すようなシート状の首皮を採取できない。そのため、筋入れの切開始端の目標位置は、喉部tとの境界に位置する胸部bの中央の窪み(図3中のP点)とするのが最適である。
ワークWの肩部sの位置決めをする肩乗せ台56を備えることで、固体長に差があるワークWに対して常にワークWの喉部t及びP点を一定高さに位置決めできる。そのため、ワークWの固体長の違いにかかわらず、後述するカッタ86の切断始端をP点に合わせることが容易になる。
下部ユニット24は隣り合う2本のスライドガイド42が貫通する下部基台58を有している。下部基台58には固定ドラム20に向けて突出するガイドシュー60が設けられている。このガイドシュー60は、固定ドラム20に設けられた下部ガイドレール46に摺動するように係合しており、円筒フレーム18の回転に伴って、下部ユニット24が下部ガイドレール46に従ってスライドガイド42をスライドするようになっている。
上部ガイドレール44、下部ガイドレール46及びガイドシュー52、60で上部ユニット22及び下部ユニット24の移動機構を構成している。
また、下部ユニット24には、円筒フレーム18の周方向外方に向けて開口し、肩乗せ台56から下方に垂下した首部nを収容する鉛直方向の凹部を有し、首部nを筋入れ位置に位置決めする樹脂製の位置決めブロック62が設けられている。位置決めブロック62の両外側には左右に著しく曲がって位置決めブロック62から外れた首部nを強制するための一対の強制板63が設けられている。
下部ユニット24の下部にはブラケット64が取り付けられ、ブラケット64には軸66を介してアーム68及び70が回動可能に取り付けられている。
アーム68の先端には押え台71を介して押えブロック72が設けられ、アーム68の軸方向中間部位にはカムローラ74が設けられている。アーム70には軸76を介してアーム78及び80が取り付けられ、アーム80にはカムローラ82が設けられている。
押え台71及びアーム78の先端に軸83及び84を介して刃物台85が装着されている。さらに、カッタ86が軸83に回動可能に取り付けられ、カッタ86の軸83から離れた別の部位はコイルバネ87を介して軸84に接続されている。
図7に示すように、押えブロック72は、位置決めブロック62に向けて突出した半円形の形状を有すると共に、位置決めブロック62に対面した前面に開口すると共に、上下方向に首部nの径と同程度の幅を有し、首部nを収容可能な溝72aが形成されている。押えブロック72が位置決めブロック62に接近したとき、溝72aは位置決めブロック62に形成された凹部の両側の部位に当接する。これによって、位置決めブロック62と押えブロック72とで首部nを把持固定することができる。
円筒フレーム18を取り巻くようにカム88a、88b及び90が設けられている。カム88a及び88bはカムローラ74を上下から挟み、カムローラ74の高さを規定し、カム90はカムローラ82を下方から支持して、カムローラ82の高さを規定する。
図1に示すように、カム88a、88b及び90は、支持フレーム92及び94を介して外側フレーム28に取り付けられている。スライドガイド42の下方で支持フレーム94の上面に、筋入れの際に落下するワークWの肉片を収容する円環形状のトレイ96が設けられている。
かかる構成において、首皮筋入れ装置10の動作を図8〜図10に基づいて説明する。
図8において、オーバーヘッドコンベア12はイの位置でスポーク14と係合し、その後スポーク14と共に180°回転し、ホの位置でスポーク14との係合が解除される。
図9は、固定ドラム20周方向の上部ガイドレール44及び下部ガイドレール46の配置を示し、図10は、円筒フレーム18の回転方向のカム88a、88b及び90の配置を示している。図8〜図10のイ〜チの位置は、夫々円筒フレーム18の回転方向で同じ位置を示している。
図11A〜(H)はイ〜チの位置における各部材の動作を示している。即ち、(A)及び(B)は位置決め工程中の動作を示し、(C)は首皮把持工程中の動作を示し、(D)は移動工程中の動作を示し、(E)及び(F)は移動工程及び切開工程中の動作を示し、(G)は筋入れ終了後の動作を示している。
図11Aはイ〜ロの位置での動作を示している。この位置では、上部ユニット22及び下部ユニット24は、共にスライドガイド42の上部に位置している。ワークWは胸部bを外側に向けた状態で一対の位置決め板54の間に挿入されている。また、カムローラ74がカム88aのみで下方から支持され、押え板72及びカッタ86はワークWから離れている。
図11Bはハの位置における各部材の配置を示している。この位置では、ワークWの肩部が上昇した位置にある肩乗せ台56に当接した位置で停止している。首部nは位置決めブロック62の凹部に入り込み、ワークWは筋入れ位置に位置決めされている。ワークWの固体長の差は、図示のように、シャックル30の棒状部材30bと支持部30eとが互いに曲折することで吸収される。
図11Cはハ〜ニの位置における各部材の配置を示している。ここでカムローラ74はカム88a及び88bによって上下から挟持され、押えブロック72はワークWの首部nを押えている。ワークWは位置決めブロック62と押えブロック72と間で固定される。
図11Dはニ〜ホの前半位置における各部材の配置を示している。ニの位置と比べて、下部基台58は設定量、例えば30mmだけ下降している。そのため、下部基台58が下降した分だけ首皮nsが下方に引っ張られ伸長している。
図11Eはニ〜ホの後半位置における作動状態を示している。下部基台58が前記設定量だけ下降した時点で、カッタ86が首皮nsに挿入される。カッタ86は、図3の点Pで示す切断始端の目標位置に挿入されるように、肩乗せ台56及び位置決めブロック62との相対位置が予め設定されている。カッタ86は上方から溝72bに挿入され、首皮nsに達して首皮nsを切開する。
図11Fはホの位置での作動状態を示している。下部基台58と共に、押えブロック72及びカッタ86が引き下げられ、下部ユニット24が下降するに従い、カッタ86は目標位置(図3のP点)から首皮nsの切開を開始し、頭部付け根hまで首皮nsを切り下げることができる。図11Fは首皮nsの筋入れが終了している状態を示す。
図11Gはヘの位置での作動状態を示している。肩乗せ台56が下げられ、ワークWは円筒フレーム18から離れている。
本実施形態によれば、首部nを把持する位置決めブロック62及び押えブロック72を有する下部ユニット24を下方へ移動させるタイミングに対して、カッタ86が首皮nsに切れ目を入れるタイミングを設定時間だけ遅らせることで、伸びて張っている首皮にカッタ86を当てることができる。そのため、カッタ86と首皮nsとの間に相対速度が生じるため、カッタ86の刃先が首皮nsを滑ることなく、首皮nsに切れ目を入れることができる。
また、ワークWの肩部sを肩乗せ台56によって設定される基準位置に常に位置決めできるので、シャックル30に吊下げられたワークWの固体長差にかかわらず、常に首部nを一定位置に位置決めできる。これらの相乗作用により、切断始端の目標位置(図3のP点)に正確に切れ目を入れることができ、これによって、首皮採取工程で未切開部が残らず、シート状の高品質な首皮を採取できる。
また、位置決めブロック62及び押えブロック72で首部nの周囲を把持するように構成されているので、首部nを安定把持できる。押えブロック72は首皮ns及び首部nを押えながら下降するので、曲がってしまった首部nを矯正し伸ばすことができる。
さらに、著しく曲がって位置決めブロック62から外れた首部nに対しては一対の矯正板63の働きで下部ユニット24の下降中に正しく筋入れできる位置に矯正できる。そのため、回収される首皮nsの形状を均一化でき、首皮の歩留まりを向上できる。
また、特許文献1、3及び4のように、ワークWの腹腔に器具等を挿入しないので、ワークWの上下方向ストロークを短縮できる。そのため、ブッシュなど摺動部の摩耗を低減でき、装置の寿命低下や大型化及び高コスト化を回避できる。
また、カッタ86はコイルバネ87によって首部nに向かう方向にバネ力を付勢されているので、バネ力を調整することで、首皮切開工程で首皮nを確実に切開でき、首皮内側の頚椎に刃先が食い込むのを避けることができる。従って、カッタ86に対するダメージを抑え、カッタ86の刃先の欠損をなくし、刃先の寿命を延ばすことが出来る。
また、ワークWを把持する位置決めブロック62及び押えブロック72のうち、押えブロック72は下部基台58に回動可能に軸支され、また、カッタ86は押えブロック72とは別な部材に回動可能に軸支されているので、簡易かつ低コストな手段で、押えブロック72とカッタ86の動作タイミングを独立して設定できる。
また、円筒フレーム18がオーバーヘッドコンベア12と係合して回転し、上部ユニット22及び下部ユニット24が夫々上部ガイドレール44及び下部ガイドレール46に従って、スライドガイド42をスライドし、かつ押えブロック72及びカッタ86が夫々カム88a、88b及び90によって動作されるので、ワークWの首皮筋入れ装置10への搬入及び筋入れ位置への位置決め及び筋入れ動作を、新たな駆動装置を設けることなく、完全に同期して行うことができる。そのため、イニシャルコスト及びランニングコストを節減できる。
また、コンパクトな形状を有する押えブロック72でワークWを把持しているので、押えブロック72が他の部材に引っ掛かることなく、筋入れ動作の邪魔にならない。
また、円筒フレーム18と共に回転するカムローラ74及び82が支持フレーム92及び94に固定されたカム88a、88b及び90に沿って上下動することで、駆動装置を用いずに、上部ユニット22及び下部ユニット24の動作と、カッタ86の動作とが可能になる。
また、図3に示すように、胸部bに切開線cを形成するようにしているので、「こにく」が多く存在し、かつ脂がのって商品価値が高い背側に切れ目を入れずに済む。従って、採取した首皮の商品価値を高めることができる。また、切れ目開始点を喉部との境界に位置する胸部中央の窪み(P点)とすることで、胸部bの肉部を傷付けずに済む。
図12(A)は本発明を実施して採取した首皮nsを示している。図示のように、首皮nsは背側部位を中心に採取できるので、背側部位を傷付けることなく、商品価値の高い首皮を採取できる。また、シート状の首皮nsを採取できるので、首皮nsの内面に残った食道やリンパ線等の残留物を容易に除去できる。
本発明によれば、装置の寿命低下、大型化及び高コスト化をまねくことなく、首皮を目標位置で正確に切断できる首部筋入れ装置を実現できる。
10 首部筋入れ装置
12 オーバーヘッドコンベア
14 スポーク
14a 押し板
16 メインシャフト
16a 受け板
16b 位置調整手段
17a 股ループ
17b 股ループ保持シャフト
18 円筒フレーム
20 固定ドラム
22 上部ユニット
24 下部ユニット
26、92、94 支持フレーム
28 外側フレーム
30 シャックル
30a 連結部
30b 棒状部材
30c ガイドローラ
30d 結合部
30e 支持部
32 ガイドレール
34 油圧機構
36 上部連結部
38 下部摺接部
40 ローラ
42 スライドガイド
44 上部ガイドレール
46 下部ガイドレール
48 ガイドバー
50 上部基部
52、60 ガイドシュー
54 位置決め板
56 肩乗せ台
58 下部基台
62 位置決めブロック(第2の把持部材)
63 矯正板
64 ブラケット
66、76、83、84 軸
68、70、78、80 アーム
71 押え台
72 押えブロック(第1の把持部材)
72a 溝
74 カムローラ(第1のカムローラ)
82 カムローラ(第2のカムローラ)
85 刃物台
86 カッタ(首皮切開刃)
87 コイルバネ
88a、88b カム(第1のカム)
90 カム(第2のカム)
96 トレイ
P 切断始端(目標位置)
W ワーク
b 胸部
c 切開線
d 手羽部
f 肢部
h 頭部付け根
n 首部
ns 首皮
s 肩部
t 喉部
uc 未切開部位

Claims (8)

  1. 頭部が除去された食鳥屠体の首皮を頸椎方向に切開する食鳥屠体用首皮筋入れ装置において、
    前記食鳥屠体を肢部が上方となるように吊り下げるシャックルと、
    前記シャックルに吊り下げられた食鳥屠体の肩部を下方から支持する肩乗せ台を有し、前記食鳥屠体を基準位置に位置決めする位置決め手段と、
    前記位置決め手段に位置決めされた食鳥屠体の首部周囲を複数の把持部材で囲んで前記首皮及び頚椎部を把持する首皮把持手段と、
    前記位置決め手段及び前記首皮把持手段の少なくとも一方を首骨延在方向へ移動させ、前記位置決め手段と前記首皮把持手段との間隔を可変とする移動機構と、
    前記首皮把持手段に前記食鳥屠体に対して進退可能に設けられた首皮切開刃と、
    前記首皮把持手段に設けられ、前記首皮切開刃に対し前記首皮に向かう方向にバネ力を付勢するバネ部材とを備え、
    前記移動機構により前記位置決め手段と前記首皮把持手段との間隔を離隔させる離隔開始タイミングに対して、前記首皮切開刃を食鳥屠体の首皮に挿入するタイミングを遅らせることで、伸長された首皮に前記首皮切開刃を挿入するように構成したことを特徴とする食鳥屠体用首皮筋入れ装置。
  2. 前記複数の把持部材は前記首部を両側から把持する第1の把持部材及び第2の把持部材で構成されると共に、
    前記第1の把持部材は前記第2の把持部材に対し接近又は離隔する方向に前記首皮把持手段に回動可能に軸支され、
    前記首皮切開刃は、前記位置決め手段によって位置決めされた前記食鳥屠体に対し接近又は離隔する方向に、前記第1の把持部材に回動可能に軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の食鳥屠体用首皮筋入れ装置。
  3. 前記シャックルを搬送するオーバーヘッドコンベアと、
    鉛直方向に立設され同一円周上に配置された複数のスライドガイド、及び前記複数のスライドガイドを連結する連結部を有し、前記オーバーヘッドコンベアの可動部に係合して回転する円筒フレームと、
    前記円筒フレームの内側に配設された固定ドラムと、
    前記固定ドラムの外周面に設けられたガイドレールと、
    前記円筒フレームの外側に固定して配設された外側フレームとを備え、
    前記首皮把持手段が前記スライドガイドに対してスライド自在に取り付けられ、前記円筒フレームの回転に伴って前記首皮把持手段が前記ガイドレールに沿って移動することにより前記移動機構が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の食鳥屠体用首皮筋入れ装置。
  4. 前記第1の把持部材は、前記第2の把持部材に向かって円弧状に突出した形状を有し、前記第1の把持部材に対向した面に開口し前記食鳥屠体の首部を収容可能な溝が形成された押えブロックを備えていることを特徴とする請求項2に記載の食鳥屠体用首皮筋入れ装置。
  5. 前記外側フレームに設けられ、前記第1の把持部材に取り付けられた第1のカムローラを案内する第1のカムと、
    前記外側フレームに設けられ、前記首皮切開刃に取り付けられた第2のカムローラを案内する第2のカムとをさらに備え、
    前記第1のカムローラが前記第1のカムに案内されることで前記第1の把持部材及び前記第2の把持部材で前記首皮を把持可能にすると共に、
    前記第2のカムローラが前記第2のカムに案内されることで前記首皮切開刃で前記食鳥屠体の首皮を切開可能にすることを特徴とする請求項3に記載の食鳥屠体用首皮筋入れ装置。
  6. 前記食鳥屠体の胸部が前記位置決め手段に前記首皮切開刃に対面するように位置決めされ、
    前記首皮切開刃によって前記食鳥屠体の首皮を頸椎方向に喉部から頭部付け根まで切開することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の食鳥屠体用首皮筋入れ装置。
  7. 頭部が除去された食鳥屠体の首皮を頸椎方向に切開する食鳥屠体用首皮筋入れ方法において、
    前記食鳥屠体を肢部が上方となるようにシャックルで吊り下げる吊下げ工程と、
    前記シャックルに吊り下げられた食鳥屠体の肩部を肩乗せ台で下方から支持し、前記食鳥屠体を基準高さに位置決めする位置決め工程と、
    前記位置決め工程で位置決めされた食鳥屠体の首部周囲を首皮把持手段で把持する首皮把持工程と、
    前記首皮把持手段で前記食鳥屠体を把持した状態で、前記肩乗せ台と前記首皮把持手段との間隔とを離隔させる移動工程と、
    前記移動工程の途中で前記首皮が伸長した時、首皮切開刃を前記首皮の目標位置に挿入し、引き続き前記移動工程を行い頭部付け根まで頸椎方向に首皮を切開する切開工程とを行い、
    前記首皮切開刃はバネ部材を介して前記食鳥屠体に対して進退可能なように前記首皮把持手段に取り付けられ、
    前記切開工程は、前記バネ部材のバネ力を調整し、前記バネ力により前記首皮切開刃が前記首皮のみを切断し、頚骨へのくい込みをなくすものであることを特徴とする食鳥屠体用首皮筋入れ方法。
  8. 前記位置決め工程は、前記食鳥屠体の胸部が前記首皮切開刃に対面するように位置決めされるものであり、
    前記切開工程における前記目標位置は喉部との境界に位置する胸部中央の窪みであることを特徴とする請求項7に記載の食鳥屠体用首皮筋入れ方法。
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