JP2015215363A - sVCAMおよび/またはsMAdCAMレベルの差を関連付けることにより、アルファ−4インテグリン活性の差を決定するための方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】sVCAMおよび/またはsMAdCAMレベルの差を関連付けることにより、アルファ−4インテグリン活性の差を決定するための方法の提供。
【解決手段】可溶性血管細胞接着分子(sVCAM)および/または可溶性粘膜アドレシン細胞接着分子(sMAdCAM)レベルと関連付けることにより、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の変化を監視する方法が、本明細書に記載される。特に、この方法は、例えば、病的または慢性炎症に関連した疾患を処置するために使用されるアルファ−4インテグリン阻害剤の、薬物動態および薬力学(PK/PD)を評価するために使用することができる。
【選択図】図4
【解決手段】可溶性血管細胞接着分子(sVCAM)および/または可溶性粘膜アドレシン細胞接着分子(sMAdCAM)レベルと関連付けることにより、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の変化を監視する方法が、本明細書に記載される。特に、この方法は、例えば、病的または慢性炎症に関連した疾患を処置するために使用されるアルファ−4インテグリン阻害剤の、薬物動態および薬力学(PK/PD)を評価するために使用することができる。
【選択図】図4
Description
活性を可溶性分子のレベルと関連付けることにより、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の変化を監視する方法であって、可溶性分子は、可溶性血管細胞接着分子(sVCAM)および/または可溶性粘膜アドレシン細胞接着分子(sMAdCAM)である方法が、本明細書に記載される。
感染または損傷に対する血管組織の炎症反応は、血管の内皮細胞に対する白血球の接着、およびそれらの周囲組織への浸潤により影響される。正常な炎症反応において、浸潤白血球は、毒性のメディエーターを放出し、残骸および死滅した細胞を貪食し、組織修復および免疫反応において役割を果たす。しかしながら、病的炎症において、浸潤白血球は、過剰に反応し、深刻または致命的な損傷を引き起こす可能性がある。インテグリンは、細胞接着、免疫細胞移動、および活性化に関与する細胞表面糖タンパク質のファミリーに属する。アルファ−4インテグリンは、循環白血球により発現され、ベータ−1またはベータ−7インテグリンサブユニットと共にヘテロ二量体受容体を形成する。アルファ−4ベータ−1(α4β1、または最晩期抗原−4(VLA−4))およびアルファ−4ベータ−7(α4β7)二量体は両方とも、血管内皮にわたる白血球の移動において役割を果たし、実質内での細胞活性化および生存に寄与する。
アルファ−4ベータ−1二量体は、慢性炎症の多くの部位において血管内皮により発現される、血管細胞接着分子−1(VCAM−1)に結合する。アルファ−4ベータ−7二量体は、粘膜アドレシン細胞接着分子(MAdCAM−1)と相互作用し、リンパ球の消化管へのホーミングを媒介する。
アルファ−4インテグリン等の接着分子は、病的および慢性炎症を処置するための潜在的な標的である。アルファ−4インテグリン阻害剤は、その抗炎症性の可能性について、動物モデルにおいてインビトロおよびインビボの両方で試験されている。インビトロ実験では、アルファ−4インテグリン阻害剤が、活性化内皮細胞に対するリンパ球の接着を阻止することが実証されている。多発性硬化症(MS)をシミュレートした人為的に惹起された状態、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を有する動物モデルにおいてアルファ−4インテグリン阻害剤を試験する実験では、抗アルファ−4インテグリン阻害剤が、動物における脳炎症およびその後の麻痺を防止することが実証されている。同様に、アルファ−4インテグリン阻害剤は、炎症性腸疾患(IBD)の動物モデルにおいて、腸炎に対して保護することが示されている。総合して、これらの実験は、アルファ−4インテグリン阻害剤を、MSおよびIBD等の病的および慢性炎症に関連した疾患用の潜在的に有用な治療薬剤として特定している。
しかしながら、アルファ−4インテグリンを阻害する薬剤の薬物動態および薬力学を試験するための効率的で信頼性のある方法はなかった。現在利用可能な方法は、典型的には、(1)血球計算により新鮮な血液試料における受容体飽和および受容体下方制御を測定すること、または(2)新しく採取された血液試料におけるリンパ球の計数を含む。これらの方法は共に、新鮮な試料の同日の分析に依存し、これは、臨床試料を分析する場合には不便となり得る。さらに、これらの方法は、アルファ−4インテグリンの機能阻害の非常に感度の高い手法であるとみなされていない。最近、非特許文献1において、ナタリズマブの投与から4週間後のMS患者における可溶性VCAM−1(sVCAM)の統計的に有意な減少が観察されている。ナタリズマブは、アルファ−4インテグリンのα−鎖に特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体である。Millonigらは、最初のナタリズマブの適用から4週間後に、sVCAMレベルが阻害の定常状態レベルに達したことを示唆した。Millonigらは、sVCAMが治効監視ツールとなり得ると推測しているが、Millonigらは、観察される相関の臨床的有用性およびその生物学的意義が引き続き解明されるべきであることを認めている。
したがって、当該技術分野において、様々な炎症性および自己免疫性疾患を処置するために適用され得る、例えば、α4インテグリン阻害剤の薬物動態および薬力学を評価するための、信頼性のあるバイオマーカーを特定および使用する、より効率的および正確な方法を開発することが、依然として必要とされている。
Millonig et al., J. Neuroimmunol.(2010)227:190〜194
抗体によるか、または小分子によるかに関わらず、アルファ−4インテグリン活性の阻害は、体液中のsVCAMおよび/またはsMAdCAMレベルの低下に関連する。sVCAMおよび/またはsMAdCAMレベルの低下は、用量依存性であり、数日以内、さらには数時間以内に観察され得る。さらに、アルファ−4インテグリンの阻害とsVCAMおよび/またはsMAdCAMのレベルの低下との間の相関は、健常な個体および罹患した個体において見られ、したがって疾患状態とは無関係である。したがって、sVCAMおよび/またはsMAdCAMは、アルファ−4インテグリン活性を調節する抗体または薬物等の薬剤の生物活性の薬力学的バイオマーカーとして使用することができる。したがって、アルファ−4インテグリン調節剤の薬力学および薬物動態パラメータは、調節剤のインビボ生物活性に関して、例えば不活性調節剤代謝産物による潜在的な干渉なしに決定することができる。これらのパラメータのより良好な特性決定は、例えば潜在的に有害な副作用を最小限化することができる、より正確なアルファ−4インテグリン調節剤投薬計画を可能とする。
したがって、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差を決定するインビトロ法であって、a)アルファ−4インテグリン阻害剤の投与直前に、個体から得られた第1の生体試料における可溶性分子を測定することと、b)第2の生体試料であって、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後三十一(31)日以内に個体から得られた第2の生体試料における、可溶性分子を測定することと、c)第1および第2の生体試料の間の、可溶性分子のレベルの低下であって、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に関連する低下があるかどうかを決定し、それにより、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較して、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後に、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差があるかどうかを決定することと、を含み、可溶性分子は、sVCAMおよび/またはsMAdCAMである方法が提供される。第2の生体試料は、例えば、個体がアルファ−4インテグリン阻害剤で処理されてから、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31日後に得られてもよい。
方法は、第1の生体試料と比較して、第2の生体試料における可溶性分子のレベルの低下を検出することと、この低下を、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較したアルファ−4インテグリン阻害剤の投与後の個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に帰することとをさらに含んでもよい。さらに、方法は、個体の処置における調整が必要であるかどうかを決定することをさらに含んでもよく、第1および第2の生体試料の間の可溶性分子のレベルの低下がないこと、または低下が統計的に有意でない(p>0.05)ことは、個体の処置の調整を必要とするアルファ−4インテグリン阻害剤に対する非効果的な反応を示す。代替として、方法は、第1の生体試料と比較して、第2の生体試料における可溶性分子のレベルの低下を検出しない、または統計的に有意でない低下(p>0.05)を検出すること、および個体の処置の調整が必要であると結論付けることをさらに含んでもよい。処置の調整は、異なるアルファ−4インテグリン阻害剤に変更すること、またはアルファ−4インテグリン阻害剤の用量を増加させることを含んでもよい。
一態様において、アルファ−4インテグリン活性は、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であってもよく、可溶性分子は、sVCAMである。別の態様において、アルファ−4インテグリン活性は、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、可溶性分子は、sMAdCAMである。
さらに別の態様において、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与を受ける個体は、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する。疾患または障害は、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から選択され得る。アルファ−4インテグリン阻害剤は、抗体または小分子である。
さらなる態様において、第1および/または第2の生体試料は、組織、細胞および体液からなる群から選択される。第1および/または第2の生体試料は、凍結血漿または血清の形態であってもよい。体液は、血液、リンパ液、血清、血漿、尿、精液、滑液、唾液、涙液、気管支肺胞洗浄液、および脳脊髄液からなる群から選択され得る。生体試料中の可溶性分子は、酵素免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、ウェスタンブロッティング、およびマイクロビーズベースタンパク質検出分析法からなる群から選択される方法により測定され得る。
また、(i)アルファ−4インテグリンまたは(ii)アルファ−4インテグリン活性の調節剤の活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用が提供される。アルファ−4インテグリン活性は、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であってもよく、薬力学的バイオマーカーは、sVCAMであってもよい。アルファ−4インテグリン活性は、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であってもよく、薬力学的バイオマーカーは、sMAdCAMであってもよい。アルファ−4インテグリン活性の調節剤は、アルファ−4インテグリン阻害剤、例えば抗体または小分子であってもよい。活性の薬力学的バイオマーカーとしてのsVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用は、アルファ−4インテグリン活性の調節剤による処置を受ける個体において有用となり得る。個体は、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有してもよい。病的または慢性炎症に関連した疾患または障害は、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から選択され得る。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差を決定するインビトロ法であって、
a)アルファ−4インテグリン阻害剤の投与直前に、前記個体から得られた第1の生体試料における可溶性分子を測定することと、
b)第2の生体試料であって、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後三十一日以内に前記個体から得られた前記第2の生体試料における、前記可溶性分子を測定することと、
c)前記第1および第2の生体試料の間の、前記可溶性分子のレベルの低下であって、前記個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に関連する前記低下があるかどうかを決定し、それにより、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較して、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後に、前記個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差があるかどうかを決定することと、を含み、
前記可溶性分子は、sVCAMおよび/またはsMAdCAMである、方法。
(項目2)
前記第1の生体試料と比較して、前記第2の生体試料における前記可溶性分子の前記レベルの低下を検出することと、前記低下を、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較した前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後の前記個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に帰することとをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であり、前記可溶性分子は、sVCAMである、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、前記可溶性分子は、sMAdCAMである、項目1または項目2に記載の方法。
(項目5)
前記個体が、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記疾患または障害が、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から選択される、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記アルファ−4インテグリン阻害剤が、抗体である、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第1および/または前記第2の生体試料が、組織、細胞および体液からなる群から選択される、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第1および/または前記第2の生体試料が、血液、リンパ液、血清、血漿、尿、精液、滑液、唾液、涙液、気管支肺胞洗浄液、および脳脊髄液からなる群から選択される体液である、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第1および/または前記第2の生体試料が、凍結血漿または血清の形態である、項目8に記載の方法。
(項目11)
前記第2の生体試料が、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与から1日後に前記個体から得られる、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記可溶性分子は、酵素免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、ウェスタンブロッティング、およびマイクロビーズベースタンパク質検出分析法からなる群から選択される方法により測定される、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記個体の処置における調整が必要であるかどうかを決定することをさらに含み、前記第1および第2の生体試料の間の前記可溶性分子のレベルの低下がないこと、または低下が統計的に有意でない(p>0.05)ことは、前記個体の処置の調整を必要とするアルファ−4インテグリン阻害剤に対する非効果的な反応を示す、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記第1の生体試料と比較して、前記第2の生体試料における可溶性分子のレベルの低下を検出しない、または統計的に有意でない低下(p>0.05)を検出することと、前記個体の処置の調整が必要であると結論付けることとをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記処置の調整が、異なるアルファ−4インテグリン阻害剤に変更すること、または前記アルファ−4インテグリン阻害剤の用量を増加させることを含む、項目13または項目14に記載の方法。
(項目16)
(i)アルファ−4インテグリンまたは(ii)アルファ−4インテグリン活性の調節剤の活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用。
(項目17)
アルファ−4インテグリン活性の調節剤による処置を受けている個体における前記活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用を含む、項目16に記載の使用。
(項目18)
前記調節剤が、アルファ−4インテグリン阻害剤である、項目17に記載の使用。
(項目19)
前記個体が、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から随意に選択される、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する、項目17に記載の使用。
(項目20)
前記アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であり、前記薬力学的バイオマーカーは、sVCAMである、項目16から19のいずれか一項に記載の使用。
(項目21)
前記アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、前記薬力学的バイオマーカーは、sMAdCAMである、項目16から19のいずれか一項に記載の使用。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する:
(項目1)
個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差を決定するインビトロ法であって、
a)アルファ−4インテグリン阻害剤の投与直前に、前記個体から得られた第1の生体試料における可溶性分子を測定することと、
b)第2の生体試料であって、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後三十一日以内に前記個体から得られた前記第2の生体試料における、前記可溶性分子を測定することと、
c)前記第1および第2の生体試料の間の、前記可溶性分子のレベルの低下であって、前記個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に関連する前記低下があるかどうかを決定し、それにより、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較して、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後に、前記個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差があるかどうかを決定することと、を含み、
前記可溶性分子は、sVCAMおよび/またはsMAdCAMである、方法。
(項目2)
前記第1の生体試料と比較して、前記第2の生体試料における前記可溶性分子の前記レベルの低下を検出することと、前記低下を、前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較した前記アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後の前記個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に帰することとをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であり、前記可溶性分子は、sVCAMである、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、前記可溶性分子は、sMAdCAMである、項目1または項目2に記載の方法。
(項目5)
前記個体が、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記疾患または障害が、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から選択される、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記アルファ−4インテグリン阻害剤が、抗体である、項目1から6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第1および/または前記第2の生体試料が、組織、細胞および体液からなる群から選択される、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第1および/または前記第2の生体試料が、血液、リンパ液、血清、血漿、尿、精液、滑液、唾液、涙液、気管支肺胞洗浄液、および脳脊髄液からなる群から選択される体液である、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第1および/または前記第2の生体試料が、凍結血漿または血清の形態である、項目8に記載の方法。
(項目11)
前記第2の生体試料が、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与から1日後に前記個体から得られる、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記可溶性分子は、酵素免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、ウェスタンブロッティング、およびマイクロビーズベースタンパク質検出分析法からなる群から選択される方法により測定される、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記個体の処置における調整が必要であるかどうかを決定することをさらに含み、前記第1および第2の生体試料の間の前記可溶性分子のレベルの低下がないこと、または低下が統計的に有意でない(p>0.05)ことは、前記個体の処置の調整を必要とするアルファ−4インテグリン阻害剤に対する非効果的な反応を示す、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記第1の生体試料と比較して、前記第2の生体試料における可溶性分子のレベルの低下を検出しない、または統計的に有意でない低下(p>0.05)を検出することと、前記個体の処置の調整が必要であると結論付けることとをさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記処置の調整が、異なるアルファ−4インテグリン阻害剤に変更すること、または前記アルファ−4インテグリン阻害剤の用量を増加させることを含む、項目13または項目14に記載の方法。
(項目16)
(i)アルファ−4インテグリンまたは(ii)アルファ−4インテグリン活性の調節剤の活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用。
(項目17)
アルファ−4インテグリン活性の調節剤による処置を受けている個体における前記活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用を含む、項目16に記載の使用。
(項目18)
前記調節剤が、アルファ−4インテグリン阻害剤である、項目17に記載の使用。
(項目19)
前記個体が、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から随意に選択される、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する、項目17に記載の使用。
(項目20)
前記アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であり、前記薬力学的バイオマーカーは、sVCAMである、項目16から19のいずれか一項に記載の使用。
(項目21)
前記アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、前記薬力学的バイオマーカーは、sMAdCAMである、項目16から19のいずれか一項に記載の使用。
添付の図面は、明細書に組み込まれ、様々な実施形態の非制限的な例示を提供する。
実施例において使用される例示的アルファ−4インテグリン阻害剤(化合物A〜D)を示す図である。
実施例において使用される例示的アルファ−4インテグリン阻害剤(化合物A〜D)を示す図である。
小分子アルファ−4インテグリン阻害剤で処置された様々なラット疾患モデルにおけるsVCAMのレベルの低下を示す図である。実験は、実施例1に記載のように行われた。
小分子アルファ−4インテグリン阻害剤で処置された様々なラット疾患モデルにおけるsVCAMのレベルの低下を示す図である。実験は、実施例1に記載のように行われた。
小分子アルファ−4インテグリン阻害剤で処置された正常ラットにおけるsVCAMのレベルの低下を示す図である。実験は、実施例2に記載のように行われた。
小分子アルファ−4インテグリン阻害剤で処置された正常マウスにおけるsVCAMのレベルの低下を示す図である。アルファ−4インテグリン阻害剤による正常マウスの処置は、可溶性細胞内接着分子(sICAM)レベルに影響しないと思われる。実験は、実施例3に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害剤のsVCAM下方制御に対する効果が用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害の他のマーカーと相関することを示す図である。実験は、実施例4に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害剤のsVCAM下方制御に対する効果が用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害の他のマーカーと相関することを示す図である。実験は、実施例4に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害剤のsVCAM下方制御に対する効果が用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害の他のマーカーと相関することを示す図である。実験は、実施例4に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤で処置されたマウスにおけるsVCAMのレベルの低下を示す図である。実験は、実施例5に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリンの非ペグ化小分子阻害剤で処置されたマウスにおけるsVCAMのレベルの低下を示す図である。実験は、実施例6に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害のsVCAMレベルに対する効果が用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害剤の血漿レベルが減退するにつれて消失することを示す図である。実験は、実施例7に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害が、いくつかの大腸炎のマウスモデルにおいて、sMAdCAMの下方制御をもたらすことを示す図である。実験は、実施例8に記載のように行われた。
小分子阻害剤によるアルファ−4インテグリン阻害が、正常マウスにおいて、sMAdCAMの下方制御をもたらすことを示す図である。実験は、実施例9に記載のように行われた。
抗体阻害剤によるアルファ−4インテグリン阻害が、正常マウスにおいて、sMAdCAMの下方制御をもたらすことを示す図である。実験は、実施例10に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害剤によるsMAdCAMの下方制御が、用量依存性であり、可逆的であり、アルファ−4ベータ−7インテグリンへテロ二量体に対するアルファ−4インテグリン阻害剤のインビトロ選択性と相関することを示す図である。実験は、実施例11に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害剤によるsMAdCAMの下方制御が、用量依存性であり、可逆的であり、アルファ−4ベータ−7インテグリンへテロ二量体に対するアルファ−4インテグリン阻害剤のインビトロ選択性と相関することを示す図である。実験は、実施例11に記載のように行われた。
アルファ−4インテグリン阻害剤によるsMAdCAMの下方制御が、用量依存性であり、可逆的であり、アルファ−4ベータ−7インテグリンへテロ二量体に対するアルファ−4インテグリン阻害剤のインビトロ選択性と相関することを示す図である。実験は、実施例11に記載のように行われた。
アルファ−4ベータ−1インテグリンへテロ二量体に選択的に結合するアルファ−4インテグリン阻害剤によるsVCAMの、選択的下方制御を示す図である。実験は、実施例11に記載のように行われた。
マウスにおけるsVCAM/sMAdCAMレベルとアルファ−4インテグリン抗体レベルとの相関を示す図である。実験は、実施例12に記載のように行われた。
1. 定義
「個体」は、本明細書において使用される場合、人間、犬、猫、牛、馬、ヤギ、ブタ(pig)、豚(swine)、羊、猿、ラット、およびマウスを含む、哺乳動物(例えば、家畜)のいずれであってもよい。一実施形態において、個体は、人間であってもよい。
「個体」は、本明細書において使用される場合、人間、犬、猫、牛、馬、ヤギ、ブタ(pig)、豚(swine)、羊、猿、ラット、およびマウスを含む、哺乳動物(例えば、家畜)のいずれであってもよい。一実施形態において、個体は、人間であってもよい。
「病的および慢性炎症」という用語は、本明細書において使用される場合、喘息、アテローム性動脈硬化、AIDS認知症、糖尿病、炎症性腸疾患、関節リウマチ、移植拒絶反応、移植片対宿主病、多発性硬化症(特にさらなる脱髄を伴うMSにおいて)、例えば、一次進行型多発性硬化症(PPMS)、二次進行型多発性硬化症(SPMS)、再発寛解型多発性硬化症(RRMS)、および再発進行型多発性硬化症(PRMS)、腫瘍転移、腎炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、ならびに急性白血球媒介肺障害を含むがこれらに限定されない障害に関連した、不適正な炎症を指す。そのような炎症は、浸潤白血球を含む炎症細胞の反応の亢進を特徴とする。そのような病的炎症は、しばしば、経時的に不適正な炎症の領域における組織に損傷をもたらす。
「アルファ−4インテグリン活性」という用語は、本明細書において使用される場合、アルファ−4ベータ−1およびアルファ−4ベータ−7二量体を含むアルファ−4インテグリンの、白血球細胞表面上に存在する達成可能な量を指す。アルファ−4インテグリン活性は、当該技術分野において知られている任意の技術を使用して決定することができる。例えば、アルファ−4インテグリン活性は、アルファ−4インテグリンに特異的な蛍光標識化抗体を使用して、血球計算により直接的に評価することができる。例えば、米国特許第7,807,167号を参照されたい。代替として、アルファ−4インテグリン活性は、組織試料内の白血球浸潤を測定することにより間接的に評価することができる。例えば、米国特許第7,435,802号を参照すると共に、Krumbholz et al., Neurology 71: 1350−1354(2008)も参照されたい。
「生体試料」という用語は、本明細書において使用される場合、個体からの生体材料を指す。生体試料は、限定されない例として、組織、細胞、全血、血清、体液、血漿液、自明の組織試料(例えば、脳、皮膚、リンパ節、脊髄)、培養細胞または培養細胞からの上澄みであってもよい。使用される生体試料は、分析形式、検出方法、および分析される試料の性質に基づいて変動する。生体試料を調製するための方法は、当該技術分野において周知であり、使用される方法に適合する生体試料を得るために容易に適合させることができる。
「体液」という用語は、本明細書において使用される場合、個体に見られる体液を含む。体液は、体から排泄または分泌される液、および通常は排泄または分泌されない液を含む。これらの液は、限定されない例として、房水、血液、血清、間質液、リンパ液、粘液、胸膜液、唾液、血漿、尿、精液、涙液、滑液、創傷滲出液、および/または脳脊髄液を含む。典型的には、血清および血漿を含む血液が、本実施形態において使用される。
「特異的に結合する(specifically binds)」または「特異的に結合する(binds specifically)」という用語は、本明細書において使用される場合、特異的結合対の一方が、その特異的結合の相手以外の分子といかなる統計的に有意な結合も示さないことを意味する。結合の相手は、その特異的結合対の相手に対し、非特異的結合の相手より少なくとも1000倍の結合の親和性(見かけの結合定数)を示してもよい。例えば、107mole/L以上、典型的には108mole/L以上の結合親和性でアルファ−4インテグリンに結合する抗体は、アルファ−4インテグリンに特異的に結合すると言われる。
「診断キット」という用語は、本明細書において使用される場合、典型的には、バイオマーカーの定量的および/または定性的評価に必要な診断用抗体および/または試薬の異なるパッケージを有する診断システムを含む。キットは、一般に、試薬および/または診断用抗体を使用するための説明を含む。抗体および任意の試薬は、液体、粉末、タブレット、または懸濁液として提供されてもよい。抗体および/または試薬は、別個に適用するために好適な別個のパッケージとして提供されてもよい。
別段に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書において使用される場合、文脈上異なる定義が明示されていない限り、単数形は複数形の呼称も含むことが留意されなければならない。したがって、例えば、「抗体」への言及は、複数のそのような抗体を含み、「用量」への言及は、1つ以上の用量および当業者に知られたその等価物を含む。
2. アルファ−4インテグリン阻害剤
2. アルファ−4インテグリン阻害剤
アルファ−4インテグリンに結合してその活性を阻害する能力を有する様々なアルファ−4インテグリン阻害剤を、本実施形態において使用することができる。多くのそのような阻害剤が同定および特性決定されており、代表的な例が以下に記載される。本明細書において開示される教示を考慮すると、具体的に説明される阻害剤を生物学的に模倣する、またはそれに類似する様式で、アルファ−4含有インテグリン二量体を阻害することができる他のアルファ−4インテグリン阻害剤を同定することは、十分に当業者の技術の範囲内である。本実施形態はまた、そのような阻害剤およびそれらの組み合わせの長期投与を含む。
2.1. 抗体または免疫活性断片
2.1. 抗体または免疫活性断片
一実施形態において、アルファ−4インテグリン阻害剤は、アルファ−4インテグリンまたはアルファ−4を含有する二量体、例えばアルファ−4ベータ−1またはアルファ−4ベータ−7に選択的に結合する抗体またはその免疫活性断片である。代表的なアルファ−4インテグリン抗体は、当該技術分野において知られており、例えば、(1)米国特許第5,168,062号、米国特許第5,385,839号、米国特許第5,730,978号、米国特許第5,840,299号、米国特許第6,033,665号、および米国特許第6,602,503号に開示されているナタリズマブ、(2)Biolegend(San Diego、CA)により製造されているCD49d抗体;ならびに(3)ラット抗マウスアルファ−4インテグリン抗体であるPS/2(PS/2ハイブリドーマは、ATCC(Rockville、MD)から入手可能である)を含む。アルファ−4インテグリン抗体の限定されない例は、米国特許第5,565,332号、米国特許第5,733,743号、米国特許第5,837,242号、米国特許第5,858,657号、米国特許第5,871,734号、米国特許第5,871,907号、米国特許第5,872,215号、米国特許第5,885,793号、米国特許第5,888,507号、米国特許第5,932,214号、米国特許第5,969,108号、米国特許第6,140,471号、米国特許第6,172,197号、米国特許第6,180,336号、米国特許第6,225,447号、および米国特許第7,176,184号に開示されているものを含む。
一実施形態において、アルファ−4インテグリン阻害剤は、モノクローナル抗体であってもよい。別の実施形態において、抗体は、例えばペグ化により、化学的に修飾されていてもよい。さらに、当該技術分野において利用可能な技術を使用して、他の抗体が同定され得る。例えば、アルファ−4インテグリンに特異的に結合することができる抗体は、ファージディスプレイ技術を使用して生成することができる。次いで、アルファ−4インテグリンまたはアルファ−4インテグリンを含む二量体に選択的に結合する抗体断片を単離することができる。ファージディスプレイによりそのような抗体を生成するための例示的方法は、例えば、米国特許第6,225,447号に開示されている。
モノクローナル抗体もまた、従来のハイブリドーマ方法を使用して生成することができる。これらの方法は、多くの特異的抗体に対する高レベルのモノクローナル抗体を分泌するハイブリッド細胞株を生成するために広く適用されており、また、アルファ−4インテグリンに特異的に結合することができるモノクローナル抗体を生成するために使用することもできる。例えば、マウス(例えば、Balb/cマウス)は、腹腔内注射により抗原性アルファ−4インテグリンエピトープで免疫化することができる。免疫反応を生じさせるのに十分な時間が経過した後、マウスを致死させ、当該技術分野において周知の技術を使用して、脾臓細胞を採取して骨髄腫細胞と融合させる。次いで、得られた融合細胞、ハイブリドーマを、選択培地中で成長させ、限界希釈条件を使用して、そのような培地中で生存細胞を成長させる。クローニングおよび再クローニングの後、標的アルファ−4インテグリンまたはアルファ−4インテグリンを含む二量体に選択的に結合する抗体(例えば、IgGもしくはIgMクラスまたはIgG1サブクラス)を分泌するために、ハイブリドーマを単離することができる。次いで、人間に対する使用に特定した薬剤を生成するために、単離されたモノクローナルを使用して、キメラおよびヒト化抗体を生成することができる。
アルファ−インテグリン抗体として使用することができる抗体は、これらに限定されないが、ポリクローナル、モノクローナル、多特異的、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体、単鎖抗体(例えば、scFv)、Fab断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーから生成された断片、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本実施形態の抗体に対する抗Id抗体)、および上述のいずれかのエピトープ結合断片を含む。典型的には、抗体は、これらに限定されないが、Fab、Fab’およびF(ab’)2、Fd、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、ジスルフィド連結Fvs(sdFv)、ならびにVLまたはVHドメインを含む断片を含む、ヒト抗原結合性抗体断片である。単鎖抗体を含む抗原結合性抗体断片は、可変領域(複数を含む)を、単独で、または、ヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3ドメインの全てもしくは一部と組み合わせて含んでもよい。また、可変領域(複数を含む)とヒンジ領域、CH1、CH2、およびCH3ドメインとの任意の組み合わせを含み得る抗原結合性断片も含まれる。抗体は、鳥および哺乳動物を含む任意の動物起源であってもよい。典型的には、抗体は、ヒト、ネズミ(例えば、マウスおよびラット)、ロバ、ヒツジ、サル、ウサギ、ヤギ、モルモット、ブタ、ラクダ、ウマ、またはニワトリ(もしくは他の鳥類)である。本明細書で使用される場合、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、例えば米国特許第5,939,598号に記載のように、ヒト免疫グロブリンライブラリーから、または1つ以上のヒト免疫グロブリンで遺伝子組み換えされた、内因性の免疫グロブリンを発現しない動物から単離された抗体を含む。
キメラおよびヒト化抗体は、非ヒト抗体から生成することができ、キメラおよびヒト化抗体が生成される抗体と同じまたは同様の結合親和性を有することができる。キメラ抗体を生成するための技術(Morrison et al., 1984 Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 81: 6851;Neuberger et al., 1984 Nature 312: 604;Takeda et al., 1985 Nature 314: 452)は、例えば、適切な抗原特異性のマウス抗体分子からの遺伝子と、適切な生物活性のヒト抗体分子からの遺伝子との接合を含む。例えば、マウスモノクローナル抗体の可変(V)領域をコード化する核酸を、ヒト定常(C)領域、例えば、IgG1またはIgG4をコード化する核酸に結合させることができる。したがって、得られた抗体は、ハイブリッド種であり、一般に、非ヒト抗体からの抗原結合ドメインと、ヒトまたは霊長類抗体からのCまたはエフェクタードメインとを有する。
ヒト化抗体は、主としてヒト抗体(すなわち、受容体抗体)からの可変領域を有するが、実質的に非ヒト抗体(ドナー抗体)からの相補性決定領域を有する抗体である。例えば、Queen et al., Proc. Nat’l. Acad. Sci USA 86: 10029−10033(1989);WO90/07861、米国特許第7,435,802号、米国特許第6,054,297号;米国特許第5,693,761号;米国特許第5,585,089号;米国特許第5,530,101号;および米国特許第5,224,539号を参照されたい。これらの抗体の定常領域(複数を含む)も、一般に、ヒト抗体からのものである。ヒト可変領域は、典型的には、所望の非ヒト可変領域結合ドメインとの高いホモロジーを示す配列を有するヒト抗体から選択される。重鎖および軽鎖可変残基は、同じ抗体、または異なるヒト抗体から誘導され得る。さらに、配列は、例えばWO92/22653に記載のようにいくつかのヒト抗体のコンセンサスとして選択され得る。
「Primatized(商標)抗体」は、霊長類可変配列または抗原結合部分、およびヒト定常ドメイン配列を含有する組み換え抗体である。例えば、Newman, Bio/Technology, 1992, 10: 1455−60を参照されたい。抗体の霊長類化は、サル可変ドメインおよびヒト定常配列を含有する抗体の生成をもたらす。例えば、米国特許第6,113,898号を参照されたい。この技術は、抗原性であるために人間への投与後に拒絶されないように、抗体を改質するものである。この技術は、ヒト抗原または受容体によるカニクイザルの免疫化に依存している。この技術は、ヒト細胞表面抗原に向かう高親和性モノクローナル抗体を形成するために開発された。
予測される立体構造および抗原結合特性に基づいて、ヒト可変領域内の特定のアミノ酸が置換用に選択される。これは、コンピュータモデリング、可変領域内のある特定の場所におけるアミノ酸の挙動および結合特性の予測、ならびに置換の効果の観察等の技法を使用して決定され得る。例えば、非ヒト可変領域とヒト可変領域との間でアミノ酸が異なる場合、ヒト可変領域は、非ヒト可変領域のアミノ酸組成を反映するように改変され得る。特定の実施形態において、長期投薬計画において使用される抗体は、米国特許第5,840,299号において開示されているように、ヒト化抗体である。別の実施形態において、抗原性アルファ−4インテグリン構造によりヒト抗体を含有する形質転換マウスを免疫化することができ、ハイブリドーマ技術を使用して、アルファ−4インテグリンに選択的に結合するヒト抗体を生成することができる。
キメラ、ヒト、霊長類化、および/またはヒト化抗体は、組み換え発現、例えば、ヒトハイブリドーマ(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77(1985))、骨髄腫細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における発現を使用して生成することができる。代替として、形質転換動物のゲノムへの導入、続いて形質転換動物の母乳における発現のために抗体コード化配列を導入遺伝子内に組み込むことができる。例えば、米国特許第6,197,946号を参照されたい。好適な導入遺伝子は、乳腺特異的遺伝子からのプロモーターおよび/またはエンハンサー、例えばカゼインまたはβ−ラクトグロブリンを有する導入遺伝子を含む。
2.2. 小分子
2.2. 小分子
本実施形態における使用のための小分子は、50ダルトンを超え約4,000ダルトン未満の分子量を有する化合物を包含し得る。代替として、これらの化合物は、より長い半減期、改善された組織透過性、および改善された溶解度等、化合物の様々な特性を改善するために、共有結合したポリエチレングリコールポリマー鎖を有してもよい(すなわちペグ化)。したがって、ペグ化複合体は、約40キロダルトン(kDa)の分子量を有してもよい。アルファ−4インテグリン阻害剤は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含み、アミン、カルボニル、ヒドロキシル、またはカルボキシル基、典型的には官能性化学基の少なくとも2つを含んでもよい。アルファ−4インテグリン阻害剤は、多くの場合、上述の官能基の1つ以上で置換された、環式炭素もしくはヘテロ環式構造および/または芳香族もしくは多環芳香族構造を含む。アルファ−4インテグリン阻害剤は、これらに限定されないが、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的アナログ、またはこれらの組み合わせを含み得る。アルファ−4インテグリン阻害剤の限定されない例は、例えば、米国特許第5,998,447号(ヘテロ環)、米国特許第6,034,238号(ヘテロ環式化合物)、米国特許第6,331,552号(置換イミダゾリジン)、米国特許第6,399,643号(スピロイミダゾリジン誘導体)、米国特許第6,423,712号(2,4−置換イミダゾリジン誘導体)、米国特許第6,514,952号(ヒダントイン誘導体)、米国特許第6,521,654号(置換イミダゾリジン誘導体)、米国特許第6,667,331号(非ペプチジル化合物)、米国特許第6,667,334号(イミダゾリジン誘導体)、米国特許第6,668,527号(非ペプチジル化合物)、米国特許第6,680,333号(イミダゾリジン誘導体)、米国特許第6,756,378号、米国特許第6,759,424号(イミダゾリジン誘導体)、米国特許第6,838,439号(異質細胞)、米国特許第6,903,128号(非ペプチジル化合物)、米国特許第6,962,937号(イミダゾリジン誘導体)、米国特許第7,179,819号、および米国特許第7,196,112号に記載されている。いくつかの代表的な小分子アルファ−4インテグリン阻害剤を、図1に示す。
2.3. 抗アルファ−4インテグリンペプチド
2.3. 抗アルファ−4インテグリンペプチド
本実施形態はまた、アルファ−4インテグリンまたはアルファ−4サブユニットを含む二量体に結合することができる任意のペプチドを含む。標的化される特定のアルファ−4インテグリン受容体(複数を含む)の細胞外マトリックスまたは天然リガンドの領域に実質的に相同性のペプチドが含まれる。例えば、アルファ−4ベータ−1受容体の長期阻害の場合、フィブロネクチンIIICS領域の少なくとも一部を含むペプチド(例えば、CS−1ペプチド配列またはCS−1配列と実質的に相同性の配列の少なくとも一部を含むペプチド)を使用して、受容体に結合してアルファ−4含有インテグリンの活性を阻害することができる。例えば、米国特許第7,238,668号を参照されたい。
3. 病的または慢性炎症に関連した疾患を処置するための、アルファ−4インテグリン阻害剤の使用
3. 病的または慢性炎症に関連した疾患を処置するための、アルファ−4インテグリン阻害剤の使用
アルファ−4インテグリン阻害剤は、アルファ−4−依存性相互作用を阻止することにより、病的または慢性炎症に関連した様々な疾患を処置するために使用することができる。内皮細胞上のVCAM−1リガンドとのアルファ−4−依存性相互作用は、中枢神経系のものを含む、多くの炎症反応における初期事象である。炎症からもたらされる、ならびに急性および/または慢性臨床症状悪化を有する望ましくない疾患および状態は、多発性硬化症(Yednock et al., 1992 Nature 356: 63;Baron et al., 1993 J. Exp. Med. 117: 57)、髄膜炎、脳炎、脳卒中、他の脳外傷、潰瘍性大腸炎およびクローン病(CD)を含む炎症性腸疾患(IBD)(Hamann et al., 1994 J. Immunol. 152: 3238; Podolsky et al., 1993 J. Clin. Invest. 92: 372)、関節リウマチ(van Dinther−Janssen et al., 1991 J. Immunol. 147: 4207; van Dinther−Janssen et al., 1993 Annals Rheumatic Diseases 52: 672; Elices et al., 1994 J. Clin. Invest. 93: 405;Postigo et al., 1992 J. Clin. Invest. 89: 1445)、喘息(Mulligan et al., 1993 J. Immunol. 150: 2407)および急性若年発症糖尿病(1型)(Yang et al., 1993 Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 90: 10494; Burkly et al., 1994 Diabetes 43: 529; Baron et al., 1994 J. Clin. Invest. 93: 1700)、AIDS誘導性認知症(Sasseville et al., 1994 Am. J. Path. 144: 27)、アテローム性動脈硬化(Cybulsky et al., 1991 Science 251: 788−91、Li et al., 1993 Arterioscler. Thromb. 13: 197)、腎炎(Rabb et al., 1995 Springer Semin. Immunopathol. 16: 417−25)、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、ならびに成人呼吸窮迫症候群において生じるような急性白血球媒介肺障害を含む。
炎症性腸疾患は、クローン病(CD)および潰瘍性大腸炎と呼ばれる2つの類似した疾患に対する総称である。CDは、肉芽腫性炎症反応による、明確に区切られた、および典型的には腸壁の全ての層の貫壁性の関与を特徴とする、特発性の慢性潰瘍収縮性炎症性疾患である。口腔から肛門までの消化管のいかなる区分も関与し得るが、疾患は、最も一般的には、回腸末端および/または結腸に影響する。潰瘍性大腸炎は、主として結腸粘膜および粘膜下層に限定された炎症反応である。リンパ球およびマクロファージは、炎症性腸疾患の病変において非常に多く、炎症性損傷に寄与し得る。
喘息は、気管支気道の発作性収縮を高める、様々な刺激に対する気管気管支樹の反応性の増加を特徴とする疾患である。刺激は、ヒスタミン、好酸球および好中球走化因子、ロイコトリエン、プロスタグランジン、および血小板活性化因子を含む、IgE被覆マスト細胞からの炎症の様々なメディエーターの放出を引き起こす。これらの因子の放出は、好塩基球、好酸球および好中球を動員し、これが炎症性損傷を引き起こす。
アテローム性動脈硬化は、動脈(例えば、冠動脈、頸動脈、大動脈および腸骨動脈)の疾患である。基礎病変であるアテロームは、脂質のコアおよび被覆する線維性被膜を有する、内膜内の隆起した限局性の斑からなる。アテロームは、動脈血流を悪化させ、罹患した動脈を弱める。心筋梗塞および脳梗塞は、この疾患の重大な結果である。マクロファージおよび白血球は、アテロームに動員され、炎症性損傷に寄与する。
関節リウマチは、主として関節の障害および破壊を引き起こす、慢性の再発性炎症性疾患である。関節リウマチは、通常、まず手および足の小関節に作用するが、次いで手首、肘、足首、および膝に影響し得る。関節炎は、滑膜細胞と、関節の滑膜表層への循環から浸潤する白血球との相互作用からもたらされる。例えば、Paul, Immunology 3rd ed., Raven Press, 1993を参照されたい。
アルファ−4インテグリン阻害剤は、臓器または移植片拒絶反応の処置において使用することができる。近年にわたって、皮膚、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、および骨髄等の組織および臓器の移植のための手術手技の効率が、著しく改善されてきている。おそらく、突出した主な問題は、移植された同種移植片または臓器に対する被移植者における免疫トレランスを誘導するための十分な薬剤がないことである。同種異系細胞または臓器が宿主に移植される(すなわち、ドナーおよび受容者が、同じ種からの異なる個体である)場合、宿主免疫システムは、移植物における外来抗原に対して免疫反応を開始し(移植片対宿主病)、移植された組織の破壊をもたらす可能性がある。CD8+細胞、CD4+細胞、および単球は、全て移植組織の拒絶に関与する。中でも、アルファ−4インテグリンに向かう抗体は、受容者における同種抗原誘導性免疫反応を阻止し、それによりそのような細胞が移植された組織または臓器の破壊に関与するのを防止するのに有用である。例えば、Paul et al., 1996 Transplant International 9: 420−425; Georczynski et al., 1996 Immunol. 87: 573−580); Georcyznski et al., 1995 Transplant. Immunol. 3: 55−61; Yang et al., 1995 Transplantation 60: 71−76;およびAnderson et al., 1994 APMIS 102: 23−27を参照されたい。アルファ−4インテグリン阻害剤の関連した使用は、「移植片対宿主」病(GVHD)に関与する免疫反応の調節である。例えば、Schlegel et al., J. Immunol. 155: 3856−3865(1995)を参照されたい。GVHDは、免疫適格細胞が同種異系被移植者に移される場合に生じる、潜在的に致死的な疾患である。この状況において、ドナーの免疫適格細胞は、被移植者における組織を攻撃し得る。皮膚、消化管上皮、および肝臓の組織が頻繁に標的となり、GVHDの過程で破壊され得る。この疾患は、骨髄移植等、免疫組織が移植されている場合に特に重篤な問題を呈するが、心臓および肝臓移植を含む他の症例において、より重篤でないGVHDもまた報告されている。アルファ−4インテグリン阻害剤は、中でも、ドナーT細胞の活性化を阻止し、それにより、その宿主における標的細胞を溶解する能力に干渉するために使用される。
アルファ−4インテグリン阻害剤は、腫瘍転移の阻害において有用となり得る。いくつかの腫瘍細胞は、アルファ−4インテグリンを発現することが報告されており、アルファ−4インテグリンに対する抗体は、そのような細胞の内皮細胞への接着を阻止することが報告されている。例えば、Steinback et al., 1995 Urol. Res. 23: 175−83; Orosz et al., 1995 Int. J. Cancer 60: 867−71; Freedman et al., 1994 Leuk Lymphoma 13: 47−52;およびOkahara et al., 1994 Cancer Res. 54: 3233−6を参照されたい。
アルファ−4インテグリン阻害剤は、多発性硬化症の処置において有用となり得る。多発性硬化症(MS)は、米国内において推定250,000人から350,000人が罹患する、進行性の自己免疫性神経疾患である。多発性硬化症は、ある特定の白血球が、神経線維を被覆する絶縁性シースであるミエリンを攻撃してその破壊を開始する、特定の自己免疫反応の結果と考えられている。多発性硬化症の動物モデルにおいて、アルファ−4ベータ−1インテグリンに対するマウスモノクローナル抗体は、白血球の内皮への接着を阻止し、したがって動物における中枢神経系の炎症および後の麻痺を防止することが示されている。MSの発症は、劇的であるか、または、患者に医学的な配慮の必要性を感じさせないほど穏やかとなり得る。最も一般的な症状は、1本以上の手足の弱体化、視神経炎による視覚的なぼやけ、知覚障害、複視、および運動失調を含む。疾患の経過は、(1)再発性MS、(2)慢性進行性MS、および(3)不活性MSの3つの一般的なカテゴリーに階層化され得る。再発性MSは、神経機能障害の反復性の発作を特徴とする。MSの発作は、一般に、数日から数週間にわたり発生し、続いて完全もしくは部分的に回復する可能性があり、または回復しない可能性がある。発作からの回復は、一般に、症状のピークから数週間から数ヶ月で生じるが、稀に2年以上回復が継続することもあり得る。慢性進行性MSは、安定化または沈静の期間を伴わずに徐々に進行する悪化をもたらす。この形態は、再発性MSの既往歴を有する患者において発達するが、患者の20%においては、再発は認められない。急性の再発は、進行性の経過中に生じ得る。第3の形態は、不活性MSである。不活性MSは、様々な大きさの一定の神経学的欠損を特徴とする。不活性MSに罹患したほとんどの患者は、以前に再発性MSの病歴を有する。MSの経過はまた、患者の年齢に依存する。例えば、有利な予後因子は、早期の発症(小児期を除く)、再発性の経過および発症から5年間後遺障害がほとんどないことである。一方、不良な予後は、高齢期での発症(すなわち、40歳以上)および進行性の経過に関連する。慢性進行性MSは、再発性MSよりも高齢で生じる傾向があるため、これらの変数は相互依存的である。慢性進行性MSからの障害は、通常、個々の患者における進行性対麻痺または四肢麻痺によるものである。
アルファ−4インテグリン阻害剤は、急性および慢性炎症に対して、効果的な量の他の治療薬剤と共に使用されてもよい。そのような薬剤は、接着分子の他の拮抗薬(例えば、他のインテグリン、セレクチン、および免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのメンバー)を含む。例えば、Springer, 1990 Nature 346: 425−433; Osborn, 1990 Cell 62: 3; Hynes, 1992 Cell 9: 11を参照されたい。アルファ−4インテグリン阻害剤と組み合わせて使用され得る他の抗炎症薬剤は、サイトカインの抗体および他の拮抗薬、例えばインターロイキンIL−1からIL−13、腫瘍壊死因子αおよびβ、インターフェロンα、βおよびγ、腫瘍成長因子ベータ(TGF−β)、コロニー刺激因子(CSF)ならびに顆粒球単球コロニー刺激因子(GM−CSF)を含む。他の抗炎症薬剤はまた、MCP−1、MIP−1α、MIP−1β、RANTES、エキソタキシン(exotaxin)、およびIL−8等のケモカインの抗体および他の拮抗薬を含み得る。他の抗炎症薬剤は、さらに、NSAIDS、ステロイド、および炎症の他の小分子阻害剤を含み得る。
4. 自己免疫性疾患を処置するための、アルファ−4インテグリン阻害剤の使用
4. 自己免疫性疾患を処置するための、アルファ−4インテグリン阻害剤の使用
アルファ−4インテグリン阻害剤はまた、様々な自己免疫性疾患を処置するために使用することができる。本明細書における自己免疫性疾患は、個体自身の組織から生じ、またそれに対して特定的な疾患もしくは障害、またはそれらの同時分離したもの(co−segregate)、または発現であるか、あるいは、それらから生じる状態である。自己免疫性疾患または障害の例は、これらに限定されないが、関節炎(関節リウマチ、例えば急性関節炎、慢性関節リウマチ等、痛風または痛風関節炎、急性痛風関節炎、急性免疫性関節炎、慢性炎症性関節炎、変性性関節炎、II型コラーゲン誘導関節炎、感染性関節炎、ライム病関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、スティル病、脊椎関節炎、および若年発症関節リウマチ、骨関節炎、慢性進行性関節炎、変形関節炎、原発性慢性多発性関節炎、反応性関節炎、および強直性脊椎炎)、炎症性過剰増殖性皮膚疾患、乾癬、例えば尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、および爪の乾癬等、アトピー(アトピー性疾患、例えば枯草熱およびヨブ症候群等を含む)、皮膚炎(接触皮膚炎、慢性接触皮膚炎、剥脱性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、疱疹状皮膚炎、貨幣状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、非特異的皮膚炎、一次刺激性接触皮膚炎、およびアトピー性皮膚炎を含む)、X連鎖高IgM症候群、アレルギー性眼内炎症性疾患、蕁麻疹、例えば慢性アレルギー性蕁麻疹および慢性特発性蕁麻疹等(慢性自己免疫性蕁麻疹を含む)、筋炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、若年性皮膚筋炎、中毒性表皮剥離症、強皮症(全身性強皮症を含む)、
硬化症、例えば全身性硬化症、多発性硬化症(MS)(例えば脊椎−眼MS、一次進行型MS(PPMS)、および再発寛解型MS(RRMS)等)、進行性全身性硬化症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、播種性硬化症、失調性硬化症等、視神経脊髄炎(NMO)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、自己免疫媒介消化器疾患、大腸炎、例えば潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)、潰瘍性大腸炎(colitis ulcerosa)、顕微鏡的大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、ポリープ性大腸炎(colitis polyposa)、壊死性大腸炎、および全層性大腸炎等、ならびに自己免疫性炎症性腸疾患)、腸炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、原発性硬化性胆管炎、呼吸窮迫症候群(成人または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む)、髄膜炎、ブドウ膜の全てまたは一部の炎症、虹彩炎、脈絡膜炎、自己免疫性血液障害、リウマチ性脊椎炎、リウマチ性滑膜炎、遺伝性血管浮腫、髄膜炎の場合のような脳神経損傷、妊娠性疱疹、妊娠性類天疱瘡、陰嚢掻痒、自己免疫性早発閉経、自己免疫性状態に起因する突発性難聴、IgE媒介疾患、例えば、アナフィラキシーならびにアレルギー性およびアトピー性鼻炎等、脳炎、例えば、ラスムッセン脳炎ならびに辺縁系および/または脳幹脳炎等、ブドウ膜炎、例えば、前部ブドウ膜炎、急性前部ブドウ膜炎、肉芽腫性ぶどう膜炎、非肉芽腫性ブドウ膜炎、水晶体抗原性ブドウ膜炎(phacoantigenic uveitis)、後部ブドウ膜炎、または自己免疫性ブドウ膜炎等)、ネフローゼ症候群を伴う、および伴わない糸球体腎炎(GN)、例えば慢性または急性糸球体腎炎(例えば原発性GN、免疫媒介GN、膜性GN(膜性腎症)、特発性膜性GNまたは膜性腎症、I型およびII型を含む膜様もしくは膜性増殖性GN(MPGN)等)、ならびに急速進行性GN等、増殖性腎炎、自己免疫性多腺性内分泌不全、亀頭炎(形質細胞限局性亀頭炎、亀頭包皮炎を含む)、遠心性環状紅斑、色素異常性固定性紅斑、多形紅斑、環状肉芽腫、光沢苔癬、硬化性萎縮性苔癬、慢性単純性苔癬、棘状苔癬、扁平苔癬、葉状魚鱗癬、表皮剥離性角質増殖症、前性角化症、壊疽性膿皮症、アレルギー状態および反応、アレルギー反応、湿疹(アレルギー性またはアトピー性湿疹、乾皮性湿疹、発汗異常性湿疹、および小水疱性掌蹠湿疹(vesicular palmoplanar eczema)を含む)、喘息、例えば、気管支喘息(asthma bronchiale)、気管支喘息(bronchial asthma)、および自己免疫性喘息等、T細胞の浸潤が関与する状態および慢性炎症反応,妊娠中の胎児A−B−O血液型等の外来抗原に対する免疫反応、慢性炎症性肺疾患、自己免疫性心筋炎、白血球接着不全症、ループス(ループス腎炎、ループス脳炎、小児ループス、非腎性ループス(non−renal lupus)、腎外性ループス(extra−renal lupus)、円板状ループスおよび円板状紅斑性狼瘡、脱毛性ループス(alopecia lupus)を含む)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、例えば皮膚SLEまたは亜急性皮膚SLE等、新生児エリテマトーデス症候群(NLE)、および播種性紅斑性狼瘡、若年性発症型(I型)真性糖尿病(小児インスリン依存性糖尿病真性(IDDM)を含む)、成人発症型真性糖尿病(II型糖尿病)、自己免疫性糖尿病、特発性尿崩症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性大動脈障害、サイトカインおよびTリンパ球によって媒介される急性および遅延性の過敏症に関連した免疫反応、結核、サルコイドーシス、肉芽腫症(リンパ腫様肉芽腫症、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、顆粒球減少症、血管炎(血管炎、大血管炎(リウマチ性多発筋痛症および巨細胞性(高安)動脈炎を含む)、中血管炎(川崎病および結節性多発性動脈炎/結節性動脈周囲炎を含む)、顕微鏡的多発動脈、免疫性血管炎(immunovasculitis)、CNS血管炎、皮膚血管炎、過敏性血管炎、壊死性血管炎、例えば、全身性壊死性血管炎等、ならびにANCA関連血管炎、例えば、チャーグ・ストラウス血管炎もしくは症候群(CSS)およびANCA関連小血管炎等を含む)、側頭動脈炎、再生不良性貧血、自己免疫性再生不良性貧血、クームス陽性貧血、ダイアモンドブラックファン貧血、溶血性貧血または免疫性溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を含む)、悪性貧血(pernicious anemia)(悪性貧血(anemia perniciosa))、アジソン病、赤芽球ろう(pure red cell anemiaまたはpure red cell aplasia(PRCA))、第VIII因子欠乏症、血友病A、自己免疫性好中球減少症、汎血球減少症、白血球減少症、白血球漏出に関与する疾患、CNS炎症性障害、多臓器障害症候群、例えば敗血症、外傷または出血に続発する症候群等、抗原抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜疾患、抗リン脂質抗体症候群、アレルギー性神経炎、ベーチェット病/症候群、キャッスルマン症候群、グッドパスチャー症候群、レイノー症候群、シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、類天疱瘡、例えば水疱性類天疱瘡(pemphigoid bullous)および皮膚類天疱瘡(skin pemphigoid)等、天疱瘡(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、天疱瘡粘膜類天疱瘡(pemphigus mucus−membrane pemphigoid)および天疱瘡エリテマトーデスを含む)、自己免疫性多腺性内分泌障害、ライター病または症候群、熱傷、子癇前症、免疫複合体障害、例えば免疫複合体腎炎等、抗体媒介性腎炎、多発ニューロパシー、慢性ニューロパシー、例えばIgM多発ニューロパシーまたはIgM媒介性ニューロパシー等、血小板減少症(例えば、心筋梗塞患者が発症するもの等)(血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、輸血後紫斑病(PTP)、ヘパリン誘発性血小板減少症および自己免疫性または免疫介在性血小板減少症、例えば慢性または急性のITPをはじめとした特発性血小板減少性紫斑病(ITP)等を含む)、強膜炎、例えば特発性角膜強膜炎等、上強膜炎、精巣および卵巣の自己免疫疾患(自己免疫性の睾丸炎および卵巣炎を含む)、原発性甲状腺機能低下、副甲状腺機能低下症、自己免疫性内分泌疾患(甲状腺炎、例えば自己免疫性甲状腺炎、橋本病、慢性甲状腺炎(橋本甲状腺炎)または亜急性甲状腺炎等、自己免疫性甲状腺疾患、特発性甲状腺機能低下、グレーブス病を含む)、多腺症候群、例えば自己免疫性多腺症候群(または多腺性内分泌障害症候群)、腫瘍随伴症候群(神経性腫瘍随伴症候群症候群、例えばランバート・イートン筋無力症症候群またはイートン・ランバート症候群、スティフマンまたはスティフパーソン症候群等を含む)、脳脊髄炎、例えばアレルギー性脳脊髄炎(allergic encephalomyelitis)またはアレルギー性脳脊髄炎(encephalomyelitis allergica)および実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)等、重症筋無力症、例えば胸腺腫関連重症筋無力症等、小脳変性症、神経性筋強直症、眼球クローヌスまたは眼球クローヌスミオクローヌス症候群(OMS)および感覚性ニューロパシー、多巣性運動ニューロパシー、シーハン症候群、自己免疫性肝炎、慢性肝炎、ルポイド肝炎、巨細胞性肝炎、慢性活動性肝炎または自己免疫性慢性活動性肝炎、リンパ性間質性肺炎(LIP)、閉塞性細気管支炎(非移植)対NSIP、ギラン・バレー症候群、ベルガー病(IgA腎症)、特発性IgA腎症、線状IgA皮膚症、急性熱性好中球性皮膚症、角層下膿疱症、一過性棘融解性皮膚症、肝硬変、例えば原発性胆汁性肝硬変等、および肺硬変(pneumonocirrhosis)、自己免疫性腸症候群、セリアック(Celiac)またはセリアック(Coeliac)病、セリアックスプルー(グルテン性腸症)、難治性スプルー、特発性スプルー、クリオグロブリン血症、筋萎縮性側索硬化症(amylotrophic lateral sclerosis)(ALS;ルー・ゲーリッグ病)、冠状動脈疾患、自己免疫性耳疾患、例えば自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性聴力損失等、多発性軟骨炎、例えば難治性または再発性または再発性の多発性軟骨炎等、肺胞タンパク症、コーガン症候群/非梅毒性角膜実質炎、ベル麻痺、スイート病/症候群、自己免疫性酒さ(rosacea autoimmune)、帯状疱疹関連疼痛、アミロイドーシス、非癌性のリンパ球増加症、原発性のリンパ球増加症(モノクローナルB細胞リンパ球増加症(例えば、良性単クローン性高ガンマグロブリン血症(benign monoclonal gammopathy)および意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症、MGUS)を含む)、末梢神経障害、腫瘍随伴症候群、チャネル病(channelopathy)、例えば、癲癇、片頭痛、不整脈、筋障害、聴覚消失、失明、周期性麻痺およびCNSのチャネル病等、自閉症、炎症性筋障害、巣状糸球体硬化症もしくは分節状糸球体硬化症または巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)、内分泌性眼障害、網膜ブドウ膜炎、脈絡網膜炎、自己免疫性の肝臓病学的な障害、線維筋痛症、多内分泌不全、シュミット症候群、副腎炎、胃の萎縮症、初老期認知症、脱髄性疾患、例えば、自己免疫性脱髄性疾患および慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー等、ドレスラー症候群、円形脱毛症、全脱毛症、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー現象、食道運動障害、手指硬化症および毛細血管拡張症)、男性および女性の自己免疫性の不妊症、例えば、抗精子抗体に起因する不妊症、混合結合組織病、シャーガス病、リウマチ熱、反復流産、農夫肺、多形性紅斑、心術後症候群、クッシング症候群、愛鳥家肺、アレルギー性肉芽腫性血管炎、良性のリンパ球性血管炎、アルポート症候群、肺胞炎、例えば、アレルギー性肺胞炎および線維化肺胞炎等、間質性肺疾患、輸血反応、ハンセン病、マラリア、寄生虫病、例えば、リーシュマニア症、キパノソミアシス(kypanosomiasis)、住血吸虫症、回虫症、アスペルギルス症等、サムター症候群(Sampter’s syndrome)、カプラン症候群、デング熱、心内膜炎、心内膜心筋線維症、びまん性間質性肺線維症、間質性肺線維症、肺線維症、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、眼内炎、持久性隆起性紅斑(erythema elevatum et diutinum)、胎児赤芽球症、好酸球性筋膜炎(eosinophilic faciitis)、シャルマン症候群、フェルティ症候群、フィラリア症(flariasis)、毛様体炎、例えば、慢性毛様体炎、異時性毛様体炎、虹彩毛様体炎(急性もしくは慢性)またはフックス(Fuch’s)毛様体炎等、ヘノッホシェーンライン紫斑病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、SCID、後天性免疫不全症候群(AIDS)、
エコーウイルス感染、敗血症、内毒素血症、膵炎、甲状腺炎(thyroxicosis)、パルボウイルス感染、風疹ウイルス感染、ワクチン接種後症候群(post−vaccination syndrome)、先天性風疹感染、エプスタイン・バーウイルス感染、耳下腺炎、エヴァンズ症候群、自己免疫性の性腺機能不全、シデナム舞踏病、レンサ球菌感染後腎炎、閉塞性血栓性血管炎(thromboangitis ubiterans)、甲状腺中毒症、脊髄癆、脈絡膜炎(chorioiditis)、巨細胞性多発筋痛症(giant−cell polymyalgia)、慢性過敏性肺炎、乾性角結膜炎、流行性角結膜炎、特発性腎炎症候群、微小病変腎症(minimal change nephropathy)、良性の家族性および虚血−再灌流傷害、移植臓器の再灌流、網膜の自己免疫、関節の炎症、気管支炎、慢性閉塞性気道/肺疾患、珪肺症、アフタ、アフタ性口内炎、動脈硬化性障害、無精子発生(aspermiogenese)、自己免疫性溶血、ベック病、クリオグロブリン血症、デュピュイトラン拘縮、水晶体過敏性眼内炎(endophthalmia phacoanaphylactica)、アレルギー性腸炎(enteritis allergica)、らい性結節性紅斑、特発性顔面神経麻痺、慢性疲労症候群、リウマチ性熱(febris rheumatica)、ハマン−リッチ病、感覚神経性聴覚消失、発作性血色素尿症(haemoglobinuria paroxysmatica)、性腺機能低下症、限局性回腸炎(ileitis regionalis)、白血球減少症、伝染性単核球症(mononucleosis infectiosa)、横断性脊髄炎(traverse myelitis)、原発性特発性粘液水腫、ネフローゼ、交感神経性眼炎(ophthalmia symphatica)、肉芽腫性精巣炎(orchitis granulomatosa)、膵炎、急性多発神経根炎(polyradiculitis acuta)、壊疽性膿皮症、ケルヴァン甲状腺炎(Quervain’s thyreoiditis)、後天性の脾臓の萎縮(spenic atrophy)、非悪性胸腺腫、白斑、毒素性ショック症候群、食中毒、T細胞の浸潤に関わる状態、白血球接着不全、サイトカインおよびTリンパ球によって媒介される急性および遅延性の過敏症に関連した免疫反応、白血球漏出に関与する疾患、多臓器障害症候群、抗原抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜疾患、アレルギー性神経炎、自己免疫性の多腺性内分泌障害、卵巣炎、原発性粘液水腫、自己免疫性萎縮性胃炎、交感性眼炎、リウマチ性疾患、混合結合組織病、ネフローゼ症候群、膵島炎、多内分泌腺不全、自己免疫性多腺症候群I型、成人発症型特発性上皮小体機能低下症(AOIH)、心筋症、例えば拡張型心筋症等、後天性表皮水疱症(epidermolisis bullosa acquisita)(EBA)、ヘモクロマトーシス、心筋炎、ネフローゼ症候群、原発性硬化性胆管炎、化膿性または非化膿性の副鼻腔炎、急性または慢性の静脈洞炎、篩骨洞炎、前頭洞炎、上顎洞炎または蝶形骨洞炎、好酸球関連障害、例えば、好酸球増加症、肺浸潤好酸球増加症、好酸球増多筋痛症候群、レフラー症候群、慢性好酸球性肺炎、熱帯性肺好酸球増多症等、気管支肺炎アスペルギルス症、アスペルギルス腫または好酸球を含む肉芽腫、アナフィラキシー、血清反応陰性脊椎関節炎(seronegative spondyloarthritides)、多内分泌腺自己免疫疾患、硬化性胆管炎、強膜、上強膜、慢性粘膜皮膚カンジダ症、ブルトン(Bruton’s)症候群、一過性乳児低ガンマグロブリン血症、ウィスコット・オールドリッチ症候群、毛細血管拡張性運動失調症候群、血管拡張症、コラーゲン疾患に関連した自己免疫障害、リウマチ、神経疾患、リンパ節炎、血圧反応の低下、血管機能不全、組織損傷、心血管虚血、痛覚過敏、腎虚血、脳虚血および血管新生を伴う疾患、アレルギー性過敏性障害、糸球体腎炎、再灌流損傷、虚血再灌流障害、心筋または他の組織の再灌流損傷、リンパ腫気管気管支炎(lymphomatous tracheobronchitis)、炎症性皮膚病、急性の炎症性成分による皮膚病、多臓器不全、水疱性疾患、腎皮質壊死、急性化膿性髄膜炎またはその他の中枢神経系炎症性障害、眼球および眼窩の炎症性障害、顆粒球輸血関連症候群、サイトカイン誘導性の毒性、ナルコレプシー、急性の重篤な炎症、慢性で難治性の炎症、腎盂炎、動脈内の過形成(endarterial hyperplasia)、消化性潰瘍、弁膜炎ならびに子宮内膜症を含む。
5. 癌を処置するための、アルファ−4インテグリン阻害剤の使用
硬化症、例えば全身性硬化症、多発性硬化症(MS)(例えば脊椎−眼MS、一次進行型MS(PPMS)、および再発寛解型MS(RRMS)等)、進行性全身性硬化症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、播種性硬化症、失調性硬化症等、視神経脊髄炎(NMO)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、自己免疫媒介消化器疾患、大腸炎、例えば潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)、潰瘍性大腸炎(colitis ulcerosa)、顕微鏡的大腸炎、コラーゲン蓄積大腸炎、ポリープ性大腸炎(colitis polyposa)、壊死性大腸炎、および全層性大腸炎等、ならびに自己免疫性炎症性腸疾患)、腸炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、原発性硬化性胆管炎、呼吸窮迫症候群(成人または急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含む)、髄膜炎、ブドウ膜の全てまたは一部の炎症、虹彩炎、脈絡膜炎、自己免疫性血液障害、リウマチ性脊椎炎、リウマチ性滑膜炎、遺伝性血管浮腫、髄膜炎の場合のような脳神経損傷、妊娠性疱疹、妊娠性類天疱瘡、陰嚢掻痒、自己免疫性早発閉経、自己免疫性状態に起因する突発性難聴、IgE媒介疾患、例えば、アナフィラキシーならびにアレルギー性およびアトピー性鼻炎等、脳炎、例えば、ラスムッセン脳炎ならびに辺縁系および/または脳幹脳炎等、ブドウ膜炎、例えば、前部ブドウ膜炎、急性前部ブドウ膜炎、肉芽腫性ぶどう膜炎、非肉芽腫性ブドウ膜炎、水晶体抗原性ブドウ膜炎(phacoantigenic uveitis)、後部ブドウ膜炎、または自己免疫性ブドウ膜炎等)、ネフローゼ症候群を伴う、および伴わない糸球体腎炎(GN)、例えば慢性または急性糸球体腎炎(例えば原発性GN、免疫媒介GN、膜性GN(膜性腎症)、特発性膜性GNまたは膜性腎症、I型およびII型を含む膜様もしくは膜性増殖性GN(MPGN)等)、ならびに急速進行性GN等、増殖性腎炎、自己免疫性多腺性内分泌不全、亀頭炎(形質細胞限局性亀頭炎、亀頭包皮炎を含む)、遠心性環状紅斑、色素異常性固定性紅斑、多形紅斑、環状肉芽腫、光沢苔癬、硬化性萎縮性苔癬、慢性単純性苔癬、棘状苔癬、扁平苔癬、葉状魚鱗癬、表皮剥離性角質増殖症、前性角化症、壊疽性膿皮症、アレルギー状態および反応、アレルギー反応、湿疹(アレルギー性またはアトピー性湿疹、乾皮性湿疹、発汗異常性湿疹、および小水疱性掌蹠湿疹(vesicular palmoplanar eczema)を含む)、喘息、例えば、気管支喘息(asthma bronchiale)、気管支喘息(bronchial asthma)、および自己免疫性喘息等、T細胞の浸潤が関与する状態および慢性炎症反応,妊娠中の胎児A−B−O血液型等の外来抗原に対する免疫反応、慢性炎症性肺疾患、自己免疫性心筋炎、白血球接着不全症、ループス(ループス腎炎、ループス脳炎、小児ループス、非腎性ループス(non−renal lupus)、腎外性ループス(extra−renal lupus)、円板状ループスおよび円板状紅斑性狼瘡、脱毛性ループス(alopecia lupus)を含む)、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、例えば皮膚SLEまたは亜急性皮膚SLE等、新生児エリテマトーデス症候群(NLE)、および播種性紅斑性狼瘡、若年性発症型(I型)真性糖尿病(小児インスリン依存性糖尿病真性(IDDM)を含む)、成人発症型真性糖尿病(II型糖尿病)、自己免疫性糖尿病、特発性尿崩症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性大動脈障害、サイトカインおよびTリンパ球によって媒介される急性および遅延性の過敏症に関連した免疫反応、結核、サルコイドーシス、肉芽腫症(リンパ腫様肉芽腫症、ウェゲナー肉芽腫症を含む)、顆粒球減少症、血管炎(血管炎、大血管炎(リウマチ性多発筋痛症および巨細胞性(高安)動脈炎を含む)、中血管炎(川崎病および結節性多発性動脈炎/結節性動脈周囲炎を含む)、顕微鏡的多発動脈、免疫性血管炎(immunovasculitis)、CNS血管炎、皮膚血管炎、過敏性血管炎、壊死性血管炎、例えば、全身性壊死性血管炎等、ならびにANCA関連血管炎、例えば、チャーグ・ストラウス血管炎もしくは症候群(CSS)およびANCA関連小血管炎等を含む)、側頭動脈炎、再生不良性貧血、自己免疫性再生不良性貧血、クームス陽性貧血、ダイアモンドブラックファン貧血、溶血性貧血または免疫性溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を含む)、悪性貧血(pernicious anemia)(悪性貧血(anemia perniciosa))、アジソン病、赤芽球ろう(pure red cell anemiaまたはpure red cell aplasia(PRCA))、第VIII因子欠乏症、血友病A、自己免疫性好中球減少症、汎血球減少症、白血球減少症、白血球漏出に関与する疾患、CNS炎症性障害、多臓器障害症候群、例えば敗血症、外傷または出血に続発する症候群等、抗原抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜疾患、抗リン脂質抗体症候群、アレルギー性神経炎、ベーチェット病/症候群、キャッスルマン症候群、グッドパスチャー症候群、レイノー症候群、シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、類天疱瘡、例えば水疱性類天疱瘡(pemphigoid bullous)および皮膚類天疱瘡(skin pemphigoid)等、天疱瘡(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、天疱瘡粘膜類天疱瘡(pemphigus mucus−membrane pemphigoid)および天疱瘡エリテマトーデスを含む)、自己免疫性多腺性内分泌障害、ライター病または症候群、熱傷、子癇前症、免疫複合体障害、例えば免疫複合体腎炎等、抗体媒介性腎炎、多発ニューロパシー、慢性ニューロパシー、例えばIgM多発ニューロパシーまたはIgM媒介性ニューロパシー等、血小板減少症(例えば、心筋梗塞患者が発症するもの等)(血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、輸血後紫斑病(PTP)、ヘパリン誘発性血小板減少症および自己免疫性または免疫介在性血小板減少症、例えば慢性または急性のITPをはじめとした特発性血小板減少性紫斑病(ITP)等を含む)、強膜炎、例えば特発性角膜強膜炎等、上強膜炎、精巣および卵巣の自己免疫疾患(自己免疫性の睾丸炎および卵巣炎を含む)、原発性甲状腺機能低下、副甲状腺機能低下症、自己免疫性内分泌疾患(甲状腺炎、例えば自己免疫性甲状腺炎、橋本病、慢性甲状腺炎(橋本甲状腺炎)または亜急性甲状腺炎等、自己免疫性甲状腺疾患、特発性甲状腺機能低下、グレーブス病を含む)、多腺症候群、例えば自己免疫性多腺症候群(または多腺性内分泌障害症候群)、腫瘍随伴症候群(神経性腫瘍随伴症候群症候群、例えばランバート・イートン筋無力症症候群またはイートン・ランバート症候群、スティフマンまたはスティフパーソン症候群等を含む)、脳脊髄炎、例えばアレルギー性脳脊髄炎(allergic encephalomyelitis)またはアレルギー性脳脊髄炎(encephalomyelitis allergica)および実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)等、重症筋無力症、例えば胸腺腫関連重症筋無力症等、小脳変性症、神経性筋強直症、眼球クローヌスまたは眼球クローヌスミオクローヌス症候群(OMS)および感覚性ニューロパシー、多巣性運動ニューロパシー、シーハン症候群、自己免疫性肝炎、慢性肝炎、ルポイド肝炎、巨細胞性肝炎、慢性活動性肝炎または自己免疫性慢性活動性肝炎、リンパ性間質性肺炎(LIP)、閉塞性細気管支炎(非移植)対NSIP、ギラン・バレー症候群、ベルガー病(IgA腎症)、特発性IgA腎症、線状IgA皮膚症、急性熱性好中球性皮膚症、角層下膿疱症、一過性棘融解性皮膚症、肝硬変、例えば原発性胆汁性肝硬変等、および肺硬変(pneumonocirrhosis)、自己免疫性腸症候群、セリアック(Celiac)またはセリアック(Coeliac)病、セリアックスプルー(グルテン性腸症)、難治性スプルー、特発性スプルー、クリオグロブリン血症、筋萎縮性側索硬化症(amylotrophic lateral sclerosis)(ALS;ルー・ゲーリッグ病)、冠状動脈疾患、自己免疫性耳疾患、例えば自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性聴力損失等、多発性軟骨炎、例えば難治性または再発性または再発性の多発性軟骨炎等、肺胞タンパク症、コーガン症候群/非梅毒性角膜実質炎、ベル麻痺、スイート病/症候群、自己免疫性酒さ(rosacea autoimmune)、帯状疱疹関連疼痛、アミロイドーシス、非癌性のリンパ球増加症、原発性のリンパ球増加症(モノクローナルB細胞リンパ球増加症(例えば、良性単クローン性高ガンマグロブリン血症(benign monoclonal gammopathy)および意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症、MGUS)を含む)、末梢神経障害、腫瘍随伴症候群、チャネル病(channelopathy)、例えば、癲癇、片頭痛、不整脈、筋障害、聴覚消失、失明、周期性麻痺およびCNSのチャネル病等、自閉症、炎症性筋障害、巣状糸球体硬化症もしくは分節状糸球体硬化症または巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)、内分泌性眼障害、網膜ブドウ膜炎、脈絡網膜炎、自己免疫性の肝臓病学的な障害、線維筋痛症、多内分泌不全、シュミット症候群、副腎炎、胃の萎縮症、初老期認知症、脱髄性疾患、例えば、自己免疫性脱髄性疾患および慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー等、ドレスラー症候群、円形脱毛症、全脱毛症、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー現象、食道運動障害、手指硬化症および毛細血管拡張症)、男性および女性の自己免疫性の不妊症、例えば、抗精子抗体に起因する不妊症、混合結合組織病、シャーガス病、リウマチ熱、反復流産、農夫肺、多形性紅斑、心術後症候群、クッシング症候群、愛鳥家肺、アレルギー性肉芽腫性血管炎、良性のリンパ球性血管炎、アルポート症候群、肺胞炎、例えば、アレルギー性肺胞炎および線維化肺胞炎等、間質性肺疾患、輸血反応、ハンセン病、マラリア、寄生虫病、例えば、リーシュマニア症、キパノソミアシス(kypanosomiasis)、住血吸虫症、回虫症、アスペルギルス症等、サムター症候群(Sampter’s syndrome)、カプラン症候群、デング熱、心内膜炎、心内膜心筋線維症、びまん性間質性肺線維症、間質性肺線維症、肺線維症、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、眼内炎、持久性隆起性紅斑(erythema elevatum et diutinum)、胎児赤芽球症、好酸球性筋膜炎(eosinophilic faciitis)、シャルマン症候群、フェルティ症候群、フィラリア症(flariasis)、毛様体炎、例えば、慢性毛様体炎、異時性毛様体炎、虹彩毛様体炎(急性もしくは慢性)またはフックス(Fuch’s)毛様体炎等、ヘノッホシェーンライン紫斑病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、SCID、後天性免疫不全症候群(AIDS)、
エコーウイルス感染、敗血症、内毒素血症、膵炎、甲状腺炎(thyroxicosis)、パルボウイルス感染、風疹ウイルス感染、ワクチン接種後症候群(post−vaccination syndrome)、先天性風疹感染、エプスタイン・バーウイルス感染、耳下腺炎、エヴァンズ症候群、自己免疫性の性腺機能不全、シデナム舞踏病、レンサ球菌感染後腎炎、閉塞性血栓性血管炎(thromboangitis ubiterans)、甲状腺中毒症、脊髄癆、脈絡膜炎(chorioiditis)、巨細胞性多発筋痛症(giant−cell polymyalgia)、慢性過敏性肺炎、乾性角結膜炎、流行性角結膜炎、特発性腎炎症候群、微小病変腎症(minimal change nephropathy)、良性の家族性および虚血−再灌流傷害、移植臓器の再灌流、網膜の自己免疫、関節の炎症、気管支炎、慢性閉塞性気道/肺疾患、珪肺症、アフタ、アフタ性口内炎、動脈硬化性障害、無精子発生(aspermiogenese)、自己免疫性溶血、ベック病、クリオグロブリン血症、デュピュイトラン拘縮、水晶体過敏性眼内炎(endophthalmia phacoanaphylactica)、アレルギー性腸炎(enteritis allergica)、らい性結節性紅斑、特発性顔面神経麻痺、慢性疲労症候群、リウマチ性熱(febris rheumatica)、ハマン−リッチ病、感覚神経性聴覚消失、発作性血色素尿症(haemoglobinuria paroxysmatica)、性腺機能低下症、限局性回腸炎(ileitis regionalis)、白血球減少症、伝染性単核球症(mononucleosis infectiosa)、横断性脊髄炎(traverse myelitis)、原発性特発性粘液水腫、ネフローゼ、交感神経性眼炎(ophthalmia symphatica)、肉芽腫性精巣炎(orchitis granulomatosa)、膵炎、急性多発神経根炎(polyradiculitis acuta)、壊疽性膿皮症、ケルヴァン甲状腺炎(Quervain’s thyreoiditis)、後天性の脾臓の萎縮(spenic atrophy)、非悪性胸腺腫、白斑、毒素性ショック症候群、食中毒、T細胞の浸潤に関わる状態、白血球接着不全、サイトカインおよびTリンパ球によって媒介される急性および遅延性の過敏症に関連した免疫反応、白血球漏出に関与する疾患、多臓器障害症候群、抗原抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜疾患、アレルギー性神経炎、自己免疫性の多腺性内分泌障害、卵巣炎、原発性粘液水腫、自己免疫性萎縮性胃炎、交感性眼炎、リウマチ性疾患、混合結合組織病、ネフローゼ症候群、膵島炎、多内分泌腺不全、自己免疫性多腺症候群I型、成人発症型特発性上皮小体機能低下症(AOIH)、心筋症、例えば拡張型心筋症等、後天性表皮水疱症(epidermolisis bullosa acquisita)(EBA)、ヘモクロマトーシス、心筋炎、ネフローゼ症候群、原発性硬化性胆管炎、化膿性または非化膿性の副鼻腔炎、急性または慢性の静脈洞炎、篩骨洞炎、前頭洞炎、上顎洞炎または蝶形骨洞炎、好酸球関連障害、例えば、好酸球増加症、肺浸潤好酸球増加症、好酸球増多筋痛症候群、レフラー症候群、慢性好酸球性肺炎、熱帯性肺好酸球増多症等、気管支肺炎アスペルギルス症、アスペルギルス腫または好酸球を含む肉芽腫、アナフィラキシー、血清反応陰性脊椎関節炎(seronegative spondyloarthritides)、多内分泌腺自己免疫疾患、硬化性胆管炎、強膜、上強膜、慢性粘膜皮膚カンジダ症、ブルトン(Bruton’s)症候群、一過性乳児低ガンマグロブリン血症、ウィスコット・オールドリッチ症候群、毛細血管拡張性運動失調症候群、血管拡張症、コラーゲン疾患に関連した自己免疫障害、リウマチ、神経疾患、リンパ節炎、血圧反応の低下、血管機能不全、組織損傷、心血管虚血、痛覚過敏、腎虚血、脳虚血および血管新生を伴う疾患、アレルギー性過敏性障害、糸球体腎炎、再灌流損傷、虚血再灌流障害、心筋または他の組織の再灌流損傷、リンパ腫気管気管支炎(lymphomatous tracheobronchitis)、炎症性皮膚病、急性の炎症性成分による皮膚病、多臓器不全、水疱性疾患、腎皮質壊死、急性化膿性髄膜炎またはその他の中枢神経系炎症性障害、眼球および眼窩の炎症性障害、顆粒球輸血関連症候群、サイトカイン誘導性の毒性、ナルコレプシー、急性の重篤な炎症、慢性で難治性の炎症、腎盂炎、動脈内の過形成(endarterial hyperplasia)、消化性潰瘍、弁膜炎ならびに子宮内膜症を含む。
5. 癌を処置するための、アルファ−4インテグリン阻害剤の使用
アルファ−4インテグリン阻害剤はまた、癌を処置するために使用することができる。例えば、米国特許出願公開第20090312353号を参照されたい。癌という用語は、悪性腫瘍の一群を包含し、それぞれの臓器のそれぞれの癌は多くの部分集合からなる。典型的には、癌の診断の時点で、「癌」は、実際には、多様な遺伝子的、生化学的、免疫学的、および生物学的特徴を有する細胞の複数の下位集団からなる。
アルファ−4インテグリン阻害剤により処置される癌の種類は、アルファ−4インテグリンまたはそれらのリガンド(例えば、アルファ−4インテグリンのリガンドは、VCAM−1および/またはMAdCAM−1を含む)を示すものであってもよい。代表的な癌は、これらに限定されないが、血液悪性腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、および多発性骨髄腫(MM)を含む。白血病は、リンパ芽球性または骨髄性であってもよい。リンパ芽球性(またはリンパ球性)白血病は、リンパ球に影響する。骨髄性白血病は、骨髄球に影響する。
リンパ球腫瘍性疾患は、血清タンパク質電気泳動試験または末梢血フローサイトメトリーにおいて測定される、過剰に産生された抗体を測定することにより検出可能な、単一B細胞クローンの大幅な増殖を特徴とし得る。そのような増殖は「モノクローナル」と言われ、そのようなB細胞の群により産生されるモノクローナル抗体は、アミロイドーシスおよびループス等の病気をもたらす可能性があるか、または、原発の悪性腫瘍を示す可能性がある。クローン分析の概念は、例えばリンパ腫様皮膚病片の診断において、悪性腫瘍と密接に関連する。免疫B細胞の特定のクローンの増殖は、通常、臨床医学者により、癌の特質である無制限の細胞成長の証拠として解釈される。リンパ性白血病(またはリンパ球性白血病)は、リンパ組織に影響する白血病の種類である。これらの白血病は、一般に、クローナル(新生物)リンパ集団が成熟を停止した成熟の段階により分けられる(すなわち、急性リンパ芽球性白血病または慢性リンパ芽球性白血病)。
急性リンパ球性白血病としても知られる急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、白血球細胞の白血病の形態である。悪性の未熟白血球細胞が増殖し、骨髄において過剰産生される。その結果、正常細胞が骨髄から追い出され、他の臓器に転移する。「急性」は、循環リンパ球の未分化の未熟状態、および疾患の急速な進行を指し、これは、処置されないままだと数週間から数ヶ月で致命的となり得る。
慢性リンパ芽球性白血病(CLL;慢性リンパ性白血病としても知られる)は、B細胞に影響する。B細胞は、通常、骨髄を起源とし、リンパ節において成長する。CLLにおいて、B細胞のDNAは損傷しており、したがって細胞はもはや感染と戦うことがない。しかしながら、B細胞は成長を続け、健康な血液細胞を追い出す。したがって、CLLは、B細胞の異常新生増殖を特徴とする。
ほとんどの人々は、高い白血球細胞数を返す慣習的な血液試験の結果、症状なしで診断される。しかしながら、CLLは、進行すると、リンパ節、脾臓、および肝臓の腫脹をもたらし、結果的に貧血および感染症を引き起こす。早期CLLは処置されず、後期CLLは、化学治療およびモノクローナル抗体により処置される。生存は、5年から25年超まで変動する。
急性骨髄白血病としても知られる急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄白血球細胞株の癌であり、骨髄に蓄積して正常血液細胞の産生に干渉する異常細胞の急速な増殖を特徴とする。AMLの症状は、赤血球細胞、血小板、および正常白血球細胞の低下をもたらす正常骨髄の白血病細胞による置換により引き起こされる。これらの症状は、疲労、息切れ、あざができやすい、および出血しやすいこと、ならびに感染のリスクの増加を含む。急性白血病として、AMLは、急速に進行し、典型的には、処置されないままだと数週間または数ヶ月以内に致命的となる。
急性骨髄性白血病(AML)は、潜在的に治癒可能な疾患であるが、一般に、現在の治療法では患者のごく少数が治癒する。AMLは、まず、沈静を誘導することを目的とした化学治療により処置され得る。幾人かの患者は、さらに造血幹細胞移植を受けることができる。
慢性骨髄性白血病(CML)は、主に骨髄中の骨髄細胞の増加した、および制御されない成長、ならびに血液中のこれらの細胞の蓄積を特徴とする白血病の形態である。CMLは、成熟顆粒球(好中球、好酸球、および好塩基球)およびそれらの前駆体の増殖を引き起こす、クローナル骨髄細胞障害である。歴史的に、CMLは、化学治療、インターフェロンおよび骨髄移植で処置されている。
多発性骨髄腫(MM)は、典型的には骨髄を起源とし、骨格に関与する形質細胞の悪性増殖である。MMは、特定の関与部位および血漿タンパク質の形成の異常に起因し得る臨床的特徴を示す。状態は、通常、多くのびまん性病巣、または、様々な骨(特に頭蓋骨)の髄における(触診可能な骨の腫脹をもたらす)、および時折骨外部位における異常もしくは悪性形質細胞の結節性の蓄積を特徴とする。放射線検査を行うと、骨の病変は、特徴的な「穿孔性」の外観を有し得る。
骨髄腫に関与する細胞は、典型的には、異常タンパク質ならびに/または血清および尿中の異常タンパク質レベルを生じる。MMは、典型的には、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)から、多発性骨髄腫(MM)へのくすぶり型多発性骨髄腫(SMM)まで発達する。これらの状態の症状は、高カルシウム血症、腎機能不全、疲労、貧血、骨痛、特発性骨折、増加した感染頻度もしくは期間、または異常な尿の色もしくは匂いを含み得る。「Mスパイク」は、典型的に電気泳動ゲルにおける狭いバンドとして視認されるモノクローナルピーク、または免疫電気泳動法における異常なアークを指す。これは、単一の共通細胞を起源とするクローン細胞により産生される同種免疫グロブリン、例えば、単一クラスおよびサブクラスの重鎖、ならびに単一種類の軽鎖を特徴とするモノクローナル免疫グロブリン(Mタンパク質、モノクローナルタンパク質、およびより広範にはパラプロテインとも呼ばれる)の増殖を表す。
6. VCAM媒介疾患および高sVCAMレベルを有する疾患
6. VCAM媒介疾患および高sVCAMレベルを有する疾患
VCAM媒介疾患は、VCAMにより媒介される全ての疾患を含む。例えば、WO2010/053316号を参照されたい。VCAM媒介疾患の限定されない例は、癌、アレルギー反応、アテローム性動脈硬化、心臓血管疾患、HIV(ヒト免疫不全ウイルス、AIDS)疾患、関節炎、肺炎、高コレステロール血症(hypercholesterolemina)、敗血症、皮膚炎、乾癬、クローン病、嚢胞性線維症、移植後遅発性および慢性固形臓器拒絶反応、細胞または膵島移植拒絶反応、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、グレーブス病(Graves’ disease)、血栓症、炎症性腸疾患、自己免疫性糖尿病、糖尿病性網膜症、鼻炎、虚血−再灌流傷害、血管形成後の再狭窄、骨髄炎、風邪、インフルエンザウイルス疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糸球体腎炎、グレーブス病(Graves disease)、消化管アレルギー、鎌状赤血球疾患、ならびに結膜炎を含む。
さらに、sVCAMレベルは、様々な疾患および障害において増加した。例えば、WO2009/141786を参照されたい。これらの増加したsVCAMレベルを有する疾患および傷害の限定されない例は、鎌状赤血球疾患(SCD)、多発性骨髄腫、心臓血管疾患(アテローム性動脈硬化)、心筋梗塞、結腸直腸癌、ホジキン病、冠動脈疾患、アテローム硬化性動脈または胸部疾患、乳癌、デングウイルス感染症、出血熱、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、鎌状赤血球疾患を有する患者における腎機能(タンパク尿症)、子癇前症、子癇、アレルギー性接触皮膚炎、骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、卵巣癌、腎臓癌、膀胱癌、消化管癌、増殖性硝子体網膜症、糖尿病性網膜症、子宮内膜症、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、急性骨髄性白血病、高トリグリセリド血症、心臓移植、肺サルコイドーシス、脳卒中、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、II型糖尿病、心肺バイパス、敗血症、慢性腎不全、腎臓同種移植、グレーブス病、深部静脈血栓症、およびアレルギー性鼻結膜炎(アレルギー性鼻炎)を含む。
7. 炎症性疾患を処置するための標的としてのMAdCAM
7. 炎症性疾患を処置するための標的としてのMAdCAM
粘膜アドレシン細胞接着分子(MAdCAM)は、細胞接着受容体の免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。MAdCAMは、消化管の免疫学的監視における生理学的役割を果たすが、慢性胃腸管炎症の条件下で炎症性腸疾患において過剰なリンパ球溢出を促進すると思われる。MAdCAMに対するα4β7−陽性リンパ球の結合を阻害する抗体は、動物モデルにおいて、リンパ球の動員、組織溢出、炎症、および疾患の重傷度を低減することが示されている。抗MAdCAM抗体またはそれを含有する組成物は、様々な炎症性疾患の治療において有用であることが示唆されている。例えば、米国特許出願公開第2009/0238820号を参照されたい。抗MAdCAM抗体で処置され得る限定されない炎症性疾患は、クローン病、潰瘍性大腸炎、憩室疾患、胃炎、肝臓疾患、原発性胆管硬化症、硬化性胆管炎、腹膜炎、虫垂炎、胆道疾患、急性横断性脊髄炎、アレルギー性皮膚炎(例えば、アレルギー性皮膚、アレルギー性湿疹、皮膚アトピー、アトピー性湿疹、アトピー性皮膚炎、皮膚炎症、炎症性湿疹、炎症性皮膚炎、ノミ皮膚(flea skin)、粟粒性皮膚炎、粟粒性湿疹、イエダニ皮膚)、強直性脊椎炎(ライター症候群)、喘息、気道炎症、アテローム性動脈硬化、動脈硬化症、胆道閉鎖症、膀胱炎症、乳癌、心血管炎症(例えば、脈管炎、リウマチ性爪郭梗塞(rheumatoid nail−fold infarcts)、下腿潰瘍、多発性筋炎、慢性血管炎症、心膜炎、慢性閉塞性肺疾患)、慢性膵臓炎、神経周囲炎症、大腸炎(アメーバ性大腸炎、感染性大腸炎、細菌性大腸炎、クローン大腸炎、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎、特発性直腸炎、炎症性腸疾患、偽膜性大腸炎を含む)、膠原血管障害(collagen vascular disorder)(関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、進行性全身性硬化症、混合結合組織病、真性糖尿病)、クローン病(限局性腸炎、肉芽腫性回腸炎、回結腸炎、消化器系炎症)、脱髄疾患(脊髄炎、多発性硬化症、散在性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、静脈周囲脱髄、ビタミンB12欠乏症、ギラン・バレー症候群、MS関連レトロウイルスを含む)、皮膚筋炎、憩室炎、滲出性下痢、胃炎、肉芽腫性肝炎、肉芽腫性炎症、胆嚢炎、インスリン依存性真性糖尿病、肝臓炎症性疾患(肝臓線維症、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、硬化性胆管炎)、肺炎症(特発性肺線維症、肺好酸球性肉芽腫、肺組織球増殖症X、細気管支周囲炎症、急性気管支炎)、鼠径リンパ肉芽腫、悪性黒色腫、口腔/歯疾患(歯肉炎、歯周病を含む)、粘膜炎、筋骨格系炎症(筋炎)、非アルコール性脂肪性肝炎(非アルコール性脂肪肝疾患)、眼および眼窩炎症(ブドウ膜炎、視神経炎、周辺リウマチ性潰瘍、周辺角膜炎症を含む)、骨関節炎、骨髄炎、咽頭炎症、多発性関節炎、直腸炎、乾癬、放射線傷害、サルコイドーシス、鎌状赤血球壊死症、表在性静脈炎、全身性炎症反応症候群、甲状腺炎、全身性紅斑性狼瘡、移植片対宿主病、急性火傷、ベーチェット症候群、ならびにシェーグレン症候群を含む。
8. sVCAMおよび/またはsMAdCAMの検出
8. sVCAMおよび/またはsMAdCAMの検出
sVCAMおよび/またはsMAdCAMは、生体試料において検出され得る。例えば、Leung et al., Immunol. Cell Biol. 82:400−409(2004)を参照されたい。生体試料は、典型的には、個体からの体液、例えば、血液、血清、精液、尿、脳脊髄液、または唾液であってもよい。いくつかの実施形態において、液体は、細胞を含まない試料であってもよいが、体液試料中に細胞が含まれても、sVCAMおよび/またはsMAdCAMの検出および/または定量は不可能ではない。具体例において、体液は、血清または血漿であってもよい。sVCAMおよび/またはsMAdCAMは、例えば、診断キットを使用して検出することができる。
タンパク質またはタンパク質断片の検出および定量のための、免疫学的技術を使用した多くの技術が知られている。ディップストリップまたは他の固定化分析デバイスを含む生体試料中のタンパク質抗原の検出のための方法の例は、例えば、米国特許第5,965,356号(単純ヘルペスウイルス型血清分析(seroassay));米国特許第6,114,179号(抗原および/または抗体の検出のための方法およびキット);ならびに米国特許第6,057,097号(自己免疫反応および/または炎症性疾患を含む病変のためのマーカー)の特許において開示されている。これらの方法は、sVCAMおよび/またはsMAdCAMの検出に容易に適合され得る。
例として、ウェスタンブロット分析を使用して、体液試料中のsVCAMおよび/またはsMAdCAMを検出および定量することができる。典型的なウェスタンブロットにおいて、タンパク質は、アクリルアミドゲルにおける電気泳動により分離され、次いで膜に移され、1つ以上の抗体により検出される。抗体検出は、直接的または間接的であってもよい。sVCAMまたはsMAdCAMタンパク質の直接的な抗体可視化の場合、ブロット膜が、標識化sVCAMまたはsMAdCAM特異的結合剤、例えば、アルカリホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼに複合化したsVCAMまたはsMAdCAM抗体と共にインキュベートされる。sVCAMまたはsMAdCAMタンパク質の間接的な抗体可視化の場合、ブロット膜が、まず非複合化sVCAM特異的またはsMAdCAM抗体(一次抗体)と共にインキュベートされ、次いで、一次抗体を認識する標識化抗体(二次抗体)と共にインキュベートされる。例えば、一次抗体の間接的な検出のための二次抗体は、多くの場合、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、または放射性もしくは蛍光タグ等の検出可能部分と複合化する。
代替として、サンドイッチELISA分析を使用して、sVCAMおよび/またはsMAdCAMを検出および定量することができる。典型的なサンドイッチELISA形式は、特異的固定化捕捉抗体、試料、標識化検出抗体、色原体、および停止液が関連する。抗原は、固定化捕捉抗体に結合し、したがって1つ以上の抗体により検出され得る。ELISAと共に使用される抗体検出技術は、直接的または間接的であってもよい。sVCAMまたはsMAdCAMタンパク質の直接的な抗体可視化の場合、抗sVCAMまたは抗sMAdCAM抗体が基質に付着され、基質が体液試料と共にインキュベートされ、次いで基質は、酵素複合化されている別の抗sVCAMまたは抗sMAdCAM抗体、例えばアルカリホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼに複合化された抗sVCAM抗体または抗sMAdCAM抗体と共にインキュベートされる。sVCAMまたはsMAdCAMタンパク質の間接的な抗体可視化の場合、抗sVCAM抗体または抗sMAdCAM抗体が基質に付着され、基質が体液試料と共にインキュベートされる。次いで、基質は、非複合化sVCAM特異的またはsMAdCAM特異的抗体(一次抗体)と共にインキュベートされ、次いで、一次抗体を認識する酵素複合化された抗体(二次抗体)と共にインキュベートされる。一次抗体の間接的な検出のための二次抗体は、多くの場合、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼと複合している。次いで、基質溶液が添加され、酵素により作用され、色の変化を呈する。色の変化の強さは、元の試料中の抗原の量に比例する。また、一次および二次抗体は、放射性または蛍光タグに結合されてもよい。放射性または蛍光標識化の強さは、元の試料中に存在する抗原の量に比例する。
随意に、マイクロビーズベースタンパク質検出分析法(ミクロスフェア分析法または流量に基づくビーズ分析法とも呼ばれる)を使用して、個体からの血清試料等の生体試料中のsVCAMおよび/またはsMAdCAMを検出することができる。Luminex Corporation(Austin、TX)により開発されたシステムおよびBecton Dickinson(Franklin Lakes、NJ)により開発された他のシステムにより代表されるようなこの技術により、非常に少量の試料、典型的には20μlを処理して、sVCAMおよび/またはsMAdCAM等のタンパク質を検出することができる。この分析法の一態様は、特定量の赤色染料および赤外色素等を含有するミクロスフェアに対する捕捉抗体の結合に基づく。ミクロスフェアおよび試料、ビオチンに結合した二次検出抗体およびフィコエリトリンに結合したストレプトアビジンのインキュベーション後、ビーズをフローサイトメーターまたは他のフローベース蛍光検出システムで分析する。1つのレーザがビーズを検出し、第2のレーザがそれらのビーズに結合したフィコエリトリンの強度を検出する(技術注記は、Luminex Corp.から、例えばそのウェブページまたはカタログにより入手可能である)。
以下の実施例は、本開示のある特定の代表的実施形態および態様を実証およびさらに例示するために提供され、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
材料および方法
アルファ−4インテグリン阻害剤
材料および方法
アルファ−4インテグリン阻害剤
例示的アルファ−4インテグリン阻害剤(化合物A〜D)を、図1に示す。
化合物Aの血漿濃度の定量
化合物Aの血漿濃度の定量
LC/MS/MS法を使用して、化合物Aを測定した。内標準物質の添加後、タンパク質沈殿(0.1%ギ酸を含むアセトニトリル)を使用して血漿試料(抗凝固剤:リチウムヘパリン)を抽出した。濾過上澄みを乾燥するまで蒸発させ、戻した後、抽出物をLC−API/MS/MSにより分析した。化合物AのMRM(多重反応モニタリング)遷移およびISは、それぞれ、m/z 257/114および270/91であった。定量の下限は、20ng/mLであった。
血中リンパ球数
血中リンパ球数
リンパ球は、Cell−Dyn 3700血液分析器(Abbott Diagnostics)により、抗凝固剤EDTAを含有する管内に採取された全血試料から定量した。
アルファ−4インテグリン発現の検出/定量
アルファ−4インテグリン発現の検出/定量
抗凝固剤リチウムヘパリンを含有する管内に全血を採取した。試料をAlexaFluor647標識化抗マウスCD49d(アルファ−4インテグリン)抗体(Biolegend、San Diego、CA)で30分間染色した。赤血球細胞を溶解させ(FACS溶解液、BD Biosciences、San Jose、CA)、5%ウシ胎仔血清を含有するPBS中で試料を2回洗浄した。BD FACScanフローサイトメーターを使用して、幾何平均蛍光強度のシフトに関して染色された細胞を分析した。
実施例1−sVCAMは、様々なラット疾患モデルにおいて、アルファ−4インテグリン阻害中に下方制御される(小分子阻害剤により)
実施例1−sVCAMは、様々なラット疾患モデルにおいて、アルファ−4インテグリン阻害中に下方制御される(小分子阻害剤により)
アルファ−4インテグリン阻害は、ラットにおける3つの炎症性疾患モデルにおいて、sVCAMの下方制御をもたらした。化合物AおよびCは、アルファ−4インテグリンのペグ化小分子阻害剤である。化合物Bは、アルファ−4インテグリンの非ペグ化小分子阻害剤である。全ての血清試料は、ラット血清中のsVCAMの量を測定するために、Rules Based Medicine, Inc(Austin、TX)により、Luminex機器(Luminex Corporation、Austin、TX)での多重化ビーズベース免疫測定法であるRodentMAP分析法により分析された。統計は、一元配置ANOVAで行った。
結果を図2に示す。図2Aに示されるように、Lewisラットに、完全フロイントアジュバント中のモルモットの脊髄および脳白質ホモジネートを皮内注射し、シクロスポリンA(2mg/kg 、一日おき)で20日間皮下処置して、慢性実験的自己免疫性脳脊髄炎を惹起した。惹起後30日目に、ラットをビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水、PBS)または10mg/kgの化合物Cで3日毎に処置した。惹起後40日目に、血清試料を採取し、sVCAM含量について分析した。
図2Bに示されるように、Sprague−Dawleyラットに、大腸炎を惹起するために2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を、または対照としてエタノールのみを直腸内注入した。TNBS注入後1日目および4日目に、ラットに10mg/kgの化合物Cを皮下投与した。5日目に、血清試料を採取し、sVCAM含量について分析した。
図2Cおよび2Dに示されるように、ヒトHLA.B27導入遺伝子を有するラットは、加齢と共に炎症性腸疾患の症状を自発的に発症した。HLA.B27形質転換ラットを、16〜20週齢で、化合物C(10mg/kg、3日毎)、化合物A(10mg/kg、5日毎)、化合物B(100mg/kg、1日2回)、またはビヒクル(PBS)で皮下処置した。処置から20日後(図2C)または5日後(図2D)に血清を採取し、sVCAMレベルを評価した。試験した各炎症性疾患モデルにおけるアルファ−4インテグリン阻害は、sVCAMの血清レベルにおける統計的に有意な低下をもたらした(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)。
実施例2−アルファ−4インテグリン阻害は、正常ラットにおけるsVCAMの低減をもたらす(小分子阻害剤により)
実施例2−アルファ−4インテグリン阻害は、正常ラットにおけるsVCAMの低減をもたらす(小分子阻害剤により)
疾患を有さない場合にアルファ−4インテグリン阻害がsVCAMレベルを調節するかどうかを試験するために、正常(すなわち、非疾患)ラットに、アルファ−4阻害剤を注射し、sVCAMレベルを測定した。Sprague Dawleyラットに、単回10mg/kg用量の化合物A(図3A)、単回10mg/kg用量の化合物C(図3B)、または100mg/kg用量の化合物Bを1日2回4日間(図3C)皮下注射した。図3Aおよび3Bに示されるように、注射から2日後および11日後に血清試料を採取した。図3Cに示されるように、最後の注射から2時間後、12時間後、および11日後に血清試料を採取した。全ての血清試料は、Luminex機器における多重ビーズベースRodentMAP免疫測定法により分析し、ラット血清中のsVCAMの量を測定した。統計は、一元配置ANOVAで行った。3つのアルファ−4インテグリン阻害剤は全て、正常ラットにおけるsVCAMを下方制御した(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)。
実施例3−アルファ−4インテグリン阻害は、正常マウスにおけるsVCAMを特異的に低減する(小分子阻害剤により)
実施例3−アルファ−4インテグリン阻害は、正常マウスにおけるsVCAMを特異的に低減する(小分子阻害剤により)
アルファ−4インテグリン阻害が、アルファ−4インテグリンリガンドではない接着分子の可溶性形態(すなわち、ICAM−1)ではなく、そのリガンドの可溶性形態(すなわち、sVCAM)の特異的な下方制御をもたらすかどうかを決定するために、アルファ−4インテグリン阻害剤による処置後の両方の接着分子の調節について、正常マウスを試験した。Balb/cマウスに、化合物A(1mg/kgもしくは10mg/kg)またはビヒクル(PBS)を単回皮下注射した。投与から8時間後、2日後、4日後、および8日後に、血漿試料を採取した。市販のキット(R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用して、可溶性VCAM−1および可溶性ICAM−1についてELISAにより血漿試料を分析した(n=4マウス/群/時点)。図4に示されるように、アルファ−4インテグリン阻害の効果は、アルファ−4インテグリンのリガンドではない接着分子の可溶性形態(sICAM)ではなく、そのリガンドの可溶性形態(sVCAM)に特異的であるようであった。
実施例4−アルファ−4インテグリン阻害剤のsVCAM下方制御に対する効果は用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害の他のマーカーと相関する
実施例4−アルファ−4インテグリン阻害剤のsVCAM下方制御に対する効果は用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害の他のマーカーと相関する
アルファ−4インテグリン阻害は、循環リンパ球の数の増加および循環白血球の表面上のアルファ−4インテグリンの下方制御の両方をもたらす。アルファ−4インテグリン阻害剤の後のsVCAMレベルとアルファ−4インテグリン発現および血中リンパ球数との相関、ならびに各パラメータの用量依存性を試験した。図5A〜Cに示されるように、Balb/cマウスに、0.1、1もしくは10mg/kgの化合物Aまたはビヒクル(PBS)を皮下投与した。投与から2日後、動物を安楽死させ、sVCAMレベル、白血球の表面上のアルファ−4インテグリン発現、および血中リンパ球の数を分析するために、血液を採取した。ELISA(R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用して、sVCAMについて血漿試料を分析した(図5A)。同じ動物から、全血の一定量をAlexaFluor647標識化抗マウスCD49d(アルファ−4インテグリン)抗体(Biolegend、San Diego、CA)で染色し、赤血球細胞を溶解させ(FACS溶解液、BD Biosciences、San Jose、CA)、BD FACScanフローサイトメーターを使用して平均蛍光強度のシフトについて分析した(図5B)。同じ動物から、Cell Dyn血液分析器(Abbott Diagnostics、Illinois)を使用して、リンパ球の数について全血試料を分析した(図5C)。一元配置ANOVAを使用して、統計的有意性を決定した。図5D〜Fに示されるように、C57BL/6マウスに、0.5、1、もしくは3mg/kgの化合物Cまたはビヒクルを皮下投与した。投与から4時間後、ならびに1、2、3、4、7、10、14、および21日後に、血液を採取した。血漿可溶性VCAMレベル(図5D)および血液白血球上のアルファ−4インテグリン発現(図5E)を、上述のように分析した。投与後2日目にサンプリングされたビヒクル(PBS)処置動物におけるレベルはそれぞれ、点線で示されている。図5Fは、1日目〜21日目の時点からの動物毎ベースのsVCAMとアルファ−4インテグリン発現との間の相関を示す(n=4マウス/群/時点)。アルファ−4インテグリン阻害剤によるsVCAM下方制御は用量依存性であり、白血球の表面上のアルファ−4インテグリン発現および血中白血球数の両方によく相関することが証明された(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)。
実施例5−可溶性VCAMはまた、アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤を使用しても低減される
実施例5−可溶性VCAMはまた、アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤を使用しても低減される
sVCAMレベルに対するアルファ−4インテグリン阻害の効果が、アルファ−4インテグリンの小分子阻害剤に固有ではないことを実証するために、sVCAMレベルを調節する能力についてアルファ−4インテグリンの抗体阻害剤を試験した。図6Aに示されるように、Balb/cマウスに、単回10mg/kg腹腔内用量のラット抗マウスアルファ−4インテグリン抗体(クローンPS/2)またはラットIgG2bイソタイプ対照抗体を与えた。投与前(ナイーブ)、ならびに投与後2日目、4日目、および7日目に血液をサンプリングし、可溶性VCAMについてELISAにより分析した。10mg/kg用量のPS/2(ただしイソタイプ対照ではない)は、血漿中のsVCAMの持続的な下方制御を誘発した。図6Bに示されるように、アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤によるsVCAM下方制御の用量および時間依存性を評価するために、追跡試験を行った。C57BL/6マウスを、0.5、1、3、もしくは10mg/kg用量のPS/2または10mg/kg用量のラットIgG2bイソタイプ対照抗体で腹腔内処置した。投与から4時間後、ならびに1、2、4、7、10、14、および21日後に血漿試料を採取し、sVCAMレベルについて分析した。図6に示されるデータは、sVCAM下方制御が、PS/2の用量に依存性であること、およびsVCAMレベルが経時的に回復することを示している。点線は、イソタイプ対照抗体で処置されたマウスにおける2日目のsVCAMの個々のレベルを示す(n=4マウス/群/時点)。
実施例6−sVCAMレベルは、アルファ−4インテグリンの非ペグ化小分子阻害剤により下方制御される。sVCAMレベルは、PEG単体には影響されない
実施例6−sVCAMレベルは、アルファ−4インテグリンの非ペグ化小分子阻害剤により下方制御される。sVCAMレベルは、PEG単体には影響されない
sVCAMレベルに対するアルファ−4インテグリン阻害の影響がペグ化小分子阻害剤に限定されず、またPEG自体によって誘発されないことを実証するために、正常マウスに、化合物D(非ペグ化アルファ−4インテグリン阻害剤)、および化合物Aの足場となるPEG骨格を投与した。Balb/cマウスに、単回皮下用量のビヒクル(PBS)、単回皮下用量の化合物A(10mg/kg)、単回皮下用量の化合物Aの足場となるPEG骨格(10mg/kg)、または5回皮下用量の化合物D(50mg/kg)を12時間毎に与えた。化合物AおよびPEGの注射から2日後、ならびに最後の化合物Dの注射から4時間後に、血液をサンプリングした。ELISA(R&D Systems)によりsVCAMを測定し(図7A)、Cell−Dyn血液分析器(Abbott Diagnostics)を使用して血中リンパ球を定量した(図7B)。一元配置ANOVAを使用して統計を行うと、ビヒクルで処理した動物と比較した統計的に有意な差が示される。化合物Aおよび化合物Dは、血中リンパ球の増加を誘発し、血漿中のsVCAMを下方制御することができた(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)が、PEGはできなかった。
実施例7−可溶性VCAMレベルに対するアルファ−4インテグリン阻害の効果は用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害剤の血漿レベルが減退するにつれて消失する。
実施例7−可溶性VCAMレベルに対するアルファ−4インテグリン阻害の効果は用量依存性であり、アルファ−4インテグリン阻害剤の血漿レベルが減退するにつれて消失する。
アルファ−4インテグリン阻害剤によるsVCAMの調節が循環薬物レベルに関連するかどうか、およびsVCAMに対する効果が可逆的であるかどうかを決定するために、正常マウスへの投与後3週間にわたりこれらのパラメータを測定した。C57BL/6マウスに、単回0.5、1、もしくは3mg/kg用量の化合物Aまたはビヒクル(PBS)を皮下投与した。投与から4時間後、ならびに1、2、3、4、10、14、および21日後に血液をサンプリングし、血漿中のsVCAMレベルについてELISAにより分析し(点線は、2日目におけるビヒクル対照レベルを示す)(図8A)、血漿中の化合物AレベルについてLC/MS/MS法を使用して分析した(図8B)。この方法を使用した化合物Aの検出の限界は、10ng/mlである。1日目〜21日目からのsVCAMおよび化合物Aレベルをマウス毎ベースでプロットし、相関を示した(図8C)。化合物Aが検出不可能であった試料においては、10ng/mlの値を割り当てた(n=4マウス/群/時点)。sVCAMレベルは、循環薬物レベルによく相関し、血漿中において薬物レベルが検出不可能となるとベースラインに戻った(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)。
実施例8−大腸炎のマウスモデルにおいてアルファ−4インテグリンが阻害されると、sMAdCAMは下方制御される
実施例8−大腸炎のマウスモデルにおいてアルファ−4インテグリンが阻害されると、sMAdCAMは下方制御される
化合物Cは、アルファ−4ベータ−1インテグリンおよびアルファ−4ベータ−7インテグリンの両方のペグ化小分子阻害剤である。PS/2は、抗体を阻止するラット抗マウスアルファ−4インテグリンである。これらのアルファ−4インテグリン阻害剤を両方とも、誘導された形態の大腸炎に罹患したマウスに投与した。血清試料を、sMAdCAMレベルについてELISA(R&D Systems、Minneapolis、MN)により試験した。大腸炎の第1のマウスモデルにおいて、CD4+細胞の電磁ビーズ活性化細胞選別(未使用CD4+細胞単離キット、Miltenyi Biotec)に続くCD45RBhi細胞の蛍光活性化細胞選別により、CD45RBhi CD4+細胞をBalb/c脾臓から単離した。CD4+ CD45RBhi細胞を、SCIDマウスに腹腔内投与した。大腸炎の症状は、細胞移入後1週間で現れ始めた。移入から8週間後、動物をビヒクル(PBS)または化合物C(10mg/kg)で3日毎に15日間処置した。この時に、動物を致死させ、血清試料をsMAdCAMについて分析した。結果を図9Aに示す。示される統計は、CD45RBhi移入+ビヒクル群と比較したものである。細胞の移入は、循環sMAdCAMの量を有意に増加させた。図9Aに示されるデータは、化合物Cによる処置が、sMAdCAMレベルを統計的に有意に低減することを示している。
第2のマウスモデルでは、飲用水中4%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を7日間、続いて水道水を7日間投与することにより、Balb/cマウスにおいて慢性大腸炎を誘導した。このサイクルを4回繰り返した。マウスは、各DSSサイクル中に大腸炎の症状を示した。56日目に、マウスは慢性疾患状態に移行し、3日毎15日間のビヒクル(PBS)または化合物C(10mg/kg)による処置を開始した。この時に、動物を致死させ、血清試料をsMAdCAMについて分析した。結果を図9Bに示す。示された統計は、ナイーブマウスにおけるsMAdCAMレベルと比較したものである。図9Bに示されたデータは、(1)DSSが、血清中のsMAdCAMの量の統計的に有意な増加を誘導したこと、および(2)化合物Cによる処置が、sMAdCAMレベルを統計的に有意に低減したことを示している。
第3のマウスモデルでは、Balb/cマウスに飲用水中3%DSSを5日間投与し、急性大腸炎を誘導した。6日目に、水を水道水に変え、動物に化合物C(10mg/kg、3日毎)またはPS/2(10mg/kg、5日毎)を投与した。14日目に血清を採取し、試料をsMAdCAMについて分析した。結果を図9Cに示す。両方の処置群において、sMAdCAMのレベルは、分析の定量限界(BQL)を下回っていた(図9C)。これらの実験は、大腸炎のマウスモデルにおけるアルファ−4インテグリン阻害が、sMAdCAMレベルの統計的に有意な下方制御をもたらすことを実証している(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)。
実施例9−正常マウスにおいて小分子阻害剤によりアルファ−4インテグリンが阻害されると、sMAdCAMは下方制御される
実施例9−正常マウスにおいて小分子阻害剤によりアルファ−4インテグリンが阻害されると、sMAdCAMは下方制御される
化合物Dは、アルファ−4インテグリンの小分子阻害剤であり、正常マウスの血漿中のsMAdCAMを下方制御するその能力について試験した。Balb/cマウスに、50mg/kgの化合物Dまたはビヒクル(PBS)を12時間毎に皮下注射した。5回目の投与から4時間後に、血漿をサンプリングし、sMAdCAMについてELISAにより分析した。図10に示されるような結果は、化合物Dの処置が、血漿中のsMAdCAMの統計的に有意な下方制御をもたらすことを示している(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001)。
実施例10−アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤もまた、正常マウスにおけるsMAdCAMの下方制御をもたらす
実施例10−アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤もまた、正常マウスにおけるsMAdCAMの下方制御をもたらす
アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤がsMAdCAMレベルを調節することができるかどうかを試験するため、用量依存性を試験するため、およびアルファ−4インテグリン阻害後にsMAdCAMが回復する能力を測定するために、PS/2をC57BL/6マウスに0.5、1、3、および10mg/kgで腹腔内投与し、投与から4時間後、ならびに1、2、4、7、10、14、および21日後に血漿をサンプリングした。対照として、ラットIgG2bイソタイプ対照抗体を、10mg/kgで腹腔内投与し、2日目
に血漿をサンプリングした。血漿試料中のsMAdCAMレベルをELISAにより測定した(図11)。点線は、4匹のイソタイプ対照処置マウスに存在する2日目のsMAdCAMレベルを示す(n=4マウス/群/時点;LLOQ=ELISAアッセイの定量の下限)。図4に示されるようなデータは、アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤が、sMAdCAMレベルを用量依存的に調節することを示している。
実施例11−アルファ−4インテグリン阻害剤によるsMAdCAMの下方制御は用量依存性であり、可逆的であり、a4b7インテグリンへテロ二量体に対するアルファ−4インテグリン阻害剤のインビトロ選択性と相関する
に血漿をサンプリングした。血漿試料中のsMAdCAMレベルをELISAにより測定した(図11)。点線は、4匹のイソタイプ対照処置マウスに存在する2日目のsMAdCAMレベルを示す(n=4マウス/群/時点;LLOQ=ELISAアッセイの定量の下限)。図4に示されるようなデータは、アルファ−4インテグリンの抗体阻害剤が、sMAdCAMレベルを用量依存的に調節することを示している。
実施例11−アルファ−4インテグリン阻害剤によるsMAdCAMの下方制御は用量依存性であり、可逆的であり、a4b7インテグリンへテロ二量体に対するアルファ−4インテグリン阻害剤のインビトロ選択性と相関する
アルファ−4インテグリンは、ベータ−1またはベータ−7インテグリンとヘテロ二量体を形成する。MAdCAMは、アルファ−4ベータ−7(α4β7)に対するリガンドであり、一方VCAMは、アルファ−4ベータ−1(α4β1)に対するリガンドである。アルファ−4インテグリン阻害剤は、α4β7およびα4β1に対する異なる選択性を示し得る。α4β7に対するアルファ−4阻害剤のインビトロ選択性がsMAdCAMのインビボ下方制御と相関するかどうかを試験するために、α4β7に対し異なる選択性を示す2つのアルファ−4インテグリン阻害剤を使用して、実験を行った。化合物Cおよび化合物Aは共に、アルファ−4インテグリンのペグ化小分子阻害剤である。
図12Aは、α4β1およびα4β7に対するこれらの化合物のインビトロ選択性を示す。化合物によるα4β1およびα4β7特異的エピトープの誘導を、以下の分析法を使用して測定した。Ficoll勾配によりヒト血液から単離されたリンパ球を、5%FBSを含むPBS中の滴定量の化合物Aまたは化合物C、および10mg/mlの2G3(リガンド誘導抗ベータ−7抗体)または15/7(リガンド誘導抗ベータ−1抗体)と共にインキュベートした。PE複合化抗マウスIgG二次抗体とのインキュベーション後、フローサイトメトリーによりエピトープ誘導を測定した。データは、%結合として表現される。図12Aに示されるようなデータは、(1)化合物Cが、α4β1およびα4β7インテグリンの両方に等しい効力で結合すること、ならびに(2)化合物Aが、α4β7よりもα4β1に対する結合性において100倍高い選択性を有することを示す。
インビトロ選択性が差別的なインビボのsMAdCAM下方制御につながるかどうかを調査するために、化合物Aおよび化合物Cを、C57BL/6に0.1、0.3、0.5、1、および3mg/kgに皮下投与した。投与から48時間後、血漿を採取し、sMAdCAMを定量した。結果を図12Bに示す。化合物Cは、sMAdCAMの下方制御において、化合物Aよりも効力が高いと思われ、これは、α4β7に対する選択性が、そのリガンドの可溶性形態に対する効果を媒介していることを示唆している。一元配置ANOVAにより有意性を計算し、ビヒクル対照と比較した(*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001、n=4マウス/群、ND=実行せず)。
α4β7阻害によるsMAdCAM下方制御の用量/時間関係を測定するために、化合物A(図12C)および化合物C(図12D)を、C57BL/6マウスに、0.5、1、および3mg/kgで皮下投与し、投与から4時間後、ならびに1、2、3、4、7、10、14、および21日後に血漿を採取した。点線は、ビヒクル処置動物における2日目のsMAdCAMレベルを示す(n=4マウス/群/時点)。図12Dに示されるように、化合物C、pan−アルファ−4インテグリン阻害剤が、選択的α4β1阻害剤である化合物Aよりも高い程度までsMAdCAMを下方制御した。これは、sMAdCAM下方制御を誘起するにはα4β7阻害が必要であることを示唆している。さらに、MAdCAMレベルは、経時的にベースラインレベルまで回復する。
図12Eおよび12Fに示されるように、ELISA(R&D Systems)により、上記のように同じ動物から採取された試料においてsVCAMを測定した。点線は、ビヒクル処置動物における2日目のsVCAMレベルを示す(n=4マウス/群/時点)。化合物Aおよび化合物Cは、共に、血漿試料中のsVCAMの下方制御において同様の効力を有し、α4β1、VCAMリガンドに対するこれらの化合物の同様の選択性を誘起した。全体的に、これらのデータは、α4β7またはα4β1に対するインビトロ選択性が、それぞれ、インビボにおけるsMAdCAMまたはsVCAMの下方制御に反映されることを示している。
上述のような化合物Aの選択性を、ヒト対象においてさらに検証した。このために、41の個体に、化合物Aを0.5mg/kgで経口投与した。投与後様々な時点で、全血を採取した(投与から28日後まで)。sVCAMおよびsMAdCAMレベルを、上述のようにELISAにより定量した。化合物Aは、アルファ−4インテグリンに対する9F10の結合を阻止することが知られていた。α4β1およびα4β7の発現レベルを、蛍光標識化9F10(マウス抗ヒトアルファ−4インテグリン抗体)と共にインキュベートされた白血球細胞の平均蛍光強度(MFI)を測定することにより決定した。また、化合物Aは、そのインテグリン受容体への結合後、β1およびβ7サブユニット上の特異的リガンド誘導結合部位の発現を誘導し、これは、マウスモノクローナル抗体15/7および2G3により認識される(上述の通り)。α4β1およびα4β7の飽和レベルを、蛍光標識化15/7および2G3抗体を使用して決定し、以下のように計算した。
データを図13に示す。図13Aは、ヒト対象への化合物Aの投与が、投与から1日後という早期から少なくとも投与から14日後まで、α4β1発現レベルの顕著な低下をもたらすことを示している。α4β1レベルは、投与から約7日後に基準レベルまで戻る。図13Bは、化合物Aの投与から約2日後にα4β1が飽和し、その飽和が少なくともさらに13日間(投与から15日後まで)持続することを示している。しかしながら、α4β7の飽和レベルは、投与から8日後に有意に降下する。図13Cに示されるように、sVCAMレベルは投与から1日後に有意に低下し、投与から14日後に基準ライン(投与前)に戻り始める。しかしながら、sMAdCAMレベルは、投与から28日後でも、基準レベルに近いままである。これらのデータは、化合物Aがα4β7よりもα4β1に対する結合においてより選択的であるという上記のインビトロ観察と一致している。
実施例12−マウスにおけるアルファ−4インテグリン阻害剤レベルとsVCAM/sMAdCAMレベルとの相関
実施例12−マウスにおけるアルファ−4インテグリン阻害剤レベルとsVCAM/sMAdCAMレベルとの相関
三十八(38)匹のマウス(C57BL/6)に、様々な量のPS/2(抗アルファ−4インテグリン抗体)を腹腔内投与した。投与後様々な時点で血漿試料を採取した。血漿試料中のsVCAMレベル、sMAdCAMレベル、およびPS/2レベルを、上述の実施例に記載のようにELISA法により分析した。図14に示すように、sVCAMおよびsMAdCAMレベル(%平均ビヒクル)をPS/2濃度に対してプロットする。結果は、sVCAM(r=−0.61;p<0.0001)およびsMAdCAM(r=−0.42;p<0.0041)の両方において、強い負の直線的相関を示し、すなわち、抗アルファ−4インテグリン抗体の濃度が高いほど(アルファ−4インテグリンのより高い阻害レベルに対応する)、sVCAMまたはsMAdCAMのレベルがより低いことを示している。
説明された本開示の方法およびシステムの様々な修正および変形は、本開示の範囲および精神から逸脱せずに、当業者に明らかとなる。本開示は、特定の代表的実施形態に関連して説明されたが、請求されるような主題は、そのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、当業者には明白である、本開示を実施するための説明された形態の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。
本開示の実施形態は、可溶性血管細胞接着分子(sVCAM)および/または可溶性粘膜アドレシン細胞接着分子(sMAdCAM)レベルと関連付けることにより、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の変化を監視する方法を提供する。
例えば、本開示の実施形態は、(1)個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差を決定するインビトロ法であって、a)アルファ−4インテグリン阻害剤の投与直前に、個体から得られた第1の生体試料における可溶性分子を測定することと、b)第2の生体試料であって、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後三十一日以内に個体から得られた第2の生体試料における、可溶性分子を測定することと、c)第1および第2の生体試料の間の、可溶性分子のレベルの低下であって、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に関連する低下があるかどうかを決定し、それにより、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較して、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与後に、個体におけるアルファ−4インテグリン活性の差があるかどうかを決定することと、を含み、可溶性分子は、sVCAMおよび/またはsMAdCAMである方法を提供する。
(2)本開示の実施形態はまた、第1の生体試料と比較して、第2の生体試料における可溶性分子のレベルの低下を検出することと、低下を、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与前と比較したアルファ−4インテグリン阻害剤の投与後の個体におけるアルファ−4インテグリン活性の低下に帰することとをさらに含む、上記(1)に記載の方法を提供する。
(3)本開示の実施形態はまた、アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であり、可溶性分子が、sVCAMである、上記(1)または(2)に記載の方法を提供する。
(4)本開示の実施形態はまた、アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、可溶性分子が、sMAdCAMである、上記(1)または(2)に記載の方法を提供する。
(5)本開示の実施形態はまた、個体が、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法を提供する。
(6)本開示の実施形態はまた、疾患または障害が、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から選択される、上記(5)に記載の方法を提供する。
(7)本開示の実施形態はまた、アルファ−4インテグリン阻害剤が、抗体である、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の方法を提供する。
(8)本開示の実施形態はまた、第1および/または第2の生体試料が、組織、細胞、および体液からなる群から選択される、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の方法を提供する。
(9)本開示の実施形態はまた、第1および/または第2の生体試料が、血液、リンパ液、血清、血漿、尿、精液、滑液、唾液、涙液、気管支肺胞洗浄液、および脳脊髄液からなる群から選択される体液である、上記(8)に記載の方法を提供する。
(10)本開示の実施形態はまた、第1および/または第2の生体試料が、凍結血漿または血清の形態である、上記(8)に記載の方法を提供する。
(11)本開示の実施形態はまた、第2の生体試料が、アルファ−4インテグリン阻害剤の投与から1日後に個体から得られる、上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の方法を提供する。
(12)本開示の実施形態はまた、可溶性分子が、酵素免疫測定法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、ウェスタンブロッティング、およびマイクロビーズベースタンパク質検出分析法からなる群から選択される方法により測定される、上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の方法を提供する。
(13)本開示の実施形態はまた、個体の処置における調整が必要であるかどうかを決定することをさらに含み、第1および第2の生体試料の間の可溶性分子のレベルの低下がないこと、または低下が統計的に有意でない(p>0.05)ことは、個体の処置の調整を必要とするアルファ−4インテグリン阻害剤に対する非効果的な反応を示す、上記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の方法を提供する。
(14)本開示の実施形態はまた、第1の生体試料と比較して、第2の生体試料における可溶性分子のレベルの低下を検出しない、または統計的に有意でない低下(p>0.05)を検出することと、個体の処置の調整が必要であると結論付けることとをさらに含む、上記(13)に記載の方法を提供する。
(15)本開示の実施形態はまた、処置の調整が、異なるアルファ−4インテグリン阻害剤に変更すること、またはアルファ−4インテグリン阻害剤の用量を増加させることを含む、上記(13)または(14)に記載の方法を提供する。
(16)本開示の実施形態はまた、(i)アルファ−4インテグリンまたは(ii)アルファ−4インテグリン活性の調節剤の活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはsMAdCAMのインビトロの使用を提供する。
(17)本開示の実施形態はまた、アルファ−4インテグリン活性の調節剤による処置を受けている個体における活性の薬力学的バイオマーカーとしての、sVCAMおよび/またはMAdCAMのインビトロの使用を含む、上記(16)に記載の使用を提供する。
(18)本開示の実施形態はまた、調節剤が、アルファ−4インテグリン阻害剤である、上記(17)に記載の使用を提供する。
(19)本開示の実施形態はまた、個体が、多発性硬化症(MS)、髄膜炎、脳炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(RA)、喘息、急性若年発症糖尿病、AIDS認知症、アテローム性動脈硬化、腎炎、網膜炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、心筋虚血、慢性前立腺炎、鎌状赤血球貧血からの合併症、紅斑性狼瘡、および急性白血球媒介肺障害からなる群から随意に選択される、病的または慢性炎症に関連した疾患または障害を有する、上記(17)に記載の方法を提供する。
(20)本開示の実施形態はまた、アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−1インテグリン活性であり、薬力学的バイオマーカーが、sVCAMである、上記(16)〜(19)のいずれか1つに記載の使用を提供する。
(21)本開示の実施形態はまた、アルファ−4インテグリン活性が、アルファ−4ベータ−7インテグリン活性であり、薬力学的バイオマーカーが、sMAdCAMである、上記(16)〜(19)のいずれか1つに記載の使用を提供する。
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- 明細書に記載された発明。
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