JP2015208951A - ノック式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】非筆記状態において、操作部が意図せず移動することを防止すると共に筆記状態から非筆記状態への切り替えの際にリフィルに加わる衝撃を最小限に抑える簡単な機構を備えたノック式筆記具を提供する。
【解決手段】ノック式筆記具1が、軸筒4と、筆記体5と、筆記体を後方に付勢するスプリング6と、該軸筒の内面に設けられた突起部からなる複数の外カム20と、前端面にカム面32が形成された操作部30と、内カム46が外周面に設けられた回転子40であって、後端面にカム面と相補的な形状のカム受け面43が形成された回転子と、を具備し、筆記状態と非筆記状態とが切り替え可能であり、非筆記状態から筆記状態への切り替えにおいて、ノック操作の操作荷重が、操作部の移動量に比例しない。
【選択図】図8

Description

本発明は、ノック式筆記具に関する。
軸筒の後端部に操作部を有し、軸筒内に配置されたスプリングの付勢力に抗して操作部を前方に押圧するノック操作を行うことによって、リフィルのペン先である筆記部が軸筒の先端から突出した筆記状態と筆記部が軸筒内に没入した非筆記状態とが切り替えられる、いわゆるノック式の筆記具が公知である(例えば、特許文献1)。筆記状態と非筆記状態との切り替えに必要な操作部の押圧力の変化、すなわち操作荷重の変化は、スプリングのばね定数に依存する。したがって、操作部を前方に移動させると、その移動量に応じて移動に必要な操作荷重は線型に変化する。
特許文献1に記載の筆記具では、非筆記状態において、ノック体、すなわち操作部の操作荷重を従来よりも大きく設定することによって、意図せず筆記部が軸筒の先端から突出し、衣類のポケット等を汚してしまうことを防止している。
特開平11−70779号公報
しかしながら、この操作荷重を大きく設定すると、意図せず筆記部が軸筒の先端から突出することは防止できるものの、筆記状態から非筆記状態への切り替えの際の衝撃によって、リフィル内のインク中に気泡が生じてしまう場合がある。すなわち、筆記状態から非筆記状態への切り替えの際に、リフィルは、スプリングの付勢力によって勢いよく後方へ移動し、その停止時に衝撃が加わる。リフィル内に、特に、粘度の低いインクや剪断減粘性インクを収容している場合には、その衝撃によってインクが後退し、筆記部よりリフィル中に空気が混入する可能性がある。この場合、インク中に気泡が生じ、筆記不良を引き起こす虞がある。
本発明は、非筆記状態において、操作部が意図せず移動することを防止すると共に筆記状態から非筆記状態への切り替えの際にリフィルに加わる衝撃を最小限に抑える簡単な機構を備えたノック式筆記具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、軸筒と、該軸筒内に配置された筆記体と、該筆記体を後方に付勢するスプリングと、該軸筒の内面に設けられた突起部からなる複数の外カムであって、前記突起部が前後方向に延在し且つ周方向に配置されて、前記複数の外カムの間に前後方向に延在するガイド溝が画成される外カムと、前記ガイド溝内を前後方向に移動可能に構成された係止突起部が外周面に設けられた操作部であって、前端面にカム面が形成された操作部と、前記ガイド溝内を前後方向に移動可能に構成された内カムが外周面に設けられた回転子であって、後端面に前記カム面と相補的な形状のカム受け面が形成された回転子と、を具備し、前記カム面が前記カム受け面を押圧することによって前記回転子が回転し、前記内カムが前記外カムと係合する筆記状態と前記内カムが前記ガイド溝内に収容される非筆記状態とが切り替え可能なノック式筆記具であって、非筆記状態から筆記状態への切り替えにおいて、ノック操作の操作荷重が、前記操作部の移動量に比例しないことを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項2に記載の発明によれば請求項1に記載の発明において、非筆記状態から筆記状態への切り替えにおいて、ノック操作の初動時に操作荷重が最大であることを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項3に記載の発明によれば請求項1又は2に記載の発明において、前記非筆記状態において、前記操作部の前記係止突起部が、前記外カムの前記突起部に設けられた被係止部と係止していることを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項4に記載の発明によれば請求項3に記載の発明において、前記被係止部が、周方向において、前記外カムの前記突起部の側面に形成された凹部であることを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項5に記載の発明によれば請求項4に記載の発明において、前記凹部が、前記係止突起部の一部と相補的な形状であることを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項6に記載の発明によれば請求項4又は5に記載の発明において、前記凹部が、前記係止突起部を前記ガイド溝内へ案内する斜面を有することを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項7に記載の発明によれば請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記操作部の全部又は一部が、当該ノック式筆記具の筆跡を消去可能な消去部であることを特徴とするノック式筆記具が提供される。
また、請求項8に記載の発明によれば請求項7に記載の発明において、当該ノック式筆記具が熱変色性インクを有するノック式筆記具であり、前記消去部によって擦過した際に生じる摩擦熱によって前記熱変色性インクによる筆跡を熱変色可能であることを特徴とするノック式筆記具が提供される。
各請求項に記載の発明によれば非筆記状態において、操作部が意図せず移動することを防止すると共に筆記状態から非筆記状態への切り替えの際にリフィルに加わる衝撃を最小限に抑える簡単な機構を備えたノック式筆記具を提供するという共通の効果を奏する。
本発明の実施形態による筆記具の非筆記状態の縦断面図である。 図1の筆記具の筆記状態の縦断面図である。 図1の筆記具の後軸の斜視図である。 図3の後軸の後端部分の拡大縦断面図である。 図1の筆記部の操作部の斜視図である。 図1の筆記具の回転子の斜視図である。 図1の筆記具のノック機構の非筆記状態から筆記状態への切り替えを示す模式図である。 ノック操作と操作部の操作荷重との関係を示す概念図である。 本発明の別の実施形態による筆記具の後軸の後端部分の拡大縦断面図である。 本発明の別の実施形態による筆記具の操作部の斜視図である。 操作部が消去部材を備えた態様を説明する筆記具の縦断面図である。 操作部が別の消去部材を備えた態様を説明する筆記具の縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の実施形態によるノック式の筆記具1の非筆記状態の縦断面図であり、図2は、図1の筆記具1の筆記状態の縦断面図である。
筆記具1は、筒状に形成され且つ前軸2及び後軸3を備えた軸筒4と、軸筒4内に配置され且つ一端に筆記部5aを備えた筆記体であるリフィル5と、リフィル5を後方へ付勢するスプリング6と、軸筒4の後端部、すなわち後軸3の後端部に配置されたノック機構10とを有している。ノック機構10は、外カム20と、筒状に形成された操作部30及び回転子40とを有する。前軸2の前端部はテーパー状に形成され、リフィル5の筆記部5aを突出させるための貫通孔2aが形成されている。前軸2の後端部は、後軸3の前端部の内部に挿入されて螺合している。
なお、本明細書中では、筆記具1の軸線方向において、筆記部5a側を「前」側と規定し、筆記部5aとは反対側を「後」側と規定する。また、筆記具1では、ノック機構10によって、リフィル5が軸筒4内を前後方向に移動する。このとき、筆記部5aが軸筒4内に没入した状態を非筆記状態(図1)と称し、筆記部5aが軸筒4から突出した状態を筆記状態(図2)と称す。
図3は、図1の筆記具の後軸3の斜視図であり、図4は、図3の後軸3の後端部分の拡大縦断面図である。図3及び図4において、上方が筆記具1の前方である。後軸3の後端部の内面には、ノック機構10の一部を構成する4つの外カム20が周方向に等間隔に設けられている。隣接する2つの外カム20によって、前後方向に延在する4つのガイド溝21が画成されている。外カム20の各々は、前後方向に延在し且つ周方向に連続して配置された第1突起部22と第2突起部23と第3突起部24とから成る。中央に配置された第2突起部23は、第1突起部22及び第3突起部24よりも薄い径方向の厚みを有する。したがって、第1突起部22と第3突起部24との間には、径方向の凹部が形成され、後述する操作部30の係止突起部31が、両端の第1突起部22と第3突起部24との間、すなわち、第2突起部23の上に収容される。
外カム20の周方向における側面には、被係止部として、周方向の凹部である被係止凹部25が形成されている。すなわち、外カム20の第3突起部24のガイド溝21に面した側面24a、言い換えると、外カム20において、後述するように回転子40の回転方向とは逆側の側面24aの後方に、被係止凹部25が形成されている。被係止凹部25の前側の内面は、前後方向に対して垂直な平面に対して、周方向に傾斜した被係止斜面26が形成されている。また、被係止凹部25は、第3突起部24の側面24aと平行な底面、すなわち第3突起部24の側面27が形成されている。したがって、被係止斜面26は、第3突起部24の側面24aとこれに平行な被係止凹部25の側面27とを接続する斜面である。
図5は、図1の筆記部の操作部30、いわゆるノック棒の斜視図である。図5において、上方が筆記具1の前方である。操作部30の前側の外周面には、8つの係止突起部31が周方向に等間隔に設けられている。係止突起部31の各々は、ノック操作によって、外カム20内、より具体的には第1突起部22と第3突起部24との間の凹部内、又は、外カム20間のガイド溝21内を前後方向に移動するように構成されている。また、操作部30の前端面にはカム面32が形成されている。カム面32は8つの山部33及び谷部34を有する。なお、本明細書におけるノック操作とは、中断することなく操作部30を押圧し続ける一連の動作をいう。
係止突起部31は、その前端面が、前後方向に対して垂直な平面に含まれるように形成されているが、その一部には、前端面に対して周方向に傾斜した係止斜面35が形成されている。すなわち、係止突起部31の前端面において、後述するように回転子40の回転方向とは逆側の後方部分に、係止斜面35が形成されている。
図6は、図1の筆記具の回転子40の斜視図である。図6において、上方が筆記具1の前方である。回転子40は、操作部30内に挿入されて芯合わせに使用される小径部41と、小径部41の前方に配置された大径部42とから成る。大径部42は小径部41よりも大きな直径を有する。大径部42の後端面には、操作部30のカム面32と相補的な形状のカム受け面43が形成されている。カム受け面43は操作部30のカム面32と同様に8つの山部44及び谷部45を有する。大径部42の外周面には、前後方向に延在する4つの内カム46が周方向に等間隔に設けられている。内カム46は、ノック操作によって回転子40が周方向に回転すると、外カム20と係合し又は外カム20間のガイド溝21内に収容される。内カム46が外カム20間のガイド溝21内に収容されるとき、外カム20は内カム46間の溝47内に収容される。
操作部30のカム面32及び回転子40のカム受け面43は、内カム46が外カム20と係合し又は外カム20間のガイド溝21内に収容されるとき、カム面32の山部33が、周方向において、カム受け面43の隣接する山部44と谷部45との間の斜面上に位置するように構成されている。このため、ノック操作によってカム面32の斜面がカム受け面43の斜面を押圧すると、この操作荷重及びスプリング6による付勢力に起因し、回転子40は周方向の分力を受けて周方向に回転する。一方、操作部30は、係止突起部31が外カム20の第1突起部22又は第3突起部24に周方向に当接することによって周方向の回転が規制される。
図7は、図1の筆記具1のノック機構10の非筆記状態から筆記状態への切り替えを示す模式図である。すなわち、図7は、外カム20と操作部30と回転子40との位置関係を示す模式図であり、外カム20を周方向に展開したものに対して、操作部30の係止突起部31及び回転子40の内カム46の位置を示したものである。図中、上方が筆記具1の前方であり、下方が筆記具1の後方である。回転子40は、上述した操作部30のカム面32と回転子40のカム受け面43とのカム機構によって回転力を与えられ、ノック操作毎に図の左から右へ移動する。なお、図7では、便宜上、外カム20の第1突起部22と第2突起部23と第3突起部24とは一体的に示され、第1突起部22と第3突起部24との間の凹部に収容される操作部30の係止突起部31は省略されている。
図7(a)は、筆記具1の非筆記状態におけるノック機構10の模式図である。このとき、リフィル5を介してスプリング6によって後方に付勢された回転子40の内カム46は、外カム20間のガイド溝21内に収容されている。したがって、この状態では、筆記部5aが軸筒4内に没入している。また、操作部30の係止突起部31は、外カム20間のガイド溝21内に収容されている。操作部30のカム面32と回転子40のカム受け面43とは噛合している。すなわち、カム面32の山部33及び谷部34とカム受け面43の谷部45及び山部44とが、それぞれ一致している。
また、操作部30の係止突起部31は、外カム20の被係止凹部25内に収容されることによって、前後方向の移動に対して被係止凹部25と係止し、それによって、操作部30は、外カム20と係止している。すなわち、外カム20の被係止凹部25は、操作部30の係止突起部31の一部と略相補的な形状に形成されている。より具体的には、この状態で、操作部30の係止突起部31の係止斜面35と外カム20の被係止凹部25の被係止斜面26とは、当接している。したがって、操作部30の係止突起部31が、外カム20の被係止凹部25の外に出ようとする方向の力に対しては、係止斜面35と被係止斜面26との間の摩擦力が作用する。また、操作部30のカム面32と回転子40のカム受け面43とは、噛合していることから、操作部30の係止突起部31が、外カム20の被係止凹部25の外に出ようとする方向の力に対しては、カム面32及びカム受け面43の斜面を介して反対方向の周方向の分力が作用する。
図7(b)は、図7(a)の状態から操作部30を押圧し、操作部30と外カム20との係止が解除されたときのノック機構10の模式図である。すなわち、操作部30の操作荷重が、係止斜面35と被係止斜面26との間の摩擦力及び上述した周方向の分力等の対抗力を上回ったとき、操作部30が僅かばかり周方向に回転し、操作部30の係止突起部31と外カム20の被係止凹部25との係止が解除される。この操作部30の周方向の回転は、操作部30の係止斜面35が外カム20の被係止斜面26に沿ってガイド溝21内に案内させることによって生じる。
その後、操作部30回転子40は、主にスプリング6の付勢力に抗して前進し、このとき、操作部30の係止突起部31及び回転子40の内カム46は、ガイド溝21内を前方に移動する。また、操作部30及び回転子40は、カム面32及びカム受け面43の斜面を介して互いに反対方向の周方向の分力を受けているが、外カム20の第1突起部22及び第3突起部24の側面によって、周方向の移動が規制されている。
図7(c)は、操作部30及び回転子40がさらに前進しているときのノック機構10の模式図である。操作部30及び回転子40がさらに前進すると、内カム46の後端部が前後方向において外カム20の前端部、すなわち第1突起部22を越える。このとき、カム面32とカム受け面43とが一致し、外カム20の側面による、回転子40の周方向の移動の規制は、解除される。
図7(d)は、筆記状態のノック機構10の模式図である。図7(c)の状態から操作部30の押圧を解除すると、操作部30及び回転子40は、スプリング6の付勢力によって後退する。このとき、外カム20の側面による、回転子40の周方向の移動は規制されていないことから、回転子40は、外カム20の斜面から分力を受けて、周方向(前方から見たときに反時計回り)に回転する。すなわち、回転子40の内カム46は、外カム20の斜面を、第3突起部24の前端部側面に当接するまで移動する。その結果、内カム46は外カム20と係合して後退が妨げられ、回転子40に当接されたリフィル5を介して筆記部5aは、軸筒4から突出する状態に保たれるので、筆記が可能となる。
一方、筆記具1のノック機構10の筆記状態から非筆記状態への切り替えは、図7(d)の状態から操作部30を再び押圧することによって行われる。すなわち、操作部30を押圧することによって、内カム46の後端部が前後方向において外カム20の第3突起部24を越える。次いで、操作部30の押圧を解除すると、操作部30及び回転子40は、スプリング6の付勢力によって後退する。すなわち、操作部30の係止突起部31及び回転子40の内カム46は、ガイド溝21内を後方に移動し、停止し、非筆記状態となる。このとき、カム面32及びカム受け面43の斜面を介した周方向の分力によって、操作部30の係止突起部31は、図7(a)に示されるように外カム20の被係止凹部25内に収容される。
図8は、ノック操作と操作部30の操作荷重との関係を示す概念図である。横軸は、操作部30の前後方向の位置を示し、「OFF」は非筆記状態の位置であり、「ON」は筆記状態の位置である。縦軸は、操作部30の前後方向の位置に対応する操作部30の操作荷重である。実線Aは、ばね定数が従来の半分のスプリング6を用いた本発明による筆記具1の関係を示し、破線Bは、ばね定数が従来と同様のスプリング6を用いた本発明による筆記具1の関係を示し、点線Cは、従来の筆記具の関係を示している。
従来の筆記具を示す点線Cを参照すると、操作部30の位置と操作荷重とは略比例関係である。これに対し、同様のばね定数のスプリング6を有する本発明による筆記具1を示す破線Bを参照すると、操作部30を移動させる初動において、より大きな操作荷重を必要とする。すなわち、スプリング6の全長が最も長い非筆記状態(OFF)において、スプリング6の付勢力に抗するための操作荷重は最も小さいが、操作部30と外カム20との係止を解除するために大きな操作荷重を必要とする。したがって、従来の半分のばね定数のスプリング6を有する本発明による筆記具1を示す実線Aにおいても、操作部30を移動させる初動において、破線Bの本発明による筆記具1と同様の傾向を示している。
操作部30と外カム20との係止を解除した後、筆記状態(ON)となるまで操作部30を移動させるためには、破線Bの本発明による筆記具1と点線Cの従来の筆記具とでは、同様の傾向を示している。すなわち、操作荷重は、スプリング6の付勢力に相当し、最もスプリングが収縮する筆記状態において必要とされる操作荷重は、操作部30の初動時の操作荷重と略等しいか又はこれよりも小さい。他方、実線Aの本発明による筆記具1によれば、最もスプリングが収縮する筆記状態において必要とされる操作荷重は、操作部30の初動時の操作荷重の略半分である。
図7(b)及び図8を参照しながら上述したように、本発明による筆記具1は、非筆記状態において、操作部30を移動させる初動においてより大きな操作荷重を必要とする。それによって、非筆記状態において、操作部30が意図せず移動することを防止することが、簡単な機構で以て実現可能となる。さらに、操作部30を、当該筆記具1で筆記した描線、文字等を擦過して消去可能な材料で形成し、消去部として構成した場合、擦過動作時には、安定した擦過動作を行うことが可能となる。すなわち、筆記具1を持ち替えて操作部30を筆記面に対して押圧して擦過動作を行っても、操作部30ががたつくことがない。
また、通常、こうした擦過動作は、筆記具1を筆記面に対して傾斜させた姿勢で行われる。したがって、擦過動作時の傾斜した筆記具1の操作部30には、前後方向に対して傾斜した方向の押圧力が加わる。筆記具1では、上述したように、4つの外カム20の被係止凹部25に対して、8つのうちの4つの係止突起部31が係止し、これらは周方向に等間隔に設けられている。これらの係止は、主に、対応する4つの係止斜面35及び被係止斜面26間の摩擦力に起因する。操作部30に対する傾斜した押圧力の方向は、4つの係止斜面35及び被係止斜面26の組み合わせのうちのいずれかの1つに対して垂直又は垂直に近い角度となる。したがって、操作部30に対して、軸線に沿った前方への押圧力が加わるより、傾斜した押圧力が加わる方が、初動時に必要な操作荷重が大きくなることから、より安定した擦過動作を行うことが可能となる。なお、外カム20の数及び操作部30の係止突起部31の数は、任意に設定可能であるが、多い方が、傾斜させる方向に対する依存性は低くなる。
さらに、リフィル5を後方へ付勢するスプリング6のばね定数を従来よりも小さくすると、意図せず筆記部5aが軸筒4の先端から突出することが防止しつつ、インク中の気泡の発生に起因する筆記不良を防止することができる。すなわち、筆記状態から非筆記状態への切り替えの際に、リフィル5は、スプリング6の付勢力によって勢いよく後方へ移動し、その停止時に衝撃が加わる。リフィル5内に、特に、粘度の低いインクや剪断減粘性インクを収容している場合には、その衝撃によってインクが後退し、筆記部よりリフィル5中に空気が混入する可能性がある。この場合、インク中に気泡が生じ、筆記不良を引き起こす虞がある。本発明によれば、スプリング6のばね定数を従来よりも小さくできることから、筆記状態から非筆記状態への切り替えの際にリフィル5に加わる衝撃を最小限に抑え、インク中の気泡の発生を抑制することが可能となる。
初動時に必要な操作荷重は、外カム20の被係止凹部25の形状、例えば被係止斜面26の傾きや斜面の面積を調整することによって任意に変更可能であり、同様に、操作部30の係止突起部31の形状、例えば係止斜面35の傾きや斜面の面積を調整することによって任意に変更可能である。それによって、操作荷重の最大値を、ノック操作の後半ではなく、初動時に調整することが可能である。操作部30の係止突起部31の一部及び外カム20の被係止凹部25の形状は、相補的でなくても互いに係止可能であれば任意の形状を採用可能である。また、外カム20の被係止凹部25の代わりに、周方向の凹部ではなく凸部を設けることによって、操作部30の係止突起部31と係止させ、同様の効果を奏するようにしてもよい。この場合、操作部30の係止突起部31の代わりに凹部としてもよい。図9及び図10を参照しながら、外カム20の被係止凹部25の変形例及び操作部30の係止突起部31の変形例について説明する。
図9は、本発明の別の実施形態による筆記具1の後軸103の後端部分の拡大縦断面図である。図9に示された後軸103の後端部の内面には、図4に示された外カム20と同様に、ノック機構10の一部を構成する4つの外カム120が周方向に等間隔に設けられている。図9に示された外カム120は、図4に示された外カム20とは、被係止凹部の形状、特に被係止凹部の前側の内面の形状のみ異なる。すなわち、図9に示された外カム120には、図4に示された外カム20と同様に、被係止凹部125が形成されているが、外カム120の被係止凹部125の前側の内面は、部分的に被係止斜面126が形成されている。言い換えると、被係止凹部125の底面又は側面127に対して、前後方向に対して垂直な前面128が接続され、次いで被係止斜面126が接続されている。
被係止凹部125内に、被係止斜面126に加えて前面128を形成することで、非筆記状態において操作部30を移動させる初動時の操作荷重の調整に関し、設計上の選択肢が多くなる。
図10は、本発明の別の実施形態による筆記具1の操作部130の斜視図である。図10に示された操作部130の前側の外周面には、図5に示された操作部30と同様に、8つの係止突起部131が周方向に等間隔に設けられている。図10に示された操作部130は、図5に示された操作部30とは、係止突起部の形状、特に係止突起部の前端面の形状のみ異なる。すなわち、図5に示された係止突起部31の前端面には、前後方向に対して垂直な平面と、前端面に対して周方向に傾斜した係止斜面35とが形成されているが、図10に示された係止斜面135の前端面には、前後方向に対して垂直な平面はなく、係止斜面135のみが形成されている。
係止斜面135の前端面に係止斜面135のみを形成することで、非筆記状態において操作部30を移動させる初動時の操作荷重の調整に関し、設計上の選択肢が多くなる。
図11は、操作部230が消去部材250を備えた態様を説明する筆記具201の縦断面図である。図11に示された操作部230の外形は、図1に示された筆記具1における操作部30の外形と同様であるが、操作部230は、消去部として機能する消去部材250を有する。消去部材250は、操作部230の後端部に嵌合することによって取り付けられ、操作部230を覆う筒状の部材である。消去部材250は、嵌合でなく、二色成形や接着によって操作部230に取り付けられるようにしてもよい。
図12は、操作部330が別の消去部材350を備えた態様を説明する筆記具301の縦断面図である。図12に示された操作部330の外形は、図1に示された筆記具1における操作部30の外形と同様であるが、操作部330は、消去部として機能する円柱状の消去部材350を有する。消去部材350は、図1に示された操作部30よりも前後方向に短く形成された操作部330の後端に対して、接着又は二色成形等によって取り付けられている。言い換えると、操作部330の一部が消去部として機能している。
本実施形態における筆記体であるリフィル5は、熱変色性インクを収容してもよい。この場合、筆記具1は熱変色性筆記具であり、消去部である摩擦体によって擦過した際に生じる摩擦熱によって、筆記具1の筆跡を熱変色可能である。なお、筆記体として、熱変色インクを収容したボールペン、熱変色芯を収容したシャープペンシル、鉛筆ホルダ等を使用することもできる。
ここで、熱変色性インクとは、常温(例えば25℃)で所定の色彩(第1色)を維持し、所定温度(例えば60℃)まで昇温させると別の色彩(第2色)へと変化し、その後、所定温度(例えば−5℃)まで冷却させると、再び元の色彩(第1色)へと復帰する性質を有するインクを言う。熱変色性インクを用いた筆記具1では上記第2色を無色とし、第1色(例えば赤)で筆記した描線を昇温させて無色とすることを、ここでは「消去する」ということとする。したがって、描線が筆記された筆記面等に対して消去部としての摩擦体によって擦過して摩擦熱を生じさせ、それによって描線を無色に変化、すなわち消去させる。なお、当然のことながら上記第2色は、無色以外の有色でもよい。
消去部を形成する材料として、シリコーンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等のゴム材質やスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーといったゴム弾性材料、2種以上のゴム弾性材料の混合物、及び、ゴム弾性材料と合成樹脂との混合物、市販されている消しゴム等が挙げられる。消去部は、特にポリプロピレン樹脂及びスチレン系熱可塑性エラストマーの混合物、またはポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの混合物から形成され、その配合比率がそれぞれ重量比で1:1〜1:4であり、研磨剤、可塑剤、充填剤を含有せず、JIS K6251に規定されたデュロメータ硬度Aが70°〜100°となる材質からなり、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%以下のものである可塑剤を含有しない低摩耗性の弾性材料から形成される。それによって消去部は、擦過時に消しカスが生じにくく、熱変色性も優れているので有効である。
なお、本発明における「消去」とは、上記熱変色性インクを用いた場合以外にも、筆記した描線、文字等を消しゴム等の消去部で吸着又は削ぎ落とすことをいう。したがって、本発明は、筆記した描線を、消去部を用いて消去する任意の筆記具にも適用可能である。
1 筆記具
4 軸筒
20 外カム
21 ガイド溝
30 操作部
31 係止突起部
32 カム面
40 回転子
43 カム受け面
46 内カム

Claims (8)

  1. 軸筒と、
    該軸筒内に配置された筆記体と、
    該筆記体を後方に付勢するスプリングと、
    該軸筒の内面に設けられた突起部からなる複数の外カムであって、前記突起部が前後方向に延在し且つ周方向に配置されて、前記複数の外カムの間に前後方向に延在するガイド溝が画成される外カムと、
    前記ガイド溝内を前後方向に移動可能に構成された係止突起部が外周面に設けられた操作部であって、前端面にカム面が形成された操作部と、
    前記ガイド溝内を前後方向に移動可能に構成された内カムが外周面に設けられた回転子であって、後端面に前記カム面と相補的な形状のカム受け面が形成された回転子と、
    を具備し、
    前記カム面が前記カム受け面を押圧することによって前記回転子が回転し、前記内カムが前記外カムと係合する筆記状態と前記内カムが前記ガイド溝内に収容される非筆記状態とが切り替え可能なノック式筆記具であって、
    非筆記状態から筆記状態への切り替えにおいて、ノック操作の操作荷重が、前記操作部の移動量に比例しないことを特徴とするノック式筆記具。
  2. 非筆記状態から筆記状態への切り替えにおいて、ノック操作の初動時に操作荷重が最大であることを特徴とする請求項1に記載のノック式筆記具。
  3. 前記非筆記状態において、前記操作部の前記係止突起部が、前記外カムの前記突起部に設けられた被係止部と係止していることを特徴とする請求項1又は2に記載のノック式筆記具。
  4. 前記被係止部が、周方向において、前記外カムの前記突起部の側面に形成された凹部であることを特徴とする請求項3に記載のノック式筆記具。
  5. 前記凹部が、前記係止突起部の一部と相補的な形状であることを特徴とする請求項4に記載のノック式筆記具。
  6. 前記凹部が、前記係止突起部を前記ガイド溝内へ案内する斜面を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のノック式筆記具。
  7. 前記操作部の全部又は一部が、当該ノック式筆記具の筆跡を消去可能な消去部であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のノック式筆記具。
  8. 当該ノック式筆記具が熱変色性インクを有するノック式筆記具であり、前記消去部によって擦過した際に生じる摩擦熱によって前記熱変色性インクによる筆跡を熱変色可能であることを特徴とする請求項7に記載のノック式筆記具。
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