JP2015216617A - 遅延時間判定装置、遅延時間設定装置、送信装置、遅延時間決定方法、遅延時間設定方法及びプログラム - Google Patents

遅延時間判定装置、遅延時間設定装置、送信装置、遅延時間決定方法、遅延時間設定方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】最大相関値を算出するための遅延時間を高い確度で特定することができる遅延時間判定装置を提供する。
【解決手段】遅延時間判定装置は、サンプリング部と、相関値算出部と、最大相関値特定部と、相対遅延設定判定部とを備える。サンプリング部は、第一の信号と、第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングする。相関値算出部は、第一の信号に対する第二の信号の相対遅延時間を変化させ、相対遅延時間のそれぞれに対して第一の信号と第二の信号との相関値を算出する。最大相関値特定部は、相関値算出部が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する。相対遅延設定判定部は、相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を遅延時間に加算すると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遅延時間判定装置、遅延時間設定装置、送信装置、遅延時間決定方法、遅延時間設定方法及びプログラムに関する。
歪補正やノイズキャンセルなどの信号処理では、複数の回路から成る経路を通過した原信号のタイミングに合わせて重畳信号を生成し、原信号に重畳信号を重畳させる。この時、原信号に重畳信号を重畳させるタイミングが信号処理の精度に大きく影響する場合がある。
例えば、歪補正を行う信号処理では、歪のある原信号にその歪を補正する重畳信号を重畳させるタイミングがずれている場合、原信号における歪は補正されず、そのタイミングのずれが大きい場合には、歪を悪化させる可能性もある。
また、ノイズキャンセルを行う信号処理では、原信号(ノイズ)にその原信号と逆位相の重畳信号を重畳させるタイミングがずれている場合、原信号は重畳信号により打ち消されず、原信号すなわちノイズが残ってしまう。このような技術では、原信号と重畳信号の最大相関値が得られる重畳信号の遅延時間を算出する処理を行っている。
特許文献1〜特許文献4には、関連する技術として、信号A(原信号)と信号B(重畳信号)の最大相関の特定や信号Aに対する信号Bの遅延時間の特定に関する技術が記載されている。
特開平9−64857号公報 特開2010−34863号公報 特開2001−189685号公報 特開2004−15660号公報
ところで、特許文献1に記載の技術は、信号Aと信号Bの最大相関値(以下、「AB最大相関値」)と、AB最大相関値の算出処理の前後の処理において信号Aに対する信号Bの異なる遅延時間に基づいて算出した前相関値と後相関値の2つの相関値との3つの相関値と、相関値に対して設定するしきい値との大小関係を求める。そして特許文献1に記載の技術はそれら3つの相関値としきい値の大小関係に基づいて、最も確からしい最大相関値を算出するために信号Aに対する信号Bの遅延時間(以下、「B遅延時間」)を補正する技術である。特許文献1に記載の技術は、B遅延時間が小さな値から大きな値へ変化したときに、信号Aと信号Bの相関値(以下、「AB相関値」)が徐々に大きくなり、あるB遅延時間に対してAB最大相関値となり、B遅延時間がさらに大きく変化するとAB最大相関値からその値が徐々に小さくなるようなAB相関値に対して上記しきい値を設定している。ここで上記特許文献1ではAB最大相関値、前相関値及び後相関値と、しきい値との大小関係に基づいてB遅延時間の遅延量を上げるかまたは下げてB遅延時間を再設定する。なお、B遅延時間の遅延量は、AB最大相関値、前相関値及び後相関値と、しきい値との大小関係に基づいて最適に決定するものである。しかしながらこのようなAB最大相関値の補正処理では、信号Aと信号Bとの振幅が平坦であること等により、異なるB遅延時間それぞれに対するAB相関値が殆ど変化しない場合があり、B遅延時間が小さな値から大きな値へ変化したときに、AB相関値が徐々に大きくなり、あるB遅延時間に対してAB最大相関値となり、AB最大相関値から徐々に小さくなるようなAB相関値とはならない可能性もある。そのため、異なるB遅延時間それぞれに対するAB相関値が殆ど変化しない場合には、AB最大相関値、前相関値及び後相関値と、しきい値との大小関係の判定の判定基準が不適切となることがある。その結果、不適切なAB最大相関値を算出してしまう場合のB遅延時間を、最も適切なAB最大相関値を算出するためのB遅延時間と設定しまう可能性もある。
また、特許文献2に記載の技術は、B遅延時間が小さな値から大きな値へ変化したときに、AB相関値が徐々に大きくなり、あるB遅延時間に対してAB最大相関値となり、B遅延時間がさらに大きく変化するとAB最大相関値からその値が徐々に小さくなるような場合を想定している。そして特許文献2の技術は、AB最大相関値の算出処理の前後で前相関値と後相関値の2つの相関値が等しくなるB遅延時間を算出し、前相関値と後相関値のそれぞれに対応するB遅延時間の平均遅延時間をAB最大相関値の算出に用いる技術である。しかしながらこのような最大相関値の補正処理では、信号Aと信号Bとの振幅が平坦であること等により、異なるB遅延時間それぞれに対するAB相関値が殆ど変化しない場合があり、B遅延時間が小さな値から大きな値へ変化したときに、AB相関値が徐々に大きくなり、あるB遅延時間に対してAB最大相関値となり、AB最大相関値から徐々に小さくなるようなAB相関値とはならない可能性もある。そのため、異なるB遅延時間それぞれに対するAB相関値が殆ど変化しない場合には、相関値が等しい前相関値と後相関値のそれぞれに対応するB遅延時間の平均値を用いた信号Aと信号Bとの相関がAB最大相関値を示さない可能性がある。その結果、不適切なAB最大相関値を算出してしまう場合のB遅延時間を、最も適切なAB最大相関値を算出するためのB遅延時間と設定しまう場合がある。
また、特許文献3に記載の技術は、AB最大相関値が得られるB遅延時間を決定する技術である。
この決定において特許文献3に記載の技術は、初期動作時から装置内の各素子の特性が経時的に変化する恐れのある所定時間が経過したときに、初期動作時に最大相関値の算出に用いたB遅延時間と所定時間経過時に最大相関値の算出に用いたB遅延時間との差が予め定められた絶対値で表されるしきい値を超えたかを判定する。そして当該文献の技術では、しきい値を超えた場合にはB遅延時間をずらしながら相関値を順次算出して、それら相関値のうちの最大相関値に対応するB遅延時間を遅延部の信号遅延に再設定する技術である。
しかしながらこのような処理では、信号Aと信号Bとの振幅が平坦であること等により、異なるB遅延時間それぞれの遅延を設定したときのAB相関値が殆ど変化しない場合であっても、AB最大相関値が算出できた時に用いたB遅延時間を必ず再設定することとなる。したがって、特許文献3の技術でも不適切なAB最大相関値を算出してしまう場合のB遅延時間を、最も適切なAB最大相関値を算出するためのB遅延時間と設定しまう場合がある。
また、特許文献4に記載の技術は、振幅がゼロとなるゼロクロス点を信号Aと信号Bのそれぞれについて判定し、信号Aと信号Bのゼロクロス点が一致するようにB遅延時間を特定する技術である。そのため、特許文献4に記載の技術では、振幅がゼロとならないような信号Aや信号Bの場合、それら信号Aや信号Bについてゼロクロス点を検出することはできず、よってB遅延時間を算出することができない可能性がある。
そのため、2つの信号の最大相関値を得るための一方の信号の遅延時間として誤った値を積極的に採用してしまうことを軽減すると共に、実際に入力した2つの信号が、所定範囲の振幅の信号の入力を想定して絶対値として設定された当該振幅の間の基準値をクロスしない場合であっても当該実際に入力した2つの信号の最大相関値を得るための一方の信号の遅延時間を決定することのできる技術が求められていた。
そこでこの発明は、上記の課題を解決することのできる遅延時間判定装置、遅延時間設定装置、送信装置、遅延時間決定方法、遅延時間設定方法及びプログラムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング部と、前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出部と、前記相関値算出部が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定部と、前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定部と、を備える遅延時間判定装置である。
また本発明は、前記何れかの遅延時間判定装置と、前記相対遅延設定判定部が判定した判定結果に基づいて、遅延部に入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる遅延時間設定部と、を備える遅延時間設定装置である。
また本発明は、遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングし、サンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出し、算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定し、算出した複数の相関値のそれぞれに対する特定した最大相関値の割合に基づいて、前記最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を前記遅延時間に加算するか否かを判定する、遅延時間決定方法である。
また本発明は、遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングし、サンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して複数の相関値を算出し、算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定し、算出した複数の相関値のそれぞれに対する特定した最大相関値の割合に基づいて、前記最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を前記遅延時間に加算するか否かを判定し、判定した判定結果に基づいて、遅延部の遅延時間を決定する遅延設定情報を出力する、遅延時間設定方法である。
また本発明は、遅延時間判定装置のコンピュータを、遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、前記サンプリング手段によってサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出手段と、前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定手段と、前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定手段によって特定した最大相関値の割合が1以上の所定のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定手段と、を備える遅延時間判定装置として機能させるためのプログラムである。
また本発明は、前記何れかの遅延時間判定装置と、相対遅延設定判定部が判定した判定結果に基づいて、遅延部の遅延時間を決定する遅延設定情報を出力する遅延時間設定部と、遅延時間設定部によって前記入力信号を前記遅延時間の分だけ遅延させる遅延部と、プリディストーション方式を用いた歪補償演算処理回路と、デジタル直交ベースバンド信号I’及びQ’をデジタルIF(Intermediate Frequency)信号に変換する直交変調部と、デジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(Digital to Analog Converter)と、アナログIF信号をRF(Radio Frequency)信号へアップコンバートする第一の周波数変換器と、RF信号の一部をアナログIF信号にダウンコンバートする第二の周波数変換器と、DACにより変換されたアナログ信号を増幅して出力する電力増幅器と、電力増幅器が電力増幅したRF信号の一部を前記第二の周波数変換器に出力する方向性結合器と、フィードバックされたアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)と、デジタルIF信号をデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib及びQbに変換する直交復調部と、を備える送信装置である。
本発明によれば、2つの信号の最大相関値を得るための一方の信号の遅延時間として誤った値を積極的に採用してしまうことを軽減すると共に、実際に入力した2つの信号が、所定範囲の振幅の信号の入力を想定して絶対値として設定された当該振幅の間の基準値をクロスしない場合であっても当該実際に入力した2つの信号の最大相関値を得るための一方の信号の遅延時間を決定することができる。
本発明の遅延時間判定装置10の最小構成の一例を示す図である。 本発明の第一の実施形態による遅延時間判定装置10を備える遅延時間設定装置20の構成の一例を示す図である。 2つの信号を同一のタイミングでサンプリングする例を示す図である。 2つの信号を同一のタイミングでサンプリングする例を示す図である。 2つの信号の相関値の例を示す図である。 2つの信号の相関値の例を示す図である。 本発明の第一の実施形態による遅延時間設定装置20の処理の一例を示す図である。 本発明の第二の実施形態による遅延時間判定装置10を備える遅延時間設定装置20の構成の一例を示す図である。 本発明の第二の実施形態による遅延時間設定装置20の処理の一例を示す図である。 本発明の第三の実施形態による遅延時間判定装置10を備える送信装置1の一例を示す図である。
図1は、本発明の遅延時間判定装置10の最小構成の一例を示す図である。
本発明の遅延時間判定装置10は、図1で示すように、少なくともサンプリング部101と、相関値算出部102と、最大相関値特定部103と、相対遅延設定判定部104とを備える。
遅延時間判定装置10が備えるサンプリング部101は、入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が入力信号を回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングする。
相関値算出部102は、サンプリング部101がサンプリングした第一の信号に対する第二の信号の相対遅延時間を変化させ、相対遅延時間のそれぞれに対して第一の信号と第二の信号との相関値を算出する。
最大相関値特定部103は、相関値算出部102が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する。
相対遅延設定判定部104は、相関値算出部102が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部103が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を遅延時間に加算すると判定する。
<第一の実施形態>
図2は、本発明の第一の実施形態による遅延時間判定装置10を備える遅延時間設定装置20の構成の一例を示す図である。
図2で示すように、第一の実施形態による遅延時間設定装置20は、遅延時間判定装置10と、遅延時間設定部107とを備える。
なお、図2には、遅延時間設定装置20と共に、遅延部108と、経路109とが示されている。
第一の実施形態による遅延時間判定装置10の相対遅延設定判定部104は、相関値比算出部105と、相関値比判定部106とを備える。
相関値比算出部105は、相関値算出部102が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部103が特定した最大相関値の割合を算出する。
相関値比判定部106は、相関値比算出部105が算出した割合が所定の1以上のしきい値よりも大きいか否かを判定する。
遅延時間設定部107は、相対遅延設定判定部104が判定した判定結果に基づいて、遅延部108に入力される入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる。
遅延部108は、入力した入力信号を遅延時間設定部107から取得した遅延時間の分だけ遅延させる。例えば、遅延部108は、アナログ遅延器である。遅延部108は、アナログフィルタであっても良い。また、遅延部108は、デジタルフィルタであっても良い。
経路109は、それぞれのアプリケーションにおいて入力信号が通過する複数の回路から成る。経路109では、回路の遅延時間の分だけ入力信号が遅延する。
図3と図4のそれぞれは、2つの信号を同一のタイミングでサンプリングする例を示す図である。
図3と図4のそれぞれにおいて、縦軸は信号値を示している。また、横軸は時間を示している。図3は、時間変化に対して信号振幅が変化する信号の例である。また、図4は、時間変化に対して信号振幅が殆ど変化しない信号の例である。
図3と図4のそれぞれにおいて、信号A(第一の信号)は入力信号が遅延部108を通過した後の信号を示している。また、信号B(第二の信号)は入力信号が経路109を通過した後の信号を示している。
サンプリング部101は、所定の信号観測時間において、遅延設定情報に基づいて遅延時間を決定する遅延部108を通過した後の信号Aと、経路109を通過した後の信号Bとをサンプリング周期Δt毎に同一のタイミングでサンプリングする。
図5と図6のそれぞれは、2つの信号の相関値の例を示す図である。
図5と図6のそれぞれにおいて、縦軸は相関値を示している。また、横軸は遅延時間を示している。
相関値算出部102は、サンプリング部101が信号Aと信号Bとを同一のタイミングでサンプリングしたときのサンプリング周期Δtを1から順に1を加えた各整数で整数倍した時間のそれぞれに対して相関値を算出する。
図5は、時間変化に対して信号振幅が変化する信号Aに対する信号Bの相対遅延時間を変化させた場合の相関値の例である。時間変化に対して信号振幅が変化する信号Aと信号Bの場合、信号Aと信号Bの波形がほぼ一致する相対遅延時間に対してのみ高い相関値を示す。例えば、遅延部108は、入力信号を遅延時間τの分だけ遅延させるものとする。図3で示した信号Aと信号Bの場合、信号Aと信号Bとの波形はおよそサンプリング周期Δtの時間のずれがある。そのため、信号Aに対する信号Bの相対遅延時間をサンプリング周期変化Δt変化させたときに、信号Aと信号Bの波形がほぼ一致する。そして、図5で示すように、遅延時間がτ+Δtのときに信号Aと信号Bが高い相関値を示す。また、図5で示すように、遅延時間がτ+Δt以外のときには信号Aと信号Bの波形がずれるため、2つの信号の相関値は低い値を示す。なお、相関値算出部102が信号Aに対する信号Bの遅延時間を変化させて算出したそれぞれの相関値の中で最大値を示すときの遅延時間が最適な遅延時間である。
図6は、時間変化に対して信号振幅が殆ど変化しない信号Aに対する信号Bの相対遅延時間を変化させた場合の相関値の例である。時間変化に対して信号振幅が殆ど変化しない2つの信号の場合、信号Aと信号Bの波形はほぼ一致する。例えば、遅延部108の遅延時間をτとする。図4で示した信号Aと信号Bの場合、信号Aと信号Bとの波形はほぼ一致する。そのため、遅延時間を変化させても、信号Aと信号Bの波形がほぼ一致する。そして、図6で示すように、信号Aと信号Bの2つの信号は常に高い相関値を示す。このように、最大相関値に対応する遅延時間が複数存在する場合、一般的に、最適な遅延時間を一意に決定することは困難である。
図7は、本発明の第一の実施形態による遅延時間設定装置20の処理の一例を示す図である。
次に、図7を用いて、図2に示す第一の実施形態による遅延時間設定装置20の処理について説明する。
遅延部108は、初期の遅延時間として設計段階で決定した遅延時間τとなる遅延設定情報を入力する。遅延部108は、入力した遅延設定情報を保持する(ステップS1)。遅延部108は、保持した遅延設定情報に基づいて、入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる。
サンプリング部101は、遅延部108を通過した後の信号Aと、経路109を通過した後の信号Bとを同一のタイミングでサンプリングする(ステップS2)。例えば、サンプリング部101は、図3及び図4で示したように、信号観測時間でサンプリング周期Δt毎に信号Aと信号Bのそれぞれを同一のタイミングでS点連続してサンプリングする。サンプリング部101は、サンプリングしたサンプリングデータを相関値算出部102に出力する。
相関値算出部102は、サンプリング部101からサンプリングデータを入力すると、信号観測時間の開始の時刻をt=0とする。また、時刻tにおける信号Aと信号Bを信号A(t)、信号B(t)と表すものとする。この場合、相関値算出部102は、整数i=0と設定する(ステップS3)。相関値算出部102は、信号A(t)と信号B(t)とに基づいて相関値R(i)を算出する(ステップS4)。より具体的には、例えば、相関値算出部102は、信号A(t)と信号B(t+i×Δt)をピアソンの積率相関係数に適用して相関値R(i)を算出する。相関値算出部102は、算出した相関値R(i)を最大相関値特定部103と相関値比算出部105に出力する。相関値算出部102は、整数iに1を加える(ステップS5)。相関値算出部102は、整数iに1を加えた値を整数iの新たな値として入力する。相関値算出部102は、整数iが所定のしきい値αよりも大きいか否かを判定する(ステップS6)。相関値算出部102は、整数iとしきい値αとを比較する。相関値算出部102は、整数iがしきい値αよりも大きくはない、すなわち、小さいまたは同一であると判定した場合(ステップS6、NO)、相関値R(i)を算出するステップS4の処理に戻る。相関値算出部102は、整数iがしきい値αよりも大きいと判定した場合(ステップS6、YES)、最大相関値の特定を指示する指示信号を最大相関値特定部103に出力する。なお、しきい値αが大きければ、相関値算出部102は、広範囲の遅延時間に対する相関値を一度のサンプリングによるサンプリングデータで算出することができる。しかしながら、相関値算出部102が相関演算に使用できるサンプリングデータ数はS−αとなるので、αが大きい程、相関演算に使用できるサンプリングデータ数は少なくなる。その結果、相関値算出部102が算出する相関値の精度が低減してしまう。従って、しきい値αは適切な値に設定する必要がある。
なお、初期の遅延時間として設計段階で決定した遅延時間τは、相関値算出部102が整数i=0のときの相関値R(i)を算出する際の経路109を通過した場合の遅延時間よりも短いこと、また、可能な限り所定の経路109を通過した場合の遅延時間に近いことが望ましい。初期の遅延時間として設計段階で決定した遅延時間τがこのように設定されている場合、相関値算出部102は、整数iの増加回数が少なくても最大相関値を得ることができるため、適切な最大相関値を特定するまでの演算回数を低減することができる。
最大相関値特定部103は、相関値算出部102から最大相関値の特定を指示する指示信号を入力すると、相関値算出部102から入力された複数の相関値R(i)のそれぞれを比較する。最大相関値特定部103は、最も大きな相関値を示す最大相関値R(i)を特定する(ステップS7)。なお、説明の都合上、最大相関値が得られたときのiをaとし、最大相関値をR(a)とする。最大相関値特定部103は、特定した最大相関値R(a)を相関値比算出部105に出力する。
相関値比算出部105は、相関値算出部102から複数の相関値R(i)を入力する。また、相関値比算出部105は、最大相関値特定部103から最大相関値R(a)を入力する。相関値比算出部105は、R(a)とR(i)との相関値比Z(i)を算出する(ステップS8)。具体的には、相関値比算出部105は、0からαまでのa以外の各整数iに対して、相関値比Z(i)=R(a)÷R(i)を演算する。相関値比算出部105は、演算した相関値比Z(i)を相関値比判定部106に出力する。
相関値比判定部106は、相関値比算出部105から相関値比Z(i)を入力すると、入力した各相関値比Z(i)が所定のしきい値Zthよりも大きいか否かを判定する(ステップS9)。
相関値比判定部106は、入力した各相関値比Z(i)が所定のしきい値Zthよりも大きくはない、すなわち、小さいまたは同一であると判定した場合(ステップS9、NO)、遅延時間を正しく算出できていない可能性があると判断する。そして、遅延時間設定装置20の処理を終了する。
相関値比判定部106は、入力した各相関値比Z(i)が所定のしきい値Zthよりも大きいと判定した場合(ステップS9、YES)、最大相関値R(a)に基づく遅延時間の特定は正しいと判断する。そして、最大相関値に対応する相対遅延時間を遅延時間に加算すると判定する。相関値比判定部106は、最大相関値R(a)に対応する相対遅延時間を遅延時間に加算すると判定した場合、遅延時間設定部107に最大相関値R(a)に対応する相対遅延時間を出力する。
遅延時間設定部107は、相関値比判定部106から相対遅延時間を入力すると、現在の遅延時間に相対遅延時間を加算する。遅延時間設定部107は、相対遅延時間を加算した遅延時間が遅延部108の遅延時間となる遅延設定情報を遅延部108に出力する。遅延部108は、遅延時間設定部107から遅延設定情報を入力する。遅延部108は、入力した遅延設定情報を保持する(ステップS10)。そして、サンプリング部101が信号Aと、信号Bとを同一のタイミングでサンプリングするステップS2の処理に戻る。
なお、最大相関値R(a)は、その他の複数の相関値R(i)と比較し、遅延時間算出の判定条件とするものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限定するものではない。本発明は、正しい遅延時間のときにのみ相関値R(i)のピークが存在し、それ以外の遅延時間では相関値R(i)が小さくなるような信号であると判断できれば良い。従って、本発明は、最大相関値R(a)とその他の複数の相関値R(i)との比を全て算出しなくてもよい。例えば、本発明は、最大相関値R(a)と2番目に大きい相関値との比を算出し、しきい値と比較することで遅延時間の妥当性を判定しても良い。また、本発明は、最大相関値R(a)と最小相関値との比を算出し、しきい値と比較することで遅延時間の妥当性を判定しても良い。なお、通常は、最大相関値R(a)と2番目に大きい相関値との比が重要である。
このようにすれば、相関値比の演算としきい値の判定はそれぞれ1回で済むため、処理の簡略化が可能となる。
以上、本発明の第一の実施形態による遅延時間判定装置10を備える遅延時間設定装置20の処理について説明した。上述の遅延時間判定装置10を備える遅延時間設定装置20によれば、遅延時間判定装置10は、サンプリング部101と、相関値算出部102と、最大相関値特定部103と、相対遅延設定判定部104と、を備える。サンプリング部101は、遅延部108が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する信号Aと、複数の回路から成る経路109が入力信号を回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する信号Bとを同一のタイミングでサンプリングする。相関値算出部102は、サンプリング部101がサンプリングした信号Aに対する信号Bの相対遅延時間を変化させ、相対遅延時間のそれぞれに対して信号Aと信号Bとの相関値を算出する。最大相関値特定部103は、相関値算出部102が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する。相対遅延設定判定部104は、相関値算出部102が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部103が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を遅延時間に加算すると判定する。
このようにすれば、複数の回路から成る経路109における信号遅延を特定する際に、誤って算出された遅延時間を遅延部108の信号遅延として設定することを軽減できる。また、相関値算出部102が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部103が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、信号が特定の振幅の基準値をクロスするか否かに関わらず2つの信号の最大相関値を得ることができる。
また、上述の遅延時間判定装置10を備える遅延時間設定装置20によれば、遅延時間設定部107は、相対遅延設定判定部104が判定した判定結果に基づいて、遅延部108の遅延時間を決定する遅延設定情報を遅延部108に出力する。遅延部108は、遅延設定情報を保持する。
このようにすれば、遅延部108は、保持した遅延設定情報に基づいて、入力信号を遅延時間の分だけ遅延させることができる。そして、複数の回路から成る経路109における信号遅延は、遅延部108の適切な信号遅延に基づいて特定される。
<第二の実施形態>
図8は、本発明の第二の実施形態による遅延時間判定装置40を備える遅延時間設定装置50の構成の一例を示す図である。
図8で示すように、第二の実施形態による遅延時間設定装置50は、遅延時間判定装置40と、遅延時間設定部107とを備える。
なお、図8には、遅延時間設定装置50と共に、遅延部108と、経路109とが示されている。
第二の実施形態による遅延時間判定装置40は、第一の実施形態による遅延時間判定装置10が備えるサンプリング部101と、相関値算出部102と、最大相関値特定部103と、相対遅延設定判定部104(相関値比算出部105、相関値比判定部106)と、に加え、振幅算出部110と、最大最小振幅比算出部111と、振幅総和演算部112と、振幅判定部113と、を備える。
振幅算出部110は、サンプリング部101がサンプリングした遅延部108を通過した後の信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅と経路109を通過した後の信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅とを算出する。
最大最小振幅比算出部111は、振幅算出部110が算出した信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅に基づいて、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とを特定し、最大振幅と最小振幅との比を算出する。
振幅総和演算部112は、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅の総和WAを算出する。また、振幅総和演算部112は、信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅の総和WBを算出する。
振幅判定部113は、最大最小振幅比算出部111が算出した信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく信号Aの最大振幅と最小振幅との比、振幅総和演算部112が算出した信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅の総和及び信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えるか否かを判定する。
相関値算出部102は、振幅判定部113が、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく信号Aの最大振幅と最小振幅との比、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅の総和及び信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えたと判定した場合に、信号Aに対する信号Bの相対遅延時間を変化させ、相対遅延時間のそれぞれに対して信号Aと信号Bとの相関値を算出する。
図9は、本発明の第二の実施形態による遅延時間設定装置50の処理の一例を示す図である。
次に、図9を用いて、図8に示す第二の実施形態による遅延時間設定装置50の処理について説明する。
なお、ここでは、第一の実施形態による遅延時間設定装置20の処理と異なるステップS11〜ステップS17の処理について説明する。
まず、サンプリング部101は、遅延部108を通過した後の信号Aと、経路109を通過した後の信号Bとを同一のタイミングでS点連続してサンプリングするサンプリング実行回数をkとし、その初期値としてk=0と設定する(ステップS11)。
遅延部108は、初期の遅延時間として設計段階で決定した遅延時間τとなる遅延設定情報を遅延時間設定部107から入力する。遅延部108は、入力した遅延設定情報を保持する(ステップS1)。遅延部108は、保持した遅延設定情報に基づいて、入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる。
サンプリング部101は、遅延部108を通過した後の信号Aと、経路109を通過した後の信号Bとを同一のタイミングでサンプリングする(ステップS2)。例えば、サンプリング部101は、図3及び図4で示したように、信号観測時間でサンプリング周期Δt毎に信号Aと信号Bのそれぞれを同一のタイミングでS点連続してサンプリングする。サンプリング部101は、サンプリングしたサンプリングデータを相関値算出部102と振幅算出部110とに出力する。
サンプリング部101は、遅延部108を通過した後の信号Aと、経路109を通過した後の信号Bとを同一のタイミングでS点連続してサンプリングすると、サンプリング実行回数kに1を加える(ステップS12)。
振幅算出部110は、サンプリング部101からサンプリングデータを入力すると、信号観測時間の開始の時刻をt=0とする。また、時刻tにおける信号Aと信号Bを信号A(t)、信号B(t)と表すものとする。また、時刻tにおける信号Aのサンプリング点毎の振幅を振幅VA(t)とし、時刻tにおける信号Bのサンプリング点毎の振幅を振幅VB(t)とする。振幅算出部110は、信号A(t)と信号B(t)とに基づいて、サンプリング点毎の振幅VA(t)及びVB(t)を算出する(ステップS13)。より具体的には、例えば、振幅算出部110は、サンプリング部101が信号観測時間でサンプリング周期Δt毎に信号Aと信号Bのそれぞれを同一のタイミングでS点連続してサンプリングした場合、振幅VA(0)、VA(Δt)、VA(2×Δt)、VA(3×Δt)、・・・、VA((S−1)×Δt)、VB(0)、VB(Δt)、VB(2×Δt)、VB(3×Δt)、・・・、VB((S−1)×Δt)を算出する。
振幅算出部110は、算出したサンプリング点毎の振幅VA(t)を最大最小振幅比算出部111と振幅総和演算部112とに出力する。また、振幅算出部110は、サンプリング点毎の振幅VB(t)を振幅総和演算部112に出力する。
最大最小振幅比算出部111は、振幅算出部110からサンプリング点毎の振幅VA(t)を入力すると、まず、入力した振幅VA(t)における最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l;エル)(以下、「VA(l)」)とを特定する(ステップS14)。例えば、最大最小振幅比算出部111は、振幅VA(t)としてVA(0)、VA(Δt)、VA(2×Δt)、VA(3×Δt)、・・・、VA((S−1)×Δt)を順番に入力した場合、まずVA(0)とVA(Δt)とを入力して比較し、それらの大小関係を特定する。そして、最大最小振幅比算出部111は、VA(0)とVA(Δt)のうち大きい方を最大振幅VA(h)、小さい方を最小振幅VA(l)とする。次に、最大最小振幅比算出部111は、VA(2×Δt)を入力して、最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)のそれぞれと比較し、それらの大小関係を特定する。そして、最大最小振幅比算出部111は、VA(2×Δt)と最大振幅VA(h)のうち大きい方を新たな最大振幅VA(h)とする。また、最大最小振幅比算出部111は、VA(2×Δt)と最小振幅VA(l)のうち小さい方を新たな最小振幅VA(l)とする。このように、最大最小振幅比算出部111は、入力した信号Aの振幅と、最大振幅VA(h)及び最小振幅VA(l)のそれぞれとの比較を繰り返し、信号Aの振幅VA((S−1)×Δt)と、最大振幅VA(h)及び最小振幅VA(l)のそれぞれとの比較が完了した時点での最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)とが最終的な最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)となる。このようにして特定した最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)とに基づいて、最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比YをY=VA(h)÷VA(l)により算出する(ステップS14)。
最大最小振幅比算出部111は、算出した最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Yを振幅判定部113に出力する。
振幅総和演算部112は、入力したサンプリング点毎の振幅VA(t)に基づいて、サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WAを算出する。振幅総和演算部112は、算出した総和WAを振幅判定部113に出力する。また、振幅総和演算部112は、入力したサンプリング点毎の振幅VB(t)に基づいて、サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WBを算出する。振幅総和演算部112は、算出した総和WBを振幅判定部113に出力する(ステップS15)。
振幅判定部113は、最大最小振幅比算出部111から最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Yを入力し、振幅総和演算部112からサンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA及びサンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WBを入力すると、最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y、サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA及びサンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えるか否かを判定する(ステップS16)。
例えば、最大最小振幅比算出部111が算出した最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Yに対して設定されたしきい値をYthとする。また、振幅総和演算部112が算出したサンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WAに対して設定されたしきい値をWAthとする。また、振幅総和演算部112が算出したサンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WBに対して設定されたしきい値をWBthとする。この場合、振幅判定部113は、最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Yとしきい値Ythとを比較し、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」を満足するか否かを判定する。振幅判定部113は、この判定を行い「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」を満足すると判定した場合に、信号Aの振幅が平坦ではないと特定することができる。なお、しきい値Ythは、例えば2である。
また、振幅判定部113は、サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WAとしきい値WAthとを比較し、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」を満足するか否かを判定する。振幅判定部113は、この判定を行い「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」を満足すると判定した場合に、信号Aの振幅が十分に大きいことを特定することができる。また、振幅判定部113は、サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WBとしきい値WBthとを比較し、「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」を満足するか否かを判定する。振幅判定部113は、この判定を行い「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」を満足すると判定した場合に、信号Bの振幅が十分に大きいことを特定することができる。
振幅判定部113は、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」及び「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」、のうちの少なくとも1つを満足するか否かを判定する。
これにより、振幅判定部113は、相関値算出部102、最大相関値特定部103、相関値比算出部105及び相関値比判定部106による相対遅延時間の算出及び算出した相対遅延時間を設定するか否かの判定処理を行う前に、最大相関値を特定する対象となる2つの信号が平坦ではないこと、あるいは、振幅が十分に大きいことを確認することができる。すなわち、振幅判定部113は、相関値算出部102、最大相関値特定部103、相関値比算出部105及び相関値比判定部106により算出した相対遅延時間を設定する可能性が高いことを確認して初めて、実際に相関値算出部102、最大相関値特定部103、相関値比算出部105及び相関値比判定部106が相対遅延時間の算出及び算出した相対遅延時間を設定するか否かの判定処理を行う。こうすることで、求めた最大相関値がしきい値を超えず結果的に無駄な演算となる最大相関値の演算を行う回数を低減することができる。
なお、振幅判定部113は、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」及び「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」、の3つすべてを判定しても良い。また、振幅判定部113は、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」及び「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」、の3つのうちの2つを判定するものであっても良い。また、振幅判定部113は、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」及び「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」、の3つのうちの1つのみを判定するものであっても良い。
振幅判定部113は、ステップS16の処理において「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」及び「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」、のうちの何れも満足しないと判定した場合(ステップS16、NO)、サンプリング部101は、ステップS12の処理で増加するサンプリング実行回数kと予め設定されたサンプリングの上限回数βとを比較し、サンプリング実行回数kがサンプリングの上限回数βを超えているか否かを判定する(ステップS17)。
サンプリング部101がサンプリング実行回数kがサンプリングの上限回数βを超えていないと判定した場合(ステップS17、NO)、ステップS2の処理へ戻る。
サンプリング部101がサンプリング実行回数kがサンプリングの上限回数βを超えていると判定した場合(ステップS17、YES)、遅延時間設定装置50における一連の処理を終了する。
また、振幅判定部113は、ステップS16の処理において「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」及び「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」、のうちの少なくとも1つを満足すると判定した場合(ステップS16、YES)、第一の実施形態による遅延時間設定装置20の処理と同様にステップS3〜ステップS10の処理を行う。なお、ステップS9の処理において、相関値比判定部106が入力した各相関値比Z(i)が所定のしきい値Zthよりも大きくはない、すなわち、小さいまたは同一であると判定した場合(ステップS9、NO)、遅延時間を正しく算出できていない可能性があると判断し、ステップS17の処理を行う。
以上、本発明の第二の実施形態による遅延時間判定装置40を備える遅延時間設定装置50の処理について説明した。上述の遅延時間判定装置40を備える遅延時間設定装置50によれば、遅延時間判定装置40は、サンプリング部101と、相関値算出部102と、最大相関値特定部103と、相対遅延設定判定部104と、を備える。サンプリング部101は、遅延部108が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する信号Aと、複数の回路から成る経路109が入力信号を回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する信号Bとを同一のタイミングでS点連続してサンプリングする。相関値算出部102は、サンプリング部101がサンプリングした信号Aに対する信号Bの相対遅延時間を変化させ、相対遅延時間のそれぞれに対して信号Aと信号Bとの相関値を算出する。最大相関値特定部103は、相関値算出部102が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する。相対遅延設定判定部104は、相関値算出部102が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部103が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を遅延時間に加算すると判定する。
このようにすれば、複数の回路から成る経路109における信号遅延を特定する際に、誤って算出された遅延時間を遅延部108の信号遅延として設定することを軽減できる。また、相関値算出部102が算出した複数の相関値のそれぞれに対する最大相関値特定部103が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、信号が特定の振幅の基準値をクロスするか否かに関わらず2つの信号の最大相関値を得ることができる。
また、振幅算出部110は、サンプリング部101がサンプリングした信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅と信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅とを算出する。最大最小振幅比算出部111は、振幅算出部110が算出した信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅に基づいて、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とを特定し、最大振幅と最小振幅との比を算出する。振幅総和演算部112は、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅の総和WAと、信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅の総和WBを算出する。振幅判定部113は、最大最小振幅比算出部111が算出した信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく信号Aの最大振幅と最小振幅との比、振幅総和演算部112が算出した信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅の総和及び信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えるか否かを判定する。そして、相関値算出部は、振幅判定部113が、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく信号Aの最大振幅と最小振幅との比、信号Aにおけるサンプリング点毎の振幅の総和及び信号Bにおけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えたと判定した場合に、信号Aに対する信号Bの相対遅延時間を変化させ、相対遅延時間のそれぞれに対して信号Aと信号Bとの相関値を算出する。
このようにすれば、信号振幅の小さい信号や信号振幅の変化の小さい信号を除外することができる。その結果、遅延時間を変化させても2つの信号の相関値の変化が小さくなる可能性を低減することができ、求めた最大相関値がしきい値を超えず結果的に無駄な演算となる最大相関値の演算を行う回数を低減することができる。
なお、振幅判定部113は、ステップS16の処理において「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」、「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」の3つすべてを判定する場合には、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」、「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」、「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」の3つすべてを満足したときにステップS3の処理を行うと、信号Aと信号Bの両方の信号振幅が大きく、かつ、振幅変化も大きい。そのため、「最大振幅VA(h)と最小振幅VA(l)の比Y>しきい値Yth」または「サンプリング点毎の振幅VA(t)の総和WA>しきい値WAth」または「サンプリング点毎の振幅VB(t)の総和WB>しきい値WBth」の何れか1つを満足する場合に比べて、求めた最大相関値がしきい値を超えず結果的に無駄な演算となる最大相関値の演算を行う回数を低減することができる。
<第三の実施形態>
図10は、本発明の第三の実施形態による遅延時間判定装置10を備える送信装置1の一例を示す図である。
第三の実施形態による送信装置1は、デジタルプリディストーション方式を採用した送信装置である。
図10で示すように、第三の実施形態による遅延時間判定装置10を備える送信装置1は、歪補償演算処理回路21と、直交変調部25と、DAC(Digital to Analog Converter)26と、周波数変換器27と、電力増幅器28と、方向性結合器29と、周波数変換器30と、ADC(Analog to Digital Converter)31と、直交復調部32と、制御部33と、遅延部108と、を備える。
送信装置1が備える歪補償演算処理回路21は、電力計算部22と、歪補償係数データメモリ23と、歪補償演算部24と、を備える。
電力計算部22は、デジタル直交ベースバンド信号I及びQの電力を算出する。
歪補償係数データメモリ23は、デジタル直交ベースバンド信号I及びQの電力に応じた歪補償係数を記憶する。
歪補償演算部24は、歪補償係数データメモリ23が記憶する歪補償係数に基づいて、デジタル直交ベースバンド信号I及びQに対する歪補償を演算する。歪補償演算部24は、電力計算部22が算出した電力に応じた歪補償係数を歪補償係数データメモリ23から読み出す。
直交変調部25は、歪補償演算部24が歪補償を演算した後のデジタル直交ベースバンド信号I’及びQ’を直交変調することによりデジタルIF(Intermediate Frequency)信号に変換する。
DAC26は、直交変調部25が変換したデジタルIF信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、アナログIF信号を生成する。
周波数変換器27は、DAC26が変換したアナログIF信号をRF(Radio Frequency)信号へアップコンバートする。
電力増幅器28は、周波数変換器27がアップコンバートしたRF信号の電力を増幅する。
方向性結合器29は、電力増幅器28が電力増幅したRF信号の一部を周波数変換器30に出力する。
周波数変換器30は、方向性結合器29から入力するRF信号の一部をアナログIF信号にダウンコンバートする。
ADC31は、周波数変換器30から入力するアナログIF信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタルIF信号を生成する。
直交復調部32は、ADC31が変換したデジタルIF信号をデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib及びQbに変換する。
制御部33は、遅延時間設定装置20を備える。遅延時間設定装置20は、遅延時間判定装置10と、遅延時間設定部107とを備える。
制御部33が備える遅延時間設定装置20は第一の実施形態及び第二の実施形態で説明したように、2つの信号間の遅延時間を算出する。ただし、第三の実施形態では、遅延時間設定装置20は、デジタル直交ベースバンド信号I、Qとデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib、Qbとの遅延時間を算出する。
また、第三の実施形態による送信装置1における経路は、歪補償演算部24、直交変調部25、DAC26、周波数変換器27、電力増幅器28、方向性結合器29、周波数変換器30、ADC31及び直交復調部32を通過する経路である。
遅延時間設定部107は、デジタル直交ベースバンド信号とデジタル直交ベースバンド帰還信号との遅延時間が遅延部108の遅延時間となる遅延設定情報を遅延部108に出力する。
また、制御部33は、電力増幅器28の非線形特性の逆特性を表す歪補償係数を算出する。例えば、制御部33は、エンベロープ検出型リニアライザ装置を備える。エンベロープ検出型リニアライザ装置は、送信信号の振幅及び位相と、電力増幅器28が出力する信号をフィードバックした帰還信号の振幅及び位相とをデジタル信号として比較する。エンベロープ検出型リニアライザ装置は、比較結果に基づいて電力増幅器28の非線形特性の逆特性を表す歪補償係数を求める。制御部33は、エンベロープ検出型リニアライザ装置が算出した歪補償係数を新たな歪補償係数として歪補償係数データメモリ23に記録する。
このような送信信号と帰還信号との比較処理では、送信信号と帰還信号の時間的対応を取る必要がある。送信信号と帰還信号の時間的対応を取る方法は、第一の実施形態及び第二の実施形態で詳細を示した方法である。
なお、本発明の第三の実施形態において、遅延時間判定装置10を用いるアプリケーションの1つとしてプリディストーション方式の送信装置1について説明した。しかしながら、遅延時間判定装置10を用いるアプリケーションは、それに限定するものではない。
以上、本発明の第三の実施形態による遅延時間判定装置10を備える送信装置1の処理について説明した。上述の遅延時間判定装置10を備える送信装置1によれば、遅延時間判定装置10を備える送信装置1は、送信信号と帰還信号との比較処理が必要な歪補正において、遅延時間が変化したときの相関値の変化に応じた適切な遅延時間を算出することができる。
なお、本発明における記憶部や歪補償係数データメモリ23は、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や歪補償係数データメモリ23は、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
なお本発明の実施形態における処理フローは、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
なお本発明の実施形態について説明したが、上述の遅延時間判定装置10、遅延時間判定装置40、遅延時間設定装置20、遅延時間設定装置50、送信装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
なお、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記の用にも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング部と、
前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出部と、
前記相関値算出部が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定部と、
前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定部と、
を備える遅延時間判定装置。
(付記2)前記相関値算出部は、前記サンプリング部が前記第一の信号と前記第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングしたときのサンプリング周期を1から順に1を加えた各整数で整数倍した時間のそれぞれに対して前記相関値を算出する
付記1に記載の遅延時間判定装置。
(付記3)前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合を算出する相関値比算出部と、
前記相関値比算出部が算出した割合が所定の1以上のしきい値よりも大きいか否かを判定する相関値比判定部と、
を備え、
前記相対遅延設定判定部は、前記割合が所定の1以上のしきい値よりも大きいと相関値比判定部が判定した場合に、前記最大相関値に対応する前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する
付記1または付記2に記載の遅延時間判定装置。
(付記4)前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅と前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅とを算出する振幅算出部と、
前記振幅算出部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅に基づいて、前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅との比を算出する最大最小振幅比算出部と、
前記振幅算出部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅と前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅とに基づいて、記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和及び前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和を算出する振幅総和演算部と、
前記最大最小振幅比算出部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく前記第一の信号の最大振幅と最小振幅との比、前記振幅総和演算部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和及び前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えるか否かを判定する振幅判定部と、
を備え、
前記相関値算出部は、
前記振幅判定部が、前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく前記第一の信号の最大振幅と最小振幅との比、前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和及び前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えたと判定した場合に、前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する
付記1から付記3の何れか一に記載の遅延時間判定装置。
(付記5)付記1から付記4の何れか一に記載の遅延時間判定装置と、
前記相対遅延設定判定部が最大相関値に対応する相対遅延時間を遅延時間に加算した値を用いて、遅延部に入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる遅延時間設定部と、
を備える遅延時間設定装置。
(付記6)前記遅延時間設定部は、前記相対遅延設定判定部が前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定した場合に、最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を前記遅延時間に加算して前記遅延部に入力信号を前記遅延時間の分だけ遅延させる
付記5に記載の遅延時間設定装置。
(付記7)前記遅延時間設定部によって前記入力信号を前記遅延時間の分だけ遅延させる遅延部
を備える付記5または付記6に記載の遅延時間設定装置。
(付記8)前記遅延部は、アナログ遅延器である
付記1から付記7の何れか一に記載の遅延時間設定装置。
(付記9)前記遅延部は、アナログフィルタである
付記1から付記8の何れか一に記載の遅延時間設定装置。
(付記10)前記遅延部は、デジタルフィルタである
付記1から付記9の何れか一に記載の遅延時間設定装置。
(付記11)付記1から付記4の何れか一に記載の遅延時間判定装置と、
前記相対遅延設定判定部が判定した判定結果に基づいて、遅延部の遅延時間を決定する遅延時間設定部と、
遅延時間を設定する遅延部と、
プリディストーション方式を用いた歪補償演算処理回路と、
デジタル直交ベースバンド信号I’及びQ’をデジタルIF(Intermediate Frequency)信号に変換する直交変調部と、
デジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(Digital to Analog Converter)と、
アナログIF信号をRF(Radio Frequency)信号へアップコンバートする第一の周波数変換器と、
RF信号の一部をアナログIF信号にダウンコンバートする第二の周波数変換器と、
DACにより変換されたアナログ信号を増幅して出力する電力増幅器と、
電力増幅器が電力増幅したRF信号の一部を前記第二の周波数変換器に出力する方向性結合器と、
フィードバックされたアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)と、
デジタルIF信号をデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib及びQbに変換する直交復調部と、
を備える送信装置。
(付記12)遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングし、
前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出し、
前記相関値算出部が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定し、
前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する、遅延時間判定方法。
(付記13)遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングし、
前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出し、
前記相関値算出部が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定し、
前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定し、
前記相対遅延設定判定部が判定した判定結果に基づいて、遅延部に入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる、遅延時間設定方法。
(付記14)遅延時間判定装置のコンピュータを、
遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によってサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出手段と、
前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定手段と、
前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定手段によって特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定手段
として機能させるためのプログラム。
(付記15)遅延時間設定装置のコンピュータを、
遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によってサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出手段と、
前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定手段と、
前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定手段によって特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定手段と、
前記相対遅延設定判定手段によって判定した判定結果に基づいて、遅延部に入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる遅延時間設定手段
として機能させるためのプログラム。
(付記16)送信装置のコンピュータを、
遅延時間を設定する遅延手段と、
前記遅延手段によって入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によってサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出手段と、
前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定手段と、
前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定手段によって特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定手段と、
前記相対遅延設定判定手段によって判定した判定結果に基づいて、前記遅延手段の遅延時間を決定する遅延時間設定手段と、
プリディストーション方式を用いた歪補償演算処理手段と、
デジタル直交ベースバンド信号I’及びQ’をデジタルIF(Intermediate Frequency)信号に変換する直交変調手段と、
デジタル信号をアナログ信号に変換するデジタルアナログ信号変換手段と、
アナログIF信号をRF(Radio Frequency)信号へアップコンバートする第一の周波数変換手段と、
RF信号の一部をアナログIF信号にダウンコンバートする第二の周波数変換手段と、
デジタルアナログ信号変換手段によって変換されたアナログ信号を増幅して出力する電力増幅手段と、
電力増幅手段によって電力増幅したRF信号の一部を前記第二の周波数変換手段によって出力する方向性結合手段と、
フィードバックされたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル信号変換手段と、
デジタルIF信号をデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib及びQbに変換する直交復調手段
として機能させるためのプログラム。
1・・・送信装置
10、40・・・遅延時間判定装置
20、50・・・遅延時間設定装置
21・・・歪補償演算処理回路
22・・・電力計算部
23・・・歪補償係数データメモリ
24・・・歪補償演算部
25・・・直交変調部
26・・・DAC(Digital to Analog Converter)
27、30・・・周波数変換器
28・・・電力増幅器
29・・・方向性結合器
31・・・ADC(Analog to Digital Converter)
32・・・直交復調部
33・・・制御部
101・・・サンプリング部
102・・・相関値算出部
103・・・最大相関値特定部
104・・・相対遅延設定判定部
105・・・相関値比算出部
106・・・相関値比判定部
107・・・遅延時間設定部
108・・・遅延部
109・・・経路

Claims (11)

  1. 遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング部と、
    前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出部と、
    前記相関値算出部が算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定部と、
    前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合が、所定の1以上のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定部と、
    を備える遅延時間判定装置。
  2. 前記相関値算出部は、前記サンプリング部が前記第一の信号と前記第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングしたときのサンプリング周期を1から順に1を加えた各整数で整数倍した時間のそれぞれに対して前記相関値を算出する
    請求項1に記載の遅延時間判定装置。
  3. 前記相関値算出部が算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定部が特定した最大相関値の割合を算出する相関値比算出部と、
    前記相関値比算出部が算出した割合が所定の1以上のしきい値よりも大きいか否かを判定する相関値比判定部と、
    を備え、
    前記相対遅延設定判定部は、前記割合が所定の1以上のしきい値よりも大きいと相関値比判定部が判定した場合に、前記最大相関値に対応する前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する
    請求項1または請求項2に記載の遅延時間判定装置。
  4. 前記サンプリング部がサンプリングした前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅と前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅とを算出する振幅算出部と、
    前記振幅算出部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅に基づいて、前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅との比を算出する最大最小振幅比算出部と、
    前記振幅算出部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅と前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅とに基づいて、記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和及び前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和を算出する振幅総和演算部と、
    前記最大最小振幅比算出部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく前記第一の信号の最大振幅と最小振幅との比、前記振幅総和演算部が算出した前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和及び前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えるか否かを判定する振幅判定部と、
    を備え、
    前記相関値算出部は、
    前記振幅判定部が、前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅のうちの最大振幅と最小振幅とに基づく前記第一の信号の最大振幅と最小振幅との比、前記第一の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和及び前記第二の信号におけるサンプリング点毎の振幅の総和、のうちの少なくとも1つについて、3つのそれぞれに設定された対応する所定のしきい値を超えたと判定した場合に、前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の遅延時間判定装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遅延時間判定装置と、
    前記相対遅延設定判定部が最大相関値に対応する相対遅延時間を遅延時間に加算した値を用いて、遅延部に入力信号を遅延時間の分だけ遅延させる遅延時間設定部と、
    を備える遅延時間設定装置。
  6. 前記遅延時間設定部は、前記相対遅延設定判定部が前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定した場合に、最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を前記遅延時間に加算して前記遅延部に入力信号を前記遅延時間の分だけ遅延させる
    請求項5に記載の遅延時間設定装置。
  7. 前記遅延時間設定部によって前記入力信号を前記遅延時間の分だけ遅延させる遅延部
    を備える請求項5または請求項6に記載の遅延時間設定装置。
  8. 遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングし、
    サンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出し、
    算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定し、
    算出した複数の相関値のそれぞれに対する特定した最大相関値の割合に基づいて、前記最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を前記遅延時間に加算するか否かを判定する、遅延時間決定方法。
  9. 遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングし、
    サンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して複数の相関値を算出し、
    算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定し、
    算出した複数の相関値のそれぞれに対する特定した最大相関値の割合に基づいて、前記最大相関値の算出に用いた相対遅延時間を前記遅延時間に加算するか否かを判定し、
    判定した判定結果に基づいて、遅延部の遅延時間を決定する遅延設定情報を出力する、遅延時間設定方法。
  10. 遅延時間判定装置のコンピュータを、
    遅延部が入力信号を任意の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第一の信号と、複数の回路から成る経路が前記入力信号を前記回路の遅延時間の分だけ遅延させて出力する第二の信号とを同一のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段によってサンプリングした前記第一の信号に対する前記第二の信号の相対遅延時間を変化させ、前記相対遅延時間のそれぞれに対して前記第一の信号と前記第二の信号との相関値を算出する相関値算出手段と、
    前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値の中から最大相関値を特定する最大相関値特定手段と、
    前記相関値算出手段によって算出した複数の相関値のそれぞれに対する前記最大相関値特定手段によって特定した最大相関値の割合が1以上の所定のしきい値よりも大きい場合に、前記最大相関値の算出に用いた前記相対遅延時間を前記遅延時間に加算すると判定する相対遅延設定判定手段と、
    を備える遅延時間判定装置
    として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項1から請求項4の何れか一に記載の遅延時間判定装置と、
    相対遅延設定判定部が判定した判定結果に基づいて、遅延部の遅延時間を決定する遅延設定情報を出力する遅延時間設定部と、
    遅延時間設定部によって前記入力信号を前記遅延時間の分だけ遅延させる遅延部と、
    プリディストーション方式を用いた歪補償演算処理回路と、
    デジタル直交ベースバンド信号I’及びQ’をデジタルIF(Intermediate Frequency)信号に変換する直交変調部と、
    デジタル信号をアナログ信号に変換するDAC(Digital to Analog Converter)と、
    アナログIF信号をRF(Radio Frequency)信号へアップコンバートする第一の周波数変換器と、
    RF信号の一部をアナログIF信号にダウンコンバートする第二の周波数変換器と、
    DACにより変換されたアナログ信号を増幅して出力する電力増幅器と、
    電力増幅器が電力増幅したRF信号の一部を前記第二の周波数変換器に出力する方向性結合器と、
    フィードバックされたアナログ信号をデジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)と、
    デジタルIF信号をデジタル直交ベースバンド帰還信号Ib及びQbに変換する直交復調部と、
    を備える送信装置。
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