本実施形態に係るマッサージ機の概要について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、マッサージ機における上下前後左右とは、被施療者が座部1に着座した状態で、被施療者からみた方向で規定されるものとする。また、左右一対の構成要素については、共通する符号にL及びRを付して左右の区別を行うようにしているが、左右の構成要素を一纏めとして表す場合は共通する符号のみを付す場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係るマッサージ機は椅子式として構成されており、使用者となる被施療者が着座可能な座部1と、この座部1の後部にリクライニング自在に連結され、被施療者の上半身を保持する背もたれ部2と、座部1の前部に上下揺動自在に連結され、被施療者の脚及び足を保持する脚載部3とを備えている。
座部1の左右には、それぞれ肘掛部11が配設され、座部1の下面には、マッサージ機全体を床面上で保持する脚座10が設けられている。なお、この脚座10の後端には、マッサージ機を移動する際に用いられる転動輪10aが設けられている。
背もたれ部2の左右には、被施療者の体側部を施療する体側施療部21L,21Rが設けられている。
また、背もたれ部2の内部には、同背もたれ部2に沿って昇降可能となるように、マッサージユニット4が配設されている。このマッサージユニット4には、左右一対の揉み玉50L,50Rを具備する施療子駆動ユニット5が設けられており、この施療子駆動ユニット5により、多彩なマッサージを行うことができるようにしている。なお、施療子駆動ユニット5を含むマッサージユニット4の構成については後に詳述する。
また、本マッサージ機は、図2に示すように、演算処理装置であるCPUや、記憶手段としてのROM、RAMなどのメモリを備えた制御部6を備えている。なお、この制御部6は座部1の内部に配設されている制御ユニット内に設けられている。さらに、この制御部6とリモコン用インターフェースを介して有線あるいは無線(ワイヤレス)接続され、当該マッサージ機への電源投入から電源オフ、さらには背もたれ部2のリクライニング操作を含むマッサージ機全体の動作指示を行うことのできるリモートコントローラ(以下「リモコン」とする)Rを備えている。このリモコンRには、液晶表示パネルなどからなる表示部R1と、複数のボタンを備えた操作部R2が設けられている。
リモコンRは、図3に示すように、矩形ケーシングROに、相対的に大型のタッチパネルからなる表示部R1を設けるとともに、その上部及び下部には、上側操作部RUとして、入り/切りボタンR2a及び停止ボタンR2b、また、下側操作部RBとして、脚載部昇降ボタンR2c、脚載部収縮ボタンR2d、リクライニングボタンR2eが設けられている。
表示部R1には、待機定常画面として、図示するように「全身コース」、「部位コース」、「目的コース」、「マニュアル」及び「決定」などの操作ボタンイメージからなるメイン選択メニューR3が表示されている。使用者(被施療者)は、これら複数の操作ボタンイメージの中から所望する操作ボタンイメージを選択してタッチすることにより、所望する動作を選択することができる。すなわち、本実施形態では、タッチパネルからなる表示部R1と操作部R2とにより操作手段が構成されることになる。
ところで、本実施形態に係るリモコンRは、例えば、所望する個所やイメージなどを拡大することもでき、さらには、図19に示すように、表示部R1に、図柄などで人体イメージR4と施療子イメージR5とを模式的に表示して、例えばマッサージ実行中であっても、施療子イメージR5を押圧操作することにより、施療位置及び施療強さの微調節を行えるようにすることもできる。
かかる構成により、直感的な操作が行えることになり、操作性が向上する。なお、図19中、R6はマッサージ強度を調整するための操作ボタンイメージであり、施療子イメージR5ではなく、これらの操作ボタンイメージR6を操作することでも施療強さの微調節が可能である。
さらに、本マッサージ機は、図2に示すように、マッサージユニット4に配設された複数の駆動モータM1〜M4と、各モータM1〜M4の駆動によるマッサージユニット4の各機構の駆動量を検出するエンコーダE1〜E4と、背もたれ部2のリクライニング角度を検出する角度センサSとを備えている。なお、本実施形態では、エンコーダE1〜E4として、複数の透孔が所定間隔をあけて列状に形成された板体と、発光素子及び受光素子を備える光ユニットDとで対で構成され、光の透過及び遮断により発生するパルスをカウントするパルスセンサを用いている。
なお、詳しくは後述するが、本マッサージ機が備えるモータM1〜M4としては、昇降用駆動モータM1、進退用駆動モータM2、叩き用駆動モータM3、及び揉み用駆動モータM4がある。
また、本マッサージ機は、エアの給排気を行うエアポンプPを備えており、このエアポンプPを、座部1、背もたれ部2、および前記脚載部3の表面の内側部や、マッサージユニット4の被施療者への当接側に配設した複数のエアバッグ(不図示)に接続している。これらエアバッグの膨縮によって被施療者の身体の各部を優しくエアマッサージすることができるようになっている。
さらに、本マッサージ機は、ヒータHを備ており、施療個所を適宜温めながらマッサージすることも可能となっている。
これら駆動モータM1〜M4、エンコーダE1〜E4、角度センサS、エアポンプP及びヒータHは、インターフェースを介してCPUに接続している。
本実施形態に係るマッサージ機は、マッサージ態様の種類として、大きく、メカ単独コースマッサージ、エア単独コースマッサージ、メカ&エアコースマッサージ、自動コースマッサージに区分している。メカ単独コースマッサージは、マッサージユニット4を駆動して揉み玉50L,50Rのみを動作させるマッサージであり、エア単独コースマッサージはエアバッグのみを動作させるマッサージであり、メカ&エアコースマッサージは揉み玉50L,50Rによるマッサージとエアバッグによるマッサージを同時に行うマッサージである。そして、いずれのコースマッサージにおいても、身体への過度の負荷がかからないように、所定時間(例えば15分)は連続してマッサージ動作が行われないように制御している。
かかるマッサージ態様を実現するために、制御部6のメモリには、メインプログラムをはじめとする各種マッサージプログラムが記憶されている。メインプログラムを除くマッサージプログラムとしては、揉み玉50L,50Rやエアバッグを用いたマッサージ動作(以下、マッサージ動作について「手技」と言う場合がある。)を実行させるショートプログラムと、揉み玉50L,50Rやエアバッグを個別に動作させてメカ単独コースマッサージ、エア単独コースマッサージ及びメカ&エアコースマッサージを実行する個別プログラムと、複数種の各種ショートプログラムによる一連の手技を有する単位施療動作を組み合わせて構成した15分のマッサージを実行させる自動コースマッサージを実行する自動コースプログラムがある。
こうして、本実施形態に係るマッサージ機では、主電源が投入されてメインプログラムが起動すると、CPUがリモコンRからの指示信号に応じて各プログラムを読み出し、各プログラムに従ってマッサージユニット4やエアポンプPを駆動することにより、複数種のマッサージ態様からなる多種多様なマッサージを行うことができる。
ここで、本実形態に係るマッサージ機のメインプログラムに沿った処理の流れを図4に示す。主電源がONになると、図示するように、マッサージ機は、低消費電力状態の所謂スタンバイ状態であるサスペンド状態となり(ステップS11)、リモコンRが操作されて指示信号が出力される操作受付がなされる(ステップS12)まで待機状態が維持される。
そして、ステップS13において、リモコンRの表示部R1に表示されている選択メニューR3から、例えば、メカ単独マッサージが選択されていると判定した場合(ステップS13:YES)、CPUは、処理をステップS14に移してメカ単独コースマッサージを実行する。
一方、ステップS13において、メカ単独マッサージが選択されていないと判定した場合(ステップS13:NO)、CPUは処理をステップS15に移す。
そして、ステップS15において、例えば、エア単独マッサージが選択されていると判定した場合(ステップS15:YES)、CPUは、処理をステップS16に移してエア単独コースマッサージを実行する。
一方、ステップS15において、エア単独マッサージが選択されていないと判定した場合(ステップS15:NO)、CPUは処理をステップS17に移す。
そして、ステップS17において、例えば、エア&メカマッサージが選択されていると判定した場合(ステップS17:YES)、CPUは、処理をステップS18に移してメカ&エアコースマッサージを実行する。
一方、ステップS17において、メカ&エアマッサージが選択されていないと判定した場合(ステップS17:NO)、CPUは処理をステップS19に移し、自動コースマッサージを実行する。
そして、ステップS14、ステップS16、ステップS18及びステップS19の各コースマッサージが終了すると、CPUはリモコンRの入り/切りボタンR2aがOFF操作されたか否かを判定する(ステップS20)。
そして、ステップS20において、入り/切りボタンR2aがOFF操作されたと判定すると(ステップS20:YES)、CPUは処理をステップS11に戻す一方、入り/切りボタンR2aがOFF操作されていないと判定した場合(ステップS20:NO)、処理をステップS21に移す。
ステップS21において、CPUは、タイムアップしたか(例えば15分が経過したか)否かを判定し、タイムアップしたと判定した場合(ステップS21:YES)、ステップS20の処理で入り/切りボタンR2aがOFF操作されたと判定したとき同様、処理をステップS11に戻す。一方、タイムアップしていないと判定した場合(ステップS21:NO)、CPUは主電源がOFF操作されたか否かを判定する(ステップS22)。
そして、ステップS22において、主電源がOFF操作されていないと判定した場合(ステップS22:NO)、処理をステップS20に戻し、入り/切りボタンR2aがOFF操作されるか、タイムアップするまで待機する一方、主電源がOFF操作されたと判定すると(ステップS22:YES)、CPUは本メイン処理を終了する。
なお、自動コースマッサージは、前述したように、各種の手技を組み合わせて15分間のマッサージを行うようにプログラムされているもので、かかる自動コースマッサージを実行するための各種の自動マッサージプログラムが、本実施形態に係る記憶装置としてのROMに複数記憶されている。
例えば、自動マッサージプログラムの一例として、本実施形態では「禅コース」と呼ばれるプログラムが用意されている。このプログラムによる自動コースマッサージは、従来の自動コースマッサージとは異なり、実際の施術師の「間」を再現することを目的としている。
なお、これまでもプロの施術師の動作を再現することを企図したマッサージ機は提案されているが、マッサージ中に「間」を設けることが想定されることは全くなかった。しかし、実際の施術師によるマッサージを再現するためには、この「間」が重要であることが分かった。
すなわち、制御部6では、この「禅コース」によるマッサージを実行する場合、少なくとも1つのショートプログラムを有する単位施療動作の終了時に、当該単位施療動作における最終のショートプログラムの終了時における揉み玉50L,50Rの位置で、当該揉み玉50L,50Rを被施療者の身体に当接したまま所定時間静止させて創出した「間」を終了動作として行うのである。
このように、本実施形態に係るマッサージ機では、施術師による施療における施療部位や同部位に施すマッサージ態様を再現するばかりではなく、各部位にマッサージ態様を実施するタイミングまでも再現できるようにしている。
本実施形態における単位施療動作としては、施療開始の合図としての「軽擦」、一連の「手技群」、及び前述の「間」の3つからなり、かかる単位施療動作によるマッサージ態様を施療対象の部位(群)ごとに組み合わせることで自動コースマッサージを構成している。なお、「軽擦」、「手技群」、及び「間」を有する前記単位施療動作によるマッサージ態様を実行する制御を、以下では「目的施療単位処理」と呼ぶ。
ここで、メインプログラム(図4)による処理中、ステップS19の自動コースを実行するための自動マッサージプログラムが読み出された場合について説明する。図5に本実施形態に係る自動コースマッサージ(禅コース)の動作の流れの一例を示す。
図示するように、先ず、CPUは施療位置検出処理を実行する(ステップS31)。次いで、CPUは、「肩」、「腰」など、予め定められた複数個所の施療対象部位ごとに、ショートプログラムに従って実行される手技(マッサージ動作)を含む目的施療単位処理を所定回数実行する(ステップS32)。そして、予め設定された所定回数の目的施療単位処理を終えると、CPUは、整え動作処理を行う(ステップS33)。
この整え動作処理は、自動コースによるマッサージの終了を被施療者に認識させるもので、具体的には、揉み玉50L,50Rによる一回のみの叩き動作を実行する。すなわち、最終の目的施療単位処理が終了すると、そのときの目的施療単位処理がなされている施療対象部位を軽く「トン」と叩くことにより、自動コースの終了を被施療者に明確に認識させるのである。本実施例の場合、具体的には、叩き動作が交互動作となるので「トトン」と両側の肩をずらして叩くことになる。かかる整え動作は、実際の施術師によるマッサージの再現の重要な態様の一つである。
ここで、ステップS32で実行される目的施療単位処理について説明する。図6に示すように、目的施療単位処理では、CPUは、先ず、目的部位の軽擦動作を行う(ステップS41)。次いで、一連の手技群からなるマッサージを実行し(ステップS42)、最後に本マッサージ機によるマッサージ態様の特徴となるところのマッサージ動作のない「間」(ステップS43)をおいて終了する。
そして、この「間」の終了動作の後、他の動作制御に移行するため、揉み玉50L,50Rを初期位置に向けて引き込むようにしている。なお、本実施形態において、この揉み玉50L,50Rを「間」の終了動作における位置から初期位置方向へ引き込む動作の制御も、ここで言う他の動作制御に含まれる。また、ここで初期位置とは、施療子駆動ユニット5が前後進退方向に関して最も後退した状態における揉み玉50L,50Rの位置のことを指し、この位置において、揉み玉50L,50Rは最も引き込まれた状態となる。
本実施形態のマッサージ機では、この「間」の概念は以下の通りである。すなわち、一連の手技が一通り終了すると、CPUは、終了した部位で揉み玉50L,50Rを身体に当てたまま静止する。この静止時間を数秒(例えば3秒程度)の間合いをとるのである。このように、「間」を終了動作として設けることで、被施療者に対しマッサージの余韻を感じさせることができ、あたかも実際の施術師によりマッサージを受けているかのような心地よさを体現することができる。その後、CPUは、揉み玉50L,50Rを所定の収納位置まで引き込み、次の部位へと移動させる。
特に、本実施形態では、揉み玉50L,50Rを身体に当てたまま静止する「間」としての所定静止時間を、人間の呼吸の平均周期に合わせている。一般に、呼吸の平均周期は約3秒と言われており、本実施形態では、「間」としての揉み玉50L,50Rの静止時間を3秒に設定している。なお、「間」として揉み玉50L,50Rの静止時間を設定する機能をマッサージ機にもたせ、被施療者の呼吸周期に合わせて「間」の時間を設定可能とすることもできる。
このように、「間」として、人間の生の基礎となるリズムである呼吸の周期に合わせたことで、被施療者にとっては極めて自然な「間」と認識され、機械によるものでありながらプロの施療師の手によるマッサージ態様と殆ど変らないマッサージを体感することができる。特に、呼吸の周期は、生命の源とも謂われる海の波の周期と近似していると謂われており、人が生きて活動していく上での基本リズムとなるので、この基本リズムに合わせた「間」を設けることで、より高いマッサージ効果、あるいは、より高いリラックス効果を望めるようになる。
また、本実施形態では、「間」としての概念を揉み玉50L,50Rの静止時間としたが、この静止時間と移動時間とを関連付けることが望ましい。
すなわち、揉み玉50L,50Rを被施療者に当接したまま3秒程度静止させる終了動作の後に、次の単位施療動作へ揉み玉50L,50Rを移動させる動作制御が必要な場合、制御部6は、終了動作における静止時間を、揉み玉50L,50Rの移動距離に応じて決定するのである。
より具体的に説明すると、自動コースによるマッサージの場合、自動コース中の単位施療動作ごとに施療個所が異なり(たとえば、腰、肩、背中など)、次の単位施療動作へ移る際に揉み玉50L,50Rが移動することになるが、移動距離が長い場合は、その長さに応じて「間」を短縮するのである。例えば、施療個所が同じでマッサージ態様が異なるような場合(「揉み」から「叩き」に変わるなど)であれば、「間」は3秒であるが、移動距離が長くなると、その移動に要する時間だけ間を短縮する。かかる制御とすれば、「間」と移動時間との合計が略一定となるため、自動コースマッサージの全体的なリズムは変わることがなく、マッサージの快適性が損なわれるおそれもない。
ここで、ステップS41の目的部位の軽擦処理について詳述する。「軽擦動作」とは、施療開始の合図として、被施療者に対して所定の位置まで揉み玉50L,50Rを進出させて所定時間擦る動作であり、例えば、目的部位が肩甲骨であれば、マッサージユニット4を肩甲骨に対応する位置に移動させるとともに、被施療者の肩甲骨に軽く当接する位置まで前進させる。そして、肩甲骨の上下、左右の範囲内において、特に、肩甲骨の内側の略八の字を形成するラインに沿って「擦り動作」を実行する。
この「擦り動作」は、擦りマッサージと同様な動作をするものであり、例えば、上から下へのローリング動作をしながら、もみ軌道の下側を使って、体の中央(背筋)側から外側へ向かっての「なで擦り」動作を行うものである。体の中央に戻るときは、1ストローク目より少し下の位置まで戻り次のストロークを行う。これによりだんだんと位置を下げながら、かつ横方向(体側方向)へずらしながらこれを繰り返して肩甲骨のラインに沿って「なで擦り」動作を実行するとよい。
「なで擦り」動作について、より具体的に説明すると、以下の通りである。
CPUは、先ず、揉み玉50L,50Rの位置として、両揉み玉50L,50R間の間隔を狭い位置に調節するとともに、指定された上下位置になるようにマッサージユニット4を移動させる(a)。次いで、「軽擦」に対応する強弱位置まで揉み玉50L,50Rを突出させる(b)。そして、揉み玉50L,50Rを所定距離だけ下降させるとともに、揉み玉50L,50Rを揉み方向に極めて低速度で逆回転させながら、揉み軌道による突出がないように強弱位置を調節する(c)。戻すときは反対に、揉み用駆動モータM4を正回転させながら、揉み軌道による強弱位置の増減がないように強弱位置を調節する。そのときに上下方向は、当初の位置よりも僅かな距離だけ下げた位置まで戻らせる(d)。そして、(c)、(d)の動作を繰り返す(e)。
また、「なで擦り」とは別に、擦り動作の一例として、例えば、「横さすり」動作がある。これは、上述した「なで擦り」では、(c)の動作で揉み玉50L,50Rを所定距離だけ下降させたが、「横さすり」動作は、揉み玉50L,50Rを下降させることなく、揉み軌道のみで肩甲骨周りを擦る。
このように、目的部位が肩甲骨であれば、肩甲骨周りの軽擦を行うことにより、被施療者は、これから肩甲骨を目的部位とするマッサージが開始されるということを明確に認識することが可能となる。これも、実際の施術師によるマッサージの再現の重要な態様の一つとなる。
次に、この自動コースマッサージ(「禅コース」)を開始するに先だって行われる施療位置検出処理(図5:ステップS31)について、図7を用いて説明する。
図7に示すように、施療位置検出処理では、CPUは、先ず、施療位置の基準となる「施療上下基準位置」の検出処理を行う(ステップS51)。次いで、取得した「施療上下基準位置」から各々の施療部位(例えば、首、肩、肩甲骨、背中、腰及び尻)の上下基準位置である「部位別上下基準位置」を算出する(ステップS52)。なお、ここで、「部位別上下基準位置」としては、「首上下基準位置」、「肩上・上下基準位置」、「肩下・上下基準位置」、「肩甲骨上下基準位置」、「背中上下基準位置」、「腰上下基準位置」及び「尻上下基準位置」が設定されている。そして、「部位別上下基準位置」は、部位別に所定の係数が設定されており、かかる係数を「施療上下基準位置」に乗ずることで算出されるようになっている。算出を終えると、CPUは、次に「各部位の前後基準位置」を検出する(ステップS53)。
ここで、ステップS51において「施療上下基準位置」を検出し決定するに際し、CPUは、先ず、被施療者の肩の仮位置を決定し、決定した仮位置から一定距離だけ揉み玉50L,50Rを上昇させ、その後、揉み玉50L,50Rが被施療者に当接するまで下降させ、当該揉み玉50L,50Rが被施療者に当接した位置を検出して上下基準位置としている。ここで、揉み玉50L,50Rを肩の仮位置から上昇させる一定距離としては、例えば5cmと設定するとよい。この5cmは成人の首よりも短い距離であって、仮位置から揉み玉50L,50Rを上昇させても頭部には当たることのないように設定される距離である。
より具体的に説明すると、所定の上下基準検出開始位置に揉み玉50L,50R(マッサージユニット4)移動し、ここからマッサージユニット4を上昇させながら揉み玉50L,50Rを押し出す。次いで、進退用駆動モータM2の負荷電圧をモニタリングし、負荷電圧が一定値以下に変化する地点を検出し、この地点を肩の仮位置とする。次いで、この仮位置から5cmだけマッサージユニット4を上昇して停止し、揉み玉50L,50Rを最も突出した状態にするとともに、ここからマッサージユニット4を降下させる。そして、昇降用駆動モータM1のパルス信号をモニタリングし、パルス幅が一定以上に変化する地点を検出し、あるいは負荷信号をモニタリングし、所定の閾値以上に変化する地点を検出し、検出した地点を「施療上下基準位置」とするのである。
なお、肩の仮位置を検出する際に、揉み玉50L,50Rを上昇させながら突出させるスタート位置としては、少なくとも腰よりは上方で、仮想最低伸長の人の肩位置よりも下方に設定する。
ところで、ステップS52において、首、肩、肩甲骨、背中、腰及び尻などの上下基準位置である「部位別上下基準位置」を算出するようにしているが、算出した結果については、マッサージ実行中であっても随時微調節することが可能である。
すなわち、リモコンRの定常画面において、例えば微調整の選択メニューが設定されており、これを操作すると、前述したように、リモコンRには図柄などで人体イメージR4と施療子イメージR5とが模式的にタッチパネルからなる表示部R1に表示される。そして、かかる施療子イメージR5を指で触れて操作することにより、随時に微調節が行える。
また、ステップS53における「各部位の前後基準位置」の検出処理は、次のような手順でなされる。先ず、揉み玉50L,50Rを前後の収納位置で、揉み玉50L,50R間の幅を「普通」の状態にする。次いで、各部位の「施療上下基準位置」に揉み玉50L,50Rを移動する。そして、揉み玉50L,50Rを被施療者の身体に向かって突出させる。このとき、身体を検出しなかった場合は標準の前後位置を使用する。一方、身体を検出した場合、その位置を当該施療部位における前後基準位置とする。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るマッサージ機では、施療開始の合図として軽擦動作を行い、その後一連の施療動作を開始するとともに、施療動作を終えると、揉み玉50L,50Rを被施療者に当接したまま所定時間静止させる、所謂「間」をとって終了するようにしている。したがって、マッサージ開始から終了までの流れについて、プロの施療師の手によるものと殆ど変らないマッサージ態様が再現され、十分な満足感を得ることができる。
また、被施療者の施療部位を、被施療者の体格などに応じて正確に認識して的確に施療することが可能となる。
なお、施療位置検出処理は、図7で示した処理の流れを、例えば自動コースマッサージを開始するに先だって必ず行うようにしてもよいし、各部位についてはその検出を省略し、各部位毎に設定された初期値に基づいてマッサージを行うようにしてもよい。あるいは、各部位の検出処理については、マッサージ開始時には行わず、部位毎のマッサージ開始時に必要に応じて行うようにしてもよい。
以下、本実施形態に係るマッサージユニット4について図8〜図18を参照しながら具体的に説明する。
図8A〜図11Bに示すように、マッサージユニット4は、略矩形形状に形成されたユニット枠41の略中央部に、被施療者の身体に対して背もたれ部2の表面部を介して当接してマッサージを行う左右一対の揉み玉50L,50Rを具備する施療子駆動ユニット5が、前方向に向けて進退移動可能に配設されている。なお、ユニット枠41は、背もたれ部2の左右幅方向に略平行な所定広さのモータ取付面が形成された左右一対の左右側板41L,41Rと、これら左右側板41L,41Rの上端部間及び下端部間を連結するとともに、中央部を後方に向けて屈曲させた連結板41a,41bとを有する構成となっている。
かかるユニット枠41内に、背もたれ部2の表側(被施療者と接する側)に向けて進退移動可能となるように施療子駆動ユニット5が配設されている。この施療子駆動ユニット5は、左右の揉み玉50L,50Rからなる施療子を上下方向に揺動させることによって叩き作動を行わせる叩き機構と、左右の揉み玉50L,50Rをそれぞれ偏心回動させることによって揉み作動を行わせる揉み機構とを配設したユニットケーシング55を備えている。
このユニットケーシング55の前面には開口部55aが形成されており、この開口部55aから施療子支持アーム54の先端に取付けられた揉み玉50が突出した状態で配設されている。
ところで、ユニット枠41の左側板41Lの裏側下部には、マッサージユニット4自身を昇降させるための昇降用駆動モータM1が取付けられている。この昇降用駆動モータM1のモータ軸と、ユニット枠41の左右側板41L,41Rの下部間に延在させた昇降軸43とを、駆動ウォームなどを設けたギヤボックス44を介して連動連結している。符号45L,45Rは、ユニット枠41の外側方に突出させた昇降軸43の左右端部に取付けたピニオンギヤを示し、これらピニオンギヤ45L,45Rを、背もたれ部2に取付けた左右のラック22L,22Rに噛合している(図1参照)。また、昇降軸43の左端部近傍には、図8C及び図10に示すように、昇降用駆動モータM1によって昇降軸43が回転駆動された回動量を検出するための第1のエンコーダE1を配設している(図2参照)。なお、本実施形態では、第1のエンコーダE1は減速機構Gを介して回動するように構成されている。
また、マッサージユニット4は、ユニット枠41の左右側板41L,41Rのやや上側部に左右一対のガイド軸46L,46Rを回動自在に取付け、各ガイド軸46L,46Rの端部をユニット枠41の外側方に突出させ、かかる突出させた部分にガイドローラー47L,47Rをそれぞれ回動自在に取付けており、かかるガイドローラー47L,47Rを背もたれ部2に取付けた断面コ字状のガイドレール23L,23Rの内部に滑動自在に挿入している。
また、ピニオンギヤ45L,45R及びガイドローラー47L,47Rに対向するように、受けローラ25L,25R、27L,27Rを設けている。そして、これら受けローラ25L,25Rとピニオンギヤ45L,45Rの内側周面部、及び、受けローラ27L,27Rとガイドローラー47L,47Rとでガイドレール23L,23Rの底面を挟持するようにして、安定した状態でマッサージユニット4を昇降自在としている。
しかも、背もたれ部2に取付けた左右のラック22L,22Rと、これに噛合するピニオンギヤ45L,45R、さらにはガイドレール23L,23R上を転動するガイドローラー47L,47Rについては、金属、あるいは硬質の樹脂製とする一方、受けローラ25L,25R、27L,27Rについては、例えばNBR製などの変形可能な軟質のゴム製としている。かかる構成により、図1及び図8に示すように、ガイドレール23L,23Rが曲線であっても、受けローラ25L,25R、27L,27Rが変形することでスムーズな追従が出来る。また、ガイドローラー47L,47Rが変形しないため、ラック22L,22Rとピニオンギヤ45L,45Rとの位置関係にも影響することがなく、マッサージユニット4を昇降に支障をきたす虞をなくしている。
施療子駆動ユニット5が組み付けられたユニットケーシング55は、昇降軸43の中央部に揺動自在に取付けられており、昇降軸43を揺動支点として前後方向に向けて揺動可能となっている。すなわち、前後方向への揺動により、揉み玉50は、施療子駆動ユニット5ごと前後方向へ進退することになる。
ユニットケーシング55を前後方向に揺動させることにより進退移動させる進退移動機構は、ユニット枠41の右側板41Rの裏側上部に施療子駆動ユニット5を進退移動させるための進退用駆動モータM2を取付け、この進退用駆動モータM2のモータ軸と、ユニット枠41の左右側板41L,41Rの内側上部間に左右幅方向に向けて回転自在に延在させた進退軸48とを、駆動ウォームなどを設けたギヤボックス49を介して連動連結している。
そして、進退軸48の中途部に左右一対のピニオンギヤ52L,52Rを取付ける一方、これらピニオンギヤ52L,52Rを施療子駆動ユニット5の上部左右側にそれぞれ設けた左右一対の円弧状のラック51L,51Rと噛合させている。なお、図8C及び図10に示すように、ラック51Lの外側位置において、当該ラック51Lと平行するように前後位置検出用の第2のエンコーダE2を取り付けている(図2参照)。この第2のエンコーダE2によるパルスカウント値を施療子駆動ユニット5の前後位置としている。なお、この前後位置は、揉み玉50の被施療者への押圧力の強弱を示すことにもなる。なお、符号53は進退軸48を回動自在に支持する軸受を示す。
また、ユニット枠41に前後進退自在に取付けられたユニットケーシング55の後部左下側位置に、左右の揉み玉50L,50Rを叩き動作させるための叩き用駆動モータM3を配設している。叩き用駆動モータM3としては、ブラシレスモータを用いており、そのモータ軸56が左方に向いた状態で取付けられている。一方、ユニットケーシング55の前部上側位置には、左右幅方向に向けて延在するように叩き用駆動軸70を回動自在に取付けている(図9及び図13〜図18参照)。そして、図10に示すように、モータ軸56の先端部に取付けた叩き用駆動プーリー57と、叩き用駆動軸70の左側部に取付けた叩き用従動プーリー73とを、ユニットケーシング55の左側外部にて伝動ベルト72で連動連結している。なお、叩き用駆動プーリー57の径よりも叩き用従動プーリー73の径の方を大きくしており、伝動ベルト72によって減速しながら叩き用駆動モータM3の動力を伝達するようにして、減速時に発生する騒音を可及的に少なくするようにしている。
また、図13に示すように、叩き用駆動軸70の中央部に叩き用偏心回動体71L,71Rを設けている。叩き用偏心回動体71L,71Rは、左側の叩き用偏心回動体71Lの軸線と、右側の叩き用偏心回動体71Rの軸線とが、互いに叩き用駆動軸70の軸線から上下に偏心した状態に形成され、左右の揉み玉50L,50Rが前後に互い違いの叩き位置となるようにしている。
そして、この叩き用偏心回動体71L,71Rに、連動アーム9,9を介して施療子支持アーム54L,54Rをそれぞれ対応するように連動連結している。
このように、ブラシレスモータからなる叩き用駆動モータM3と、叩き用偏心回動体71L,71Rを備える叩き用駆動軸70と、先端に揉み玉50が取付けられた施療子支持アーム54L,54Rとにより、叩き機構が構成されることになる。なお、本実施形態に係る叩き機構は、図15及び図16に示すように、施療子支持アーム54を叩き方向へ付勢しつつ支持するスプリング77を備えている。
また、ユニットケーシング55の後部右下側位置に揉み玉50L,50Rを揉み動作させるための揉み用駆動モータM4を配設している。揉み用駆動モータM4としては、叩き用駆動モータM3と同じように、これもブラシレスモータを用いており、そのモータ軸が前方に向いた状態で取付けられている。また、ユニットケーシング55には、叩き用駆動軸70よりもやや前方位置に、左右幅方向に向けて延在するように揉み用駆動軸80を回動自在に取付けている(図13〜図16参照)。そして、揉み用駆動モータM4のモータ軸にギヤボックスを介して揉み用駆動軸80と連動連結している(図示せず)。
揉み用駆動軸80の中央部には、揉み用偏心回動体81が形成されている(図16参照)。この揉み用偏心回動体81は、図13に示すように、左右端面82L,82Rがそれぞれ逆方向のテーパ面を形成する中央回動体82と、この中央回動体82の左右にそれぞれ連接された左右側偏心軸部83L,83Rとを備えている。
そして、左側偏心軸部83Lを左側の施療子支持アーム54の略中央に形成した連結孔内に軸受を介して嵌装し、右側偏心軸部83Rを右側の施療子支持アーム54の略中央に形成した連結孔内に軸受を介して嵌装している。
このように、ブラシレスモータからなる揉み用駆動モータM4と、揉み用偏心回動体81を備える揉み用駆動軸80と、先端に揉み玉50L,50Rが取付けられた施療子支持アーム54L,54Rとにより、揉み機構が構成されることになる。
また、施療子支持アーム54は、ユニットケーシング55に配設したときに揉み玉50を取付けた先端部が外側に拡開した状態となるように、施療子支持アーム54L,54Rは、それぞれ基端側から一端外方へ屈曲するとともに前方へさらに屈曲した屈曲部54bを有するアーム本体54aと、このアーム本体54aの屈曲部54bよりも後半部内側に形成された軸受ケース部54cとから構成されている。
そして、軸受ケース部54cの後端部に、球面座部54dを設け、この球面座部54dと、後に詳述する連動アーム9の先端部に形成された球状部93とによりボールジョイント78が形成されている。すなわち、叩き機構と揉み機構とは自在継手を介して連動連結しており、この自在継手としての機能を、連動アーム9の球状部93と施療子支持アーム54の球面座部54dとにより構成されたボールジョイント78が果たしている。
このように、連動アーム9のアーム部92の先端部と前記施療子支持アーム54の基端部とを、ボールジョイント78を介して連結したので、叩き用駆動軸70の回転力を施療子支持アーム54に確実に伝達することができるとともに、揉み用駆動軸80の回転により施療子支持アーム54に横方向への動きが生じ、連動アーム9に捩じれの方向に力が加わった場合でもボールジョイント78を介することで連動アーム9に大きな負担をかけることがない。
上述してきたように、本実施形態に係るマッサージユニット4は、揉み玉50を先端に取付けた施療子支持アーム54と、この施療子支持アーム54の中途部に連結した揉み用駆動軸80と、この揉み用駆動軸80に連動連結した揉み用駆動モータM4と、施療子支持アーム54の基端部に連動アーム9を介して連結した叩き用駆動軸70と、この叩き用駆動軸70に連動連結した叩き用駆動モータM3とを備えた構成となっている。
かかる構成により、叩き用偏心回動体71と連動アーム9と施療子支持アーム54とによって、叩き用駆動軸70と揉み玉50とを連動連結するための叩き用リンク機構が構成され、揉み用偏心回動体81と施療子支持アーム54とによって、揉み用駆動軸80と揉み玉50とを連動連結するための揉み用リンク機構が構成されることになる。
ところで、上記連動アーム9は、叩き用駆動軸70に遊嵌されるリング部91と、このリング部91と接続されたアーム部92とを有し、当該アーム部92におけるリング部91との接続部92aに弾力性を付与している。
図15〜図18に示すように、連動アーム9のリング部91及びアーム部92は、一体成形により板状に形成されている。そして、連動アーム9は、リング部91及びアーム部92が連続する板状のアーム本体90のリング部91を略リング状に形成した保護カバー部94で包み込むとともに、アーム部92には表面にリブ95aを形成した補強部95を設けている。
本実施形態に係る連動アーム9は、アーム本体90を鋼板により形成する一方、保護カバー部94及び補強部95は合成樹脂により形成している。そして、図17に示すように、板状のリング部91を保護カバー部94により包被して補強しながら板状のリング部91を補強し、軸受96を介して叩き用駆動軸70を嵌装している。なお、図17中、符号97はリング部91と保護カバー部94とを連結するボルトを示し、符号98は叩き用駆動軸70の先端に取付けられる抜け止め用スナップリングである。
また、保護カバー部94は、アーム部92におけるリング部91との接続部92aの内側面を覆うように突設された保護片94aを具備している。
補強部95は、表面に縦方向へ延在するリブ95aを形成して強度を高めた板状に形成されており、アーム本体90のアーム部92の中途から先端までを包被するとともに、先端部には前述した球状部93が形成されている。
このように、本実施形態に係る連動アーム9では、鋼板製のリング部91を樹脂製の保護カバー部94で包被するとともに、鋼板製のアーム部92を、樹脂製の補強部95で包被し、図16に示すように、リング部91の左右幅方向の厚みを従来よりも著しく薄くしているにも拘わらず、必要十分な強度が得られるようになっている。
また、保護カバー部94に設けた保護片94aは、連動アーム9が直立状態となるときに接続部92aの内側面に当接するようにしているため、アーム本体90の基端部には、鋼板のアーム部92が露出する部分が形成されることになり、この部分が、板バネのような弾力性を有する接続部92aとなる。この接続部92aの弾力により、連動アーム9に加わる3次元的な力のうち、横方向への力は弾力による撓みで逃がすようにすることが可能となっている。
すなわち、図16においては、左右の揉み玉50L,50Rの間隔が最も広く、揉み用偏心回動体81を有する揉み用駆動軸80の回転によって、施療子支持アーム54が3次元的に動作したときに、ボールジョイント78は今の位置よりも外側へ移動する。かかる動きにより、揉みマッサージの動作をする場合、連動アーム9には横方向への捻じれを伴う力が加わることになる。従来では、このような横方向への力に対して、より剛性を高める対策をしてきたが、本実施形態では、逆に、アーム部92におけるリング部91との接続部92aを撓ませて横方向への力を逃がすようにしている。
さらに詳述すれば、図13〜図16に示すように、揉み玉50L,50Rの間隔が最も広がった状態においては、ボールジョイント78の位置としては、これ以上内側へは移動することのない位置にあり、連動アーム9は撓むことなく直線状となっている(図18参照)。しかし、揉み用駆動軸80の回転によって、揉み玉50L,50Rの間隔が狭まる方向へ施療子支持アーム54が駆動すると、ボールジョイント78の位置は外側(図18においては左側)に移動するため、連動アーム9には外側に撓む方向に力が加わる。このとき、叩き用偏心回動体71L,71Rの偏心状態によっては、連動アーム9の接続部92aの根元部分に、内側(図16においては右側)に凸となるように湾曲させようとする力が加わる場合がある。しかし、保護カバー部94には接続部92aの内側面を覆うように保護片94aが突設されているため、連動アーム9の接続部92aは当該保護片94aに当接し、それ以上に内側へ湾曲することを防止することができる。このように、連動アーム9には複雑な3次元方向の力が加わる場合があるが、板バネのように機能する接続部92aと保護片94aによる簡単な構成でありながら、連動アーム9への負荷に対応することができ、特に、接続部92aの根元部分が、内側に大きく湾曲することがないようにしているため、その部分の座屈防止を図ることができる。
なお、接続部52aの長さとしては、長ければ撓みやすいものの変形する虞があり、また、短すぎるとスムーズな撓みに支障をきたし、さらには応力が集中して破損してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、接続部92aの長さを13mmに設定している。これは、アーム部92の長さは55mm、保護片94aの長さが10mmの場合であり、これらの寸法から、接続部92aの長さは実験的に10〜15mmが妥当であることが分かったからである。
このように、連動アーム9の構成がシンプルかつ軽量小型化され、特に、図14に示すように、叩き用駆動軸70を嵌装するリング部91を極めて薄くすることが可能となったため、叩き用駆動軸70に第4のエンコーダE4を取り付けることが可能となっている。
すなわち、本実施形態に係る施療子駆動ユニット5においては、図14に示すように、揉み用駆動軸80の左側端部に、揉み用駆動モータM4(図8B、図8C及び図10参照)によって揉み用駆動軸80が回転駆動された回動量を検出するための第3のエンコーダE3を配設している(図2参照)。そして、この第3のエンコーダE3により、左右の揉み玉50L,50Rの左右幅方向の位置、すなわち、左右の揉み玉50L,50Rの間隔を検出可能としている。なお、左右の揉み玉50L,50Rの間隔については、マッサージを実行する場合は「狭」、「中」、「広」の3段階の設定で行えるようにしている。
さらに、本実施形態では、叩き用駆動軸70についても、その回動量を検出するために第4のエンコーダE4を設けている。そして、この第4のエンコーダE4により、左右の揉み玉50L,50Rがどの位置にあるのかが検出できるようになっている。ここでは、左の揉み玉50Lが前方にある場合、右の揉み玉50Rが前方にある場合、左右の揉み玉50L,50Rが揃った位置にある場合の3個所の位置を検出可能としている。
また、叩き用駆動軸70を駆動する叩き用駆動モータM3はブラシレスモータを用いていており、ホール素子を利用したパルスカウントによって、より正確に左右の揉み玉50L,50Rの位置を検出することが可能となっている。
こうして、第4のエンコーダE4を叩き用駆動軸70に設け、叩き用駆動軸70の回動量を検出するとともに、叩き用駆動モータM3においてパルスカウントすることにより、揉み玉50の位置を正確に把握することが可能となっている。したがって、左右の揉み玉50L,50Rの位置を、例えば、一定量ずらした状態で保持して叩き動作を行うと、左右でアンバランスな叩きマッサージが実現できる。また、一方の揉み玉50が最前方に位置し他方が後方に位置するときに叩きマッサージを行えば、所望する片側の叩きマッサージが可能となる。さらに、この片側の叩きマッサージを交互に行えば、左右の肩を交互に叩く叩きマッサージが実現する。また、一方の揉み玉50が最前方に位置し他方が後方に位置するときに揉みマッサージを行えば、被施療部と反対側は揉み玉50が邪魔にならないためにこの方向へ首を傾け、首の片側の被施療部のみを十分に揉みほぐすことが可能となる。
また、本実施形態に係るマッサージ機では、揉み玉50を被施療者の背中に当接させて揉み玉50への負荷電流を検出しながらマッサージユニット4を昇降させて体形を検出する体形検出機能を行うことができるようにしているが、上述したように、左右の揉み玉50L,50Rのいずれか一方のみによる体形検出が可能となる。例えば、上昇時には左の揉み玉50L(あるいは右の揉み玉50R)による体形検出、下降時には右の揉み玉50R(あるいは左の揉み玉50L)による体形検出を行うことで、背骨を中心として左右別々のより正確な体形検出を行うことができる。
本実施形態に係るマッサージ機は、上述してきた構成となっており、被施療者がリモコンRを操作すると、制御部6は、その操作による動作指示信号に応じて、エンコーダE1〜E4によってマッサージユニット4の上下方向への移動量、施療子駆動ユニット5の進退量、左右の揉み玉50L,50Rの間隔、左右の揉み玉50L,50Rの位置を検知しながら各駆動モータM1〜M4を駆動させ、様々なマッサージ動作を実行することができる。
ところで、上述してきた実施形態に係る連動アーム9では、アーム部92に設けた補強部95を合成樹脂製として、これにリブ95a形成したものとして説明したが、板状に形成された前記アーム部92の側端を折曲して形成したフランジ又は/及びアーム部92の表面に突設したリブなどによって補強部を構成することもできる。この場合、アーム部92の簡単な板金加工のみで強度アップが図れるため、加工コストなどを、より削減することが可能となる。
ところで、本実施形態に係る操作手段としてのリモコンRは、所謂タッチパネルからなる構成であることは前述した通りであり、例えば、所望する個所やイメージなどを拡大することもできるが、さらに、図19に示すように、表示部R1に、図柄などで人体イメージR4と施療子イメージR5とを模式的に表示して、例えばマッサージ実行中であっても、施療子イメージR5を押圧操作することにより、施療位置及び施療強さの微調節を行えるようにすることもできる。かかる構成により、直感的な操作が行えることになり、操作性が向上する。なお、図19中、R6はマッサージ強度を調整するための操作ボタンイメージであり、施療子イメージR5ではなく、これらの操作ボタンイメージR6を操作することでも施療強さの微調節が可能である。
また、上述してきた実施形態では、自動コースマッサージを行う場合を例にして説明したが、「間」を設けるのは、必ずしも自動コースマッサージのみに限定されるものではない。すなわち、揉み玉50L,50Rによるマッサージ動作の終了時に、少なくとも当該マッサージ動作の終了時における揉み玉50L,50Rの位置で、当該揉み玉50L,50Rを被施療者に当接したまま所定時間静止させる終了動作を行い、その後、他の動作制御に移行する制御としてもよい。
揉み玉50L,50Rの位置を、幅方向(背もたれ部2の幅方向)をX軸、前後方向(揉み玉50L,50Rの前後進退方向)をY軸、高さ方向(揉み玉50L,50Rの上下昇降方向)をZ軸、とした場合に、終了動作における揉み玉50L,50Rの位置(終了動作における位置)は、X、Y、Z座標で規定されるところのマッサージ動作の終了時における揉み玉50L,50Rの位置に固定しても構わないが、特にY座標については変動させることもできる。
ここで、本実施形態における揉み玉50L,50RのY座標の位置(前後進退方向の位置)を以下のように定義する。すなわち、揉み玉50L,50Rが最も引き込まれた状態における位置を初期位置、揉み玉50L,50Rが被施療者に触れていない範囲で、最も身体に近付いた位置を基準進出位置、該基準進出位置から被施療者側へ揉み玉50L,50Rを所定距離進出させ被施療者に触れ始める位置を最小進出位置、揉み玉50L,50Rが最も進出する位置を最大進出位置とする。さらに、最小進出位置と最大進出位置のちょうど中間における揉み玉50L,50Rの位置を中間進出位置とする。
従って、揉み玉50L,50Rが最小進出位置から最大進出位置までの範囲に位置する場合において、被施療者は押圧力によるマッサージ効果を得ることができる。
制御部6は、終了動作時においては、揉み玉50L,50Rの位置を、X座標、Z座標はそのままで、Y座標、すなわち前後進退方向に関しては、最小進出位置から最大進出位置までの範囲の所定の位置に移動させて所定時間静止させる制御を行う。
なお、本実施形態においては、「間」の制御動作時における揉み玉50L,50Rの進出位置は、最大進出位置より小さい進出位置にあることとする。本実施形態で実現する「間」はマッサージ効果の持続ではなく、被施療者にマッサージの余韻を感じさせることを目的としているため、「間」の制御動作時における揉み玉50L,50Rの位置は最大進出位置としないことが望ましい。
揉み玉50L,50Rを所定時間静止させる位置が最大進出位置に近いほど、「間」としてのマッサージの余韻を認識できることに加え、3秒程度の強力な指圧状態が実現されるため、マッサージ効果を高めることが可能となる。
一方、揉み玉50L,50Rをより最小進出位置に近い位置に移動させて停止させれば、被施療者への押圧力が低くなるため、マッサージによる押圧感覚が弱くなり、マッサージの余韻としての「間」の存在をより強く認識することができる。特に、揉み玉50L,50Rを最小進出位置で所定時間静止させた場合、押圧力は最低レベルとなり、専門の施療師によるマッサージに匹敵するような心地よいマッサージを実現できる。
さらに、自動コースマッサージの実行中であれば、単位施療動作を開始する合図として、揉み玉50L,50Rが所定の進出位置において軽擦動作を行うため、終了動作における揉み玉50L,50Rの進出位置を軽擦動作における進出位置と同じ位置とすることにより、軽擦動作から「間」の動作までの単位施療動作が一連の動作であると認識することができる。特に、軽擦動作と終了動作における揉み玉50L,50Rの進出位置をどちらも最小進出位置とすれば、単位施療動作を開始する合図により得られる感覚と「間」の余韻とが呼応して、より専門の施療師によるマッサージに近づけることが可能となる。
なお、本実施形態において、軽擦動作における揉み玉50L,50Rの進出位置は、最小進出位置から中間進出位置までの範囲にあることとする。当該揉み玉50L,50Rの進出位置を最小進出位置とした場合、擦りにより得られるマッサージ効果は低くなるが、マッサージ開始の合図として認識される感覚を際立たせることができる。なお、揉み玉50L,50Rを中間進出位置よりも被施療者側に突出させると押圧力が大きくなり、擦りによるマッサージ効果が大きくなり過ぎるため、マッサージを開始する合図としては好ましくない。
また、上述してきた実施形態においては、制御部6が単位施療動作における最終のショートプログラムの終了時における揉み玉50L,50Rの位置で、当該揉み玉50L,50Rを被施療者に当接したまま静止させる終了動作の時間、すなわち「間」をおく時間として、呼吸の平均周期に近似した3秒とした。しかし、この時間は、自動コースマッサージの初期段階から後期段階に至るまで必ずしも固定とする必要はない。
呼吸の周期は、精神的に安定した状態、リラックスした状態では長くなる傾向がある。したがって、自動コースマッサージが進行していくに従い、被施療者の呼吸周期も長くなると考えられる。
そこで、制御部6に、ショートプログラムの終了時における揉み玉50L,50Rの所定静止時間を、自動コースマッサージの初期段階よりも後期段階の方を長くするように制御させることができる。
従来、呼吸周期に応じてマッサージによる刺激速度を送らせたりする技術もあるが、刺激速度を遅くしてしまうと、マッサージに関して言えば却って好ましくない。そこで、本実施形態に係るマッサージ機では、マッサージ速度(刺激速度)は変えることなく、「間」を自動コースマッサージの初期段階よりも後期段階の方を長くしているのである。
このように制御することによって、「間」のタイミングが被施療者の呼吸に対応したものとなり、マッサージの最初から最後まで、あたかも実際の施術師によりマッサージを受けているかのような心地よさを維持することが可能となる。
なお、「間」のタイミングを決定するためには、例えば、呼吸センサなどを設けておき、被施療者の呼吸の周期を検出できるようにしておけばよい。
また、本マッサージ機に備えるエアバッグにおいても、当該エアバッグの進退動作(膨縮動作)により作用させる被施療者への押圧力によって、上記実施形態において述べた揉み玉50L,50Rを用いた場合と同様の「間」を設けることが可能である。
特に、マッサージユニット4の被施療者への当接側に配設したエアバッグを用いれば、揉み玉50L,50Rを用いた場合と同等の「間」の効果を被施療者へ与えることが可能である。つまり、エアバッグの前後進退方向の動作(膨縮動作)によって実現する「間」によって、被施療者はあたかも実際の施術師によりマッサージを受けているかのような心地よさやマッサージの余韻を感じることができる。この場合、エアバッグが施療子とみなされ、エアバッグの前後進退方向の動作(膨縮動作)は、上述の揉み玉50L,50Rにおける前後進退方向の動作に対応する。
より具体的には、一連のマッサージ動作が一通り終了した際、CPUはエアポンプPを制御して、エアバッグを所定の位置(膨張位置)で数秒(例えば3秒程度)維持させ、間合いをとる。その後、CPUは、エアポンプPを制御してエアバッグから所定量のエアを排気し、次の動作制御へと移行させる。
ここで、マッサージユニット4に備えたエアバッグを施療子とした場合における当該エアバッグの前後進退方向の位置(膨張位置)の定義を、以下の通りとする。すなわち、エアバッグが最も収縮した位置を初期位置、被施療者に押圧力が作用しない範囲で最も膨張したエアバッグの位置を基準進出位置、該基準進出位置にあるエアバッグ内にエアポンプPにより所定量のエアを送給してエアバッグを膨張させ、被施療者に押圧力が作用し始める位置を最小進出位置、エアバッグが最も進出(膨張)した位置を最大進出位置とする。さらに、最小進出位置と最大進出位置のちょうど中間のエアバッグの位置を中間進出位置とする。なお、エアバッグの進退(膨縮)は、CPUによって制御されるエアポンプPから供給するエア量の調整によって実現される。
なお、マッサージユニット4に設けたエアバッグ単独の進退動作(膨縮動作)によっても「間」を設けることが可能であるが、揉み玉50L,50Rとエアバッグの進退動作を連動させることにより、「間」の効果をより高めることが可能となり、マッサージの余韻や心地よさを更に高めることもできる。
上述してきた実施形態より、以下のマッサージ機が実現する。
被施療者(使用者)に離接するように配設した施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)と、この施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)の動作を制御してマッサージを実行する制御部6(制御手段)と、を備え、制御部6(制御手段)は、施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)によるマッサージ動作の終了時に、少なくとも当該マッサージ動作の終了時における施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)の位置で、当施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)を被施療者に当接したまま所定時間静止させる終了動作を行い、その後、他の動作制御に移行するマッサージ機。
かかるマッサー機によれば、マッサージ動作として、あたかも人(専門の施療師)の手によるもののような自然な感触を体感することが可能となる。
上記構成において、マッサージを実行させるショートプログラムが複数種類組み合わされて構成された1つ以上の自動マッサージプログラムを記憶するROM(記憶手段)を備えるとともに、施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)は、被施療者(使用者)が着座する座部1の後部に配設された背もたれ部2内に昇降自在に配設されたマッサージユニット4に設けられており、制御部6(制御手段)は、ROM(記憶手段)に記憶された自動マッサージプログラムに基づく自動コースによるマッサージを実行する場合、少なくとも1つのショートプログラムに基づくマッサージ動作を有する単位施療動作の終了時に、当該単位施療動作における最終のマッサージ動作の終了時における施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)の位置で、当該施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)を被施療者に当接したまま所定時間静止させる終了動作を行うマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、機械であるとはいえ、専門の施療師によるマッサージに匹敵するマッサージを体験することが可能となる。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、終了動作時における施療子の進出位置を最大進出位置より小さい進出位置に設定したマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、終了動作時において、被施療者にマッサージの余韻を感じさせることができる。
上記構成において、施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)を被施療者に当接したまま所定時間静止させる終了動作の後に、施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)を移動させる動作制御がなされる場合、制御部6(制御手段)は、終了動作における静止時間を、施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)の移動距離に応じて決定するマッサージ機。
かかるマッサー機によれば、「間」(終了動作における静止時間)と移動時間との合計が略一定となるため、自動コースマッサージの全体的なリズムは変わることがなく、マッサージの快適性が損なわれない。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、ショートプログラムの終了時における施療子(揉み玉50L,50Rまたはエアバッグ)の所定静止時間を、自動コースによるマッサージ初期段階よりも後期段階の方を長く設定したマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、「間」(終了動作における静止時間)のタイミングが被施療者の呼吸に対応したものとなり、マッサージの最初から最後まで、あたかも実際の施術師によりマッサージを受けているかのような心地よさを維持することが可能となる。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、自動コースによるマッサージを実行する場合、単位施療動作を開始する合図として、施療子(揉み玉50L,50R)を、中間進出位置より小さい進出位置まで進出させて所定時間擦る軽擦動作を行い、この軽擦動作の終了後、単位施療動作を実行するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、機械による一連のマッサージであるにもかかわらず、専門の施療師によるマッサージに匹敵するような、より心地よいマッサージを体験することが可能となる。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、自動コースによるマッサージを終了する合図として、施療子(揉み玉50L,50R)による叩き動作を一回のみ実行するマッサージ機。
かかるマッサージ機によれば、専門の施療師によるマッサージにより近づけることができる。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、自動コースによるマッサージを実行するに際し、施療位置の上下方向の基準となる上下基準位置を予め検出し、検出した上下基準位置に基づいてマッサージを実行するマッサージ機。
かかる構成によれば、被施療者の施療部位を、被施療者の体格などに応じて正確に認識して的確に施療することが可能となる。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、上下基準位置を決定する場合、被施療者の肩の仮位置を決定し、決定した仮位置から一定距離だけ施療子を上昇させ、その後、施療子が被施療者に当接するまで下降させ、当該施療子が被施療者に当接した位置を検出して上下基準位置とするマッサージ機。
かかる構成とすれば、上下基準位置をより正確に決定することができ、上記効果をより高めることが可能となる。
上記構成において、制御部6(制御手段)は、検出した上下基準位置に基づいて、肩を除く他の施療位置を算出して決定するマッサージ機。
かかる構成によれば、施療位置を迅速かつ簡便に決定することができ、円滑なマッサージが実現される。
上記構成において、人体イメージR4と施療子イメージR5とが模式的に表示されたタッチパネルを有するリモコンR(操作手段)を備え、マッサージ実行中に、施療子イメージを押圧操作することにより、施療位置及び施療強さの微調節を行えるようにしたマッサージ機。
かかる構成によれば、直感的な操作が行えることになり、操作性が向上する。
以上、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の概要の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
1 座部
2 背もたれ部
4 マッサージユニット
5 施療子駆動ユニット
6 制御部
50L,50R 揉み玉(施療子)
R リモコン(操作手段)
R4 人体イメージ
R5 施療子イメージ