JP2015216316A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルとコアとの間の絶縁性が確実に得られるとともにインダクタンスの低下を防止可能なコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品10は、コイル20と、第1コア30と、第2コア40とを備えている。第1コアは、コイルを覆っており、且つ、第2コアの内部に埋設されている。第1コアは、絶縁性樹脂からなる第1バインダ38と、第1バインダによって結着された第1粉末32とを含んでいる。第1粉末の夫々は、第1磁性粉末34と、それを覆う絶縁体からなる絶縁膜36とから形成されている。第1コアは、1kV/mm以上の絶縁耐圧を有している。第2コアは、絶縁性樹脂からなる第2バインダ48と、第2バインダによって結着された第2磁性粉末44とを含んでいる。第2磁性粉末の夫々は、絶縁膜によって覆われていない。
【選択図】図4

Description

本発明は、コイルと、コイルを覆うコアとを備えたコイル部品に関する。
例えば、特許文献1には、このタイプのコイル部品(チョークコイル)が開示されている。
特許文献1の第2実施形態に開示されたチョークコイルは、圧粉磁芯(コア)と、コアに埋設された導線(コイル)とから構成されている。コアは、複合粒子をバインダによって結着することで形成されている。複合粒子の夫々は、軟磁性を有する金属粉末(磁性粉末)と、磁性粉末を覆う被覆層とから構成されている。被覆層は、絶縁体からなる粉末を磁性粉末に固着させることで形成される。これにより、磁性粉末間の絶縁性が確実に得られ、チョークコイルにおける過電流損失を長期間にわたって低減できる。
特許第5381220号公報
コイル部品は、例えば電気自動車やハイブリッドカーの昇圧コンバータのリアクトルとして使用されることがある。このような場合、コイル部品のコイルには、例えば200A程度の大きな直流電流が重畳されるため、コイルとコアとの間の絶縁性を確保する必要がある。この絶縁性は、特許文献1のコイル部品を使用することで得ることができる。しかしながら、特許文献1のコアは、絶縁体からなる粉末を含むため、コアにおける磁性粉末の体積含有率が比較的低い。このため、インダクタンスが低下し易い。
そこで、本発明は、コイルとコアとの間の絶縁性が確実に得られるとともにインダクタンスの低下を防止可能なコイル部品を提供することを目的とする。
本発明によれば、第1のコイル部品として、
コイルと、第1コアと、第2コアとを備えるコイル部品であって、
前記第1コアは、前記コイルを覆っており、且つ、前記第2コアの内部に埋設されており、
前記第1コアは、絶縁性樹脂からなる第1バインダと、前記第1バインダによって結着された第1粉末とを含んでおり、
前記第1粉末の夫々は、第1磁性粉末と、絶縁体からなる絶縁膜とから形成されており、
前記第1磁性粉末は、前記絶縁膜によって覆われており、
前記第1コアは、1kV/mm以上の絶縁耐圧を有しており、
前記第2コアは、絶縁性樹脂からなる第2バインダと、前記第2バインダによって結着された第2磁性粉末とを含んでおり、
前記第2磁性粉末の夫々は、前記絶縁膜によって覆われていない
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第2のコイル部品として、第1のコイル部品であって、
前記第1コアにおける前記第1磁性粉末の体積含有率は、前記第2コアにおける前記第2磁性粉末の体積含有率よりも小さい
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第3のコイル部品として、第1又は第2のコイル部品であって、
前記第1コアは、2kV/mm以上の絶縁耐圧を有している
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第4のコイル部品として、第1乃至第3のいずれかのコイル部品であって、
前記絶縁膜の最小膜厚は、10nm以上である
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第5のコイル部品として、第1乃至第4のいずれかのコイル部品であって、
前記絶縁膜の平均膜厚は、100nm以上である
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第6のコイル部品として、第1乃至第4のいずれかのコイル部品であって、
前記絶縁膜の平均膜厚は、1μm以上である
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第7のコイル部品として、第1乃至第6のいずれかのコイル部品であって、
前記第1コアにおける前記第1磁性粉末の体積含有率は、70体積%以下である
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第8のコイル部品として、第1乃至第6のいずれかのコイル部品であって、
前記第1コアにおける前記第1磁性粉末の体積含有率は、60体積%以下である
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第9のコイル部品として、第1乃至第8のいずれかのコイル部品であって、
前記第1コアの厚みは、0.5mm以上である
コイル部品が得られる。
また、本発明によれば、第10のコイル部品として、第1乃至第9のいずれかのコイル部品であって、
前記第1磁性粉末の平均粒径は、前記第2磁性粉末の平均粒径よりも小さい
コイル部品が得られる。
本発明によるコイル部品のコイルは、第1粉末を含む第1コアによって覆われている。第1粉末は、第1磁性粉末と、第1磁性粉末を覆う絶縁膜とから形成されている。このため、コイルと第1コアとの間の絶縁性が確実に得られる。また、第1コアは、第2磁性粉末を含む第2コアの内部に埋設されている。第2磁性粉末は、絶縁膜によって覆われていない。このため、第1コアにおける第1磁性粉末の体積含有率が低下した場合でも、第2コアにおける第2磁性粉末の体積含有率を大きくすることで、インダクタンスの低下を防止できる。
本発明の実施の形態によるコイル部品(リアクトル)を示す斜視図である。ここで、第2コアの内部に埋設された第1コアの輪郭を破線で描画している。 図1のリアクトルの第1コア及びコイルを示す斜視図である。ここで、第1コアによって覆われたコイルの輪郭を破線で描画している。 図2のコイルを示す斜視図である。。 図1のリアクトルをIV−IV線に沿って示す断面図である。ここで、第1コアに含まれる第1粉末と、第2コアに含まれる第2磁性粉末とを、破線で囲んだ円内に拡大して模式的に描画している。 図4の第1粉末を示す断面図である。 図2の第1コアの一部を示す画像である。 第1コアとコイルとからなるコイル部品において、コイルに付加された重畳電流の大きさとインダクタンスとの関係を示すグラフである。ここで、図中の「充填率」は、第1コアにおける第1磁性粉末の体積含有率を意味している。 本発明によるリアクトルにおいて、第1磁性粉末を覆う絶縁膜の平均膜厚と第1コアの絶縁耐圧との関係を示すグラフである。ここで、図中の「充填率」は、第1コアにおける第1磁性粉末の体積含有率を意味している。 図2の第1コア及びコイルの変形例を示す一部切り欠き斜視図である。 本発明による具体的なコイル部品を例示する断面図である。
以降の説明において、「上」「下」等の位置を示す用語は、絶対的な位置を示すものではなく、図面における相対的な位置を示すに過ぎない。
図1を参照すると、本発明の実施の形態によるコイル部品10は、上下方向に延びる円柱形状を有している。コイル部品10は、例えば電気自動車やハイブリッドカーの昇圧コンバータのリアクトルとして使用可能である。但し、本発明は、リアクトル以外の様々なコイル部品に適用可能である。また、本発明によるコイル部品の形状は、円柱形状に限定されない。
図1乃至図3に示されるように、本実施の形態によるコイル部品10は、コイル20と、第1コア(コア)30と、第2コア(コア)40と、ケース50とを備えている。第1コア30は、コイル20を覆っており、且つ、第2コア40の内部に埋設されている。換言すれば、コイル部品10は、第1コア30及び第2コア40からなる2層構造を有するコアを備えている。
図1に示されるように、本実施の形態において、第2コア40は、ケース50内部に収容されている。但し、第2コア40は、ケース50に収容されていなくてもよい。換言すれば、コイル部品10は、ケース50を備えていなくてもよい。一方、コイル部品10は、ケース50に加えて、ケース50全体を上から覆う上蓋(図示せず)を備えていてもよい。
図3を参照すると、本実施の形態によるコイル20は、絶縁コーティングされた金属板からなる一本の平角導線22をアルファ巻きすることにより形成されている。平角導線22の両端部は径方向に突出している。この突出部位は、コイル20に電流を流すための端子部24として機能する。但し、本発明によるコイル部品のコイルは、本実施の形態と異なる方法で形成されていてもよい。例えば、コイルは、平角導線をエッジワイズに巻回して形成されていてもよい。また、コイルの端子部は、上下方向に延びていてもよい。
図1に示されるように、本実施の形態によるケース50には、切り欠き52が形成されている。切り欠き52は、横蓋54で塞がれている。横蓋54には2つの孔が形成されている。コイル20の端子部24は、第1コア30、第2コア40の内部及び横蓋54の孔を通過してコイル部品10の外部に突出している。
図2に示されるように、本実施の形態による第1コア30は、概ね、上下方向に延びる円環形状を有している。第1コア30は、端子部24を除き、コイル20全体を覆っている。一方、図示された端子部24は、第1コア30によって覆われていない。端子部24の絶縁性を確保するためには、例えば、端子部24にキャップや熱収縮チューブ等の絶縁性部品(図示せず)を取り付ければよい。
図4及び図6を参照すると、第1コア30は、絶縁性樹脂からなる第1バインダ38と、第1バインダ38によって結着された第1粉末32とを含んでいる。第1粉末32の夫々は、第1磁性粉末34と、絶縁体からなる絶縁膜36とから形成されている。絶縁膜36は、有機絶縁体及び無機絶縁体のいずれから形成されていてもよいし、有機絶縁体及び無機絶縁体の混合物から形成されていてもよい。このような第1粉末32は、例えば、以下のようにして作製できる。
まず、第1磁性粉末34を作製する。第1磁性粉末34は、例えば軟磁性を有するFe系合金を水アトマイズ法によって粉砕することで作製できる。次に、絶縁粉末(図示せず)を作製する。絶縁粉末は、例えば二酸化ケイ素(SiO)のような無機ガラス材料を含有する材料から作製してもよいし、樹脂のような有機材料から作製してもよい。次に、第1磁性粉末34に絶縁粉末を固着させ、これにより、絶縁膜36を形成する。より具体的には、第1磁性粉末34と絶縁粉末とを混合し、混合粉末(図示せず)を作製する。混合粉末をボールミル等の機器内で撹拌することで第1磁性粉末34の表面に絶縁粉末を固着させる。
以上の工程により、第1粉末32を作製可能である。この工程において、絶縁粉末(図示せず)の平均粒径を第1磁性粉末34の平均粒径に対して十分に小さくすることで、一様な厚みを有する絶縁膜36を形成できる。また、例えば混合粉末(図示せず)における絶縁粉末の体積含有率や撹拌時間を変えることで、絶縁膜36の最小膜厚(即ち、最も薄い部位の膜厚)や平均膜厚を調整可能である。
第1粉末32の作製方法は、以上に例示した方法に限定されない。例えば、第1粉末32は、第1磁性粉末34の表面に絶縁粉末(図示せず)を塗布することで作製してもよい。
本実施の形態による第1コア30は、第1粉末32を使用して、例えば、以下のようにして作製できる。
まず、第1粉末32、熱硬化性バインダ(図示せず)及びフィラー(図示せず)等からなるスラリー(図示せず)を作製する。バインダとしては、例えばエポキシ樹脂やシリコン樹脂を使用すればよい。フィラーとしては、例えばシリコーンやシリカを使用すればよい。また、熱伝導性を向上するために、スラリーにアルミナを混合してもよい。次に、コイル20を型(図示せず)の内部に配置する。次に、スラリーを型に投入してコイル20を覆う。次に、スラリーを熱処理して第1コア30を作製する。詳しくは、この熱処理によってバインダが熱硬化し、第1バインダ38が形成される。また、第1粉末32は、第1バインダ38によって互いに結着する。
第1コア30の作製方法は、以上に例示した方法に限定されない。例えば、コイル20を上述したフィラーを含まないスラリー(図示せず)に浸して、コイル20をスラリーで覆ってもよい。更に、コイル20は、この含浸法や上述した注型法に加えて、射出法、トランスファー法、粉体塗装法などの様々な方法によって作製できる。第1コア30をいずれの方法によって作製する場合でも、例えばスラリーにおける第1粉末32の体積含有率を変えることで、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率を調整可能である。
上述のように作製された第1コア30は、主として第1粉末32と第1バインダ38とから構成されている。より具体的には、第1コア30における第1粉末32及び第1バインダ38の体積含有率(第1粉末32の体積含有率+第1バインダ38の体積含有率)は、50vol%以上である。
図1及び図4から理解されるように、本実施の形態による第2コア40は、概ね、上下方向に延びる円柱形状を有しており、第1コア30全体を覆っている。図4を参照すると、第2コア40は、絶縁性樹脂からなる第2バインダ48と、第2バインダ48によって結着された第2磁性粉末44とを含んでいる。第2磁性粉末44の夫々は、絶縁膜36によって覆われていない。
第2磁性粉末44は、例えば、第1磁性粉末34と同じ合金から第1磁性粉末34と同じ方法で作製できる。但し、第2磁性粉末44は、第1磁性粉末34と異なる軟磁性合金から作製してもよい。換言すれば、第2磁性粉末44の組成は、第1磁性粉末34の組成と同じであってもよいし異なっていてもよい。
本実施の形態による第2コア40は、第1粉末32に代えて第2磁性粉末44を使用することを除き、例えば、第1コア30と同様に作製できる。この場合、第2磁性粉末44、溶媒(図示せず)及び熱硬化性バインダ(図示せず)からなるスラリー(図示せず)を作製する。次に、第1コア30をケース50の内部に配置する(図1参照)。このとき、横蓋54を、コイル20の端子部24が孔を通過するようにして、ケース50の切り欠き52に取り付けて固定する。次に、スラリーをケース50に投入して第1コア30を覆う。次に、スラリーを熱処理して第2コア40を作製する。この熱処理によってバインダが熱硬化し、第2バインダ48が形成される。また、第2磁性粉末44は、第2バインダ48によって互いに結着する。
第2バインダ48は、絶縁性を有する限り、第1バインダ38と同じ材料から形成してもよいし、異なる材料から形成してもよい。
第2コア40は、第1コア30と同様に、以上に例示した方法に代えて様々な方法で作製できる。第2コア40をいずれの方法によって作製する場合でも、例えばスラリー(図示せず)における第2磁性粉末44の体積含有率を変えることで、第2コア40における第2磁性粉末44の体積含有率を調整可能である。
上述のように作製された第2コア40は、主として第2磁性粉末44と第2バインダ48とから構成されている。より具体的には、第2コア40における第2磁性粉末44及び第2バインダ48の体積含有率(第2磁性粉末44の体積含有率+第2バインダ48の体積含有率)は、50vol%以上である。
図4を参照すると、第1コア30の第1粉末32が絶縁性を有する第1バインダ38に結着していることに加え、第1磁性粉末34の夫々が絶縁膜36によって覆われてガラスコートされているため、第1コア30の絶縁性は高い。一方、第2コア40の絶縁性は第1コア30と比べて低いものの、絶縁膜36を含んでいないため第2磁性粉末44の体積含有率を高めることが容易である。
本発明によるコイル部品10のコイル20は、第1コア30によって覆われているため、コイル20と第1コア30との間の絶縁性が確実に得られる。また、第1コア30は、第2コア40の内部に埋設されている。このため、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率が低下した場合でも、第2コア40における第2磁性粉末44の体積含有率を大きくすることで、インダクタンスの低下を防止できる。
詳しくは、図7を参照すると、コイル20と第1コア30とを備え第2コア40を備えないコイル部品(図示せず:以下「基本コイル部品」という。)のインダクタンスは、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率(図7における充填率)に依存して変化する。詳しくは、充填率が70%を超えると第1粉末32間の距離が過度に小さくなる。このため、200A程度の高電流が重畳されると、基本コイル部品のインダクタンスが劣化する。従って、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率は、70体積%以下であることが好ましい。
また、第1磁性粉末34の体積含有率が60%を超えて70%に近づくと、第1粉末32の体積含有率が過度に大きくなる。このため、第1粉末32を含むスラリー(図示せず)の粘性が高まり、第1コア30が作製し難くなる。従って、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率は、60体積%以下であることが更に好ましい。一方、第1コア30のインダクタンスを確保するという観点からは、第1磁性粉末34の体積含有率は、所定の値(例えば、55体積%)以上であることが好ましい。第1磁性粉末34の体積含有率は、55体積%より大きくてもよい。
図5を参照すると、第1磁性粉末34を絶縁膜36によって確実に絶縁するためには、絶縁膜36は、第1磁性粉末34の表面全体を覆う必要がある。このことを考慮すると、絶縁膜36の最小膜厚(tmin)は、10nm以上であることが好ましい。また絶縁性を高めるためには、最小膜厚は、250nm以上であることが更に好ましい。
図4を参照すると、200A程度の重畳電流を想定した場合、第1コア30は、1kV/mm以上の絶縁耐圧を有していることが好ましく、2kV/mm以上の絶縁耐圧を有していることが更に好ましい。また、第1コア30の厚みは、0.5mm以上であることが好ましい。詳しくは、第1コア30の上下方向における上方の厚み(t),下方の厚み(t),径方向における外側の厚み(t)及び下方の厚み(t)の夫々は、0.5mm以上であることが好ましい。厚み(t),厚み(t),厚み(t)及び厚み(t)は、この条件を満たす限り、同一であってもよいし異なっていてもよい。
図8を参照すると、絶縁膜36(図5参照)の平均膜厚が1000nm(1μm)以上の場合、70体積%の第1磁性粉末34を含む第1コア30において、1kV/mmに近い絶縁耐圧が得られる。また、55体積%の第1磁性粉末34を含む第1コア30において、2kV/mmを超える絶縁耐圧が得られる。このことから、絶縁膜36の平均膜厚は、1μm以上であることが好ましい。更に、一様な厚みを有する絶縁膜36を形成するという観点からは、絶縁膜36の平均膜厚は、100nm以上であることが好ましい。
図5を参照すると、第1磁性粉末34の粒径(Dp1)が小さいほど、絶縁耐圧が大きくなる。このため、図4を参照すると、本実施の形態においては、第1磁性粉末34の粒径(Dp1)は、第2磁性粉末44の粒径(Dp2)よりも小さい。換言すれば、第1磁性粉末34の平均粒径は、第2磁性粉末44の平均粒径よりも小さい。
図4を参照すると、第2磁性粉末44は絶縁膜36に覆われていないことから、第2コア40における第2磁性粉末44の体積含有率を70体積%以上としても、第2磁性粉末44が必要な距離をあけて配置される。また、第2コア40は、第1コア30に比べてコイル20から離れているため、重畳電流による影響を第1コア30ほど受けない。このため、第2コア40における第2磁性粉末44の体積含有率は、70体積%以上とすることが好ましい。
例えば、第2コア40における第2磁性粉末44の体積含有率が70体積%である場合、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率を60体積%とすることで、十分な絶縁耐圧及びインダクタンスを得ることができる。また、10/4π[A/m]の磁界中における第1コア30の比透磁率を3以上とし、0[A/m]の磁界中における第2コア40の比透磁率を500以下にできる。以上の説明から理解されるように、第1コア30における第1磁性粉末34の体積含有率は、第2コア40における第2磁性粉末44の体積含有率よりも小さいほうが好ましい。
以下、図10に示される本発明の実施例によるコイル部品10xについて説明する。
図1及び図10を参照すると、コイル部品10xは、ケース50を備えていないことを除き、コイル部品10と同様に構成されている。詳しくは、コイル部品10xは、図示されたサイズを夫々有するコイル20x、第1コア30x及び第2コア40xを備えている。
コイル20xは、絶縁コーティングされた銅からなる平角導線を、アルファ巻きすることにより形成されている。コイル20xの上部の巻回数及び下部の巻回数は、夫々16ターンである。第1コア30xの第1磁性粉末34の平均粒径D50は、10μmである。第1磁性粉末34を覆う絶縁膜36の平均膜厚は、1mmである。第1コア30xにおける第1磁性粉末34の体積含有率は55vol%である。第2コア40xの第2磁性粉末44の平均粒径D50は、150μmである。第2コア40xにおける第2磁性粉末44の体積含有率は75vol%である。
実測した結果、第1コア30xの絶縁耐性は、2.6kV/mmだった。また、コイル部品10xのインダクタンスをシミュレーションによって得た。コイル20xに200Aの重畳電流を加えた場合のインダクタンスは、136μHだった。この結果から、本発明により、絶縁性に優れ且つ十分なインダクタンスを有するコイル部品が得られることが分かった。
本発明によるコイル部品は、既に述べた変形例や実施例に加えて、様々に変形可能である。
例えば、図9を参照すると、変形例によるコイル部品(図示せず)は、第1コア30と少し異なる第1コア30Aを備えている。詳しくは、第1コア30Aには、2つの突出部310が形成されている。突出部310は、径方向の内側に突出している。第1コアの形状は、本実施の形態や変形例の他に様々に変形可能である。また、第1コアやコイルの形状も様々に変形可能である。
10,10x コイル部品(リアクトル)
20,20x コイル
22 平角導線
24 端子部
30,30A,30x 第1コア(コア)
310 突出部
32 第1粉末
34 第1磁性粉末
36 絶縁膜
38 第1バインダ
40 第2コア(コア)
44 第2磁性粉末
48 第2バインダ
50 ケース
52 切り欠き
54 横蓋

Claims (10)

  1. コイルと、第1コアと、第2コアとを備えるコイル部品であって、
    前記第1コアは、前記コイルを覆っており、且つ、前記第2コアの内部に埋設されており、
    前記第1コアは、絶縁性樹脂からなる第1バインダと、前記第1バインダによって結着された第1粉末とを含んでおり、
    前記第1粉末の夫々は、第1磁性粉末と、絶縁体からなる絶縁膜とから形成されており、
    前記第1磁性粉末は、前記絶縁膜によって覆われており、
    前記第1コアは、1kV/mm以上の絶縁耐圧を有しており、
    前記第2コアは、絶縁性樹脂からなる第2バインダと、前記第2バインダによって結着された第2磁性粉末とを含んでおり、
    前記第2磁性粉末の夫々は、前記絶縁膜によって覆われていない
    コイル部品。
  2. 請求項1記載のコイル部品であって、
    前記第1コアにおける前記第1磁性粉末の体積含有率は、前記第2コアにおける前記第2磁性粉末の体積含有率よりも小さい
    コイル部品。
  3. 請求項1又は請求項2記載のコイル部品であって、
    前記第1コアは、2kV/mm以上の絶縁耐圧を有している
    コイル部品。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記絶縁膜の最小膜厚は、10nm以上である
    コイル部品。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記絶縁膜の平均膜厚は、100nm以上である
    コイル部品。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記絶縁膜の平均膜厚は、1μm以上である
    コイル部品。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記第1コアにおける前記第1磁性粉末の体積含有率は、70体積%以下である
    コイル部品。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記第1コアにおける前記第1磁性粉末の体積含有率は、60体積%以下である
    コイル部品。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記第1コアの厚みは、0.5mm以上である
    コイル部品。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のコイル部品であって、
    前記第1磁性粉末の平均粒径は、前記第2磁性粉末の平均粒径よりも小さい
    コイル部品。
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