JP2015215865A - プログラマブルコントローラシステム、その支援装置、プログラマブルコントローラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンパイラ部12は、コンパイル処理の際に、ソースコード14の各変数に内部メモリ25の任意のアドレスを割当てると共に、これら各変数のなかで共有変数に関しては更にコモンメモリ21の任意のアドレスを割り当てて、これらアドレス割当情報と各変数が共有変数であるか否かを示す情報を含む変数情報管理表17を生成する。PLC20の転送処理部24この変数情報管理表を用いて、上記各変数のなかで共有変数のデータは、内部メモリ25からコモンメモリ21へ転送する。
【選択図】図1
Description
また、上記特許文献1の発明では、コモンメモリに係わるデータ転送の領域の指定の仕組みの提供だけであり、内部のデータの配置(後述する内部メモリへの変数のアドレス割り付け等)については、何等考慮されていない。また、別の観点から言えば、特許文献1の発明は、受信側としての動作に係わるものであり、送信側としての動作に係わるものではない。これらについて、以下、更に詳しく説明する。
上記支援装置は、前記ソースコードをコンパイルするコンパイル手段を有する。
・前記コンパイルの際に、前記ソースコードの各変数に前記内部メモリの任意のアドレスを割当てると共に、該内部メモリの割当アドレスとその変数が共有変数であるか否かを示す情報を含む変数情報を生成する変数情報作成手段;
・前記変数情報の各共有変数毎に、前記コモンメモリの任意のアドレスを割り当てて、該コモンメモリの割当アドレスを前記変数情報に前記内部メモリの割当アドレスに対応付けて追加記録するコモンメモリ割当手段。
図1は、本例のプログラマブルコントローラ・システムの構成・機能図である。
本システムは、コンピュータ上で動作する開発環境を有する。開発環境とは、例えば図示の開発支援装置(ローダ)10である。開発支援装置10は、ユーザに任意のプログラムのソースコードを作成させる為の既存のインタフェース機能部11を有する。更に、ユーザが作成したソースコードをターゲット上で動作する機械語オブジェクトに変換するコンパイラ機能を有する。また、生成された機械語オブジェクトをターゲットに送信する通信機能を有する。尚、ターゲットとは、例えば、図示のPLC20である。
本例のPLCシステムは、各々がコモンメモリ21を有する複数のPLC(プログラマブルコントローラ)20と、このPLC20用のプログラムをユーザが任意に作成できるように支援する機能等を有する開発支援装置(ローダ)10を有する。本例のPLCシステムは、複数のプログラマブルコントローラ20間でのデータ連携をコモンメモリ21経由で実施する。換言すれば、本例のPLCシステムは、上記コモンメモリ方式のシステムである。つまり、複数のプログラマブルコントローラがコモンメモリ21の格納データを共有するシステムである。各コントローラは、他のコントローラのコモンメモリ21の格納データを参照する。上記の通り、例えば共有変数のデータが、コモンメモリ21に格納される。
すなわち、不図示の記憶部には、ユーザによって作成された任意のユーザプログラムのソースコード14、このソースコード14をコンパイラ部12によってコンパイルした結果である機械語オブジェクト16等が格納される。更に、不図示の記憶部には、図示のソースコード識別番号対応表15、変数情報管理表17、タスク情報18等が、記憶される。但し、ソースコード識別番号対応表15は、本手法には関係ないので、説明しない。
一例としては、例えばディスプレイ上に図2(b)に示す共有変数宣言情報30の入力画面が表示され(但し、図示の各種データは未だ設定されていない)、この入力画面上でユーザが所望のデータを入力することで、共有変数宣言情報30が作成される。
図4に、上記図2(b)の共有変数宣言情報30の例に応じた変数情報管理表17の例を示す。但し、この状態では変数情報管理表17は未だ完成していない。
以上のように、「コモンメモリへのデータ格納先アドレス」47以外のデータ項目については、上記共有変数宣言情報30やアドレス割当結果等に基づいて、上記各データが格納される。尚、逐一述べないが、この様なコンパイル処理に係わる各種処理は、基本的に、コンパイラ部12が実行するものである。そして、コンパイラ部12は、更に、「コモンメモリへのデータ格納先アドレス」47についてもデータ登録する。つまり、他のPLC20とデータを共有する変数(共有変数)については、コモンメモリ21についても、データ格納領域を割り当てる。この処理の一例を、図5に示す。
また、図6には、上記図4の例に対して図5の処理を実行した後の変数情報管理表17の状態を示す。
そして、上記処理対象レコードに基づいて、まず、当該処理対象の変数が、共有変数であるか否かを、共有変数46から判定する(ステップS13)。そして、共有変数である場合には(ステップS13,YES)、処理対象レコードの「コモンメモリへのデータ格納先アドレス」47に、現在の“割付先コモンメモリ”の値を格納する(ステップS14)。本例では上記先頭レコードに関してはステップS13の判定がYESとなり、更に、上記の通り“割付先コモンメモリ”の初期値は‘0’であるので、図6に示すように先頭レコードの「コモンメモリへのデータ格納先アドレス」47には‘0’が格納されることになる。
“割付先コモンメモリ”=“割付先コモンメモリ”+サイズ
によって、“割付先コモンメモリ”の値を更新する。
そして、次の処理対象レコードを決定して(ステップS16)、ステップS13に戻る。但し、次の処理対象レコードが無い場合には(ステップS17,NO)、本処理を終了する。尚、上記ステップS13の判定がNOの場合には、そのままステップS16の処理へ移行する。
尚、図6に示す例の場合、コモンメモリ21における各共有変数のアドレス割当て結果は、例えば図7に示すようになる。図6の例の場合、図7に示すように、変数1、変数3、変数5、変数7について、それぞれ、コモンメモリ21内の所定のデータ格納領域が、割付けられることになる。そして、これら各変数に係わる内部メモリ25の格納データが、コモンメモリ21内の所定のデータ格納領域に、転送・格納されることになる。その一方で、変数2、変数4、変数6、変数8に関しては、コモンメモリ21への割当ては行われない。変数2、変数4、変数6、変数8は、共有変数ではないので(例えばローカル変数であるので)、これで正しいことになる。
変数情報管理表17の各レコードのなかで共有変数に係わる各レコード毎に、その変数名43を上記雛形の変数名に当て嵌め、その「コモンメモリへのデータ格納先アドレス」47を上記雛形の*に当て嵌めることで、転送用プログラムが生成される。これより、この例の場合、図6に示す例に応じて、例えば下記のような転送用プログラムが生成されることになる。
%MW16.1 := 変数3
%MW16.2 := 変数5
%MD16.3 := 変数7
尚、この例の場合、PLC20側では、各変数の内部メモリ25における割当アドレスは、変数名が分かれば判別できるものとする。
図8(a)、(b)に、タスクに関する設定情報の一例を示す。
上述したように、本例のPLCシステムによれば、その開発支援装置のユーザにとっては、「自己が任意に作成するPLCプログラムの各変数が、共有変数であるか否かを指定する作業」が、増えるだけである。これによって、自動的に、全ての共有変数について、コモンメモリのデータ格納領域が割り当てられると共に、内部メモリにおける割当アドレスと対応付けられる。尚、必ずしも全ての共有変数を指定する必要はなく、共有変数のなかでユーザが必要と考える共有変数だけを指定することも可能である。
あるいは、例えば、内部メモリの所定の記憶領域範囲を指定して当該範囲内の全データをコモンメモリへ転送する方式の場合、この範囲内に全ての共有変数を手作業で割り当てる必要があり、ユーザの作業負担が大きかった。本手法では、この様な問題を解消できる。
・コンパイル処理の際に、ソースコード14の各変数に内部メモリ25の任意のアドレスを割当てると共に、該内部メモリ25の割当アドレスとその変数が共有変数であるか否かを示す情報を含む変数情報(例えば変数情報管理表17の一部(図4等)等)を生成する変数情報作成部;
・上記変数情報の各共有変数毎に、コモンメモリ21の任意のアドレスを割り当てて、該コモンメモリ21の割当アドレスを上記変数情報に上記内部メモリ25の割当アドレスに対応付けて追加記録するコモンメモリ割当部;これによって、例えば上記のように変数情報管理表17が完成する(図6の状態となる)。
後述する実施例2の場合、更に下記の特徴を有するものと考えてもよい。
コモンメモリ21に格納データは、上記既存の機能によって、他のプログラマブルコントローラ(PLC20等)のコモンメモリ21に転送・格納される。
以下、実施例2について説明する。
尚、図9において、図1に示す構成と同一の構成については、同一符号を付してあり、その説明は省略する。
コンパイラ部12’は、基本的には上記図1のコンパイラ部12とほぼ同じであるが、以下の点で異なる。
既に述べたように、図示のタスク48が追加されている点以外は、上記変数情報管理表17と同じであるので、その説明は省略する。タスク48には、プログラム名42のプログラムが設定されるタスクのタスク名等が格納される。これは、例えば上述したタスク情報18(特に図8(b)に示す情報)を参照することで、プログラム名42に対応するタスク名等が分かる。
以下、図11の処理例について説明する。
そして、上記処理対象レコードに基づいて、まず、当該処理対象の変数が、共有変数であるか否かを、共有変数46から判定する(ステップS23)。そして、共有変数ではない場合には(ステップS23,NO)、後述するステップS28の処理へ移行する。
コンパイラ部12’は、更に、上記完成した変数情報管理表17’に基づいて、上記共有変数コモンメモリ割付情報50を生成する。図15に、図14に示す変数情報管理表17’の具体例に応じて生成される、共有変数コモンメモリ割付情報50の具体例を示す。
コンパイラ部12’は、例えば上記変数情報管理表17’において共有変数46が“共有する”となっている全てのレコードについて、そのタスク48、変数名43、“コモンメモリへのデータ格納先アドレス”47、データ型44を、それぞれ、上記タスク51、変数名53、BCアドレス54、データ型55に格納する。更に、タスク51に対応する識別IDを、コモンメモリマッピング識別子52に格納する。尚、この識別IDは、各タスクに対応して任意に割当ててもよいし、予め各タスクには固有の識別IDが割当てられているものであってもよい。
転送処理部24’は、基本的には上記図1の転送処理部24と略同様の処理を行うものであるが、異なる点は、全ての共有変数データを転送するのではなく、その都度、そのときに(直前に)実行されたタスクに係わる共有変数データを転送する点である。更に、そのときに実行されたタスクの上記識別ID(コモンメモリマッピング識別子)を、コモンメモリ21の所定の格納領域(ここではアドレス‘0’‘1’)に格納する。
図13に示すように、実施例1の場合、そのとき実行されたタスクが何であるかは関係なく、常に、全ての変数(変数11,13,22,32,41)のデータが、コモンメモリ21に格納される。つまり、コモンメモリ21には、これら5つの変数のデータを格納する為の記憶容量が、必要となる。
ここで、実施例2では、受信側のPLC20’は、自己が保持する上記共有変数コモンメモリ割付情報60等を参照して、自己のコモンメモリ21から所望の変数のデータを取得する。これは、まず、自己のコモンメモリ21から上記コモンメモリマッピング識別子を取得し、これを用いて共有変数コモンメモリ割付情報60等を参照することで、現在、自己のコモンメモリ21のどのアドレスにどの変数のデータが格納されているのかを認識できる。そして、これによって、自己のコモンメモリ21から所望の変数のデータを取得できる。
また、例えば、自己のコモンメモリ21の状態が図12(b)に示す状態であった場合、そのコモンメモリマッピング識別子は‘2’であるので、例えばアドレス‘2’には変数32のデータが格納されていることを認識できることになる。
11 インタフェース機能部
12 コンパイラ部
13 通信機能部
14 ソースコード
15 ソースコード識別番号対応表
16 機械語オブジェクト
17 変数情報管理表
18 タスク情報
20 PLC
21 コモンメモリ
22 通信機能部
23 プログラム実行管理機能部
24 転送処理部
25 内部メモリ
26 変数情報管理表
27 機械語オブジェクト
30 共有変数宣言情報
31 プログラム名
32 変数名
33 データ型
34 共有変数
41 管理ID
42 プログラム名
43 変数名
44 データ型
45 「PLC内メモリのアドレス」
46 共有変数
47 「コモンメモリへのデータ格納先アドレス」
10’ 開発支援装置
12’ コンパイラ部
17’ 変数情報管理表
20’ PLC
24’ 転送処理部
26’ 変数情報管理表
48 タスク
50 共有変数コモンメモリ割付情報
51 タスク
52 コモンメモリマッピング識別子
53 変数名
54 BCアドレス
55 データ型
Claims (12)
- 各々が内部メモリとコモンメモリを有する複数のプログラマブルコントローラがネットワークに接続されており、該複数のプログラマブルコントローラが前記コモンメモリの格納データを共有するシステムであって、
任意の前記プログラマブルコントローラに対応して、そのプログラムのソースコードを任意に作成させる支援装置を更に有し、
該支援装置は、
前記ソースコードをコンパイルするコンパイル手段を有し、
該コンパイル手段は、
前記コンパイルの際に、前記ソースコードの各変数に前記内部メモリの任意のアドレスを割当てると共に、該内部メモリの割当アドレスとその変数が共有変数であるか否かを示す情報を含む変数情報を生成する変数情報作成手段と、
前記変数情報の各共有変数毎に、前記コモンメモリの任意のアドレスを割り当てて、該コモンメモリの割当アドレスを前記変数情報に前記内部メモリの割当アドレスに対応付けて追加記録するコモンメモリ割当手段とを有し、
前記プログラマブルコントローラは、
前記変数情報に基づいて、前記内部メモリに格納される前記各変数のデータのうち、前記共有変数のデータを前記コモンメモリの割当アドレスへ転送・格納する転送処理手段を有することを特徴とするプログラマブルコントローラシステム。 - 前記変数情報には更に前記各変数のデータ型が含まれており、
前記コモンメモリ割当手段は、予め設定される所定アドレスと、前記各共有変数の前記データ型とに基づいて、前記各共有変数の前記コモンメモリの割当アドレスを決定することを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラシステム。 - 前記支援装置は、
各タスクに対する任意の前記プログラムの割り当て情報を含むタスク情報を生成させるタスク情報生成手段を更に有し、
前記転送処理手段は、前記タスク情報と前記変数情報とに基づいて、任意のタスク実行完了時に、そのタスクに係わるプログラムの前記共有変数のデータを、前記内部メモリから前記コモンメモリの割当アドレスへ転送・格納することを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラシステム。 - 前記変数情報には、更に、その変数に係わるタスクの情報が含まれており、
前記コモンメモリ割当手段は、各タスク毎に、そのタスクに係わる各共有変数に対して前記コモンメモリの任意のアドレスの割り当てを行うことを特徴とする請求項1記載のプログラマブルコントローラシステム。 - 前記コモンメモリの同じ記憶領域を複数のタスクで共有させる形で前記共有変数のアドレス割当てが行われることを特徴とする請求項4記載のプログラマブルコントローラシステム。
- 前記コモンメモリ割当手段は、同じタスクに係わる共有変数に関しては相互に異なるアドレスを割当てるが、任意の複数の共有変数が相互に異なるタスクに係わる共有変数である場合には該複数の共有変数に対して同一のアドレスを割当てる場合もあることを特徴とする請求項5記載のプログラマブルコントローラシステム。
- 前記プログラマブルコントローラの前記転送処理手段は、
任意のタスクの処理を実行すると、前記変数情報に基づいて、前記内部メモリに格納される前記各変数のデータのうち、該実行したタスクに係わる前記共有変数のデータを、前記コモンメモリの割当アドレスへ転送・格納することを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のプログラマブルコントローラシステム。 - 前記転送処理手段は、前記実行したタスクを示す情報も一緒に前記コモンメモリへ転送・格納することを特徴とする請求項7記載のプログラマブルコントローラシステム。
- 他のプログラマブルコントローラは、自己のコモンメモリに現在格納されているデータが、どのタスクに係わる共有変数のデータであるのかを、前記コモンメモリに格納される前記実行したタスクを示す情報によって判別することを特徴とする請求項7または8記載のプログラマブルコントローラシステム。
- 各々が内部メモリとコモンメモリを有する複数のプログラマブルコントローラがネットワークに接続されており、該複数のプログラマブルコントローラが前記コモンメモリの格納データを共有するシステムにおける、任意の前記プログラマブルコントローラに対応して、そのプログラムのソースコードを任意に作成させる支援装置であって、
前記ソースコードをコンパイルするコンパイル手段を有し、
該コンパイル手段は、
前記コンパイルの際に、前記ソースコードの各変数に前記内部メモリの任意のアドレスを割当てると共に、該内部メモリの割当アドレスとその変数が共有変数であるか否かを示す情報を含む変数情報を生成する変数情報作成手段と、
前記変数情報の各共有変数毎に、前記コモンメモリの任意のアドレスを割り当てて、該コモンメモリの割当アドレスを前記変数情報に前記内部メモリの割当アドレスに対応付けて追加記録するコモンメモリ割当手段とを有することを特徴とするプログラマブルコントローラシステムの支援装置。 - 各々が内部メモリとコモンメモリを有する複数のプログラマブルコントローラがネットワークに接続されており、該複数のプログラマブルコントローラが前記コモンメモリの格納データを共有するシステムにおける該プログラマブルコントローラであって、
任意のプログラムを実行するプログラム実行手段と、
任意の外部装置で作成された、前記プログラムに係わる各共有変数毎の、前記内部メモリの割当アドレスと前記コモンメモリの割当アドレスとを含む変数情報に基づいて、前記内部メモリに格納される前記各変数のデータのうち、前記共有変数のデータを前記コモンメモリの割当アドレスへ転送・格納する転送処理手段を有することを特徴とするプログラマブルコントローラ。 - 前記転送処理手段は、任意のタスク実行完了時に、そのタスクに関して前記プログラム実行手段で実行されたプログラムの前記共有変数のデータを、前記内部メモリから前記コモンメモリの割当アドレスへ転送・格納することを特徴とする請求項11記載のプログラマブルコントローラ。
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