JP2015209794A - 液体ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギーロスの少ない簡易な構成で液体を送ること。
【解決手段】液体を吸入して吐出する液体ポンプ(1)であって、筒状の本体ケース(2)内の一端側に片持ちで固定される振動体(6)と、本体ケース内の振動体を振動させるソレノイド(7)とを備え、振動体は、本体ケースの一端側に固定される被固定部(61)と、本体ケースの他端側に設けられる揺動部(62)と、被固定部と揺動部を連結する連結部(65)と、揺動部から延在する長尺体(67)とを備え、ソレノイドは、連結部を軸に揺動部を一定の範囲で揺動させて長尺体を振動させる構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】液体を吸入して吐出する液体ポンプ(1)であって、筒状の本体ケース(2)内の一端側に片持ちで固定される振動体(6)と、本体ケース内の振動体を振動させるソレノイド(7)とを備え、振動体は、本体ケースの一端側に固定される被固定部(61)と、本体ケースの他端側に設けられる揺動部(62)と、被固定部と揺動部を連結する連結部(65)と、揺動部から延在する長尺体(67)とを備え、ソレノイドは、連結部を軸に揺動部を一定の範囲で揺動させて長尺体を振動させる構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体を循環させる液体ポンプに関し、特に、水冷エンジンの冷却水を循環させる液体ポンプに関する。
近年、車両のハイブリッド化に伴って、水冷エンジンの冷却水を循環させる液体ポンプには、車両の燃費向上のために電動式のウォータポンプが用いられる(例えば、特許文献1参照)。電動式のウォータポンプによれば、エンジンの回転数とウォータポンプの回転数とを別々に制御することができる。このため、アイドリング時や軽負荷運転時にはウォータポンプを停止させ、必要な時だけウォータポンプを駆動させることができる。よって、エンジンの回転に応じて駆動される機械式のウォータポンプに比べて、燃費を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の液体ポンプは、モータで回転駆動されるインペラによって液体を送る、いわゆる遠心ポンプで構成される。このような液体ポンプでは、モータシャフトに防水のためのシール構造が必要であり、このシール構造による摩擦等によって、エネルギーロスが生じていた。また、この液体ポンプに用いられるモータでは、ロータの外周に設けられたコイルの磁場によってロータが回転され、磁場の強弱によってロータの回転数が調整される。循環させる液体の流量をコントロールするためには、コイルの磁場を制御するための複雑な回路構成が必要であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で液体を送ることができ、エネルギーロスの少ない液体ポンプを提供することを目的とする。
本発明の液体ポンプは、液体を吸入して吐出する液体ポンプであって、両端に吸入口と吐出口とを備えた筒状の本体ケースと、前記本体ケース内の一端側に片持ちで固定された振動体と、前記本体ケース内の前記振動体を振動させる駆動部とを備え、前記振動体は、前記本体ケース内の一端側に固定される被固定部と、前記本体ケース内の他端側に設けられる揺動部と、前記被固定部と前記揺動部とを連結する連結部と、前記揺動部から延在する長尺体とを備え、前記駆動部は、前記連結部を軸に前記揺動部を一定の範囲で揺動させて前記長尺体を振動させることを特徴とする。
この構成によれば、連結部を軸として揺動部を一定範囲で揺動させるだけで長尺体を振動させることができ、この長尺体の振動により本体ケース内に液体の流れを発生させることができる。これにより、モータ等の回転駆動のための部材を必要とすることなく本体ケース内に液体の流れを発生させることができ、簡易な構成で液体ポンプを実現することができる。また、長尺体の振動により本体ケース内の液体を吐出口側に送ることができるため、モータシャフトの防水のためのシール構造等の摩擦の原因となる部材を用いる必要がない。このため、液体ポンプの構成部材間の摩擦を防止することができ、摩擦によるエネルギーロスを防止することができる。
また、本発明の上記液体ポンプにおいて、前記揺動部は磁性体で構成され、前記駆動部は鉄心にコイルを巻いて構成されるソレノイドであり、ソレノイドの通電により発生する磁力で前記揺動部を揺動させて前記長尺体を振動させることが好ましい。この場合、ソレノイドに対する通電のオンオフだけで揺動部を揺動させることができるため、ソレノイドの通電を制御する回路を簡易な構成とすることができる。また、磁力で揺動部を揺動させる構成のため、揺動部の動作を非接触で調整することができ、摩擦等によるエネルギーロスを防止することができる。
また、本発明の上記液体ポンプにおいて、前記長尺体は、前記揺動部から前記被固定部に向かって延在することが好ましい。この場合、振動体を被固定部と揺動部との間に収めることができるため、液体ポンプ全体をコンパクトにすることができる。
また、本発明の上記液体ポンプにおいて、前記長尺体は、前記連結部を挟むように対になって配置されることが好ましい。この場合、連結部に対して一対の長尺体がバランスよく振動する。このため、一方の長尺体によって液体が偏って送られることがなく、両方の長尺体によって均一に液体が送られる。この結果、本体ケース内の液体をバランスよく流すことができる。
また、本発明の上記液体ポンプにおいて、前記鉄心は、前記本体ケースの外側に取り付けられることが好ましい。この場合、鉄心が本体ケース内の液体に直接触れることがないため、鉄心に錆が生じるのを防止することができる。
また、本発明の上記液体ポンプにおいて、前記振動体は、自己の復帰力によって初期位置に戻ることが好ましい。この場合、振動体を初期位置に戻すための動作が不要となるため、駆動部の構成を簡素化することができる。
本発明の液体ポンプによれば、一対の長尺体を振動させることにより、エネルギーロスの少ない簡易な構成で液体を送ることができる。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る液体ポンプについて詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る液体ポンプは、以下に示す構成に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。本実施の形態に係る液体ポンプは、例えば、自動二輪車のエンジンの冷却システムに適用される。また、本実施の形態に係る液体ポンプは、液体を流すものであればどのような装置に適用されてもよく、他の車両等にも適用可能である。
図1から図3を参照して、本実施の形態に係る液体ポンプの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る液体ポンプの全体図である。図1Aは液体ポンプの側面図を示し、図1Bは液体ポンプの斜視図を示している。図2は、図1AのA−A線に沿う断面図である。図3は、本実施の形態に係る液体ポンプを構成する振動体の斜視図である。なお、以下に示す構成においては、液体の吐出側を前側、吸入側を後側とし、液体ポンプの吸入側から見て左右方向を規定する。また、図1においては紙面左側が吐出口であるのに対し、図3においては紙面右側が吐出口になっている。
図1に示すように、本実施の形態に係る液体ポンプ1は、エンジンを冷却する冷却水を循環させるように構成されている。液体ポンプ1は、液体ポンプ1内に設けられた板状の振動体6を高速で振動させることによって冷却水の流れを発生させている。液体ポンプ1は、冷却水の配管の途中に設けられ、例えば、エンジン等の熱源によって温められた冷却水を冷却するラジエータの出口側にブラケットを介して取り付けられる。
液体ポンプ1は、円筒状に形成されたパイプ部3の内部に板状の振動体6を収容し、パイプ部3の両端に吸入口4及び吐出口5を取付けて構成される。ここで、パイプ部3、吸入口4及び吐出口5は、液体ポンプ1の本体ケース2を構成する。吸入口4は、パイプ部3の一端側を閉じる円形状の蓋状部41と、蓋状部41の中心から外側に向かって突出し、パイプ部3より小径の筒状部42とを備えている。蓋状部41の中心には穴が開いており、この穴によって筒状部42とパイプ部3とが連通される。また、蓋状部41の外周には、液体ポンプ1を所定の場所に取り付けるための取付部43が形成されている。
吐出口5は、パイプ部3の他端側を閉じる円形状の蓋状部51と、蓋状部51の中心から外側に向かって突出し、パイプ部3より小径の筒状部52とを備えている。蓋状部51の中心には穴が開いており、この穴によって筒状部52とパイプ部3とが連通される。また、蓋状部51の外周には、液体ポンプ1を所定の場所に取り付けるための取付部53が形成されている。吸入口4の取付部43と吐出口5の取付部53とは、同一平面上に位置している。蓋状部51において、筒状部52の突出側とは反対側の面には、板状の振動体6を固定する固定部56が設けられている。固定部56の構成については後述する。また、吸入口4の筒状部42及び吐出口5の筒状部52には、不図示の配管が接続される。
板状の振動体6は、ABS等の樹脂材料や金属材料によって形成され、パイプ部3の軸方向に延在している。振動体6は、本体ケース2の内部において、パイプ部3の軸心に沿う鉛直面に対して周方向に傾斜して配置されている。振動体6の一端は、吐出口5の固定部56に固定される被固定部61になっており(図3参照)、他端が本体ケース2内で周方向に揺動可能な揺動部62になっている。被固定部61及び揺動部62は、略正方形の板状に形成され、被固定部61及び揺動部62の対向するそれぞれの辺部の中央部分同士が、連結部65によって連結されている。連結部65は、被固定部61及び揺動部62より幅狭の長尺形状を有している。揺動部62は、被固定部61に比べて厚みが大きくなるように形成されており、マグネット等の磁性体によって構成される。また、揺動部62の上面63側がN極になっており、下面64側がS極になっている(図4又は図5参照)。
また、連結部65に連結された揺動部62の一辺の両端部からは、板状の一対の長尺体67が被固定部61に向かって延在しており、一対の長尺体67によって連結部65が挟まれている。本実施の形態においては、一対の長尺体67が揺動部62から被固定部61に向かって延在する構成としたことにより、振動体6の全長を揺動部62と被固定部61との間に収めることができる。この結果、液体ポンプ1全体をコンパクトにすることができる。
長尺体67は、フィン部68と、フィン部68の短手方向の一辺と揺動部62とを連結する連結部69とによって構成される。連結部69は、フィン部68より短手方向の幅が小さく形成されている。振動体6では、被固定部61が固定された状態で、他端の揺動部62を本体ケース2の径方向に揺動させることによって、一対の長尺体67が厚み方向に振動する。これによって、本体ケース2内の液体に流れが生じ、液体を吸入口4から吐出口5に送ることができる。
本体ケース2の吸入口4側でパイプ部3の外側には、振動体6の駆動部を構成するソレノイド7が取り付けられている。ソレノイド7は、鉄心71にコイル74を巻き付けて構成される。鉄心71は、コイル74が巻き付けられる梁部73と、梁部73の両端から下方に延在する脚部とを備えており、脚部の下端部分が一対の磁極部72になっている。鉄心71は、一対の磁極部72で本体ケース2を左右から挟み込むように取り付けられる。
一対の磁極部72はそれぞれ内向きに突出し、突出した部分が本体ケース2の外周面に沿った形状になっている。本実施の形態においては、鉄心71が本体ケース2の外側に取り付けられることにより、鉄心71が本体ケース2内の液体に直接触れることがない。よって、鉄心71に錆が生じるのを防止することができる。また、振動体6の揺動部62は、一対の磁極部72の間の空間に位置しており、一対の磁極部72が対向する方向に対して揺動部62の板面部が傾斜した状態になっている。
コイル74は、銅線等の電線で構成されており、梁部73に巻き付けられたコイル74の左右方向の幅は、図2に示すように、本体ケース2の外径より大きくなっている。ソレノイド7は、コイル74に流れる電流によって、鉄心71の一対の磁極部72間に磁場を発生させるように構成されている。ソレノイド7に対する電流制御は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって行われる。これにより、所定の周期でコイル74に電流を流すことが可能になっている。
次に図3を参照して、吐出口の固定部及び振動体の詳細構成について説明する。上述したように、図3においては紙面右側が吐出口になっている。図3に示すように、吐出口5は、蓋状部51の内側面にパイプ部3(図1及び図2参照)の内径よりわずかに小径の環状部54が形成されている。また、環状部54には、環状部54の直径部分を一辺とした板状の固定部56が、環状部54の開口部分55の中心を斜めに横切って内部空間を分けるように設けられている。これにより、環状部54の開口部分55が一対の半円形状になり、この開口部分55が筒状部52に連通される。
固定部56は、略正方形の板形状を有しており、筒状部52とは反対方向(後方)に延在して形成されている。また、固定部56の外形及び厚みは、被固定部61より大きく形成されている。環状部54の外周面に連なる固定部56の外側面は、環状部54に沿った円筒面になっている。この固定部56及び環状部54に、パイプ部3(図1及び図2参照)が嵌め込まれる。また、固定部56の後端面にはスリット57が形成されており、このスリット57に振動体6の被固定部61が挿入されることで、振動体6が固定部56によって片持ち支持される。
このように構成された液体ポンプ1は、ソレノイド7への通電をオンすることにより、鉄心71を構成する一対の磁極部72間に、一方の磁極部72から他方の磁極部72に向かう磁場が発生する。これにより、一対の磁極部72間に位置する振動体6の揺動部62(磁性体)は、磁場内に働く磁力によって揺動される。このとき、振動体6の連結部65には、ねじれが生じる。そして、ソレノイド7への通電がオフされると、揺動部62に働く磁力がなくなり、揺動部62は連結部65の剛性(自己の復帰力)によって初期位置に復帰しようとする。この揺動部62の一連の動作により、一対の長尺体67(フィン部68)は、厚み方向に揺動(振動)する。ソレノイド7への通電のオンオフが所定周期で繰り返されることにより、一対の長尺体67は共振運動する。これにより、本体ケース2内の液体に、一対の長尺体67から吐出口5に向かう流れが生じる。よって、液体を吸入口4から吐出口5に向かって送ることができる。
次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態に係る液体ポンプの動作について説明する。図4は、本実施の形態に係る振動体の動作を示す模式図である。図5は、本実施の形態に係る振動体の変形前後の様子を示す図である。図4においては、図2と同様に、図1AのA−A線に沿う断面図を示している。また、図4及び図5においては、一対の磁極部及び一対の長尺体(フィン部、連結部)をそれぞれ別の符号で示している。
図4A及び図5Aに示すように、初期状態においては、揺動部62(磁性体)は、鉄心71の一対の磁極部72a、72b間で、一方の磁極部72a側が下向きに傾斜している。この状態でソレノイド7に対する通電がオンされコイル74に電流が流れると、一方の磁極部72aから他方の磁極部72bに向かって磁場が形成される。すなわち、一方の磁極部72a側がN極、他方の磁極部72b側がS極となる。
このとき、一対の磁極部72a、72bによって形成される磁力線の方向と、マグネットで構成される揺動部62(磁性体)の磁力線の方向(揺動体62の上面63から下面64に向かう方向)とが一致するように、揺動部62には回転力が生じる。振動体6は、上述したように、揺動部62と被固定部61とを連結部65で連結して構成され、固定部56によって被固定部61が固定されている(図1及び図3参照)。このため、揺動部62は連結部65を中心軸66として矢印の方向に揺動し、連結部65にはねじれが生じる。
そして、図4Bに示すように、一対の磁極部72a、72bが対向する方向(磁力線の方向)に対して、揺動部62の板面部が直交する向きになる。このとき、揺動部62に生じる磁力(回転力)と、連結部65のねじれによって生じる連結部65の中心軸66回りの弾性力とが釣り合った状態になっている。また、揺動部62の動きに伴って揺動した一対のフィン部68a、68bは、慣性力によって一対の連結部69a、69bを基端として厚み方向に揺動する。図4Bに示す状態では、一方のフィン部68aが揺動部62の上面63から浮き上がって(突出して)おり、他方のフィン部68bが揺動部62の下面64から浮き上がって(突出して)いる。
そして、ソレノイド7に対する通電がオフされると、コイル74内には電流が流れなくなる。この結果、一対の磁極部72a、72b間の磁場がなくなり、揺動部62には、連結部65のねじれによる弾性力(復帰力)のみが残った状態になる。このため、揺動部62は、連結部65の中心軸66回りのねじりモーメントによって初期位置に戻ろうとして、今度は反対側に揺動する。
そして、図4Cに示すように、揺動部62は初期位置に復帰する。このときも、揺動部62の動きに伴って揺動した一対のフィン部68a、68bは、慣性力によって一対の連結部69a、69bを基端として厚み方向に揺動する。図4C及び図5Bに示す状態では、一方のフィン部68aが揺動部62の下面64から浮き上がって(突出して)おり、他方のフィン部68bが揺動部62の上面63から浮き上がって(突出して)いる。
そして、再びソレノイド7に対する通電がオンされ、図4Aから図4Cに示す動作が繰り返される。ソレノイド7に対する通電のオンオフが繰り返されることで、揺動部62が所定の角度範囲で揺動し、その揺動運動に伴って一対の長尺体67a、67bが厚み方向に共振運動(往復運動)する。より具体的には、一対の連結部69a、69bは、一対のフィン部68a、68bより幅狭のため、液体の抵抗を受け難くなっている。このため、一対の連結部69a、69bは、揺動部62の揺動に応じて振動し易くなっている。そして、一対の連結部69a、69bの振動が一対のフィン部68a、68bに伝えられる。
一対のフィン部68a、68bは、一対の連結部69a、69bより幅が広いため、一対のフィン部68a、68bの周辺に存在する液体をかき分けるように振動(揺動)する。これにより、一対のフィン部68a、68bの周辺に存在する液体が吐出口5に向かって送られて、本体ケース2内に液体の流れが発生する。この結果、吸入口4(図1参照)から吐出口5に向かって液体を送り込むことができる。
このように、ソレノイド7の対する通電のオンオフだけで揺動部62を揺動させる構成としたため、ソレノイド7に電気を送るための回路を簡易な構成とすることができる。また、ソレノイド7の磁力を揺動部62の駆動源としたことにより、揺動部62の動作を非接触で調整することができる。この結果、液体ポンプ1を構成する部材同士の摩擦がなくなり、摩擦によるエネルギーロスを防止することができる。
また、一対のフィン部68a、68bが連結部65を挟むように設けられ、揺動部62が連結部65の中心軸66回りに揺動される構成としたため、連結部65に対して一対のフィン部68がバランスよく振動する。このため、片方のフィン部68aによって液体が偏って送られることがなく、両方のフィン部68a、68bによって均一に液体が送られる。この結果、本体ケース2内の液体をバランスよく流すことができる。
また、ソレノイド7に対する通電のオンオフの周期を変えることにより、一対のフィン部68の振動数を変化させることができる。また、揺動部62の初期位置(傾斜角度)を変えることにより、揺動部62の揺動範囲及び一対のフィン部68a、68bの振動幅(振幅)を調整することができる。これらにより、液体ポンプ1内を流れる液体の流量を調整することができる。
以上のように、本実施の形態に係る液体ポンプ1によれば、連結部65を軸として揺動部62を一定範囲で揺動させるだけで一対の長尺体67a、67bを振動させることができる。よって、一対の長尺体67a、67bの振動により本体ケース2内に液体の流れを発生させることができる。これにより、モータ等の回転駆動のための部材を必要とすることなく本体ケース2内に液体の流れを発生させることができ、簡易な構成で液体ポンプ1を実現することができる。また、一対の長尺体67a、67bの振動により本体ケース2内の液体を吐出口5側に送ることができるため、モータシャフトの防水のためのシール構造等の摩擦の原因となる部材を用いる必要がない。このため、液体ポンプ1の構成部材間の摩擦を防止することができ、摩擦によるエネルギーロスを防止することができる。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態において、駆動部は、ソレノイド7で振動体6を駆動させる構成としたが、この構成に限定されない。振動体6を駆動させることができれば、駆動部はどのように構成されてもよい。
また、上記実施の形態においては、ソレノイド7の通電によって発生する磁場の方向が、図4に示すように、紙面右側から左側に向く構成としたが、この構成に限定されない。振動体6を駆動させることができれば、磁場の方向はどの方向に向いてもよい。
また、上記実施の形態において、振動体6は、一対の長尺体67を備える構成としたが、この構成に限定されない。長尺体67は一対でなくてもよく、例えば、1つ又は3つ以上の長尺体67で振動体6が構成されてもよい。
また、上記実施の形態において、連結部65は、被固定部61の一辺の中央部分と揺動部62の一辺の中央部分とを連結する構成としたが、この構成に限定されない。連結部65は、被固定部61及び揺動部62のそれぞれの一辺の中央部分からずれた位置で被固定部61及び揺動部62を連結する構成にしてもよい。
また、上記実施の形態において、長尺体67は、揺動部62から被固定部61に向かって延在する構成としたが、この構成に限定されない。長尺体67は、例えば、揺動部62から被固定部61とは反対側に延在する構成にしてもよい。
また、上記実施の形態において、振動体6の傾斜方向は、図2に示すように、紙面左から右に向かって下向きに傾斜する構成としたが、この構成に限定されない。振動体6はどの方向に傾斜してもよい。
また、上記実施の形態において、液体ポンプ1は、エンジンの冷却水を送る構成としたが、この構成に限定されない。液体ポンプ1は、どのような液体に適用されてもよい。
以上説明したように、本発明は、エネルギーロスの少ない簡易な構成で液体を送ることができるという効果を有し、特に、水冷エンジンの冷却水を循環させる液体ポンプに有用である。
1 液体ポンプ
2 本体ケース
4 吸入口
5 吐出口
6 振動体
61 被固定部
62 揺動部
65 連結部
67 長尺体
7 ソレノイド(駆動部)
71 鉄心
2 本体ケース
4 吸入口
5 吐出口
6 振動体
61 被固定部
62 揺動部
65 連結部
67 長尺体
7 ソレノイド(駆動部)
71 鉄心
Claims (6)
- 液体を吸入して吐出する液体ポンプであって、
両端に吸入口と吐出口とを備えた筒状の本体ケースと、前記本体ケース内の一端側に片持ちで固定された振動体と、前記本体ケース内の前記振動体を振動させる駆動部とを備え、
前記振動体は、前記本体ケース内の一端側に固定される被固定部と、前記本体ケース内の他端側に設けられる揺動部と、前記被固定部と前記揺動部とを連結する連結部と、前記揺動部から延在する長尺体とを備え、
前記駆動部は、前記連結部を軸に前記揺動部を一定の範囲で揺動させて前記長尺体を振動させることを特徴とする液体ポンプ。 - 前記揺動部は、磁性体で構成され、
前記駆動部は、鉄心にコイルを巻いて構成されるソレノイドであり、ソレノイドの通電により発生する磁力で前記揺動部を揺動させて前記長尺体を振動させることを特徴とする請求項1に記載の液体ポンプ。 - 前記長尺体は、前記揺動部から前記被固定部に向かって延在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体ポンプ。
- 前記長尺体は、前記連結部を挟むように対になって配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体ポンプ。
- 前記鉄心は、前記本体ケースの外側に取り付けられることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の液体ポンプ。
- 前記振動体は、自己の復帰力によって初期位置に戻ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体ポンプ。
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