JP2015214537A - 発泡性皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、使用者が取り扱いやすい皮膚外用剤を提供すること。【解決手段】本発明の皮膚外用剤は、少なくとも、固体状の酸性物質と、該酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質とを有する発泡性皮膚外用剤であって、更に、多糖類又はその誘導体を少なくとも1種類含有し、前記皮膚外用剤の使用時に含水物質と混合する。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
従来より、皮膚に対し血行促進作用を有する合成又は天然エキス等が配合された皮膚外用剤が使用されてきた。
これらのエキスは少量の配合では効果が不十分であり、大量の配合では皮膚への刺激が大きすぎる等の理由から、炭酸ガスを含有させて血行促進作用の増進を図った皮膚外用剤の提案がなされている。これらの多くは、酸性物質と炭酸ガス発生物質の反応により、炭酸ガスを発生させる。これらの皮膚外用剤の剤形としては、皮膚外用剤の炭酸発生能を長期間保持する観点から酸性物質と炭酸ガス発生物質とを別剤とし、使用時にこれらを混合して発泡させるもの等が知られている(特許文献1及び2)。
これらに対し、酸性物質と炭酸ガス発生物質とを含有し、使用時に水及び増粘剤を含む粘性組成物と混合する皮膚外用剤も知られている(特許文献3)。
特開昭63−310807号公報 特開平05−229933号公報 WO99/24043号公報
酸性物質と炭酸ガス発生物質とを含有し、使用時に含水物質と混合するタイプの発泡性皮膚外用剤は、一剤型にした場合に取り扱いを簡便にしやすい等の利点がある。
しかしながら、従来、このタイプの皮膚外用剤は、含水物質と混合して使用する際の混ぜやすさや塗りやすさ等の使用感と、肌のしっとり感や弾力、明るさ等を向上させるという皮膚の状態改善効果とを、両立する観点から不十分なものであった。
本発明は、少なくとも、固体状の酸性物質と、該酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質とを有する皮膚外用剤であって、更に、多糖類又はその誘導体を少なくとも1種類含有し、前記皮膚外用剤の使用時に含水物質と混合する皮膚外用剤を提供するものである。
本発明によれば、使用感がよく、また皮膚の状態改善に効果的な皮膚外用剤を提供することができる。
図1は、実施例及び比較例におけるL*値(白色度)の変化率を示すグラフである。 図2は、実施例及び比較例における角質水分量の変化率を示すグラフである。 図3は、実施例及び比較例における弾力の変化率を示すグラフである。 図4は、実施例及び比較例における発泡量(皮膚外用剤と含水物質との混合物の体積増加率)を示すグラフである。 図5は、実施例及び比較例における発生炭酸ガス量を示すグラフである。 図6は、実施例における水分蒸散量の変化率を示すグラフである。 図7は、別の実施例における角質水分量の変化率を示すグラフである。
本発明の皮膚外用剤は、少なくとも、固体状の酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質を含有する。
そして、本発明の皮膚外用剤は、使用者が、使用時に、該皮膚外用剤と含水物質とを混合することにより炭酸ガス発生による発泡を生ぜせしめ、皮膚に塗布して用いるものである。以下、皮膚外用剤に含まれる各構成成分及びその製法について説明する。
<固体状の酸性物質>
本発明に用いる固体状の酸性物質としては、無機酸、有機酸のいずれでもよく、これらの1種又は2種以上が用いられる。また、固体状であればどのような剤形でもよいが、顆粒状、粉末状等の粉状が好ましく、粉末状が特に好ましい。
無機酸としてはリン酸、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性へキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸などが挙げられる。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオキシ酸等が挙げられる。
なかでも、安全性、水への溶解性の観点から、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸及びコハク酸が好ましい。
本発明の皮膚外用剤における固体状の酸性物質の含有量は、該皮膚外用剤中、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上18質量%以下であることが更に好ましい。
<固体状の炭酸ガス発生物質>
本発明に用いる前記酸性物質と反応して二酸化炭素を発生する固体状の炭酸ガス発生物質としては、様々なものが特に限定されることなく使用できる。また、固体状であればどのような剤形でもよいが、顆粒状、粉末状等の粉状が好ましく、粉末状が特に好ましい。
前記炭酸ガス発生物質として、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸塩、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等の炭酸水素塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうちでも、炭酸水素塩が好ましく使用でき、程よい発泡力を実現することができる点で炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤における前記炭酸ガス発生物質の含有量は、該皮膚外用剤中、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることが更に好ましい。
<多糖類又はその誘導体>
本発明に使用される多糖類又はその誘導体の例としては、化粧料、医薬品分野において用いられ得る各種のものが挙げられる。具体的な多糖類の例としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ガラクタン、アラビアガム、トラガントガム、タマリンドガム、寒天、アガロース、マンナン、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、カードラン、ペクチン、アルギン酸又はその塩、デンプン、デキストリン、セルロース類等の親水性天然高分子;カルボキシメチルスターチ等のデンプン誘導体や、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、スルホン化セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルエチルセルロース及びその塩類、酢酸フタル酸セルロース、カチオン化セルロース等のセルロース誘導体といった親水性合成高分子等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明で用いる多糖類又はその誘導体は、水への溶解性又は/及び分散性が高いものを用いることが、本発明の皮膚外用剤を含水物質と混合する際にダマを生じず均一に溶解又は/及び分散でき、溶け残り成分に起因する肌のざらつき感を緩和することができるため好ましい。ここで、水への溶解性や分散性の良否は、室温程度の水を加え攪拌した際に、皮膚外用剤が均一に短時間で溶解又は分散することや、溶解時にダマを生じないこと等から判断することができる。
前述した水への溶解性及び分散性の観点から、多糖類又はその誘導体のうちの好ましいものとしては、例えば、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ガラクタン、アラビアガム、トラガントガム、タマリンドガム、寒天、アガロース、マンナン、ヒアルロン酸及びその塩、カードラン、アルギン酸及びその塩、デンプン及びその誘導体、デキストリン、セルロース及びセルロース誘導体等を挙げることができる。
本発明で用いる多糖類又はその誘導体のうち、1種のみを用いてもよいが、2種以上を併用して使用することが好ましい。これは以下の理由による。
多糖類又はその誘導体は、その多くが水に溶解又は分散して増粘効果を奏するものである。また、多糖類又はその誘導体を皮膚外用剤中に添加することには、使用前、保存中の皮膚外用剤の安定性を高め、酸と炭酸ガス発生物質との反応を防止して炭酸ガスの発生を防止するという利点も有する。多糖類又はその誘導体のうちには、保存中の安定性よりも増粘効果に多く寄与するもの(以下Aのタイプの多糖類又はその誘導体ともいう)も、増粘効果よりも保存中の安定性に多く寄与するもの(以下、Bのタイプの多糖類又はその誘導体)も存在しているから、両タイプの多糖類又はその誘導体を組み合わせることにより、増粘効果と、保存中の安定性とを両方の向上を図ることができる。Aのタイプの多糖類又はその誘導体としては、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸並びにセルロース及びその塩又は誘導体が挙げられ、Bのタイプの多糖類又はその誘導体としては、デンプン又はその誘導体及びデキストリンが好ましい多糖類として挙げられる。Bタイプの多糖類又はその誘導体を用いることによって、皮膚外用剤の保存中における炭酸ガスの発生を抑制することができる。特にデンプン又はその誘導体を用いることで炭酸ガスの発生を効果的に抑制し、長期間の保存安定性がより一層向上するため好ましい。本発明においてデンプン又はその誘導体を使用する場合、その好ましい使用量としては、皮膚外用剤中3質量%以上、特に5質量%以上、とりわけ10質量%以上とすることができる。
本発明においては、多糖類又はその誘導体の種類が多いこと、例えば3種以上組み合わせることも好ましい。
更に、本発明者らは、後述する実施例、例えば実施例1及び2の比較から明らかなように、多糖類又はその誘導体を2種以上併用して使用した場合、1種のみを使用した場合に比べて、含水物質と混合した場合の皮膚外用剤(混合物)の炭酸ガスの保持能が高く皮膚に塗布した混合物が垂れにくいこと、赤みの向上や弾力向上等といった肌状態の改善効果が得やすいこと、塗りやすさや除去のしやすさ等も含めた使用感が改善すること、等を見いだした。更に、実施例6〜10から明らかなように、これらの効果が、水溶性タンパク質及び/又は天然界面活性剤、特に、サポニンを含む抽出物存在下でより高いものとなることを見いだした。
本発明において皮膚外用剤中における多糖類又はその誘導体の含有量は、8質量%以上50質量%以下であることが好ましく、11質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。多糖類又はその誘導体の含有量が8質量%以上50質量%以下であることは、使用時の取り扱いの観点、特に、含水物質との混合時に混合しやすく、使用時に垂れにくい点から好ましい。8質量%未満であることは使用時に垂れやすく、50質量%超であると混合時に混ぜにくく、また、含水物質との混合後にすぐに増粘してしまい、使用部位への塗布がしにくくなるため、好ましくない。
また多糖類又はその誘導体として、Aのタイプの多糖類又はその誘導体と、Bのタイプの多糖類又はその誘導体とを組み合わせて用いる場合、両者の質量比は、Aの多糖類又はその誘導体100質量部に対して、Bの多糖類又はその誘導体が
10質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、20質量部以上800質量部以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、水溶性タンパク質を含有することが更に好ましい。ここで水溶性タンパク質とは、動物性または植物性のタンパク質を濃縮、分離、精製したもので、水や各種液に容易に分散又は溶解する性質を有するタンパク質のことをいい、具体的には、1気圧下、25℃の水に5質量%以上添加した際、ダマを生じず均一に分散又は溶解できるものをいう。水溶性タンパク質としては、タンパク質の加水分解物を含む。この加水分解物としては、動物や魚類等、各種生物に由来するタンパク質をアルカリ処理や酵素処理などで加水分解したものが好ましい。具体的な水溶性タンパク質としては、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン等の加水分解コラーゲン、アルブミン、エラスチン、ケラチン、セリシン等を用いることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、本発明の皮膚外用剤は、水溶性タンパク質として、アルブミン、コラーゲン、加水分解コラーゲンを含有することが好ましい。水溶性タンパク質は発泡助剤としての役割も有し、特に気泡の強度を強くして、泡沫を長期間安定に保つ働きを有する。このため、水溶性タンパク質の添加は、皮膚外用剤の粘度調節の容易性や水への溶解性の向上、炭酸発生量の増加に寄与し、皮膚状態改善効果を向上させ易い。本発明者らは、多糖類又はその誘導体、特に2種以上の多糖類又はその誘導体を含有することにより、この水溶性タンパク質の効果が優れたものとなることを知見している。
また、本発明の皮膚外用剤は、水溶性タンパク質を1種のみ含有してもよいが、2種以上の水溶性タンパク質を含有することも好ましい。このことは、例えば、後述する実施例13及び14と実施例17との比較に示されている。これら実施例から明らかな通り、水溶性タンパク質としてアルブミンのみを含有した場合に比べて、コラーゲン又は加水分解コラーゲンをアルブミンと共に含有すると使用後の皮膚のしっとり感やなめらかさ等の肌質改善効果や、皮膚外用剤を含水物質と混合して得られる混合物の使用感が改善し易い。特に、本発明の発泡性皮膚外用剤は、後述する実施例14から明らかなように、加水分解コラーゲンを含有すると、塗布のし易さや塗布した時の気持ちよさ、見た目の良さが向上し易い。なお、後述する実施例18及び19の比較から明らかな通り、加水分解コラーゲンは単独で用いても皮膚外用剤と含水物質との混合物における二酸化炭素の保持や、皮膚外用剤の使用後の肌状態の改善にアルブミンと同等以上の高い効果を奏する。
本発明の皮膚外用剤が水溶性タンパク質を含有する場合、水溶性タンパク質は皮膚外用剤中、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。0.01質量%以上10質量%以下であると、水溶性タンパク質を含有する気泡の強度を強くして、泡沫を長期間安定に保つ等の効果を容易に得やすいため好ましい。
また、皮膚外用剤が水溶性タンパク質を含有する場合、本発明の皮膚外用剤を水に溶解した時に炭酸ガスの保持力を一層高める観点から、水溶性タンパク質の含有量は、多糖類又はその誘導体100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、1質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、用途や目的に応じ、前記固体状の酸性物質、前記固体状の炭酸ガス発生物質、多糖類又はその誘導体及び水溶性タンパク質以外の各種の成分を含有することができる。そのような成分について以下で更に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等、界面活性剤を使用することが発生した泡の保持の観点から好ましい。このとき、使用する界面活性剤は保存安定性の観点から水を含まない溶液状、固形状、フレーク状、顆粒状、細粒状、粉末状のものを使用するのがよく、固形状、フレーク状、顆粒状、細粒状、粉末状のものを使用するのが好ましい。前記の界面活性剤としては、天然界面活性剤が好ましい。天然界面活性剤とは、動植物由来の界面活性剤のことを言い、例えば、レシチンなどのリン脂質、ラノリン、コレステロール、サポニン、スフィンゴ脂質、ペクチン、グリチルリチン酸ジカリウム、植物抽出アミノ酸系界面活性剤等が挙げられる。本発明の皮膚外用剤は、天然界面活性剤を0.001質量%以上10質量%以下含有することが好ましく、0.005質量%以上8質量%以下含有することがより好ましい。
本発明で用いる天然界面活性剤としては、上記で挙げたものの中でも、リン脂質、サポニン、ペクチン、グリチルリチン酸若しくはその塩が好ましく、サポニンを含む抽出物及び/又はグリチルリチン酸若しくはその塩を含有していることが特に好ましい。サポニンとは、植物に広く分布する配糖体で、ステロイドやトリテルペノイドを非糖部とする一群の化合物の総称であり、アグリコン(配糖体の非糖部)の種類により、トリテルペノイド系サポニンと、ステロイド系サポニンに大別できる。サポニンの共通した性質としては、その水溶液が高い起泡性をもつことである。
上述したようにサポニンには、起泡性を有することが知られているところ、本発明者らは、水溶性タンパク質に代えて、このサポニンを含有する抽出物を添加することで、水溶性タンパク質と同等、或いはそれ以上に、泡沫の長時間安定性、それによる混合物の垂れにくさや混ぜやすさといった使用感の改善、しっとり感や弾力といった皮膚状態の改善効果等が得られることを知見した。水溶性タンパク質を含有する皮膚外用剤は、例えばアレルギー体質の使用者にとっては使用が困難となる場合があるが、サポニンを含む抽出物は、この水溶性タンパク質代替品として、有効に用いることが可能である。更に、サポニンを含む抽出物の添加は、炭酸ガス発生量を高める効果を有するため、肌の血行を効果的に促進させることに寄与しうる。本発明者らは、多糖類又はその誘導体、特に2種以上の多糖類又はその誘導体を含有することにより、サポニンを含む抽出物を添加することによる効果、特に使用感の改善及び皮膚状態の改善等の効果が優れたものとなることを知見している。
本発明の皮膚外用剤に用いるサポニンを含む抽出物としては、植物由来の抽出物を用いることが好ましい。ここでいう植物の例としては、トリテルペノイド系サポニンを含有する植物として、ダイズ、ヘチマ、アズキ、インゲン、ホウレンソウ、サトウダイコン、ブドウ、キキョウ、カンゾウ、セネガ、キラヤ、ムクロジ、サボンソウ、オタネニンジン、茶種子、エンジュなどを挙げることができ、また、ステロイド系サポニンを含有する植物として、ユリ科植物や、ヤマノイモ科植物、チモ(知母)、バクモンドウ(麦門冬)などを挙げることができる。
本発明の剤は、サポニンを含む抽出物として、これら植物のうち、トリテルペノイド系サポニンを含有する上記各種の植物のいずれか1種以上の抽出物を用いることが好ましく、ムクロジ、ダイズ、カンゾウ、ヘチマから選ばれる1種以上の植物の抽出物を含有することが好ましく、とりわけ、ムクロジの抽出物を含有することが好ましい。ここでムクロジは、ムクロジ科(Sapindaceae)ムクロジ属(Sapindus)に属する植物で、S.mukurossiやS.delavayi等が該当する。
抽出物の原料となる植物の部位としては、植物の全草、葉(葉身、葉柄等)、果実(成熟、未熟等)、種子、花(花弁、子房等)、茎、根茎、根、塊根等が挙げられる。本発明において、サポニンを含む抽出物としてムクロジの抽出物を用いる場合は、ムクロジの果実及び/又は果皮の抽出物であることが好ましく、果皮の抽出物であることが特に好ましい。
抽出物は、植物全体又は前記の部位を、そのまま、又は、切断、破砕、粉砕、搾取して用いるか、又はこれら処理されたものを乾燥若しくは粉末化して用いることができる。これらの処理は1種又は2種以上組み合わせることができる。
抽出に用いる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エチルエーテル、アセトンなどの有機溶媒を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。安全性等の点から、人体に無害な水、エタノール又はこれらの混合溶媒を抽出溶媒として用いることが好ましい。抽出は抽出溶媒の沸点以下であればよく、抽出温度によって適宜抽出時間は変更することができる。抽出物は、抽出溶媒として水分を含む場合もあるが、本発明の皮膚外用剤が一剤型皮膚外用剤の場合、保存中に酸性物質と炭酸ガス発生物質とが反応し、炭酸ガスが発生するために必要な量の水分を含まなければ実質的に水分を含むことにはならないため、水分を含む抽出溶媒を使用することもできる。
抽出物は、濾過により夾雑物を取り除いた後、粉末状等の固形状として、本発明の皮膚外用剤に含有させる。固形状とする方法としては、例えば上記の溶媒による抽出で得られた抽出液を、凍結乾燥や噴霧乾燥などにより粉末状とする方法等が挙げられる。前記の抽出液を固形状とする前に、サポニンが有する生理作用を損なわない範囲内で、更に精製操作を加えてもよい。
上記の効果をより一層高める観点から、本発明の皮膚外用剤がサポニンを含む抽出物を含有する場合、その含有量は、皮膚外用剤中0.001質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。当該抽出物の含有量が0.001質量%以上10質量%以下であることは泡沫の長時間安定性と皮膚状態の改善効果の両立の観点から好ましい。
また、本発明における天然界面活性剤としてのグリチルリチン酸及びその塩等としては、グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)等を挙げることができる。後述するようにグリチルリチン酸及びその塩は、抗炎症剤や美白剤としても機能する。本発明において、天然界面活性剤(又は抗炎症剤、美白剤)として、グリチルリチン酸及びその塩等を用いると、後述する実施例4及び5の比較から明らかな通り、皮膚外用剤と含水物質との混合物中において長時間にわたり炭酸ガスが保持されやすく、また炭酸ガス発生量も高めることができるほか、肌の角質水分量が増加し、また、赤みの増強等肌の状態改善効果が高まり、皮膚外用剤の使用感を向上させることが可能である。本発明の皮膚外用剤におけるグリチルリチン酸及びその塩の好ましい含有量は、後述する抗炎症剤の好ましい含有量と同様である。
更に、本発明の皮膚外用剤は、殺菌剤、抗炎症剤及び美白剤から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
殺菌剤は、殺菌、静菌又は抗菌作用があり、かつ皮膚外用剤に配合する上で皮膚に対する問題を生じない物質であり、その例としては、サリチル酸及びその塩若しくはサリチル酸誘導体;エリスロマイシン、クリンダマイシン、ゲンタマイシン、ペニシリン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンなどの抗生物質;ベンゾイルパーオキサイド;ナジフロキサシン;エタノール;塩化ベンザルコニウム;イオウ;パラヒドロキシベンゾエートエステル類;ヒノキチオール;トリクロサン;ホモスルファミン;クロラミンT;カテキン及びそれらの誘導体;キチン・キトサン誘導体などが挙げられる。更に、抗菌剤として抗菌作用を有する抽出物なども用いられ得、このような抽出物としては、ウイキョウ、オウバク、チャ、ローズヒップ、カミツレ、オレンジ、セイヨウノコギリソウ、ウコン、クチナシ、チョウジ、セージ、ユキノシタ、クローブ、ユーカリ、ヒノキ、スギなどの抽出物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの殺菌剤のうち、特にサリチル酸及びその塩若しくはサリチル酸誘導体を用いることが好ましく、特に、サリチル酸を用いることが好ましい。後述する実施例から明らかな通り、本発明の皮膚外用剤において、サリチル酸等の殺菌剤を用いると使用後の肌の角質水分量や弾力を向上させることが可能である。
この効果を一層高める観点から、本発明の皮膚外用剤が殺菌剤を含有している場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.001質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
抗炎症剤とは、炎症を抑制する作用を有する物質であり、その例として、天然界面活性剤として上述したグリチルリチン酸及びその塩、並びにそれらの誘導体が挙げられる。またその他の抗炎症剤の例として、グリチルレチン酸及びその塩、メフェナム酸及びその塩、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン酸及びその塩、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン、及びそれらの誘導体、ε−アミノカプロン酸、酸化亜鉛、ジクロフェナクナトリウム、プロアントシアニジンなどが挙げられる。更に、抗炎症剤として抗炎症作用を有する抽出物なども用いられ得、このような抽出物としては、ユキノシタ抽出物、カンゾウ抽出物、アロエ抽出物、シコン抽出物、サルビア抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ抽出物、シラカバ抽出物、オトギリソウ抽出物、ユーカリ抽出物、モモ葉抽出物、松樹皮抽出物、ブドウ種子抽出物、コケモモ抽出物などの動植物の抽出物などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの抗炎症剤のうち、特にグリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、並びにそれらの誘導体を用いることが好ましく、特に上述した理由からグリチルリチン酸及びその塩を用いることが好ましく、とりわけグリチルリチン酸ジカリウム(GK2)を用いることが好ましい。本発明の皮膚外用剤において、抗炎症剤を用いると、皮膚の炎症を抑え、ニキビや肌荒れを防ぐ効果を得ることができる。
このような効果を一層高める観点から、本発明の皮膚外用剤が抗炎症剤を含有する場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.001質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤にGK2を用いると、後述する実施例7から明らかな通り、高い肌の白色度向上効果が得られるだけでなく、角層水分量や弾力の向上等の高い肌状態改善効果が得られる。更にGK2を用いた皮膚外用剤は、後述する実施例6及び7の記載からも明らかな通り、混ぜやすさや垂れにくさ等の使用感にも優れている。
美白剤とは、チロシナーゼ活性を有するもの又はメラニン色素を脱色する活性を有するものが主に用いられる。その例としては、L−システインおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、トラネキサム酸誘導体、グラブリジン、リクイリチン、イソリクイリチン、ハイドロキノン、アルブチン、コウジ酸、プラセンタ、などが挙げられる。また、上記のグリチルリチン酸又は塩、グリチルレチン酸及びその塩並びにそれらの誘導体も、美白剤として用いることができる。更に、美白剤として美白作用を有する抽出物なども用いられ得、このような抽出物としては、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、ケイケットウ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの美白剤のうち、アルブチン、プラセンタ、グリチルリチン酸又はその塩、アスコルビン酸およびその誘導体から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
本発明で使用するアルブチンとは、体系名を4-(β-D-グルコピラノシルオキシ)フェノールともいう化合物である。
本発明の皮膚外用剤にアルブチンを用いると、後述する実施例10から明らかな通り、高い肌の白色度向上効果が得られるだけでなく、肌のしっとり感や弾力等の高い肌状態改善効果が得られる。更にアルブチンを用いた皮膚外用剤は、後述する実施例10及び16の記載からも明らかな通り、塗布のしやすさや塗布時の気持ちよさ、のび、除去のしやすさ等の使用感にも優れている。
プラセンタとは、動物、特に好ましくはブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヒトの胎盤から細胞分裂を促進する成長因子や他の栄養素を抽出したもの、魚の卵巣膜から栄養素を抽出したもの、植物の胚芽から栄養成分を抽出したものの総称である。プラセンタを含有した本発明の皮膚外用剤は、後述する実施例15の記載から明らかな通り、塗布後に水分蒸散量が低下しやすく、なめらかさやすべすべ感も増しやすい、という効果を奏する。本発明においては、いずれのプラセンタも使用できるが、動物由来のプラセンタや、魚由来のプラセンタを好ましく使用することができる。
上記の効果を一層高める観点から、本発明の皮膚外用剤が美白剤を含有している場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.001質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤においては、上記のサポニンを含む抽出物や殺菌剤、抗炎症剤、美白剤に代えて、或いは、これらに加えて、更に他の有効成分を用いることができる。そのような有効成分としては、金箔や真珠粉末(パール)、泥、炭、石膏、酵素、ハーブ、海藻、ヨーグルト、乳清、酒、麹などの発酵物、ハチミツ、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、乳酸ナトリウム、ピロリピロリドンカルボン酸ナトリウム等の保湿成分、カンゾウ等の植物成分、ビタミン類等を挙げることができる。その中でも特に、金箔や真珠粉末が好ましい。後述する実施例11の記載から明らかなように、金箔を使用すると、塗布時の気持ちよさ、見た目の良さ等の使用感が向上し、また肌状態改善効果も得られる。また後述する実施例12の記載から明らかなように、真珠粉末を使用すると、肌の明るさ等の肌状態の改善効果が得られ、また、使用感も向上する。
真珠粉末とは、アコヤガイ、クロチョウガイ、シロチョウガイ、マベ、アワビ等の海産の貝、イケチョウガイ等の淡水産の貝の体内で形成される球状あるいは不定形の代謝生産物である養殖又は天然真珠を、ボールミル、ジェットミル、ターボミル等の公知方法で粉砕したものを篩選別した粉体である。真珠粉末を含有する場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.0001質量%以上10質量%以下であることが好ましい。金箔を含有する場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.0001質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
本発明の発泡性皮膚外用剤には、そのほか、多糖類及びその誘導体及び水溶性タンパク質以外の増粘剤;賦形剤、顆粒化剤;pH調整剤;油脂;香料;着色剤;酸化防止剤;防菌防かび剤;アルコール、多価アルコール;無機塩;滑沢剤;溶剤;動植物の抽出物等の、通常皮膚外用剤に使用される成分の一種以上を含有することができる。
多糖類及びその誘導体及び水溶性タンパク質以外の増粘剤としては、ポリビニルアルコール、アクリレーツ/アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド/ポリアクリルアミドコポリマー、ポロキサマー(プルロニック(登録商標))をはじめとする親水性合成高分子や、ラポナイト、ベントナイト、スメクタイト等の親水性粘土鉱物等の親水性増粘性化合物が例示される。
賦形剤又は顆粒化剤としては、例えば、乳糖、粉糖、キシリトール、D−ソルビトール、ブドウ糖(グルコース)、D−マンニトール、果糖、蔗糖、白糖、尿素等の粉体を、特に制限なく、単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。このような賦形剤及び/又は顆粒化剤を含有する場合、その含有量は、本発明の皮膚外用剤中、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上88質量%以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤中、前記酸性物質、前記炭酸ガス発生物質、前記多糖類又はその誘導体、前記水溶性タンパク質、前記天然界面活性剤、前記殺菌剤、前記抗炎症剤、前記美白剤、前記賦形剤又は顆粒化剤以外のその他の成分の含有量は合計で40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤の剤型は、通常、固体状であり、粉末状や顆粒状、細粒状、ペレット状又はこれらの2種以上の組み合わせを挙げることができる。製造時のコスト低減や使用時の溶解のしやすさから、粉末状が好ましい。
例えば、本発明の皮膚外用剤を顆粒状とする場合、剤全体を顆粒状としてもよく、一部を顆粒状としてもよい。一部を顆粒状とする場合、前記酸性物質及び/又は前記炭酸ガス発生物質を顆粒状としてもよい。この場合、顆粒にその他の成分(賦形剤、顆粒化剤や多糖類又はその誘導体、水溶性タンパク質等、上記で記載した各種の成分の一種以上)を含有させてもよい。また、前記酸性物質及び前記炭酸ガス発生物質以外の成分を顆粒状としてもよい。
例えば、前記酸性物質及び/又は前記炭酸ガス発生物質とその他の成分との混合物を造粒することにより、前記固体状の酸性物質及び/又は前記固体状の炭酸ガス発生物質の顆粒を得る場合、その他成分の含有量としては特に制限はないが、上記顆粒中において80質量%未満とすることが好ましい。その他成分が80質量%を超える含有量で存在する場合、発泡性が低くなるため好ましくない。
前記顆粒の製造方法は、本実施例に限定されることはなく、乾式破砕造粒法や湿式破砕造粒法、流動層造粒法、高速攪拌造粒法、押し出し造粒法等の常法に従い製造できる。
例えば、マトリックス基剤として、顆粒化剤に低融点化合物を使用する場合は、ビーカー等の容器中で加熱により溶融させた低融点顆粒化剤に前記酸性物質及び/又は前記炭酸ガス発生物質並びに必要に応じてその他の成分を加えて十分攪拌、混合する。必要に応じてこれに適当な添加剤を加えてもよい。これを室温で徐々に冷やしながら更に攪拌し、固まるまで放置する。ある程度固まってきたら、冷蔵庫等で急速に冷却してもよい。
また、例えば、流動層造粒機に上記材料を投入し、数分間気流で混合し、これに、水を噴霧することにより造粒してもよい。
マトリックス基剤に低融点化合物を用いない場合は、ビーカー等の容器中で顆粒化剤を水又はエタノールのような適当な溶媒に溶解又は分散させ、これに前記酸性物質及び/又は前記炭酸ガス発生物質並びに必要に応じてその他の成分を溶解又は分散させて十分混合した後にオーブン等で加熱して溶媒を除去し、乾燥させる。完全に固まったら粉砕し、粒の大きさを整えるために篩過した後、顆粒とする。
前記のように固形化した酸性物質又は固体状の炭酸ガス発生物質の形状としては、例えば、不規則な形状、平面な形状、多面体形状、球状、しずく状、繊維状、円柱状、微粉状等が特に制限なく採用できる。また、その粒径としては、幅広い範囲のものが、特に制限なく使用できる。特に、取り扱いのしやすさ、含水物質との混合のしやすさの点から、粒径分布が1,000μm程度のものがより好ましい。本発明における上記粒径分布は、通常のレーザー回折/散乱法によって求めることができる。
本発明において、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質とを同一剤内に含有し、前記同一剤内において前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質が互いに物理的に接触しないように配合され、共存することが好ましい。その共存化手段は特に限定されること無く、広く適用が可能である。
前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質が互いに物理的に接触しないように配合する場合、例えば、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質とのいずれか一方又は両方に、これを包むコート層を設けてもよいし、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質とのいずれか一方又は両方をカプセル化してもよい。また、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質の間に、これらが直接接しないように前記酸性物質及び前記炭酸ガス発生物質を含有しない層を挟み、圧縮成形してもよい。
以下に、前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質の同一剤内への共存化手段について具体的に述べるが、これらに限定されない。
[コート層形成]
コート層形成方法としては、例えば、酸性物質又は炭酸ガス発生物質の少なくとも一方においてコート層を形成させる方法を使用しても良い。コート層を設けることにより、同一剤内に前記酸性物質、前記炭酸ガス発生物質及びその他成分と共に共存させても、その製造時や保管時に予期せぬ炭酸ガス発生の恐れがないので、安定性、耐久性の点から好ましい。
上記コート層を構成するに好ましい被覆剤としては、前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質と反応性が低いものであれば特に限定することなく使用することができる。例えば、油脂、脂肪酸、脂肪酸塩、アセチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、アクリル酸エチル−メタクリル酸共重合体、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、可溶性デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、小麦デンプン、白糖、乳糖等、クエン酸塩等が挙げられる。特に、クエン酸等の酸性物質を被覆する場合には、クエン酸カルシウム等のクエン酸塩を採用することが好ましい。また、加熱によって一定以上の温度で溶解する、固体炭化水素ワックス、固体油脂等を使用してコート層を形成してもよい。
酸性物質及び/又は炭酸ガス発生物質に対する被覆剤の使用量は、酸性物質又は炭酸ガス発生物質に対して、好ましくは1〜20%(w/w)、更に好ましくは1〜10%(w/w)程度とされる。
コート層の被覆法は、粒子の被覆に通常用いられるものであれば、いずれの方法で行ってもよい。例えば、噴霧造粒や転動造粒等により、造粒と同時に被覆してもよく、粉末又は造粒物に油脂コーティング、造粒コーティング、輸送層法、パンコーティング、転動コーティング、流動コーティング又はドライコーティング等の方法を用いて被覆してもよい。コーティングの際、過度な熱や、物理的な力が加わったりすると、前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質が破壊されると共に、生成した被膜が壊れ、前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質の表面全体に上記脂質粉状体を均一にコーティングすることが難しくなるばかりか、表面に前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質が漏出し吸湿による固化、あるいは配合時に他成分へ及ぼす悪影響の原因ともなるので、コーティング条件はコート層及びコーティング対象が破壊されない程度のものとする必要がある。
[カプセル化]
酸性物質及び/又は炭酸ガス発生物質をカプセル化する場合は、特に限定されること無く公知の方法を採用しても良い。
カプセル化の方法としては、公知の方法が特に限定されること無く適用することができ、カプセル化の材料としては、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム、メチルセルロース、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、シリコーン樹脂、固形ワックス、ポリエチレン、脂肪酸、高級アルコール等、またリポソーム等の界面活性剤の多重層を形成したもの等が含まれるが、これらに限定することなく広く用いることができる。例えば、カプセルの基本構造が、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレンから選択される一種以上のモノマーから形成されるホモポリマー又はコポリマーからなる、若しくは前記モノマーとアクリル酸、メタクリル酸、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレートから選択されるモノマーとから形成されるコポリマーからなる樹脂カプセルとすることも好ましい。この様なマイクロカプセルは、内容物とカプセルの外殻を構成するポリマーの構成モノマーとを水等の反応溶媒中に乳化させて、これにアゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を加えて、乳化重合を行えばよい。かかる乳化に用いる界面活性成分としては、例えば、「ラポナイトXLG」の名称で販売されているヘクスライト等が好適に例示できる。生じたマイクロカプセルを遠心分離等の手段で分離し、所望により、洗浄することにより、本発明のマイクロカプセルを製造することができる。
[圧縮成形]
圧縮成形の方法としては、前記酸性物質を含む第一層と前記炭酸ガス発生物質を含む第二層の間にこれらが直接接しないように、前記酸性物質及び前記炭酸ガス発生物質以外の物質(例えば、賦形剤、増粘剤等)からなる第三層を挟み、圧縮成形する方法を採用しても良い。前記圧縮成形された剤形としては、錠剤状、球状、板状等、固体状であればどのような剤形でも構わない。ここで、用いる前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質は、そのまま使用してもよいし、第一層又は第二層いずれか一方以上に、上記の方法でコート層を設けた前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質や、カプセル化した前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質を使用してもよい。圧縮成形の方法は、特に限定されること無く公知の方法を適用することができる。
本発明の皮膚外用剤は、以下の皮膚外用剤を除くものであってもよい。
「少なくとも、固体状の酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質及び増粘剤を含有し、水を含有しない一剤型皮膚外用剤であって、全皮膚外用剤中、前記増粘剤が12〜45質量%で含まれ、前記増粘剤は、アルブミン及びその他の増粘剤を併用し、前記皮膚外用剤の使用時に水分を含む液体と混合する一剤型皮膚外用剤」。ここで、増粘剤の例としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スルホン化セルロース誘導体、アクリレーツ/アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド/ポリアクリルアミドコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、プルロニックをはじめとする親水性合成高分子や、デンプン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロース類をはじめとする親水性天然高分子の他、コンドロイチン硫酸塩、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、アルブミン等の親水性タンパク質化合物、ラポナイト、ベントナイト、スメクタイト等の親水性粘土鉱物等の親水性増粘性化合物が挙げられる。
<皮膚外用剤の使用形態>
本発明の皮膚外用剤は、使用に際し、手のひらの上あるいは容器内で含水物質と混合することにより発泡を生じさせる。
本発明の皮膚外用剤は、一剤型の皮膚外用剤として用いられてもよいし、含水物質とキットを構成した二剤型のものとして用いられていてもよい。本発明の皮膚外用剤が一剤型の場合、上述したように皮膚外用剤は通常、固体状の組成物であり、固形状、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることがより好ましく、含水物質との混合のしやすさや発泡が起こりやすいことから、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることが特に好ましい。また、本発明の皮膚外用剤は一剤型の場合、通常、実質的に水を含まない。ここで、実質的に水を含まないとは、皮膚外用剤の保存中に酸性物質と炭酸ガス発生物質とが反応し、炭酸ガスが発生するために必要な量の水分を含まないことを言う。具体的には、本発明の皮膚外用剤中に含まれる水分量は、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。本発明の皮膚外用剤が含水物質とキットを構成した二剤型の場合、酸性物質、炭酸ガス発生物質及び少なくとも1種類の多糖類を含有する剤は、通常、固体状の組成物であり、固形状、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることがより好ましく、含水物質との混合のしやすさや発泡が起こりやすいことから、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることが特に好ましい。また、本発明の本発明の皮膚外用剤が二剤型の場合、固体状の組成物中には通常、実質的に水を含まない。ここで、実質的に水を含まないとは、皮膚外用剤の保存中に酸性物質と炭酸ガス発生物質とが反応し、炭酸ガスが発生するために必要な量の水分を含まないことを言う。具体的には、本発明の皮膚外用剤中に含まれる水分量は、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。本発明の皮膚外用剤が一剤型の場合は、通常、皮膚外用剤と混合するための含水物質を使用者が用意し、二剤型の場合は、上述のとおり、本発明の皮膚外用剤と、含水物質とがキットを構成する。皮膚外用剤が一剤型の場合、含水物質として水分を含む液体が多く用いられる。また二剤型である場合、含水物質の例としては、水分を含む液体やジェル等を挙げることができる。含水物質としては、液体が好ましく、粘度が低い液体がより好ましく、粘性を有しない液体が特に好ましい。含水物質は、実質的に前記の増粘剤を含有しないことが好ましい。具体的には含水物質における前記の増粘剤の含有量は0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。特に、皮膚外用剤が二剤型である場合、皮膚外用剤を液体、特に粘度が比較的低い液体と混合する方が、ジェルと混合する場合に比べて、本発明の効果が一層効果的に奏されるため好ましい。本発明の皮膚外用剤をジェルや比較的粘度の高い液体と混合する場合、2つの剤を混合しにくく、発泡までに時間がかかりやすいため、好ましくない。具体的には、含水物質は25℃における粘度が、好ましくは50000mPa・s以下であり、より好ましくは30000mPa・s以下であり、特に好ましくは10000mPa・s以下、さらに好ましくは5000mPa・s以下である。この粘度は、下記の実施例で用いた粘度計で測定できる。また、含水物質中の水分量は10質量%以上であれば良く、30質量%以上が好ましい。より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%であり、特に70質量%以上、とりわけ80質量%以上であることが好ましい。水分量が10質量%未満になると、皮膚外用剤と含水物質との混合時に炭酸ガスが発生しにくくなり、使用時の血流促進等の効果が得られなくなってしまう。ここで70質量%以上や80質量%以上といった高い下限値は、一剤型及び二剤型のいずれにもおいても採用可能であるが、特に一剤型の場合に好ましい。
本発明の皮膚外用剤が一剤型の場合は、一剤化されたことにより、二剤型のものに比べて低コストで使用者が取り扱いやすいという特徴を有する。一剤型の場合、本発明に使用される含水物質としては、通常、化粧品、医薬品等に用いられたり、一般家庭で使用する水を含む液体を挙げることができる。水を含む液体は水そのものであってもよい。具体的には、水道水、蒸留水、膜濾過水、イオン交換水、海洋深層水の他、日本酒、ワイン等の酒類、豆乳、飲むヨーグルト、アセロラジュース、スポーツ飲料、炭酸水等の飲料、米のとぎ汁や等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもかまわない。
また、本発明の皮膚外用剤と含水物質とを組み合わせて二剤型とする場合、この含水物質としては、上述したように、水分を含む液体又はジェルが挙げられ、上記で挙げた水や水を含む液体の他、これらに任意の成分を添加したものが挙げられる。この成分としては、二剤型皮膚外用剤における液剤に含まれる公知のもの、例えば保湿剤、界面活性剤、pH調整剤、揮発性アルコール、油脂類、香料、動植物の抽出物等を添加することができる。例えば、保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ソルビトール、ポリグリセリン誘導体などの多価アルコール、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、アーモンド、アボカド、アルテア、アロエ、ウスベニアオイ、オノニス、カラスムギ、甘草、クインスシード、クララ(クジン)、クチナシ、グレープフルーツ、クレソン、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、ゴボウ、コムギ、サイシン、サボテン、サボンソウ、サンザシ、ジオウ、シモツケ、ショウガ、ゼニアオイ、クワ、タチジャコウソウ、冬虫夏草、ドクダミ、ハッカ、ハトムギ、ハマメリス、バラ、ヒノキ、フキタンポポ、ブドウ、プルーン、ヘチマ、ボダイジュ、ホップ、マツ、マルメロ、マロニエ、メリッサ、ヤグルマソウ、ユリ、ライム、ラベンダー、リンゴ、コメ及びコメヌカ、ブラックカラント、イブキトラノオ、ノイバラ、エゾウコギ、海藻等の植物抽出物が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。
使用する含水物質の量は、特に限定されることなく広い範囲で使用することが可能であるが、例えば、皮膚外用剤に対し質量で1〜10倍量で加えることが好ましく、2〜5倍量加えることが一層好ましい。1倍量を超える液体を加えることにより、迅速に皮膚外用剤を溶解することができ、又、十分な量の炭酸ガスを発生させることができる。一方、液体を10倍量以内で加えることにより、皮膚外用剤の粘度低下による垂れ落ちを防止することができる。
使用する含水物質の温度は、特に限定されることなく広い範囲が使用できるが、予め冷却して使用することが、皮膚外用剤の有する有効成分の働きが高くなるため特に好ましい。使用できる温度範囲は、塗布時の使用感や使用者の利便性の観点から、室温程度の水や水道水を使用するのが好ましい。
皮膚外用剤を保存する方法としては、水分を遮断し接触しない状態で保存されていれば、特に制限はない。使用される保存容器の形状は、目的に応じて適宜選択でき、カップ状、チューブ状、バッグ状、瓶状、スティック状、ポンプ状、ジャー状、缶詰状等が挙げられる。また、保存容器を構成する材料は、例えば、プラスチック、ガラス、アルミニウム、紙、各種ポリマー等を単独あるいは2種以上選択して用いることができるが、これらに限定されない。
容器の具体例としては、密閉性、内容物の保存安定性、製造コスト等の点で、内面をポリエチレンテレフタレートでラミネートしたアルミスティック、アルミバッグ等の保存容器、チャック付きスタンドパウチ、内面をポリエチレンテレフタレートでラミネートしたアルミフィルム等で蓋をヒートシールしたポリエチレンテレフタレート製の保存容器等が好ましい。
本発明の皮膚外用剤によれば、後述する実施例の記載から明らかなように、使用感がよく、また優れた皮膚の状態改善効果が得られる。使用感の例としては、例えば、皮膚外用剤と含水物質との混合物の皮膚への混ぜやすさ、塗りやすさ、垂れにくさ及び除去のしやすさ等が挙げられる。また皮膚の状態改善効果としては、しっとり感、弾力、明るさ、赤み、白色度の向上や、角質水分量の増加等が挙げられる。後述する実施例24から明らかな通り、本発明の皮膚外用剤によれば、シワを目立たなくする効果も得ることが可能でありうる。
<皮膚外用剤の用途>
本発明の皮膚外用剤は、皮膚血流量の増加を促すものであり、また上記の効果を生かして、美白、肌質改善、そばかす改善、肌の若返り、肌の引き締め、部分痩せ、皮膚を清浄にする、肌を整える、肌のキメを整える、皮膚をすこやかに保つ、肌荒れを防ぐ、肌をひきしめる、皮膚にうるおいを与える、皮膚の水分,油分を補い保つ、皮膚の柔軟性を保つ、皮膚を保護する、皮膚に乾燥を防ぐ、肌を柔らげる、肌にはりを与える、肌にツヤを与える、肌を滑らかにする、日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ、乾燥による小ジワを目立たなくすることを目的とした化粧品だけでなく、肌あれ、あれ性、あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびの予防、油症肌、かみそりまけの予防、日やけによるしみ・そばかすの予防、日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ、肌をひきしめる、肌を清浄にする、肌を整える、皮膚をすこやかに保つ、皮膚にうるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚の乾燥を防ぐ等を目的とした、医薬部外品、薬品等の医薬品のいずれにも好適に使用することができる。本発明の皮膚外用剤は、化粧品、医薬部外品としての使用が好ましく、乳液、クリーム、パック剤、ピーリング剤等の化粧品、薬用化粧品としての使用が好ましい。特にその中でもパック剤として使用すると、使用感がよく高い肌状態改善効果が得やすいため好ましい。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。下記の各実施例及び比較例において、使用する原料は特にことわりのない限り、市販品を用いた。
<実施例1〜10、比較例1〜3>
表1に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、実施例1〜10の粉末状の皮膚外用剤、及び、比較例1〜3の粉末状の皮膚外用剤を製造した。下記表1の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
Figure 2015214537
下記の〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の要領に従い、上記の実施例及び比較例の皮膚外用剤の特性を評価した。
〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕
(1)官能評価
被験者として、20代〜30代の健常な女性3名を無作為に選出した。被験者の前腕内側を洗顔料で洗浄し、測定室にて15分間安静に過ごした。続いて、粉末状の皮膚外用剤試料と水を1:3(質量比)で容器中にて混合して泡状のパック化粧料である混合物を得た。この混合物を、上記前腕内側の4cm×4cmの部分に塗布した。塗布から10分後に、前腕から混合物を除去し、水で前腕を洗浄した。その後、使用感の評価として、「混ぜやすさ」、「塗りやすさ」、「垂れにくさ」及び「除去のしやすさ」の4項目、並びに、使用後の肌の状態として、「しっとり感」、「肌の弾力」、「肌の明るさ」及び「肌の赤み」の4項目についてアンケートを実施した。各項目について、表2に示す7段階に点数を付け、集計後、3名の平均値を求めた。結果を表3に示す。尚、「垂れにくさ」については塗布後、肌から混合物が垂れにくいほど高評価とした。また「水分量」については肌の水分量が高いほど高い点を付けることとし、「肌の赤み」については、肌の赤みが強いほど高い点を付けることとした。
Figure 2015214537
Figure 2015214537
上記表3の結果から、多糖類又はその誘導体を含有した各実施例の皮膚外用剤では、混ぜやすさ、塗りやすさ、垂れにくさ、除去のしやすさ等の使用感、及び、しっとり感、弾力、明るさ、赤み等の肌の状態改善効果の両方の点で比較例1〜3に比べて優れていることが判る。更に、二種類以上の多糖類又はその誘導体を含有した実施例2、6〜10は、この使用感の向上と肌の状態の改善の両方の効果が一層高いことが判る。また、実施例3、6、8、10のように、水溶性タンパク質を含有する場合、使用感及び肌の状態改善の効果が一層高くなるところ、実施例4、5、7、9のように、水溶性タンパク質に代えて天然界面活性剤であるサポニンを含む抽出物を含有する場合も、水溶性タンパク質と同等以上にこれらの効果が高くなることが判る。また、GK2、サリチル酸又はアルブチンを含有した実施例3、5〜10において、高い効果が得られていることも判る。例えば実施例4及び5の比較から明らかな通り、天然界面活性剤(且つ抗炎症剤及び美白剤)であるGK2を含有することで、肌の赤み等の状態改善効果を高めるだけでなく、皮膚外用剤の使用感も向上させている。上記の結果から、多糖類又はその誘導体を一種類使用した実施例1に比べて実施例2〜5のように多糖類又はその誘導体を二種類使用する場合や水溶性タンパク質、天然界面活性剤を併用することで、より高い使用感、及び肌状態改善効果を得られることがわかる。また、実施例6〜10のように多糖類又はその誘導体二種類以上と水溶性タンパク質又は天然界面活性剤を併用することで、更に使用感、及び肌状態改善効果のいずれも向上することがわかる。
(2)肌状態の測定
上記(1)の官能評価について、混合物塗布前における前腕内側の混合物塗布予定箇所におけるL*値、角質水分量、弾力をそれぞれ下記の測定装置で測定した。そして、混合物を除去し、水で洗浄した後も、上記前腕内側の混合物を塗布した箇所のL*値、角質水分量、弾力を同様に測定した。得られた測定値から、3名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値を、使用前における平均値で割り、得られた値を、変化率とした。L*値(白色度)の変化率を図1に、角質水分量の変化率を図2に、弾力の変化率を図3に、それぞれ示す。これらの図において、変化率は高いほど、高い評価である。
・L*値:色彩色差計(コニカミノルタ社製CR-400)で測定した。
・角質水分量:皮表角質水分量測定装置SKICON-200EX(アイ・ビイ・エス社製)で測定した。この皮表角質水分量測定装置は、皮膚のコンダクタンス(電気伝導度、単位:μS)を角質の水分量として評価したものである。
・弾力:皮膚粘弾力測定装置Cutometer MPA580(Courage+Khazaka社製)で測定した。
これらの測定は、機器に付属の説明書に記載される標準的な方法で実施した。
図1〜図3の結果から、皮膚外用剤使用後の肌のL*値、角質水分量、弾力について、各実施例では、各比較例と同等又はそれ以上の変化率が得られていることが判る。特に、多糖類又はその誘導体の2種以上の含有、水溶性タンパク質の含有、天然界面活性剤であるサポニンを含む抽出物の含有、天然界面活性剤(炎症剤及び美白剤)であるグリチルリチン酸塩の含有、その他の美白剤若しくは殺菌剤の含有から選ばれる1又は2以上の要因により、このL*値、角質水分量、弾力の変化率が高まることが判る。例えば実施例1及び2の比較から多糖類若しくはその誘導体の2種以上含有すると、L*値、角質水分量、弾力が向上することが判る。また実施例1及び3の比較から水溶性タンパク質及びグリチルリチン酸塩を含有すると、L*値、角質水分量、弾力が向上することが判る。また実施例1及び4の比較からサポニンを含む抽出物を含有すると、L*値、角質水分量、弾力が向上することが判る。また実施例4及び5の比較からグリチルリチン酸塩を含有すると角質水分量が向上することが判る。また実施例6及び8の比較並びに実施例7及び9の比較から、殺菌剤を含有すると角質水分量及び弾力が向上することが判る。また、実施例10から美白剤としてアルブチンを含有するとL*値が向上することが判る。
(3)皮膚外用剤の評価
直径約4.8cm、高さ約10.5cmの瓶(225mL)に水27mLを入れ、これに粉末状の皮膚外用剤試料9gを加えて、10秒間に20回攪拌した。得られた混合物について、以下の<発泡量>及び<炭酸ガス発生量>の評価を行った。
<発泡量>
攪拌後1分後、10分後、20分後の混合物の体積を測定し、攪拌前の体積に対する体積の増加率(%)を求めた。その結果を図4に示す。
<炭酸ガス発生量>
攪拌後の混合物から発生した炭酸ガスを水上置換により捕集した。攪拌後3、5、7、10、15、20、30分後の各時点における捕集された炭酸ガスの累積量(mL)を測定した。その結果を図5に示す。
図4の結果から、各実施例の皮膚外用剤は、撹拌後、時間が経過しても、混合物の体積が低下しにくく、混合物中に一定量の炭酸ガスが保持されることが判る。この効果は、多糖類若しくはその誘導体の2種以上の含有、水溶性タンパク質の含有、サポニンを含む抽出物の含有、及び、グリチルリチン酸塩の含有、その他の美白剤若しくは殺菌剤の含有から選ばれる1又は2以上の要因、特に水溶性タンパク質又はサポニンを含む抽出物の含有やグリチルリチン酸塩の含有により高まる。例えば実施例1及び2の比較から多糖類若しくはその誘導体の2種以上含有すると、得られる混合物中の炭酸ガス保持力が向上することが判る。また実施例1及び3の比較から水溶性タンパク質及びグリチルリチン酸塩を含有すると、得られる混合物中の炭酸ガス保持力が向上することが判る。また実施例1及び4の比較からサポニンを含む抽出物を含有すると、得られる混合物中の炭酸ガス保持力が向上することが判る。また実施例4及び5の比較からグリチルリチン酸塩を含有すると、得られる混合物中の炭酸ガス保持力が向上することが判る。
これに対し、各比較例においては混合物の気泡が保持されにくく、撹拌後の混合物の体積が低下しやすい、つまり混合物中に保持できる炭酸ガス量が少ないことが判る。
図5の結果から、各実施例では、撹拌から5分までの期間は比較的緩やかに炭酸ガスが発生し、その後も、勾配が緩やかなものがあるものの、混合物からの炭酸ガス発生が停止せずに継続していることが判る。特に、2種以上の多糖類若しくはその誘導体、水溶性タンパク質若しくはサポニンを含む抽出物やグリチルリチン酸塩、又は、その他の美白剤、殺菌剤を含有する実施例2〜10においては、炭酸ガスの発生が長く続く傾向にあることが判る。例えば実施例1及び3の比較から水溶性タンパク質及びグリチルリチン酸塩を含有すると、炭酸ガスの発生量が向上することが判る。また実施例1及び4の比較からサポニンを含む抽出物を含有すると、炭酸ガスの発生量が向上することが判る。また実施例4及び5の比較からグリチルリチン酸塩を含有すると炭酸ガスの発生量が向上することが判る。
これに対し、各比較例1〜3では、撹拌から3分後までの炭酸ガス発生速度は高いものの、その後の発生が停止してしまうか、或いは、発生する炭酸ガス量自体が低いことが判る。
<実施例11〜17>
下記表4記載の配合割合で各成分を配合、混合し、粉末状の皮膚外用剤を製造した。表4中の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
Figure 2015214537
〔実施例11〜17の評価〕
<官能評価>
上記の実施例1〜10及び比較例1〜3を評価した被験者とは別の被験者として、20〜30代の健常な女性3名を無作為に選出した。それ以外は、上記〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕における「(1)官能評価」と同様の方法で粉末状の皮膚外用剤試料を使用した後、各被験者に、以下の評価項目について、アンケートを実施した。各項目について、実施例17を基準(4.0点)として、上記表2に示す7段階に点数を付け、集計後、3名の平均値を求めた。結果を下記表5に示す。尚、下記の「刺激感」についてはピリ感があるほど高評価とした。また「肌のべたつき」はべたつきにくいほど高評価とした。
評価項目:使用時について「塗布のしやすさ」、「塗布時の気持ちよさ」、「塗布した混合物の見た目の良さ」、「垂れにくさ」、「刺激感(ピリ感の有無)」、「混合物ののびやすさ」、「混合物のべたつきにくさ」、「混合物の除去のしやすさ」の8項目、使用後の肌の状態について、「肌のしっとり感」、「肌のなめらかさ」、「肌のすべすべ感」、「肌のべたつき」、「肌のハリ感」、「肌のひきしめ感」及び「肌の明るさ」の7項目の合計15項目。
Figure 2015214537
上記表5の結果から、酸性物質、炭酸ガス発生物質、多糖類又はその誘導体、及び水溶性タンパク質1種を含有する実施例17の組成に更に、各有効成分(2種目の水溶性タンパク質も含む)を添加した実施例11〜16では、使用感及び肌の状態改善の両方の効果が向上することが判る。特に、金箔を追加した実施例11の皮膚外用剤を使用すると、塗布時の気持ちよさ、見た目の良さ等の使用感が向上することが判る。また真珠粉末を加えた実施例12の皮膚外用剤を使用すると、肌の明るさ等が改善することが判る。また、コラーゲンを加えた実施例13の皮膚外用剤を使用すると、特にしっとり感及びなめらかさ等が改善することが判る。また、加水分解コラーゲンを加えた実施例14の皮膚外用剤を使用すると、使用時に塗布のしやすさ、気持ちよさ、見た目の良さ等が改善し、使用後の肌のしっとり感及びなめらかさ等が改善することが判る。また、プラセンタを加えた実施例15の皮膚外用剤を使用すると、使用後のなめらかさ、すべすべ感等が改善することが判る。アルブチンを加えた実施例16を使用すると、使用時の塗布のしやすさ、気持ちよさ、のびが改善し、使用後の肌のなめらかさ、明るさ等が改善することが判る。
〔実施例14〜17の評価〕
<肌状態の測定>
上記〔実施例11〜17の評価〕の<官能評価>において、混合物塗布前における前腕内側の塗布予定箇所における水分蒸散量(g/m2/hr)を下記の測定装置で測定した。その後、混合物を除去し、水で洗浄した後も、前腕内側における混合物を塗布した箇所における水分蒸散量(g/m2/hr)を同様に測定した。
・水分蒸散量(g/m2/hr):Tewameter TM300(Courage+Khazaka社製)で測定した。この測定は、機器に付属の説明書に記載される標準的な方法で実施した。
得られた測定値から、3名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値から使用前における平均値を割り、変化率を求めた。得られた水分蒸散量の変化率を図6に示す。この変化率は、低い値であるほど、高い評価となる。
上記図6の結果から、実施例17の組成に更に、加水分解コラーゲンを加えた実施例14、プラセンタを加えた実施例15、アルブチンを加えた実施例16の各皮膚外用剤を使用すると、皮膚における水分蒸散量が更に抑制されることが判る。特に、プラセンタを加えた実施例15の抑制効果が高いことが判る。
<実施例18〜20>
表6に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、実施例18〜20の粉末状の皮膚外用剤を製造した。表6の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
Figure 2015214537
〔実施例18〜20の評価〕
<官能評価>
被験者として、20代〜30代の健常な女性5名を無作為に選出した。それ以外は、〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の(1)官能評価と同様の官能評価を行った。但し、評価項目は使用後の肌の状態として「肌のなめらかさ」、「肌のしっとり感」、「肌のうるおい感」、「皮膚の柔らかさ」の4項目とした。また、被験者に、表2に示す7段階の評価点を、実施例20を基準(4.0点)としてつけさせた。集計後、5名の評価点の平均値を求めた。その結果を表7に示す。
Figure 2015214537
〔実施例18及び19の評価〕
<肌状態の測定>
上記〔実施例18〜20の評価〕の<官能評価>において、混合物塗布前における前腕内側の混合物塗布予定箇所における角質水分量を上記の測定装置で測定した。そして、混合物を除去し、水で洗浄した後、前腕内側の混合物を塗布した箇所の角質水分量を同様に測定した。得られた測定値から、5名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値を、使用前における平均値で割り、得られた値を、変化率とした。この結果を図7に示す。
<皮膚外用剤の評価>
水の使用量を30mLとし、粉末状の皮膚外用剤試料の使用量を10gとしたほかは、〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の(3)の<発泡量>と同様にして、撹拌後の混合物の体積の増加率(%)を求めた。この結果を下記表8に示す。
Figure 2015214537
<実施例21>
表9に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、実施例21の粉末状の皮膚外用剤を製造した。表9の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
Figure 2015214537
<比較例4>
表10に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、炭酸塩を含む粉末と、酸を含む液とをそれぞれ製造した。表10の数値は質量部である。得られた酸を含む液について、粘度計(ブルックフィールド社製 RVT型)を用いて25℃における粘度を測定した結果、16.9mPa・sであった。
Figure 2015214537
<比較例5>
表11に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、酸を含む粉末と、炭酸塩を含む粘性組成物とをそれぞれ製造した。表11の数値は質量部である。得られた粘性組成物について、上記の粘度計を用いて25℃における粘度を測定した結果、549,600mPa・sであった。
Figure 2015214537
〔実施例21並びに比較例4及び5の評価〕
(1)官能評価
20〜30代の健常な女性4名を無作為に抽出し、被験者とした。それ以外は、〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の(1)官能評価と同様の官能評価を行った。但し、実施例21では、粉末状の皮膚外用剤と水とを1:2.7の質量比で混合して得た。比較例4では、炭酸塩を含む粉末と、酸を含む液とを1:3の質量比で混合して混合物を得た。比較例5では、酸を含む粉末と炭酸塩を含む粘性組成物とを1:3.68の質量比で混合して混合物を得た。また、評価項目は皮膚外用剤の使用後の肌の状態として「肌の弾力」及び「肌の赤み」の2項目とし、表2に示す7段階の点数は、比較例4を基準(4.0点)として評価点をつけた。集計後、4名の評価点の平均値を求めた。その結果を表12に示す。尚、実施例21で用いた水の25℃の粘度を上記粘度計で測定したところ、粘度計の下限値(10mPa・s)以下の数値を示した。
Figure 2015214537
(2)肌状態の測定
上記(1)の官能評価において、混合物塗布前に、前腕内側の混合物の塗布予定箇所におけるL*値を上記の測定装置で測定した。そして塗布、混合物を除去し、水で洗浄した。除去終了時点から15分後、60分後及び120分後の各時点において、前腕内側の混合物を塗布した部分のL*値を、上記の測定装置で測定した。得られた測定値から、4名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値から、使用前における平均値で引いて得られた値を変化値とした。得られたL*値(白色度)の変化値を表13に示す。同表において、変化値は高いほど、高い評価である。
Figure 2015214537
表12及び表13の記載から明らかな通り、酸性物質、炭酸ガス発生物質及び多糖類又はその誘導体を含有する皮膚外用剤を含水物質と混合した実施例21は、炭酸塩を含む粉末を酸を含む液と混合した比較例4、及び、酸を含む粉末を炭酸塩を含む粘性組成物と混合した比較例5に比べて、使用後の肌の状態改善効果が高いことが判る。
<実施例22〜23>
下記表14記載の配合割合で各成分を配合、混合し、粉末状の皮膚外用剤を製造した。表14中の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
Figure 2015214537
〔実施例22〜23の評価〕
<保存安定性の評価>
上記実施例22〜23で得られた粉末状の皮膚外用剤を、内面をポリエチレンテレフタレートでラミネートしたアルミフィルムバッグに9gずつ密封した。50℃又は60℃で、2ヶ月間保管し、保管期間中、バッグの膨化の有無を指標として炭酸ガスの発生の有無を観察した。結果を表15に示す。表中、「なし」は、保管期間(2ヶ月)中、炭酸ガスの発生がみられなかったことを示す。
Figure 2015214537
表15から明らかなように、バレイショデンプンを10質量%以上配合した実施例22及び23では、60℃で2ヶ月間保存しても炭酸ガスの発生は認められず、良好な保存安定性を確認できた。
〔実施例24の評価〕
下記表16記載の配合割合で各成分を配合、混合し、粉末状の皮膚外用剤を製造した。表16中の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
Figure 2015214537
下記の〔実施例24〕の要領に従い、上記の実施例及び比較例の皮膚外用剤の特性を評価した。
〔実施例24の評価〕
<抗シワ機能評価>
被験者として、目尻にシワのある成人女性16名を選出した。粉末状の皮膚外用剤試料と水を1:3(質量比)で容器中にて混合して泡状のパック化粧料である混合物を、左右どちらかの目尻を中心とする指定した半顔に塗布した。塗布から10分後に混合物を除去し、水又はぬるま湯で洗い流した。被験者はこれを1日1回、4週間実施した。シワの評価は、被験者の左右の目尻のシワ部分(混合物の塗布あり、なし)のレプリカを採取し、レプリカによる画像解析を実施した。レプリカの採取はレプリカ剤(SILFLO)を用いて被験者の外眼角から外側に4cm×4cmの範囲でレプリカを採取した。得られたレプリカについて、外眼角から顔の外側に約5mm離れた点を基点とし、10mm×10mmの範囲について解析を行った。解析は反射用レプリカ解析システム(ASA−03RXD)および3次元皮膚解析ソフトを用いて実施した。シワの評価結果である最大シワ最大深度の結果を表17に示す。変化量がプラスの場合は、使用前に比べてシワが深くなったことを示し、マイナスの場合は使用前に比べてシワが浅くなったことを示す。
Figure 2015214537
表17より、本発明の皮膚外用剤を使用することで、使用しない場合に比べて目尻の最大シワ最大深度は浅くなっていることが確認できた。上記結果より本発明の発泡性皮膚外用剤の使用は、シワを目立たなくする効果があることがわかる。
[一剤型皮膚外用剤の処方例]
以下に、更に、本発明の一剤型皮膚外用剤の具体的な処方例を示す。
<実施例25>
表18記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で3の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例26>
表19記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で5の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例27>
表20記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で10の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例28>
表21記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で3の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例29>
表22記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で4の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例30>
表23記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で10の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例31>
表24記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で4の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537
<実施例32>
表25記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で4の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Figure 2015214537

Claims (9)

  1. 少なくとも、固体状の酸性物質と、該酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質とを有する発泡性皮膚外用剤であって、更に、多糖類又はその誘導体を少なくとも1種類含有し、前記皮膚外用剤の使用時に含水物質と混合する発泡性皮膚外用剤。
  2. 前記多糖類又はその誘導体を2種類以上含有する請求項1に記載の発泡性皮膚外用剤。
  3. 前記多糖類又はその誘導体として、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸並びにセルロース及びその塩又は誘導体のうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1又は2に記載の発泡性皮膚外用剤。
  4. 前記多糖類又はその誘導体として、デンプン又はその誘導体及びデキストリンのうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1又は2に記載の発泡性皮膚外用剤。
  5. 前記多糖類又はその誘導体として、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸並びにセルロース及びその誘導体のうち少なくとも1種類と、デンプン及びデキストリンのうち少なくとも1種類とを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
  6. 更に、水溶性タンパク質を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
  7. 更に、天然界面活性剤を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
  8. 更に、美白剤、抗炎症剤及び殺菌剤のうち、1種類又は2種類以上を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
  9. 更に、金箔及び真珠粉末のうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
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