JP2015214537A - 発泡性皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
Description
これらに対し、酸性物質と炭酸ガス発生物質とを含有し、使用時に水及び増粘剤を含む粘性組成物と混合する皮膚外用剤も知られている(特許文献3)。
しかしながら、従来、このタイプの皮膚外用剤は、含水物質と混合して使用する際の混ぜやすさや塗りやすさ等の使用感と、肌のしっとり感や弾力、明るさ等を向上させるという皮膚の状態改善効果とを、両立する観点から不十分なものであった。
本発明に用いる固体状の酸性物質としては、無機酸、有機酸のいずれでもよく、これらの1種又は2種以上が用いられる。また、固体状であればどのような剤形でもよいが、顆粒状、粉末状等の粉状が好ましく、粉末状が特に好ましい。
本発明に用いる前記酸性物質と反応して二酸化炭素を発生する固体状の炭酸ガス発生物質としては、様々なものが特に限定されることなく使用できる。また、固体状であればどのような剤形でもよいが、顆粒状、粉末状等の粉状が好ましく、粉末状が特に好ましい。
本発明に使用される多糖類又はその誘導体の例としては、化粧料、医薬品分野において用いられ得る各種のものが挙げられる。具体的な多糖類の例としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ガラクタン、アラビアガム、トラガントガム、タマリンドガム、寒天、アガロース、マンナン、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、カードラン、ペクチン、アルギン酸又はその塩、デンプン、デキストリン、セルロース類等の親水性天然高分子;カルボキシメチルスターチ等のデンプン誘導体や、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、スルホン化セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルエチルセルロース及びその塩類、酢酸フタル酸セルロース、カチオン化セルロース等のセルロース誘導体といった親水性合成高分子等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多糖類又はその誘導体は、その多くが水に溶解又は分散して増粘効果を奏するものである。また、多糖類又はその誘導体を皮膚外用剤中に添加することには、使用前、保存中の皮膚外用剤の安定性を高め、酸と炭酸ガス発生物質との反応を防止して炭酸ガスの発生を防止するという利点も有する。多糖類又はその誘導体のうちには、保存中の安定性よりも増粘効果に多く寄与するもの(以下Aのタイプの多糖類又はその誘導体ともいう)も、増粘効果よりも保存中の安定性に多く寄与するもの(以下、Bのタイプの多糖類又はその誘導体)も存在しているから、両タイプの多糖類又はその誘導体を組み合わせることにより、増粘効果と、保存中の安定性とを両方の向上を図ることができる。Aのタイプの多糖類又はその誘導体としては、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸並びにセルロース及びその塩又は誘導体が挙げられ、Bのタイプの多糖類又はその誘導体としては、デンプン又はその誘導体及びデキストリンが好ましい多糖類として挙げられる。Bタイプの多糖類又はその誘導体を用いることによって、皮膚外用剤の保存中における炭酸ガスの発生を抑制することができる。特にデンプン又はその誘導体を用いることで炭酸ガスの発生を効果的に抑制し、長期間の保存安定性がより一層向上するため好ましい。本発明においてデンプン又はその誘導体を使用する場合、その好ましい使用量としては、皮膚外用剤中3質量%以上、特に5質量%以上、とりわけ10質量%以上とすることができる。
本発明においては、多糖類又はその誘導体の種類が多いこと、例えば3種以上組み合わせることも好ましい。
10質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、20質量部以上800質量部以下であることがより好ましい。
本発明の剤は、サポニンを含む抽出物として、これら植物のうち、トリテルペノイド系サポニンを含有する上記各種の植物のいずれか1種以上の抽出物を用いることが好ましく、ムクロジ、ダイズ、カンゾウ、ヘチマから選ばれる1種以上の植物の抽出物を含有することが好ましく、とりわけ、ムクロジの抽出物を含有することが好ましい。ここでムクロジは、ムクロジ科(Sapindaceae)ムクロジ属(Sapindus)に属する植物で、S.mukurossiやS.delavayi等が該当する。
この効果を一層高める観点から、本発明の皮膚外用剤が殺菌剤を含有している場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.001質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
このような効果を一層高める観点から、本発明の皮膚外用剤が抗炎症剤を含有する場合、その含有量は皮膚外用剤中、0.001質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤にGK2を用いると、後述する実施例7から明らかな通り、高い肌の白色度向上効果が得られるだけでなく、角層水分量や弾力の向上等の高い肌状態改善効果が得られる。更にGK2を用いた皮膚外用剤は、後述する実施例6及び7の記載からも明らかな通り、混ぜやすさや垂れにくさ等の使用感にも優れている。
本発明の皮膚外用剤にアルブチンを用いると、後述する実施例10から明らかな通り、高い肌の白色度向上効果が得られるだけでなく、肌のしっとり感や弾力等の高い肌状態改善効果が得られる。更にアルブチンを用いた皮膚外用剤は、後述する実施例10及び16の記載からも明らかな通り、塗布のしやすさや塗布時の気持ちよさ、のび、除去のしやすさ等の使用感にも優れている。
コート層形成方法としては、例えば、酸性物質又は炭酸ガス発生物質の少なくとも一方においてコート層を形成させる方法を使用しても良い。コート層を設けることにより、同一剤内に前記酸性物質、前記炭酸ガス発生物質及びその他成分と共に共存させても、その製造時や保管時に予期せぬ炭酸ガス発生の恐れがないので、安定性、耐久性の点から好ましい。
酸性物質及び/又は炭酸ガス発生物質をカプセル化する場合は、特に限定されること無く公知の方法を採用しても良い。
圧縮成形の方法としては、前記酸性物質を含む第一層と前記炭酸ガス発生物質を含む第二層の間にこれらが直接接しないように、前記酸性物質及び前記炭酸ガス発生物質以外の物質(例えば、賦形剤、増粘剤等)からなる第三層を挟み、圧縮成形する方法を採用しても良い。前記圧縮成形された剤形としては、錠剤状、球状、板状等、固体状であればどのような剤形でも構わない。ここで、用いる前記酸性物質と前記炭酸ガス発生物質は、そのまま使用してもよいし、第一層又は第二層いずれか一方以上に、上記の方法でコート層を設けた前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質や、カプセル化した前記酸性物質又は前記炭酸ガス発生物質を使用してもよい。圧縮成形の方法は、特に限定されること無く公知の方法を適用することができる。
「少なくとも、固体状の酸性物質、前記酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質及び増粘剤を含有し、水を含有しない一剤型皮膚外用剤であって、全皮膚外用剤中、前記増粘剤が12〜45質量%で含まれ、前記増粘剤は、アルブミン及びその他の増粘剤を併用し、前記皮膚外用剤の使用時に水分を含む液体と混合する一剤型皮膚外用剤」。ここで、増粘剤の例としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スルホン化セルロース誘導体、アクリレーツ/アクリル酸アルキルクロスポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアルキルアクリルアミド/ポリアクリルアミドコポリマー、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、プルロニックをはじめとする親水性合成高分子や、デンプン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、サクシノグリカン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、セルロース類をはじめとする親水性天然高分子の他、コンドロイチン硫酸塩、カゼイン、コラーゲン、ゼラチン、アルブミン等の親水性タンパク質化合物、ラポナイト、ベントナイト、スメクタイト等の親水性粘土鉱物等の親水性増粘性化合物が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、使用に際し、手のひらの上あるいは容器内で含水物質と混合することにより発泡を生じさせる。
本発明の皮膚外用剤は、一剤型の皮膚外用剤として用いられてもよいし、含水物質とキットを構成した二剤型のものとして用いられていてもよい。本発明の皮膚外用剤が一剤型の場合、上述したように皮膚外用剤は通常、固体状の組成物であり、固形状、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることがより好ましく、含水物質との混合のしやすさや発泡が起こりやすいことから、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることが特に好ましい。また、本発明の皮膚外用剤は一剤型の場合、通常、実質的に水を含まない。ここで、実質的に水を含まないとは、皮膚外用剤の保存中に酸性物質と炭酸ガス発生物質とが反応し、炭酸ガスが発生するために必要な量の水分を含まないことを言う。具体的には、本発明の皮膚外用剤中に含まれる水分量は、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。本発明の皮膚外用剤が含水物質とキットを構成した二剤型の場合、酸性物質、炭酸ガス発生物質及び少なくとも1種類の多糖類を含有する剤は、通常、固体状の組成物であり、固形状、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることがより好ましく、含水物質との混合のしやすさや発泡が起こりやすいことから、顆粒状、細粒状、粉末状の形態であることが特に好ましい。また、本発明の本発明の皮膚外用剤が二剤型の場合、固体状の組成物中には通常、実質的に水を含まない。ここで、実質的に水を含まないとは、皮膚外用剤の保存中に酸性物質と炭酸ガス発生物質とが反応し、炭酸ガスが発生するために必要な量の水分を含まないことを言う。具体的には、本発明の皮膚外用剤中に含まれる水分量は、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。本発明の皮膚外用剤が一剤型の場合は、通常、皮膚外用剤と混合するための含水物質を使用者が用意し、二剤型の場合は、上述のとおり、本発明の皮膚外用剤と、含水物質とがキットを構成する。皮膚外用剤が一剤型の場合、含水物質として水分を含む液体が多く用いられる。また二剤型である場合、含水物質の例としては、水分を含む液体やジェル等を挙げることができる。含水物質としては、液体が好ましく、粘度が低い液体がより好ましく、粘性を有しない液体が特に好ましい。含水物質は、実質的に前記の増粘剤を含有しないことが好ましい。具体的には含水物質における前記の増粘剤の含有量は0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以下であることが特に好ましい。特に、皮膚外用剤が二剤型である場合、皮膚外用剤を液体、特に粘度が比較的低い液体と混合する方が、ジェルと混合する場合に比べて、本発明の効果が一層効果的に奏されるため好ましい。本発明の皮膚外用剤をジェルや比較的粘度の高い液体と混合する場合、2つの剤を混合しにくく、発泡までに時間がかかりやすいため、好ましくない。具体的には、含水物質は25℃における粘度が、好ましくは50000mPa・s以下であり、より好ましくは30000mPa・s以下であり、特に好ましくは10000mPa・s以下、さらに好ましくは5000mPa・s以下である。この粘度は、下記の実施例で用いた粘度計で測定できる。また、含水物質中の水分量は10質量%以上であれば良く、30質量%以上が好ましい。より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%であり、特に70質量%以上、とりわけ80質量%以上であることが好ましい。水分量が10質量%未満になると、皮膚外用剤と含水物質との混合時に炭酸ガスが発生しにくくなり、使用時の血流促進等の効果が得られなくなってしまう。ここで70質量%以上や80質量%以上といった高い下限値は、一剤型及び二剤型のいずれにもおいても採用可能であるが、特に一剤型の場合に好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、皮膚血流量の増加を促すものであり、また上記の効果を生かして、美白、肌質改善、そばかす改善、肌の若返り、肌の引き締め、部分痩せ、皮膚を清浄にする、肌を整える、肌のキメを整える、皮膚をすこやかに保つ、肌荒れを防ぐ、肌をひきしめる、皮膚にうるおいを与える、皮膚の水分,油分を補い保つ、皮膚の柔軟性を保つ、皮膚を保護する、皮膚に乾燥を防ぐ、肌を柔らげる、肌にはりを与える、肌にツヤを与える、肌を滑らかにする、日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ、乾燥による小ジワを目立たなくすることを目的とした化粧品だけでなく、肌あれ、あれ性、あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびの予防、油症肌、かみそりまけの予防、日やけによるしみ・そばかすの予防、日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ、肌をひきしめる、肌を清浄にする、肌を整える、皮膚をすこやかに保つ、皮膚にうるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚の乾燥を防ぐ等を目的とした、医薬部外品、薬品等の医薬品のいずれにも好適に使用することができる。本発明の皮膚外用剤は、化粧品、医薬部外品としての使用が好ましく、乳液、クリーム、パック剤、ピーリング剤等の化粧品、薬用化粧品としての使用が好ましい。特にその中でもパック剤として使用すると、使用感がよく高い肌状態改善効果が得やすいため好ましい。
表1に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、実施例1〜10の粉末状の皮膚外用剤、及び、比較例1〜3の粉末状の皮膚外用剤を製造した。下記表1の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
(1)官能評価
被験者として、20代〜30代の健常な女性3名を無作為に選出した。被験者の前腕内側を洗顔料で洗浄し、測定室にて15分間安静に過ごした。続いて、粉末状の皮膚外用剤試料と水を1:3(質量比)で容器中にて混合して泡状のパック化粧料である混合物を得た。この混合物を、上記前腕内側の4cm×4cmの部分に塗布した。塗布から10分後に、前腕から混合物を除去し、水で前腕を洗浄した。その後、使用感の評価として、「混ぜやすさ」、「塗りやすさ」、「垂れにくさ」及び「除去のしやすさ」の4項目、並びに、使用後の肌の状態として、「しっとり感」、「肌の弾力」、「肌の明るさ」及び「肌の赤み」の4項目についてアンケートを実施した。各項目について、表2に示す7段階に点数を付け、集計後、3名の平均値を求めた。結果を表3に示す。尚、「垂れにくさ」については塗布後、肌から混合物が垂れにくいほど高評価とした。また「水分量」については肌の水分量が高いほど高い点を付けることとし、「肌の赤み」については、肌の赤みが強いほど高い点を付けることとした。
上記(1)の官能評価について、混合物塗布前における前腕内側の混合物塗布予定箇所におけるL*値、角質水分量、弾力をそれぞれ下記の測定装置で測定した。そして、混合物を除去し、水で洗浄した後も、上記前腕内側の混合物を塗布した箇所のL*値、角質水分量、弾力を同様に測定した。得られた測定値から、3名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値を、使用前における平均値で割り、得られた値を、変化率とした。L*値(白色度)の変化率を図1に、角質水分量の変化率を図2に、弾力の変化率を図3に、それぞれ示す。これらの図において、変化率は高いほど、高い評価である。
・角質水分量:皮表角質水分量測定装置SKICON-200EX(アイ・ビイ・エス社製)で測定した。この皮表角質水分量測定装置は、皮膚のコンダクタンス(電気伝導度、単位:μS)を角質の水分量として評価したものである。
・弾力:皮膚粘弾力測定装置Cutometer MPA580(Courage+Khazaka社製)で測定した。
これらの測定は、機器に付属の説明書に記載される標準的な方法で実施した。
直径約4.8cm、高さ約10.5cmの瓶(225mL)に水27mLを入れ、これに粉末状の皮膚外用剤試料9gを加えて、10秒間に20回攪拌した。得られた混合物について、以下の<発泡量>及び<炭酸ガス発生量>の評価を行った。
攪拌後1分後、10分後、20分後の混合物の体積を測定し、攪拌前の体積に対する体積の増加率(%)を求めた。その結果を図4に示す。
攪拌後の混合物から発生した炭酸ガスを水上置換により捕集した。攪拌後3、5、7、10、15、20、30分後の各時点における捕集された炭酸ガスの累積量(mL)を測定した。その結果を図5に示す。
これに対し、各比較例においては混合物の気泡が保持されにくく、撹拌後の混合物の体積が低下しやすい、つまり混合物中に保持できる炭酸ガス量が少ないことが判る。
これに対し、各比較例1〜3では、撹拌から3分後までの炭酸ガス発生速度は高いものの、その後の発生が停止してしまうか、或いは、発生する炭酸ガス量自体が低いことが判る。
下記表4記載の配合割合で各成分を配合、混合し、粉末状の皮膚外用剤を製造した。表4中の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
<官能評価>
上記の実施例1〜10及び比較例1〜3を評価した被験者とは別の被験者として、20〜30代の健常な女性3名を無作為に選出した。それ以外は、上記〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕における「(1)官能評価」と同様の方法で粉末状の皮膚外用剤試料を使用した後、各被験者に、以下の評価項目について、アンケートを実施した。各項目について、実施例17を基準(4.0点)として、上記表2に示す7段階に点数を付け、集計後、3名の平均値を求めた。結果を下記表5に示す。尚、下記の「刺激感」についてはピリ感があるほど高評価とした。また「肌のべたつき」はべたつきにくいほど高評価とした。
評価項目:使用時について「塗布のしやすさ」、「塗布時の気持ちよさ」、「塗布した混合物の見た目の良さ」、「垂れにくさ」、「刺激感(ピリ感の有無)」、「混合物ののびやすさ」、「混合物のべたつきにくさ」、「混合物の除去のしやすさ」の8項目、使用後の肌の状態について、「肌のしっとり感」、「肌のなめらかさ」、「肌のすべすべ感」、「肌のべたつき」、「肌のハリ感」、「肌のひきしめ感」及び「肌の明るさ」の7項目の合計15項目。
<肌状態の測定>
上記〔実施例11〜17の評価〕の<官能評価>において、混合物塗布前における前腕内側の塗布予定箇所における水分蒸散量(g/m2/hr)を下記の測定装置で測定した。その後、混合物を除去し、水で洗浄した後も、前腕内側における混合物を塗布した箇所における水分蒸散量(g/m2/hr)を同様に測定した。
得られた測定値から、3名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値から使用前における平均値を割り、変化率を求めた。得られた水分蒸散量の変化率を図6に示す。この変化率は、低い値であるほど、高い評価となる。
表6に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、実施例18〜20の粉末状の皮膚外用剤を製造した。表6の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
<官能評価>
被験者として、20代〜30代の健常な女性5名を無作為に選出した。それ以外は、〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の(1)官能評価と同様の官能評価を行った。但し、評価項目は使用後の肌の状態として「肌のなめらかさ」、「肌のしっとり感」、「肌のうるおい感」、「皮膚の柔らかさ」の4項目とした。また、被験者に、表2に示す7段階の評価点を、実施例20を基準(4.0点)としてつけさせた。集計後、5名の評価点の平均値を求めた。その結果を表7に示す。
<肌状態の測定>
上記〔実施例18〜20の評価〕の<官能評価>において、混合物塗布前における前腕内側の混合物塗布予定箇所における角質水分量を上記の測定装置で測定した。そして、混合物を除去し、水で洗浄した後、前腕内側の混合物を塗布した箇所の角質水分量を同様に測定した。得られた測定値から、5名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値を、使用前における平均値で割り、得られた値を、変化率とした。この結果を図7に示す。
水の使用量を30mLとし、粉末状の皮膚外用剤試料の使用量を10gとしたほかは、〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の(3)の<発泡量>と同様にして、撹拌後の混合物の体積の増加率(%)を求めた。この結果を下記表8に示す。
表9に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、実施例21の粉末状の皮膚外用剤を製造した。表9の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
表10に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、炭酸塩を含む粉末と、酸を含む液とをそれぞれ製造した。表10の数値は質量部である。得られた酸を含む液について、粘度計(ブルックフィールド社製 RVT型)を用いて25℃における粘度を測定した結果、16.9mPa・sであった。
表11に記載の各成分を同表に示した組成で配合、混合し、酸を含む粉末と、炭酸塩を含む粘性組成物とをそれぞれ製造した。表11の数値は質量部である。得られた粘性組成物について、上記の粘度計を用いて25℃における粘度を測定した結果、549,600mPa・sであった。
(1)官能評価
20〜30代の健常な女性4名を無作為に抽出し、被験者とした。それ以外は、〔実施例1〜10、比較例1〜3の評価〕の(1)官能評価と同様の官能評価を行った。但し、実施例21では、粉末状の皮膚外用剤と水とを1:2.7の質量比で混合して得た。比較例4では、炭酸塩を含む粉末と、酸を含む液とを1:3の質量比で混合して混合物を得た。比較例5では、酸を含む粉末と炭酸塩を含む粘性組成物とを1:3.68の質量比で混合して混合物を得た。また、評価項目は皮膚外用剤の使用後の肌の状態として「肌の弾力」及び「肌の赤み」の2項目とし、表2に示す7段階の点数は、比較例4を基準(4.0点)として評価点をつけた。集計後、4名の評価点の平均値を求めた。その結果を表12に示す。尚、実施例21で用いた水の25℃の粘度を上記粘度計で測定したところ、粘度計の下限値(10mPa・s)以下の数値を示した。
上記(1)の官能評価において、混合物塗布前に、前腕内側の混合物の塗布予定箇所におけるL*値を上記の測定装置で測定した。そして塗布、混合物を除去し、水で洗浄した。除去終了時点から15分後、60分後及び120分後の各時点において、前腕内側の混合物を塗布した部分のL*値を、上記の測定装置で測定した。得られた測定値から、4名の被験者の平均値を求めた。皮膚外用剤使用後における平均値から、使用前における平均値で引いて得られた値を変化値とした。得られたL*値(白色度)の変化値を表13に示す。同表において、変化値は高いほど、高い評価である。
下記表14記載の配合割合で各成分を配合、混合し、粉末状の皮膚外用剤を製造した。表14中の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
<保存安定性の評価>
上記実施例22〜23で得られた粉末状の皮膚外用剤を、内面をポリエチレンテレフタレートでラミネートしたアルミフィルムバッグに9gずつ密封した。50℃又は60℃で、2ヶ月間保管し、保管期間中、バッグの膨化の有無を指標として炭酸ガスの発生の有無を観察した。結果を表15に示す。表中、「なし」は、保管期間(2ヶ月)中、炭酸ガスの発生がみられなかったことを示す。
下記表16記載の配合割合で各成分を配合、混合し、粉末状の皮膚外用剤を製造した。表16中の数値は皮膚外用剤中の質量割合(質量%)である。
<抗シワ機能評価>
被験者として、目尻にシワのある成人女性16名を選出した。粉末状の皮膚外用剤試料と水を1:3(質量比)で容器中にて混合して泡状のパック化粧料である混合物を、左右どちらかの目尻を中心とする指定した半顔に塗布した。塗布から10分後に混合物を除去し、水又はぬるま湯で洗い流した。被験者はこれを1日1回、4週間実施した。シワの評価は、被験者の左右の目尻のシワ部分(混合物の塗布あり、なし)のレプリカを採取し、レプリカによる画像解析を実施した。レプリカの採取はレプリカ剤(SILFLO)を用いて被験者の外眼角から外側に4cm×4cmの範囲でレプリカを採取した。得られたレプリカについて、外眼角から顔の外側に約5mm離れた点を基点とし、10mm×10mmの範囲について解析を行った。解析は反射用レプリカ解析システム(ASA−03RXD)および3次元皮膚解析ソフトを用いて実施した。シワの評価結果である最大シワ最大深度の結果を表17に示す。変化量がプラスの場合は、使用前に比べてシワが深くなったことを示し、マイナスの場合は使用前に比べてシワが浅くなったことを示す。
以下に、更に、本発明の一剤型皮膚外用剤の具体的な処方例を示す。
表18記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で3の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表19記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で5の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表20記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で10の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表21記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で3の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表22記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で4の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表23記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で10の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表24記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で4の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
表25記載の配合割合で各成分を配合し、粉末状の一剤型皮膚外用剤とした。この一剤型皮膚外用剤粉を容器にとり、粉1に対し、質量比で4の水を加えて攪拌したところ、泡状のパック化粧料が得られた。
Claims (9)
- 少なくとも、固体状の酸性物質と、該酸性物質と反応して炭酸ガスを発生する固体状の炭酸ガス発生物質とを有する発泡性皮膚外用剤であって、更に、多糖類又はその誘導体を少なくとも1種類含有し、前記皮膚外用剤の使用時に含水物質と混合する発泡性皮膚外用剤。
- 前記多糖類又はその誘導体を2種類以上含有する請求項1に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 前記多糖類又はその誘導体として、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸並びにセルロース及びその塩又は誘導体のうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1又は2に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 前記多糖類又はその誘導体として、デンプン又はその誘導体及びデキストリンのうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1又は2に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 前記多糖類又はその誘導体として、キサンタンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸並びにセルロース及びその誘導体のうち少なくとも1種類と、デンプン及びデキストリンのうち少なくとも1種類とを含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 更に、水溶性タンパク質を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 更に、天然界面活性剤を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 更に、美白剤、抗炎症剤及び殺菌剤のうち、1種類又は2種類以上を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
- 更に、金箔及び真珠粉末のうち、少なくとも1種類を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡性皮膚外用剤。
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