本発明の実施形態及びその利点は、図面中の図1乃至図13を参照することによって最もよく理解される。同様な数字が、様々な図面の同様な部分及び対応する部分に関して使用される。
ダイヤモンドは、多くの特有の性質を有する、炭素元素の一つの形である。ダイヤモンドは、既知の最も硬い物質のうちの一つであり、高い融点及び沸点を有し、電気絶縁体であると共に素晴らしい熱伝導体である。ダイヤモンドから作り出された物体は、これらの性質を利用することができるかも知れない。例えば、ダイヤモンドから作り出されたドリルビット、鋸又はナイフのような工具は、ダイヤモンドの硬度のために、従来の材料で作られた工具よりも耐久性が高いかも知れない。ダイヤモンドは、様々な方法で生産されることができ、方法は、ダイヤモンドナノ粒子の形の粉末としての生産、及びセラミック前駆体ポリマーの熱分解(pyrolysis)からの生産、を含む。
本開示の教示は、セラミック前駆体ポリマー及びナノ粒子粉末と共に三次元(3−D)印刷技術を使用することは、様々なセラミックで作られかつ様々な有用な形状の物体を作り出すことを可能にし得ることを認める。具体的には、ダイヤモンド形成セラミック前駆体ポリマー及びダイヤモンドナノ粒子粉末と共に3−D印刷技術を使用することは、様々な形状のダイヤモンド物体を作り出すことを可能にし得る。例えば、ダイヤモンド形成セラミック前駆体ポリマー及びダイヤモンドナノ粒子粉末と共に3−D印刷技術を使用することによって、ほとんど如何なる形状を有するダイヤモンドドリルビットでも印刷され得る。他の実施例として、ダイヤモンド形成セラミック前駆体ポリマー及びダイヤモンドナノ粒子粉末を使った3−D印刷は、ブレーキパッドインサード、航空電子機器の箱(avionics boxes)、軽量な装甲、ダイヤモンド透析フィルタ、真空マイクロ電子機器(micro-electronics)又は如何なる他の適切な物体の印刷に使用され得る。さらに、異なるセラミック前駆体ポリマー及びナノ粒子粉末を、ダイヤモンド形成セラミック前駆体ポリマー及びダイヤモンドナノ粒子粉末とは別々に、又はダイヤモンド形成セラミック前駆体ポリマー及びダイヤモンドナノ粒子粉末に加えて使用することによって、印刷される物体の性質は、様々な設計目標を満たすように変更されることができる。さらに、本開示の教示は、3−D印刷プロセスの間に物体を支持するために焼結しないナノ粒子粉末が使用され得ることを認める。以下は、ナノ粒子フィルタと共にセラミック前駆体ポリマーを使用する3−D印刷の方法及びシステムを記述する。
本開示の教示は、セラミック前駆体ポリマーを使った3−D印刷技術の使用は、ダイヤモンドプリント配線板(PWB)を作り出すことを可能にし得ることを更に認める。ダイヤモンドPWBは、PWBsにおいて一般的に使用される金属と比較した場合のダイヤモンドの高い熱伝導性及び低い密度のために、多数の技術的な利点を有し得る。加えて、ダイヤモンドの広い可視光透過性及び赤外透過性は、PWB内の可視光線及び赤外線データ経路(すなわち、導波路(waveguide))を可能にするために使用され得る。
図1は、3−Dプリンタ100の一つの例示的な実施形態を示す。3−Dプリンタ100は、プリントヘッド110及びローラ120を有する。ローラ120は、コンテナ160内にセラミック粉末125の層を堆積させる(deposits)。プリントヘッド110は、セラミック粉末125の層の上に、溶媒中に溶解させられたセラミック前駆体ポリマー115を堆積させる。いくつかの実施形態において、3−Dプリンタ100は、3−Dプリンタ100に命令を与えることによって物体の印刷を制御するコンピュータシステム150を有してもよい。コンピュータシステム150は、3−Dプリンタ100の外部であるか又は3−Dプリンタ100に搭載される(incorporated)かのいずれでもよい。コンピュータシステムのある複数の実施形態は、図7に関連して以下でより詳細に説明される。
概して、3−Dプリンタ100のある実施形態は、ローラ120及びプリントヘッド110を使用して3−Dダイヤモンド物体を印刷する。例えば、3−Dプリンタ100は、プリントヘッド110を使い、ローラ120によってコンテナ160内に堆積させられたセラミック粉末125の層の上にセラミック前駆体ポリマー115の連続する層を堆積させることによって、図2に示される3−D物体200を印刷することができる。つまり、ローラ120は、最初にセラミック粉末125の第一の層をコンテナ160内に堆積させてもよい。次いでプリントヘッド110は、セラミック前駆体ポリマー115の第一の層を、セラミック粉末125の第一の層の上に、望ましい3−D物体の第一の断面又は“スライス”の形状に堆積させてもよい。ある程度の時間の後に、次いでローラ120は、セラミック粉末125の第二の層を、セラミック粉末125の第一の層及びセラミック前駆体ポリマー115の第一の層の上面の上に堆積させてもよい。いくつかの実施形態において、前記のある程度の時間は、溶剤が蒸発することを可能にするために十分であり得る。次いでプリントヘッド110は、セラミック前駆体ポリマー115の第二の層を、セラミック粉末125の第二の層の上に、第一の断面に隣接しかつ第一の断面の上側の、前記の物体の断面の形状に堆積させてもよい。それに続くセラミック粉末125の複数の層及びセラミック前駆体ポリマー115の複数の層が、セラミック前駆体ポリマー115の複数の層が望ましい3−D物体の形状を形成するまで、交互に堆積させられてもよい。
ひとたびセラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125の全ての層がコンテナ160内に堆積させられ、セラミック粉末125内に望ましい3−D物体の形状を形成すると、コンテナ160は、次いでベーキング(baking)のために加熱炉(furnace)の中に置かれてもよい。いくつかの実施形態において、ベーキングは、不活性雰囲気内で行われてもよい。ベーキングの前に過剰な粉末が取り除かれ得る他の方法と異なり、過剰なセラミック粉末125(すなわち、セラミック前駆体ポリマー115と共に噴霧されなかったセラミック粉末125)は、ベーキングの前に取り除かれず、代わりにベーキングプロセス中にコンテナ160内に残る。これは、ベーキング中に3−D物体のために支持を提供することによって、従来のプロセスに対する追加的な利点を提供することができる。ひとたびベーキングが完了すると、冷却の後、望ましい3−Dダイヤモンド物体を現すために、過剰なセラミック粉末125は取り除かれる。過剰なセラミック粉末125は、その後リサイクル及び再使用されてもよく、又は処分されてもよい。
プリントヘッド110は、如何なる市販のプリントヘッドであってもよく、例えば如何なるインクジェットのプリントヘッド又は如何なるエアロゾルジェットのプリントヘッドであってもよい。使用されるプリントヘッド110の種類に応じて、物体に関して異なる寸法の特徴が印刷され得る。例えば、エアロゾルジェットのプリントヘッド110は、10ミクロンもの小ささの特徴が印刷されることを可能にし得る。プリントヘッド110は、堆積させられるセラミック前駆体ポリマー115の体積を正確に制御することができてもよい。その制御は、セラミック前駆体ポリマー115が最も新しいセラミック粉末125の層に“浸み込み”、先に堆積させられたセラミック粉末125の層に達することがないことを確かにする。プリントヘッド110の特定の実施形態が記述されたが、セラミック前駆体ポリマー115をセラミック粉末125上に堆積させる如何なる適切なシステム又は方法であっても、利用され得る。例えば、3−Dプリンタ100のある実施形態は、如何なる形のプリントヘッド110も伴わない、セラミック前駆体ポリマー115をセラミック粉末125上に堆積させるための技術を利用してもよい。
ローラ120は、セラミック粉末125の層を堆積させるように機能する如何なる装置であってもよい。例えば、ローラ120は、セラミック粉末125のホッパーによる供給を受けるローラであってもよい。代替的な実施形態において、ローラ120は、セラミック粉末125の層を均一に堆積させることが可能なノズルであってもよい。セラミック粉末125を堆積させる特定のシステムが記述されたが、セラミック粉末125の層を堆積させる如何なる適切なシステム又は方法であっても、利用され得る。例えば、3−Dプリンタ100のある実施形態は、如何なる形のローラ120も伴わない、セラミック粉末125の層を堆積させるための技術を利用してもよい。
いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマー115は、ポリ(ヒドリドカルビン)(“PHC”)、ポリ(メチルシリン)(“PMS”)又は如何なるsp3−ハイブリッド化ポリマーであってもよい。セラミック前駆体ポリマー115は、セラミック前駆体ポリマー115の分解(decomposition)温度又は熱分解(pyrolysis)温度として知られるある程度の温度以上で、それ自体と反応(例えば、熱分解(pyrolyze)、加熱分解(thermolyze)又は分解(decompose))して、セラミックを形成することができる。いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマー115は、例えばアセトン、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル、非プロトン性溶媒又はこれらの溶媒の二つ以上の混合物等のような溶媒中に溶解させられてもよい。
いくつかの実施形態において、溶媒中に溶解させられたセラミック前駆体ポリマー115の層を堆積させた後に、3−Dプリンタ100は、セラミック粉末125の他の層を堆積させる前に溶媒が蒸発する時間を与えるために、所定の時間の間、休止してもよい。ある実施形態においてセラミック前駆体ポリマー115の層は比較的薄くてもよいため、数秒間又はそれ以下の休止が、溶媒が蒸発する時間を与えるために十分であり得る。セラミック前駆体ポリマー115の各層が堆積させられた後に溶媒が蒸発する時間を与えることは、それに続くセラミック粉末125及びセラミック前駆体ポリマー115の層が堆積させられる際に、溶媒がセラミック粉末125内に取り込まれることを防止し得る。これは、3−D印刷された物体内に黒鉛の不純物が生じることを防止し得る。
セラミック粉末125は、如何なる適切なナノ粒子充填剤であってもよい。いくつかの実施形態において、セラミック粉末125は、以下のうちの任意の一つ又は混合物であってもよい:デトネーション・ナノダイヤモンド(“DND”)粉末、シリコンカーバイド粉末、グラフェン・ナノプレートレット(nano-platelet)粉末、グラフェン酸化物(oxide)・ナノプレートレット粉末、カーボンナノチューブ粉末、様々なフラーレン(例えばバックミンスターフラーレン)、窒化ホウ素・ナノプレートレット粉末、カーバイド形成金属粉末、又はセラミック前駆体ポリマー115の分解温度で焼結することがない如何なる他の粉末。カーバイド形成金属の例は、チタニウム、ハフニウム及びタングステンを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、セラミック粉末125の平均粒径は、セラミック前駆体ポリマー115のコロイド粒径より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、セラミック粉末125の平均粒径は、30ナノメートルよりも小さくてもよい。可能性のあるセラミック粉末125の一つの例であるDNDは、不活性雰囲気内の、密閉チャンバ内での爆発物のデトネーション(detonation)によって形成されることができる。結果として生じるナノダイヤモンドは、2ナノメートルから20ナノメートルの間の直径を有し得る。処理を通じて、4から5ナノメートルの直径を有するナノダイヤモンドの粉末が作り出されることができる。デトネーション・ナノダイヤモンドは、大部分の自然に生じているダイヤモンドの構造と同様に、立方結晶構造を有する。
いくつかの実施形態において、3−Dプリンタ100は、コンピュータシステム150によって制御されてもよい。コンピュータシステム150は、如何なる適当な物理的な形の如何なる適当なコンピュータシステムであってもよい。概して、コンピュータシステム150は、3−D物体のデジタル表現を記憶し、3−Dプリンタ100に3−D物体を印刷するための情報を提供することができる。例えば、コンピュータシステム150は、ある物体の3−Dのコンピュータ支援設計(CAD)モデルを記憶し、その物体を印刷するときに、そのモデルを3−Dプリンタ100に提供することができる。
コンピュータシステム150は、3−Dプリンタ100内に統合されてもよく、3−Dプリンタ100に接続されてもよく、又は3−Dプリンタ100内に統合され、3−Dプリンタ100から離れた両方の複合コンピュータシステムであってもよい。一つの実施例としてかつ限定の目的としてではなく、コンピュータシステム150は、仮想機械(VM)、埋め込み型コンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)又はシステムオンモジュール(SOM))、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ若しくはノートブックコンピュータシステム、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、サーバ、アプリケーションサーバ、又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせであってもよい。適切な場合には、コンピュータシステム150は、単一の又は分散型の、複数の位置に広がり、複数の機械を結ぶ、又はクラウドに存在する、一つ以上のコンピュータシステム150を含んでもよい。クラウドは、一つ以上のネットワークに一つ以上のクラウドコンポーネントを含んでもよい。適切な場合には、一つ以上のコンピュータシステム150は、実質的な空間的又は時間的制限なく、本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。一つの実施例としてかつ限定の目的としてではなく、一つ以上のコンピュータシステム150は、リアルタイムで又は一括方式(バッチモード)で本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。適切な場合には、一つ以上のコンピュータシステム150は、異なる時間又は異なる位置で本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。コンピュータシステム150の一つの具体的な実施形態は、図7を参照して以下により詳細に記述される。
図2は、過剰なセラミック粉末125内で3−Dプリンタ100によって印刷された、3−D印刷された物体200の一つの例を示す。セラミック粉末125及びセラミック前駆体ポリマー115の全ての層が堆積させられた場合に、上にセラミック前駆体ポリマー115が堆積させられたセラミック粉末125の塊(volume)は、セラミック粉末125の中の物体200の形状となる。セラミック前駆体ポリマー115は、結合剤(binder)として働き、プリントヘッド110がセラミック前駆体ポリマー115を堆積させた領域のセラミック粉末125を結び付けてまとめてもよい。残っている過剰なセラミック粉末125は、物体のための支持物として機能してもよい。例えば、過剰なセラミック粉末125は、物体200の薄い部位が壊れないようにしてもよい。
図3は、図2に示される3−D印刷された物体200の鉛直断面の一つの例を示す。鉛直断面300は、続くセラミック粉末125の層の上に堆積させられたときに、どのようにセラミック前駆体ポリマー115のパターンが物体200の形状を形成するかを示す。図3はまた、図4A及び図4Bに示される複数の水平断面310及び320を含む。水平断面310は、図2に示される物体200の底の近傍に堆積させられ得るセラミック前駆体ポリマー115の水平断面に対応する。水平断面320は、図2に示される物体200の上端の近傍に堆積させられ得るセラミック前駆体ポリマー115の水平断面に対応する。
図5Aは、いくつかの実施形態においてセラミック前駆体ポリマー115用に使用され得る、ポリ(ヒドリドカルビン)の化学構造を示す。ポリ(ヒドリドカルビン)は、不活性雰囲気内で分解温度、例えば約摂氏100度と摂氏800度の間に加熱された場合に、熱分解してダイヤモンド状炭素又は多結晶ダイヤモンドを形成することができる。所定の時間(例えば、12から24時間)の間、分解温度以上で維持された加熱によって、ダイヤモンド状炭素がアニール処理され(annealed)、多結晶ダイヤモンドを形成し得る。ポリ(ヒドリドカルビン)の熱分解によって形成されたダイヤモンドは、六方晶構造(hexagonal crystal structure)を有し得る。六方晶構造を有するダイヤモンドは、ロンスダレイトとしても知られている。その熱分解温度で、ポリ(ヒドリドカルビン)は、セラミック粉末125の表面と反応し、それに結合し得る。例えば、セラミック粉末125がDNDからなる場合は、ポリ(ヒドリドカルビン)は、反応してDNDに結合した多結晶ダイヤモンドを形成し得る。結果として、加熱後に、3−D印刷された物体は、多結晶ダイヤモンドで構成されるであろう。より具体的には、物体は、多結晶六方晶ダイヤモンド内に結合した立方結晶構造DNDで構成されてもよい。DND及びポリ(ヒドリドカルビン)を使用した3−D印刷によって、全体が固体ダイヤモンドからなる物体は、ほとんど如何なる形状でも印刷され得る。例えば、例えば、石油産業で使用される複雑な形状を備えたドリルヘッドのような、地面をボーリングするために使用されるドリルヘッドは、DND及びポリ(ヒドリドカルビン)を使用して印刷され、多結晶ダイヤモンドドリルヘッドを形成することができる。
セラミック粉末125としてカーバイド形成金属粉末が使用される場合は、ポリ(ヒドリドカルビン)は、金属粒子の表面と反応し、金属カーバイド結合を形成し得る。例えば、セラミック粉末125としてタングステン粉末が使用される場合は、加熱後の3−D印刷された物体は、多結晶ダイヤモンドマトリックス中に懸濁されたタングステン粒子を含むことができ、多結晶ダイヤモンドは、タングステンカーバイド結合によってタングステン粒子の表面に結合される。具体的な実施形態において、金属粒子は、ポリ(ヒドリドカルビン)と完全に反応して、均質な(homogenous)金属カーバイドを形成し得る。
図5Bは、いくつかの実施形態においてセラミック前駆体ポリマー115用に使用され得る、ポリ(メチルシリン)(poly(methylsilyne))の化学構造を示す。ポリ(メチルシリン)は、分解温度、例えば約摂氏100度と摂氏800度の間に加熱された場合に、熱分解してシリコンカーバイドを形成することができる。その熱分解温度で、ポリ(メチルシリン)は、セラミック粉末125の表面と反応し、それに結合し得る。例えば、セラミック粉末125がDNDからなる場合は、ポリ(メチルシリン)は、反応してDNDに結合したシリコンカーバイドを形成し得る。結果として、加熱後に、3−D印刷された物体は、シリコンカーバイドマトリックス内の立方結晶構造デトネーション・ナノダイヤモンドで構成されることができ、シリコンカーバイドは、デトネーション・ナノダイヤモンドの表面に結合される。セラミック粉末がシリコンカーバイド粉末を含む場合は、ポリ(メチルシリン)は、反応してシリコンカーバイド粉末に結合したシリコンカーバイドを形成し、多結晶シリコンカーバイドの3−D物体を形成することができる。
例示的な実施形態の動作において、3−Dプリンタ100は、セラミック粉末125及びセラミック前駆体ポリマー115の層を交互に堆積させることによって、物体200を印刷することができる。3−Dプリンタ100は、セラミック前駆体ポリマー115を、印刷されている物体の断面の形状、例えば図4A及び図4Bに示される形状に、堆積させてもよい。いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125を使用した物体200の3−D印刷は、不活性雰囲気内で行われてもよい。不活性気体の例は、アルゴン、窒素、ネオン、キセノン等を含むが、これらに限定されない。不活性雰囲気内でセラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125の層を堆積させることは、物体200内、及びプリントヘッド110がセラミック前駆体ポリマー115を堆積させていない過剰なセラミック粉末125内に酸素が取り込まれることを防止し、また、セラミック前駆体ポリマー115の酸化を防止することができる。
3−Dプリンタ100がセラミック粉末125及びセラミック前駆体ポリマー115の全ての層を堆積させた後に、物体200及び過剰なセラミック粉末125は、セラミック前駆体ポリマー115の分解温度以上かつセラミック粉末125の焼結温度よりも低い温度で焼かれて(baked)もよい。いくつかの実施形態において、この温度範囲は、約摂氏100度と摂氏800度との間であり得る。ある実施形態において、3−Dプリンタ100は、セラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125の印刷された層を焼くためのヒータ又はオーブンを搭載してもよい。一つの代替的な実施形態において、セラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125の印刷された層は、印刷の後にベーキングのためにオーブンへ移動させられてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125の層はコンテナ160内で堆積させられてもよく、コンテナ160は印刷の後にベーキングのためにオーブンへ移動させられてもよい。一つの代替的な実施形態において、光学的な光熱分解(photo-pyrolysis)もまた、セラミック前駆体ポリマー115の各々の全ての印刷された層を“曝露する(expose)”又は熱分解するために使用され得る。上記の実施形態においては、各々の光熱分解曝露の間に、最終製品が層ごとにダイヤモンド状炭素及び/又はダイヤモンドに変換されるため、最終製品を焼く(ベークする)必要はないかも知れない。
いくつかの実施形態において、ベーキングは、セラミック粉末125が粉末のまま残ることができかつセラミック前駆体ポリマー115が分解する如何なる温度でも行われる。例えば、ベーキングは、約摂氏100度と約摂氏800度との間である、分解温度で行われてもよい。例えば、ベーキングは、少なくとも摂氏100度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%であるが、摂氏800度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%よりも低い温度で、行われてもよい。特定のベーキング温度が開示されたが、セラミック粉末125が粉末のまま残り(すなわち、セラミック粉末125がそれ自体に焼結しない任意の温度)、一方でセラミック前駆体ポリマー115が分解する、如何なる適切な温度であっても利用され得ることが留意されるべきである。
いくつかの実施形態において、ベーキングは、窒素、アルゴン、キセノン、ネオン等の不活性雰囲気内で行われてもよい。不活性雰囲気内でのベーキングは、印刷されたセラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125が空気中の酸素と反応することを防止し得る。いくつかの実施形態において、3−Dプリンタ100が酸素の存在下で物体を印刷した場合は、ベーキングの前に、酸素は、印刷されたセラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125から追加的又は代替的に除去されてもよい。取り込まれた酸素をベーキングの前に取り除くために、印刷されたセラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125は、酸素が外に拡散させるために、真空又は不活性雰囲気中に置かれてもよい。取り込まれた酸素の除去は、長い期間(例えば、最大24時間)を要し得る。印刷されたセラミック前駆体ポリマー115及びセラミック粉末125から酸素を除去するために必要な時間を所与として、不活性雰囲気内での3−D印刷は、3−D印刷プロセスを迅速に処理するために、望ましいかも知れない。
上述したように、分解温度は、約摂氏100度と約摂氏800度との間であり得る。セラミック前駆体ポリマー115は、この温度で、それ自体と及びセラミック粉末125の粒子の表面と反応し得る。この温度範囲においてセラミック粉末125の粒子が焼結することはなく、それらがセラミック粉末125の他の粒子と反応又は結合しないことを意味する。したがって、セラミック粉末125は、セラミック前駆体ポリマー115が分解する温度で粉末のまま残ることができる。セラミック前駆体ポリマー115に接触していない過剰なセラミック粉末125は、加熱の間、印刷された物体のための支持物として機能し得る。
セラミック前駆体ポリマー115を含むセラミック粉末125を加熱した後に、過剰なセラミック粉末は、物体から取り除かれてもよい。過剰なセラミック粉末は、リサイクルされ、他の3−D物体を印刷するために使用されてもよい。3−Dプリンタ100は、ブラシ、真空、圧縮空気又は任意の他の適切な道具を使用して、3−Dダイヤモンド物体から過剰なセラミック粉末125を取り除いてもよい。過剰なセラミック粉末125はまた、加熱後に手で取り除かれてもよい。
いくつかの実施形態において、3−Dプリンタ100は、セラミック粉末125の層とセラミック前駆体ポリマー115の層を連続的に印刷することが可能であってもよい。上記の実施形態において、3−Dプリンタ100は、複数の層を連続的に印刷するために、複数のローラ120及び複数のプリントヘッド110を有してもよい。複数のローラ120及び複数のプリントヘッド110は、動くライン上に順々に配列されてもよく、その動くラインは、印刷された層をヒータ又はオーブンの中へ直接に供給する。上記の実施形態において、印刷された物体は、例えば、オーブンからの出口で巻き取られる印刷された生地のような、薄い連続的な物体であってもよい。
いくつかの実施形態において、3−Dプリンタ100は、複数のセラミック粉末125及びセラミック前駆体ポリマー115を使用して物体200を印刷してもよい。異なる複数のセラミック粉末125の使用は、異なる複数の性質を有する物体を提供することができる。セラミック粉末125の選択に依存し得る性質は、印刷された物体の靭性、硬度、耐力、密度、摩擦、電気伝導率、熱伝導率、熱膨張係数、光学的透明性、屈折率又は物理的な性質を含む。例えば、カーボンナノチューブ粉末を使用した物体の印刷は、DNDを使用して印刷された物体よりも靱性が高い物体を結果として生じる。一方で、DNDを使用して印刷された物体は、カーボンナノチューブ粉末を使用して印刷された物体よりも硬度が高いかもしれない。
いくつかの実施形態において、ある特定のセラミック粉末125もまた、物体200の望ましい性質を調整するために、混合されてもよい。例えば、カーボンナノチューブとDNDの混合物は、所望のレベルの靱性及び硬度を有する物体200を作り出すために、セラミック粉末125として使用されてもよい。加えて、ローラ120は、異なるセラミック粉末125の層を堆積させてもよい。例えば、ローラ120は、DNDの第一の層を堆積させてもよく、バックミンスターフラーレンの層が続いてもよい。異なるセラミック粉末125の層を堆積させることは、所望の性質を備えた物体の印刷を可能にする。例えば、高硬度であることと高靱性であることとを繰り返す複数の層を備えた物体の印刷は、装甲として望ましい性質を備えた物体の創出を可能にするかも知れない。一つの例として、ダイヤモンドと金属カーバイドとの繰り返しの複数の層を有する装甲が印刷され得る。
いくつかの実施形態において、プリントヘッド110は、物体200を印刷するために、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の両方を堆積させてもよい。例えば、ポリ(ヒドリドカルビン)がある物体のいくつかの層を印刷するために使用されてもよく、ポリ(メチルシリン)がその物体の他の層を印刷するために使用されてもよい。同様に、ポリ(ヒドリドカルビン)がある物体のある部位を印刷するために使用されてもよく、ポリ(メチルシリン)がその物体の他の部位を印刷するために使用されてもよい。例えば、ポリ(ヒドリドカルビン)は、図2に示される物体200の取手部分を印刷するために使用されてもよく、ポリ(メチルシリン)は、物体200のコップ部分を印刷するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、ポリ(ヒドリドカルビン)は、セラミック粉末125の第一の種類の層の上に印刷されてもよく、ポリ(メチルシリン)は、セラミック粉末125の第二の種類の層の上に印刷されてもよい。複数の種類のセラミック粉末125並びにポリ(メチルシリン)及びポリ(ヒドリドカルビン)の両方を使用して物体200を印刷することは、別の方法では製造することが難しい物体の創出を可能にし得る。例えば、構造的な要素と統合された(integral)電子的要素の両方を有する物体が印刷されることができる。例えば、高温でのダイヤモンドの酸化を防止するためのシリコンカーバイド外面被覆を備えたミサイル用レドームが、ダイヤモンドから印刷されることができる。上記のレドームは、図7に示されるような、プリント配線板(PWB)の要素を搭載してもよい。例えば、レドームは相互接続部(interconnects)を有してもよい。相互接続部は、例えば、統合無線周波数アンテナとして働く内部グラフェン被覆(internal graphene-coated)管及び内部レドーム表面の上に直接的に配置されたデータ処理チップを備えた他の内部グラフェン管である。上記の物体は、レドームの構造を形成するためにDND及びポリ(ヒドリドカルビン)の層を使用し、レドームの外表面を形成するためにシリコンカーバイド粉末及びポリ(メチルシリン)を使用することによって、印刷されることができる。
図6は、物体200のような3−D物体をセラミック粉末内で印刷するための、セラミック前駆体ポリマーを使用した方法600を示す。方法600は、3−Dプリンタ100によって実行され得る。方法600はステップ605で開始し、ステップ605では、セラミック粉末の層が堆積させられる。いくつかの実施形態において、セラミック粉末の層は、ローラ120のような装置によって、又はその他の適当な方法によって堆積させられる。いくつかの実施形態において、ステップ605において堆積させられるセラミック粉末は、先に説明されたセラミック粉末125であってもよい。いくつかの実施形態において、セラミック粉末は、上記のコンテナ160のようなコンテナ内に堆積させられてもよい。ステップ610において、セラミック前駆体ポリマーの層が、ステップ605において堆積させられたセラミック粉末の層の上に、所望の物体の断面の形状に、堆積させられる。いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマーは、ステップ610において、プリントヘッド110又はその他の適切な装置によって堆積させられる。いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマーは、上記のセラミック前駆体ポリマー115である。ステップ610においてセラミック前駆体ポリマーを堆積させた後に、方法600のいくつかの実施形態は、セラミック前駆体ポリマー内の溶媒を蒸発させるために、休止してもよい。
ステップ620において、物体を形成するために必要なセラミック前駆体ポリマーの全ての層が堆積させられていなければ、3−Dプリンタ100は、印刷されるべき次の断面を選択し、ステップ605に戻る。ステップ605において、セラミック粉末の新たな層が堆積させられる。ステップ610において、セラミック前駆体ポリマー115は、物体の次の断面の形状に堆積させられる。全ての断面が印刷された場合に、方法600はステップ640に進む。
ステップ640において、印刷されたセラミック粉末及びセラミック前駆体ポリマーは、セラミック前駆体ポリマーの分解温度又はそれ以上で加熱される。この温度において、セラミック前駆体ポリマーは、反応してセラミックを形成することができ、セラミック粉末に結合することができる。いくつかの実施形態において、ステップ640は、上述されたように不活性雰囲気内で行われる。具体的な実施形態において、光学的な光熱分解もまた、セラミック前駆体ポリマーの各々の全ての印刷された層を“曝露する”又は熱分解するために使用され得る。上記の実施形態においては、各々の光熱分解曝露の間に、最終製品が層ごとにダイヤモンド状炭素及び/又はダイヤモンドに変換されるため、最終製品を焼く(ベークする)必要はないかも知れない。
ステップ640における加熱の後に、方法600のいくつかの実施形態は、ステップ650に進む。ステップ650において、セラミック前駆体ポリマーに接触していない過剰なセラミック粉末が取り除かれる。いくつかの実施形態において、過剰な粉末は、機械的に(例えば、3−Dプリンタ100によって)取り除かれてもよく、又は手で取り除かれてもよい。いくつかの実施形態において、過剰なセラミック粉末は、リサイクルされるか又は処分される。
印刷、加熱及び過剰なセラミック粉末の除去の後に、物体は、使用のために物体を準備するための追加的な処理ステップを受けてもよい。印刷後の処理の例は、物体を塗装すること、物体を磨くこと、表面を化学的に不活性にするため又は表面を化学的に活性にするために物体の表面を処理すること、及び複数の印刷された物体からの他の物体又は装置の組立て、を含んでもよい。
図7は、ある実施形態による回路基板700の一つの例示的な実施形態を示し、その回路基板はプリント配線板(PWB)とも呼ばれ、3−Dプリンタ100を使用して印刷され得る。回路基板700は、付着パッド(attachment pad)720、複数の相互接続部721(“管(tubes)”)、複数の相互接続部終端722、複数の管開口部731、複数のフィン740及びキャパシタ751を含む。付着パッド720は、一つ以上の相互接続部終端722のパターンを含んでもよく、電子デバイス、例えばキャパシタ、抵抗、コンピュータチップ、プロセッサ、メモリチップ、又は回路基板700に結合する他の適切なデバイスのための付着点としての機能を果たしてもよい。
相互接続部721は、相互接続部終端722に取り付けられた複数の電子デバイスの間で信号を伝えることができる。具体的な実施形態において、相互接続部721は、電気信号又は電力を伝えることができる。他の実施形態において、相互接続部721は、図11A−図11Cを参照して以下により詳細に説明されるように、光源によって(by light)送られた信号を伝える可視光線導波路又は赤外線導波路であってもよい。相互接続部終端722は、回路基板700にマウントされ得るコンピュータチップの接点のための付着点を与えてもよい。管開口部731は、相互接続部721内の圧力を周囲の環境と等しくさせるように、大気に対して開いていてもよい。いくつかの実施形態において、いくつかの相互接続部721は管開口部731を有してもよく、いくつかの相互接続部721は管開口部731を有しなくてもよい。フィン740は、回路基板700から熱を奪うように熱を伝導し、回路基板700又は回路基板700に取り付けられた部品によって生成された熱を周囲の環境へ運ぶように機能する。キャパシタ751は、回路基板700の生産中に回路基板700内に形成されたキャパシタであってもよい。キャパシタ751は、7,000V/ミクロンのダイヤモンドの高い誘電率を利用することができる。
概して、回路基板700は、コンピュータチップのような電子デバイスが取り付けられるコンピュータ回路基板である。回路基板700は、多結晶ダイヤモンドで実質的に構成されてもよい。いくつかの実施形態において、多結晶ダイヤモンドは、六方晶多結晶ダイヤモンドであってもよい。回路基板700は、図6に関して上述した方法に従い、3−Dプリンタ100によって印刷されてもよい。ある実施形態において、3−Dプリンタ100は、ナノ粒子充填剤の使用をせずに、セラミック前駆体ポリマー115の複数の層を堆積させることによって、回路基板700を印刷してもよい。
図8は、ある実施形態による、回路基板700の一つの例示的な断面800を示す。断面800は、回路基板700の印刷において3−Dプリンタ100によって印刷される層の代表であり得る。
具体的な実施形態において、相互接続部721は、電気を通すことが可能であってもよい。電気を通す相互接続部721は、例えば図9に示される形状のような、如何なる形状の管であってもよい。これらの管は、実質的に中空であってもよく、また、内部支持構造(internal support structures)を含む様々な内側の形状を有してもよい。電気を通す相互接続部721の内側の表面(inner surface)は、グラフェンの層で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、電気を通す相互接続部721の内側の表面は、グラフェンの層が二つの多結晶ダイヤモンド層の間で“挟まれる(sandwiched)”ように、グラフェンの層を覆う多結晶ダイヤモンドの層で構成されてもよい。グラフェン層は、相互接続部721を通して電気を通すことができる。ある実施形態において、グラフェンは、それが二つの多結晶ダイヤモンド層の間で“挟まれる”場合に、より効率的に電気を通すことができる。多結晶ダイヤモンド層は、フォノン(phonons)をグラフェン層内に拘束するように機能してもよい。
具体的な実施形態において、相互接続部721は、一つ以上の管開口部731を有してもよい。管開口部731は、大気又は回路基板700が使用されるその他の環境(例えば、宇宙空間内又は水中)に対して開いていてもよい。管開口部731は、相互接続部721内の圧力を外側の環境と等しくさせることができる。圧力の同等化は、圧力が変化し得る環境下で回路基板が使用されたとしても、回路基板700への損傷を防ぎ得る。例えば、回路基板700が航空機に搭載されて使用されたとしても、管開口部731は、相互接続部721の内側の圧力をその航空機の硬度の圧力に等しくさせることができる。具体的な実施形態において、相互接続部721は、如何なる電気的なデバイスにも接続しなくてもよく、代わりに冷却液が循環させられ得る冷却通路としての機能を果たしてもよい。これらの実施形態において、管開口部731は、冷却液が回路基板700を出入りし得る点を提供してもよい。
相互接続部721は、終端722において回路基板700の表面に終端を有してもよい。終端722は、付着パッド720内に配列されてもよい。付着パッド720は、電子デバイスのための回路基板700への付着点としての機能を果たしてもよい。具体的な実施形態において、例えば、付着パッド720は、ボール・グリッド・アレイの形状であってもよい。その付着パッドの形状は、標準的なボール・グリッド・アレイ接点を使用した電子デバイスの取り付けを可能にする。他の実施形態において、付着パッド720は、グラフェン接続点(例えば、電気伝導性のとげ状部(setae))を有する電子デバイスからの接続を受けることが可能な相互接続部終端722で作られてもよい。グラフェン接続点(graphene connection points)は、相互接続部終端722と直接的に相互作用(interface)することが可能である。
いくつかの実施形態において、付着パッド720は、付着パッド720に取り付けられる電子デバイスが回路基板700の表面に対して同一平面にマウントされることができるように、回路基板700の表面内に埋め込まれ(countersunk)てもよい。埋め込まれた付着パッド720は、複数の回路基板700が互いに隣接して積み重ねられることを可能にし得る。隣接して積み重ねられた回路基板700は相互接続部721によって接続されてもよく、相互接続部721は、回路基板700を鉛直方向に通過するように設けられてもよい。
いくつかの実施形態において、相互接続部721は、一つ以上のキャパシタ751を含んでもよい。そのキャパシタ751は、二つの隣接する相互接続部721によって形成されてもよい。その二つの隣接する相互接続部721は、回路基板700内に終端を有し、多結晶ダイヤモンドの層によって隔てられる。その多結晶ダイヤモンドの層は、管721の内側の表面を形成するグラフェンの層の間の誘電層として働いてもよい。相互接続部721は、様々な形状で回路基板700内に終端を有し、それにより、複数の相互接続部721の間の多結晶ダイヤモンドの領域に影響を有してもよい。複数のグラフェンの層の間において誘電性(dielectric)の多結晶ダイヤモンドの領域は、キャパシタ751の電気容量(capacitance)を少なくとも部分的に決定し得る。
ある実施形態において、フィン740は、回路基板700の表面上に形成されてもよい。具体的な実施形態において、フィン740は、回路基板700の多結晶ダイヤモンド構造の一部であってもよい。フィン740は、回路基板700から熱を奪うように、回路基板700によって又は回路基板700上に取り付けられた電子デバイスによって生成された熱を伝導することができる。フィン740は、回路基板700からの所望の熱伝達を達成するために適切であるように、様々な形状で、回路基板700の如何なる面の上に配列されてもよい。
図9は、ある実施形態による、相互接続部721の複数の例示的な形状(geometry)を示す。相互接続部721の可能性のある形状は、円形の形状910(例えば、円又は楕円)、多角形の形状920(例えば、三角形、四角形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形等のような任意のn個の面を有する(n-sided)多角形)、星形の形状930、フラクタル形状(図示なし)、又は内部支持構造945を有する形状940を含み得る。支持構造945は、相互接続部721の如何なる形状においても利用されることができ、相互接続部721を支持するように働き得る多結晶ダイヤモンドを含んでもよい。支持構造945はまた、相互接続部721の内側の表面積を増大させ得る。支持構造945は、3−Dプリンタ100による回路基板700の印刷の間にポリ(ヒドリドカルビン)から印刷されることでき、印刷プロセスの間、相互接続部721を支持することができる。相互接続部721の表面は、グラフェンの層912で構成されてもよい。ある実施形態において、グラフェンの層912は、支持構造945の表面上にも存在してもよい。図9は相互接続部721及び支持構造945の例示的な形状を示すが、如何なる適切な形状であっても使用され得る。
図10は、ある実施形態による、回路基板700を印刷するための例示的な方法1000を示す。方法1000はステップ1010で開始し、ステップ1010では、セラミック前駆体ポリマーの層が回路基板700の形状を有して堆積させられる。いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマーは、図6に示される方法によって堆積させられてもよい。しかしながら、具体的な実施形態において、セラミック前駆体ポリマーは、セラミック粉末の使用をせずに堆積させられてもよい。電気伝導性の相互接続部として又は冷媒管として機能し得る管を形成するために、堆積させられるセラミック前駆体ポリマーの各層は、その層における管の形状に対応して、セラミック前駆体ポリマーが堆積させられない領域を有してもよい。多結晶ダイヤモンドで構成される回路基板を印刷するために、ポリ(ヒドリドカルビン)がセラミック前駆体ポリマーとして使用されてもよい。
ステップ1020において、回路基板700の形状に印刷されたセラミック前駆体ポリマーは、セラミック前駆体ポリマーの分解温度に加熱されてもよい。例えば、加熱は、約摂氏100度と約摂氏800度との間である、分解温度で行われてもよい。例えば、加熱は、少なくとも摂氏100度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%であるが、摂氏800度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%よりも低い温度で、行われてもよい。セラミック粉末の使用をせずに回路基板700が印刷される一つの実施形態において、回路基板700の損傷を防止するために、回路基板700の加熱はゆっくりとした温度勾配を使用して達成されてもよい。例えば、温度は、1時間当たり摂氏0.1度から摂氏1.0度の間で上昇させられてもよい。いくつかの実施形態において、セラミック前駆体ポリマーの加熱は、不活性雰囲気内で行われてもよい。加熱は、セラミック前駆体ポリマーを分解させる。ポリ(ヒドリドカルビン)は、分解して、六方晶多結晶ダイヤモンドを形成し得る。また、ポリ(メチルシリン)は、分解して、シリコンカーバイドを形成し得る。具体的な実施形態において、光学的な光熱分解もまた、セラミック前駆体ポリマーの各々の全ての印刷された層を“曝露する”又は熱分解するために使用され得る。上記の実施形態においては、各々の光熱分解曝露の間に、最終製品が層ごとにダイヤモンド状炭素及び/又はダイヤモンドに変換されるため、最終製品を焼く(ベークする)必要はないかも知れない。
ステップ1030において、回路基板700は、セラミック前駆体ポリマーの分解温度よりも高い第二の温度に加熱されてもよい。例えば、加熱は、約摂氏900度の温度で行われてもよい。例えば、加熱は、少なくとも摂氏900度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%の温度で行われてもよい。この温度において、多結晶ダイヤモンドは加熱分解(thermolyze)することがき、また、ステップ1020において形成された回路基板700の多結晶ダイヤモンド又はシリコンカーバイド部分の表面上に、グラフェンがエピタキシャルに(epitaxially)生じることができる。例えば、グラフェンは、回路基板700内に印刷された如何なる相互接続部721の内側の表面上にも生じ得る。グラフェン層は、相互接続部721が電気を通すことを可能にし得る。
いくつかの実施形態において、グラフェンは、ステップ1030において、形成された回路基板700の外側の表面上に生じ得る。上記の実施形態において、回路基板700の外側の表面上のグラフェンは、ステップ1030の後に磨いて取り去られ(polished away)てもよい。他の実施形態において、ステップ1030における加熱の前に、回路基板700の外側の表面がカーバイド形成金属に覆われてもよい。カーバイド形成金属被覆(coating)は、金属炭化物層を形成することができ、その金属炭化物層は、回路基板700の表面上のグラフェンの形成を阻害する。
ステップ1030において形成されたグラフェン層を多結晶ダイヤモンドで覆うことが望まれる場合は、次いで、ステップ1040において、回路基板700内に印刷された相互接続部721は、例えばポリ(ヒドリドカルビン)のような、適切な物質でフラッシングされ(flushed)でもよい。グラフェン層を多結晶ダイヤモンドで覆うことは、フォノン閉じ込め(confinement)をもたらし、グラフェン層の電気伝導率を向上させ得る。グラフェン層を多結晶ダイヤモンドの層で覆うことが望まれない場合は、そのとき、方法1000は終了してもよい。ステップ1040において回路基板700内の相互接続部721をポリ(ヒドリドカルビン)でフラッシングすることは、相互接続部721の内側の表面をポリ(ヒドリドカルビン)で被覆することに結果し得る。ステップ1050において、ステップ1020で使用された温度とおおよそ等しい温度に回路基板700を加熱することによって、ポリ(ヒドリドカルビン)は、多結晶ダイヤモンドに変換され得る。例えば、加熱は、少なくとも摂氏100度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%であるが、摂氏800度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%よりも低い温度で、行われてもよい。いくつかの実施形態において、ステップ1050における加熱は、不活性雰囲気内で行われてもよい。ステップ1050における加熱は、ポリ(ヒドリドカルビン)を分解させ、それにより、回路基板700内に形成された相互接続部721の内側の表面上のグラフェン層を覆う多結晶ダイヤモンドを形成することができる。
図11A、図11B及び図11Cは、ある実施形態による、光導波路(optical wave guide)1100の例示的な断面を示す。光導波路1100は、一つ以上の相互接続部721を含んでもよく、回路基板700上の複数の終端722の間で光を伝える。光導波路1100は、シリコンカーバイド1160によって囲まれた多結晶ダイヤモンドの中心部(core)1150を有してもよい。多結晶ダイヤモンドの中心部1150は、光導波路1100の長さ方向に沿って光を伝え得る。いくつかの実施形態において、多結晶ダイヤモンドの中心部1150は、およそ2.419の屈折率を有してもよく、シリコンカーバイドは、およそ2.69の屈折率を有してもよい。
図11Aは、光導波路1100が光を伝える方向を横断する、加熱の前及び後の、光導波路1100の一つの例示的な断面を示す。3−Dプリンタ100は、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)を堆積させて、ポリ(メチルシリン)560によって囲まれたポリ(ヒドリドカルビン)550の中心部を備える構造を形成することによって、光導波路1100を印刷することができる。いくつかの実施形態において、3−Dプリンタ100は、ポリ(メチルシリン)560の層を堆積させ、続いてポリ(ヒドリドカルビン)550に隣接しかつポリ(ヒドリドカルビン)550の両側に配置されたポリ(メチルシリン)560の層を堆積させ、そして続いて印刷されたポリ(ヒドリドカルビン)550の長さを密閉するようにポリ(メチルシリン)560の層を堆積させてもよい。光導波路1100を含む回路基板700は、ポリ(ヒドリドカルビン)550を多結晶ダイヤモンド(すなわち、多結晶ダイヤモンドの中心部1150)に変換し、ポリ(メチルシリン)560をシリコンカーバイド(すなわち、シリコンカーバイド1160)に変換するために、ポリ(ヒドリドカルビン)550及びポリ(メチルシリン)560の分解温度に加熱されてもよい。例えば、例えば、加熱は、約摂氏100度と約摂氏800度との間である、分解温度で行われてもよい。例えば、加熱は、少なくとも摂氏100度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%であるが、摂氏800度、プラス若しくはマイナス0%−1%、1%−5%、5%−10%又は10%−20%よりも低い温度で、行われてもよい。いくつかの実施形態において、加熱は、不活性雰囲気内で行われてもよい。
図11Bは、光導波路1100が光を伝える方向を横断する、多結晶ダイヤモンド1150で構成された回路基板700内の、光導波路1100の一つの例示的な断面を示す。光導波路1100は、回路基板700を形成する多結晶ダイヤモンドによって囲まれてもよい。図11Bは、多結晶ダイヤモンド1150の層及びシリコンカーバイド1160の層を示す。これらの層は、ポリ(ヒドリドカルビン)の印刷された層及びポリ(メチルシリン)の印刷された層にそれぞれ対応してもよい。いくつかの実施形態において、ポリ(ヒドリドカルビン)の印刷された層及びポリ(メチルシリン)の印刷された層は、多結晶ダイヤモンド1150及びシリコンカーバイド1160への変換の後に、印刷された複数の層の間に明らかな境界を有しない多結晶ダイヤモンド1150とシリコンカーバイド1160との連続構造を形成して、区別不可能になり得る。いくつかの実施形態において、多結晶ダイヤモンドの中心部1150及びシリコンカーバイドの断面は、例えば、円形の形状(例えば、円又は楕円)、多角形の形状(例えば、三角形、四角形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形等のような任意のn個の面を有する多角形)、星形の形状又はフラクタル形状のような、如何なる適切な形状を有してもよい。
図11Cは、光導波路1100が光を伝える方向に沿った、多結晶ダイヤモンド1150で構成された回路基板700内の、光導波路1100の一つの例示的な断面を示す。光導波路1100は、相互接続部終端722を含んでもよい。いくつかの実施形態において、相互接続部終端722は、多結晶ダイヤモンド又はシリコンカーバイドで形成されたレンズ(気のフォーム又は回折レンズ)であってもよい。終端722は、光導波路1100を通り抜けて伝えられた光を、コンピュータチップのような回路基板700にマウントされた電子デバイスに伝えるように又は回路基板700から他のPWBに伝えるように機能してもよい。具体的な実施形態において、終端722は、積み重ねられた複数のPWB(PWBs)のアレイを通して回路基板700から他のPWBに光を伝え、PWBs間の光データバスを形成することができる。具体的な実施形態において、複数の光導波路1100及び複数の電気伝導性の相互接続部が、回路基板700のあらゆる場所に配列されてもよい。
図12A及び図12Bは、ある実施形態による、回路基板700のような多結晶ダイヤモンドPWB内で光導波路を印刷するための、例示的な方法1200及び1210を示す。方法1200はステップ1210で開始し、ステップ1210では、ポリ(メチルシリン)によって囲まれたポリ(ヒドリドカルビン)の中心部の形状を形成するように、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の層が堆積させられてもよい。ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の層は、光導波路を形成するポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の層が、回路基板を形成するポリ(ヒドリドカルビン)の層内で“ケースに入れられ(encased)”得るように、印刷中に回路基板の残りの部分を形成するポリ(ヒドリドカルビン)の層に沿って堆積させられてもよい。
図12Bは、回路基板内で光導波路の水平方向の長さを印刷するための、方法1200のうちのステップ1210の一つの実施例を示す。図12Bによって示される複数のステップは、光導波路の他の形状、例えば鉛直方向の長さ、屈曲した長さ又は湾曲した長さを印刷することに適応するために、適切に変更されてもよい。光導波路の水平方向の長さを印刷するためのステップ1210はステップ1211で開始し、ステップ1211では、ポリ(メチルシリン)の層が、光導波路の水平方向の長さに沿って堆積させられてもよい。次にステップ1212において、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の層が、ステップ1211で堆積させられたポリ(メチルシリン)の層の上面の上に印刷される。ステップ1212において、ポリ(メチルシリン)が、堆積させられるポリ(ヒドリドカルビン)に隣接してかつポリ(ヒドリドカルビン)の両側に堆積させられるように、堆積させられるポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の層は配列されてもよい。ステップ1213において、ポリ(メチルシリン)の層は、ステップ1212において堆積させられたポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の層の上面の上に堆積させられてもよい。ステップ1213の後に、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の追加的な層が、堆積させられてもよい。例えば、追加的な層は、回路基板の表面に光導波路の終端を設けるために必要とされ得る。印刷された回路基板内に光導波路を形成するために必要な全ての層を堆積させた後に、方法1200はステップ1220に続いてもよい。
ステップ1220において、ポリ(ヒドリドカルビン)の層は、光導波路の終端において回路基板の表面上に堆積させられてもよい。具体的な実施形態において、ポリ(ヒドリドカルビン)の層は、レンズの形状に堆積させられてもよい。ステップ1230において、回路基板は、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)を多結晶ダイヤモンド及びシリコンカーバイドにそれぞれ変換するために、ポリ(ヒドリドカルビン)及びポリ(メチルシリン)の分解温度に加熱されてもよい。具体的な実施形態において、光学的な光熱分解もまた、セラミック前駆体ポリマーの各々の全ての印刷された層を“曝露する”又は熱分解するために使用され得る。上記の実施形態においては、各々の光熱分解曝露の間に、最終製品が層ごとにダイヤモンド状炭素及び/又はダイヤモンドに変換されるため、最終製品を焼く(ベークする)必要はないかも知れない。
図13は、一つの例示的なコンピュータシステム1300を示す。コンピュータシステム1300は、図1のコンピュータシステム150によって利用され得る。具体的な実施形態において、一つ以上のコンピュータシステム1300は、本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。具体的な実施形態において、一つ以上のコンピュータシステム1300は、本明細書において記述及び説明される機能性を提供する。具体的な実施形態において、一つ以上のコンピュータシステム1300上で作動(run)するソフトウェアが、本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行するか、又は本明細書において記述及び説明される機能性を提供する。具体的な実施形態は、一つ以上のコンピュータシステム1300の一つ以上の部分を含む。本明細書において、適切な場合は、コンピュータシステムへの参照はコンピューティングデバイスを包含してもよく、その逆も同様である。
本開示は、如何なる適切な数のコンピュータシステム1300であっても予期する。本開示は、コンピュータシステム1300が如何なる適切な物理的な形をとることも予期する。例としてまた限定のためではなく、コンピュータシステム1300は、埋め込み型コンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)又はシステムオンモジュール(SOM))、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ若しくはノートブックコンピュータシステム、インタラクティブキオスク(interactive kiosk)、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant)(PDA)、サーバ、タブレット型コンピュータシステム又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせであってもよい。適切な場合には、コンピュータシステム1300は、単一の又は分散型の、複数の位置に広がり、複数の機械を結ぶ、複数のデータセンタを結ぶ、又はクラウドに存在する、一つ以上のコンピュータシステム1300を含んでもよい。クラウドは、一つ以上のネットワークに一つ以上のクラウドコンポーネントを含んでもよい。適切な場合には、一つ以上のコンピュータシステム1300は、実質的な空間的又は時間的制限なく、本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。一つの実施例としてかつ限定の目的としてではなく、一つ以上のコンピュータシステム700は、リアルタイムで又は一括方式(バッチモード)で本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。適切な場合には、一つ以上のコンピュータシステム1300は、異なる時間又は異なる位置で本明細書において記述及び説明される一つ以上の方法の一つ以上のステップを実行してもよい。
具体的な実施形態において、コンピュータシステム1300は、プロセッサ1302、記憶装置(memory)1304、補助記憶装置(storage)1306、入力/出力(I/O)インターフェイス1308、通信インターフェイス1310及びバス1312を含む。本開示は、特定の配列で特定の数の特定の構成要素を有する、特定のコンピュータシステムを記述し説明するが、本開示は、如何なる配列で如何なる数の如何なる適切な構成要素を有する、如何なる適切なコンピュータシステムであっても予期する。
具体的な実施形態において、プロセッサ1302は、コンピュータプログラムを作り上げる命令のような、命令(instructions)を実行するためのハードウェアを含む。一つの実施例としてまた限定のためではなく、命令を実行するために、プロセッサ1302は、内部レジスタ、内部キャッシュ、記憶装置1304又は補助記憶装置1306から命令を取り出し(retrieve)(又はフェッチ(fetch)し)、それらを復号(デコード)及び実行し、次いで一つ以上の結果を内部レジスタ、内部キャッシュ、記憶装置1304又は補助記憶装置1306に書き込んでもよい。具体的な実施形態において、プロセッサ1302は、データ、命令又はアドレスのための一つ以上の内部キャッシュを含んでもよい。本開示は、適切な場合には、如何なる適切な数の如何なる適切な内部キャッシュを含むプロセッサ1302であっても予期する。一つの実施例としてまた限定のためではなく、プロセッサ1302は、一つ以上の命令キャッシュ、一つ以上のデータキャッシュ及び一つ以上の変換索引バッファ(TLBs)を含んでもよい。命令キャッシュ内の命令は記憶装置1304又は補助記憶装置1306内の命令のコピーであってもよく、命令キャッシュはプロセッサ1302によるそれらの命令の取り出しを速めることができる。データキャッシュ内のデータは、影響を与えるための、プロセッサ1302で実行している命令に関する、記憶装置1304又は補助記憶装置1306内のデータのコピーであってもよく、プロセッサ1302での引き続く命令実行によってアクセスされるための、プロセッサ1302で実行された以前の命令の結果であってもよい。データキャッシュは、プロセッサ1302による読み込み及び書き込み動作を速めることができる。TLBsは、プロセッサ1302についての仮想アドレス変換を速めることができる。具体的な実施形態において、プロセッサ1302は、データ、命令又はアドレスのための一つ以上の内部レジスタを含んでもよい。本開示は、適切な場合には、如何なる適切な数の如何なる適切な内部レジスタを含むプロセッサ1302であっても予期する。適切な場合には、プロセッサ1302は、一つ以上の演算論理ユニット(ALUs)を含んでもよく、マルチコアプロセッサであるか又は一つ以上のプロセッサ1302を含んでもよい。本開示は特定のプロセッサを記述及び説明したが、本開示は如何なる適切なプロセッサであっても予期する。
具体的な実施形態において、記憶装置1304は、プロセッサ1302で実行するため又はプロセッサ1302が影響を与える(operate on)ための命令を保存するための主記憶装置を含む。一つの実施例としてまた限定のためではなく、コンピュータシステム1300は、補助記憶装置1306又は他のソース(例えば、他のコンピュータシステム1300)から記憶装置1304へ命令をロードしてもよい。プロセッサ1302は、次いで、命令を記憶装置1303から内部レジスタ又は内部キャッシュへロードしてもよい。命令を実行するために、プロセッサ1302は、内部レジスタ又は内部キャッシュから命令を取り出し、それらをデコードする。命令の実行中又は実行後に、プロセッサ1302は、一つ以上の結果(それらは中間結果又は最終結果であり得る)を内部レジスタ又は内部キャッシュに書き込んでもよい。プロセッサ1302は、次いで、それらの結果のうちの一つ以上を記憶装置1304に書き込んでもよい。具体的な実施形態において、プロセッサ1302は、(補助記憶装置1306又は他の場所とは対照的に)一つ以上の内部レジスタ又は内部キャッシュ内又は記憶装置1304内の命令のみを実行し、(補助記憶装置1306又は他の場所とは対照的に)一つ以上の内部レジスタ又は内部キャッシュ内又は記憶装置1304内のデータにのみ影響を及ぼす。一つ以上の記憶装置バス(各々がアドレスバス及びデータバスを含み得る)は、プロセッサ1302を記憶装置1304に結合させることができる。バス1312は、後述するような、一つ以上の記憶装置バスを含んでもよい。具体的な実施形態において、一つ以上の記憶装置管理ユニット(MMUs)が、プロセッサ1302と記憶装置1304との間に存在し、プロセッサ1302によって要求される(requested)記憶装置1304へのアクセスを容易にする。具体的な実施形態において、記憶装置1304は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含む。このRAMは、適切な場合には、揮発性メモリであってもよい。適切な場合には、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)又はスタティックRAM(SRAM)であってもよい。その上に、適切な場合には、このRAMは、シングルポートRAM又はマルチポートRAMであってもよい。本開示は、如何なる適切なRAMであっても予期する。記憶装置1304は、一つ以上の記憶装置1304を含んでもよい。本開示は特定の記憶装置を記述及び説明したが、本開示は如何なる適切なRAMであっても予期する。
具体的な実施形態において、補助記憶装置1306は、データ又は命令のための大容量記憶装置を含む。一つの実施例としてまた限定のためではなく、補助記憶装置1306は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ又はユニバーサル・シリアル・バス(USB)ドライブ又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせを含んでもよい。適切な場合には、補助記憶装置1306は、取り外し可能な媒体又は取り外し可能な(若しくは固定された)媒体を含んでもよい。適切な場合には、補助記憶装置1306は、コンピュータシステム1300の内部又は外部にあってもよい。具体的な実施形態において、補助記憶装置1306は、不揮発性の固体メモリであってもよい。具体的な実施形態において、補助記憶装置1306は、読出し専用メモリ(ROM)を含んでもよい。適切な場合には、このROMは、マスクプログラムドROM、プログラム可能型ROM(PROM)、消去可能型PROM(EPROM)、電気的消去可能型PROM(EEPROM)、電気的可変ROM(EAROM)又はフラッシュメモリ又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせであってもよい。本開示は、如何なる適切な物理的な形をとる大容量記憶装置1306であっても予期する。適切な場合には、補助記憶装置1306は、一つ以上の補助記憶装置制御ユニットを含んで、プロセッサ1302と補助記憶装置1306との間の通信を容易にしてもよい。適切な場合には、補助記憶装置1306は、一つ以上の補助記憶装置1306を含んでもよい。本開示は特定の補助記憶装置を記述し説明したが、本開示は如何なる適切な補助記憶装置であっても予期する。
具体的な実施形態において、I/Oインターフェイス1308は、ハードウェア、ソフトウェア又は両方を含み、コンピュータシステム1300と一つ以上のI/O装置(device)との間の一つ以上のインターフェイスを提供する。適切な場合には、コンピュータシステム1300は、これらのI/O装置のうちの一つ以上を含んでもよい。これらのI/O装置のうちの一つ以上は、人とコンピュータシステム1300との間の通信を可能にし得る。
一つの実施例としてまた限定のためではなく、I/O装置は、キーボード、キーパッド、マイクロホン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカー、静止カメラ(スチルカメラ)、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、その他の適切なI/O装置又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせを含んでもよい。I/O装置は、一つ以上のセンサを含んでもよい。本開示は、如何なる適切なI/O装置及びそれらのための如何なる適切なI/Oインターフェイス1308であっても予期する。適切な場合には、I/Oインターフェイス1308は、プロセッサ1302がこれらのI/O装置のうちの一つ以上を駆動できるようにする、一つ以上の装置又はソフトウェアドライバを含んでもよい。適切な場合には、I/Oインターフェイス1308は、一つ以上のI/Oインターフェイス1308を含んでもよい。本開示は特定のI/Oインターフェイスを記述及び説明したが、本開示は、如何なる適切なI/Oインターフェイスであっても予期する。
具体的な実施形態において、通信インターフェイス1310は、ハードウェア、ソフトウェア又は両方を含み、コンピュータシステム1300と一つ以上の他のコンピュータシステム1300又は一つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケットに基づく通信)のための一つ以上のインターフェイスを提供する。一つの実施例としてまた限定のためではなく、通信インターフェイス1310は、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))若しくは他の有線ネットワークと通信するためのネットワークインターフェイスコントローラ(NIC)若しくはネットワークアダプタ、又は、WI−FIネットワークのような無線ネットワークと通信するための無線NIC(WNIC)若しくは無線アダプタを含んでもよい。本開示は、如何なる適切なネットワーク及びそのための如何なる適切な通信インターフェイスであっても予期する。一つの実施例としてまた限定のためではなく、コンピュータシステム1300は、アドホックネットワーク、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)又はインターネットの一以上の部分又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせと通信してもよい。これらのネットワークのうちの一つ以上の一つ以上の部分は、有線でも無線でもよい。一つの実施例として、コンピュータシステム1300は、無線PAN(WPAN)(例えば、ブルートゥース(BLUETOOTH(登録商標))WPAN、WI−FIネットワーク、WI−MAXネットワーク、携帯電話ネットワーク(例えば、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標))ネットワーク)又は他の適切な無線ネットワーク又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせ)と通信してもよい。適切な場合には、コンピュータシステム1300は、これらのネットワークのいずれかのための、如何なる適切な通信インターフェイス1310を含んでもよい。適切な場合には、通信インターフェイス1310は、一つ以上の通信インターフェイス1310を含んでもよい。本開示は特定の通信インターフェイスを記述及び説明したが、本開示は、如何なる適切な通信インターフェイスであっても予期する。
具体的な実施形態において、バス1312は、コンピュータシステム1300の複数の構成要素を互いに結合する、ハードウェア、ソフトウェア又は両方を含む。一つの実施例としてまた限定のためではなく、バス1312は、アクセラレイティッド・グラフィックス・ポート(AGP)若しくは他のグラフィクスバス、エンハンスト・インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、インダストリ・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド(INFINIBAND)相互接続、ロー・ピン・カウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)バス、周辺コンポーネント相互接続(PCI)バス、PCI−エクスプレス(PCIe)バス、シリアル・アドバンスト・テクノロジー・アタッチメント(SATA)バス、ビデオ・エレクトロニクス・スタンダーズ・アソシエーション・ローカル(VLB)バス又は他の適切なバス又はこれらのうちの二つ以上の組み合わせを含んでもよい。適切な場合には、バス1312は、一つ以上のバス1312を含んでもよい。本開示は特定のバスを記述及び説明したが、本開示は、如何なる適切なバス又は相互接続であっても予期する。
コンピュータシステム1300の構成要素は、統合されていても、分離していてもよい。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム1300の構成要素は、それぞれ単一の筐体内に収容されてもよい。コンピュータシステム1300の動作は、より多く、より少ない又は他の構成要素によって実行されてもよい。加えて、コンピュータシステム1300の動作は、如何なる適切な論理回路(logic)を使用して実行されてもよく、論理回路は、ソフトウェア、ハードウェア、他のロジック又は前述のものの如何なる適切な組み合わせであってもよい。
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書において記述された方法に変更、追加又は省略がなされ得る。例えば、適切な場合には、複数のステップは、同時に行われ、変更され又は削除されてもよく、追加的なステップが加えられてもよい。加えて、複数のステップは、本発明の範囲から逸脱することなく、如何なる適切な順序でも実行され得る。
本発明はいくつかの実施形態と共に記述されたが、無数の変更、変形、修正、変換及び改良が当業者に対して示唆され得る。そして、本発明が、添付の請求項の範囲内に入る上記の変更、変形、修正、変換及び改良を包含することが、意図されている。