JP2015209472A - 透明固形石けんおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛穴に付着した汚れを効果的に落とすことができ、かつ、刺激性の低い透明固形石けんおよびその製造方法の提供。【解決手段】脂肪酸に低級アルコールおよび水を混合してなる混合物にアルカリ水溶液を加えて油脂をけん化して得られる脂肪酸石けんに、透明化剤を添加して撹拌・加熱して透明石けん素地を得た後、型枠に流し込み少なくとも冷却固化・型抜き・切断してなる透明固形石けんの製造方法であって、前記透明石けん素地の加熱直後の温度は、85℃〜沸騰直前の温度であり、該透明石けん素地を65〜75℃にまで降温させた後、液温が65〜75℃である油中水滴型のクリームエマルションまたは乳化・可溶化・分散用界面活性剤を配合して撹拌した後、前記型枠に流し込んで製造することで、洗浄力に富む微少なミクロサイズの泡粒子を発生させることができる透明固形石けんを得ることができた。【選択図】図1

Description

本発明は、透明固形石けんおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、ミクロの泡粒子による泡立てが可能な刺激性の少ない透明固形石けんに関する技術である。
固形石けんは、通常、アミノ酸石けんと脂肪酸石けんとその他の石けんとに大別することができる。また、固形石けんの範疇には、主として洗顔用に用いられている透明固形石けんがあり、その製法として枠練り法と機械練り法とが知られている。本発明は、枠練り法により脂肪酸石けんの範疇に属する洗顔用を含む全身用として好適な透明固形石けんをその対象とするものである。
ここで、枠練り法により脂肪酸石けんの範疇に属する透明固形石けんの製造方法について説明すれば、特許文献1の開示技術を含む従来からある常法、すなわち、脂肪酸に低級アルコールおよび水を混合してなる混合物にアルカリ水溶液を加えて油脂をけん化して得られる脂肪酸石けんに透明化剤を添加して撹拌・加熱して透明石けん素地を得た後、型枠に流し込み少なくとも冷却固化・型抜き・切断することで行われている。
これらのうち、特許文献1の開示技術は、上記常法を用いるなかで、さらにハチミツを配合することで、保湿効果、美肌効果、透明性および気泡性に優れる透明固形石鹸およびその製造方法を提案するものである。
特開2011−57765号公報
しかし、特許文献1を含む従来からの常法である枠練り法により製造される脂肪酸石けんの範疇に属する透明固形石けんによる場合は、泡立てながら皮膚を洗浄することにより汚れを落とすことができるものの、毛穴の中に付着した汚れを十分に落とすことが難しかった。
すなわち、例えば皮膚の毛穴の内径は、平均して10〜200μmであり、該毛穴から生えている毛の直径は、平均して80μm以下であるのに対し、従来からある透明固形石けんを泡立てた際の個々の泡粒子の大きさの平均値は、毛穴とそこから生えている毛との間の隙間のサイズよりも大きいこともあって、泡粒子が毛穴に入り込むことが難しく、したがって、毛穴に付着している汚れまでは効果的に落とすことができないという不都合があった。
本発明は、従来からある脂肪酸タイプの透明固形石けんにみられた上記課題に鑑み、泡立てた際の個々の泡粒子を皮膚の毛穴に確実に入り込ませることで、該毛穴に付着している汚れをも効果的に落とすことができる刺激性の少ない透明固形石けんおよびその製造方法を提供することをその目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、そのうちの第1の発明(透明固形石けんの製造方法)は、脂肪酸に低級アルコールおよび水を混合してなる混合物にアルカリ水溶液を加えて油脂をけん化して得られる脂肪酸石けんに、透明化剤を添加して撹拌・加熱して透明石けん素地を得た後、型枠に流し込み少なくとも冷却固化・型抜き・切断してなる透明固形石けんの製造方法において、前記透明石けん素地の加熱直後の温度は、85℃〜沸騰直前の温度であり、該透明石けん素地を65〜75℃にまで降温させた後、液温が65〜75℃である油中水滴型のクリームエマルションまたは乳化・可溶化・分散用界面活性剤を配合して撹拌した後、前記型枠に流し込むことを最も主要な特徴とする。
第1の発明において、前記油中水滴型のクリームエマルションの配合量は、10.0〜25.0重量%とし、前記乳化・可溶化・分散用界面活性剤の配合量は、2.5〜5.0重量%とするのが望ましい。また、前記乳化・可溶化・分散用界面活性剤は、親油性、親水性、高親水性のいずれかの界面活性剤であってもよい。
一方、第2の発明(透明固形石けん)は、請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法により形成したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、皮膚の毛穴に付着している汚れをも効果的に落とすことができる刺激性の少ない透明固形石けんを提供することができる。しかも、身体を洗う際には、従来の泡粒子のサイズより微小なマイクロサイズの強靱な泡粒子を泡立てることで、皮膚に対する泡粒子の接触面積を拡大させることもできるので、従来にも増してその洗浄力を高めることができる。さらに、油中水滴型のクリームエマルションが配合されている場合は、目にしみるというような洗顔時の不快感をなくすことができる。
表1におけるクリームエマルションの配合量と泡粒子の密度との関係を示すグラフ図。 表1における本発明適用品aの顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 表1における本発明適用品dの顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 比較例(A社)の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 比較例(B社)の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 比較例(C社)の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 比較例(D社)の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 表2における乳化・可溶化・分散用界面活性剤の配合量と泡粒子の密度との関係を示すグラフ図。 表2における「ステアリン酸ソルビタン(親油性界面活性剤)」を3重量%配合した場合における本発明品の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 表2における「PEG−100水添ヒマシ油(高親水性界面活性剤)」を3重量%配合した場合における本発明品の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。 表2における「ステアリン酸ポリグリセル−10(親水性界面活性剤)」を3重量%配合した場合における本発明品の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明のうち、第1の発明である透明固形石けんの製造方法は、以下の処理を経ることで行われる。
すなわち、第1の発明は、脂肪酸に低級アルコールおよび水を混合してなる混合物にアルカリ水溶液を加えて油脂をけん化して得られる脂肪酸石けんに、透明化剤を添加して撹拌・加熱して透明石けん素地を得た後、型枠に流し込み少なくとも冷却固化・型抜き・切断してなる透明固形石けんの製造方法において、前記透明石けん素地の加熱直後の温度は、85℃〜沸騰直前の温度であり、該透明石けん素地を75℃以下にまで降温させた後、液温が75℃以下である油中水滴型のクリームエマルションまたは乳化・可溶化・分散用界面活性剤を配合して撹拌した後、前記型枠に流し込むことで行われる。
この場合、透明石けん素地の加熱直後の温度を85℃〜沸騰直前の温度とするのは、85℃に満たない場合には石けん素地の成分の溶解が不十分となるからであり、沸騰直前の温度を超える場合には含有する水分が蒸発してしまうからである。
また、透明石けん素地を65〜75℃にまで降温させるのは、65℃に満たない場合には石けん素地が固まり始め、75℃を超える場合にはクリームエマルションの安定化が阻害されるからである。
さらに、65〜75℃の透明石けん素地に油中水滴型のクリームエマルションまたは乳化・可溶化・分散用界面活性剤を配合する際の液温が65〜75℃であるのは、65℃に満たない場合には同様に石けん素地が固まり始め、75℃を超える場合には同じくクリームエマルションの安定化が阻害されるからである。
脂肪酸石けんを構成する脂肪酸としては、一般にラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリンス酸、オレイン酸等を単品で、もしくはこれらを適宜混合したものを用いることができるほか、脂肪酸を含有しているオイル、例えば馬油、牛油、オリーブ油等を用いることもできる。
低級アルコールとしては、エタノール、ジブロピレングリコール等を用いることができる。
水としては、精製水のほか、水道水や天然水を含む一般水を用いることもできる。
アルカリ水溶液としては、ナトリウム水溶液、カリウム水溶液等を用いることができる。
また、透明石けん素地を構成する透明化剤としては、スクロース、ソルビトール、トレハロースを含む糖類等とグリセリンとの混合体を用いることができる。
第1の発明において油中水滴型のクリームエマルションを用いる場合は、その配合量を10.0〜25.0重量%とするのが好ましい。その理由は、10重量%に満たない場合は泡粒子が小さくならず、25.0重量%を超える場合には同様に泡粒子のサイズが小さくならないばかりでなく、透明感がなくなり、さらには製造後の石けんの固形化も困難になるからである。
水と油とに乳化剤(界面活性剤)を配合して懸濁処理してなる油中水滴型のクリームエマルションの配合成分例を以下に示す。
配合成分例1 配合量(重量%)
界面活性剤 5.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 10.0
オリーブスクワラン 5.0
セテアリルアルコール 3.0
カルボマー 0.2
アルギニン 0.2
水 76.6
防腐剤 適量
なお、界面活性剤5.0重量%の内訳は、セタノール0.39重量%、ステアリルアルコール1.40重量%、ベヘニルアルコール1.45重量%、フィトステロールズ0.36重量%、ステアリン酸グリセリル0.20重量%、PEG−20フィトステロール0.80重量%、水添レシチン0.20重量%、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル0.20重量%である。
配合成分例2 配合量(重量%)
デカ(ベヘン酸/カプリン酸)ポリグリセリル−8 2.00
イソステアリン酸ポリグリセリル−2 1.20
ポリリシノレイン酸ポリグリセリル−6 0.20
ラウリン酸ポリグリセリル−10 0.15
アカデミアナッツ油ポリグリセリル−6エステルズベヘネート 1.00
エチルヘキサン酸セチル 15.00
ジステアルジモニウムヘクトライト 1.00
ジグリセリン 3.00
BG 10.00
アスパラギン酸 0.20
水 66.25
防腐剤 適量
配合成分例3 配合量(重量%)
ミネラルオイル 8.00
ミリストイルメチルアミノプロピオン酸ヘキシルデシル 4.00
ジメチニン 4.00
ベヘニルアルコール 2.00
セタアリルアルコール 4.00
ステリン酸PG 1.00
ステアリン酸グリセリル 3.20
ステアリン酸PEG−201 0.80
ステアロイルグルタミン酸Na 0.30
ソルビトール水溶液(70%sol) 5.00
グリセリン 4.00
キサンタンガム水溶液(1%sol) 10.00
水 53.70
防腐剤 適量
配合成分例4 配合量(重量%)
スクワラン 1.00
ワセリン 2.00
マイクロクリスタリンワックス 0.50
ベヘニルアルコール 2.50
酢酸トコフェノール 0.10
ステアリルアルコール 3.00
ジメチニン 2.00
ステアリン酸 0.20
EMALEX−10 10.00
PEG−20 4.00
ステアロイルグルタミン酸Na 0.10
BG 5.00
アルギニン 0.05
キサンタンガム 0.10
グリセリン 8.00
マルチトール 2.00
水 59.45
防腐剤 適量
配合成分例5 配合量(重量%)
スクワラン 11.50
ラウロニイルグルタミン酸
ジ(オクチルドデシル/フィトステアリル/ベヘニル) 1.00
ベヘニルアルコール 1.00
エチルヘキサン酸セチル 2.00
ジメチニン 3.00
セテアリルアルコール 2.00
ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリン酸PEG−20 0.40
ステアロイルグルタミン酸Na 0.20
グリセリン 7.00
キサンタンガム水溶液(1%sol) 20.00
水 48.90
防腐剤 適量
配合成分例6 配合量(重量%)
スクワラン 5.00
エチルヘキサン酸セチル 10.00
ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルデシル 2.00
ジメチニン 5.00
ベヘニルアルコール 1.00
ステアリルアルコール 2.00
ステアリン酸ソルビタン 0.90
ジステアリン酸ポリグリセリル−6 2.10
氷添レシチン 0.50
酢酸トコフェロール 0.10
グリチルリチン酸2K 0.05
ステアロイルグルタミン酸Na 0.40
PEG−150 1.00
トレハロース 3.00
グリセリン 12.00
キサンタンガム水溶液(1%sol) 10.00
水 44.95
防腐剤 適量
配合成分例7 配合量(重量%)
ラウロイルグルタミン酸
ジ(オクチルドデシル/フィトステアリル/ベヘニル) 2.00
ミネラルオイル 6.50
ステアリン酸ステアリル 4.00
トリエチルヘキサノイン 2.50
ジメチニン 3.00
ベヘニルアルコール 3.20
ステアリン酸グリセリル 2.00
ステアリン酸PEG−40 1.00
カルボキシメチルキチン水溶液(1.2%sol) 5.00
BG 5.00
水 65.80
防腐剤 適量
第1の発明において乳化・可溶化・分散用界面活性剤を用いる場合は、その配合量を2.5〜5.0重量%とするのが好ましい。その理由は、2.5重量%に満たない場合は泡粒子のサイズが小さくならず、5.0重量%を超える場合は同様に泡粒子のサイズが小さくならないばかりでなく、白濁して透明感がなくなり、さらには製造後の石けんの固形化も困難になるからである。
乳化・可溶化・分散用界面活性剤としては、親油性界面活性剤、高親水性界面活性剤、親水性界面活性剤のいずれを用いてもよい。親油性界面活性剤としては、ステアリン酸ソルビタンを、高親水性界面活性剤としては、PEG−100水添ヒマシ油を、親水性界面活性剤としては、ステアリン酸ポリグリセリル−10をそれぞれ例示することができる。
このようにして得られる透明石けん素地は、型枠に流し込んで少なくとも冷却固化・型抜き・切断することで、透明固形石けんとして製造されることになる。型枠に流し込んだ後の処理工程例をより具体的に説明すれば、合成樹脂材などからなる型枠に流し込まれた透明石けん素地は、ゆっくり冷やしてブロック状に固化させた後に型枠から取り出し、完成品の重量に合わせて切断する。切断した後は、角取り作業を経て乾燥室にて10日間前後乾燥させ、1回目の湯上拭き作業を行う。しかる後、初回型打ち作業を行って簡単に形を整えた後、再び50日間前後乾燥させる。乾燥させた後は、2回目の湯上拭き作業を行った上で、仕上げ型打ち作業を行い再度形を整え、さらに仕上拭き作業を行った後、包装し検品を行った上で箱詰めして出荷されることになる。
一方、第2の発明である透明固形石けんは、上記製造方法により製造することができる。
ここで、石けんにより作られる泡粒子と皮膚の毛穴との関係について述べれば、個々の泡粒子は、毛穴に入り込んでピストン洗浄できる大きさであることが必要である。つまり、皮膚の毛穴の内径は、平均して10〜200μmであり、該毛穴から生えている毛の直径が平均して80μm以下であるのに対し、石けんから生ずる個々の泡粒子が毛穴に入り込むためには、石けんから生ずる個々の泡粒子の外径が両者の間に生ずるの隙間の最大値である70μmよりも小さい例えば平均値が30μmであることが必要となる。
また、泡理論によれば、泡粒子は、一定の容積の中で小さくなって増加することで、表面積が大きくなる、つまり、泡粒子は、小さければ小さいほど皮膚との接触ポイントが増大して洗浄効果が向上するとされている。
このため、本発明適用品と比較例とにつき、次の条件のもとで泡粒子の大きさの確認試験を行った。
すなわち、株式会社コスモステクニカルセンター(東京都板橋区蓮根3−24−3所在)にて、以下の条件のもとで確認試験を行った。
(1)泡粒子の作り方
石けん量 5g
温水(40℃) 45g
撹拌方法 ホモミキサーを用いて回転数3000rpmで2分間
なお、ホモミキサーの回転数を3000rpmとした理由は、それ以上の回転数でも、それ以下の回転数でも発生する泡粒子のサイズが3000rpmに比べ大きくなってしまうためである。
(2)密度の測定
作った泡粒子を50ccの目盛付きビーカーに25cc入れ、その重量を測ることにより行った。
表1は、上記実験で使用された石けんの成分を本発明適用品と他社製品である比較例とに分けて示したものである。これによれば、本発明適用品として使用された石けんは、油中水滴型のクリームエマルションの配合量(重量%)の別にa〜fまでの6種類ある。ここで使用されたクリームエマルションは、先述した各配合成分例中の配合成分例1の組成により形成した。これに対し、比較例として使用された石けんは、A社、B社、C社、D社の4社で製造された、いずれも上記クリームエマルションが配合されていない石けんである。
図1は、表1におけるクリームエマルションの配合量と泡粒子の密度との関係をグラフ化して示すものであり、上記実験条件のもとで行われたクリームエマルションを配合した本発明適用品である石けん(b〜f)の泡の密度(g/cc)と、クリームエマルションを配合することなく製造された石けんである比較例(A社〜D社)の泡粒子の密度(g/cc)との関係を示す図である。なお、本発明適用品のうちのaは、本発明方法をクリームエマルションを配合することなく行って得られた石けんの泡粒子の密度(g/cc)を参考のために示したものである。
表1および図1によれば、本発明適用品のうち、c〜eであるクリームエマルションの配合量(重量%)が10〜25%であるときに泡粒子の密度が高まり、特にクリームエマルションの配合量(重量%)が20%であるeが最も泡粒子の密度が大きくなること、つまり泡粒子の大きさが小さくなることが確認された。これに対し、クリームエマルションを含んでいない他社透明固形せっけんである比較例(A社)〜(D社)および本発明適用品aについては、泡粒子の密度がいずれも小さいこと、つまり泡粒子の大きさが大きいことが確認された。
因みに、図2は、クリームエマルションを配合していない表1の本発明適用品aについての顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図を、図3は、クリームエマルションを20%配合した表1の本発明適用品eについての顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図を、図4〜図7は、クリームエマルションを含んでいない表1の比較例(A社)〜(D社)についての顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図をそれぞれ示したものである。これらの参考図からも、クリームエマルションを含んでなる図3の本発明適用品eは、クリームエマルションを含んでいない図2の本発明適用品aや図4〜図7の比較例(A社)〜(D社)に比べて泡粒子の平均サイズが微小化する傾向を窺い知ることができる。
表2は、表1で行ったと同じ条件の実験で使用された本発明品の他例について示したものである。この実験では、透明石けん素地に配合される乳化・可溶化・分散用界面活性剤のうち、親油性界面活性剤としてステアリン酸ソルビタンが、高親水性界面活性剤としてPEG−100水添ヒマシ油が、親水性界面活性剤としてステアリン酸ポリグリセリル−10が、それぞれ使用されている。
図8は、表2における乳化・可溶化・分散用界面活性剤の配合量と泡粒子の密度との関係をグラフ化して示すものであり、上記実験条件のもとで行われた乳化・可溶化・分散用界面活性剤の配合量(重量%)が2.5〜5.0%であるときに泡粒子の密度が高まり、特に3%であるときに泡粒子の密度が最も大きくなること、つまり泡粒子の大きさが小さくなることが確認された。
図9〜図11は、表2における配合量が3%である場合の顕微鏡写真に基づいて描き起こした参考図をそれぞれ示す。これらの参考図からも、乳化・可溶化・分散用界面活性剤を配合した本発明品における泡粒子の大きさの平均値が30μm程度であることが判明し、これにより乳化・可溶化・分散用界面活性剤の配合した場合の効果を窺い知ることができる。
しかも、乳化・可溶化・分散用界面活性剤を単品で配合する場合は、3重量%、つまり全体重量の0.15%で足りることから、それだけ刺激性を低下させることができることになる。
表3は、三カ所の皮膚科医療機関で実施したクローズパッチテストの結果を示す表である。ここでは、表1のdに示すクリームエマルションを配合して製造された透明固形石けんが本発明品として用いられている。
上記クローズパッチテストの結果によれば、油中水滴型のクリームエマルションを含有させた本発明品は、油中水滴型のクリームエマルションを含有させていない比較品に比べて刺激性が低いことが判明する。
11 泡粒子

Claims (5)

  1. 脂肪酸に低級アルコールおよび水を混合してなる混合物にアルカリ水溶液を加えて油脂をけん化して得られる脂肪酸石けんに、透明化剤を添加して撹拌・加熱して透明石けん素地を得た後、型枠に流し込み少なくとも冷却固化・型抜き・切断してなる透明固形石けんの製造方法において、
    前記透明石けん素地の加熱直後の温度は、85℃〜沸騰直前の温度であり、該透明石けん素地を65〜75℃にまで降温させた後、液温が65〜75℃である油中水滴型のクリームエマルションまたは乳化・可溶化・分散用界面活性剤を配合して撹拌した後、前記型枠に流し込むことを特徴とする透明固形石けんの製造方法。
  2. 前記油中水滴型のクリームエマルションの配合量は、10.0〜25.0重量%である請求項1に記載の透明固形石けんの製造方法。
  3. 前記乳化・可溶化・分散用界面活性剤の配合量は、2.5〜5.0重量%である請求項1に記載の透明固形石けんの製造方法。
  4. 前記乳化・可溶化・分散用界面活性剤は、親油性、親水性、高親水性のいずれかの界面活性剤である請求項1または3に記載の透明固形石けんの製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法により形成したことを特徴とする透明固形石けん。
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