JP2015215467A - 光導波路形成用樹脂組成物、光導波路形成用樹脂フィルム及びそれらを用いた光導波路 - Google Patents

光導波路形成用樹脂組成物、光導波路形成用樹脂フィルム及びそれらを用いた光導波路 Download PDF

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雅夫 内ヶ崎
俊彦 高崎
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俊彦 高崎
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Abstract

【課題】アルカリ性水溶液に可溶で、アルカリ現像によって要求されるパターニングが可能である、光導波路用樹脂組成物、光導波路用樹脂フィルム及びこれらを用いた光導波路を提供する。【解決手段】(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有してなる光導波路形成用樹脂組成物であって、前記組成物は、組成物をフィルム状に形成し、紫外線を所定の照射量(X1)で照射して硬化し、所定の波長(λ1)において測定した屈折率Aと、組成物をフィルム状に形成し、紫外線を所定の照射量(X1)で照射して硬化し、所定の濃度の炭酸カリウム水溶液に所定の温度と時間で浸漬した後に測定した、所定の波長(λ1)における屈折率Bとの関係が、A>Bとなるものである光導波路形成用樹脂組成物、該樹脂組成物を用いた光導波路用樹脂フィルム9、及びこれらを用いて形成した光導波路1である。【選択図】図3

Description

本発明は、光導波路形成用樹脂組成物、光導波路形成用樹脂フィルム及びそれらを用いた光導波路に関し、特に、透明性(低光伝搬損失)に優れ、かつアルカリ性水溶液に可溶な光導波路形成用樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる光導波路形成用樹脂フィルム及びそれらを用いた光導波路に関する。
近年、電子素子間や配線基板間の高速、高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速、高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インタコネクションが検討されている。光の伝送路としては加工の容易さ、低コスト、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な点からポリマー光導波路が注目を集めている。
ポリマー光導波路の形態としては、光電気混載基板への適用を想定したガラスエポキシ樹脂基板上に作製するタイプやボード同士の接続を想定した硬い支持基板を持たないフレキシブルタイプが好適と考えられる。
ポリマー光導波路には、適用される機器の使用環境や部品実装等の観点から、透明性(低光伝搬損失)と共に高耐熱性も要求される。また、光配線設計の自由度向上、デバイスの高機能化、工程簡略化等の要求に従い、露光および現像により要求されるパターンを自由に形成可能な材料であることが望まれている。現像方法としては溶剤現像型とアルカリ現像型が想定されるが、環境負荷および安全性の観点からアルカリ現像型が望まれている。
このような要望に対応する光導波路材として、(メタ)アクリル重合体を使用したもの(例えば、特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、この特許文献に記載の(メタ)アクリル重合体を使用した光導波路用樹脂組成物は、アルカリ現像可能で有り、波長850nmにおいて0.3dB/cmの光伝搬損失を有するものの、求められる光による高速、高密度信号伝送において、この数値は必ずしも充分ではない。
特許第4241874号公報
本発明は、前記のような現状を鑑みなされたもので、アルカリ性水溶液に可溶で、アルカリ現像によって要求されるパターニングが可能であると共に、波長830〜850nmにおける光伝搬損失に優れる、光導波路用樹脂組成物、光導波路用樹脂フィルム及びこれらを用いた光導波路を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有してなる光導波路形成用樹脂組成物であって、特定の測定条件下での屈折率の挙動条件を満たすか、又は、特定の化合物を用いることにより、優れた透明性(低光伝搬損失)を有し、好ましくはアルカリ現像が可能である光導波路用樹脂組成物、光導波路用樹脂フィルム及びこれらを用いた光導波路が得られることを見いだした。
即ち、本発明は、次の各項の発明に関するものである。
(1)(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有してなる光導波路形成用樹脂組成物であって、前記組成物は、
組成物をフィルム状に形成し、紫外線(波長365nm)を500〜4000mJ/cmの照射量(X1)で照射して硬化し、830〜850nmの範囲にある所定の波長(λ1)において測定した屈折率Aと、
組成物をフィルム状に形成し、紫外線(波長365nm)を前記所定の照射量(X1)で照射して硬化し、次いで、1〜5質量%の範囲にある所定の濃度を有する炭酸カリウム水溶液に温度20〜40℃の範囲にある所定の温度及び時間1〜5分の範囲にある所定の時間浸漬した後に測定した、前記所定の波長(λ1)における屈折率Bとの関係が、A>Bとなるものである光導波路形成用樹脂組成物。
(2)屈折率を測定する際に、組成物をフィルム状に成形するときのフィルム厚さが50μmで、紫外線を照射して硬化する際の照射量(X1)が2000mJ/cmであり、屈折率を測定する際の波長(λ1)が830nmであり、硬化した後に行う炭酸カリウム水溶液への浸漬が、1質量%の炭酸カリウム水溶液に温度30℃、2分の浸漬で行う前記(1)記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(3)前記屈折率A及び屈折率Bの関係がA−B≧0.003となるものである前記(1)又は(2)に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(4)(A)ポリマーが、水酸基及びカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーであり、(B)重合性化合物が、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(5)(A)成分の水酸基及びカルボキシル基を有するポリマーの重量平均分子量が、1,000〜3,000,000である前記(4)に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(6)(A)成分の水酸基及びカルボキシル基を有するポリマーが、側鎖に脂肪族環又は芳香族環を有するポリマーである前記(4)又は(5)に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(7)(B)重合性化合物が、その分子中に脂肪族環又は芳香族環を含む化合物である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(8)(B)重合性化合物が、その分子中にビスフェノール骨格を有する化合物である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(9)(A)成分のポリマーの含有量が(A)成分及び(B)成分の総量に対して10〜85質量%であり、(B)成分の重合性化合物の含有量が(A)成分及び(B)成分の総量に対して15〜90質量%であり、(C)成分の重合開始剤の含有量が(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.3〜10質量部である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物を用いて得られる樹脂層を含む光導波路形成用樹脂フィルム。
(11)基材フィルム、樹脂層、及び保護フィルムからなる3層構造である前記(10)に記載の光導波路形成用樹脂フィルム。
(12)下部クラッド層、コア部、上部クラッド層の少なくとも1つを、前記(1)〜(9)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物又は前記(10)若しくは(11)に記載の光導波路形成用樹脂フィルムを用いて形成した光導波路。
(13)前記光導波路形成用樹脂組成物又は前記光導波路形成用樹脂フィルムを前記コア部として用いた前記(12)に記載の光導波路。
(14)主として前記コア部の内側に形成される高屈折率部位を光が伝搬することを特徴とする前記(13)に記載の光導波路。
(15)波長850nmにおける光伝搬損失が、0.15dB/cm以下である前記(12)〜(14)のいずれかに記載の光導波路。
(16)下部クラッド層、コア部、上部クラッド層の少なくとも1つを前記(1)〜(9)のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物又は前記(10)若しくは(11)に記載の光導波路形成用樹脂フィルムを用いて積層する工程、露光する工程、アルカリ現像液にて現像する工程を含む、光導波路の製造法。
本発明の光導波路用樹脂組成物及びこれを用いて得られる光導波路用樹脂フィルムは、アルカリ性水溶液に可溶で、比較的自由にパターン形成が可能であり、これらを用いて製造した光導波路は、透明性に優れ、またパターン形状も良好で、低光伝搬損失である。
本発明の光導波路形成用樹脂組成物を用いて作製した導波路の例を示す断面図である。 本発明の光導波路の構成例を示す断面図である。 光導波路形成用樹脂フィルムを下部クラッド層、コア部及び上部クラッド層に用いて形成する光導波路の製造方法を示す断面図である。
本発明者らは、アルカリ現像に用いられる光導波路形成用樹脂組成物において、アルカリ現像のプロセスによってコア部を形成したときのコアパターンの表層にアルカリカチオンが残存し、これに起因して全光線透過率の低下、あるいは黄変を引き起こし、結果として光損失が悪化するという現象を捉えた。そしてその原因を分析し、ポリマーの屈折率Lorentz−Lorenzの式の近似式

を想定し、この式において、上記式の材料密度(V)に着目した。そして、アルカリ現像の影響を受ける表層の材料密度(V)が小さくなれば、表層の屈折率が低下し、屈折率の高いコア内部を光が多く伝搬し、光伝搬損失を向上できるのではないかと想定して、材料全体の特性や材料の成分面から検討し、本発明を完成させた。より具体的には紫外線照射後も、該樹脂組成物のアルカリ水溶液に曝された部位が、アルカリ水溶液の影響のないコア中心部と比較して、多少なりともアルカリ水溶液により溶解される光導波路形成用樹脂組成物である。
すなわち本発明の光導波路形成用樹脂組成物において、第1の形態は、(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有してなる光導波路形成用樹脂組成物であって、前記組成物は、組成物をフィルム状(膜厚50μm)に形成し、紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を500〜4000mJ/cmの範囲にある所定の照射量(X1:2000mJ/cm)で照射し、測定した、830〜850nmの範囲にある所定の波長(λ1:830nm)における屈折率Aと、組成物をフィルム状(膜厚50μm)に形成し、紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を前記所定の照射量(X1:2000mJ/cm)で照射し、次いで、1〜5質量%の範囲の所定の濃度を有する炭酸カリウム水溶液に温度20〜40℃の範囲にある所定の温度及び時間1〜5分の範囲にある所定の時間で浸漬し、測定した、前記所定の波長(λ1)における屈折率Bとの関係が、A>Bとなるものである。なお、上記の炭酸カリウム水溶液への浸漬は、炭酸カリウムの濃度、1質量%、温度30℃、時間2分で行うことが好ましい。
これにより、該樹脂組成物を、コア層形成用樹脂として光導波路とすると、通常コアパターンの形成の際にその周囲が、例えば炭酸カリウム水溶液等のアルカリ溶液にさらされるため、形成されるコアパターンの周囲表層の少なくとも一部が、コアパターンの中心よりも屈折率が低い低屈折率部位を有することになる。これにより、コアパターンを伝搬する光は、コアパターン中心付近を主に伝搬するようになり、低光損失化が可能となる。また、エッチングし、パターン化した後またはパターン化すると同時に上記アルカリ溶液に該コアパターンを充分に浸漬することによって、コアパターンの周囲、例えばコアパターンの断面形状が矩形で有り、これが下部クラッド層の上に形成されている場合は、コアパターンの両側壁の2辺または上辺を含む3辺に低屈折率部位を形成できるためさらに、低損失化が可能となる。低屈折率部位の外側に、さらにそれより屈折率の低い下部クラッド層又は/及び上部クラッド層を有することで、さらに低光損失化が可能となる。
また本発明の光導波路形成用樹脂組成物は前記屈折率A及び屈折率Bの関係でA>Bとなるものである。このような特性を満たせば、硬化した後の屈折率の変化が大きく、パターン周辺部の屈折率よりパターン中心付近の屈折率を大きくでき、これにより光がパターン中心部を主に伝搬するようになり、低光伝搬損失化が可能となる。
さらに具体的なA−Bの値としては0.003以上となることが好ましい。また屈折率差が顕著であれば、全光線透過率が低下した低屈折率部位の光伝搬を避けることができる。以上の観点から、A−Bが0.005以上となるのがより好ましく、0.008以上であれば特に好ましい。
以上の原理に基づいて、本発明の光導波路形成用樹脂組成物を用いて作製した導波路の例を図1に示す。図1において、(a)は導波路の断面図を模式的に表した図であり、(b)は導波路に形成されたコア部断面の一つ(点線で囲んだ部分)を拡大して撮影した写真である。図1に示すように、光導波路1のコアパターン2には中心部3と低屈折率部位4が形成されている。低屈折率部位4の外側にさらに屈折率の低い下部クラッド層6や下部クラッド層6の上に上部クラッド層5を配置することにより、コアパターン2を伝搬する光のうち、低屈折率部位4の外側に漏れ出そうとする成分を効率的にコアパターン2内にとどめることができる。このような光導波路であると、例えば直線状のコアパターン2を伝搬する光はコアパターン中心部3を伝搬しやすく低光損失であり、コアパターン2の曲げ等によってコアパターン2の外側に漏れ出そうとする光は、屈折率差のより大きい下部クラッド層6や上部クラッド層5とコアパターン2との界面で全反射されるため、光損失が発生しにくくなる。
前記形態を実現するための本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有してなる光導波路形成用樹脂組成物であって、(A)成分が、水酸基及びカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーであり、(B)成分が、重合性化合物、好ましくは2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を含むものである。このような(A)成分と(B)成分を用いることにより、前記の特性を示し、これにより、パターンを伝搬する光は、パターン中心付近を主に伝搬するようになり、低光損失化が可能となる。
以下、本発明の光導波路形成用組成物の各成分について詳述する。
(A)成分について
(A)成分のポリマーとしては、アルカリ可溶性であることが好ましく、アルカリ可溶性ポリマーとは、アルカリ可溶性基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基等)を有するポリマーであり、アルカリ水溶液に対して溶解し得るものであればよい。このようなポリマーに特に制限は無いが、アルカリ可溶性の(メタ)アクリルポリマーが好ましい。また、アルカリ可溶性基としては、水酸基及びカルボキシル基が好ましい。
なお、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
(A)アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーとしては、アルカリ性水溶液からなる現像液に溶解し、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば特に制限はない。例えば、(メタ)アクリル酸、各種(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリルアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等)、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系モノマ、これらと他の重合性不飽和基含有モノマ(スチレン、αメチルスチレン、マレイン酸無水物)などの重合体が好ましいものとして挙げられる。
具体的には(A−1)カルボキシル基を有する重合性化合物に由来する構造単位、(A−2)水酸基を有する重合性化合物に由来する構造単位、(A−3)脂肪族環又は芳香族環を有する重合性化合物に由来する構造単位、並びに(A−4)前記(A−1)、(A−2)、及び(A−3)以外の重合性化合物に由来する構造単位を有するポリマーであることが好ましい。
(A)成分の(A−1)成分について
(A−1)カルボキシル基を有する重合性化合物としては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;2−サクシノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−マレイノロイルエチル(メタ)アクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基およびエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体などが使用できる。これらの化合物は単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中ではアクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくはアクリル酸やメタクリル酸である。
(A)成分の(A−2)成分について
(A−2)水酸基を有する重合性化合物としては、
例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、透明性の観点から2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレートであることが好ましい。
これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分の(A−3)成分について
(A−3)脂肪族環又は芳香族環を有する重合性化合物としては
例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−N−カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのカプロラクトン変性体などが挙げられる。
これらの中でも透明性及び屈折率の観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、であることが好ましい。
これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
なお、(A−2)成分として例示した2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートのように、水酸基と脂肪族環または芳香族環とを有する重合性化合物の場合には、この重合性化合物は水酸基を有するものであることを優先し、(A−2)成分の水酸基を有する重合性化合物として分類される。また、同様に、(A−1)成分として例示した2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレートのように、カルボキシル基と脂肪族環とを有する重合性化合物の場合、あるいは、カルボキシル基と、水酸基と、脂肪族環または芳香族環とを有する重合性化合物である場合は、同様にカルボキシル基を有するものであることを優先し、(A−1)成分のカルボキシル基を有する重合性化合物として分類される。
(A)成分の(A−4)成分について
(A−4)の重合性化合物は、主としてポリマー(A)の機械的特性、透明性、屈折率をコントロールする目的で使用する。
このような重合性化合物(A−4)としては、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリルアルキルエステル)が好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも透明性の観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(A)成分の前記アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーにおいてカルボキシル基を有する重合性化合物(A−1)の含有率は、3〜60質量%であることが好ましい。3質量%以上であるとアルカリ性水溶液等からなる現像液に溶解し易く、60質量%以下であれば後述する現像により感光性樹脂組成物の層を選択的に除去してパターンを形成する現像工程において、耐現像液性(現像により除去されずにパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)が良好である。以上の観点から、5〜50質量%であることがさらに好ましく、10〜40質量%であることが特に好ましい。
(A)成分の前記アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーにおいて水酸基を有する重合性化合物由来の構造単位(A−2)の含有率は、3〜50質量%であることが好ましい。3質量%以上であるとアルカリ性水溶液等からなる現像液に溶解し易く、50質量%以下であれば後述する現像により感光性樹脂組成物の層を選択的に除去してパターンを形成する現像工程において、耐現像液性(現像により除去されずにパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)が良好である。以上の観点から、5〜35質量%であることがさらに好ましく、10〜30質量%であることが特に好ましい。
(A)前記アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーにおいて脂肪族環又は芳香族環を有する重合性化合物由来の構造単位(A−3)の含有率は、5〜70質量%であることが好ましい。5質量%以上であると屈折率を上昇させるのに充分であり、70質量%以下であれば、より高屈折率となり、現像液への溶解性が低下せずに現像によるパターン形成が容易となる。以上の観点から、10〜60質量%であることがさらに好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。
(A)前記アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーにおいて前記(A−1)、(A−2)、及び(A−3)以外の重合性化合物に由来する構造単位(A−4)の含有率は、(A−1)、(A−2)及び(A−3)とともに全体が100質量%となる量であるが、ポリマー(A)の機械的特性、透明性、屈折率をコントロールすることを考慮すると、この含有率は、5〜80質量%であることが好ましい。5質量%以上であると透明性が充分であり、80質量%以下であれば、より高透明となり、現像液への溶解性が低下せずに現像によるパターン形成が容易となる。以上の観点から、10〜60質量%であることがさらに好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。
以上のように、(A)成分の前記アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーにおいて前記構成単位(A−1)、(A−2)、(A−3)及び(A−4)の含有率は、上記の各構成単位の含有率から、全体で100質量%となるように選択される。
(A)成分のアルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーは、その合成方法に特に制限はないが、例えば、構造単位(A−1)の原料となるカルボキシル基を有する重合性化合物、構造単位(A−2)の原料となる水酸基を有する重合性化合物、及び構造単位(A−3)の原料となる脂肪族環又は芳香族環を有する重合性化合物、(A−4)の原料となる重合性化合物と適切な重合開始剤(好ましくはラジカル重合開始剤)とを用いて共重合させることにより得ることができる。このとき、必要に応じて有機溶剤を反応溶媒として用いることができる。
本発明において用いられる重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などが挙げられる。
前記の反応溶媒として用いる有機溶剤としては、(A)アルカリ可溶性ポリマーを溶解し得るものであれば、特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドなどが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
さらに(A)アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて側鎖にエチレン性不飽和基を含んでいてもよい。その組成や合成方法に特に制限はないが、例えば上記の(A)(メタ)アクリルポリマーに、少なくとも1つのエチレン性不飽和基とエポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の1つの官能基を有する化合物とを付加反応させて側鎖にエチレン性不飽和基を導入することができる。
これらの化合物としては特に制限はなく、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物;(2−エチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2−(2−エチル−2−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−メチル−2−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、3−(2−エチル−2−オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−メチル−2−オキセタニル)プロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とオキセタニル基を有する化合物;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のエチレン性不飽和基とイソシアネート基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とヒドロキシル基を有する化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、2−フタロイルエチル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸等のエチレン性不飽和基とカルボキシル基を有する化合物などが挙げられる。
これらの中でも透明性及び反応性の観点から、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、イソシアン酸エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(A)アルカリ可溶性ポリマーの重量平均分子量は、1,000〜3,000,000であることが好ましい。1,000以上であると分子量が大きいため樹脂組成物とした場合の硬化物の強度が十分で、3,000,000以下であれば、アルカリ性水溶液からなる現像液に対する溶解性や(B)重合性化合物との相溶性が良好である。以上の観点から3,000〜2,000,000とすることがさらに好ましく、5,000〜1,000,000であることが特に好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(A)アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーは、後述する現像により感光性樹脂組成物の層を選択的に除去してパターンを形成する工程において、公知の各種現像液により現像可能となるように酸価を規定することができる。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン等のアルカリ性水溶液を用い現像する場合には、酸価が20〜300mgKOH/gであることが好ましい。20mgKOH/g以上であると現像が容易で、300mgKOH/g以下であると耐現像液性が低下することがない。以上の観点から、30〜250mgKOH/gであることがさらに好ましく、40〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。
水又はアルカリ性水溶液と1種以上の界面活性剤とからなるアルカリ性水溶液を用いて現像する場合には、酸価が10〜260mgKOH/gであることが好ましい。酸価が10mgKOH/g以上であると現像が容易で、260mgKOH/g以下であると耐現像液性が低下することがない。以上の観点から、20〜250mgKOH/gであることがさらに好ましく、30〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。
(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、10〜85質量%であることが好ましい。10質量%以上であると、光導波路形成用樹脂組成物の硬化物の強度や可撓性が十分で、85質量%以下であれば、露光時に(B)成分によって絡め込まれて容易に硬化し、耐現像液性が不足することがない。以上の観点から、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。また、上限値としては、75質量%以下であることがより好ましく、65質量%以下であることが特に好ましい。また10〜65質量%は特に低光損失の観点でも優れた範囲である。
以下、本発明に用いられる(B)成分について説明する。
(B)成分の重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を含むことが好ましい。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミド、アリール化ビニル、ビニルピリジン、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン等のエチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートやアリール化ビニルが好ましい。(メタ)アクリレートとしては、単官能のもの、2官能のもの又は3官能以上のもののいずれも用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソシアヌル酸モノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾールなどの複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体などが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソシアヌル酸モノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体が好ましく、下記一般式(4)で表される芳香族モノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
ここで、(メタ)アクリレートのエトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体とは、原料となるアルコール又はフェノール類[例えば、モノ(メタ)アクリレート;CH=C(R21)−COO−R22(R21は水素原子又はメチル基、R22は1価の有機基)の場合は、HO−R22で示されるもの]の代わりに、前記アルコール又はフェノール類に、それぞれ、1以上のエチレンオキシドを付加した構造のアルコール、1以上のプロピレンオキシドを付加した構造のアルコール、又は1以上のエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加した構造のアルコールを、原料に用いて得られる(メタ)アクリレートを示す(例えば、エトキシ化体の場合はCH=C(R21)−COO−(CHCHO)−R22(qは1以上の整数、R21、R22は前記と同様)で示される)。例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレートのエトキシ化体とは、フェノキシエチルアルコールにエチレンオキシドを付加したアルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートを意味する。また、カプロラクトン変性体とは、(メタ)アクリレートの原料となるアルコールをカプロラクトンで変性した変性アルコールを原料とする(メタ)アクリレートを示す(例えば、モノ(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体の場合、CH=C(R21)−COO−((CHCOO)−R22(q、R21、R22は前記と同様))で示される)。
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは下記式で示されるいずれかの1価の基を示す。
は水素原子、フッ素原子、及び炭素数1〜20の1価の有機基のいずれかを示し、同一でも異なっていてもよい。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、特に制限はなく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、エステル基(−CO−O−R又は−O−CO−Rを意味する。ただしRは炭化水素基である)、カルバモイル基などの1価の有機基が挙げられ、それらは、さらに水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボニル基、ホルミル基、エステル基、アミド基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、シリロキシ基などで置換されていてもよい。これらの中でも、透明性、及び耐熱性の点から、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が好ましい。
は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−SO−、及び下記式で示されるいずれかの2価の基を示す。
は水素原子、フッ素原子、及び炭素数1〜20の1価の有機基のいずれかを示し、同一でも異なっていてもよい。また、aは2〜10の整数を示す。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、前述のRで炭素数1〜20の1価の有機基として記載されたものと同様のものを好適に挙げることができる。
一般式(4)において、Yは、酸素原子、硫黄原子、−OCH−、−SCH−、−O(CHCHO)−、−O[CH(CH)CHO]−、−O[CHCH(CH)O]−、−O[(CHCO−、及び−OCHCH(OH)CHO−のいずれかの2価の基を含み、b〜eは各々独立に1〜10の整数を示す。
また、(B)成分の重合性化合物としては、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を用いることが好ましく、2官能又は3官能以上の(メタ)アクリレートを用いることがより好ましい。
2官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;エチレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート等の脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロヘキサンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシノールジ(メタ)アクリレート、カテコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、ビフェノールジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ヒドロキノン型エポキシジ(メタ)アクリレート、レゾルシノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、カテコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;イソシアヌル酸モノアリル型エポキシジ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、前記脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;前記脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、ビフェノールジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;前記複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;下記一般式(5)で表される芳香族(メタ)アクリレート及び下記一般式(6)で表される芳香族エポキシ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。なお、エトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、カプロラクトン変性体とは、前記と同様の意味である。
式中、R10は水素原子又はメチル基を示し、同一でも異なっていてもよい。また、R11は水素原子、フッ素原子、及び炭素数1〜20の1価の有機基のいずれかを示し、同一でも異なっていてもよい。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、前述のRで炭素数1〜20の1価の有機基として記載されたものと同様のものを好適に挙げることができる。
式中、Zは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−SO−、及び下記式で示されるいずれかの2価の基を示す。
12は水素原子、フッ素原子、及び炭素数1〜20の1価の有機基のいずれかを示し、同一でも異なっていてもよい。また、fは2〜10の整数を示す。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、前述のRで炭素数1〜20の1価の有機基として記載されたものと同様のものを好適に挙げることができる。
一般式(5)において、Yは酸素原子、硫黄原子、−OCH−、−SCH−、−O(CHCHO)−、−O[CH(CH)CHO]−、−O[CHCH(CH)O]−、及び−O[(CHCO−のいずれかの2価の基を含み、同一でも異なっていてもよい。また、g〜jは各々独立に1〜10の整数を示す。
式中、kは、1〜10の整数を示す。
式中、R13は水素原子又はメチル基を示し、同一でも異なっていてもよい。また、R14は水素原子、フッ素原子、及び炭素数1〜20の1価の有機基のいずれかを示し、同一でも異なっていてもよい。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、前述のRで炭素数1〜20の1価の有機基として記載されたものと同様のものを好適に挙げることができる。
式中、Zは単結合、酸素原子、硫黄原子、−CH−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−SO−、及び下記式で示されるいずれかの2価の基を示す。
15は水素原子、フッ素原子、及び炭素数1〜20の1価の有機基のいずれかを示し、同一でも異なっていてもよい。また、lは2〜10の整数を示す。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、前述のRで炭素数1〜20の1価の有機基として記載されたものと同様のものを好適に挙げることができる。
一般式(6)において、Yは酸素原子、硫黄原子、−O(CHCHO)−、−O[CH(CH)CHO]−、−O[CHCH(CH)O]−、及び−O[(CHCO−のいずれかの2価の基を含み、同一でも異なっていてもよい。また、m〜pは各々独立に1〜10の整数を示す。
3官能以上の(メタ)アクリレートとして、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;イソシアヌル酸型エポキシ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)エポキシアクリレートなどが挙げられる。なお、エトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、カプロラクトン変性体とは、前記と同様の意味である。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、前記芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;前記複素環式(メタ)アクリレート;前記イソシアヌル酸型エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、分子中にビスフェノール骨格を有する化合物であることが、より好ましい。
以上の(メタ)アクリレートは、単独又は2種類以上組み合わせて用いることができ、さらにその他の重合性化合物と組み合わせて用いることもできる。
前記(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、15〜90質量%であることが好ましい。15質量%以上であると、光硬化時に(A)成分を十分に絡め込んで硬化するため、耐現像液性が良好であり、90質量%以下であると、アルカリ現像液への溶解性が良好である。以上の観点から、(B)成分の配合量は、25〜85質量%であることがさらに好ましく、35〜80質量%であることが特に好ましい。
以下、本発明に用いられる(C)成分について説明する。
(C)成分の重合開始剤としては、加熱又は紫外線等の照射によって重合を開始させるものであれば特に制限はなく、例えば(B)成分の重合性化合物としてエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤等が挙げられるが、硬化速度が速く常温硬化が可能なことから、光ラジカル重合開始剤であることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のα−アミノケトン;1−[(4−フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタジオン−2−(ベンゾイル)オキシム等のオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
また、前記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また。ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン化合物と3級アミンとを組み合わせてもよい。
これらの中で、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記α−ヒドロキシケトン;上記ホスフィンオキシドであることが好ましい。これらの熱及び光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物などが挙げられる。
これらの中で、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記ジアシルパーオキシド;上記パーオキシエステル;上記アゾ化合物であることが好ましい。
なお、上記の光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とを組み合わせて用い、光硬化性と熱硬化性とを有する光導波路形成用樹脂組成物とすることもできる。
(C)成分の重合開始剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.3〜10質量部であることが好ましい。0.3質量部以上であると、硬化が十分であり、硬化不足による未反応物の析出がなく、10質量部以下であると十分な光透過性が得られる。以上の観点から、0.35〜7質量部であることがより好ましく、0.40〜5質量部であることがさらに好ましく、0.45〜3質量部であることが特に好ましい。
また、この他に必要に応じて、本発明の光導波路形成用樹脂組成物中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤等のいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
以下、本発明の光導波路形成用樹脂組成物について説明する。
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、好適な有機溶剤を用いて希釈し、光導波路形成用樹脂ワニスとして使用してもよい。ここで用いる有機溶剤としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドなどが挙げられる。
これらの中で、溶解性及び沸点の観点から、トルエン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルアセトアミドであることが好ましい。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常20〜80質量%であることが好ましい。
光導波路形成用樹脂ワニスを調合する際は、撹拌により混合することが好ましい。撹拌方法には特に制限はないが、撹拌効率の観点からプロペラを用いた撹拌が好ましい。撹拌する際のプロペラの回転速度には特に制限はないが、10〜1,000rpmであることが好ましい。10rpm以上であると、(A)〜(C)成分、および有機溶剤のそれぞれの成分が十分に混合され、1,000rpm以下であるとプロペラの回転による気泡の巻き込みが少なくなる。以上の観点から50〜800rpmであることがより好ましく、100〜500rpmであることが特に好ましい。撹拌時間には特に制限はないが、1〜24時間であることが好ましい。1時間以上であると、(A)〜(C)成分、および有機溶剤のそれぞれの成分が十分に混合され、24時間以下であると、ワニス調合時間を短縮することができる。
調合した光導波路形成用樹脂ワニスは、孔径50μm以下のフィルタを用いて濾過するのが好ましい。孔径50μm以下であると、大きな異物等が除去されて、ワニス塗布時にはじき等を生じることがなく、またコア部を伝搬する光の散乱が抑制される。以上の観点から、孔径30μm以下のフィルタを用いて濾過するのがより好ましく、孔径10μm以下のフィルタを用いて濾過するのが特に好ましい。
調合した光導波路形成用樹脂ワニスは、減圧下で脱泡することが好ましい。脱泡方法には、特に制限はなく、具体例としては真空ポンプとベルジャー、真空装置付き脱泡装置を用いることができる。減圧時の圧力には特に制限はないが、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤が沸騰しない圧力が好ましい。減圧脱泡時間には特に制限はないが、3〜60分であることが好ましい。3分以上であると、樹脂ワニス内に溶解した気泡を取り除くことができる。60分以下であると、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤が揮発することがない。
本発明の(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有する光導波路形成用樹脂組成物を重合、硬化してなる硬化フィルムの、温度25℃における波長830〜850nmの範囲での屈折率は1.400〜1.700であることが好ましい。1.400〜1.700であれば、通常の光学樹脂との屈折率が大きく異ならないため、光学材料としての汎用性が損なわれることがない。以上の観点から、1.425〜1.675以下であることがさらに好ましく、1.450〜1.650であることが特に好ましい。
本発明の(A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有する光導波路形成用樹脂組成物を重合、硬化してなる厚み50μmの硬化フィルムの波長400nmでの透過率は80%以上であることが好ましい。80%以上であると、光の透過量が十分である。以上の観点から85%以上であることがさらに好ましい。なお、透過率の上限については特に制限されない。
以下、本発明の光導波路形成用樹脂フィルムについて説明する。
本発明の光導波路形成用樹脂フィルムは、前記光導波路形成用樹脂組成物を用いて形成され、前記(A)〜(C)成分を含有する光導波路形成用樹脂ワニスを好適な基材フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。また、光導波路形成用樹脂組成物を直接基材フィルムに塗布して製造してもよい。
基材フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、液晶ポリマーなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホンであることが好ましい。
基材フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、3〜250μmであることが好ましい。3μm以上であるとフィルム強度が十分であり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。以上の観点から、5〜200μmであることがさらに好ましく、7〜150μmであることが特に好ましい。なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物等により離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
基材フィルム上に光導波路形成用樹脂ワニス又は光導波路形成用樹脂組成物を塗布して製造した光導波路形成用樹脂フィルムは、必要に応じて保護フィルムを樹脂層上に貼り付け、基材フィルム、樹脂層及び保護フィルムからなる3層構造としてもよい。
保護フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンであることが好ましい。なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物等により離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。保護フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、10〜250μmであることが好ましい。10μm以上であるとフィルム強度が十分であり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。以上の観点から、15〜200μmであることがさらに好ましく、20〜150μmであることが特に好ましい。
本発明の光導波路形成用樹脂フィルムの樹脂層の厚みについては特に限定されないが、乾燥後の厚みで、通常は5〜500μmであることが好ましい。5μm以上であると、厚みが十分であるため樹脂フィルム又は該フィルムの硬化物の強度が十分であり、500μm以下であると、乾燥が十分に行えるため樹脂フィルム中の残留溶媒量が増えることなく、該フィルムの硬化物を加熱したときに発泡することがない。
このようにして得られた光導波路形成用樹脂フィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。または、ロール状のフィルムを好適なサイズに切り出して、シート状にして保存することもできる。
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、光導波路形成用樹脂組成物として好適であり、同様に本発明の光導波路形成用樹脂フィルムは、光導波路形成用樹脂フィルムとして好適である。
以下、本発明の光導波路について説明する。図2は、本発明の光導波路の構成例を示す断面図である。
図2の(a)に示すように、光導波路1は基材7上に形成され、高屈折率であるコア部形成用樹脂組成物から形成されるコア部2、並びに、低屈折率であるクラッド層形成用樹脂組成物から形成される下部クラッド層6及び上部クラッド層5で構成されている。
本発明の光導波路形成用樹脂組成物及び光導波路形成用樹脂フィルムは、光導波路1の下部クラッド層6、コア部2及び上部クラッド層5のうち、少なくとも1つに用いることが好ましい。その中で、アルカリ性水溶液からなる現像液によりパターン形成可能の観点から、これらのうち少なくともコア部2に用いることがさらに好ましい。
光導波路形成用樹脂フィルムを用いることによって、クラッドとコアの層間密着性や光導波路コアパターン形成時のパターン形成性(細線又は狭線間対応性)をより向上させることができ、線幅や線間の小さい微細パターン形成が可能となる。また、大面積の光導波路を一度に製造できるという生産性に優れたプロセスを提供することが可能となる。
光導波路1において、基材7としてはシリコン基板、ガラス基板又はFR−4等のガラスエポキシ樹脂基板のような硬い基板を用いることができる。光導波路1は、上記基板の代わりに、柔軟性及び強靭性のある前記基材フィルムを用いて、フレキシブル光導波路
としてもよい。
また、柔軟性及び強靭性のある基材フィルムを光導波路1のカバーフィルム8として機能させてもよい。カバーフィルム8を配置することにより、カバーフィルム8の柔軟性や強靭性を光導波路1に付与することが可能となる。また、光導波路1が汚れや傷を受けなくなるため、取り扱いやすさが向上する。
以上の観点から、図2の(b)のように上部クラッド層5の外側にカバーフィルム8が配置されていたり、図2の(c)のように下部クラッド層6及び上部クラッド層5の両方の外側にカバーフィルム8が配置されていたりしてもよい。
光導波路1に柔軟性や強靭性が十分に備わっているならば、図2の(d)のように、カバーフィルム8が配置されていなくてもよい。
下部クラッド層6の厚みは、特に制限はないが、2〜200μmであることが好ましい。2μm以上であると伝搬光をコア内部に閉じ込めるのが容易となり、200μm以下であると、光導波路1全体の厚みが大きすぎることがない。なお、下部クラッド層6の厚みとは、コア部2と下部クラッド層6との境界から下部クラッド層6の下面までの値である。
下部クラッド層形成用樹脂フィルムの厚みについては特に制限はなく、硬化後の下部クラッド層6の厚みが上記の範囲となるように厚みが調整される。
コア部2の高さは、特に制限はないが、10〜100μmであることが好ましい。コア部の高さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが小さくなることがなく、100μm以下であれば、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバとの結合において、結合効率が小さくなることがない。以上の観点から、コア部の高さは、15〜80μmであることがさらに好ましく、20〜70μmであることが特に好ましい。なお、コア部形成用樹脂フィルムの厚みについては特に制限はなく、硬化後のコア部の高さが上記の範囲となるように厚みが調整される。
上部クラッド層5の厚みは、コア部2を埋め込むことができる範囲であれば、特に制限はないが、乾燥後の厚みで、12〜500μmであることが好ましい。上部クラッド層5の厚みとしては、最初に形成される下部クラッド層6の厚みと同一であっても異なってもよいが、コア部2を埋め込むという観点から、下部クラッド層6の厚みよりも厚くすることが好ましい。なお、上部クラッド層5の厚みとは、コア部2と下部クラッド層6との境界から上部クラッド層5の上面までの値である。
本発明の光導波路は、波長850nmにおける光伝搬損失として0.15dB/cm以下を実現することができるため、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分である。
以下、本発明の光導波路形成用樹脂フィルムを用いた最も好適な光導波路製造例について説明する。
コア部形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる基材としては、後述のコアパターン形成に用いる露光用活性光線が透過するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレートなどが挙げられる。
これらの中で、露光用活性光線の透過率、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリプロピレン等のポリオレフィンであることが好ましい。さらに、露光用活性光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減の観点から、高透明タイプな基材フィルムを用いることがさらに好ましい。このような高透明タイプな基材フィルムとしては、東洋紡株式会社製「コスモシャインA1517」、「コスモシャインA4100」などが挙げられる。なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物等により離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
コア部形成用樹脂フィルムの基材フィルムの厚みは、3〜250μmであることが好ましい。3μm以上であると、支持体としての強度が十分であり、250μm以下であると、コアパターン形成時にフォトマスクとコア部形成用樹脂組成物層のギャップが大きくならず、パターン形成性が良好である。以上の観点から、基材フィルムの厚みは10〜40μmであることがさらに好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
上記基材フィルム上に光導波路形成用樹脂ワニス又は光導波路形成用樹脂組成物を塗布して製造した光導波路形成用樹脂フィルムは、必要に応じて前記保護フィルムを樹脂層上に貼り付け、基材フィルム、樹脂層及び保護フィルムからなる3層構造としてもよい。
このようにして得られた光導波路形成用樹脂フィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。または、ロール状のフィルムを好適なサイズに切り出して、シート状にして保存することもできる。
以下、光導波路形成用樹脂組成物及び/又は光導波路形成用樹脂フィルムを用いて光導波路1を形成するための製造方法について説明する。
本発明の光導波路1を製造する方法としては、特に制限はないが、コア部形成用樹脂ワニス及びクラッド層形成用樹脂組成物を用いてスピンコート法等により製造する方法、又はコア部形成用樹脂フィルム及びクラッド層形成用樹脂フィルムを用いて積層法により製造する方法などが挙げられる。また、これらの方法を組み合わせて製造することもできる。これらの中では、生産性に優れた光導波路製造プロセスが提供可能という観点から、光導波路形成用樹脂フィルムを用いて積層法により製造する方法が好ましい。
以下、光導波路形成用樹脂フィルムを下部クラッド層、コア部及び上部クラッド層に用いて光導波路1を形成するための製造方法について図3を用いて説明する。
まず、図3の(a)に示すように、第1の工程として下部クラッド層形成用樹脂フィルムを基材7上に積層して下部クラッド層6を形成する。 第1の工程における積層方式としては、ロールラミネータ、または平板型ラミネータを用いて加熱しながら圧着することにより積層する方法が挙げられるが、密着性および追従性の観点から、平板型ラミネータを用いて減圧下で下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層することが好ましい。なお、本発明において平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことを指し、例えば、真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。ここでの加熱温度は、40〜130℃であることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPaであることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。下部クラッド層形成用樹脂フィルムに保護フィルムが存在する場合には、保護フィルムを除去した後に積層する。
なお、真空加圧式ラミネータによる積層の前に、ロールラミネータを用いて、あらかじめ下部クラッド層形成用樹脂フィルムを基材7上に仮貼りしておいてもよい。ここで、密着性および追従性向上の観点から、圧着しながら仮貼りすることが好ましく、圧着する際、ヒートロールを有するラミネータを用いて加熱しながら行っても良い。ラミネート温度は、20〜130℃であることが好ましい。20℃以上であると下部クラッド層6の形成用樹脂フィルムと基材7との密着性が向上し、130℃以下であると樹脂層がロールラミネート時に流動しすぎることがなく、必要とする膜厚が得られる。以上の観点から、40〜100℃であることがより好ましい。圧力は0.2〜0.9MPaであることが好ましく、ラミネート速度は0.1〜3m/minであることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
続いて、基材7上に積層された下部クラッド層形成用樹脂フィルムを光及び/又は加熱により硬化し、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムを除去し、下部クラッド層6を形成する。
下部クラッド層6を形成する際の活性光線の照射量は、0.1〜5J/cmとすることが好ましく、加熱温度は50〜200℃とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
次いで、図3の(b)に示すように、第2の工程としてコア部形成用樹脂フィルム9を第1の工程と同様な方法で積層する。ここで、コア部形成用樹脂フィルム9は下部クラッド層形成用樹脂フィルムより高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る感光性樹脂組成物からなることが好ましい。
次に、図3の(c)に示すように、第3の工程としてコア部を露光し、光導波路のコアパターン(コア部2)を形成する。具体的には、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを有するフォトマスク10を通して活性光線が画像状に照射される。また、レーザ直接描画を用いてフォトマスク10を通さずに直接活性光線を画像上に照射してもよい。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものが挙げられる。
ここでの活性光線の照射量は、0.01〜10J/cmであることが好ましい。0.01J/cm以上であると、硬化反応が十分に進行し、後述する現像工程によりコア部2が流失することがなく、10J/cm以下であると露光量過多によりコア部2が太ることがなく、微細なパターンが形成でき好適である。以上の観点から、0.05〜5J/cmであることがより好ましく、0.1〜3J/cmであることが特に好ましい。
なお、露光後に、コア部2の解像度及び密着性向上の観点から、露光後加熱を行ってもよい。紫外線照射から露光後加熱までの時間は、10分以内であることが好ましい。10分以内であると紫外線照射により発生した活性種が失活することがない。露光後加熱の温度は40〜160℃であることが好ましく、時間は30秒〜10分であることが好ましい。
露光後、図3の(d)に示すように、コア部形成用樹脂フィルム9の基材フィルムを除去し、アルカリ性水溶液、水系現像液等の前記コア部形成用樹脂フィルムの組成に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング、ディップ及びパドル等の公知の方法により現像する。また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。
上記アルカリ性水溶液の塩基としては、特に制限はないが、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ;リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム等のナトリウム塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等の有機塩基などが挙げられる。現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11であることが好ましく、その温度はコア部形成用樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
前記水系現像液としては、水又はアルカリ性水溶液と1種類以上の有機溶剤からなるものであれば特に制限はない。水系現像液のpHは、前記コア部形成用樹脂フィルムの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12であることが好ましく、pH9〜10であることが特に好ましい。
上記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテルなどが挙げられる。
これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましく、その温度はコア部形成用樹脂組成物の現像性に合わせて調節される。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入させてもよい。
現像後の処理として、酸性水溶液等の洗浄液を用いて洗浄してもよい。洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また必要に応じてこれらの洗浄方法を併用してもよい。
前記酸性水溶液の酸としては特に制限はなく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、マロン酸、コハク酸等のカルボン酸;乳酸、サリチル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、酸性度が高い、揮発性が低い、酸化力が小さいという観点から硫酸であることが好ましい。
洗浄に用いる酸性水溶液のpHは、0を超え5以下であることが好ましい。0を超えるものであれば、酸性度、腐食性が強すぎることがなく、5以下であれば、コアパターン内に残存した不安定な1価の塩を、元の酸性官能基に効果的に変換することができる。以上の観点から、酸性水溶液のpHは0.1〜4であることがさらに好ましく、0.3〜3であることが特に好ましい。酸性水溶液の温度はpHに合わせて調節される。また酸性水溶液中には、有機溶剤、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
また、現像後の処理として、必要に応じて水と上記有機溶剤からなる洗浄液を用いて光導波路のコア部2を洗浄してもよい。有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の濃度は通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度はコア部形成用樹脂組成物の現像性に合わせて調節される。
現像又は洗浄後の処理として、必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm程度の露光を行うことによりコア部2さらに硬化して用いてもよい。
続いて、図3の(e)に示すように、第4の工程として上部クラッド層形成用樹脂フィルムを第1及び第2の工程と同様の方法で積層して上部クラッド層5を形成する。ここで、上部クラッド層形成用樹脂フィルムは、コア部形成用樹脂フィルムよりも低屈折率になるように設計されている。また、上部クラッド層5の厚みは、コア部2の高さより大きくすることが好ましい。
次いで、第1の工程と同様な方法で上部クラッド層形成用樹脂フィルムを光及び/又は熱によって硬化し、上部クラッド層5を形成する。
上記クラッド層形成用樹脂フィルムの基材フィルムがPETの場合、活性光線の照射量は、0.1〜5J/cmであることが好ましい。一方、基材フィルムがポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等の場合、PETに比べて紫外線等の短波長の活性光線を通しにくいことから、活性光線の照射量は、0.5〜30J/cmであることが好ましい。0.5J/cm以上であると硬化反応が十分に進行し、30J/cm以下であると光照射の時間が長くかかりすぎることがない。以上の観点から、3〜27J/cmであることがより好ましく、5〜25J/cmであることが特に好ましい。
なお、より硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射することが可能な両面露光機を使用することができる。また、加熱をしながら活性光線を照射してもよい。活性光線照射中及び/又は照射後の加熱温度は50〜200℃であることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
上部クラッド層5を形成後、必要であれば基材フィルムを除去して、光導波路1を作製することができる。
本発明の光導波路は、透明性及び光伝搬性に優れているために光モジュールの光伝送
路として用いてもよい。光モジュールの形態としては、例えば光導波路の両端に光ファイ
バを接続した光ファイバ付き光導波路、光導波路の両端にコネクタを接続したコネクタ付
き光導波路、光導波路とプリント配線板と複合化した光電気複合基板、光導波路と光信号
と電気信号を相互に変換する光/電気変換素子を組み合わせた光電気変換モジュール、光
導波路と波長分割フィルタを組み合わせた波長合分波器等が挙げられる。なお、光電気
複合基板において、複合化するプリント配線板としては、特に制限はなくガラスエポキシ
基板等のリジッド基板、ポリイミド基板などのフレキシブル基板のどちらを用いてもよ
い。
以下、本発明の実施例をさらに具体的に説明する。
合成例1
[クラッド層形成用ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(P−1)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、メチルエチルケトン100質量部を投入し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、共重合モノマーとして、メタクリル酸30質量部、メタクリル酸メチル35質量部、メタクリル酸n−ブチル35質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部及びメチルエチルケトン85質量部の混合物を、3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−1)溶液(固形分35質量%)を得た。
[酸価の測定]
P−1の酸価を測定した結果、196mgKOH/gであった。なお、酸価はP−1溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
[重量平均分子量の測定]
P−1の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー株式会社製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、8.0×10であった。なお、カラムは日立化成株式会社製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。溶離液としてはテトラヒドロフランを用い、サンプル濃度0.5mg/mlとし、溶出速度を1ml/分として測定した。
合成例2
[コア層形成用ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(P−2)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47質量部及び乳酸メチル24質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート34質量部、ベンジルメタクリレート34質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14質量部、メタクリル酸18質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート43質量部、及び乳酸メチル24質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−2)溶液(固形分43質量%)を得た。
合成例1と同様な方法で、P−2の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ
120mgKOH/g、34,000であった。
合成例3
[コア層形成用ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(P−3)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47質量部及び乳酸メチル24質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート34質量部、o−フェニルフェノール1.5EOアクリレート34質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14質量部、メタクリル酸18質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート43質量部、及び乳酸メチル24質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−3)溶液(固形分41質量%)を得た。
合成例1と同様な方法で、P−3の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ
120mgKOH/g、32,000であった。
合成例4
[コア層形成用ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(P−4)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47質量部及び乳酸メチル24質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート34質量部、ジシクロペンタニルメタクリレート34質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14質量部、メタクリル酸18質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート43質量部、及び乳酸メチル24質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−4)溶液(固形分42質量%)を得た。
合成例1と同様な方法で、P−4の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ
120mgKOH/g、36,000であった。
合成例5
[コア層形成用ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(P−5)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート42質量部及び乳酸メチル21質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、N−シクロヘキシルマレイミド14.5質量部、ベンジルアクリレート20質量部、o−フェニルフェノール1.5EOアクリレート39質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14質量部、メタクリル酸12.5質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37質量部、及び乳酸メチル21質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−5)溶液(固形分45質量%)を得た。
合成例1と同様な方法で、P−5の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ
80mgKOH/g、32,000であった。
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−1の調合]
(A)ベースポリマーとして、前記P−1溶液(固形分35質量%)143質量部(固形分換算で50質量部)、(B)重合性化合物として、2官能アクリレートのポリプロピレングリコールジアクリレート(日立化成株式会社製「ファンクリルFA−P240A」)45質量部及び3官能アクリレートのペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製「PE−3A」)5質量部、(C)光重合開始剤として、リン酸エステル系光開始剤のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア819」)1質量部を広口のポリ瓶に秤量し、撹拌機を用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌して、クラッド層形成用樹脂ワニスを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「PF020」)及び孔径0.5μmのメンブレンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「J050A」)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過した。続いて、真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
[クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1の作製]
上記で得られたクラッド層形成用樹脂組成物を、PETフィルム(東洋紡株式会社製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、前記塗工機を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用した下部クラッド層の厚みに付いては、実施例中に記載する。また、下部クラッド層の硬化後の膜厚と塗工後の膜厚は同一であった。本実施例で用いた上部クラッド層形成用樹脂フィルムの膜厚についても実施例中に記載する。実施例中に記載する上部クラッド層形成用樹脂フィルムの膜厚は塗工後の膜厚とする。
実施例1
[コア部形成用樹脂ワニスCOV−1の調合]
(A)アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーとして、前記P−2溶液(固形分42質量%)60質量部、(B)重合性化合物として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製「ファンクリルFA−324A」)40質量部
(C)重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア819」)1質量部を広口のポリ瓶に秤量し、撹拌機を用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌して、コア部形成用樹脂ワニスを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「PF020」)及び孔径0.5μmのメンブレンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「J050A」)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過した。続いて、真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡し、コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を得た。
[コア部形成用樹脂フィルムCOF−1の作製]
上記コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を、PETフィルム(東洋紡株式会社製「コスモシャインA1517」、厚み16μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製「マルチコーターTM−MC」)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、コア部形成用樹脂フィルムCOF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、50μmとなるように調節した。
実施例2〜3、及び比較例1
表1に示す配合比に従って、コア部形成用樹脂ワニスCOV−2、3、及び4を調合し、実施例1と同様な方法で、コア部形成用樹脂フィルムCOF−2、3、及び4を作製した。
[アルカリ現像液溶解性評価]
前記コア部形成用樹脂フィルムの保護フィルム(ピューレックスA31)を除去し、樹脂層が1質量%炭酸ナトリウム水溶液に溶解するかどうか、以下の基準で評価した。
○…完全に溶解して残存樹脂層なし
△…完全に溶解せず残存樹脂層あり
×…不溶
[波長850nmにおける光線透過率の測定]
保護フィルム(ピューレックスA31)を除去した前記コア部形成用樹脂フィルムを、スライドガラス(サイズ:76mm×26mm、厚さ:1mm)上に前記真空ラミネータを用いて、圧力0.4MPa、温度50℃及び加圧時間30秒の条件で積層した。次いで、前記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm照射し、さらに160℃で1時間加熱し、光線透過率測定用のサンプルを作製した。このサンプルの波長850nmにおける光線透過率を、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロージーズ製、「U−3310」)を用いて測定した。
[全光線透過率、YI、ヘイズの測定]
前記光線透過率測定用のサンプルにて、全光線透過率、YI(Yellowness Index)、ヘイズを測定した。測定には色度計(日本電飾工業株式会社製「COH−300A」)を使用した。
なお、YI値は0.15以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。
[光導波路の作製法]
真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製「MVLP−500/600」)を用い、圧力0.4MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で、保護フィルム(ピューレックスA31)を除去した前記下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1(クラッド層樹脂厚さ、15μm)を、ガラスエポキシ樹脂基板(日立化成株式会社製「MCL−E−679FB」、板厚0.6mm、銅箔はエッチングにより除去)上に積層した。次に、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製「MAP−1200−L」)を用い、紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm照射後、支持フィルム(コスモシャインA4100)を除去し、120℃で1時間加熱処理することによって、下部クラッド層6を形成した。
続いて、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製「HLM−1500」)を用い、保護フィルム(ピューレックスA31)を除去した前記コア部形成用樹脂フィルムCOF−1を、下部クラッド層6上に、圧力0.5MPa、温度50℃、速度0.2m/minの条件で積層した。次いで、幅50μmの光導波路形成用パターンを有するネガ型フォトマスクを介し、前記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を2500mJ/cm照射して、コア部2(コアパターン)を露光した。支持フィルム(コスモシャインA1517)を除去した後、スプレー式現像装置(株式会社山縣機械製「RX−40D」)を用い、1質量%炭酸ナトリウム水溶液にて温度30℃、スプレー圧0.15MPa、現像時間105秒の条件で現像した。続いて、0.3質量%硫酸水溶液(pH1)を用いて洗浄した後、さらに純水にて洗浄した。
次に、前記真空加圧式ラミネータを用い、保護フィルム(ピューレックスA31)を除去した前記上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1(クラッド層樹脂厚さ、70μm)を、コア部2及び下部クラッド層6上に、圧力0.4MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で積層した。紫外線(波長365nm)を4000mJ/cm照射し、支持フィルム(コスモシャインA4100)を除去した後、160℃で1時間加熱硬化することによって、上部クラッド層5を形成し、図1(a)に示す光導波路1を得た。その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製「DAD−341」)を用いて長さ10cmのリジッド光導波路を切り出した。
[光損失の測定]
得られた光導波路の光伝搬損失を、光源に波長850nmを中心波長とするVCSEL(EXFO社製「FLS−300−01−VCL」)、受光センサ(株式会社アドバンテスト製「Q82214」)、入射ファイバ(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)、及び出射ファイバ(SI−114/125、NA=0.22)を用いて測定した。光伝搬損失は、光損失測定値(dB)を光導波路長(10cm)で割ることにより算出し、以下の基準で評価した。
○…0.15dB/cm以下
△…0.15dB/cmより大きく、0.20dB/cm以下
×…0.20dB/cmより大きい
実施例1〜3及び比較例1の評価結果を表1、実施例1の光導波路断面を図1に示す。
1)合成例2で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液、重量平均分子量:3.4×10、酸価:120mgKOH/g)
2)合成例3で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液、重量平均分子量:3.2×10、酸価:120mgKOH/g)
3)合成例4で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液、重量平均分子量:3.6×10、酸価:120mgKOH/g)
4)合成例5で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液、重量平均分子量:3.2×10、酸価:80mgKOH/g)
5)エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製「ファンクリルFA−324A」)
6)エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製「ファンクリルFA−321A」)
7)フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC−3000」、エポキシ当量275g/eq)
8)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社製「イルガキュア819」)
[浸漬前後の屈折率測定]
本発明の光導波路形成用樹脂組成物を用いて作製した光導波路において、コアパターンの周辺表層部位と中心部との屈折率の変化を確認するために、アルカリ現像液に浸漬前後のコア部形成用樹脂フィルムについて下記のようにして屈折率測定を行った。
シリコン基板(サイズ:60×20mm、厚さ:0.6mm)上に前記光線透過率測定用のサンプルと同様にしてコア部形成用樹脂フィルムを積層し、下記の条件でサンプルA及びBを作製した。
・サンプルA:前記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm照射したもの
・サンプルB:前記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm照射し、1質量%炭酸カリウム水溶液に温度30℃、2分、浸漬したもの
ついで、上記サンプルA、Bの波長830nmにおける屈折率を、前記プリズム結合式屈折率計を用いて測定した実施例1〜3、比較例1の結果を下記表2に示す。
表2に示すように、実施例1〜3のフィルムは、A>Bであり、A−B≧0.003の関係を満たすことがわかる。それに対して、比較例1のフィルムは、A>Bを満たしておらず、さらに表1からもわかるように、YI値(黄色度)も大きく、光損失は良好ではない。したがって、本発明の光導波路が低い光伝搬損失を有する理由は、コア部を形成するコアパターンの周辺において、中心部よりも充分に屈折率が低い表層部位が形成され、さらに樹脂自体のYI値(黄色度)が小さいことであることが確認できた。
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、透明性に優れ、アルカリ現像液に浸漬した部位が低屈折率となることを特徴とし、これらを用いて製造した光導波路は光伝搬特性に非常に優れたものである。
1 光導波路
2 コア部
3 コアパターン中心部
4 低屈折率部位
5 上部クラッド層
6 下部クラッド層
7 基材

Claims (16)

  1. (A)ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有してなる光導波路形成用樹脂組成物であって、前記組成物は、
    組成物をフィルム状に形成し、紫外線(波長365nm)を500〜4000mJ/cmの照射量(X1)で照射して硬化し、830〜850nmの範囲にある所定の波長(λ1)において測定した屈折率Aと、
    組成物をフィルム状に形成し、紫外線(波長365nm)を前記所定の照射量(X1)で照射して硬化し、次いで、1〜5質量%の範囲にある所定の濃度を有する炭酸カリウム水溶液に温度20〜40℃の範囲にある所定の温度及び時間1〜5分の範囲にある所定の時間浸漬した後に測定した、前記所定の波長(λ1)における屈折率Bとの関係が、A>Bとなるものである光導波路形成用樹脂組成物。
  2. 屈折率を測定する際に、組成物をフィルム状に成形するときのフィルム厚さが50μmで、紫外線を照射して硬化する際の照射量(X1)が2000mJ/cmであり、屈折率を測定する際の波長(λ1)が830nmであり、硬化した後に行う炭酸カリウム水溶液への浸漬が、1質量%の炭酸カリウム水溶液に温度30℃、2分の浸漬で行う請求項1記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  3. 前記屈折率A及び屈折率Bの関係がA−B≧0.003となるものである請求項1又は2に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  4. (A)ポリマーが、水酸基及びカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーであり、(B)重合性化合物が、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  5. (A)成分の水酸基及びカルボキシル基を有するポリマーの重量平均分子量が、1,000〜3,000,000である請求項4に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  6. (A)成分の水酸基及びカルボキシル基を有するポリマーが、側鎖に脂肪族環又は芳香族環を有するポリマーである請求項4又は5に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  7. (B)重合性化合物が、その分子中に脂肪族環又は芳香族環を含む化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  8. (B)重合性化合物が、その分子中にビスフェノール骨格を有する化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  9. (A)成分のポリマーの含有量が(A)成分及び(B)成分の総量に対して10〜85質量%であり、(B)成分の重合性化合物の含有量が(A)成分及び(B)成分の総量に対して15〜90質量%であり、(C)成分の重合開始剤の含有量が(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.3〜10質量部である請求項1〜8のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物を用いて得られる樹脂層を含む光導波路形成用樹脂フィルム。
  11. 基材フィルム、樹脂層、及び保護フィルムからなる3層構造である請求項10に記載の光導波路形成用樹脂フィルム。
  12. 下部クラッド層、コア部、上部クラッド層の少なくとも1つを、請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物又は請求項10若しくは11に記載の光導波路形成用樹脂フィルムを用いて形成した光導波路。
  13. 前記光導波路形成用樹脂組成物又は前記光導波路形成用樹脂フィルムを前記コア部として用いた請求項12に記載の光導波路。
  14. 主として前記コア部の内側に形成される高屈折率部位を光が伝搬することを特徴とする請求項13に記載の光導波路。
  15. 波長850nmにおける光伝搬損失が、0.15dB/cm以下である請求項12〜14のいずれかに記載の光導波路。
  16. 下部クラッド層、コア部、上部クラッド層の少なくとも1つを請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物又は請求項10若しくは11に記載の光導波路形成用樹脂フィルムを用いて積層する工程、露光する工程、アルカリ現像液にて現像する工程を含む、光導波路の製造法。
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