JP2015211772A - 除染方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝縮判定を簡単に行うことができ、且つ気化蒸発式装置を用いることなく室内をドライ方式で確実に除染し得、専門のオペレータも不要とし得る除染方法及び装置を提供する。
【解決手段】室内1に、水を含む除菌剤をミスト噴霧する噴霧ユニット2と、ミストを室内に行き渡らせる撹拌ファン3とを配設し、室内温度θに基づきパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式φ=aθC+bθより求め、一次近似式に基づき除菌剤濃度Cから結露が生じる相対湿度φを求め、それに基づいて制御相対湿度φを求めて、湿度計8で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう遮断弁6へ開指令を出力し、相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう遮断弁6へ閉指令を出力し且つ除害装置10へ起動指令を出力する動力制御盤11を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、医薬品製造施設や動物実験施設のバイオクリーンルーム等の、細菌等の微生物、生物の免疫に働きかける物質や、生物の細胞等を扱う室内について、使用後に室内全般を殺菌するために用いられる除染方法及び装置に関するものである。
従来、バイオクリーンルーム等の室内の殺菌としては、ホルムアルデヒド燻蒸による除染が主流であったが、ホルムアルデヒドは毒性が強く発ガン性等の人体への影響が懸念されると共に、特定化学物質障害予防規則の改正により規制が強化されたことから、その使用が敬遠されてきている。
このため、ホルムアルデヒド燻蒸の代替方法として、過酸化水素、オゾン、過酢酸、二酸化塩素等の除菌剤による除染方法が検討されている。ところが、ホルムアルデヒドは常温でも気化しやすく水溶液から熱をかけて気化させると凝縮しにくいのだが、代替の除菌剤の中にはホルムアルデヒドほど沸点が高くなく気化しやすくない物質もある。
除染方法の一例として、過酸化水素を用い、その飽和濃度を超える条件で除染を行う、いわゆるウェット方式の除染方法がある。過酸化水素は分解後に酸素と水になる毒性のない安全な物質であり、市販されている30〜35wt%水溶液を加熱気化して除染を行うが、容積の限られる対象室内に密封された空気の飽和濃度を超えるまで加熱気化し続けることで、その温度での気体としての過酸化水素最大濃度まで室内を充満させることができ、効率的な除染が可能だが、酸化還元反応の強い過酸化水素の結露により室内の内装や機器に腐食を生じさせてしまう可能性があった。
又、前記腐食を避けるため、飽和蒸気圧の計算式を基本とした演算により、過酸化水素蒸気の凝縮の有無を判定しながら過酸化水素蒸気の凝縮を避けた除染を行う、いわゆるドライ方式の除染方法がある。
尚、前記ドライ方式の除染方法に関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特許第4977233号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているドライ方式の除染方法では、除染中に過酸化水素が飽和条件を超えていないことを、除染対象室内温湿度状態での過酸化水素蒸気圧及び水蒸気圧や、その室内温度での飽和過酸化水素蒸気圧や飽和水蒸気圧、液相モル分率及び活量係数をコンピュータによって全てリアルタイムで演算しなければならず、凝縮判定が非常に複雑化するという欠点を有していた。又、これ以外のドライ方式の除染方法では、過酸化水素蒸気の室内凝縮を凝縮センサにより監視するもの等があり、凝縮センサにおける過酸化水素蒸気の凝縮消失を見る技術もあるが、凝縮センサ位置で凝縮させるならば室内のどこかで凝縮している可能性が高く、ドライとならない。
又、従来の除染方法では、ウェット方式及びドライ方式のいずれにおいても、過酸化水素蒸気の発生に気化蒸発式装置が用いられているが、該気化蒸発式装置は、非常に高価で且つ取り扱いが難しく、専門のオペレータが必要となっていた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、凝縮判定を簡単に行うことができ、且つ気化蒸発式装置を用いることなく室内をドライ方式で確実に除染し得、専門のオペレータも不要とし得る除染方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、水を含む除菌剤をミスト噴霧して室内の除染を行う除染方法において、
室内の相対湿度φと、温度θと、除菌剤濃度Cとを計測する計測工程と、
相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能としているパラメータ演算工程と、
該パラメータ演算工程における前記関係式に、前記計測工程で計測された温度を代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
φ=aθC+bθ
として求める飽和蒸気圧線近似演算工程と、
該飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき、計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求め、前記相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行い、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止する結露判定工程と
を有することを特徴とする除染方法にかかるものである。
本発明は、水を含む除菌剤をミスト噴霧して室内の除染を行う除染方法において、
室内の相対湿度φと、温度θと、除菌剤濃度Cとを計測する計測工程と、
相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能にしているパラメータ演算工程と、
計測された前記除菌剤濃度Cに基づいて、前記所定の除菌剤濃度Csに代入する値を選定した後、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を演算設定する接線設定演算工程と、
前記接線設定演算工程により演算設定された、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
φ=aθC+bθ
として求める飽和蒸気圧線近似演算工程と、
該飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき、計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求め、計測される前記相対湿度φが前記制御相対湿度φより低い場合には除染を行い、前記相対湿度φが前記制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止する結露判定工程と
を有することを特徴とする除染方法にかかるものである。
本発明は、水を含む除菌剤をミスト噴霧して室内の除染を行う除染方法において、
室内の相対湿度φと、温度θと、除菌剤濃度Cとを計測する計測工程と、
相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能にしているパラメータ演算工程と、
該パラメータ演算工程における前記関係式に、想定される温度θを5〜10個代入してパラメータaθとパラメータbθとを求めて、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
φ=aθC+bθ
として予め求めておき、前記計測工程で計測された温度θに基づき一次近似式を選択して求める飽和蒸気圧線近似演算工程と、
該飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき、計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求め、計測される前記相対湿度φが前記制御相対湿度φより低い場合には除染を行い、前記相対湿度φが前記制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止する結露判定工程と
を有することを特徴とする除染方法にかかるものである。
前記除染方法において、
前記所定の除菌剤濃度Csは、150〜400ppmであることが好ましい。
前記除染方法において、
前記温度θは、15〜30℃であることが好ましい。
前記除染方法においては、前記結露判定工程で除染が行われる場合に、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度下限設定値CL0より低い時には前記ミスト噴霧を行い、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度上限設定値CH1以上となる時には前記ミスト噴霧を停止するミスト噴霧発停工程を有することが好ましい。
前記除染方法において、前記除菌剤は過酸化水素であることが好ましい。
又、本発明は、除染対象である室内の壁面に沿って循環する撹拌気流が生じるよう、吹出口を前記循環する撹拌気流と同じ方向に向けて設置される複数の撹拌ファンと、
前記循環する撹拌気流の内側に、該循環する撹拌気流と同じ方向へ水を含む除菌剤をミスト噴霧する噴霧ユニットとを備え、
前記循環する撹拌気流により前記噴霧ユニットから噴霧されるミストを室内に行き渡らせることで、湿度の低い気流を前記室内の壁面に沿わせることにより、前記室内の壁面への除菌剤の結露を制御することを特徴とする除染装置にかかるものである。
本発明は、前記室内の温度θを計測する温度計と、
前記室内の相対湿度φを計測する湿度計と、
前記室内の除菌剤濃度Cを計測する濃度計と、
前記噴霧ユニットへ噴霧用の圧縮空気を供給する空気配管途中に設けられた遮断弁と、
相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記温度計で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
φ=aθC+bθ
として求める飽和蒸気圧線近似演算部と、
該飽和蒸気圧線近似演算部で求められた一次近似式に基づき前記濃度計で計測された除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部と、
該飽和相対湿度演算部で求められた制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁へ閉指令を出力する結露判定演算部と
を備えることを特徴とする除染装置にかかるものである。
本発明は、室内の温度θを計測する温度計と、
室内の相対湿度φを計測する湿度計と、
室内の除菌剤濃度Cを計測する濃度計と、
噴霧ユニットへ噴霧用の圧縮空気を供給する空気配管途中に設けられた遮断弁と、
相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤し水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を記憶していて、前記濃度計で計測された前記除菌剤濃度Cに基づいて、前記所定の除菌剤濃度Csに代入する値を選定し、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を演算し接線を設定する演算を行った後、
前記温度計で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
φ=aθC+bθ
として求める飽和蒸気圧線近似演算部と、
該飽和蒸気圧線近似演算部で求められた一次近似式に基づき、前記濃度計で計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部と、
該飽和相対湿度演算部で求められた制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁へ閉指令を出力する結露判定演算部と、
を備えることを特徴とする除染装置にかかるものである。
本発明は、室内の温度θを計測する温度計と、
室内の相対湿度φを計測する湿度計と、
室内の除菌剤濃度Cを計測する濃度計と、
噴霧ユニットへ噴霧用の圧縮空気を供給する空気配管途中に設けられた遮断弁と、
相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、想定される温度θを5〜10個代入してパラメータaθとパラメータbθとを求めて、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
φ=aθC+bθ
として予め複数求めておき、前記温度計で計測された温度θに基づき一次近似式を選択して求める飽和蒸気圧線近似演算部と、
該飽和蒸気圧線近似演算部で求められた一次近似式に基づき、前記濃度計で計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部と、
前記飽和相対湿度演算部から出力された制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁へ閉指令を出力する結露判定演算部と、
を備えることを特徴とする除染装置にかかるものである。
前記除染装置において、
記所定の除菌剤濃度Csは、150〜400ppmであることが好ましい。
前記除染装置において、
前記温度θは、15〜30℃であることが好ましい。
前記除染装置において、
前記室内にミスト噴霧された除菌剤を無害化する除害装置を更に備え、
前記結露判定演算部から前記除害装置へ起動指令を出力することが好ましい。
前記除染装置において、前記結露判定演算部は、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低く除染が行われる場合に、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度下限設定値CL0より低い時には前記遮断弁へ開指令を出力してミスト噴霧を行い、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度上限設定値CH1以上となる時には前記遮断弁へ閉指令を出力してミスト噴霧を停止することが好ましい。
前記除染装置において、前記除菌剤は過酸化水素であることが好ましい。
本発明の除染方法及び装置によれば、凝縮判定を簡単に行うことができ、且つ気化蒸発式装置を用いることなく室内をドライ方式で確実に除染し得、専門のオペレータも不要とし得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の除染方法及び装置の実施例を示す全体概要斜視図である。 本発明の除染方法及び装置の実施例を示す制御ブロック図である。 本発明の除染方法及び装置の実施例を示すフローチャートである。 除菌剤(過酸化水素)と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図である。 温度θと飽和蒸気圧線の一次近似式におけるパラメータaθとの関係を示す線図である。 温度θと飽和蒸気圧線の一次近似式におけるパラメータbθとの関係を示す線図である。 温度θと飽和蒸気圧線の一次近似式におけるパラメータaθとの関係を、飽和蒸気圧線の一次近似式を定義する際の接点である所定の過酸化水素濃度Csを変更した場合の各関係式を例示する線図である。 温度θと飽和蒸気圧線の一次近似式におけるパラメータbθとの関係を、飽和蒸気圧線の一次近似式を定義する際の接点である所定の過酸化水素濃度Csを変更した場合の各関係式を例示する線図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図6は本発明の除染方法及び装置の第一の実施例であって、医薬品製造施設や動物実験施設のバイオクリーンルーム等の、細菌等の微生物、生物の免疫に働きかける物質や、生物の細胞等を扱う室内1に、除染対象である室内1の壁面に沿って循環する撹拌気流が生じるよう、吹出口3aを循環する撹拌気流と同じ方向に向けて設置される複数のタワー型の撹拌ファン3と、前記循環する撹拌気流の内側に、前記循環する撹拌気流と同じ方向へ水を含む除菌剤をミスト噴霧する噴霧ユニット2とを配設してある。前記タワー型の撹拌ファン3は、循環する撹拌気流が急激に向きを変える前記室内1の隅部(図1の例では四隅部)に配設することが、前記室内1の壁面に撹拌気流を貼り付けるように流通させる上で、撹拌ファン3の吹出口3aの配設による撹拌気流の方向付けの面から有利となる。前記循環する撹拌気流により前記噴霧ユニット2から噴霧されるミストを室内1に行き渡らせることで、湿度の低い気流を前記室内1の壁面に沿わせることにより、前記室内1の壁面への除菌剤の結露を制御するものである。これにより、前記噴霧ユニット2から噴霧されるミストを室内1に均等に行き渡らせながら、室内1の壁面に凝結しかねない飽和蒸気圧に近い空気を近づけないようになっている。尚、本実施例の場合、除菌剤は過酸化水素を用いるようにしてある。
前記噴霧ユニット2には、コンプレッサ4が空気配管5を介して接続され、該空気配管5途中には、電磁式の遮断弁6が設けられ、該遮断弁6の開閉動作により、コンプレッサ4から空気配管5を介して圧縮空気の供給・停止が行われ、水を含む除菌剤としての過酸化水素が噴霧ユニット2からミスト噴霧されてON−OFF制御されるようになっている。
前記室内1には、温度θ[℃]を計測する温度計7と、相対湿度φ[%RH](RH:Relative Humidity)を計測する湿度計8と、過酸化水素濃度C[ppm]を計測する濃度計9とが配置されている。
又、前記室内1には、ミスト噴霧された過酸化水素を無害化する除害装置10が配置されている。該除害装置10としては、例えば、活性炭が内蔵され且つ室内1の空気を吸い込んで排出することにより過酸化水素を活性炭に吸着させる形式のものが利用できる。但し、このような形式のものに限らず、外部の空気から細菌等を物理的に除去するHEPAフィルタを通過させて室内1に導入しつつ、室内1の空気を外部へ排出する換気装置を前記除害装置10として用いるようにしても良い。
前記温度計7と湿度計8と濃度計9は、各々計測信号を送ることができる計測信号配線を介して動力制御盤11に接続されている。該動力制御盤11は、図2に示す如く、実際の温度θを表示する表示部12Dが設けられた温度指示調節部12と、実際の相対湿度φを表示する表示部13Dが設けられた湿度指示調節部13と、実際の過酸化水素濃度Cを表示する表示部14Dが設けられた濃度指示調節部14とを備えている。
上記計測信号配線について述べると、例えば、アナログ方式として弱い直流電流に信号を載せる場合、前記温度指示調節部12には、温度θを4〜20mAの電流に割り付けて温度計測値として温度計7から入力するようになっている。前記湿度指示調節部13には、相対湿度φを4〜20mAの電流に割り付けて湿度計測値として湿度計8から入力するようになっている。前記濃度指示調節部14には、過酸化水素濃度Cを4〜20mAの濃度計測値として濃度計9から入力するようになっている。
前記温度指示調節部12、前記湿度指示調節部13、及び前記湿度指示調節部14からの出力について以下に述べる。前記温度指示調節部12には、入力された温度θを4〜20mAの電流に割り付けて温度計測値として結露演算器15の飽和蒸気圧線近似演算部16へ入力するようになっている。前記湿度指示調節部13は、入力された相対湿度φを4〜20mAの電流に割り付けて湿度計測値として結露演算器15の結露判定演算部17へ入力するようになっている。前記濃度指示調節部14は、入力された過酸化水素濃度Cの4〜20mAの電流に割り付けて送られた濃度計測値と、予め設定されている過酸化水素濃度上限設定値CH1との偏差を演算して、該偏差が正の場合、開閉指令をON−OFFの接点信号として出力すると共に、入力された過酸化水素濃度Cを4〜20mAの電流に割り付けて濃度計測値として結露演算器15の飽和相対湿度演算部18へ入力するようになっている。勿論、信号を載せる信号は、例えば、アナログでは1〜5Vの電圧信号でも、デジタルとしてのパルス信号であっても良い。又、前記温度指示調節部12、前記湿度指示調節部13については、温度計測値や湿度計測値の表示があれば良いので、例えば、温度計7や湿度計8の本体とプローブがケーブルを介して分離されているような型の場合、本体に表示部があるなら、それで代用しても良い。
前記飽和蒸気圧線近似演算部16は、相対湿度φと過酸化水素濃度Cとの関係を示す空気中の過酸化水素と水の二成分系の過酸化水素の飽和蒸気圧線に対し、所定の過酸化水素濃度Cs[ppm](本実施例ではCs=200[ppm]としている。)での接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記温度計7で計測された温度θを代入してパラメータ演算できるように演算式を記憶しており、前記温度計7で計測された温度θに基づきパラメータaθとパラメータbθとを求め、過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
[数1]
φ=aθC+bθ
として求めるようになっている。ここで、図4は過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図であり、その理論式は、図4中、実線で示す如く、温度θ毎に右下がりで下側へ凸形状となる緩やかな曲線となるが、この理論式をその都度リアルタイムで求めることは、その演算が非常に複雑化することが避けられない。
因みに、二成分系の飽和蒸気圧に関する理論式は、以下のように表される。
[数2]
=γχ
[数3]
=γχ
[数4]
γ=exp{(1−χ/RT×[B−B(1−4χ)+B(1−2χ)(1−6χ)]}
[数5]
γ=exp{χ /RT×[B+B(3−4χ)+B2(1−2χ)(5−6χ)]}
[数6]
χ+χ=1
[数7]
=exp(A−B/(C+θ))
[数8]
=exp(A−B/(C+θ))
但し、P:水と過酸化水素の二成分下における水の飽和蒸気圧[Torr]
:水と過酸化水素の二成分下における過酸化水素の飽和蒸気圧[Torr]
γ:活量係数
γ:活量係数
χ:過酸化水素中の水の液相モル分率
χ:過酸化水素中の過酸化水素の液相モル分率
:水成分のみが存在するときの水の飽和蒸気圧[Torr]
:過酸化水素成分のみが存在するときの過酸化水素の飽和蒸気圧[Torr]
R:気体定数
T:絶対温度[K]
,B,B:定数
,B,C:定数
,B,C:定数
そこで、本実施例では、過酸化水素濃度C、つまり所定の過酸化水素濃度Csを200ppmとして、そのポイントで前記理論式の曲線に接する接線(図4における破線参照)を前記一次近似式としている。前記パラメータaθは、[数1]の一次近似式で示される直線の傾きを表すものであり、図5に示すような温度θに基づき求められる数値として、前記飽和蒸気圧線近似演算部16に予め記憶されている。前記パラメータbθは、[数1]の一次近似式で示される直線の過酸化水素濃度Cが0の場合の相対湿度φを表すものであり、図6に示すような温度θに基づき求められる数値として、前記飽和蒸気圧線近似演算部16に予め記憶されている。
前記飽和蒸気圧線近似演算部16からは、[数1]の関係式情報を前記飽和相対湿度演算部18に出力し、計測された過酸化水素濃度Cにより、結露が生じる相対湿度φを求めることができるように[数1]の関係式情報をやり取りする。
前記飽和相対湿度演算部18は、前記飽和蒸気圧線近似演算部16で求められた一次近似式と、前記濃度計9で計測された過酸化水素濃度Cとに基づき、結露が生じる相対湿度φ即ち飽和相対湿度を湿度設定値として求めるようになっている。前記飽和相対湿度演算部18からは、求められた湿度設定値である相対湿度φについて、そのまま相対湿度φとして出力しても良いが、求められた相対湿度値から、例えば、3[%]、5[%]や10[%]等、定数を減じた相対湿度値を、制御相対湿度φとして、例えば、アナログの4〜20mAの電流に割り付けて、設定信号として前記結露判定演算部17へ出力しても良い。
前記結露判定演算部17は、入力された湿度設定値である制御相対湿度φを設定値として逐次変更しながら、前記湿度計8で計測された相対湿度φと湿度設定値である制御相対湿度φとの偏差を演算し、前記湿度計8で計測された相対湿度φが前記飽和相対湿度演算部18で求められた制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するようセレクタ19を介して前記遮断弁6へ強制的に閉指令を、例えば接点信号として出力し、且つ前記除害装置10へ起動指令を出力し、更に結露警報器20へ警報指令を出力するようになっている。
前記湿度計8で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低く、前記結露判定演算部17から閉指令が出力されず、除染が行われる場合、前記過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度下限設定値CL0より低い時には、前記濃度指示調節部14から前記遮断弁6へ前記セレクタ19を介し開指令を出力してミスト噴霧を行い、前記過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度上限設定値CH1以上となる時には、前記濃度指示調節部14から前記遮断弁6へ前記セレクタ19を介し閉指令を出力してミスト噴霧を停止するようになっている。
本実施例の場合、前記過酸化水素濃度下限設定値CL0は、210ppmとし、前記過酸化水素濃度上限設定値CH1は、230ppmとしてある。これは、過酸化水素は、噴霧されて気化した後、空気中で分解して酸素と水に分解する(半減期は数十分と言われている)ので、常に気中濃度を200ppmに保つために、このような上下限濃度にて噴霧管理するのである。気中濃度を、仮に例えば300ppmに設定した際にも、下限値を+10ppm程度、上限値を+30〜+50ppm程度にかさ上げして管理することができる。
一方、図3は本発明の除染方法及び装置の実施例を示すフローチャートであり、先ず、ステップS1として前記遮断弁6は閉じた状態に保持されている。続くステップS2として、前記室内1の温度θと、相対湿度φと、過酸化水素濃度Cとを計測する計測工程が行われる。ステップS3として、相対湿度φと過酸化水素濃度Cとの関係を示す空気中の過酸化水素と水の二成分系の過酸化水素の飽和蒸気圧線に対し、所定の過酸化水素濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式([数1]参照)より求める飽和蒸気圧線近似演算工程が行われる。尚、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能としている工程をパラメータ演算工程と定義する。ステップS4として、前記飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき前記過酸化水素濃度Cから結露が生じる制御相対湿度φを求め、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上であると判定された場合にはステップS5として除染を停止する結露判定工程が行われる。該結露判定工程で前記相対湿度φが制御相対湿度φより低いと判定された場合、続くステップS6として、除染開始からの時間t[min]が設定時間tset(例えば、240[min]=4[hr])以上経過したと判定された時点で、ステップS7として除染完了とする。前記除染開始からの時間t[min]が設定時間tsetに満たない場合、ステップS8として、過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度下限設定値CL0より低いと判定された時には、ステップS9として、遮断弁6が開かれてミスト噴霧が行われる。続くステップS10として、前記過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度上限設定値CH1以上であると判定された時には、ステップS11として、前記遮断弁6が閉じミスト噴霧が停止され、前記ステップS2へ戻り、前述と同様の操作が繰り返される。尚、前記ステップS8において、過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度下限設定値CL0以上であると判定された時には、前記ステップS10の判定に進み、該ステップS10において、前記過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度上限設定値CH1より低いと判定された時には、前記遮断弁6を閉じることなくステップS2へ戻る。因みに、前記ステップS8〜ステップS11の操作がミスト噴霧発停工程となる。
次に、上記実施例の作用を説明する。
図3のフローチャートに示す如く、先ず、ステップS1として遮断弁6は閉じた状態に保持されている。
続くステップS2として、前記室内1の温度θと相対湿度φと過酸化水素濃度Cとが、温度計7と湿度計8と濃度計9とによって計測される(計測工程)。計測された前記室内1の温度θと相対湿度φと過酸化水素濃度Cは、図1及び図2に示す動力制御盤11の温度指示調節部12の表示部12Dと湿度指示調節部13の表示部13Dと濃度指示調節部14の表示部14Dにそれぞれ表示される。
ステップS3として、前記計測工程で計測された温度θに基づきパラメータaθとパラメータbθとが図5及び図6に示す線図から求められ、過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図が一次近似式([数1]参照)より求められる(飽和蒸気圧線近似演算工程)。該飽和蒸気圧線近似演算工程は、図2に示す飽和蒸気圧線近似演算部16で行われる。尚、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能としている工程がパラメータ演算工程となる。
ステップS4として、前記飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき前記過酸化水素濃度Cから結露が生じる相対湿度φが求められ、それに基づいて制御相対湿度φを求めて、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上であるか否かの判定が行われる(結露判定工程)。ここで、例えば、温度θ=20[℃]で、過酸化水素濃度C=200[ppm]である場合、結露が生じる相対湿度φは、図4に示す線図より、およそ79[%]となる。ここで、例えば、前記制御相対湿度φをそのまま79[%]としても良いが、例えば定数の5[%]を減じる演算を行って、74[%]として制御相対湿度φを求めるようにしても良い。前記結露判定工程は、前記飽和蒸気圧線近似演算部16で求められた一次近似式と、前記濃度計9で計測された過酸化水素濃度Cとに基づき、図2に示す飽和相対湿度演算部18において、結露が生じる制御相対湿度φ即ち飽和相対湿度が湿度設定値として求められ、図2に示す結露判定演算部17において、前記湿度計8で計測された相対湿度φが前記飽和相対湿度演算部18で求められた制御相対湿度φ以上であるか否かを判定することによって行われる。
前記結露判定工程で前記相対湿度φが制御相対湿度φより低いと判定された場合、続くステップS6として、除染開始からの時間t[min]が設定時間tset(例えば、240[min]=4[hr])以上経過したか否かの判定が行われる。
前記除染開始からの時間t[min]が設定時間tsetに満たない場合、ステップS8として、過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度下限設定値CL0より低いと判定された時には、ステップS9として、遮断弁6が開かれてミスト噴霧が行われる(ミスト噴霧発停工程)。該ミスト噴霧発停工程は、図2に示す濃度指示調節部14から前記遮断弁6へ前記セレクタ19を介して出力される開指令によって行われる。
続くステップS10として、前記過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度上限設定値CH1以上であると判定された時には、ステップS11として、前記遮断弁6が閉じミスト噴霧が停止される(ミスト噴霧発停工程)。該ミスト噴霧発停工程は、図2に示す濃度指示調節部14から前記遮断弁6へ前記セレクタ19を介して出力される閉指令によって行われる。
この後、前記ステップS2へ戻り、前述と同様の操作が繰り返される。
尚、前記ステップS8において、過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度下限設定値CL0以上であると判定された時には、前記ステップS10の判定に進み、該ステップS10において、前記過酸化水素濃度Cが過酸化水素濃度上限設定値CH1より低いと判定された時には、前記遮断弁6を閉じることなくステップS2へ戻る。
そして、前記噴霧ユニット2から水を含む過酸化水素のミストが噴霧されると、図1に示す撹拌ファン3の作用により、空気中で過酸化水素のミストが短時間に蒸発して室内1の隅々まで均一に行き渡り、ドライ方式での除染が可能となる。
図3に示す前記ステップS4の結露判定工程において、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上であると判定された場合にはステップS5として除染が停止される。この除染停止操作は、図2に示す前記結露判定演算部17からセレクタ19を介して前記遮断弁6へ強制的に閉指令が出力されて該遮断弁6が閉じることによって行われる。同時に、前記除害装置10へ起動指令が出力されて該除害装置10に室内1の空気が吸い込まれ、活性炭にミスト噴射された過酸化水素が吸着されて無害化されつつ、前記除害装置10から空気が排出され、更に結露警報器20へ警報指令が出力される。この結果、過酸化水素の結露により室内1の内装や機器に腐食を生じさせてしまうことが確実に回避される。
ステップS6において、除染開始からの時間t[min]が設定時間tset(例えば、240[min]=4[hr])以上経過したと判定されると、この時点で、ステップS7として除染完了となり、前記遮断弁6が閉じられる。
本実施例においては、[数2]〜[数8]に示されるような理論式をその都度リアルタイムで演算するのではなく、図4における破線で示される一次近似式を用いているため、その演算が複雑化せず、特許文献1に開示されているドライ方式の除染方法と比較して、凝縮判定がきわめて容易に行える。尚、図4における破線で示される一次近似式は、過酸化水素濃度Cが200ppmとなるポイントで前記理論式の曲線に接する接線としてあるため、当然のことながら、過酸化水素濃度Cが200ppmから増加側或いは減少側へ変動するほど、結露が生じる相対湿度φの誤差が大きくなるが、前記過酸化水素濃度下限設定値CL0は、210ppmとし、前記過酸化水素濃度上限設定値CH1は、230ppmとして、その範囲内に収まるように過酸化水素濃度Cを制御しているため、前記相対湿度φの誤差は許容範囲となり、問題とはならない。又、過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す理論式は、図4中、実線で示す如く、温度θ毎に右下がりで下側へ凸形状となる緩やかな曲線であるが、図4における破線で示される一次近似式を用いているので、計測された過酸化水素濃度Cが200ppmから増加側或いは減少側へ変動するほど、求まる相対湿度φは実際に結露する相対湿度値より小さい値となり、安全側の値を示す。
ここで、第二の実施例として、計測された前記過酸化水素濃度Cに基づいて、前記所定の過酸化水素濃度Csに代入する値を選定した後、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を演算設定する接線設定演算工程を更に有する除染方法や、この演算部を有する除染装置が考えられる。
前記第二の実施例としての除染方法や除染装置では、例えば、短時間で除染を行う必要が生じたり、或いは除染が長時間になっても低濃度で除染して早く除害を行ったりしたい等、室の運用上で除染に対する要求が異なる場合に、過酸化水素濃度変更を行っても、正確に且つ過酸化水素の所定濃度噴霧を邪魔しないで、結露防止ができる利点がある。
この場合、図2における飽和蒸気圧線近似演算部16に対し、温度計7から温度指示調節部12を介して計測信号が入力される他に、濃度計9から濃度指示調節部14を介し飽和相対湿度演算部18へ出力される計測信号が並行に入力されるようになっていれば良い。前記飽和蒸気圧線近似演算部16は、先ず、計測された過酸化水素濃度Cの値をもとに、図7及び図8のように、所定の過酸化水素濃度Csを、例えば200ppm、250ppm、300ppmとして、それぞれのポイントで理論式の曲線に接する接線(図4における破線参照)を前記一次近似式としている。よって接点が異なれば接線の傾きや切片が異なることとなり、前記パラメータaθは、[数1]の一次近似式で示される直線の傾きを表すものであり、図7に示すような温度θに基づき求められる数値として、前記飽和蒸気圧線近似演算部16に予めそれぞれ記憶され、前記パラメータbθは、[数1]の一次近似式で示される直線の過酸化水素濃度Cが0ppmの場合の相対湿度φを表すものであり、図6に示すような温度θに基づき求められる数値として、前記飽和蒸気圧線近似演算部16に予めそれぞれ記憶されているが、これらの情報から計測された過酸化水素濃度Cに基づき、最も近い所定の過酸化水素濃度Csの一次近似式のパラメータ式を選んで適用させる接線設定演算を行う。
その後、前記飽和蒸気圧線近似演算部16は、相対湿度φと過酸化水素濃度Cとの関係を示す空気中の過酸化水素と水の二成分系の過酸化水素の飽和蒸気圧線に対し、所定の過酸化水素濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記温度計7で計測された温度θを代入してパラメータ演算できるように演算式を記憶しており、前記温度計7で計測された温度θに基づきパラメータaθとパラメータbθとを求め、過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
[数1]
φ=aθC+bθ
として求めるようになっている。その後は、前記第一の実施例と同じである。
一方、第三の実施例としては、結露演算器15(飽和蒸気圧線近似演算部16、飽和相対湿度演算部18、結露判定演算部17)のデジタル化による構成、つまり比較演算が容易になる演算部を想定して、飽和蒸気圧線近似演算部16の演算簡略を図るため、以下のような構成とする。
前記飽和蒸気圧線近似演算部16は、相対湿度φと過酸化水素濃度Cとの関係を示す空気中の過酸化水素と水の二成分系の過酸化水素の飽和蒸気圧線に対し、所定の過酸化水素濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記温度計7で計測された温度θを代入してパラメータ演算できるように演算式を記憶しており、想定される温度θを5〜10個代入してパラメータaθとパラメータbθとを求めて、過酸化水素と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
[数1]
φ=aθC+bθ
として予め複数求めておく飽和蒸気圧線近似演算工程を備えていて、
前記温度計7で計測された温度θに基づき、過酸化水素と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
[数1]
φ=aθC+bθ
から選択して求めて、これで求められた一次近似式に基づき、計測される前記過酸化水素濃度Cから過酸化水素の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部18と、該飽和相対湿度演算部18から出力された制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計8で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁6へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁6へ閉指令を出力する結露判定演算部17とを備えるものである。
これにより、ほぼ図4の図で示される式を選択できるので、操作者のイメージが持ちやすく、管理がしやすいものである。
又、図4の理論式の曲線に接する接点である所定の過酸化水素濃度Csについては、除染として現実的な過酸化水素の除染時維持濃度である150〜400ppmで設定すれば、設定範囲として現実的であり、且つ正確に管理ができる。
又、医薬品製造施設や動物実験施設のバイオクリーンルーム等の、細菌等の微生物、生物の免疫に働きかける物質や、生物の細胞等を扱う室内1では、夜間空調停止等があったとしても、翌日の朝に上昇する可能性のある室温で、且つ微生物等の活性がある程度ある温度の15〜30℃を除染時の室温として扱えば充分実現性があり、又、室内環境としても除染後、作業者が利用するのに適している。
又、従来の除染方法とは異なり、過酸化水素蒸気の発生に不可欠であった非常に高価で且つ取り扱いが難しい気化蒸発式装置が不要となり、専門のオペレータがいなくても除染を行うことが可能となる。
こうして、凝縮判定を簡単に行うことができ、且つ気化蒸発式装置を用いることなく室内1をドライ方式で確実に除染し得、専門のオペレータも不要とし得る。
尚、本発明の除染方法及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 室内
2 噴霧ユニット
3 撹拌ファン
3a 吹出口
4 コンプレッサ
5 空気配管
6 遮断弁
7 温度計
8 湿度計
9 濃度計
10 除害装置
11 動力制御盤
15 結露演算器
16 飽和蒸気圧線近似演算部
17 結露判定演算部
18 飽和相対湿度演算部
θ パラメータ
θ パラメータ
C 過酸化水素濃度(除菌剤濃度)
Cs 所定の過酸化水素濃度(所定の除菌剤濃度)
H1 過酸化水素濃度上限設定値(除菌剤濃度上限設定値)
L0 過酸化水素濃度下限設定値(除菌剤濃度下限設定値)
t 時間
set 設定時間
θ 温度
φ 相対湿度
φ 相対湿度又は制御相対湿度

Claims (16)

  1. 水を含む除菌剤をミスト噴霧して室内の除染を行う除染方法において、
    室内の相対湿度φと、温度θと、除菌剤濃度Cとを計測する計測工程と、
    相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能としているパラメータ演算工程と、
    該パラメータ演算工程における前記関係式に、前記計測工程で計測された温度を代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
    φ=aθC+bθ
    として求める飽和蒸気圧線近似演算工程と、
    該飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき、計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求め、前記相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行い、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止する結露判定工程と
    を有することを特徴とする除染方法。
  2. 水を含む除菌剤をミスト噴霧して室内の除染を行う除染方法において、
    室内の相対湿度φと、温度θと、除菌剤濃度Cとを計測する計測工程と、
    相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能にしているパラメータ演算工程と、
    計測された前記除菌剤濃度Cに基づいて、前記所定の除菌剤濃度Csに代入する値を選定した後、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を演算設定する接線設定演算工程と、
    前記接線設定演算工程により演算設定された、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
    φ=aθC+bθ
    として求める飽和蒸気圧線近似演算工程と、
    該飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき、計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求め、計測される前記相対湿度φが前記制御相対湿度φより低い場合には除染を行い、前記相対湿度φが前記制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止する結露判定工程と
    を有することを特徴とする除染方法。
  3. 水を含む除菌剤をミスト噴霧して室内の除染を行う除染方法において、
    室内の相対湿度φと、温度θと、除菌剤濃度Cとを計測する計測工程と、
    相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記計測工程で計測された温度θを代入可能にしているパラメータ演算工程と、
    該パラメータ演算工程における前記関係式に、想定される温度θを5〜10個代入してパラメータaθとパラメータbθとを求めて、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
    φ=aθC+bθ
    として予め求めておき、前記計測工程で計測された温度θに基づき一次近似式を選択して求める飽和蒸気圧線近似演算工程と、
    該飽和蒸気圧線近似演算工程で求められた一次近似式に基づき、計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求め、計測される前記相対湿度φが前記制御相対湿度φより低い場合には除染を行い、前記相対湿度φが前記制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止する結露判定工程と
    を有することを特徴とする除染方法。
  4. 前記請求項1乃至3の何れか一項に記載の除染方法において、
    前記所定の除菌剤濃度Csは、150〜400ppmであることを特徴とする除染方法。
  5. 前記請求項1乃至4の何れか一項に記載の除染方法において、
    前記温度θは、15〜30℃であることを特徴とする除染方法。
  6. 前記請求項1乃至5の何れか一項に記載の除染方法において、
    前記結露判定工程で除染が行われる場合に、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度下限設定値CL0より低い時には前記ミスト噴霧を行い、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度上限設定値CH1以上となる時には前記ミスト噴霧を停止するミスト噴霧発停工程を有することを特徴とする除染方法。
  7. 前記請求項1乃至6の何れか一項に記載の除染方法において、
    前記除菌剤は過酸化水素であることを特徴とする除染方法。
  8. 除染対象である室内の壁面に沿って循環する撹拌気流が生じるよう、吹出口を前記循環する撹拌気流と同じ方向に向けて設置される複数の撹拌ファンと、
    前記循環する撹拌気流の内側に、該循環する撹拌気流と同じ方向へ水を含む除菌剤をミスト噴霧する噴霧ユニットとを備え、
    前記循環する撹拌気流により前記噴霧ユニットから噴霧されるミストを室内に行き渡らせることで、湿度の低い気流を前記室内の壁面に沿わせることにより、前記室内の壁面への除菌剤の結露を制御することを特徴とする除染装置。
  9. 前記室内の温度θを計測する温度計と、
    前記室内の相対湿度φを計測する湿度計と、
    前記室内の除菌剤濃度Cを計測する濃度計と、
    前記噴霧ユニットへ噴霧用の圧縮空気を供給する空気配管途中に設けられた遮断弁と、
    相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、前記温度計で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中における飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
    φ=aθC+bθ
    として求める飽和蒸気圧線近似演算部と、
    該飽和蒸気圧線近似演算部で求められた一次近似式に基づき前記濃度計で計測された除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部と、
    該飽和相対湿度演算部で求められた制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁へ閉指令を出力する結露判定演算部と
    を備えることを特徴とする除染装置。
  10. 室内の温度θを計測する温度計と、
    室内の相対湿度φを計測する湿度計と、
    室内の除菌剤濃度Cを計測する濃度計と、
    噴霧ユニットへ噴霧用の圧縮空気を供給する空気配管途中に設けられた遮断弁と、
    相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤し水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を記憶していて、前記濃度計で計測された前記除菌剤濃度Cに基づいて、前記所定の除菌剤濃度Csに代入する値を選定し、前記一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式を演算し接線を設定する演算を行った後、
    前記温度計で計測された温度θを代入してパラメータaθとパラメータbθとを求め、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
    φ=aθC+bθ
    として求める飽和蒸気圧線近似演算部と、
    該飽和蒸気圧線近似演算部で求められた一次近似式に基づき、前記濃度計で計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部と、
    該飽和相対湿度演算部で求められた制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁へ閉指令を出力する結露判定演算部と、
    を備えることを特徴とする除染装置。
  11. 室内の温度θを計測する温度計と、
    室内の相対湿度φを計測する湿度計と、
    室内の除菌剤濃度Cを計測する濃度計と、
    噴霧ユニットへ噴霧用の圧縮空気を供給する空気配管途中に設けられた遮断弁と、
    相対湿度φと除菌剤濃度Cとの関係を示す空気中の除菌剤と水の二成分系の除菌剤飽和蒸気圧線に対し、所定の除菌剤濃度Csでの接線である直線を一次近似式として定義し、該一次近似式の傾きを示すパラメータaθと温度θとの関係式、及び、前記一次近似式の切片を示すパラメータbθと温度θとの関係式に、想定される温度θを5〜10個代入してパラメータaθとパラメータbθとを求めて、除菌剤と水の二成分系の空気中での温度θにおける飽和蒸気圧を示す線図を一次近似式
    φ=aθC+bθ
    として予め複数求めておき、前記温度計で計測された温度θに基づき一次近似式を選択して求める飽和蒸気圧線近似演算部と、
    該飽和蒸気圧線近似演算部で求められた一次近似式に基づき、前記濃度計で計測される前記除菌剤濃度Cから除菌剤の結露を制御するための制御相対湿度φを求める飽和相対湿度演算部と、
    前記飽和相対湿度演算部から出力された制御相対湿度φを設定値として、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低い場合には除染を行うよう前記遮断弁へ開指令を出力し、前記相対湿度φが制御相対湿度φ以上である場合には除染を停止するよう前記遮断弁へ閉指令を出力する結露判定演算部と、
    を備えることを特徴とする除染装置。
  12. 前記請求項9乃至11の何れか一項に記載の除染装置において、
    記所定の除菌剤濃度Csは、150〜400ppmであることを特徴とする除染装置。
  13. 前記請求項9乃至12の何れか一項に記載の除染装置において、
    前記温度θは、15〜30℃であることを特徴とする除染装置。
  14. 前記請求項9乃至13の何れか一項に記載の除染装置において、
    前記室内にミスト噴霧された除菌剤を無害化する除害装置を更に備え、
    前記結露判定演算部から前記除害装置へ起動指令を出力することを特徴とする除染装置。
  15. 前記結露判定演算部は、前記湿度計で計測された相対湿度φが制御相対湿度φより低く除染が行われる場合に、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度下限設定値CL0より低い時には前記遮断弁へ開指令を出力してミスト噴霧を行い、前記除菌剤濃度Cが除菌剤濃度上限設定値CH1以上となる時には前記遮断弁へ閉指令を出力してミスト噴霧を停止することを特徴とする請求項9乃至14の何れか一項に記載の除染装置。
  16. 前記除菌剤は過酸化水素である請求項9乃至15の何れか一項に記載の除染装置。
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