JP2015209498A - 銀インク組成物及びその製造方法並びに導電体 - Google Patents

銀インク組成物及びその製造方法並びに導電体 Download PDF

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Abstract

【課題】金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を希釈して用いた場合でも、印刷パターンの線太りが抑制される銀インク組成物、及びその製造方法の提供。【解決手段】式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、還元剤と、が配合されてなる組成物(A)に、前記含窒素化合物に二酸化炭素が供給されてなる組成物(B)を添加する工程を有する銀インク組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、銀インク組成物及びその製造方法、並びに前記銀インク組成物を用いて得られた導電体に関する。
金属銀は、記録材料や印刷刷版の材料として、また、導電性に優れることから高導電性材料として幅広く使用されている。
これまでに金属銀の製造方法としては、例えば、金属銀の形成材料として、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、α−ケトカルボン酸銀、β−ケトカルボン酸銀等の有機酸銀を用いる方法が開示されている。これらの方法では、例えば、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を調製し、これを基材上に印刷して、得られた印刷物に加熱(焼成)処理等の後処理を施すことで、金属銀を形成できる。なかでも、β−ケトカルボン酸銀は、約210℃以下の低温で加熱処理しても速やかに金属銀を形成することが可能である(特許文献1参照)。
一方で、基材上に形成された金属銀については、銀配線等、その目的とする用途に応じて、厚さを種々調節することが必要となる。印刷したインクの厚さを調節する従来の方法としては、印刷で用いる版として、パターンの深さが異なる複数種類のものを用意し、これらを使い分ける方法が挙げられる。しかし、このような方法は、版の用意及びその使い分けが煩雑であり、短時間で安価に印刷物を得られないという点で望ましいものではない。これは、上述の銀インク組成物を用いる場合も同様である。
銀インク組成物を用いる場合に、このような問題点を解決する方法としては、金属銀の形成材料の配合量が多いベースとなる銀インク組成物を用意し、目的とする金属銀の厚さに応じて、このベース銀インク組成物を適宜希釈して用いる方法が挙げられる。希釈された銀インク組成物は、その希釈度に応じて、同じ版を用いて印刷しても基材上に載せられる金属銀の形成材料の量が異なるため、金属銀の厚さを調節できる。
特開2009−114232号公報
しかし、上述のベース銀インク組成物を希釈して用いる方法では、単純に溶媒で希釈した銀インク組成物は、粘度や表面張力が低下してしまい、レベリング性が改善され過ぎているために、印刷後の基材上で印刷パターンがだれて、目的とする太さを維持できずに線太りしてしまうという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を希釈して用いた場合でも、印刷パターンの線太りが抑制される銀インク組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、還元剤と、が配合されてなる組成物(A)に、前記含窒素化合物に二酸化炭素が供給されてなる組成物(B)を添加する工程を有することを特徴とする銀インク組成物の製造方法を提供する。
本発明の銀インク組成物の製造方法においては、前記組成物(B)の25℃におけるせん断速度0.1〜1000s−1でのせん断粘度が1Pa・s以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記製造方法で製造され、25℃におけるせん断速度1000s−1でのせん断粘度が1Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物を提供する。
また、本発明は、前記銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とする導電体を提供する。
本発明によれば、金属銀の形成材料が配合されてなる銀インク組成物を希釈して用いた場合でも、印刷パターンの線太りが抑制される銀インク組成物、及びその製造方法が提供される。
<<銀インク組成物及びその製造方法>>
本発明に係る銀インク組成物の製造方法は、式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀」と略記する)と、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物(以下、「含窒素化合物」と略記する)と、還元剤と、が配合されてなる組成物(A)に、前記含窒素化合物に二酸化炭素が供給されてなる組成物(B)を添加する工程(以下、「添加工程」と略記する)を有することを特徴とする。
前記製造方法によれば、組成物(B)を用いて組成物(A)を希釈することにより、得られる銀インク組成物は、印刷パターンの線太りが顕著に抑制される。
<組成物(A)>
前記組成物(A)は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤が配合されてなり、それ自体が銀インク組成物として使用可能なものであり、希釈対象の、ベースとなる銀インク組成物に相当する。
[カルボン酸銀]
前記カルボン酸銀は、分解によって金属銀を形成する、金属銀の形成材料である。
前記カルボン酸銀は、式「−COOAg」で表される基を有していれば特に限定されない。例えば、式「−COOAg」で表される基の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよい。また、カルボン酸銀中の式「−COOAg」で表される基の位置も特に限定されない。
前記組成物(A)において、前記カルボン酸銀は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、下記一般式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(1)」と略記することがある)及び下記一般式(4)で表されるカルボン酸銀(以下、「カルボン酸銀(4)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、単なる「カルボン酸銀」との記載は、特に断りの無い限り、「β−ケトカルボン酸銀(1)」及び「カルボン酸銀(4)」だけではなく、これらを包括する、「式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀」を意味するものとする。
Figure 2015209498
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY −」、「CY −」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY −」で表される基であり;
はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり;
はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基であり;
は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
Figure 2015209498
(式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基又は式「−C(=O)−OAg」で表される基であり、前記脂肪族炭化水素基がメチレン基を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。)
(β−ケトカルボン酸銀(1))
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R−CY −」、「CY −」、「R−CHY−」、「RO−」、「RN−」、「(RO)CY−」若しくは「R−C(=O)−CY −」で表される基である。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状(脂肪族環式基)のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。また、前記脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基のいずれでもよい。そして、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6であることがより好ましい。Rにおける好ましい前記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が例示できる。
Rにおける直鎖状又は分枝鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、4,4−ジメチルペンチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、1−プロピルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、5−エチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、5,5−ジメチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基が例示できる。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルケニル基としては、ビニル基(エテニル基、−CH=CH)、アリル基(2−プロペニル基、−CH−CH=CH)、1−プロペニル基(−CH=CH−CH)、イソプロペニル基(−C(CH)=CH)、1−ブテニル基(−CH=CH−CH−CH)、2−ブテニル基(−CH−CH=CH−CH)、3−ブテニル基(−CH−CH−CH=CH)、シクロヘキセニル基、シクロペンテニル基等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
Rにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が例示できる。また、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての置換基が同一であってもよいし、すべての置換基が異なっていてもよく、一部の置換基のみが異なっていてもよい。
Rにおけるフェニル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(−O−C)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるYは、それぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子である。そして、一般式「R−CY −」、「CY −」及び「R−C(=O)−CY −」においては、それぞれ複数個のYは、互いに同一でも異なっていてもよい。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基(C−)であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるRは、炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Rは、上記の中でも、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、一般式「R−C(=O)−CY −」で表される基、水酸基又はフェニル基であることが好ましい。そして、Rは、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、水酸基又は式「AgO−」で表される基であることが好ましい。
一般式(1)において、Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基(C−CH−)、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C−O−CH=CH−)、又は一般式「RO−」、「RS−」、「R−C(=O)−」若しくは「R−C(=O)−O−」で表される基である。
における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
におけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
におけるRは、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基(CS−)、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基(ビフェニル基、C−C−)である。Rにおける前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜10である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。また、Rにおけるフェニル基及びジフェニル基の前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
一般式(1)において、2個のXは、2個のカルボニル基で挟まれた炭素原子と二重結合を介して1個の基として結合していてもよく、このようなものとしては式「=CH−C−NO」で表される基が例示できる。
は、上記の中でも、水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基、ベンジル基、又は一般式「R−C(=O)−」で表される基であることが好ましく、少なくとも一方のXが水素原子であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、2−メチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、アセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−エチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、プロピオニル酢酸銀(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイル酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、カプロイル酢酸銀(CH(CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−n−ブチルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CHCHCHCH)−C(=O)−OAg)、2−ベンジルアセト酢酸銀(CH−C(=O)−CH(CH)−C(=O)−OAg)、ベンゾイル酢酸銀(C−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、ピバロイルアセト酢酸銀((CHC−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、イソブチリルアセト酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)、2−アセチルピバロイル酢酸銀((CHC−C(=O)−CH(−C(=O)−CH)−C(=O)−OAg)、2−アセチルイソブチリル酢酸銀((CHCH−C(=O)−CH(−C(=O)−CH)−C(=O)−OAg)、又はアセトンジカルボン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。原料や不純物が少ない程、例えば、形成された金属銀同士の接触が良好となり、導通が容易となり、抵抗率が低下する。
β−ケトカルボン酸銀(1)は、後述するように、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、好ましくは60〜210℃、より好ましくは60〜200℃という低温で分解し、金属銀を形成することが可能である。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。還元剤については後ほど説明する。
本発明において、β−ケトカルボン酸銀(1)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(カルボン酸銀(4))
カルボン酸銀(4)は、前記一般式(4)で表される。
式中、Rは炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基(−COOH)又は式「−C(=O)−OAg」で表される基である。
における前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜19である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。ただし、Rにおける前記脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
における前記脂肪族炭化水素基がメチレン基(−CH−)を有する場合、1個以上の該メチレン基はカルボニル基で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されていてもよいメチレン基の数及び位置は特に限定されず、すべてのメチレン基がカルボニル基で置換されていてもよい。ここで「メチレン基」とは、単独の式「−CH−」で表される基だけでなく、式「−CH−」で表される基が複数個連なったアルキレン基中の1個の式「−CH−」で表される基も含むものとする。
カルボン酸銀(4)は、ピルビン酸銀(CH−C(=O)−C(=O)−OAg)、酢酸銀(CH−C(=O)−OAg)、酪酸銀(CH−(CH−C(=O)−OAg)、イソ酪酸銀((CHCH−C(=O)−OAg)、2−エチルへキサン酸銀(CH−(CH−CH(CHCH)−C(=O)−OAg)、ネオデカン酸銀(CH−(CH−C(CH−C(=O)−OAg)、シュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)、又はマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)であることが好ましい。また、上記のシュウ酸銀(AgO−C(=O)−C(=O)−OAg)及びマロン酸銀(AgO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)の2個の式「−COOAg」で表される基のうち、1個が式「−COOH」で表される基となったもの(HO−C(=O)−C(=O)−OAg、HO−C(=O)−CH−C(=O)−OAg)も好ましい。
カルボン酸銀(4)も、β−ケトカルボン酸銀(1)と同様に、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の後処理により形成された導電体(金属銀)において、残存する原料や不純物の濃度をより低減できる。そして、還元剤と併用することで、より低温で分解して金属銀を形成する。
本発明において、カルボン酸銀(4)は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記カルボン酸銀は、2−メチルアセト酢酸銀、アセト酢酸銀、2−エチルアセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、イソブチリル酢酸銀、ピバロイル酢酸銀、カプロイル酢酸銀、2−n−ブチルアセト酢酸銀、2−ベンジルアセト酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、ピバロイルアセト酢酸銀、イソブチリルアセト酢酸銀、アセトンジカルボン酸銀、ピルビン酸銀、酢酸銀、酪酸銀、イソ酪酸銀、2−エチルへキサン酸銀、ネオデカン酸銀、シュウ酸銀及びマロン酸銀からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
そして、これらカルボン酸銀の中でも、2−メチルアセト酢酸銀及びアセト酢酸銀は、後述する含窒素化合物(なかでもアミン化合物)との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に、特に適したものとして挙げられる。
組成物(A)において、前記カルボン酸銀に由来する銀の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、後述する銀インク組成物をより容易に得られる。前記銀の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると70質量%であることが好ましい。
なお、本明細書において、組成物(A)での「カルボン酸銀に由来する銀」とは、特に断りの無い限り、組成物(A)の製造時に配合された前記カルボン酸銀中の銀を意味し、配合後に引き続きカルボン酸銀を構成している銀と、配合後にカルボン酸銀が分解して生じた分解物中の銀及び銀自体と、の両方を含む概念とする。
[含窒素化合物]
前記含窒素化合物は、炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上のものである。
以下、炭素数25以下のアミン化合物を「アミン化合物」、炭素数25以下の第4級アンモニウム塩を「第4級アンモニウム塩」、炭素数25以下のアミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩を「アミン化合物由来のアンモニウム塩」、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩を「アンモニア由来のアンモニウム塩」と略記することがある。
組成物(A)において、前記含窒素化合物は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
(アミン化合物、第4級アンモニウム塩)
前記アミン化合物は、炭素数が1〜25であり、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンのいずれでもよい。また、前記第4級アンモニウム塩は、炭素数が4〜25である。前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、鎖状及び環状のいずれでもよい。また、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子(例えば、第1級アミンのアミノ基(−NH)を構成する窒素原子)の数は1個でもよいし、2個以上でもよい。
前記第1級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいモノアルキルアミン、モノアリールアミン、モノ(ヘテロアリール)アミン、ジアミン等が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示でき、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン(2−アミノヘプタン)、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミンが例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が例示でき、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、芳香族環骨格を構成する原子として、ヘテロ原子を有するものであり、前記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子が例示できる。また、芳香族環骨格を構成する前記へテロ原子の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。2個以上である場合、これらへテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、これらへテロ原子は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけ異なっていてもよい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜4個有する単環状のものとしては、ピロリル基、ピロリニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは、アミノ基を2個有していればよく、2個のアミノ基の位置関係は特に限定されない。好ましい前記ジアミンとしては、前記モノアルキルアミン、モノアリールアミン又はモノ(ヘテロアリール)アミンにおいて、アミノ基(−NH)を構成する水素原子以外の1個の水素原子が、アミノ基で置換されたものが例示できる。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンが例示できる。
前記第2級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいジアルキルアミン、ジアリールアミン、ジ(ヘテロアリール)アミン等が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミンが例示できる。
前記ジアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。また、ジアリールアミン一分子中の2個のアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基は、前記モノ(ヘテロアリール)アミンを構成するヘテロアリール基と同様であり、6〜12員環であることが好ましい。また、ジ(ヘテロアリール)アミン一分子中の2個のヘテロアリール基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記第3級アミンとしては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいトリアルキルアミン、ジアルキルモノアリールアミン等が例示できる。
前記トリアルキルアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、トリアルキルアミン一分子中の3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、3個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数が3〜7の環状のアルキル基であることが好ましい。また、ジアルキルモノアリールアミン一分子中の2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
本発明において、前記第4級アンモニウム塩としては、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいハロゲン化テトラアルキルアンモニウム等が例示できる。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドが例示できる。
ここまでは、主に鎖状のアミン化合物及び第4級有機アンモニウム塩について説明したが、前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩は、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子が環骨格構造(複素環骨格構造)の一部であるようなヘテロ環化合物であってもよい。すなわち、前記アミン化合物は環状アミンでもよく、前記第4級アンモニウム塩は環状アンモニウム塩でもよい。この時の環(アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子を含む環)構造は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されず、脂肪族環及び芳香族環のいずれでもよい。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン及び第4級アンモニウム塩において、「置換基で置換されていてもよい水素原子」とは、アミン部位又はアンモニウム塩部位を構成する窒素原子に結合している水素原子以外の水素原子である。この時の置換基の数は特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよく、前記水素原子のすべてが置換基で置換されていてもよい。置換基の数が複数の場合には、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、複数個の置換基はすべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、一部だけが異なっていてもよい。また、置換基の位置も特に限定されない。
前記アミン化合物及び第4級アンモニウム塩における前記置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、トリフルオロメチル基(−CF)等が例示できる。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基としてアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は置換基として好ましくは炭素数が1〜5のアルキル基を有する、炭素数が3〜7の環状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するモノアルキルアミンとして、具体的には、2−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
また、置換基である前記アリール基及びアルキル基は、さらに1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、このようなハロゲン原子で置換された置換基を有するモノアルキルアミンとしては、2−ブロモベンジルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記モノアリールアミンを構成するアリール基が置換基を有する場合、かかるアリール基は、置換基としてハロゲン原子を有する、炭素数が6〜10のアリール基が好ましく、このような置換基を有するモノアリールアミンとして、具体的には、ブロモフェニルアミンが例示できる。ここで、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
前記ジアルキルアミンを構成するアルキル基が置換基を有する場合、かかるアルキル基は、置換基として水酸基又はアリール基を有する、炭素数が1〜9の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、このような置換基を有するジアルキルアミンとして、具体的には、ジエタノールアミン、N−メチルベンジルアミンが例示できる。
前記アミン化合物は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−へキシルアミン、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−オクタデシルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、3−アミノペンタン、3−メチルブチルアミン、2−ヘプチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、2−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、N−メチル−n−ヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、1,2−ジメチル−n−プロピルアミン、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンであることが好ましい。
そして、これらアミン化合物の中でも、2−エチルヘキシルアミンは、前記カルボン酸銀との相溶性に優れ、銀インク組成物の高濃度化に特に適しており、さらに形成される導電体の表面粗さの低減に特に適したものとして挙げられる。
(アミン化合物由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩は、前記アミン化合物が酸と反応してなるアンモニウム塩であり、前記酸は、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸でもよいし、酢酸等の有機酸でもよく、酸の種類は特に限定されない。
前記アミン化合物由来のアンモニウム塩としては、n−プロピルアミン塩酸塩、N−メチル−n−ヘキシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩等が例示できるが、これらに限定されない。
(アンモニア由来のアンモニウム塩)
本発明において、前記アンモニア由来のアンモニウム塩は、アンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩であり、ここで酸としては、前記アミン化合物由来のアンモニウム塩の場合と同じものが例示できる。
前記アンモニア由来のアンモニウム塩としては、塩化アンモニウム等が例示できるが、これに限定されない。
本発明においては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩は、それぞれ一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
そして、前記含窒素化合物としては、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
組成物(A)において、前記含窒素化合物の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.3〜15モルであることが好ましく、0.3〜5モルであることがより好ましい。前記含窒素化合物の前記配合量がこのような範囲であることで、組成物(A)は安定性がより向上し、導電体(金属銀)の品質がより向上する。さらに、高温による加熱処理を行わなくても、より安定して導電体を形成できる。
[還元剤]
前記還元剤は、前記カルボン酸銀からの金属銀の形成を容易とする成分である。すなわち、還元剤を配合することで、銀インク組成物は、金属銀をより形成し易くなり、例えば、加熱処理なし、又は低温での加熱処理でも、十分な導電性を有する導電体(金属銀)を形成できる。
前記還元剤は、シュウ酸、ヒドラジン及び下記一般式(5)で表される化合物(以下、「化合物(5)」と略記することがある)からなる群から選択される一種以上の還元性化合物(以下、単に「還元性化合物」と略記することがある)であることが好ましい。
H−C(=O)−R21 ・・・・(5)
(式中、R21は、炭素数20以下のアルキル基、アルコキシ基若しくはN,N−ジアルキルアミノ基、水酸基又はアミノ基である。)
(還元性化合物)
前記還元性化合物は、シュウ酸(HOOC−COOH)、ヒドラジン(HN−NH)及び前記一般式(5)で表される化合物(化合物(5))からなる群から選択される一種以上のものである。すなわち、配合される還元性化合物は、一種のみでよいし、二種以上でもよく、二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
21における炭素数20以下のアルキル基は、炭素数が1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
21における炭素数20以下のアルコキシ基は、炭素数が1〜20であり、R21における前記アルキル基が酸素原子に結合してなる一価の基が例示できる。
21における炭素数20以下のN,N−ジアルキルアミノ基は、炭素数が2〜20であり、窒素原子に結合している2個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、該アルキル基はそれぞれ炭素数が1〜19である。ただし、これら2個のアルキル基の炭素数の合計値が2〜20である。
窒素原子に結合している前記アルキル基は、それぞれ直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、炭素数が1〜19である点以外は、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
前記還元性化合物として、ヒドラジンは、一水和物(HN−NH・HO)を用いてもよい。
前記還元性化合物で好ましいものとしては、ギ酸(H−C(=O)−OH);ギ酸メチル(H−C(=O)−OCH)、ギ酸エチル(H−C(=O)−OCHCH)、ギ酸ブチル(H−C(=O)−O(CHCH)等のギ酸エステル;プロパナール(H−C(=O)−CHCH)、ブタナール(H−C(=O)−(CHCH)、ヘキサナール(H−C(=O)−(CHCH)等のアルデヒド;ホルムアミド(H−C(=O)−NH)、N,N−ジメチルホルムアミド(H−C(=O)−N(CH)等のホルムアミド類(式「H−C(=O)−N(−)−」で表される基を有する化合物);シュウ酸が例示できる。
組成物(A)において、還元剤の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.04〜3.5モルであることが好ましく、0.06〜2.5モルであることがより好ましい。還元剤の前記配合量がこのような範囲であることで、銀インク組成物は、より容易に、より安定して導電体(金属銀)を形成できる。
[アルコール]
組成物(A)は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物及び還元剤以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
Figure 2015209498
(式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。)
(アセチレンアルコール(2))
アセチレンアルコール(2)は、前記一般式(2)で表される。
式中、R’及びR’’は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基である。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、Rにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
R’及びR’’におけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基としては、炭素数が1〜16の飽和又は不飽和の一価の脂肪族炭化水素基、該脂肪族炭化水素基が酸素原子に結合してなる一価の基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、シアノ基、フェノキシ基等が例示でき、Rにおけるフェニル基の水素原子が置換されていてもよい前記置換基と同様である。そして、置換基の数及び位置は特に限定されず、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R’及びR’’は、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
好ましいアセチレンアルコール(2)としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールが例示できる。
アセチレンアルコール(2)を用いる場合、前記組成物(A)において、アセチレンアルコール(2)の配合量は、前記カルボン酸銀の配合量1モルあたり0.03〜0.7モルであることが好ましく、0.05〜0.3モルであることがより好ましい。アセチレンアルコール(2)の前記配合量がこのような範囲であることで、組成物(A)の安定性がより向上する。
組成物(A)において、前記アルコールは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
[その他の成分]
組成物(A)は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物、還元剤及びアルコール以外の、その他の成分が配合されてなるものでもよい。
組成物(A)における前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、好ましいものとしては、アルコール以外の溶媒が例示でき、配合成分の種類や量に応じて任意に選択できる。
組成物(A)において、前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
組成物(A)において、配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、組成物(A)(銀インク組成物)は十分にその効果を発現する。
組成物(A)は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部又は全ての成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
[組成物(A)の製造方法]
組成物(A)は、前記カルボン酸銀、含窒素化合物、還元剤、並びに必要に応じて、前記アルコール及びその他の成分からなる群から選択される一種以上を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られたものをそのまま組成物(A)としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られたものを組成物(A)としてもよい。本発明においては、特にカルボン酸銀としてβ−ケトカルボン酸銀(1)を用いた場合、上記の各成分の配合時において、導電性を阻害する不純物が生成しないか、又はこのような不純物の生成量を極めて少量に抑制できるため、精製操作を行っていない組成物(A)を用いても、十分な導電性を有する導電体(金属銀)が得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。ただし、本発明においては、前記還元剤は滴下により配合することが好ましく、さらに滴下速度の変動を抑制することで、金属銀の表面粗さをより低減できる傾向にある。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
組成物(A)において、溶解していない成分を均一に分散させる場合には、例えば、上記の三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を用いて分散させる方法を適用するのが好ましい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜60℃であることが好ましい。そして、配合時の温度は、配合成分の種類及び量に応じて、配合して得られた混合物が撹拌し易い粘度となるように、適宜調節するとよい。
また、配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、10分〜36時間であることが好ましい。
[二酸化炭素]
組成物(A)は、さらに二酸化炭素が供給されてなるものでもよい。このような組成物(A)はより高粘度となり、例えば、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の、インクを厚盛りすることが必要な印刷法への適用に好適である。
二酸化炭素は、組成物(A)製造時のいずれの時期に供給してもよい。
そして、本発明においては、例えば、前記カルボン酸銀及び含窒素化合物が配合されてなる第一の混合物に、二酸化炭素を供給して第二の混合物とし、前記第二の混合物に、さらに、前記還元剤を配合して、組成物(A)を製造することが好ましい。また、前記アルコール又はその他の成分を配合する場合、これらは、第一の混合物及び第二の混合物のいずれか一方又は両方の製造時に配合でき、目的に応じて任意に選択できる。
前記第一の混合物は、配合成分が異なる点以外は、上記の組成物(A)と同様の方法で製造できる。
第一の混合物は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
第一の混合物製造時の配合温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜30℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
第一の混合物に供給される二酸化炭素(CO)は、ガス状及び固形状(ドライアイス)のいずれでもよく、ガス状及び固形状の両方でもよい。二酸化炭素が供給されることにより、この二酸化炭素が第一の混合物に溶け込み、第一の混合物中の成分に作用することで、得られる第二の混合物の粘度が上昇すると推測される。
二酸化炭素ガスの供給は、液体中にガスを吹き込む公知の各種方法で行えばよく、適した供給方法を適宜選択すればよい。例えば、配管の一端を第一の混合物中に浸漬し、他端を二酸化炭素ガスの供給源に接続して、この配管を通じて二酸化炭素ガスを第一の混合物に供給する方法が例示できる。この時、配管の端部から直接二酸化炭素ガスを供給してもよいが、例えば、多孔質性のものなど、ガスの流路となり得る空隙部が多数設けられ、導入されたガスを拡散させて微小な気泡として放出することが可能なガス拡散部材を配管の端部に接続し、このガス拡散部材を介して二酸化炭素ガスを供給してもよい。また、第一の混合物の製造時と同様の方法で、第一の混合物を撹拌しながら二酸化炭素ガスを供給してもよい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
二酸化炭素ガスの供給量は、供給先の第一の混合物の量や、目的とする銀インク組成物又は第二の混合物の粘度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、20〜25℃における粘度が5Pa・s以上である組成物(A)を100〜1000g程度得るためには、二酸化炭素ガスを100L以上供給することが好ましく、200L以上供給することがより好ましい。なお、ここでは組成物(A)の20〜25℃における粘度について説明したが、組成物(A)の使用時の温度は、20〜25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。また、本明細書において「粘度」とは、特に断りのない限り、超音波振動式粘度計を用いて測定したものを意味する。
二酸化炭素ガスの流量は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量を考慮して適宜調節すればよいが、第一の混合物1gあたり0.5mL/分以上であることが好ましく、1mL/分以上であることがより好ましい。流量の上限値は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると、混合物1gあたり40mL/分であることが好ましい。
そして、二酸化炭素ガスの供給時間は、必要とされる二酸化炭素ガスの供給量や、流量を考慮して適宜調節すればよい。
二酸化炭素ガス供給時の第一の混合物の温度は、5〜70℃であることが好ましく、7〜60℃であることがより好ましく、10〜50℃であることが特に好ましい。前記温度が前記下限値以上であることで、より効率的に二酸化炭素を供給でき、前記温度が前記上限値以下であることで、不純物が少ないより良好な品質の組成物(A)が得られる。
二酸化炭素ガスの流量及び供給時間、並びに二酸化炭素ガス供給時の前記温度は、それぞれの値を相互に考慮しながら適した範囲に調節すればよい。例えば、前記温度を低めに設定しても、二酸化炭素ガスの流量を多めに設定するか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。また、二酸化炭素ガスの流量を少なめに設定しても、前記温度を高めにするか、二酸化炭素ガスの供給時間を長めに設定することで、あるいはこの両方を行うことで、効率的に二酸化炭素を供給できる。すなわち、二酸化炭素ガスの流量、二酸化炭素ガス供給時の前記温度として例示した上記数値範囲の中の数値を、二酸化炭素ガスの供給時間も考慮しつつ柔軟に組み合わせることで、良好な品質の組成物(A)が効率的に得られる。
二酸化炭素ガスの供給は、第一の混合物を撹拌しながら行うことが好ましい。このようにすることで、供給した二酸化炭素ガスがより均一に第一の混合物中に拡散し、より効率的に二酸化炭素を供給できる。
この時の撹拌方法は、二酸化炭素を用いない上記の組成物(A)の製造時における前記混合方法の場合と同様でよい。
ドライアイス(固形状二酸化炭素)の供給は、第一の混合物中にドライアイスを添加することで行えばよい。ドライアイスは、全量を一括して添加してもよいし、分割して段階的に(添加を行わない時間帯を挟んで連続的に)添加してもよい。
ドライアイスの使用量は、上記の二酸化炭素ガスの供給量を考慮して調節すればよい。
ドライアイスの添加中及び添加後は、第一の混合物を撹拌することが好ましく、例えば、二酸化炭素を用いない上記の組成物(A)の製造時と同様の方法で撹拌することが好ましい。このようにすることで、効率的に二酸化炭素を供給できる。
撹拌時の温度は、二酸化炭素ガス供給時と同様でよい。また、撹拌時間は、撹拌温度に応じて適宜調節すればよい。
第二の混合物の粘度は、組成物(A)が目的とする粘度を有するように、適宜調節すればよい。
前記第二の混合物には、さらに、必要に応じて前記還元剤、アルコール及びその他の成分からなる群から選択される一種以上を配合して、組成物(A)とすることができる。
このときの組成物(A)は、配合成分が異なる点以外は、二酸化炭素を用いない上記の組成物(A)と同様の方法で製造できる。そして、得られた組成物(A)は、配合成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよいが、配合成分がすべて溶解していることが好ましく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
前記還元剤配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、−5〜60℃であることが好ましい。そして、配合時の温度は、配合成分の種類及び量に応じて、配合して得られた混合物が撹拌し易い粘度となるように、適宜調節するとよい。
また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜12時間であることが好ましい。
前記その他の成分は、先に説明したように、前記第一の混合物及び第二の混合物のいずれかの製造時に配合されてもよく、両方の製造時に配合されてもよい。すなわち、第一の混合物及び第二の混合物を経て組成物(A)を製造する過程において、二酸化炭素以外の配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合([その他の成分(質量)]/[カルボン酸銀、含窒素化合物、還元剤、アルコール、及びその他の成分(質量)]×100)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、銀インク組成物は十分にその効果を発現する。
例えば、還元剤の配合時には、得られる配合物(組成物(A))は比較的発熱し易い。そして、還元剤の配合時の温度が高い場合、この配合物は、後述する銀インク組成物の加熱処理時と同様の状態になるため、還元剤による前記カルボン酸銀の分解促進作用によって、カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始されることがあると推測される。このような金属銀を含有する銀インク組成物は、導電体形成時において、金属銀を含有しない銀インク組成物よりも温和な条件で後処理を行うことにより、導電体を形成できることがある。また、還元剤の配合量が十分に多い場合にも、同様に温和な条件で後処理を行うことにより、導電体を形成できることがある。このように、カルボン酸銀の分解を促進する条件を採用することで、後処理として、より低温での加熱処理で、あるいは加熱処理を行わずに常温での乾燥処理のみで、導電体を形成できることがある。また、このような金属銀を含有する銀インク組成物は、金属銀を含有しない銀インク組成物と同様に取り扱うことができ、特に取り扱い性が劣ることもない。
なお、本発明における第二の混合物は、上記のように二酸化炭素の供給によって、粘度が通常よりも高い。一方で、第二の混合物への還元剤の配合時には、第二の混合物又は還元剤の種類によっては、上記のように前記カルボン酸銀の少なくとも一部において金属銀の形成が開始され、金属銀が析出することがある。ここで、第二の混合物の粘度が高い場合には、析出した金属銀の凝集が抑制され、得られた銀インク組成物(組成物(A))中での金属銀の分散性が向上する。このような銀インク組成物を用いて、後述する方法で金属銀を形成して得られた導電体は、粘度が低い、すなわち二酸化炭素が供給されていない混合物に還元剤が配合されて得られた銀インク組成物を用いた場合の導電体よりも、導電性が高く(体積抵抗率が低く)、表面粗さも小さくなり、より好ましい特性を有するものとなる。
組成物(A)の25℃におけるせん断速度0.1s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、組成物(A)の25℃におけるせん断速度0.1s−1でのせん断粘度は、2000Pa・s以下であることが好ましく、1800Pa・s以下であることがより好ましい。
組成物(A)の25℃におけるせん断速度10.8s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、組成物(A)の25℃におけるせん断速度10.8s−1でのせん断粘度は、60Pa・s以下であることが好ましく、40Pa・s以下であることがより好ましい。
組成物(A)の25℃におけるせん断速度1000s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、組成物(A)の25℃におけるせん断速度1000s−1でのせん断粘度は、12Pa・s以下であることが好ましく、8Pa・s以下であることがより好ましい。
なお、ここで示したせん断粘度は、すべてレオメータを用いた場合の測定値である。
また、ここでは、組成物(A)の25℃におけるせん断粘度について説明したが、組成物(A)の使用時の温度は、25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
<組成物(B)>
前記組成物(B)は、前記含窒素化合物に二酸化炭素が供給(配合)されてなるものであり、組成物(A)の希釈剤に相当する。
組成物(B)は、二酸化炭素が供給されていることで、含窒素化合物そのものや、その他の溶媒成分よりも、粘度が高い。したがって、組成物(B)を組成物(A)に添加して得られた銀インク組成物は、組成物(A)よりも、配合成分の総量に対する前記カルボン酸銀の配合量の割合が小さい(希釈されている)が、粘度が高い。
[含窒素化合物]
組成物(B)における含窒素化合物は、組成物(A)における前記含窒素化合物と同じもの(すなわち、前記アミン化合物、第4級アンモニウム塩、アンモニア、アミン化合物由来のアンモニウム塩及びアンモニア由来のアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上)である。なお、本明細書においては、組成物(A)における含窒素化合物を第一含窒素化合物といい、組成物(B)における含窒素化合物を第一含窒素化合物と区別するために、第二含窒素化合物ということがある。
組成物(B)において、含窒素化合物(第二含窒素化合物)は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
組成物(B)における含窒素化合物(第二含窒素化合物)は、組成物(A)における前記含窒素化合物(第一含窒素化合物)と同じ化合物であってもよいし、異なる化合物であってもよいが、通常は同じ化合物であることが好ましい。
[二酸化炭素]
二酸化炭素は、組成物(B)を高粘度とする成分であり、前記含窒素化合物と相互作用すると推測される。
供給される二酸化炭素(CO)は、ガス状及び固形状(ドライアイス)のいずれでもよく、ガス状及び固形状の両方でもよい。そして、二酸化炭素は、上述の第一の混合物へ供給する場合と同様の方法で含窒素化合物へ供給できる。
組成物(B)において、二酸化炭素の供給量は、組成物(B)の粘度が目的とする値となるように適宜調節すればよく、特に限定されない。
[その他の成分]
組成物(B)は、前記含窒素化合物及び二酸化炭素以外の、その他の成分が配合(供給)されてなるものでもよい。
組成物(B)における前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
組成物(B)において、前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
組成物(B)において、配合成分の総量に対する前記その他の成分の配合量の割合は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、0質量、すなわちその他の成分を配合しなくても、組成物(B)(銀インク組成物)は十分にその効果を発現する。
組成物(B)の25℃におけるせん断速度0.1〜1000s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、組成物(B)の25℃におけるせん断速度0.1〜1000s−1でのせん断粘度は、16Pa・s以下であることが好ましく、13Pa・s以下であることがより好ましい。組成物(B)のせん断粘度は、組成物(B)の温度が同じであれば、通常はせん断速度によらず、ほぼ一定となる。
なお、ここで示したせん断粘度は、すべてレオメータを用いた場合の測定値である。
また、ここでは、組成物(B)の25℃におけるせん断粘度について説明したが、組成物(B)の使用時の温度は、25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
[組成物(B)の製造方法]
組成物(B)は、前記含窒素化合物、二酸化炭素、及び必要に応じて、前記その他の成分を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られたものをそのまま組成物(B)としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られたものを組成物(B)としてもよい。
各成分の配合は、組成物(A)の場合と同様の方法で行うことができる。
[添加工程]
本発明に係る銀インク組成物の製造方法においては、前記組成物(A)に前記組成物(B)を添加する添加工程を行う。
添加工程における組成物(B)の添加量は、組成物(B)の種類に応じて適宜調節すればよいが、組成物(A)100質量部に対して3〜70質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。
添加工程においては、組成物(A)に組成物(B)を添加した後、公知の方法でこれらを混合することにより、目的とする銀インク組成物が得られる。このときの混合方法としては、例えば、組成物(A)製造時の上述の混合方法を適用でき、ミキサーを使用する方法が好ましい。
組成物(B)の添加及び混合時の温度は、組成物(A)及び組成物(B)が劣化しない限り特に限定されないが、15〜30℃であることが好ましく、混合物が撹拌し易い粘度となるように、適宜調節するとよい。
また、組成物(B)の添加及び混合時の時間も、組成物(A)及び組成物(B)が劣化しない限り特に限定されないが、20秒〜30分であることが好ましい。
添加工程で得られたものは、そのまま銀インク組成物としてもよいし、必要に応じて引き続き公知の精製操作を行って得られたものを銀インク組成物としてもよい。本発明においては、特にカルボン酸銀としてβ−ケトカルボン酸銀(1)を用いた場合、上記の各成分の配合時において、導電性を阻害する不純物が生成しないか、又はこのような不純物の生成量を極めて少量に抑制できるため、精製操作を行っていない銀インク組成物を用いても、十分な導電性を有する導電体(金属銀)が得られる。
<銀インク組成物>
本発明に係る製造方法で得られた銀インク組成物は、ベースとなる銀インク組成物である組成物(A)が、希釈剤に相当する高粘度(高せん断粘度)の組成物(B)によって希釈されたものであるため、希釈時の粘度低下の度合いが抑制され、印刷時に形成されるパターン(印刷パターン)の線太りが抑制される。その結果、この印刷パターンの固化処理により形成された導電体も、線太りが抑制される。したがって、組成物(B)の配合成分又は添加量が異なり、希釈度が異なる複数種類の銀インク組成物を用いて、パターンの深さが同じである版で基材上に印刷を行っても、得られる印刷パターンはすべて線太りが抑制される。そして、希釈度が異なる複数種類の銀インク組成物を用いて印刷を行うことで、基材上に厚さが異なる印刷パターンを安定して形成できる。
銀インク組成物の25℃におけるせん断速度0.1s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、銀インク組成物の25℃におけるせん断速度0.1s−1でのせん断粘度は、1800Pa・s以下であることが好ましく、1700Pa・s以下であることがより好ましく、1200Pa・s以下であることがさらに好ましく、800Pa・s以下であることが特に好ましい。
銀インク組成物の25℃におけるせん断速度10.8s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、銀インク組成物の25℃におけるせん断速度10.8s−1でのせん断粘度は、30Pa・s以下であることが好ましく、28Pa・s以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、15Pa・s以下であることが特に好ましい。
銀インク組成物の25℃におけるせん断速度1000s−1でのせん断粘度は、1Pa・s以上であることが好ましく、1.5Pa・s以上であることがより好ましい。また、銀インク組成物の25℃におけるせん断速度1000s−1でのせん断粘度は、10Pa・s以下であることが好ましく、7Pa・s以下であることがより好ましく、4Pa・s以下であることが特に好ましい。
各せん断速度でのせん断粘度が前記下限値以上であることで、印刷パターンの線太りがより顕著に抑制される。また、各せん断速度でのせん断粘度が前記上限値以下であることで、銀インク組成物の取り扱い性がより良好となる。例えば、凹版(グラビア版)を使用する印刷法では、凹版に銀インク組成物がより良好に充填される。また、孔版(スクリーン版)を使用する印刷法では、スクリーンメッシュからの銀インク組成物の抜けがより良好となる。
なお、ここで示したせん断粘度は、すべてレオメータを用いた場合の測定値である。
また、ここでは、銀インク組成物の25℃におけるせん断粘度について説明したが、銀インク組成物の使用時の温度は、25℃に限定されるものではなく、任意に選択できる。
銀インク組成物において、前記カルボン酸銀に由来する銀の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。このような範囲であることで、形成された導電体(金属銀)は品質により優れたものとなる。前記銀の含有量の上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、取り扱い性等を考慮すると70質量%であることが好ましい。
<導電体>
前記銀インク組成物を用い、金属銀を形成することで導電体が得られる。
より具体的には、例えば、銀インク組成物を基材上の所望の箇所に付着させ、乾燥処理や加熱(焼成)処理等の固化処理を適宜選択して行うことで、導電体を形成できる。加熱処理は、乾燥処理を兼ねて行ってもよい。
前記導電体は、金属銀を主成分とするものであり、金属銀の比率が、見かけ上金属銀だけからなるとみなし得る程度に十分に高く、導電体中の金属銀の比率は、好ましくは99質量%以上である。
導電体の形状は特に限定されず、パターニングされていてもよく、このようにパターニングされた導電体は、例えば、配線として有用である。
導電体の厚さは、目的に応じて任意に設定できるが、例えば、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜5μmであることがより好ましく、50nm〜3μmであることがさらに好ましい。導電体の厚さが前記下限値以上であることで、導電性をより向上させることができ、さらに、導電体の構造をより安定して維持できる。また、導電体の厚さが前記上限値以下であることで、後述する積層体をより薄層化できる。
基材は、目的に応じて任意の形状を選択でき、例えば、フィルム状又はシート状であることが好ましく、厚さが0.5〜5000μmであることが好ましく、0.5〜2500μmであることがより好ましい。
基材の表面(銀インク組成物を付着させる面)は、平面及び曲面のいずれであってもよいし、平坦面及び凹凸面のいずれであってもよい。例えば、後述するパッド印刷法等、銀インク組成物を付着させる特定の方法を選択することで、基材の表面が曲面や凹凸面であっても、良好に銀インク組成物を付着させて、導電体を形成できる。
基材の材質は特に限定されず、目的に応じて選択すればよいが、後述する銀インク組成物の加熱処理による導電体形成時に変質しない耐熱性を有するものが好ましい。
基材の材質として具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリアリレート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂が例示できる。
また、基材の材質としては、上記以外にも、ガラス、シリコン等のセラミックスや、紙が例示できる。
また、基材は、ガラスエポキシ樹脂、ポリマーアロイ等の、二種以上の材質を併用したものでもよい。
基材は、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるものでもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが異なっていてもよい。そして、複数層が互いに異なる場合、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。ここで、複数層が互いに異なるとは、各層の材質及び厚さの少なくとも一方が互いに異なることを意味する。
なお、基材が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材の厚さとなるようにするとよい。
銀インク組成物は、例えば、公知の印刷法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
これらの中でも、通常の希釈インクの取り扱いが難しいパッド印刷法等を適用した場合に、本発明の優れた効果が顕著に得られる。
導電体の形成時においては、基材上に付着させる銀インク組成物の量、又は銀インク組成物における前記カルボン酸銀の配合量を調節することで、導電体の厚さを調節できる。
基材上に付着させた銀インク組成物を乾燥処理する場合には、公知の方法で行えばよく、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。加熱処理が不要な場合の好ましい乾燥方法としては、18〜30℃で大気下において乾燥させる方法が例示できる。
基材上に付着させた銀インク組成物を加熱(焼成)処理する場合、その条件は、銀インク組成物の配合成分の種類に応じて適宜調節すればよい。通常は、加熱温度が60〜200℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。β−ケトカルボン酸銀(1)は、例えば、酸化銀等の金属銀の形成材料とは異なり、当該分野で公知の還元剤等を使用しなくても、低温で分解する。そして、このような分解温度を反映して、前記銀インク組成物は、上記のように、従来のものより極めて低温で金属銀を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理の方法は、特に限定されず、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドによる加熱、遠赤外線照射による加熱、高熱ガスの吹き付けによる加熱等で行うことができる。また、銀インク組成物の加熱処理は、大気下で行ってもよいし、不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、加湿条件下で行ってもよい。そして、常圧下及び減圧下のいずれで行ってもよい。
銀インク組成物の加熱処理を加湿条件下で行う場合には、相対湿度40%以上の雰囲気下で行うことが好ましく、相対湿度60%以上の雰囲気下で行うことがより好ましく、相対湿度80%以上の雰囲気下で行うことが特に好ましく、100℃以上に加熱した高圧水蒸気の吹き付けにより行ってもよい。このように加湿条件下で加熱処理することにより、短時間で抵抗値が低い(導電性に優れた)導電体を形成できる。
銀インク組成物の加熱処理は、二段階で行ってもよい。例えば、一段階目の加熱処理では、導電体の形成ではなく銀インク組成物の乾燥を主に行い、二段階目の加熱処理で、導電体の形成を最後まで行う方法が例示できる。
一段階目の加熱処理において、加熱温度は、銀インク組成物の配合成分の種類、並びに形成する導電体の幅及び厚さに応じて適宜調節すればよいが、50〜110℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、0.2〜12時間であることが好ましく、0.4〜5時間であることがより好ましい。
二段階目の加熱処理において、加熱温度は、導電体が良好に形成されるように、銀インク組成物の配合成分の種類、並びに形成する導電体の幅及び厚さに応じて適宜調節すればよいが、60〜200℃であることが好ましく、70〜180℃であることがより好ましい。また、加熱時間は、加熱温度に応じて調節すればよいが、通常は、1分〜12時間であることが好ましく、1分〜10時間であることがより好ましい。
前記導電体は、基材上に受容層を介して形成してもよい。ここで、「受容層」とは、導電体と基材との密着性を向上させるものである。
受容層は公知のものでよく、例えば、受容層を形成するための材料が配合されてなる受容層用組成物を調製し、これを基材上に付着させ、適宜後処理を行うことで形成できる。
受容層の形状は特に限定されず、前記導電体の形状に応じて調節すればよく、パターニングされていてもよい。
受容層の厚さは、0.001〜20μmであることが好ましく、0.002〜5μmであることがより好ましい。受容層3の厚さが前記下限値以上であることで、導電体の密着性がより向上し、受容層の厚さが前記上限値以下であることで、受容層の構造をより安定して保持できる。
受容層用組成物は、例えば、印刷法、塗布法、浸漬法等の公知の方法で基材上に付着させることができる。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
上述のような、基材上に必要に応じて受容層を介して導電体が形成された積層体(以下、単に「積層体」と略記する)は、各種電子機器、透明導電膜等を構成するのに好適である。
例えば、電子機器は、前記積層体を用い、前記基材を筐体として備えるように構成でき、前記積層体中の基材で筐体の少なくとも一部を構成した点以外は、公知の電子機器と同様の構成とすることができる。例えば、パターニングされた導電体を回路とすることで、前記積層体を回路基板として用いることができ、前記積層体に加え、音声入力部、音声出力部、操作スイッチ、表示部等を組み合わせることにより、携帯電話機を構成できる。また、パターニングされた導電体をアンテナとすることで、前記積層体をアンテナ構造体とすることができ、かかるアンテナ構造体を用いた点以外は、公知のデータ受送信体と同様の構成とすることで、新規のデータ受送信体とすることができる。例えば、前記積層体において、基材上に導電体と電気的に接続されたICチップを設けてアンテナ部とすることにより、非接触型データ受送信体を構成できる。
また、透明導電膜は、前記積層体を用い、前記導電体を極微細配線又は極薄配線として備えるように構成でき、前記導電体を極微細配線又は極薄配線として備えた点以外は、公知の透明導電膜と同様の構成とすることができる。例えば、前記積層体に加え、透明基材等と組合せることにより、タッチパネルや光学ディスプレイを構成できる。
極微細配線の線幅は、1〜20μmであることが好ましく、1.3〜15μmであることがより好ましく、1.5〜13μmであることが特に好ましい。
また、極微細配線の断面形状は、好ましくは楕円の短軸方向のほぼ半分の領域が切り取られた半楕円形状である。
一方、極薄配線の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、7nm〜5μmであることがより好ましく、10nm〜1μmであることが特に好ましい。
極薄配線の断面形状は、前記極微細配線の断面形状と同様である。
前記透明導電膜は、前記導電体がこのような線幅及び厚さの少なくとも一方を満たしていることが好ましい。導電体がこのような線幅又は厚さであれば、目視によってその存在が認識困難となるので、透明導電膜として好ましいものとなる。
また、前記積層体においては、導電体を低温で形成することも可能であり、基材等の材質を幅広く選択できるので、設計の自由度が飛躍的に向上し、電子機器、透明導電膜等をより合理的な構造とすることも可能である。
上記のような電子機器、透明導電膜等は、長期に渡って高い性能を維持することが可能である。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<銀インク組成物の製造>
(組成物(A)の製造)
200mL容のビーカー中の2−エチルヘキシルアミン(18.82g、後述する2−メチルアセト酢酸銀に対して0.4倍モル量)に、液温が50℃以下となるように、2−メチルアセト酢酸銀(81.18g)を添加して、メカニカルスターラーを用いて20分間撹拌することにより、液状物を得た。この液状物に、反応液の温度が50℃以下となるように、シリンジポンプを用いてギ酸(11.73g、2−メチルアセト酢酸銀に対して0.7倍モル量)を30分間かけて滴下した。ギ酸の滴下終了後、25℃にて反応液をさらに2時間撹拌することにより、組成物(A)を得た。組成物(A)の各配合成分の種類と配合比、銀の含有量を表1に示す。
レオメータ(Anton Paar社製「MCR301」、コーンプレートCP−25−2(直径25mm、コーン角度2°))を用い、25℃において、得られた組成物(A)のせん断粘度を測定した。より具体的には、せん断速度を1分間かけて0.1s−1から1000s−1まで上げた後、せん断速度を1分間かけて1000s−1から0.1s−1まで下げた。次いで、再度せん断速度を1分間かけて0.1s−1から1000s−1まで上げたときの粘度の測定値をせん断粘度として採用した。その結果、せん断粘度は、せん断速度0.1s−1では1690Pa・s、せん断速度10.8s−1では27.2Pa・s、せん断速度1000s−1では4.5Pa・sであった。
(組成物(B)の製造)
100mL容のビーカー中の2−エチルヘキシルアミンに、流量500mL/分で二酸化炭素ガスを5分間吹き込むことにより、組成物(B)を得た。
組成物(A)の場合と同じ方法で、25℃において、得られた組成物(B)のせん断粘度を測定したところ、せん断速度0.1s−1では4.3Pa・s、せん断速度10.8s−1では4.2Pa・s、せん断速度1000s−1では4.0Pa・sであった。
(銀インク組成物の製造)
上記で得られた組成物(A)(100質量部)に対して組成物(B)(11質量部)を添加し、自転・公転ミキサー(シンキー社製「泡とり錬太郎 AR−250」)を用いて、25℃で撹拌を30秒間、脱泡を30秒間それぞれ行い、銀インク組成物を得た。得られた銀インク組成物の銀の含有量を表1に示す。
<銀インク組成物の評価>
組成物(A)の場合と同じ方法で、25℃において、得られた銀インク組成物のせん断粘度を測定したところ、せん断速度0.1s−1では546Pa・s、せん断速度10.8s−1では11.5Pa・s、せん断速度1000s−1では3.3Pa・sであった。
また、得られた銀インク組成物を用いて、パッド印刷法により、線の深さが40μm、線の幅が1000μmのグラビア版で、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製「ルミラーS10」、厚さ188μm)上に線状パターンを印刷した。そして、この線状パターンを80℃で5分間加熱処理することにより、導電体パターンを形成した。その結果、形成された導電体パターンは厚さが0.81μmであり、線幅は1150μm(線太りの値が150μm)であった。結果を表1に示す。なお、ここで「導電体パターンの厚さ」とは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製「VKX−100」)を用いて導電体パターンの断面積及び線幅を測定し、求められた断面積を線幅で除した値である。
[実験例1]
<組成物(A)の評価>
上記で得られた銀インク組成物に代えて組成物(A)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法でパッド印刷法により、基材上に線状パターンを印刷した。その結果、形成された線状パターンは厚さが1.05μmであり、線幅は1140μmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
<銀インク組成物の製造及び評価>
組成物(A)(100質量部)に対する組成物(B)の添加量を、11質量部に代えて20質量部とした点以外は、実施例1と同じ方法で、銀インク組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
<銀インク組成物の製造及び評価>
二酸化炭素ガスの吹き込み時間を5分間に代えて1時間とした点以外は、実施例1と同じ方法で組成物(B)を製造した。組成物(A)の場合と同じ方法で、25℃において、得られた組成物(B)のせん断粘度を測定したところ、せん断速度0.1s−1では11.6Pa・s、せん断速度10.8s−1では11.4Pa・s、せん断速度1000s−1では9.8Pa・sであった。
そして、この組成物(B)を用い、さらに組成物(A)(100質量部)に対する組成物(B)の添加量を、11質量部に代えて34質量部とした点以外は、実施例1と同じ方法で、銀インク組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
<銀インク組成物の製造及び評価>
組成物(B)(11質量部)に代えて、二酸化炭素ガスを吹き込まなかった2−エチルヘキシルアミン(11質量部)を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で、銀インク組成物を製造及び評価した。結果を表1示す。
Figure 2015209498
上記結果から明らかなように、希釈を行った実施例1では、形成された導電体パターンの厚さを、希釈を行わなかった実験例1の場合よりも薄くできた。また、実施例1では、形成された導電体パターンの線幅は、希釈を行わなかった実験例1の場合とほぼ同等であり、線太りを効果的に抑制できていた。
実施例2〜3では、実施例1よりもさらに希釈度を上げた結果、形成された導電体パターンの厚さを、希釈を行わなかった実験例1の場合よりもさらに薄くできており、線太りも効果的に抑制できていた。
このように、実施例1〜3では、導電体パターンの線太りが抑制されていることから、加熱処理前の線状パターンも線太りが抑制されていたことが確認できた。
これに対して、比較例1では、組成物(B)を用いなかったことにより、形成された導電体パターンの線幅は、希釈を行わなかった実験例1の場合よりも大幅に大きく、顕著な線太り(線状パターンの線太り)が見られた。また、線太りの影響で、希釈度が同じである実施例1の場合よりも、形成された導電体パターンの厚さが薄かった。
本発明は、配線基板、電磁波シールド、タッチパネル、無線通信機筐体のアンテナ等、基材上に銀層を備えた各種電子機器に利用可能である。

Claims (4)

  1. 式「−COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、
    炭素数25以下のアミン化合物及び第4級アンモニウム塩、アンモニア、並びに前記アミン化合物又はアンモニアが酸と反応してなるアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上の含窒素化合物と、
    還元剤と、が配合されてなる組成物(A)に、
    前記含窒素化合物に二酸化炭素が供給されてなる組成物(B)を添加する工程を有することを特徴とする銀インク組成物の製造方法。
  2. 前記組成物(B)の25℃におけるせん断速度0.1〜1000s−1でのせん断粘度が1Pa・s以上であることを特徴とする請求項1に記載の銀インク組成物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の製造方法で製造され、25℃におけるせん断速度1000s−1でのせん断粘度が1Pa・s以上であることを特徴とする銀インク組成物。
  4. 請求項3に記載の銀インク組成物を用いて、金属銀を形成して得られたことを特徴とする導電体。
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