JP4663921B2 - マッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被施療部を押圧してマッサージする指圧モードを有するマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、揉み玉を設けたマッサージユニットを具備し、複数のマッサージモードの中から選択的に、あるいは適宜組合わせてマッサージ可能としたマッサージ機があり、この種のマッサージ機の中でも、使用者がリラックスした状態でマッサージできるように、座部本体と背もたれを具備する椅子式に構成したものが一般的に普及している。
【0003】
また、上記マッサージユニットの一般的な構成としては、揉み玉に揉み動作させる主駆動源と、揉み玉を前後方向へ駆動させる前後用駆動源と、揉み玉を上下方向へ駆動させる上下用駆動源などの複数の駆動源を備えており、これら駆動源による駆動を組合わせて、揉みモード、叩きモード、ローリングモード、指圧モードなどの多様なマッサージモードによるマッサージを可能としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のマッサージ機の指圧モードは、揉み玉が初期位置から進出して被施療部を押圧すると、すぐに後退して初期位置に戻るという動作を繰り返すだけであり、押圧により体が逃げてしまい、患部となる被施療部を押圧する力が足らず、また、押圧する時間もあまりにも少なすぎて、マッサージ効果が十分であったとは言えないものであった。
【0005】
したがって、使用者に満足感を与えることができず、物足りなさを感じさせていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決することのできるマッサージ機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1記載の本発明では、座部本体と、背もたれと、同背もたれ内部を昇降可能に構成されたマッサージユニットと、同マッサージユニットを制御する制御ユニットと、を備えたマッサージ機であって、前記マッサージユニットには、揉み玉駆動ユニットと、同揉み玉駆動ユニットの進退移動機構とが配設され、前記揉み玉駆動ユニットには、揉み玉と、同揉み玉を前後に揺動させて叩き動作を行う叩き機構と、前記揉み玉を偏心回動させて揉み動作を行う揉み機構とが配設され、前記制御ユニットが前記進退移動機構と前記揉み玉駆動ユニットの動作を制御して、前記揉み玉を初期位置から被施療部側へ押込んで当該被施療部を押圧した状態を所定時間保持した後、前記揉み玉を初期位置まで引き戻すまでの間に、前記叩き機構又は前記揉み機構を動作させて、前記叩き動作又は前記揉み動作のような前方へのマッサージ動作を挿入した。
【0008】
また、請求項2記載の本発明では、前記叩き機構と、前記揉み機構と、前記進退移動機構とに、前記制御ユニットに接続された駆動量検出手段を設け、前記制御ユニットは、前記駆動量検出手段によって駆動量を検出して、前記マッサージを制御することを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項3記載の本発明では、前記マッサージユニットを前記背もたれに沿って昇降させる昇降機構を備え、前記制御ユニットは、前方への突出成分を有する前記マッサージを行わせる前に、前記揉み玉を突出させた状態で、前記昇降機構を制御して、前記揉み玉を前記マッサージユニットごと上昇させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、揉み玉を設けたマッサージユニットを具備し、揉み玉を初期位置から被施療部側へ押込んで被施療部を押圧し、押圧した状態で同揉み玉を所定時間保持した後、初期位置まで引き戻す指圧マッサージモードを有するものである。
【0012】
すなわち、指圧師による指圧同様に、患部やツボをしっかりと指圧することができるので、マッサージ効果の高い指圧モードを有するマッサージ機を提供することが可能となる。
【0013】
また、押圧した状態で同揉み玉を所定時間保持した後、初期位置まで引き戻すまでの間に前方へのマッサージ動作を挿入することもでき、押圧力により体が逃げてしまい、指圧効果が薄れる欠点を解消できるので、よりマッサージ効果を高めることができる。
【0014】
さらに、上記指圧モードのみならず、同指圧マッサージモードを含む複数のマッサージモードの中から選択的に、あるいは適宜組合わせてマッサージ可能に構成することができる。
【0015】
他のマッサージモードとしては、例えば、揉みモード、指圧モード、叩きモード、ローリングモードなどがあり、これらの各モードを選択、あるいは組合わせてマッサージすることで多彩なマッサージが可能となり、十分なマッサージ効果を得ることができる。
【0016】
ところで、マッサージ機の形態としては、座部本体と背もたれを備える椅子式に構成することが好ましい。
【0017】
すなわち、座部本体と背もたれを備える椅子式に構成するとともに、前記マッサージユニットを背もたれに沿って昇降させる昇降機構を設け、さらに、同マッサージユニットに、揉み玉を前後方向に揺動させる叩き用モータ、揉み玉を偏心回動させる揉み用モータを具備する揉み玉駆動ユニットを配設し、しかも、同揉み玉駆動ユニットを、進退用モータにより揉み玉ごと前後方向へ進退可能に構成することができる。
【0018】
かかる構成により、使用者は楽な姿勢でリラックスした状態でマッサージを受けることができるとともに、上述したように揉み玉駆動ユニットを進退自在とすることで、揉み玉の身体への当接深さの変化を大きくすることができ、しかも、その進出位置で揉み玉を一定時間保持できるように制御することも容易に行うことができる。
【0019】
また、揉み玉の揺動、偏心回動、前後進退との各組合わせにより多彩なマッサージが可能となって、よりマッサージ効果を高めることができる。
【0020】
【実施例】
図1に本発明に係るマッサージ機の模式的説明図を、図2〜図7に本マッサージ機に設けたマッサージユニットを示す。
【0021】
図1に示すように、本実施例に係るマッサージ機1は椅子式としており、図示しないエアセルを収納配設して臀部をマッサージ可能とした座部本体2と、同座部本体2にリクライニング自在に連結した背もたれ3とを備えている。図中、Mは使用者、1aは使用者Mの足を保持する足保持部、1bは肘掛であり、前記足保持部1a内には、これも図示しないがエアセルが収納配設されており、足をエアマッサージすることができる。
【0022】
また、Rは本マッサージ機1への電源投入から電源オフ、及びマッサージ機全体の動作を操作可能としたリモコンであり、各種スイッチボタンS1・・・を配した操作部Sと、液晶からなる表示部Aとを備え、かつ座部本体2の下部に配設した制御ユニット16とワイヤレス接続されている。19は同肘掛1bの前側部に設けたリモコン収納部である。なお、リモコンRは、前記肘掛1bの上面部に着脱自在に取付ける構成とすることもできる。また、かかるリモコンRの具体的な構成及び同リモコンRに設けた前記各種スイッチボタンS1・・などについては後に詳述する。
【0023】
前記背もたれ3内には、同背もたれ3に沿って昇降可能となるように、本マッサージ機1の主機能部であるマッサージユニット4を配設しており、同マッサージユニット4内に設けた揉み玉駆動ユニット9により、予め定められたプログラムによりマッサージする自動マッサージコースや、個別機能により個別マッサージを行うことができるなど、多彩なマッサージを行うことができる。
【0024】
すなわち、揉み玉駆動ユニット9は、図1〜図7に示すように、左右一対の揉み玉5,6を前後方向に揺動させることによって叩き作動を行わせるための叩き機構7と、揉み玉5,6を偏心回動させることによって揉み作動を行わせるための揉み機構8とを具備しており、しかも、同揉み玉駆動ユニット9は、背もたれ3の表側(使用者と接する側)に向けて進退移動可能に構成されている。したがって、強力な指圧動作、複雑な3D揉み動作を提供することが可能となっている。
【0026】
以下に、本実施例に係るマッサージ機1の各部の構造、及びその動作について具体的に説明する。
【0027】
[座部本体2及び背もたれ3]
本マッサージ機1は、臀部、もも、脚部(2箇所)と合計4箇所に図示しないエアマッサージ用のエアセルを備えており、かかる部位をエアマッサージ可能としている。すなわち、前記座部本体2と、同座部本体2の前側部に連結した前記足保持部1a内にエアセルを配設している。
【0028】
また、図1に示すように、座部本体2は、着座部14の内部に使用者が着座していることを圧力によって検出するための着座検出手段を兼ねた体重検出センサ15を取付けており、同体重検出センサ15は前記制御ユニット16に接続されている。図中、LSは上限リミットスイッチ、17は座部本体2の下面部に設けた脚座であり、マッサージ機1全体を床面上で保持している。
【0029】
同座部本体2には、図示しない電動リクライニング機構により背もたれ3をリクライニング自在に連結している。なお、電動リクライニング機構には、背もたれ3の傾斜角度を検出するリクライニング角度検出センサ18を設け、これも前記制御ユニット16に接続している。
【0030】
かかる電動リクライニング機構は、電源が投入されていれば、ボタン操作で常にリクライニング動作が可能となっており、しかも、リクライニング動作時は、前記したエアマッサージのエア動作は一時停止(排気)する。そして、リクライニングボタンが解除されると、エア動作は復帰して、エアマッサージしていたのであればマッサージ部位の最初から再度エアマッサージ可能となっている。
【0031】
また、背もたれ3内部の背部側に、左右一対のラック10,11を背もたれ3に沿って取付けるとともに、同ラック10,11に沿わせて断面コ字状の左右一対のガイドレール12,13を取付けている。
【0032】
[マッサージユニット4]
マッサージユニット4は、図1〜図7に示すように、略矩形箱型状のマッサージユニットケーシング22の右側下部にマッサージユニット4を昇降させるための昇降用駆動部としての昇降用モータ23を取付けるとともに、同昇降用モータ23の駆動軸24に駆動ギヤ25を取付け、同駆動ギヤ25に変速ギヤ26を噛合させ、さらに、同変速ギヤ26に駆動ウォーム27を連動連結している。
【0033】
一方、マッサージユニットケーシング22の下部には、左右幅方向に伸延させた昇降軸28を回動自在に取付けており、同昇降軸28の右側外側面に形成したギヤ部と前記駆動ウォーム27とを噛合させるとともに、昇降軸28の左右端部をマッサージユニットケーシング22の外側方に突出させ、さらに、かかる突出させた左右端部にピニオンギヤ30,31を取付け、同ピニオンギヤ30,31を背もたれ3に取付けたラック10,11に噛合させている。昇降軸28には、昇降用モータ23によって昇降軸28が駆動(回動)された量(角度)を検出するための昇降用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ91を配設している。図中、32はマッサージユニットケーシング22の右側下部に取付けた昇降用モータ23を収納したモータケーシングである。なお、昇降用モータ23及びロータリーエンコーダ91は、図9に示すように、背もたれ3の下部に配設した制御ユニット16に接続している。
【0034】
また、マッサージユニット4は、マッサージユニットケーシング22の左右側上部に左右一対のガイド軸33,34を回動自在に取付け、各ガイド軸33,34の端部をマッサージユニットケーシング22の外側方に突出させ、かかる突出させたガイド軸33,34の端部にガイドローラー35,36をそれぞれ回動自在に取付けており、かかるガイドローラー35,36を背もたれ3に取付けた断面コ字状のガイドレール12,13の内部に滑動自在に挿入している。
【0035】
かかるマッサージユニット4には、使用者Mの身体に、背もたれ3の表面部を介して当接してマッサージを行う揉み玉5,6を具備する揉み玉駆動ユニット9を前後方向に揺動可能に配設している。
【0036】
すなわち、マッサージユニット4は、マッサージユニットケーシング22の下部に左右幅方向に向けて伸延させた状態で配設した昇降軸28の中央部に、揉み玉駆動ユニット9を構成する揉み玉駆動ユニットケーシング37を前後方向に向けて揺動自在に取付けており、前記昇降軸28を揺動支点として揉み玉駆動ユニット9が前後方向に向けて揺動できるようにしている。かかる前後方向への揺動により、揉み玉駆動ユニット9、ひいては揉み玉5,6が前後方向へ進退することになる。
【0037】
かかる揉み玉駆動ユニット9を前後方向に揺動させて進退移動させるための進退移動機構は、マッサージユニットケーシング22の左側上部に揉み玉駆動ユニット9を進退移動させるための進退用駆動部としての進退用モータ38を取付け、同進退用モータ38の駆動軸39に駆動ギヤ40を取付け、同駆動ギヤ40に変速ギヤ41を噛合させるとともに、同変速ギヤ41に駆動ウォーム42を連動連結している。
【0038】
また、マッサージユニットケーシング22の上部には、左右幅方向に向けて伸延させた進退軸43を回動自在に取付けており、同進退軸43の左側外側面に形成したギヤ部(図示省略)と前記駆動ウォーム42とを噛合させ、さらには、前記進退軸43の中途部に左右一対のピニオンギヤ44,45を取付ける一方、揉み玉駆動ユニットケーシング37の上部に、前記ピニオンギヤ44,45と対応する左右一対の円弧状のラック46,47を取付け、同ラック46,47に前記ピニオンギヤ44,45を噛合させている。進退軸43には、進退用モータ38によって進退軸43が駆動(回動)された量(角度)を検出するための進退用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ92を配設している。図中、48はマッサージユニットケーシング22の左側上部に取付けた進退用モータ38を収納するためのモータケーシング、49は進退軸43を回動自在に支持するための軸受である。なお、進退用モータ38及びロータリーエンコーダ92は、図9に示すように、制御ユニット16に接続している。
【0039】
また、上記揉み玉駆動ユニット9は、図2〜図4に示すように、箱型状の揉み玉駆動ユニットケーシング37の上部に左右一対のラック支持片50,51を外側方へ向けて形成し、各ラック支持片50,51の端縁に円弧状のラック46,47をそれぞれ取付ける一方、揉み玉駆動ユニットケーシング37の前側下部に正面視略U字状の昇降軸支持片52を形成し、同昇降軸支持片52の左右側部に軸受53,54をそれぞれ取付け、さらに、同軸受53,54に昇降軸28を回動自在に挿通している。
【0040】
さらに、揉み玉駆動ユニット9は、揉み玉駆動ユニットケーシング37の内部に配設した叩き機構7と揉み機構8とを備えている。
【0041】
叩き機構7は、図2〜図5に示すように、揉み玉駆動ユニットケーシング37の左側下部に揉み玉駆動ユニット9に揉み玉5,6を叩き動作させるための叩き用駆動部としての叩き用モータ57を駆動軸58が上方に向けて突出した状態で取付け、同駆動軸58に叩き用駆動ウォーム59を連動連結する一方、揉み玉駆動ユニットケーシング37の上部に左右幅方向に向けて伸延させた叩き用回動軸60を回動自在に取付けている。
【0042】
そして、同叩き用回動軸60の左側部に叩き用従動ウォームホイール61を固着し、同叩き用従動ウォームホイール61を前記叩き用駆動ウォーム59に噛合させるとともに、前記叩き用回動軸60の左右端部に叩き用偏心軸62,63を、同叩き用偏心軸62,63の軸線を叩き用回動軸60の軸線から上下にそれぞれ偏心させた状態で連設し、同叩き用偏心軸62,63に揉み玉機構64,65をそれぞれ連動連結した構成としている。叩き用回動軸60には、叩き用モータ57によって叩き用回動軸60が駆動(回動)された量(角度)を検出するための叩き用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ93を配設している。図中、66は叩き用モータ57の駆動軸58を回動自在に支持するための軸受である。なお、叩き用モータ57及びロータリーエンコーダ93は、図9に示すように、背もたれ3の下部に配設した制御ユニット16に接続している。
【0043】
一方、揉み機構8は、図2〜図6に示すように、揉み玉駆動ユニットケーシング37の右側下部に揉み玉駆動ユニット9に揉み玉5,6を揉み動作させるための揉み用駆動部としての揉み用モータ67を駆動軸68が上方に向けて突出した状態で取付け、同駆動軸68に揉み用駆動ウォーム69を連動連結する一方、叩き用回動軸60の右側部に揉み用従動ウォームホイール70を回動自在に遊嵌し、同揉み用従動ウォームホイール70を前記揉み用駆動ウォーム69に噛合させるとともに、揉み用従動ウォームホイール70に揉み用駆動プーリー71を連設し、さらには、揉み玉駆動ユニットケーシング37の下部に左右幅方向に向けて伸延させた揉み用回動軸72を回動自在に取付け、同揉み用回動軸72の右側部に揉み用従動プーリー73を取付け、同揉み用従動プーリー73と前記揉み用駆動プーリー71との間に伝動ベルト74を懸架して構成している。さらに、前記揉み用回動軸72の左右端部には、揉み玉機構64,65をそれぞれ連動連結している。揉み用回動軸72には、揉み用モータ67によって揉み用回動軸72が駆動(回動)された量(角度)を検出するための揉み用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ94を配設している。図中、75は揉み用モータ67の駆動軸68を回動自在に支持するための軸受である。なお、揉み用モータ67及びロータリーエンコーダ94は、図9に示すように、背もたれ3の下部に配設した制御ユニット16に接続している。
【0044】
また、揉み玉機構64,65は、図2〜図6に示すように、揉み用回動軸72の左右端部に左右一対の揉み玉アーム支持体76,77を同揉み玉アーム支持体76,77の上部が外側方に向いた状態で傾斜状に取付け、同揉み玉アーム支持体76,77の後部に連動アーム78,79の先端部をそれぞれ連動連設し、同連動アーム78,79の基端部を叩き用偏心軸62,63に取付け、さらには、揉み玉アーム支持体76,77の前側上部に揉み玉支持アーム80,81の基端部を取付け、同揉み玉支持アーム80,81の先端部に揉み玉5,6を回動自在に取付けている。図中、84,85は揉み用回動軸72の左右端部に揉み玉アーム支持体76,77を傾斜状態で回動自在に取付けるための接続具である。なお、連動アーム78,79の先端部と揉み玉アーム支持体76,77とは自由継手構造によって接続している。
【0045】
そして、本実施例では、リモコンRを用いて制御ユニット16を介して進退用モータ38を駆動すると、駆動ギヤ40、変速ギヤ41、駆動ウォーム42を介して進退軸43が回動し、それに伴ってピニオンギヤ44,45が回動しながらラック46,47に沿って移動し、それにより揉み玉駆動ユニットケーシング37が昇降軸28を中心に前後方向に向けて揺動し、揉み玉5,6が前後方向に進退移動するようにしている(図7参照)。
【0046】
本実施例では、図8に示すように、揉み玉駆動ユニット9を進退させることによって、揉み玉5,6を背もたれ3の内部に収納した収納位置(図8において、揉み玉5,6の先端が符号L1で示す線上に位置する。)、極めて弱いマッサージを行うさすり位置(図8において、揉み玉5,6の先端が符号L2で示す線上に位置する。)、弱いマッサージを行う弱位置(図8において、揉み玉5,6の先端が符号L3で示す線上に位置する。)、中程度のマッサージを行う中位置(図8において、揉み玉5,6の先端が符号L4で示す線上に位置する。)、強いマッサージを行う強位置(図8において、揉み玉5,6の先端が符号L5で示す線上に位置する。)、極めて強いマッサージを行う深位置(図8において、揉み玉5,6の先端が符号L6で示す線上に位置する。)の6段階に進退させることができるようにしている。なお、本実施例では、揉み玉5,6の位置でマッサージ力の強弱を示すようにしており、リモコンRの表示部Aにおいても、マッサージの強さに関する表示は、上記したL1〜L6に対応して、「収納」、「さすり」、「弱」、「中」、「強」、「深」と表示するようにしている。
【0047】
本実施例に係るマッサージ機1は、上述してきたような構成となっており、リモコンRに設けた操作部Sの操作により、制御ユニット16によって駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ91,92,93,94で各軸28,43,60,72の駆動量(回動角度)を検出しながら駆動部としての各モータ23,38,57,67を駆動させることで以下のように動作する。
【0048】
すなわち、制御ユニット16によって昇降用駆動部としての昇降用モータ23を駆動すると、昇降軸28が回動し、それに伴ってピニオンギヤ30,31がラック10,11に沿って走行し、マッサージユニット4が背もたれ3に沿って昇降移動する。その際に、制御ユニット16は、昇降用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ91で昇降軸28の回動角度を検出して、マッサージユニット4の昇降量を検出している。この動作により、ローリングマッサージが可能となる。なお、マッサージユニット4の昇降時の上限・下限位置は図示しないリミットスイッチにより規制されている。
【0049】
また、制御ユニット16によって進退用駆動部としての進退用モータ38を駆動すると、駆動ギヤ40、駆動ウォーム42、進退軸43を介してピニオンギヤ44,45が回動し、それに伴って揉み玉駆動ユニットケーシング37に取付けたラック46,47が移動して、揉み玉駆動ユニットケーシング37が前後方向に進退移動し、揉み玉5,6が前後方向に進退移動する(図6参照)。その際に、制御ユニット16は、進退用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ92で進退軸43の回動角度を検出して、揉み玉駆動ユニット9(揉み玉5,6)の進退量を検出している。この動作により、指圧マッサージが可能となる。
【0050】
また、制御ユニット16によって叩き用駆動部としての叩き用モータ57を駆動すると、叩き用駆動ウォーム59と叩き用従動ウォームホイール61を介して叩き用回動軸60が回動し、それに伴って叩き用偏心軸62,63が交互に上下に回動し、それにより、連動アーム78,79がクランクとして機能して揉み玉アーム支持体76,77が前後に揺動し、揉み玉5,6が交互に前後方向に揺動して叩き作動を行う。その際に、制御ユニット16は、叩き用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ93で叩き用回動軸60の回動角度を検出して、揉み玉5,6の揺動量を検出している。この動作により叩きマッサージが可能となる。
【0051】
また、制御ユニット16によって揉み用駆動部としての揉み用モータ67を駆動すると、揉み用駆動ウォーム69、揉み用従動ウォームホイール70、揉み用駆動プーリー71、伝動ベルト74、揉み用従動プーリー73を介して揉み用回動軸72が回動し、それに伴って揉み玉アーム支持体76,77が回動し、揉み玉5,6が前後方向に偏心回動して揉み作動を行う。その際に、制御ユニット16は、揉み用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ94で揉み用回動軸72の回動角度を検出して、揉み玉5,6の偏心回動量を検出している。この動作により、揉みマッサージが可能となる。
【0052】
そして、本マッサージ機1は、制御ユニット16によって駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ91,92,93,94で各軸28,43,60,72の駆動量(回動角度)を検出しながら駆動部としての各モータ23,38,57,67を駆動することによって、揉み玉5,6の位置をきめ細かく制御できるようにしており、上記の基本となる各作動を組み合わせることによって、使用者の体の肩、背中、腰等を、後に詳述するような揉み、叩き、指圧、ローリングによるストレッチ、背筋伸ばしなど多彩なモードでマッサージすることができる。
【0053】
[リモコンR]
ここで、本実施例に係るマッサージ機1のリモコンRの概要及び、同リモコンRに設けた各種スイッチボタンS1・・の操作による動作について説明する。本実施例に係るリモコンRは開閉蓋付きの構成であり、図10に閉蓋時の説明図を、図11に開蓋時の説明図を示している。
【0054】
図示するように、本実施例に係るリモコンRは、矩形形状をしており、中央部が左側にヒンジ(図示せず)を設けた右開きの蓋R1により開閉式となっている。
Aは前記した液晶からなる表示部であり、個別動作時、揉み動作の種類や速さ、強さ、幅、3Dの有無などの動作状態を表示する。
【0055】
また、表示部Aの液晶はバックライト付きとしており、バックライトの色は赤、黄の二色切替可能としている。そして、かかるバックライトは、後述する各種スイッチのうちいずれかを押すと点灯するようにし、点灯後(スイッチ入力後)12秒で消灯するようにしている。
【0056】
また、本マッサージ機1によるマッサージ動作が終了すると、揉み玉駆動ユニット9の収納動作を行うようにしており、収納動作完了後は、表示部Aはイメージ画面表示状態となり、動作不可状態となる。すなわち、このときには後述するスタート/収納ボタンS1以外は受け付けない。スタート/収納ボタンS1が押されると、動作可能状態となり、表示部A上での個別動作の選択や自動コースの選択が可能となる。
【0057】
表示部Aにおける表示内容の種類は下記のようなものがある。
【0058】
イ)選択を促す表示(例:お好みのコースを選択してください)
ロ)現在の施療内容の表示(例:首・肩コース、もみ上げ、肩位置動作中)
ハ)揉み玉5,6の現在位置(例:高さ位置や強さ位置)
ニ)お知らせの表示(例:「ポイントナビ」作動中は頭を背もたれにしっかりあててください。)
ホ)残り時間をタイマ表示する。(あと○分)
ヘ)主電源を入れたとき、ポイントナビシステム+動きをイメージした内容を表示する。なお、上記したポイントナビとは、使用者の体形を検出する動作を指すもので、その動作内容に関しては後述する。
【0059】
また、表示部Aは、動作停止時において、蓋R1の開状態、閉状態で、後述する自動コースと個別機能の表示を切り替えるようにしている。そして、一旦動作を開始すると、次の別機能が選択されるまでは表示のモードは変わらないようにしている。したがって、蓋R1を開けて個別機能を選択した後、蓋R1を閉めても個別機能をそのまま継続することができる。
【0060】
次に、リモコンRに設けた各種スイッチボタンS1・・について説明すると、図10において、S1は上記したスタート/収納ボタンであり、マッサージ動作を開始するとき、あるいは揉み玉を収納する際に押すものである。
【0061】
動作停止時や動作不可状態で「スタート/収納ボタンS1」を押すと、強さ:「収納」にて上限位置まで移動し、その後、強さ:「弱」で動作可能状態となり、マッサージ選択またはコース選択画面が前記表示部Aに表示される。
【0062】
また、動作時、「スタート/収納ボタンS1」を押すと、図12に示すように、揉み玉収納動作(強さ「収納」にて上限位置まで移動)を行い、動作不可状態となり、表示部Aにイメージ画面が表示される。なお、収納中は表示部Aに「収納中」の文字を点滅表示するようにしている。
【0063】
S2は休止ボタンであり、自動コース時に動作の一時停止を行ったり、個別機能時には動作停止を行う。
【0064】
自動コース時では、現在の動作を休止する。すなわち、自動コース時に休止ボタンS2を押すと、図13に示すように、休止中は表示部Aの「休止中」の文字が点滅する。モードタイマ(15分)/マッサージタイマ(30分)のカウントも一時停止する(リセットしない)。そして、自動コース休止中に再度同休止ボタンS2が押されると、「休止中」の文字が消え、途中から動作を再開する。モードタイマ(15分)/マッサージタイマ(30分)のカウントも再開する。なお、休止中は「休止」あるいは「スタート/収納ボタンS1」以外は受け付けない。「休止」あるいは「スタート/収納ボタンS1」以外のボタンが押された場合には、休止を解除をするよう、表示部Aに表示する。
【0065】
また、自動コース時、休止の状態が10分間続くと、休止の状態をやめ、強さ:「収納」にして動作不可状態となるようにしている。さらに、個別機能時、(肩位置検出中を含む)、休止ボタンS2を押すと、動作を停止し、休止の状態が10分間続くと、休止の状態をやめ、強さ:「収納」にして動作不可状態となるようにしている。また、収納動作中、「休止ボタンS2」を押すと、「収納中」の点滅表示の下に「緊急停止」の文字を反転表示し、動作を停止する。このとき「スタート/収納ボタンS1」以外受け付けず、押すと、再度収納動作を行う。
【0066】
S3は自動コースボタンであり、自動コース動作を開始する。
【0067】
自動コースボタンS3のうち、S3aは全身ボタンであり、動作可能状態、かつ、閉蓋状態のとき、同「全身ボタンS3a」を押すと、「全身」コース動作を開始する。コース動作中に他のコースに移った場合、やさしさの設定は継続する。
【0068】
また、S3bは首・肩ボタンであり、動作可能状態、かつ、閉蓋状態のとき、同「首・肩ボタンS3b」を押すと、「首・肩」コース動作を開始する。コース動作中に他のコースに移った場合、やさしさの設定は継続する。
【0069】
S3cは腰ボタンであり、動作可能状態、かつ、閉蓋状態のとき、同「腰ボタンS3c」を押すと、「腰」コース動作を開始する。コース動作中に他のコースに移った場合、やさしさの設定は継続する。
【0070】
S3dは背筋ボタンであり、動作可能状態、かつ、閉蓋状態のとき、同「背筋ボタンS3d」を押すと、「背筋」(ストレッチ)コース動作を開始する。コース動作中に他のコースに移った場合、やさしさの設定は継続する。
【0071】
S3eは指圧ボタンであり、動作可能状態、かつ、閉蓋状態のとき、同「指圧ボタンS3e」を押すと、「指圧」コース動作を開始する。コース動作中に他のコースに移った場合、やさしさの設定は継続する。図14に、本自動コースの中で例えば「首・肩コース」を選んだ場合の表示部Aにおける表示態様の一例を示す。
【0072】
S4はやさしさボタンであり、自動コースの際、揉み動作を部分的に弱くすることができる。連続2秒押しで深揉み動作をロックできる。
【0073】
自動コース動作中に同「やさしさボタンS4」を押すことにより、やさしさ機能の設定/解除が可能である。また、コースの途中でも「やさしさボタンS4」は受け付ける。図15にさしさボタンS4を操作した場合の表示部Aにおける表示態様の一例を示す。
【0074】
このとき、押された時点以降の施療プログラムに強弱位置の変更が適用される。さらに、やさしさ機能が設定されると、表示部Aに「やさしさ」の文字が表示され、コースの施療プログラムの強弱位置を「やさしさ」専用にプログラムしたものに変更する。なお、やさしさ機能が解除されると、表示部Aの「やさしさ」の文字が消え、コースの施療プログラムの強弱位置を「標準」に戻し、強弱位置は,標準の強弱度で行う。やさしさの設定はモードが変わっても引き継がれる。
【0075】
ところで、後述する体形検出手段で得たポイントに対する、最適なマッサージラインは各ポイントにより異なる。それを前提にオフセットを履かせた位置を標準と考え、さらにそこから「やさしさ」の位置を決めるようにしている。すなわち、自動コースの「やさしさ」の動作は,単純に全体の強弱度を下げるのではなく、「やさしさ」専用に適した強弱位置のプログラムで行うようにしている。
【0076】
S5はリクライニングボタンであり、背もたれ3を起こしたり、倒したりするときに使用する。
【0077】
起きるボタンS5aを押すと、リクライニング部である背もたれ3が起き、倒れるボタンS5bを押すと、背もたれ3が倒れる。同リクライニングボタンS5は主電源が入っている限り、常に受け付けるようにしている。また、スイッチオンのとき、背もたれ3の移動中は、例えば「ピッ」というような音を連続して発生させるようにし、限界位置では、例えば「ピー」というような音を発生させて背もたれ3の移動を停止するようにしている。また、限界位置の前記「ピー」音は限界方向のボタンを押している間鳴り続けるようにしている。なお、安全対策として、過電流検知を設けるとよい。また、リクライニング動作中に過電流を検知すると、エラー表示を行い、動作を停止するようにしている。このときは、主電源を一旦切るまでは動作させることはできないようにする。
【0078】
また、背もたれ3移動中は、エア動作は一時停止(排気)する。リクライニングボタンS5が解除されると、エア動作は復帰する(エア動作中だった部位の最初から)。
【0079】
S6はバイブ入/切ボタンであり、バイブ動作の入・切を切り替える。バイブが入のときはLEDが点灯し、切のときは消灯する。
【0080】
バイブ停止中に本「バイブ入/切ボタンS6」を押すと、バイブLEDが点灯し、バイブ動作を開始する。また、バイブ動作中に同「バイブ入/切ボタンS6」を押すと、バイブLEDが消灯し、バイブ動作を停止する。
【0081】
基本的にバイブ動作は個別機能とは独立して動作するようにしている。ただし、個別機能の終了時、あるいは休止の際はこれに留まらない。例えば個別機能、かつバイブ動作時に休止すると、マッサージ動作とともにバイブ動作も停止する。あるいは、自動コース/個別機能、かつバイブ動作時にタイマにより終了すると、マッサージ動作とともにバイブ動作も停止する。
【0082】
S7はヒータ入/切ボタンであり、ヒータの入・切を切り替える。ヒータが入のときはLEDが点灯し、切のときは消灯する。
【0083】
ヒータ停止中に、「入/切ボタンS7」を押すと、ヒータランプS7'が点灯し、ヒータ動作を開始する。また、ヒータ動作中に、「入/切ボタンS7」を押すと、ヒータランプS7'が消灯し、ヒータ動作を停止する。ヒータの動作は最大60分とし、モードタイマ(5分/15分)、マッサージタイマ(30分)等の施療時間からは完全に独立させている。
【0084】
S8は肩位置調節ボタンであり、肩位置検出後、肩位置を微調整するときに使用する。
【0085】
肩位置検出終了後、揉み玉5,6の位置は肩位置を示しており、上下の矢印表示が点滅し,「ピッピッ」音が発生し、肩位置微調整「上」「下」ボタンS8a,s8bの待ち受け状態となる。この状態で「上」「下」ボタンS8a,s8bが押されたら、揉み玉5,6の位置を上下に移動して肩位置が調整される。肩位置微調整中は、速さ:遅、強さ:強にて揉み上げ動作を行うようにしている。なお、上下の矢印表示が消灯中は肩位置調節ボタンは受け付けない。さらに、肩位置微調整受付時間は5秒とするとともに、微調整の範囲は上限〜異常値(〜mm以下)とする。
【0086】
次に、図11を参照しながらリモコンRの開蓋時にあらわれるスイッチボタンについて説明する。
【0087】
S9は肩位置ボタンであり、手動で肩位置検出する場合に使用する。
【0088】
個別機能開始時、あるいは個別動作中、「肩位置ボタンS9」が押されると、「肩位置」の文字が点滅し、肩位置検出動作が開始される。すなわち、図16に示すように、▲4▼位置まで下降し、▲4▼〜▲8▼までの順に揉み玉5,6を移動し、背中を検出する。背中の検出は、揉み玉5,6を収納位置から突出させていき、背中に揉み玉5,6が当たった際のモータ負荷電流の増加を検出することにより行う。
【0089】
なお、肩抜け(検知ポイント▲4▼以上にてモータ深電流の増加を検出する前に強位置を検知)したときは、検知ポイント間の半分の距離下降して再度背中検出する。肩抜けしたとき、1/4距離下降して停止し、肩抜けしなければ、1/4距離上昇して停止する。また、肩位置が異常位置であれば、再検出要等のアナウンスをする(肩位置微調節受付)。なお、異常値(〜mm以下)のときはアナウンスのみとし、マッサージは行わない。微調整の範囲は上限〜異常値(〜mm以下)とする。肩位置微調整中は、速さ:「遅」、強さ:「強」にて揉み上げ動作を行うようにしている。さらに、5秒入力なしであれば肩位置検出完了としている。
【0090】
S10は機能ボタンであり、個別動作時のマッサージ動作の種類を選択することができる。
【0091】
同機能ボタンS10を押すと、図17(a)に示すように、表示部Aの液晶に個別動作選択メニュー(「揉み上げ」、「揉み下げ」、「叩き」、「さざなみ」、「さすり」、「深揉み」、「ストレッチ」、「指圧」)が表示され、現在の設定が反転表示される。また、図17(b)に示すように、「機能ボタンS10」を押すたびに反転表示位置が変わり、2秒後に反転表示で示された設定が確定される。
【0092】
S11は全体/部分ボタンであり、全体、あるいは部分の背筋伸ばし動作を行う際に使用し、図18に示すように、個別マッサージ動作を行っていない場合に背筋伸ばしの種類を設定することができる。また、このボタンにより、背筋動作を開始・停止することができる。
【0093】
また、個別マッサージ動作中であれば、図19に示すように、同全体/部分ボタンS11を押すと、表示部Aの液晶に背筋のばしに関する設定メニュー(「全体」、「部分」、「ポイント」)が表示され、現在の設定が反転表示される。「全体/部分ボタンS11」を押すたびに反転表示位置が変わり、2秒後に反転表示で示された設定が反映される。また、個別機能動作していない状態で、「全体/部分ボタンS11」をダイレクトに押すと、全体ローリングを開始する。なお、個別機能動作していない状態で「全体/部分ボタンS11」を押したときは「ポイント」は表示しない(図18参照)。
【0094】
S12は3Dボタンであり、4個のモータ23,38,57,67を具備するマッサージユニット(ハイメカユニット)による3D動作を行う。
【0095】
揉み上げ、揉み下げ、叩き、さざなみのいずれかの動作のとき、この「3DボタンS12」を押すと、3D機能が設定される。図20に示すように、3D機能が設定されると、「3D」の文字が表示部Aに表示され、上記動作に対して、前後方向の移動動作が付加される。
【0096】
3D機能が設定されているとき(「3D」の文字が表示されているとき)、再度「3DボタンS12」が押されると、「3D」の文字が消灯し、3D機能が解除されて前後方向の移動動作はしなくなる。なお、機能選択していないときは3DボタンS12は受け付けない。
【0097】
S13はエア選択ボタンであり、エアマッサージの開始、部位の選択を行う。
【0098】
同エア選択ボタンS13を押すと、図21に示すように、表示部Aの液晶にエアに関する設定メニュー(「脚&もも&しり」、「脚&もも」、「脚&しり」、「脚」、「なし」)が表示され、現在の設定が反転表示される。エア選択ボタンS13を押すたびに反転表示位置が変わり、2秒後に反転表示で示された設定が反映される。
【0099】
また、背もたれ3の移動中はエア動作は一時停止(排気)する。リクライニングボタンS5が解除されると、エア動作は復帰する(エア動作中だった部位の最初から)。また、エア動作には初期状態にて、バイブ動作が付加され、バイブ入/切ボタンS6を押すことにより、バイブ動作を解除することができる。
【0100】
S14はエア強弱ボタンであり、エアマッサージの強さを切り替える。図22に同エア強弱ボタンS14を操作したときの表示部Aの表示態様を示す。
【0101】
エア動作中にこの「エア強弱ボタンS14」を押すと、エアの強弱が切り替わる。エアの強弱制御は給気時間を変えることにより行い、給気時間が長いほうが強、給気時間が短いほうが弱としている。なお、強の給気時間に対して弱の給気時間は80%に設定している。また、強弱の比率は基板上で設定可能である。
【0102】
S15はモードタイマ切替スイッチであり、モードタイマの5分・15分を切り替える。なお、モードタイマとは、各個別のマッサージモードにおける制限時間である。
【0103】
S16は高さ/微調節ボタンであり、揉み玉の高さの調節ができる。また、肩位置検出後、肩位置を微調整することができる。S16aは上ボタン、S16bは下ボタンである。
【0104】
S17は強さボタンであり、個別動作時、前後方向による強さを調節するのに使用する。
【0105】
揉み上げ、揉み下げ、叩き、さざなみ、部分のばし、全体のばしの6つの個別機能に対しては強弱の調節が可能である。図23に示すように、強弱は弱−強位置の間(30mm)で、7段階で調節可能とし、表示部Aに数字で設定値が表示される。
【0106】
個別機能時、「強ボタンS17a」を押すと、現在の設定値から1段上に上げる。
すでに最大に設定されている場合は何も変化しない。一方、個別機能時、「弱ボタンS17b」を押すと、現在の設定値から1段下に下げる。すでに最小に設定されている場合は何も変化しない。連続押しは無効であり、単発押しで1段ずつ増減するようにしている。
【0107】
背筋のばし「全体」「部分」「ポイント」動作中も強さ調節は可能である。すでにポイントナビが完了しているとき、背筋のばし「全体」ではポイントナビのデータに基づいた位置制御を行ない、現在位置をその都度更新して表示する。このとき強さボタンS17が押されると、ポイントナビのデータを押された方向に全体的にシフトさせ、シフトしたデータは新規データとして保持される。なお、自動コース動作中は,強弱位置表示部は現在位置を表示するが、「強さボタンS17」は受け付けない(マッサージの強さ調整は「やさしさボタンS4」で行う)。
【0108】
S18は速さボタンであり、個別動作時の速さを調節することができる。
【0109】
この速さボタンS18を押すと、図24に示すように、表示部Aに速さに関する設定メニュー(「遅い」、「普通」、「速い」)が表示され、現在の設定が反転表示される。同速さボタンS18を押すたびに反転表示位置が変わり、2秒後に反転表示で示された設定が反映される。
【0110】
S19は幅ボタンであり、叩き、指圧、ストレッチ、背筋伸ばし動作時に幅を調節するときに使用する。
【0111】
図25に示すように、同幅ボタンS19により揉み玉5,6の位置を狭い/中/広いの3段階に調整することができる(揉み用モータ67により揉み玉5,6の位置を外側/中間/内側に移動する)。かかる「幅ボタンS19」を押すと、図26に示すように、表示部Aに幅に関する設定メニュー(「狭い」、「中」、「広い」)が表示され、現在の設定が反転表示される。同幅ボタンS19を押すたびに反転表示位置が変わり、2秒後に反転表示で示された設定が反映される。
【0112】
S20は蓋開閉スイッチであり、蓋の開閉を検知するためのものである。
【0113】
次に、本マッサージ機1の有する機能概要について説明する。
[自動コース機能]
本マッサージ機1は、下記の5つつの自動コースが選択可能となっている。
【0114】
「全身コース」
上半身、下半身ともに満遍なくマッサージを行うコースで、下半身は、前述の足保持部1aと着座部14においてエアマッサージが行われる。
【0115】
「首・肩コース」
主に、首、肩付近を重点的にマッサージするコースであリ、腰部付近も含むが、下半身は含まれない。
【0116】
「腰コース」
主に腰部、下半身(下肢のエアマッサージ)を重点的にマッサージするコースである。首・肩付近のマッサージも含む。
【0117】
「背筋(ストレッチ)コース」
主にストレッチ動作を主体にマッサージするコースであり、下半身のエアマッサージも含まれる。
【0118】
「指圧コース」
主に本発明の要旨となる動作である指圧動作を主体にマッサージするコースである。なお、その動作については後に詳述する。また、このコースでは下半身のエアマッサージは含まれない。
【0119】
上記してきた各自動コースを選択した場合、表示部Aでは、自動コースの種類が表示されるとともに、後に詳述する体形検出時の注意点を表示する(図14参照)。例えば、「あなたの体形に合ったマッサージをするため、ポイントナビ機能により体形を検出します。より正確な体形を検出するためにポイントナビ作動中はあまり動かないようにしてください。」などである。
【0120】
また、表示部Aには、施療条件の表示がなされる。これは、例えば後述するやさしさ機能の設定/非設定、強弱位置、高さ、残り時間、休止状態でるか否かなどである。
【0121】
[やさしさ機能]
ここで「やさしさ」とは、上述した自動コース動作において、部分的に強さ(前後方向の押圧力)を弱くする機能である。自動コース動作中にやさしさボタンS4を押すことにより、やさしさ機能の設定・解除が可能となっている。設定されると表示部Aに表示される(図15参照)。
【0122】
[個別マッサージ機能]
本マッサージ機1は、個別マッサージ機能として、下記の10種類のモードがあり、これらの複合動作も可能である。また、各個別マッサージ機能を選択するには、図17で示したように、機能ボタンS10を押して上記10種類の機能を表示部Aに表示させ、表示がなされると同ボタンS10により機能選択を行うことができる。
【0123】
「揉み上げ」
揉み玉駆動ユニット9が身体に近づくときにゆっくり、離れるときに速く、という速度のメリハリをつけることができる。1回転の速度コントロールは10%の変化としている。また、3D動作の設定が可能で、さらに、背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能である。
【0124】
「揉み下げ」
揉み玉駆動ユニット9が身体に近づくときにゆっくり、離れるときに速く、という速度のメリハリをつけることができる。1回転の速度コントロールは10%の変化としている。また、3D動作の設定が可能で、さらに、背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能である。
【0125】
「叩き」
3D動作設定、背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能である。
【0126】
「さざなみ」
揉み下げと叩きとの複合動作であり、3D動作設定、背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能である。
【0127】
「指圧」
本実施例の要部をなすマッサージ形態であり、揉み玉5,6を初期位置から被施療部(使用者の身体)側へ押込んで被施療部を押圧し、押圧した状態で同揉み玉5,6を所定時間保持した後、初期位置まで引き戻す動作を行う。
【0128】
図27に揉み玉5,6の動きを矢印で示しており、図を参照しながら上記動作をより具体的に説明する。
【0129】
すなわち、指圧動作では、揉み玉5,6は強位置まで突出後停止し、一定時間(本実施例では1秒程度)保持する。その後、1cm程度上に上げながら、さらに1〜2cm程度突出させて、それから引き動作に移るものである。
【0130】
このように、揉み玉5,6が単に進出して被施療部を押圧してすぐに後退するような従来のマッサージ機による指圧とは異なり、一旦保持動作が加わることでこの時間に押圧力により逃げていた体が元に戻ろうとする力が指圧力として作用し、あたかもマッサージ師の手による指圧のように、施療部やツボを十分に押圧することができ、指圧効果を引き出すことができる。
【0131】
さらには、保持中に、1cm程度上に上げながら、さらに1〜2cm程度突出させるような前方へのマッサージを行うことで、押圧力により逃げていた体が元に戻ろうとする力と前方へのマッサージ力が相まって非常に効果的な指圧作用を与える。保持した後、初期位置まで引き戻すまでの間のマッサージとして本実施例では斜め前方方向へのマッサージを例示したが単純な前方への突出動作でも十分指圧効果を高められる。
【0132】
もちろん、保持した後、初期位置まで引き戻すまでの間のマッサージとしては上記した斜め方向への突出動作以外に揉み動作や叩き動作のような前方への突出成分を有すマッサージ以外にストレッチ動作、さらにはそれらの複合動作等種々考えられる。
【0133】
本指圧は、背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能であり、背筋のばしと指圧の複合動作は、ローリングによって指圧点を次々に移動することにより指圧を繰り返す。
【0134】
「深揉み」
強弱方向において、深位置での揉み上げ動作を行う。深位置での施療動作を行うのは、個別機能の深揉み動作のみである。背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能であり、背筋のばしと複合動作する場合は、下降時は揉み下げ、上昇時は揉み上げとしている。
【0135】
「さすり」
強弱方向において、さすり位置(後述する)での揉み上げ動作である。背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能であり、背筋のばしと複合動作する場合は、下降時は揉み下げ、上昇時は揉み上げとしている。
【0136】
「ストレッチ」
図28の矢印で示すように揉み玉5,6が動作するもので、指圧動作と上方向への背筋のばし動作の複合動作である。背筋のばし(全体・部分)との複合動作も可能である。
【0137】
背筋伸ばし(部分)とは、揉み玉5,6の現在の位置を中心に上下50mm程度ローリングを行うものである。中心位置は高さ/微調節ボタンS16により上下移動することができる。動作開始は全体/部分ボタンS11の操作で行う。動作停止は同全体/部分ボタンS11か、休止ボタンS2の操作で行う。上方向の移動は上限リミットスイッチLS(図1参照)位置までである。上限または肩位置あるいは下限によりストロークが確保できない場合は、上限、肩位置、あるいは下限から100mmのストローク動作とする。揉み上げ、揉み下げ、叩き、さすり、深揉み、さざなみ、指圧、ストレッチとの複合動作が可能である。なお、部分から全体へ切換えたときに移動方向は反転しない。
【0138】
背筋のばし(全体)とは、下限から上限、上限から下限を繰り返しローリングする。上限については、肩位置が未検出の状態では前記上限リミットスイッチLSの位置まで、肩位置検出済みの場合は肩位置までとしている。動作停止は同全体/部分ボタンS11か、休止ボタンS2の操作で行う。揉み上げ、揉み下げ、叩き、さすり、深揉み、さざなみ、指圧、ストレッチとの複合動作が可能である。なお、全体から部分へ切換えたときに移動方向が反転する。
[3Dモード機能]
3D動作とは、揉み、叩きなどの動作時に、揉み玉駆動ユニット9(スイングユニット)による前後移動動作を加えた動きのことを指す。3DボタンS12を押すことにより、揉み、叩き、さざなみに対して3D動作機能の設定・解除が行える。前述したように、個別動作時(揉み上げ、揉み下げ、叩き、さざなみのいずれか)に3D機能を設定すると、表示部Aに「3D」の絵文字を表示するようにしている。解除すると絵文字も消える。なお、機能を選択してモードが変わった場合、3Dの設定は引き継がれないようにしている(図20参照)。
【0139】
「3D叩き」
叩き動作に強弱をつけるとともに速さを制御して行う。例えば、先ず弱位置においてゆっくりと叩きを開始して、強位置まで移動しながら叩きの速度を段々に速くし、さらに弱位置まで移動しながら叩きの速度を段々に遅くする。なお、強さ及び速さは固定することもできる。幅の調節は可能である。
【0140】
「3D揉み」
揉み上げ、あるいは揉み下げに強弱の制御を伴うものである。収納位置〜強位置間を例えば4段階などの複数段階に分けて移動しながら揉み動作を行う。強方向への移動は揉み玉5,6が一番前に出る位置(幅広)にて行う。収納方向へ移動開始するときも幅広の位置の時点から行う。なお、強さ及び速さは固定することもできる。
【0141】
「3Dさざなみ」
3D揉み(揉み下げ)に叩きを付加した動作である。
【0142】
[ポイントナビ機能]
これは、前記自動コースの動作中に、以下に述べる体形検出手段により、使用者Mの体形を検知し、検知データに基づいたマッサージ動作を行うものである。本実施例では、体形検出手段として、マッサージ中における負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、揉み玉の上下位置座標を検出する座標検出手段と、同座標検出手段からのデータを記憶する記憶手段とを備える構成としている。背中位置の検出は、図29に示すように、昇降用モータ23を駆動してマッサージユニット4を使用者Mの腰位置である最下端位置に降下させる(f1)とともに、進退用モータ38が駆動して揉み玉駆動ユニット9を最後方位置(f2)に後退させる。そして、その位置で進退用モータ38を駆動して揉み玉5,6を収納位置から前方に向けて(被施療部である使用者の背中に向けて)突出させていき(f3)、背中に当たったときのモータの負荷電流の増加を上記負荷電流検出手段により検出した強弱位置を制御ユニット16に内蔵した記憶手段によって記憶し(具体的には、進退用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ92の検出出力を、制御ユニット16を介して座標検出手段により座標換算して記憶手段により記憶している。)、これを背中位置とすることによって行う。その後、進退用モータ38を駆動して揉み玉駆動ユニット9を最後方位置まで後方に向けて移動する(f4)。これら(f3)及び(f4)の動作を1単位の体形検出ステップとしている。
【0143】
次いで、昇降用モータ23を駆動して、昇降用駆動量検出手段としてのロータリーエンコーダ91の検出に基づいて所定距離だけマッサージユニット4を上昇させ(f5)、上述同様に、その位置で進退用モータ38を駆動して揉み玉駆動ユニット9を前方に向けて徐々に移動する(f6)。これらの動作を使用者の肩位置まで繰り返し行う(f7)ことによって、使用者Mの肩の高さや幅、背中の形状等といった使用者の体形を検出する。なお、検出終了後は、マッサージユニット4は初期状態(図29におけるf2位置)に復帰する。
【0144】
すなわち、図16に示すように、0〜8までの順に揉み玉5,6を移動し、背中位置を検出して、下から順番に背中の有無を検知することにより得られるのが背中のラインとなる。検出中に肩抜け(検知ポイントが4以上にてモータ負荷電流の増加を検出する前に強位置を検知した場合)したとき、検知ポイント間の半分の距離を下降して再度背中を検出する。そして肩抜けしたとき1/4距離下降して停止し、肩抜けしなければ1/4距離上昇して停止する。その後、肩位置微調整を受け付ける。肩位置が異常位置であれば、再検出要などのアナウンスをするようにしている。なお、異常値のときはアナウンスのみとしてマッサージは行わない。微調整の範囲は上限〜異常値とする。肩位置微調整中は、速さ:遅、強さ:強にて揉み上げ動作を行う。5秒間入力がなければポイントナビを終了する。
【0145】
また、リモコンRの蓋R1を開いて肩位置ボタンS9を押すことで、肩位置の検出が行える。そのときの表示部Aにおける表示態様を図30に示す。
【0146】
[エアマッサージ機能]
本マッサージ機1は、前述したように、臀部、腿、脚部(2箇所)と合計4箇所にエアマッサージ用のエアセルを備えている。個別機能時にエア選択ボタンS13を押すと、エアマッサージ施療を行う部位を選択する画面が表示部Aに表示される。部位を選択した状態で2秒経過すると、その部位のエアマッサージ動作が開始される(図21参照)。なお、エアマッサージは強/弱の2段階で強さが変えられる(図22参照)。また、エアマッサージ動作の際は初期状態で下記に説明するバイブレーション動作が設定されており、バイブレーション動作はバイブ入/切ボタンS6を押すことにより解除できる。さらに、エアマッサージ中にリクライニングボタンS5が押されると、エア動作は一時停止(排気)する。リクライニングボタンS5が解除されるとエアマッサージ動作が復帰する(エアマッサージ動作中だった部位の最初から)。
【0147】
[バイブレーション(バイブ)機能]
本マッサージ機1は臀部にバイブ機能を有する。個別機能時、バイブ入/切ボタンS6を押すとバイブ動作を行い、切ると停止する。エアマッサージ選択時には初期状態で自動的にバイブ動作がなされるように設定されているが、エア動作時と同時にだけでなくバイブ単独で動作させることも可能である。
【0148】
なお、自動コース選択中にもコース動作の一部としてバイブ動作が含まれる。
ただし、バイブ入/切ボタンS6が押されるとバイブ動作は省かれる。バイブ解除の状態で再度バイブ入/切ボタンS6を押すとコース動作の一部として再びバイブ動作が設定される。バイブ動作の最大時間は15分としている。
【0149】
また、バイブ動作には強弱のメリハリをつけるようにしている。例えば、エアマッサージ選択時であれば、臀部の給排気と連動するようにしている(給気中:弱、排気中:強)。単独時であれば強弱の同期をエア使用時と同様なサイクルで設定する。
【0150】
[ヒータ機能]
本実施例に係るマッサージ機1は図示しないヒータを内蔵している。ヒータ単独で使用した場合、最大60分で自動的にオフするようにしている。また、ヒータのタイマと各マッサージモードのタイマとは独立させており、マッサージ休止状態やスタート/収納ボタンS1などにより施療動作が停止してもヒータが切れることはない。
【0151】
[電動リクライニング機能]
電源スイッチがオンであれば、常に電動リクライニングは可能であり、手動にて背もたれ3(オットマン)のみを独立して起こすことも可能である。リクライニング動作時にエア動作している場合、エアマッサージ動作は一時停止(排気)する。リクライニングボタンS5が解除されるとエアマッサージ動作は復帰する(エアマッサージ動作中だった部位の最初から)。
【0152】
[液晶表示、カラー切替機能]
表示部Aでは128(ドット)×64(ドット)、8桁×4行のキャラクタ表示が可能である。表示部Aである液晶は前述したようにバックライト付きとしており、赤と黄色の2色に切替可能である。自動コースのときは赤、個別機能のときは黄色としている。なお、エラー時には赤色のLEDを点滅しながら、表示部AにエラーNo.を表示するようにしている。
[タイマ切替機能]
モードタイマは標準で15分であり、スライド式スイッチにより、5分へ切替えることも可能となっている(図11参照)。特に、高齢者などには長時間のマッサージがかえって負担になることがあるので、5分を選択することができるようにしている。なお、このモードタイマによりマッサージタイマ30分が影響を受けることはない。また、スライド式スイッチは電源投入時のみチェックするようにしている。
【0153】
[深揉みロック機能]
深揉み動作を行わないようにロックすることが可能である。これも高齢者への配慮によるもので、過度に強いマッサージとならないようにしている。やさしさボタンS4を2秒連続押すことで深揉み動作をロックするようにしている。このとき、ロックを受け付けたことを示す音が発せられるようにすることができる。なお、深揉みロック機能の解除は電源スイッチを切ることにより行える。
【0154】
[実際の動作について]
上記してきた本マッサージ機1において、自動マッサージコースボタンS3a〜S3eのいずれかから好みのコースを選択すると、「慣らしマッサージとしてのフェードインマッサージ」→「体形検出」→「複数の各種マッサージモード」→「クーリングダウン用のマッサージとしてのフェードアウトマッサージ」の順序で自動的にマッサージが行われる。
【0155】
例えば自動マッサージコースのうち、「肩・首コース」を選択すると、先ずフェードインマッサージが行われる。
【0156】
すなわち、初期状態の上部収納位置にあったマッサージユニット4が腰位置に向かって下降する際に、少なくとも肩位置までに降りてきた後には、揉み玉5,6が前述した「さすり位置」にセットされ、背中全体をさするようなローリングマッサージが行われて腰位置で停止する。このさすりローリングマッサージが慣らしマッサージであるフェードインマッサージとなる。
【0157】
次いで、前述のポイントナビ機能により体形検出が行われるが、ここまでの動作は、揉み玉5,6の座標位置で各動作ステップが切換えられる。
【0158】
体形検出が終わると、各種マッサージとして、肩位置叩きマッサージ、肩位置揉みマッサージ、肩位置指圧マッサージ・・と、予めプログラムされたモードによるマッサージが行われる。この際に実行される各マッサージは、体形検出前は標準的な体形データを基に位置決定がなされるが、体形検出後は検出された体形データを基にして各マッサージの揉み玉位置が制御される。かかるマッサージモードでは、揉み玉5,6の座標位置ではなく、時間によって各動作ステップの切換えがなされる。
【0159】
そして最後にフェードアウトマッサージが行われるが、このときマッサージユニット4は腰位置から上方に向けて上昇移動し、フェードインマッサージ同様にさすりローリングによるマッサージが行われ、マッサージユニット4は初期位置である上部収納位置に収納される。なお、このフェードアウトマッサージにおいては、揉み玉5,6の座標位置により各動作ステップは切換えられている。
【0160】
このようにして、使用者Mが選択した「肩・首コース」が全て終了する。
【0161】
なお、上記したフェードインマッサージ、フェードアウトマッサージでは、マッサージユニット4はワンウェイの動きであったが、これに限らず、往復動作したり複数回往復動作するなど適宜設定可能である。また、フェードイン・フェードアウトマッサージの形態としては、ローリングマッサージのみならず、例えば揉みマッサージや指圧マッサージを組合わせたりしてもよい。
【0162】
なお、上記したフェードインマサージやフェードアウトマッサージは省略してもよく、その場合は、図31に示すように、表示部Aに表示される行程で自動コースの処理がなされる。
【0163】
次に、使用者Mが個別マッサージ機能で、「指圧」を選択した場合について、より詳細に説明する。なお、ここでは、予め前述のポイントナビ機能により体形検出は既に行われているものとする。
【0164】
使用者がリモコンRの蓋R1を開け、機能ボタンS10を操作して、「指圧」を選択する(図11)。このとき、全体/部分ボタンS11を押して、例えば背筋のばしの部分と複合動作させるようにした場合、揉み玉5,6は、使用者Mの腰付近まで移動して、図8における「弱(L3)」位置から「強(L5)」位置ま約30mmのストロークで進出し、「強」位置において約1秒間停止し、次いで、10mm程度上昇しながらさらに15mm程度進出し(深(L6)位置)、それから後退するという動作を行う。そして、その動作位置を中心に、揉み玉5,6は上下50mm程度ローリングを行ないながら、同様な指圧動作を設定時間繰り返すのである。タイムアップすると、揉み玉5,6は収納位置まで後退して待機する。
【0165】
このように、本マッサージ機1による指圧マッサージでは、被施療部を所定の力(「強」)で所定時間(約1秒)押圧した上に、さらに、より強い力(「深」)で上方に押し上げる(10mm程度)ような動作を行うので、従来にない十分な指圧効果を得ることができ、あたかも指圧師の手による指圧のように、患部のコリなどをほぐすことができる。
【0166】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0167】
(1)請求項1記載の本発明では、揉み玉を設けたマッサージユニットを具備し、揉み玉を初期位置から被施療部側へ押込んで被施療部を押圧し、押圧した状態で同揉み玉を所定時間保持した後、初期位置まで引き戻す指圧マッサージモードを有することとしたので、従来にない十分な指圧効果を得ることができ、あたかも指圧師の手による指圧のように、患部のコリなどをほぐすことができる。
【0168】
(2)請求項2記載の本発明では、押圧した状態で同揉み玉を所定時間保持した後、初期位置まで引き戻すまでの間に前方へのマッサージ動作を挿入したことにより押圧力により体が逃げてしまい、指圧効果が薄れる欠点を解消できる。
【0169】
(3)請求項3記載の本発明では、指圧モードを含む複数のマッサージモードの中から選択的に、あるいは適宜組合わせてマッサージ可能としたことにより、多彩なマッサージ形態で身体のコリをほぐし、心身のリフレッシュを図ることができる。
【0170】
(4)請求項4記載の本発明では、座部本体と背もたれを備える椅子式に構成するとともに、マッサージユニットを背もたれに沿って昇降させる昇降機構を設け、さらに、同マッサージユニットに、揉み玉を前後方向に揺動させる叩き用モータ、揉み玉を偏心回動させる揉み用モータを具備する揉み玉駆動ユニットを配設し、しかも、同揉み玉駆動ユニットを、進退用モータにより揉み玉ごと前後方向へ進退可能に構成したことにより、使用者は楽な姿勢でリラックスした状態でマッサージを受けることができるとともに、上述したように揉み玉駆動ユニットを進退自在とすることで、揉み玉の身体への当接深さの変化を大きくすることができ、しかも、その進出位置で揉み玉を一定時間保持できるように制御することも容易に行うことができ、上記してきた形態での指圧マッサージを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマッサージ機の側面図である。
【図2】マッサージユニットの全体説明図である。
【図3】同正面視による説明図である。
【図4】同平面視による説明図である。
【図5】叩き機構を示す側面視による説明図である。
【図6】揉み機構を示す側面視による説明図である。
【図7】揉み玉駆動ユニットの進退移動を示す説明図である。
【図8】揉み玉の進退位置を示す説明図である。
【図9】制御ユニットを示すブロック図である。
【図10】リモコンの閉蓋状態の説明図である。
【図11】リモコンの開蓋状態の説明図である。
【図12】表示部の表示態様(スタート/収納ボタン操作時)を示す説明図である。
【図13】表示部の表示態様(休止ボタン操作時)を示す説明図である。
【図14】表示部の表示態様(自動コース選択時)を示す説明図である。
【図15】表示部の表示態様(やさしさボタン操作時)を示す説明図である。
【図16】体形検知動作(ポイントナビ)の説明図である。
【図17】表示部の表示態様(個別機能選択時)を示す説明図である。
【図18】表示部の表示態様(全体/部分ボタン操作時)を示す説明図である。
【図19】表示部の表示態様(全体/部分ボタン操作時(個別動作中))を示す説明図である。
【図20】表示部の表示態様(3Dボタン操作時)を示す説明図である。
【図21】表示部の表示態様(エア選択ボタン操作時)を示す説明図である。
【図22】表示部の表示態様(エア強弱ボタン操作時)を示す説明図である。
【図23】表示部の表示態様(強さボタン操作時)を示す説明図である。
【図24】表示部の表示態様(速さボタン操作時)を示す説明図である。
【図25】揉み玉の幅調整に関する説明図である。
【図26】表示部の表示態様(幅ボタン操作時)を示す説明図である。
【図27】指圧動作の説明図である。
【図28】ストレッチ動作の説明図である。
【図29】体形ライン検出処理の説明図である。
【図30】表示部の表示態様(肩位置調整時)を示す説明図である。
【図31】表示部の表示態様(自動コース選択時)を示す説明図である。
【符号の説明】
A 表示部
1 マッサージ機
2 座部本体
3 背もたれ
4 マッサージユニット
5,6 揉み玉
9 揉み玉駆動ユニット
Claims (3)
- 座部本体と、背もたれと、同背もたれ内部を昇降可能に構成されたマッサージユニットと、同マッサージユニットを制御する制御ユニットと、を備えたマッサージ機であって、
前記マッサージユニットには、揉み玉駆動ユニットと、同揉み玉駆動ユニットの進退移動機構とが配設され、前記揉み玉駆動ユニットには、揉み玉と、同揉み玉を前後に揺動させて叩き動作を行う叩き機構と、前記揉み玉を偏心回動させて揉み動作を行う揉み機構とが配設され、
前記制御ユニットが前記進退移動機構と前記揉み玉駆動ユニットの動作を制御して、
前記揉み玉を初期位置から被施療部側へ押込んで当該被施療部を押圧した状態を所定時間保持した後、前記揉み玉を初期位置まで引き戻すまでの間に、前記叩き機構又は前記揉み機構を動作させて、前記叩き動作又は前記揉み動作のような前方へのマッサージ動作を挿入したことを特徴とするマッサージ機。 - 前記叩き機構と、前記揉み機構と、前記進退移動機構とに、前記制御ユニットに接続された駆動量検出手段を設け、前記制御ユニットは、前記駆動量検出手段によって駆動量を検出して、前記マッサージを制御することを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
- 前記マッサージユニットを前記背もたれに沿って昇降させる昇降機構を備え、
前記制御ユニットは、
前方への突出成分を有する前記マッサージを行わせる前に、前記揉み玉を突出させた状態で、前記昇降機構を制御して、前記揉み玉を前記マッサージユニットごと上昇させることを特徴とする請求項1または2に記載のマッサージ機。
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