JP2015212636A - 輻射熱検出センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 赤外線放射による輻射熱の温度を直接計測するための輻射熱検出センサに関し、検出感度が良く、省電力化、小型化を実現出来、輻射熱の発生方向の検出及び方向別の輻射熱の温度(熱量)も計測出来る。【解決手段】 輻射熱受感部は内部が充填された全球型球形状構造とし、プリント基板は測温素子を輻射熱受感部に位置決め支持する支持部とこの支持部から一体的に延設され、他装置への取付孔と信号出力用のスルーホールとを備えた基板主要部とからなり、支持部に測温素子を複数個取り付け、基板主要部に複数個の測温素子からの複数の出力にそれぞれ対応する複数個のスルーホールを形成した構造である。【選択図】 図1
Description
この発明は、太陽光や周囲の物体からの赤外線放射による輻射熱を測定するための装置において、輻射熱の影響によって温度上昇する物体の、その物体の温度もしくは付随物体温度を直接計測する事によって、物体に与える輻射熱の定量を行う輻射熱検出センサに関するものである。
一般に、オフイス等、通常人が居住する比較的快適温度範囲に近い温熱環境を評価するのに適した指標として、人体の熱負荷と人間の温冷感を結びつけた温冷感指数PMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)やPPD指数(Predicted Percentage of Dissatisfied :予測不快者率)、人体の熱収支に影響の大きい温度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指数で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算される暑さ指数WBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)がある。
WBGTの算出方法は、下記式の通りである。
屋外:WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内:WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
屋外:WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内:WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
温冷感指数PMV(以下、単にPMVと記す)は、人体の熱的快適感に影響する環境側の要素として、室温、平均放射温度、相対湿度、平均風速の4つの物理的要素と2つの人間側の要素である活動量と着衣量が関係している。そして、環境側の要素である室温、平均放射温度、相対湿度、平均風速の4つの物理的要素は、センサで計測され、人間側の要素である活動量と着衣量は、状況に応じて設定される。これら6つの要素を快適方程式に代入することにより、人間がその時暖かいと感じるか寒いと感じるかを“7段階評価尺度による数値”で表している。
PPD指数は、その温熱環境に不満足・不快さを感じる人の割合で、人間が暑い寒いと感じる温熱状態の時に、何%の人がその環境に不満足かを表すのに用いられている。
暑さ指数WBGT(以下、単にWBGTと記す)は、温度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って、下記の式(1)及び式(2)により計算される。
屋外:WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度・・・(1)
屋内:WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度・・・・(2)
屋内:WBGT=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度・・・・(2)
上記式(1)及び式(2)により算出されたWBGTと熱中症との関係を表す指針が作成され、熱中症の予防対策に利用されている。
このように、PMVの計測やWBGTの測定では、輻射熱検出センサの輻射熱受感部に、黒球が用いられている。この黒球は、銅等の金属板を中空構造に加工し、表面につや消しの黒色塗装を施し、内部には空気が充填され、ゴムキャップ等で口が塞がれている。このような構造の黒球内部の中心部における温度を測定することにより、PMVやWBGTが求められている。
黒球の直径は、150mm球、75mm球、25mm球等いくつかのサイズがあり、特に150mm球と75mm球が一般によく使用されている。これらの黒球をPMVやWBGT等を計測する装置に組み込み、さらに、これらの装置を生活環境に設置するには、ある程度の場所が占有されるため、常時設置には問題がある。さらに、黒球の内部は中空構造であるため、加工が困難であるとともに、加工工程数を減らすことは難しく、コスト削減には限界がある。
そこで、従来、中空構造の黒球を小型化する手段として、特許文献1に記載のように、図6に示す手段がある。図6において、測定部100は円筒状のケース101よりなり、その先端に半球状の黒球111が取り付けられ、すそ部分が円筒状のケース101と径が同じにされて、ケース101に延設されている。黒球111の内部の中心位置に温度センサ111sが取り付けられ、輻射熱に相当する温度を測定するようにしたものがあるが、黒球111を半球状に加工するための加工方法や材質には一定の限界がある。
そこで、これらの問題を解決する手段として、特許文献2に記載のように、図7(a)〜(b)に示す形状が提案されている。図7(a)〜(b)に示すように、輻射熱受感部である黒球の形状を小型化するとともに、中空構造ではない形状とした半球形状や円柱形状等がある。
又、従来の黒球では輻射熱の発生方向は、黒球1個では検出することが困難である。そこで、特許文献3に記載のように、図8に示す手段がある。図8に示すように、不必要な方向からの輻射熱を遮蔽するために、その方向に遮蔽物(CPC型の反射板121)を設置して、集熱球(黒球)122に指向性を設けている。
その他の手法としては、特許文献4に記載のように、光センサを昆虫の複眼のように並べて、指向性を設ける方法(図示せず)も提案されている。しかしながら、これらの手法では、レンズやセンサ部を多数必要とし、コストが高くなる。
特許文献1に記載のように、半球状の黒球111を用い、その内部の中心位置に温度センサ111sを取り付けて、輻射熱に相当する温度を測定するようにしたものは、半球状に加工するための加工方法が困難であるとともに、材質についても一定の限界がある。
又、特許文献2に記載のように、輻射熱受感部である黒球の形状を小型化するとともに、中空構造ではない形状として、半球形状や円柱形状としたものは、輻射熱受感部を小型化すると、輻射熱受感部の温度上昇が、150mm球等に比べて小さくなる。そのため、輻射熱のわずかな温度差や温度変化の検出が困難になり、輻射熱検出センサとしては検出性能が悪くなるという問題がある。又、輻射熱受感部を小型化すると、輻射熱受感部自体の熱容量が小さくなるため、輻射熱受感部を支持する構造物からの熱伝導により輻射熱受感部の熱漏洩が熱容量に対して大きくなり、輻射熱検出センサとしての検出感度が低下するという問題がある。
又、特許文献3に記載のように、不必要な方向からの輻射熱を遮蔽するために、その方向に遮蔽物(CPC型の反射板121)を設置して、集熱球(黒球)122に指向性を設けるようにしたものは、部品点数が多くなり、それだけ加工工程数が多くなり、コストが高くなるという問題がある。
又、一般に、電源として電池等のように、使用可能な電源容量に制限のある装置等に、輻射熱検出センサ等を組み込み利用する場合、計測時の処理時間は、なるべく少ないほうが望ましい。そこで、一般に、計測時の消費電力に比べて非計測時の消費電力を極端に落として、低消費電力を実現している。一方、僅かな測定差や測定の安定性を望む場合には、例えば、1秒程度の時間をかけて複数回測定し、その複数の測定結果を平均化する手法が用いられている。しかしながら、このような手法は、計測に必要な一定時間を要し、その分、消費電力が上がるという問題がある。
以上述べたように、従来の輻射熱検出センサには、多くの問題点がある。この発明の輻射熱検出センサは、このような問題点に鑑みなされたものである。まず、指向性がなく、加工工程数が少なく、コストを低減出来、さらに、輻射熱の検出感度が良く、省電力化、小型化を実現出来る輻射熱検出センサを提供することを第1の目的とし、さらに、輻射熱の熱源の発生方向をも検出出来るとともに、方向別に輻射熱の温度(熱量)も計測出来る指向性のある輻射熱検出センサを提供することを第2の目的としている。
請求項1に係る発明は、輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の温度を計測する測温素子とからなる輻射熱検出センサにおいて、輻射熱検出センサは、輻射熱受感部と、プリント基板とからなり、輻射熱受感部は、内部が充填された全球型球形状構造とし、プリント基板は、測温素子を実装するとともに、この測温素子を輻射熱受感部に位置決め支持する支持部と、この支持部から一体的に延設されているとともに、他装置への取付孔と信号出力用のスルーホールとを備えた基板主要部とを有し、測温素子が実装された支持部に、輻射熱受感部を固定して形成することにより輻射熱検出センサを構成することを特徴とする輻射熱検出センサである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、測温素子は、支持部の表面及び裏面にそれぞれ実装するものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、測温素子は、支持部の表面又は裏面の何れか一方の面に実装するものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、支持部に複数個の測温素子を実装するとともに、これら複数個の測温素子からの各出力を、これらの各出力にそれぞれ対応するA/Dコンバータに接続し、測温素子の出力とA/Dコンバータとの組み合わせを複数設けることにより、微小な変化を検出可能とするものである。
請求項5に係る発明は、輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の温度を計測する測温素子とからなる輻射熱検出センサにおいて、輻射熱受感部は、全球型球形状構造を複数分割してなる複数結合型球形状構造とし、輻射熱受感部の分割数に対応する複数個のプリント基板は、測温素子を実装するとともに、この測温素子を複数結合型球形状構造の輻射熱受感部に位置するように、位置決め支持する支持部と、この支持部に一体的に延設されているとともに、他装置への取付孔と信号出力用のスルーホールとを備えた基板主要部とを有し、支持部を、輻射熱受感部の分割面にそれぞれ取り付けるとともに、それぞれの支持部に実装された測温素子はが、複数結合型球形状構造の輻射熱受感部に位置するように、それぞれ位置決め取り付けることを特徴とする輻射熱検出センサである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、輻射熱受感部は、全球型球形状構造を2分割してなる1/2球結合型球形状構造とし、2個の測温素子は、支持部の表面及び裏面に、それぞれ互いに対向配置して実装するものである。
請求項7に係る発明は、請求項5に記載の発明において、輻射熱受感部は、間隙を介在させて各分割面を互いに対向配置してなり、間隙に、輻射熱受感部の分割面に取り付けた支持部の各プリント基板を固定する結合体を配置したものである。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の発明において、間隙に、遮蔽板を配置したものである。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の発明において、遮蔽板及び結合体の代わりに、間隙に、プリント基板を貼着可能な断熱材を充填したものである。
請求項10に係る発明は、請求項8に記載の発明において、輻射熱受感部は、全球型球形状構造を2分割するとともに、間隙を介在させて各分割面を互いに対向配置してなる1/2球結合型球形状構造としたものである。
請求項11に係る発明は、請求項5に記載の発明において、輻射熱受感部は、間隙を介在させて各分割面を互いに対向配置してなり、複数に分割された複数結合型の輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の分割面に取り付けた支持部のプリント基板と、このプリント基板の支持部に実装した測温素子とにより複数結合型の輻射熱検出センサユニットを構成し、複数の測温素子が輻射熱受感部に位置するように、この複数結合型の輻射熱検出センサユニットを、複数個互いに間隙を介在させて対向配置して輻射熱検出センサを構成し、この複数結合型球形構造の輻射熱受感部を有する輻射熱検出センサの中心部に形成される中心間隙に、複数個の複数結合型の輻射熱検出センサユニットをそれぞれ固定する結合体を取り付けたものである。
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の発明において、輻射熱受感部は、4分割してなる1/4球結合型球形状構造とし、この4分割された1/4球結合型の輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の分割面に取り付けた支持部のプリント基板と、このプリント基板の支持部に実装した測温素子とにより1/4球結合型の輻射熱検出センサユニットを構成し、4個の1/4球結合型の輻射熱検出センサユニットを、それぞれ90度回転させるとともに、互いに間隙を介在させて対向配置することにより、1/4球結合型球形状構造の輻射熱検出センサを構成したものである。
請求項1に係る発明は、上記のように構成したので、プリント基板の基板材として熱伝導率の低い基板材を用いるとともに、輻射熱受感部の温度を計測する測温素子の支持部をも同じ基板材で形成しているので、輻射熱受感部からの熱伝導による輻射熱の放散を抑制することが出来る。従って、従来のものに比べて正確に輻射熱を計測することが出来る。さらに、輻射熱受感部は、内部が充填された全球型球形状構造としているので、輻射熱の温度検出にあたって指向性のない温度検出が可能である。さらに、輻射熱受感部の加工が容易であるとともに、加工工程数も減少し、大幅にコストを節約することが出来る。
さらに、プリント基板には、熱伝導率が低い基板材として、例えば、FR−4基板(熱伝導率は0.45W/m/K)が用いており、さらに、測温素子を支持する支持部を一体的に細長く形成しているので、測温素子で計測した輻射熱が、支持部から基板主要部へと熱伝導することを抑制することが出来るとともに、取付孔を介して固定されている他の装置等への熱伝導をも抑えることが出来る。その結果、従来のものに比べて、さらに正確に輻射熱を検出することが出来る。
請求項2及び請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明において、上記のように構成したので、請求項1と同様な効果がある。
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、上記のように構成したので、請求項1〜請求項3と同様な効果がある。さらに、測温素子の支持部に、輻射熱を計測する測温素子を複数個実装したので、輻射熱の検出感度がよくなる。
さらに、一般に、アナログデジタルコンバータ(以下、A/Dコンバータと記す)は、実行時間と電力消費が大きいが、この発明では、複数の測温素子を用いているので、A/Dコンバータにより、各測温素子でそれぞれ計測した輻射熱の温度(アナログ値)をデジタル値に変換する場合、並行処理を行えば計測処理時間を大幅に減少させることが出来る。従って、他の装置(マイコン機器等)に内蔵する場合、省電力機器となる。又、アナログ・デジタル分解能があまり良くないA/Dコンバータを使用したとしても、短時間で輻射熱の温度計測が可能であるとともに、変化する輻射熱による温度差をも正確に検出することが出来、安定した計測結果が得られる。
さらに、測温素子の器差によって、1個の測温素子では検出できない差を、計測する事が可能となる。一般的にセンサ素子は、完全に同一な特性を持っているわけでなく、わずかな特性の差がある。例えばセンサ素子A、B、Cと3つの測温素子を用い、それぞれの信号をA/Dコンバータで検出する場合、センサ素子AとCはA/Dコンバータで差が検出できなくとも、センサ素子Bは個体差によりA/Dコンバータで変化を検出可能な電圧を出力する場合がある。また、この逆に、センサ素子Bの電圧変化を捕捉できない変化をしたとしても、センサ素子AまたはCが、A/Dコンバータで変化を検出可能な電圧を発生する場合もある。この時、単一の測温素子で得られる変化の差の1/3の差も検出可能ということになる。従って、1組の測温素子とA/Dコンバータとの組み合わせでは検出することが出来なかった微小な変化を検出することが出来る。
請求項5に係る発明は、上記のように構成したので、上記請求項1〜請求項4と同様な効果が得られる。さらに、輻射熱受感部の分割数に対応する複数個の測温素子で、分割された輻射熱受感部によりそれぞれ検出された輻射熱の温度を、それぞれ計測しているので、輻射熱の熱源の方向をも検出可能である。
請求項6係る発明は、請求項5に記載の発明において、上記のように構成したので、請求項5に記載の発明と同様な効果がある。
請求項7に係る発明は、請求項5に記載の発明において、上記のように構成したので、請求項1〜請求項5に記載の発明と同様な効果がある。さらに、半球型の輻射熱受感部が、遮蔽板により互いに遮蔽されているので、輻射熱の熱源の方向の検出能力および検出感度を上げることができる。
請求項8に係る発明は、請求項57に係る発明において、上記のように構成したので、請求項7に記載の発明と同様な効果がある。さらに、輻射熱の熱源を複数の方向から検出可能であるとともに、方位別の温度も計測可能であるので、簡易な放射収支計の代わりとしても用いることが出来、冬季の放射冷却の強度検出も可能である等の効果がある。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、上記のように構成したので、請求項8と同様な効果がある。さらに、間隙にはプリント基板を貼着可能な断熱材が充填されているので、プリント基板を固定するための結合体を用いる必要もなく、部品点数を減らすことが出来る。
請求項10に係る発明は、請求項8に記載の発明において、上記のように構成したので、請求項8と同様な効果がある。
請求項11に係る発明は、請求項5に記載の発明において、上記のように構成したので、請求項5と同様な効果がある。さらに、輻射熱受感部を複数結合型球形構造として指向性を持たせたので、上記実施例で述べたものより輻射熱の熱源の方向を方向別に詳細に検出することが出来るとともに、輻射熱の熱源の温度もさらに詳細に方位別に計測可能である。
請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明において、上記のように構成したので、請求項11と同様な効果がある。
輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の温度を計測する測温素子を実装したプリント基板とからなる輻射熱検出センサにおいて、輻射熱受感部は、全球型球形状構造を2分割してなる1/2球結合型球形状構造とし、プリント基板は、1/2球結合型球形状構造の輻射熱受感部に位置するように、位置決め支持する支持部と、この支持部に一体的に延設されているとともに、他装置への取付孔と信号出力用のスルーホールとを備えた基板主要部とにより構成されている。2個の測温素子は、プリント基板の支持部両面に、互いに対向配置して実装する。
この発明の第1の実施例を、図1に基づいて詳細に説明する。この実施例1及び後述する実施例2では、輻射熱の熱源の温度を計測するための全球型球形状構造の輻射熱受感部2と、プリント基板3と、このプリント基板3の支持部に実装されている測温素子とにより構成されており、輻射熱の熱源の方向は検出できない無指向性の輻射熱検出センサ1を提供している。
図1は、この発明の第1の実施例を示す一部断面図を含む要部模式図で、1はこの発明による輻射熱検出センサで、輻射熱を受ける輻射熱受感部2と測温素子4を備えたプリント基板3とにより構成されている。プリント基板3は、基板主要部3bとこの基板主要部3bから一体的に延設されている細長形状の支持部3aとにより構成されている。支持部3aの先端部には、輻射熱受感部2の温度を計測する測温素子4が実装されており、この支持部3aに延設されている基板主要部3bには、他の装置(図示せず)にプリント基板3を取り付けるための取付孔5と信号取り出し用のスルーホール6が形成されている。なお、プリント基板3に形成されている信号伝達回路配線は省略されている。
測温素子3は汎用の電子部品で、この実施例1の場合には、基板主要部3bから一体的に延設されている支持部3aの先端部に実装されている。この測温素子4は、この実施例の場合には、全球型球形状構造の輻射熱受感部2の中心部に位置するように位置決めされ、輻射熱受感部2の温度を計測するように構成されている。なお、測温素子は蒸着形成等の他の手法で作成しても良い。
なお、この実施例1では、測温素子4を、全球型球形状構造の輻射熱受感部2の中心部に位置するように位置決めされているが、これに限定するものではなく、測温素子4は必ずしも輻射熱受感部2の中心部に位置する必要はない。さらに、後述するすべての実施例においても同様である。
輻射熱受感部2に固定されたプリント基板3は、取付孔5により他の装置等に固定される。測温素子4で計測された輻射熱の計測値は、信号取り出し用のスルーホール6を介して他の装置(図示せず)に伝送される。
ここで、プリント基板3の基板材としては、一般的に熱伝導率の低い部材が用いられている。例えば、一般に普及しているプリント基板3の基板材として良く用いられているFR−4(FRAME RETARDANT TYPE 4)は、55%の強度(弾性率)を有している。
一方、一般に、物体を伝わる熱伝導は、その物体の構造の断面積及び温度差に依存する。例えば、空気の熱伝導率は、0.0241W/m・Kであり、FR−4製の基板の熱伝導率は、0.45W/m・Kである。このように、FR−4製の基板の熱伝導率は、銅の熱伝導率403W/m・Kに比べて約1/1000(0.1%)であり、銅に比べて非常に低い。これは同じ強度の構造物を両物質(FR−4と銅)で作成した場合、FR−4の方が銅に比べて0.2%の熱伝導率しか有しないことを意味している。
このように、FR−4は、銅線の機械的強度には及ばないが、熱伝導率は銅線に対し0.1%と低い。このため、この実施例に限らず後述するすべての実施例において、プリント基板として一般に広く販売されているガラスエポキシ製のFR−4を用いている。なお、プリント基板3としては、その他にはポリアミド製の基板でも良く、セラミック製の基板等のように、熱伝導率の低い部材で形成された基板材が適している。
輻射熱受感部2は、この実施例1の場合には、従来のように内部が中空構造の黒球ではなく、内部が充填された全球型球形状構造であり、この全球型球形状構造の輻射熱受感部2の表面は、黒色塗料が塗布されており、中心部には後述する測温素子3が位置決めされている。
次に、輻射熱検出センサ1の製造方法及び作用動作について、図1に基づいて説明する。
まず、プリント基板3の製造方法について説明する。
板状のプリント基板3は、汎用の基板製造装置を用いるとともに、板状の電子機器基板の一般的な製造プロセスにおいて用いられている自動搭載機を用いて製造する。必要な回路パターン(図示せず)が形成されているプリント基板3の実装箇所には、半田ペースト印刷機により半田ペーストが塗られる。次いで、自動搭載機により、測温素子4が支持部3の先端部にマウントされたのち、リフロー炉又はフロー装置等により、測温素子4は半田付けされ固定される。
まず、プリント基板3の製造方法について説明する。
板状のプリント基板3は、汎用の基板製造装置を用いるとともに、板状の電子機器基板の一般的な製造プロセスにおいて用いられている自動搭載機を用いて製造する。必要な回路パターン(図示せず)が形成されているプリント基板3の実装箇所には、半田ペースト印刷機により半田ペーストが塗られる。次いで、自動搭載機により、測温素子4が支持部3の先端部にマウントされたのち、リフロー炉又はフロー装置等により、測温素子4は半田付けされ固定される。
この際、上記したように、板状のプリント基板3の基板材は、機械的強度では銅には及ばないものの、熱伝導率は銅より低い部材(FR−4製の基板:熱伝導率は0.45W/m/K)が用いられている。従って、この実施例のように、支持部3aをプリント基板3と同じ部材で形成した場合、従来のリード線のように細くする必要がなく、その機械的強度はより高くなるという効果がある。
このようにして測温素子4が実装されたプリント基板3の支持部3a部分は、測温素子4が全球型球形状構造の輻射熱受感部2の中心部に位置するように、輻射熱受感部2の内部へ挿入され、位置決めされる。
このように、この発明による輻射熱検出センサは、汎用の表面実装用の電子部品である測温素子4を用いて、板状の電子基板の製造方法において一般に用いられている自動搭載機により各電子部品を基板に実装することが出来るので、組み立て工程の自動化が容易で、構造も簡単となり、組み立てコストも非常に安くなる。又、測温素子4の支持部3aは、基板主要部3bから一体的に延設された細長形状に形成されているので、測温素子4で計測された輻射熱が、プリント基板3の支持部3aからの熱伝導による熱放射(熱損失となる)も少なく、正確な輻射熱の計測値が得られる。なお、測温素子4は表面実装の電子部品でなくとも、同様の効果を得られるが、組立工数は増加する。また、測温素子4は、プリント基板3の支持部3aの表面又は裏面の何れか一方の面に実装しても良く、支持部3aの表面及び裏面にそれぞれ実装しても良い。
この実施例2では、上記実施例1と同様に、輻射熱検出センサ11は、輻射熱の熱源の温度を計測するための全球型球形状構造の輻射熱受感部12と、プリント基板13と、このプリント基板13の支持部13aに実装されている2個の測温素子14とにより構成されており、輻射熱の熱源の方向は検出できない無指向性の輻射熱検出センサ11を提供している。
この発明の第2の実施例を、図2に基づいて詳細に説明する。図2は、この発明の第2の実施例を示す一部断面図を含む要部模式図である。なお、実施例1と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
輻射熱受感部12は、この実施例2の場合には、上記実施例1と同様に、従来のような中空構造ではなく、内部が充填された全球型球形状構造である。この全球型球形状構造の輻射熱受感部12の表面は黒色塗料が塗布されており、中心部にはプリント基板13の支持部13aの実装個所にそれぞれ実装された2個の測温素子14、14が位置決めされている。
図2に示すように、プリント基板13の支持部13aの実装個所には、輻射熱受感部12の熱源の温度を計測するために、2個の測温素子14a、14bが直列あるいは並列に配置され、それぞれ実装されている。なお、図示していないが、基板13aの反対側には3個目の測温素子14cが取り付けられている。基板主要部13bには、3個の測温素子14a、14b、14cからの信号出力をそれぞれ独立に取り出すために、スルーホールが4個形成されている。
このように3個の測温素子14a、14b、14cが用いられているので、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと記す)(図示せず)に内蔵されているA/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換機器)により、3個の測温素子14a、14b、14cからの計測値をA/D変換する場合、並行処理すれば、計測処理時間を1/2に減らすことが出来るので、その分、マイコンの非稼働時間を増やすことが可能となる。なお、この実施例のように、測温素子14の数は3個に限定されるものではなく、コストを見つつさらに多く、複数個使用しても良い。例えば、測温素子14を4個実装すると、計測処理時間は1/4としても測定精度を低下させることがなく、マイコンの非稼働時間をさらに増やすことが出来る。逆に、測温素子は2個であっても良い。
また、一般的にA/Dコンバータには分解能があり、この分解能以下の微小な変化を検出することが出来ない。この問題点を解消するために、より分解能の高いA/Dコンバータを使用するか、マイコンのソフトウェアで複数回A/D変換を行って平均値を計算することにより微小な変化を検出する方法がある。しかしながら、前者の解決方法は、設計に制約を生じたり、外付け部品を必要とすることで部品点数が増えてしまうという問題点がある。また、後者の解決方法は、単位時間当たりのマイコンの稼働時間が増大し、消費電力が高くなるという問題点がある。これに対し、測温素子には個体差があるので、測温素子とA/Dコンバータとの組み合わせが複数あることにより、その時々の微小な変化を検出できる組み合わせがその時々で存在する場合がある。従って、従来、1組の測温素子とA/Dコンバータとの組み合わせでは検出することが出来なかった微小な変化を検出することが出来る。
この発明の第3の実施例を、図3に基づいて詳細に説明する。図3は、この発明の第3の実施例を示す一部断面図を含む要部模式図である。なお、第1の実施例及び第2の実施例と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
この実施例3では、実施例1及び実施例2で用いた全球型球形状構造の輻射熱受感部2、12を、2分割した1/2球結合型球形状構造を用いることにより輻射熱の熱源の方向をも検出可能な指向性のある輻射熱検出センサ21を提供する。なお、全球型球形状構造の輻射熱受感部は2分割に限定されるものではなく、複数分割した複数結合型球形状構造の輻射熱受感部をもちいても同様な効果がある。
この実施例3の場合には、図3に示すように、輻射熱受感部22は、上記のように、全球型球形状構造の輻射熱受感部を2分割した1/2球結合型球形状構造である。輻射熱検出センサ21は、2分割した半球型の輻射熱受感部22a、22aの各分割面を、互いに対向配置するとともに、この分割面にプリント基板23を介在させて構成されている。
プリント基板23の支持部23(23a、23a)の両面には、2個の測温素子24(24a、24a)が実装され、支持されている。このプリント基板23を介在させて半球型の輻射熱受感部22a、22aを互いに対向配置することにより、輻射熱受感部22は、全体としては1/2球結合型球形状構造となっている。この1/2球結合型球形状構造の輻射熱受感部22aの表面は、黒色塗料が塗布されている。半球型の輻射熱受感部22a、22aの分割面の中心部には、2個の測温素子24(24a、24a)が、プリント基板23の支持部23aを介在させて互いに対向配置され、位置決めされている。
上記実施例1及び実施例2の場合と同様に、2個の測温素子24(24a、24a)は汎用の電子部品で、この実施例の場合には、基板主要部23bから一体的に延設されている支持部23aの先端部近傍両面に、測温素子24(24a、24a)が、半球結合型球形状構造の輻射熱受感部22(22a、22a)の中心部に位置するように位置決めされ、実装されている。
プリント基板23は、上記実施例1及び実施例2の場合と同様に、基板主要部23aに形成されている取付孔5により他の装置等に固定されている。測温素子24(24a、24a)でそれぞれ計測された半球型の輻射熱受感部22a、22aからの各計測値は、それぞれ信号取り出し用のスルーホール6を介して他の装置(図示せず)に伝送される。
このように、2個の測温素子24(24a、24a)は、半球型の輻射熱受感部22a、22aの温度をそれぞれ計測するように構成されているので、輻射熱受感部22(22a、22a)は、半球型の輻射熱受感部22a、22aのそれぞれの計測値から輻射熱の熱源の方向を検出可能となる。
この発明の第4の実施例を、図4に基づいて詳細に説明する。図4はこの発明の第4の実施例を示す一部断面図を含む要部模式図である。なお、実施例1〜実施例3と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
この実施例4は、実施例3の場合と同様に、全球型球形状構造の輻射熱受感部2を2分割した1/2結合型球形状構造を用い、輻射熱の熱源の方向及び各方向別の熱量をも検出可能な指向性のある輻射熱受感部を提供する。なお、全球型球形状構造の輻射熱受感部は2分割に限定されるものではなく、複数分割した複数結合型球形状構造の輻射熱受感部を用いても同様な効果がある。
図4に示すように、上記実施例3と同様に、輻射熱受感部32は、上記のように、半球型の輻射熱受感部32a、32aを互いに対向配置させた1/2球結合型球形状構造である。輻射熱検出センサ31は、2分割した半球型の輻射熱受感部32a、32aの各分割面を、互いに対向配置するとともに、この分割面にプリント基板33を介在させて構成されている。
半球型の輻射熱受感部32a、32aの分割面には、プリント基板33がそれぞれ取り付けられている。そして、各プリント基板33の基板主要部33bから一体的に延設されている支持部33aには、上記実施例1〜3と同様に、汎用の電子部品である測温素子34(34a、34a)が、それぞれ半球型球形状構造の輻射熱受感部32の中心部に位置するように位置決めされ、それぞれ実装されている。各基板主要部33bには、他の装置等にそれぞれ固定するための取付孔5と測温素子34(34a、34a)からの信号をそれぞれ取り出すためのスルーホール6が形成されている。
プリント基板33は、半球型の輻射熱受感部32a、32aの各分割面にそれぞれ取り付けられているとともに、間隙37を介在させて互いに対向配置されている。さらに、半球結合型球形状構造の輻射熱受感部32の表面は、黒色塗料が塗布されている。
間隙37には、遮蔽板38が配置されており、この遮蔽板38が両側のプリント基板33、33と平行に、且つ、間隙37の中間に位置するように、結合体39により位置決め固定されている。
このように構成されているので、プリント基板33、33をそれぞれ取り付けた1/2球結合型球形状構造の輻射熱受感部32は、各基板主要部33aに形成されている取付孔5により他の装置等に固定される。次いで、測温素子34(34a、34a)でそれぞれ計測された半球型の輻射熱受感部22a、22aの各計測値は、それぞれ信号取り出し用のスルーホール6を介して他の装置(図示せず)に伝送される。
このように、2個の測温素子34(34a、34a)は、半球型の輻射熱受感部32a、32aの温度をそれぞれ計測するように構成されているとともに、間隙37に配置されている遮蔽板38により、半球型の輻射熱受感部32a、32aの計測温度は、互いに影響しないように遮蔽される。従って、半球型の輻射熱受感部32a、32aのそれぞれの計測値から、2方向の輻射熱の熱源方向及び熱源の方向別の輻射熱の熱量を検出可能である。
なお、この実施例4では、間隙37に遮蔽板38を配置したが、これに限定されるものではなく、遮蔽板38を除去し、間隙37内に空気を充満させた状態でもよい。又、遮蔽板38の代わりに、空隙37内に断熱材を充填しても良い。間隙37に断熱材を充填した場合、断熱材が貼着性のある場合には、結合体39を省略しても良く、この場合には、部品点数及び加工工程数の減少となり、コストがそれだけ安くなる。
又、この実施例のように、2方向の輻射熱の熱源の検出可能な事例をさらに発展させることにより、簡易な放射収支計の代わりとして用いることが可能となる。この放射収支計は、天空方向と地上部方向の相対する2方向に輻射熱を検出するセンサを向け、その温度差で、天空からの放射と地上から天空へ放出される放射を検出するものである。この原理は、この発明の輻射熱検出センサの構成と原理・構造的にも似ている。従って、冬季の放射冷却の強度の検出にも利用可能となる。
この発明の第5の実施例を、図5に基づいて詳細に説明する。図5はこの発明の第5の実施例を示す一部断面図を含む要部模式図である。なお、実施例1〜実施例4と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
この実施例5では、実施例3、実施例4の場合と同様に、全球型球形状構造の輻射熱受感部2を、1/4分割した1/4球結合型球形状構造を用い、輻射熱の熱源の方向及び各方向別の熱源量をも検出可能な指向性のある輻射熱受感部を提供する。なお、全球型球形状構造の輻射熱受感部は2分割に限定されるものではなく、複数分割した複数結合型球形状構造の輻射熱受感部をもちいても同様な効果がある。
図5に示すように、輻射熱受感部42は、この実施例5では、4分割した1/4球型の輻射熱受感部42a・・・を互いに対向配置させた1/4球結合型球形状構造の輻射熱受感部42が用いられている。
このプリント基板43・・・の基板主要部43b・・・から一体的に延設されている支持部43a・・・には、上記実施例1〜4と同様に、汎用の電子部品である測温素子44が実装されており、基板主要部43b・・・には、他の装置等にそれぞれ固定するための取付孔5と測温素子44からの信号を出力するためのスルーホールが形成されている。そして、このプリント基板43・・・は、1/4球型の輻射熱受感部42a・・・のいずれか一方の分割面に取り付けられている。このプリント基板43・・・と、1/4球型の輻射熱受感部42a・・・と、プリント基板43・・・の支持部43a・・・に支持された測温素子44とにより、1/4球型の輻射熱検出センサユニット41(41a、41a、41a、41a)を構成する。
次いで、4個の1/4球型の輻射熱検出センサユニット41a・・・に、それぞれ実装されている各測温素子44・・・が、1/4球結合型球形状構造の輻射熱受感部42・・・の中心部分に位置するように、4個の1/4球型の輻射熱検出センサユニット41a・・・を、90度回転させるとともに、互いに間隙47・・・を介在させて対向配置することにより1/4球結合型球形状構造の輻射熱受感部42・・・を構成する。
このように構成された1/4球結合型球形状構造の輻射熱受感部42・・・の中心部には、断面正方形の中心間隙47aが形成されるので、この中心間隙47aには、それぞれ4個の1/4球型の輻射熱検出センサユニット41a・・・を固定するための結合体49が取り付けられている。従って、4個の輻射熱検出センサユニット41a・・・と、これら4個の輻射熱検出センサユニット41a・・・を結合する中心結合体47aとにより、輻射熱検出センサ40が構成される。
このように、4個の1/4球型の輻射熱検出センサユニット41a・・・を、中心間隙47aを中心とするとともに、互いに間隙47、47・・・を介在して対向配置することにより、輻射熱検出センサ40が構成されているので、4方向の輻射熱の熱源を検出することができるとともに、各方位別の熱量をも検出することが出来る。
人間の生活環境の快適性評価指数として、PMV(予測平均温冷感)やET(有効温度)、OT(作用温度)、WBGT等があるが、いずれも輻射熱の熱量の計測が必要であり、この発明は、これら計測装置に用いられる。又、本発明では、コスト面・耐久面・製作容易性、小型化等の良好な輻射熱検出センサが得られるため、従来は導入されなかった住環境への導入の可能性が見込まれる。
同様に、ビル等の建物内の換気機能の検査や、労働環境基準の検査・監視、健康増進法に基づく分煙状況の検査・監視など、人間の居住環境および周囲環境のモニタリングへの応用が期待できる。
一方、病院等の医療機関においては、患者の周囲環境が患者の治療回復に影響を与えることが知られており、旧来より温度・湿度の管理は積極的に行われてきた。また、手術中や手術直後の患者や、生体調整機能に変調をきたしている患者は、体温調整機能が低下しているために、他の状態の患者よりも環境管理に特に注意を払う必要がある。さらに、手術患者の術後の経過は、手術中および手術後の患者に与える環境ストレスを最小化する事が特に求められている。しかし、快適性の評価要素の一つである気流速度や輻射熱は、これまで積極的に用いられる事は無かった。本発明により、輻射熱も含めたPMV等の快適性指標によって、術後等の患者の健康回復の促進が期待できる。病床数が減少している日本の医療環境において、患者の短期回復による早期退院が進めば、医療機関への負担および入院待ちを余儀なくされている患者にとってメリットがある。よって、医療現場への導入が期待できる。
産業分野においては、清浄空気環境における輻射熱の熱源の熱量や熱源の方向の検出、方向別の熱量の検出等に応用することが出来るので、清浄空気環境のモニタリングや植物生産管理への利用が見込まれる。
1、11、21、31、41 輻射熱検出センサ
2、22、32、42 輻射熱受感部
3、23、33,43 プリント基板
3a、22a、32a、42a 支持部
3b、23b、33b、43b 基板主要部
4、24、34、44 測温素子
5 取付孔
6 スルーホール
37、47 間隙
38 遮蔽板
39、49 結合体
2、22、32、42 輻射熱受感部
3、23、33,43 プリント基板
3a、22a、32a、42a 支持部
3b、23b、33b、43b 基板主要部
4、24、34、44 測温素子
5 取付孔
6 スルーホール
37、47 間隙
38 遮蔽板
39、49 結合体
Claims (12)
- 輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の温度を計測する測温素子とからなる輻射熱検出センサにおいて、
輻射熱検出センサは、前記輻射熱受感部と、プリント基板とからなり、
前記輻射熱受感部は、内部が充填された全球型球形状構造とし、
前記プリント基板は、前記測温素子を実装するとともに、この測温素子を前記輻射熱受感部に位置決め支持する支持部と、この支持部から一体的に延設されているとともに、他装置への取付孔と信号出力用のスルーホールとを備えた基板主要部とを有し、
前記測温素子が実装された前記支持部に、前記輻射熱受感部を固定して形成することにより輻射熱検出センサを構成すること
を特徴とする輻射熱検出センサ。 - 前記測温素子は、前記支持部の表面及び裏面にそれぞれ実装すること
を特徴とする請求項1に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記測温素子は、前記支持部の表面又は裏面の何れか一方の面に実装すること
を特徴とする請求項1に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記支持部に複数個の測温素子を実装するとともに、これら複数個の測温素子からの各出力を、これらの各出力にそれぞれ対応するA/Dコンバータに接続し、
測温素子の出力とA/Dコンバータとの組み合わせを複数設けることにより、微小な変化を検出可能とすること
を特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の輻射熱検出センサ。 - 輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の温度を計測する測温素子とからなる輻射熱検出センサにおいて、
前記輻射熱受感部は、全球型球形状構造を複数分割してなる複数結合型球形状構造とし、
前記輻射熱受感部の分割数に対応する複数個のプリント基板は、前記測温素子を実装するとともに、この測温素子を複数結合型球形状構造の前記輻射熱受感部に位置するように、位置決め支持する支持部と、この支持部に一体的に延設されているとともに、他装置への取付孔と信号出力用のスルーホールとを備えた基板主要部とを有し、
前記支持部を、前記輻射熱受感部の分割面にそれぞれ取り付けるとともに、それぞれの支持部に実装された測温素子が、前記複数結合型球形状構造の輻射熱受感部に位置するように、それぞれ位置決め取り付けること
を特徴とする輻射熱検出センサ。 - 前記輻射熱受感部は、前記全球型球形状構造を2分割してなる1/2球結合型球形状構造とし、
2個の前記測温素子は、前記支持部の表面及び裏面に、それぞれ互いに対向配置して実装すること
を特徴とする請求項5に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記輻射熱受感部は、間隙を介在させて各分割面を互いに対向配置してなり、
前記間隙に、前記輻射熱受感部の分割面に取り付けた前記支持部の各プリント基板を固定する結合体を配置したこと
を特徴とする請求項5に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記間隙に、遮蔽板を配置したこと
を特徴とする請求項7に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記遮蔽板及び前記結合体の代わりに、前記間隙に、前記プリント基板を貼着可能な断熱材を充填したこと
を特徴とする請求項8に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記輻射熱受感部は、前記全球型球形状構造を2分割するとともに、間隙を介在させて各分割面を互いに対向配置してなる1/2球結合型球形状構造としたこと
を特徴とする請求項8に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記輻射熱受感部は、間隙を介在させて各分割面を互いに対向配置してなり、
複数に分割された複数結合型の輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の分割面に取り付けた支持部のプリント基板と、このプリント基板の支持部に実装した測温素子とにより複数結合型の輻射熱検出センサユニットを構成し、
複数の前記測温素子が前記輻射熱受感部に位置するように、この複数結合型の輻射熱検出センサユニットを、複数個互いに間隙を介在させて対向配置して輻射熱検出センサを構成し、
この複数結合型球形構造の輻射熱受感部を有する輻射熱検出センサの中心部に形成される中心間隙に、複数個の前記複数結合型の輻射熱検出センサユニットをそれぞれ固定する結合体を取り付けたこと
を特徴とする請求項5に記載の輻射熱検出センサ。 - 前記輻射熱受感部は、4分割してなる1/4球結合型球形状構造とし、
この4分割された1/4球結合型の輻射熱受感部と、この輻射熱受感部の分割面に取り付けた支持部のプリント基板と、このプリント基板の支持部に実装した測温素子とにより1/4球結合型の輻射熱検出センサユニットを構成し、
4個の前記1/4球結合型の輻射熱検出センサユニットを、それぞれ90度回転させるとともに、互いに前記間隙を介在させて対向配置することにより、1/4球結合型球形状構造の輻射熱検出センサを構成したこと
を特徴とする請求項11に記載の輻射熱検出センサ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014094657A JP2015212636A (ja) | 2014-05-01 | 2014-05-01 | 輻射熱検出センサ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018093030A (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-14 | 三菱電機株式会社 | 電子機器および電子機器の製造方法 |
JP2018173309A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 株式会社奥村組 | 分割球体状黒球温度計による輻射熱推定方法及び輻射熱計測デバイス |
JP2020056598A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-09 | 三機工業株式会社 | 熱中症指標測定装置 |
-
2014
- 2014-05-01 JP JP2014094657A patent/JP2015212636A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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