JP2015208669A - 骨補強体具とこの溶融積層造形法及び溶融積層造形装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この解決手段は、三次元モデルのCADデータから二次元スライスデータを作成し、スライスデータをもとに、モデル部と空間部とで異なる粉末を用いた2種以上の粉末からなる平面画像を静電写真法により転写・定着させ、粉末平面画像を順次積層して2種以上の粉末からなる粉末立体を作成し、次いで粉末立体を処理して空間部を占める粉末を除去してモデル部を占める粉末からなる三次元形状を創成するものである(例えば、特許文献1参照。)。
即ち、現状の治療法としては金属製(チタン)の人工関節が普及しているが、固定する側の骨の強度が骨粗鬆症)等で得られない場合は、適用が困難となっていて有望な解決法が待たれている。
即ち、前記人工関節と患骨部の骨補強体とを一体形成した骨補強体具を患者の骨患部に骨との親和性良く接合させることで、骨患部の早期回復が期待できる新手術法を提供することに成功した。即ち、患者の骨患部のデータ撮りに基づき、関節部はチタン関節で構成し、骨患部はチタンを網目体または窓有りに熱溶解チタンにより外周を包囲する骨補強体具を創形するノウハウを工業的に実施可能とした。
先ず、本発明の骨補強体具は、骨の外形状(膝関節、大腿骨、脛骨等)に沿った網目状又は孔空き状に軽量化され且つ剛性、柔軟性を併せ持つ金属(チタン)製で生体機能を損なわない最適条件で患部骨を包み込むことができる。更に、骨補強体具の人工関節は、現在普及している各種の人工関節よりも形状と潤滑性(面粗さRa0.1μm以上)に優れた機械加工ができる。更に、大腿骨、脛骨以外の骨補強体具は、その機能に沿った形状に加工されるとともに何れも軽量で且つ柔軟性に優れ其々の個体骨情報に基づき短時間に完成できる。骨補強体具は、骨の形状を長くする長身法等にも適用できる。
また、不活性ガスを満たすべく搭載した加工槽内で立体造形物となる骨補強体具を溶接ビートで積層するから、酸化作用による劣化を受けず高品質な骨補強体具が得られる。
また、不活性ガス又は液体又は気液混合体を満たすべく搭載した加工槽内で立体造形物となる骨補強体具を溶接ビートで積層する積層造形手段を備えたから、酸化作用による劣化を受けず高品質な骨補強体具を製造できる。
▲1▼ MRI(核磁気共鳴画像法、magnetic resonance imaging,)又はCT(コンピュータ断層撮影、Computed TomogR a phy)により、患部骨1の3次元画像情報e0が得られる。この骨情報をCAD(キャド、computeR a ided design)に読み込み骨補強体具Hを設計する。
▲2▼ CAM(コンピュータ支援製造、computeR a ided manufacturing)に入力された3次元画像情報e0は、ここでNC化(コンピュータ数値制御、CNC(Computer(ized)Numerical(ly)Control(led)された3次元造形NC情報e1を得える。この3次元造形情報により、熱溶解金属造形機械(以下、溶融積層造形装置と言うこの機械は、4軸制御以上の同時NC制御工作機械や多関節ロボット他100の何れからなる)Mで患部骨1の造形加工を行う。以上は公知技術である。
▲3▼ 以下、本発明となる骨補強体具Hが造形される。先ず、溶融積層造形装置は、4軸制御以上の同時NC制御機能を持っており、上記3次元造形情報により、アーク溶接、ガス溶接等の熱溶解部によりチタン他の金属棒が熱溶解した熱溶融金属となって滴下され、この溶接ビードをテーブル部上に網目状工程(a)(b)(c)(d)(e)の如く積層して患部骨1を包囲する骨補強体具Hを3次元造形する。
▲4▼ 更に、前記骨補強体具H0の頂部に溶接ビードBを積層した人工関節H1が3次元表面H1として造形される。この3次元表面H1は、ハイパー研削及びチョッピング研削磨(後記)等により、高精度(表面粗さRa0.1μm以上)に滑らかに磨かれる。
▲5▼ 前記の工程で造形された人工関節H1を含む骨補強体具Hは、外科手術により人体の患部K0を切開した患部骨(例えば、関節と脛骨又は大腿骨からなる)1の外周(半周面または全周面)に装着固定される。
また、図5(b)に示すように、患部骨1の外周における全周面は、図3及び図4に示すように、分割形状に積層形成された骨補強体具H,HXとH0,H0Xにより両側から包み込まれる両側補強タイプとなる。このメリットは、重症な患部骨1の骨補強にも低コストに装着できるし、外科手術も比較的に短時間に行える。
この溶融積層造形装置100は、4軸以上の多軸をNC制御されるベースマシンBMを備え、この基台B1上で水平2方向(前後左右のX軸サーボモータMXとY軸サーボモータMY)に移動制御される移動台1と、上記移動台に旋回運動(C軸サーボモータMC)及び首振り運動(B軸サーボモータMB)するテーブル2と、上記テーブル上には立体造形物を溶接ビート11Aの肉盛で積層させるとともに不活性ガスG又は液体G又は気液混合体Gを満たすべく搭載した加工槽3とから成る。そして、上記加工槽の上部空間Sには、上記テーブル上に立体造形物となる骨補強体具Hまたは骨補強体具H0を溶接ビートBで積層する金属棒11を溶融するアーク溶接部80と溶接棒11、又はガス溶接部90とこのトーチ部30と溶接棒11からなる積層造形手段(造形物成形部)SZを備える。尚、樹脂材を溶接棒11とする時は、ガス溶接部90とこのトーチ部30による。
前記各部材は、骨補強体具Hまたは骨補強体具H0他の造形プログラムPにより運転制御されるNC運転制御部7を備えている。運転当初は、各溶接棒11は送り制御モータMK,MKにより加工槽3の上面近くまで下降して位置決めされる。この状態から溶接ビートBを、B1、B2,B3,B4・・・の如く一層ずつ積層させて行くに追従して送り制御モータMK,MKは、各溶接棒11の消耗量分を送り出すとともに積層される溶接ビートBの最上面との関係を加味しながら積層造形手段(造形物成形部)SZを上昇位置制御し、骨補強体具Hまたは骨補強体具H0他を積層造形する。
前記ハイパー研削(研削ホイールの保持具)は、本願出願人に係る技術であり、具体的な構成は、図8において、この研削ホイール40は、両縁にフランジ1F,1Fを備えた環状基台1と、前記環状基台1の外周面1Bに内周面2Aを装着された環状砥石2とで構成されている。前記環状基台1の内周面1Aは回転主軸5に嵌着され、前記環状基台1の両縁フランジ1F,1Fが環状砥石2Tの両側面2F,2Fと接する部位に凹状断面の通路1Gを放射状に設け、前記通路1Gは上記回転主軸5の内部から外周5Aに繋がる冷却液K(高圧冷却液K)の冷却液供給通路Aから連絡孔H5,H6とで連絡させるとともにフランジ外周端で環状砥石2Tの両側面2F,2Fに開口H7されている。
具体的な構成は、図9において、先端部13Aに通孔13Bを持つ回転筒体13と、前記回転筒体の空間S内に膨張する摺動環部14Aを気密に摺動可能に嵌合する回転軸14と、前記回転軸の先端部14Bは回転筒体の通孔から外部へ突出してこれに付設した研削砥石GOと、前記回転筒体と回転軸の摺動環部との間に回転軸を後退させる弾性体15と、前記回転筒体の後側空間内に供給する脈動する研削液COとからなる。
これにより、チョッピング加工の条件となるステッピング加工の10倍以上の速い往復運動と、0.05mm〜1mm前後のストロークは、脈動供給される研削液や切削液により主軸回転とは関係なく刃具や研削砥石に対するビビリ振動の無い円滑で自由な往復運動制御の元に実施できる。これにより、線条痕の無い人工関節面H1,H2の被研削面Xの表面粗さRa0.1μm以上の円滑・平滑面が人工関節面H1,H2に得られる。尚、研削砥石GOは、凹凸面の多い関節面の磨き時には研磨バフとしても良い。
本発明の骨補強体具H,H0は、骨の外形状に沿った網目状又は孔空き状に軽量化され且つ剛性、柔軟性を併せ持つ金属(チタン)製で生体機能を損なわない最適条件で患部骨を包み込むことができる。更に、骨補強体具H,H0の人工関節は、現在普及している各種の人工関節よりも形状と潤滑性(面粗さRa0.1μm以上)に優れた機械加工ができる。更に、大腿骨、脛骨以外の骨補強体具は、その機能に沿った形状に加工されるとともに何れも軽量で且つ柔軟性に優れ其々の個体骨情報に基づき短時間に完成できる。骨補強体具H,H0は、骨の形状を長くする長身法等にも適用できる。
2 テーブル
2T 環状砥石
7 NC運転制御部(NC制御部)
11 溶接棒(金属棒)
30 バーナー
40 研削ホイール
50 チョッピング工具ホルダ
60 チョッピング駆動装置
80 アーク溶接部
90 ガス溶接部
100 溶融積層造形装置
BM ベースマシン
B 溶接ビート
B1 基台
CK チタン金属
CO 研削液
G 不活性ガス又は液体又は気液混合体
GO 研削砥石
e0 3次元画像情報
e1 3次元造形NC情報
H,H0 骨補強体具
HX,H0X 骨補強体具
H1,H2 人工関節
H3 人工大腿骨
H4 人工脛骨
K0 患部
K1 関節
K2 脛骨
K3 関節
K4 大腿骨
P 造形プログラム
S 空間
SZ 積層造形手段
MX X軸サーボモータ
MY Y軸サーボモータ
MC C軸サーボモータ
V1 開閉弁
(A) 創形工程
(B) 関節創形工程
(C) 人工関節面磨き工程
(D) 骨補強体具の完成品
Claims (14)
- 患部骨(大腿骨、脛骨、膝関節等)の外周形状に於ける半周面に倣って形成すべく、人工大腿骨や人工脛骨等は網目状又は薄板孔空き状にチタン金属を溶融金属の溶接ビートにより積層形成されたものであることを特徴とする骨補強体具。
- 患部骨(大腿骨、脛骨、膝関節等)の外周形状に於ける全周面に倣って分割形成すべく、人工大腿骨や人工脛骨等は網目状又は薄板孔空き状にチタン金属を溶融金属の溶接ビートにより積層形成されたものであることを特徴とする骨補強体具。
- 患部骨(大腿骨、脛骨、膝関節等)の外周形状に於ける半周面に倣って形成すべく、人工関節をチタン金属で被冠させる三次元形状に形成され、人工大腿骨や人工脛骨等は網目状にチタン金属を溶融金属の溶接ビートにより積層形成されたものであることを特徴とする骨補強体具。
- 患部骨(膝関節、大腿骨、脛骨等)の外周形状に於ける半周面に倣って形成すべく、人工関節をチタン金属で被冠させる三次元形状に形成され、人工大腿骨や人工脛骨等は薄板孔空き状にチタン金属を溶融金属の溶接ビートにより積層形成されたものであることを特徴とする骨補強体具。
- 患部骨(膝関節、大腿骨、脛骨等)の外周形状に於ける全周面に倣って分割形成すべく、人工関節をチタン金属で被冠させる三次元形状に形成され、人工大腿骨や人工脛骨等は網目状にチタン金属を溶融金属の溶接ビートにより分割形状に積層形成されたものであることを特徴とする骨補強体具。
- 患部骨(膝関節、大腿骨、脛骨等)の外周形状に於ける全周面に倣って分割形成すべく、人工関節をチタン金属で被冠させる三次元形状に形成され、人工大腿骨や人工脛骨等は薄板孔空き状にチタン金属を溶融金属の溶接ビートにより分割形状に積層形成されたものであることを特徴とする骨補強体具。
- 前記患部骨は、大腿骨と骨盤との股関節との関節にも適用されることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれか一つに記載の骨補強体具。
- 前記患部骨は、骨盤と仙骨との関節及び背骨とこの各背骨(腰椎・胸椎・頚椎)間にも適用されることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれか一つに記載の骨補強体具。
- 前記患部骨は、脛骨と足首との関節や各指の関節にも適用されることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれか一つに記載の骨補強体具。
- 前記患部骨は、腕とその各関節となる手首関節とその先端の指とその各関節の他、肩関節,肩甲骨,鎖骨とその関節の何れかにも適用されることを特徴とする請求項1〜6記載のいずれか一つに記載の骨補強体具。
- 4軸以上の多軸をNC制御されるベースマシンにおいて、この基台上で水平2方向に移動制御される移動台と、前記移動台で旋回運動及び首振り運動するテーブルと、前記テーブル上部空間には、前記テーブル上に立体造形物となる骨補強体具を溶接ビートで積層する金属棒を溶融するアーク溶接部と溶接棒、又はガス溶接部とこのトーチ部と溶接棒からなる昇降可能な積層造形手段を備え、前記各部材を骨補強体具の造形プログラムにより運転制御するNC運転制御部を備え、溶接ビートを一層ずつ積層させる積層造形手段により骨補強体具を積層造形することを特徴とする骨補強体具の溶融積層造形装置。
- 前記テーブル上には立体造形物となる骨補強体具を溶接ビートの肉盛で積層させるとともに不活性ガス又は液体又は気液混合体を満たすべく搭載した加工槽を備え、前記加工槽内で立体造形物となる骨補強体具を溶接ビートで積層する積層造形手段を備えたことを特徴とする請求項11記載の骨補強体具の溶融積層造形装置。
- 4軸以上のベースマシンのテーブル上において、テーブルに金属棒をアーク溶接部又はガス溶接部により金属棒を熱溶解して溶接ビートの肉盛で積層造形物の大腿骨部や脛骨を積層造形する創形工程と、前記創形工程において大腿骨部や脛骨の端部に人工関節を形成する関節創形工程と、前記関節創形工程に続いて人工関節の表面を研削盤又は研磨盤上でハイパー研削又はチョッピング研削研磨する人工関節面磨き工程とからなり、前記人工関節面磨き工程後に骨補強体具の完成品とすることを特徴とする骨補強体具の溶融積層造形法。
- 前記創形工程と前記関節創形工程とは、4軸以上のベースマシンのテーブル上において、テーブル上の加工槽内に不活性ガス又は液体又は気液混合体を満たして金属棒をアーク溶接部又はガス溶接部により金属棒を熱溶解して溶接ビートの肉盛で積層造形物の大腿骨部や脛骨や人工関節を積層造形することを特徴とする請求項13記載の骨補強体具の溶融積層造形法。
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