JP2015214500A - 脂質ラフトのクラスター形成抑制剤 - Google Patents
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しかしながら、単一のタンパク質に対する阻害剤は個々の病原体のタンパク質に対して開発されるため、病原体が異なれば無効となる。さらに、最大の欠点は薬剤耐性の成立である。病原体や癌細胞は、阻害剤の標的となるタンパク質の変異や、他の情報伝達系経路の代替により、薬の攻撃を無力化する。耐性化は、疾患を重症化するばかりでなく、長期にわたる開発の努力や費用を無駄にしてしまう。
細胞によるエンドサイトーシスは、細胞外から細胞内への物質と情報の入り口である。ウイルス、細菌、原虫など、多くの病原体は、細胞膜の脂質ラフトで起こるエンドサイトーシスを利用して細胞に入りこむ。よって、脂質ラフトのクラスター形成を抑制すれば、エンドサイトーシスを介した病原体の感染と増殖を抑制することができる。脂質ラフトのもう一つの機能は、細胞外から細胞内への細胞膜受容体を介した情報伝達であるが、脂質ラフトのクラスター形成を抑制すれば、当該受容体を介する複数の情報伝達を同時にブロックすることができる。
の開発が望まれていた。
(2)以下の(a)、(b)又は(c)のペプチド、その誘導体あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、脂質ラフトのクラスター形成抑制剤。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性を有するペプチド。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性を有するペプチド。
(4)以下の(a)、(b)又は(c)のペプチド、その誘導体あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、細胞によるエンドサイトーシス抑制剤。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性を有するペプチド。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性を有するペプチド。
(6)以下の(a)、(b)又は(c)のペプチド、その誘導体あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制剤。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性を有するペプチド。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性を有するペプチド。
(8)被験動物に上記(3)又は(4)記載の抑制剤を投与することを特徴とする、細胞によるエンドサイトーシス抑制方法。
(9)被験動物に上記(5)又は(6)記載の抑制剤を投与することを特徴とする、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制方法。
上記(10)の医薬組成物としては、例えば、感染症の治療又は予防に用いるものや、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達により生じる疾患若しくは病態の治療又は予防に用いるものが挙げられる。
本発明の上記各抑制剤は、凝固第9因子(F9)の重鎖(トリプシンドメイン)と軽鎖との間に存在する中間部のペプチド(F9-APペプチド)を含むものであるが、正常細胞に対する障害性は低く、副作用等が無いものと推察される。
本発明の脂質ラフトのクラスター形成抑制剤は、前述のとおり、血液凝固第9因子(F9)の全長から重鎖であるトリプシンドメイン部分と軽鎖部分とを除いた部分(すなわちF9-APペプチド)を含むペプチド、その誘導体、あるいはこれらの塩を含むものである。
また、本発明の他の態様としては、F9-APペプチドを含むペプチド、その誘導体、あるいはこれらの塩を含む、細胞によるエンドサイトーシス抑制剤や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制剤も含まれる。細胞によるエンドサイトーシスの抑制や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達の抑制は、細胞膜における脂質ラフトのクラスター形成の抑制と密接に関連しているものである。よって、本明細書においては、上記脂質ラフトのクラスター形成抑制剤、細胞によるエンドサイトーシス抑制剤、及び細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制剤を、まとめて「本発明の抑制剤」という場合がある。
また、本発明でいう「脂質ラフト」とは、細胞膜を構成する二層の脂質膜における、コレステロールやスフィンゴ脂質に富む領域を意味する。なお、「脂質ラフトのクラスター」については、1つの脂質ラフト自体をクラスターと解してもよいし、複数の脂質ラフトが一定の領域に集まった状態のものをクラスターと解してもよく、本発明においては限定されない。
ここで、上記配列番号4、6、8及び10に示されるアミノ酸配列からなるペプチド(タンパク質)をコードするDNAは、それぞれ順に、配列番号3、5、7及び9に示される塩基配列である。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
上記(a)のペプチドとしては、限定はされないが、配列番号10に示されるアミノ酸配列からなるペプチドが好ましい。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性(あるいは、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性)を有するペプチド。
当該(b)のペプチドとしては、限定はされないが、配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性(あるいは、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性)を有するペプチドが好ましい。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して、80%以上の同一性(相同性)を有するアミノ酸配列を有し、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性(あるいは、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性)を有するペプチド。
さらに、当該(c)のペプチドとしては、配列番号10に示されるアミノ酸配列に対して、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、99.9%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し(又は当該アミノ酸配列からなり)、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性(あるいは、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性)を有するペプチドも好ましく挙げられる。上記同一性の数値は一般的に大きい程好ましい。
また本発明において、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性とは、上記CTxBやデキストランなどの物質の細胞内への取り込みを抑制する活性を意味する。当該活性は、例えば、上記脂質ラフトのクラスター形成抑制活性の方法により評価及び測定することができる。
また本発明において、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性とは、リガンドが細胞膜上の受容体に結合した後に細胞内に生じるタンパクリン酸化などの変化を抑制する活性を意味する。当該活性は、例えば、上記脂質ラフトのクラスター形成抑制活性の方法により評価及び測定することができる。
前記(a)〜(c)のペプチドは、天然物由来のペプチドであってもよいし、人工的に化学合成して得られたものであってもよく、限定はされないが、天然物由来のペプチドである場合は、細胞毒性等の悪影響や副作用等がない場合が多いため好ましい。
本発明の抑制剤は、前記(a)〜(c)のペプチドとともに、又はそれに代えて、当該ペプチドの誘導体を含むことができる。当該誘導体とは、当該ペプチドに由来して調製され得るものをすべて含む意味であり、例えば、構成アミノ酸の一部が非天然のアミノ酸に置換されたものや、構成アミノ酸(主にその側鎖)の一部に化学修飾が施されたもの等が挙げられる。
塩は、塩酸などの適切な酸、又は水酸化ナトリウムなどの適切な塩基を用いて調製することができる。例えば、水中、又はメタノール、エタノール若しくはジオキサンなどの不活性な水混和性有機溶媒を含む液体中で、標準的なプロトコルを用いて処理することにより調製することができる。
なお、被験動物の生体内に本発明の抑制剤を投与する場合は、その有効成分である前記(a)〜(c)のペプチド等を直接投与してもよいし、あるいは当該ペプチドをコードするDNAの状態で導入(遺伝子導入)してもよく、限定はされない。DNAの導入は、リポソーム法(リポプレックス法)、ポリプレックス法、ペプチド法、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)、及びウイルスベクター法などの公知の各種遺伝子導入方法を用いて行うことができる。
(1) DNA
本発明においては、前記(a)〜(c)のペプチドをコードする塩基配列を含むDNAも包含される。当該DNAは、当該ペプチドをコードする塩基配列からなるDNA(具体的には、前述した配列番号9に示される塩基配列からなるDNA)であってもよいし、あるいは、当該塩基配列を一部に含み、その他に遺伝子発現に必要な公知の塩基配列(転写プロモーター、SD配列、Kozak配列、ターミネーター等)を含んでなるDNAであってもよく、限定はされない。なお、当該ペプチドをコードする塩基配列では、コドンの種類は限定されず、例えば、転写後、ヒト等の哺乳類において一般的に使用されているコドンを用いたものであってもよいし、大腸菌や酵母等の微生物や、植物等において一般的に使用されているコドンを用いたものであってもよく、適宜選択又は設計することができる。
本発明においては、適当なベクターに上記本発明のDNAを連結(挿入)することにより得られる組換えベクターも包含される。本発明のDNAを挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA、ウイルス等が挙げられる。
本発明の組換えベクターには、プロモーター、本発明のDNAのほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)、選択マーカー遺伝子、レポーター遺伝子などを連結することができる。なお、選択マーカー遺伝子としては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。レポーター遺伝子としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)又はその変異体(EGFP、BFP、YFP等の蛍光タンパク質)、ルシフェラーゼ、アルカリフォスファターゼ、LacZ等の遺伝子が挙げられる。
本発明においては、上記本発明の組換えベクターを、目的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入して得ることができる形質転換体も包含される。宿主としては、本発明のDNAを発現し得るものであれば限定されず、例えば、当該分野において周知の細菌、酵母等を用いることができる。
細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明のDNA、転写終結配列を含めることができる。細菌としては、大腸菌(Escherichia coli)などが挙げられる。プロモーターとしては、例えばlacプロモーターなどが用いられる。細菌へのベクター導入法としては、公知の各種導入方法、例えばカルシウムイオン法等が挙げられる。
酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などが用いられる。この場合、プロモーターとしては酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えばgal1プロモーター等が挙げられる。酵母へのベクター導入法としては、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法等が挙げられる。
本発明の抑制剤は、医薬組成物に含まれる有効成分として有用である。なお、実質的には、前記(a)〜(c)のペプチドを当該有効成分ということもできる。
本発明の医薬組成物は、限定はされないが、例えば、感染症の治療又は予防に用いる医薬組成物や、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達により生じる疾患若しくは病態の治療又は予防に用いる医薬組成物であることが好ましい。
ここで、感染症としては、限定はされないが、病原体(ウイルス、細菌、原虫等、又はこれらに由来するタンパク質等の物質)の細胞内への侵入に起因して発症する公知の症状及び病態がすべて含まれる。また、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達により生じる疾患若しくは病態としては、限定はされないが、癌細胞の増殖等、細胞膜受容体を介するシグナルシグナル伝達に起因して発症する公知の症状及び病態がすべて含まれる。
本発明の医薬組成物は、本発明の抑制剤を有効成分として含み、さらに薬学的に許容される担体を含む医薬組成物の形態で提供され得る。
例えば注射剤により投与する場合は、ヒト患者に対し、1回の投与において1kg体重あたり、1μg〜100mgの量を、1日平均あたり1回〜数回投与することができる。投与の形態としては、静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射あるいは腹腔内注射などが挙げられるが、好ましくは静脈内注射である。また、注射剤は、場合により、非水性の希釈剤(例えばポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、エタノール等のアルコール類など)、懸濁剤あるいは乳濁剤として調製することもできる。そのような注射剤の無菌化は、フィルターによる濾過滅菌、殺菌剤の配合等により行うことができる。注射剤は、用時調製の形態として製造することができる。すなわち、凍結乾燥法などによって無菌の固体組成物とし、使用前に無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することができる。
本発明においては、構成成分として本発明の抑制剤を含むことを特徴とする、脂質ラフトのクラスター形成抑制用キット、細胞によるエンドサイトーシス抑制用キットや、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制用キットも提供される。
本発明のキットは、本発明の抑制剤の他に、各種バッファー、滅菌水、各種反応容器(エッペンドルフチューブ等)、洗浄剤、界面活性剤、各種プレート、防腐剤、各種細胞培養容器、及び実験操作マニュアル(説明書)等を含んでいてもよく、限定はされない。
以下の実施例においては、本発明の抑制剤に用いるペプチドとして、配列番号10に示されるアミノ酸配列からなるF9-APペプチド、及び、配列番号8に示されるアミノ酸配列からなるF9-EGF1ペプチドを用いた。本発明の抑制剤に用いるペプチドは、適宜、そのC末端及び/又はN末端に1又は複数のリシン残基を付加した形で用いることもできる。以下の実施例では、F9-APペプチドは、化学合成により作製したものを用い、F9-EGF1ペプチドは、アルカリフォスファターゼ(AP)との融合タンパク質として作製したものを用いた。
具体的には、各培養皿に、扁平上皮癌由来細胞A431(A431細胞)を疎らに播いて、37℃で60分間培養した。その後、培養液中に、AP(陰性コントロール)、及びF9-APペプチド(1 pmol/ml)を添加し、その30分後に蛍光CTxBを添加し、さらに5分後に4%パラホルムアルデヒドにより細胞を固定した。その後、共焦点顕微鏡を用いて撮影し蛍光検出した。その結果を図1に示した。F9-APペプチドの添加により細胞は伸展し、脂質ラフトのプローブであるCTxBの細胞膜上での染色性は顕著に低下した。
具体的には、実施例1と同様にして、A431細胞の培養液中に、AP(陰性コントロール)、及びF9-EGF1ペプチド(1 pmol/ml)を添加し、F9-EGF1ペプチドを添加したものについては、一部、同時にF9-APペプチド(5 pmol/ml)も添加した。その後、細胞を抗caveolin1抗体を用いて免疫染色し、共焦点顕微鏡を用いて蛍光検出を行った。その結果を図2に示した。
具体的には、各培養皿に、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を疎らに播いて、37℃で48時間培養した。その後、脂質ラフトのプローブであるCTxBと、抗eNOS抗体とを用いて免疫染色し、共焦点顕微鏡を用いて蛍光検出を行った。eNOSは細胞膜上でCTxBと共存していた。その後、AP(陰性コントロール)、及びF9-APペプチド(10 pmol/ml)を培養細胞に添加したところ、F9-APペプチドを添加した細胞では、添加から30分後にCTxBの染色性が低下し、eNOSも細胞膜上から消失した。その結果を、図3(A)に示した。
Claims (12)
- 血液凝固第9因子の全長からトリプシンドメイン部分と軽鎖部分とを除いた部分を含むペプチド、その誘導体、あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、脂質ラフトのクラスター形成抑制剤。
- 以下の(a)、(b)又は(c)のペプチド、その誘導体あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、脂質ラフトのクラスター形成抑制剤。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性を有するペプチド。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、脂質ラフトのクラスター形成抑制活性を有するペプチド。 - 血液凝固第9因子の全長からトリプシンドメイン部分と軽鎖部分とを除いた部分を含むペプチド、その誘導体、あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、細胞によるエンドサイトーシス抑制剤。
- 以下の(a)、(b)又は(c)のペプチド、その誘導体あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、細胞によるエンドサイトーシス抑制剤。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性を有するペプチド。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、細胞によるエンドサイトーシス抑制活性を有するペプチド。 - 血液凝固第9因子の全長からトリプシンドメイン部分と軽鎖部分とを除いた部分を含むペプチド、その誘導体、あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制剤。
- 以下の(a)、(b)又は(c)のペプチド、その誘導体あるいはこれらの塩を含むことを特徴とする、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制剤。
(a) 配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(b) 配列番号10に示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性を有するペプチド。
(c) 配列番号10に示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制活性を有するペプチド。 - 被験動物に請求項1又は2記載の抑制剤を投与することを特徴とする、脂質ラフトのクラスター形成抑制方法。
- 被験動物に請求項3又は4記載の抑制剤を投与することを特徴とする、細胞によるエンドサイトーシス抑制方法。
- 被験動物に請求項5又は6記載の抑制剤を投与することを特徴とする、細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達抑制方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の抑制剤を含む、医薬組成物。
- 感染症の治療又は予防に用いるものである、請求項10記載の組成物。
- 細胞膜受容体を介する細胞内への情報伝達により生じる疾患若しくは病態の治療又は予防に用いるものである、請求項10記載の組成物。
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