JP2015209317A - 石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システム、石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送方法 - Google Patents
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Abstract
従来の石炭灰搬送システムでは、一次破砕部として、ロールブレーカ等の破砕機を用いて30mm程度の粒状石炭灰とし、二次破砕部として、振動ロッドミルタイプの破砕機を用いて約300μmの粉状石炭灰を作製しているが、振動ロッドミルで破砕された粉状石炭灰は、針状であり、空気輸送装置の配管を摩耗するという課題があった。
【解決手段】
上記課題を解決するため、石炭焚きボイラ炉底から排出される塊状石炭灰を搬送する乾式搬送装置と、前記乾式搬送装置により搬送された前記塊状石炭灰を破砕する破砕装置と、前記破砕装置により破砕された粉状石炭灰を空気輸送する空気輸送装置と、を備え、前記破砕装置は、ボールミルを有することを特徴とする石炭灰搬送システムを提供する。
【選択図】図2
Description
しかし、振動ロッドミルで破砕された粉状石炭灰は針状であるため、次工程の空気輸送装置の配管を摩耗するという課題があった。
具体的には、本発明は、以下の石炭灰搬送システム及び石炭灰搬送方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本願第1発明は、石炭焚きボイラ炉底から排出される塊状石炭灰を破砕する破砕装置と、前記破砕装置により破砕された粉状石炭灰を空気輸送する空気輸送装置と、を備え、前記破砕装置は、ボールミルを有することを特徴とする石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システムである。
(本願第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明は、前記破砕装置は、前記塊状石炭灰を一次破砕する一次破砕部と、前記一次破砕部で一次破砕された粒状石炭灰を二次破砕する前記ボールミルと、を備えたことを特徴とする本願第1発明に記載の石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システムである。
(本願第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明は、前記空気輸送装置は、前記破砕装置で破砕された前記粉状石炭灰を貯留する貯留部と、配管で空気輸送する空気輸送部と、を備えたことを特徴とする本願第1または第2発明に記載の石炭焚きボイラで生じる石炭灰搬送システムである。
(本願第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明は、前記ボールミルは、破砕用ボールを投入するための投入部を有し、当該投入部は、前記塊状石炭灰または前記粒状石炭灰の投入部でもあることを特徴とする本願第1〜第3発明のいずれかに記載の石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システムである。
(本願第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明は、石炭焚きボイラ炉底から排出される石炭灰を破砕する破砕工程と、前記破砕工程により破砕された粉状石炭灰を空気輸送する空気輸送工程と、を備え、前記破砕工程は、ボールミルで行うことを特徴とする石炭灰搬送方法である。
また、従来の振動ロッドミルでは、破砕媒体である破砕用ロッドが折れると交換作業が必要であった。そのため、交換作業時に石炭焚きボイラを停止又は低負荷運転したり、交換作業用の予備破砕機を設けていた。一方、ボールミルを用いた本発明の石炭灰搬送システムでは、破砕媒体である破砕用ボールは、石炭灰との衝突により表面が摩耗して小さくなるものの、減少した分だけ新しい破砕用ボールを追加すればよい。そのため、メンテナンスにおいて、石炭焚きボイラを停止又は低負荷運転したり、予備破砕機を準備しておく必要がない。
また、ボールミルの破砕媒体のメンテナンスにおいては、新たな破砕用ボールを追加するだけでよく、作業が極めて簡便なものとなる。
本発明の実施例の石炭焚きボイラ9は、石炭火力発電所に設置され、石炭を燃料として燃焼させて蒸気タービンの動力となる蒸気を発生するものである。石炭焚きボイラ9は、石炭を燃焼して発生する飛灰Dを上部から排出し、炉底から塊状の石炭灰Aを排出する。これらの飛灰Dや塊状石炭灰Aは、セメントや人工骨材の原材料等に利用するため、サイロ10に回収される。
なお、経路L1、L2、L3には、それぞれバルブV1、V2、V3、V4が設けられており、必要に応じて適宜開閉される。
なお、本発明の実施例では、サイロ10に真空ポンプが連結されているが、経路L1及び経路L2に直接真空ポンプを連結して、サイクロン等の粒子回収システムを用いて粉状石炭灰と飛灰Dを回収してもよい。また、圧縮空気により搬送気流を形成してもよい。
本発明の実施例の石炭灰搬送システム1は、破砕装置2、空気輸送装置5、乾式搬送装置8を備えた構成であり、さらに破砕装置2は、一次破砕部3及びボールミル4により構成され、空気輸送装置5は、貯留部6及び空気輸送部7により構成されている。
乾式搬送装置8は、石炭焚きボイラ9の炉底から排出された塊状石炭灰Aを搬送するための装置である。乾式搬送装置8には、従来の乾式石炭灰コンベアや、冷却機能を備えた石炭灰冷却コンベア等が使用される。
また、乾式搬送装置8は、省略することもできる。例えば、塊状石炭灰Aを貯留槽等に一次貯留して、冷却後、貯留された塊状石炭灰Aを直接一次破砕部3に導入してもよい。
〈一次破砕部〉
破砕装置2は、一次破砕部3及びボールミル4により構成されている。一次破砕部3は、250mm程度の塊状石炭灰Aを粗破砕して、20mm程度の粒状石炭灰Bを形成するための構成である。例えば、2つのロールの隙間を通して破砕するロールブレーカ、回転刃を備えた駆動軸と固定刃により破砕する1軸型破砕機、回転刃を備えた2つの駆動軸により破砕する2軸型破砕機、竪型破砕機、横型破砕機等が使用される。
ボールミル4は、20mm程度の粒状石炭灰Bを破砕して、300μm程度の粉状石炭灰Cを形成するための装置である。次工程の空気輸送を考慮すると、粉状石炭灰Cの粒度はD90:300μm以下であることが好ましい。なお、粉状石炭灰Cの粒度測定は、レーザー回折式粒度分布計「マイクロトラックMT3300EXII」(日機装株式会社製)を用いて測定した。
ボールミル4は、土台44に軸受ローラ45を介して固定された回転ドラム41、回転ドラム41に粒状石炭灰Bを投入するための投入部42、回転ドラム41から粉状石炭灰Cを排出するための排出部43を備えている。また、回転ドラム41の内部には、複数の破砕用ボール48が充填されており、回転ドラム41の外周面には、破砕用ボール48を投入するためのボール投入口47A、駆動モータ(図示しない)の動力をギア等で伝達するための動力伝達部46が形成されている。
さらに、粒状石炭灰Bを投入するための投入部42には、連続運転しながら追加の破砕用ボール48を投入することができるボール投入口47Bが設けられている。
回転ドラムの大きさは、粒状石炭灰Bの処理量に応じて適宜選択されるが、例えば、直径700〜1500mm、容量1200〜2000L程度のものを使用することができる。また、回転ドラムの回転数は、回転ドラムの直径に応じて適宜選択され、通常10〜50rpm程度である。
破砕用ボール48は、徐々に小さくなって消滅するため、古い破砕用ボールと新しい破砕用ボールを交換する作業は不要である。なお、本発明において、古い破砕用ボールと新しい破砕用ボールを交換してもよいことはいうまでもない。
破砕用ボール48を追加、交換するタイミングは、排出された粉状石炭灰Cを目視または触れて判断したり、粉状石炭灰Cの粒度分布を測定して判断する。なお、ボールミル内部に入ってボールの状況を目視して判断してもよい。
なお、粒状石炭灰Bをボールミル4に投入する前に、適宜乾燥工程を加えてもよい。乾燥工程としては、天日干し、棚乾燥、気流乾燥機による乾燥等、どのような乾燥手段を用いてもよい。粒状石炭灰B同士の固着を防止するため、気流乾燥機を用いることが好ましい。
〈貯留部〉
空気輸送装置5は、粉状石炭灰Cを貯留するための貯留部6と粉状石炭灰Cを空気輸送するための空気輸送部7を備えている。
貯留部6は、下方に向けて縮径した円筒状の容器であり、下端に排出口を有している。当該排出口は、空気輸送部7の配管と気密に接続されている。
粉状石炭灰の供給量を調整できる構成を設けることが好ましい。これにより、空気輸送部7に供給する粉状石炭灰Cの供給量を調整することができる。
空気輸送部7は、気流により粉状石炭灰Cを輸送するための装置であり、配管と気流発生手段を備えた構成である。
配管は、粉状石炭灰Cを輸送するための輸送路であり、内部に輸送方向に流れる気流が形成されている。配管の材質としては、粉状石炭灰Cの衝突により破損や摩耗が生じにくい材質のものが使用される。例えば、低クロム鋳鉄、セラミックライニング等が挙げられる。
気流発生手段としては、真空ポンプ等により輸送方向前方から吸引する方法、コンプレッサー等により圧縮空気を輸送方向へ向けて流す方法のいずれでもよい。
本発明の実施例では、配管の終端部に連結されたサイロ10内を陰圧にして、配管に気流を形成している。
本発明の石炭灰搬送方法は、石炭焚きボイラ炉底から排出される塊状石炭灰Aを破砕する破砕工程と、前記破砕工程により破砕された粉状石炭灰Cを空気輸送する空気輸送工程と、を備え、前記破砕工程は、ボールミルで行うことを特徴とするものである。なお、必要に応じて、乾式コンベア等により塊状石炭灰A、粒状石炭灰B、粉状石炭灰Cを搬送する工程を設けてもよい。
さらに、破砕工程は、塊状石炭灰Aを粒度20mm以下の粒状石炭灰Bに破砕する一次破砕工程、前記粒状石炭灰Bをボールミルにより粒度D90:300μm以下の粉状石炭灰Cに破砕するボールミル破砕工程を備えることが好ましい。
そのほか、石炭を燃料として用いる装置において、発生した石炭灰を搬送するために利用することができる。
Claims (5)
- 石炭焚きボイラ炉底から排出される塊状石炭灰を破砕する破砕装置と、
前記破砕装置により破砕された粉状石炭灰を空気輸送する空気輸送装置と、を備え、
前記破砕装置は、ボールミルを有することを特徴とする石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システム。 - 前記破砕装置は、
前記塊状石炭灰を一次破砕する一次破砕部と、
前記一次破砕部で一次破砕された粒状石炭灰を二次破砕する前記ボールミルと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システム。 - 前記空気輸送装置は、
前記破砕装置で破砕された前記粉状石炭灰を貯留する貯留部と、
配管で空気輸送する空気輸送部と、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システム。 - 前記ボールミルは、破砕用ボールを投入するための投入部を有し、
当該投入部は、前記塊状石炭灰または前記粒状石炭灰の投入部でもあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送システム。 - 石炭焚きボイラ炉底から排出される石炭灰を破砕する破砕工程と、
前記破砕工程により破砕された粉状石炭灰を空気輸送する空気輸送工程と、を備え、
前記破砕工程は、ボールミルで行うことを特徴とする石炭焚きボイラで生じる石炭灰の搬送方法。
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