JP2005000936A - 部材の肉盛り方法および部材の肉盛り装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放電エネルギーによって部材1の端部3の各部位に堆積用電極E1の電極材料を堆積させて、上記部材端部3に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている場合、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極E1を移動して肉盛を施し、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極E1を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極を移動して肉盛りを施す。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な溶接を繰り返すことによって、部材端部に肉盛りを施す部材の肉盛り方法、部材の肉盛り装置係り、特に、端部の各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている部材の端部に肉盛りを施すものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放電コーティング用の消耗電極を用いて、部材に放電コーティング処理を行うことにより、上記部材の表面に被覆層を形成可能な方法が知られている(たとえば特許文献1)。
【0003】
ここで、上記従来の方法について詳しく説明する。上記従来の方法は、たとえば、導電性を備えた部材と、消耗性を備えたポーラスな(多孔質の)堆積用電極(金属粉末あるいは金属の化合物の粉末をあるいはそれらを混合した粉末を圧縮成形した圧粉体、もしくは、上記圧粉体を加熱処理した圧粉体)との間に、パルス状の微小放電を発生させ、この放電のエネルギーによって、上記部材のたとえば端部に上記堆積用電極の電極材料を僅かに堆積させて、上記部材端部を被覆するものである。
【0004】
なお、上述のように、導電性を備えた部材と消耗性を備えた、たとえばポーラスな堆積用電極との間に、パルス状の微小放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部等に上記堆積用電極の電極材料を堆積させることを、以下、「EDC(Electro Discharge Coating;放電コーティング)」という場合があり、また、上記堆積用電極を「EDC電極」という場合がある。
【0005】
ここで、EDCを用いた従来の方法によって、部材の端部(たとえば、ガスタービンエンジンの動翼や静翼の先端部)に肉盛りをする場合について説明する。
【0006】
なお、上記部材端部への肉盛りは、上記被覆と同様に行われるものであるが、肉盛りでは、上記堆積層の厚さがたとえば、2mmほどあり、被覆に比べて厚い。
【0007】
図5は、EDCを用いた従来の方法によって、ガスタービンエンジンの翼(たとえば、動翼や静翼)1の先端部に肉盛りを施す場合を示す図である。なお、図5(1)は、翼1をこの先端部3側から眺めた図であり、図5(2)は、図5(1)におけるV矢視図である。
【0008】
EDCを用いた従来の方法によって、ガスタービンエンジンの翼1の平面状の先端部3に肉盛りを施す場合、図5に示すように、上記翼1の先端部3に対向させて、たとえば、直方体形状に形成されたEDC電極E3を設置する。なお、上記EDC電極E3の先端部E3Aは平面状に形成されており、上記先端部E3Aは、上記翼1の先端部3に対向して、この先端部3とほぼ平行に設けられている。
【0009】
また、図5(1)で示すように、EDC電極E3の先端部E3Aが翼1の先端部3を覆っており、すなわち、EDC電極E3の先端部E3Aの投影図形の中に、翼1の先端部3の投影図形が存在している。
【0010】
このように配置された状態で、上記各平面状部(上記各先端部E3A、3)同士を平行な状態に保ちつつ、形成された肉盛り部の状態に応じて、すなわち、上記翼1の先端部3に肉盛り部が形成されても上記各平面状部同士間の距離がほぼ一定になるようにして、翼1に対してEDC電極E3を、矢印AR11の方向(図5(2)参照)に移動し、上記翼1の先端部3に肉盛りを施す。
【0011】
次に、上述のようにして形成された肉盛り部100の形状について説明する。
【0012】
図6は、図5(1)におけるVIA−VIA、VIC−VIC、VIE−VIEの各断面を示す図である。
【0013】
上述のようにして形成された肉盛り部100では、上記翼1の先端部3の各部位3A、3C、3Dにかかわらず先端部3の総ての部位で、先端部3の平面からほほ垂直な方向(EDC電極E3の移動方向;矢印AR1の方向)に延伸して、肉盛り部100A、100C、100Eが形成されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−300227号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、翼1は、図5に示すように、この基端部(基部)5から上記先端部(端部)3に向かう方向に延伸した板状の部材であり、上記先端部3は平面状に細長く形成されている。さらに、上記基端部5から上記先端部3へ向かう方向に平行な軸(翼1の中心近傍に位置した軸)CL1を中心にして、上記翼1が捻れている。
【0016】
このように捻れていることにより、上記肉盛りによって付加される各部位3A、3C、3Eにおける肉盛り部の延伸方向は、上記平面状の先端部3の長手方向の各部位で異なっている。したがって、本来であれば、各部位3A、3C、3Eにおける肉盛り部は、図3に示すように、それぞれの延伸方向が異なるように形成されるべきである。
【0017】
なお、上記軸CL1の近傍に位置する部位3Aでは、翼1はほとんど捻れていない。また、上記記載では、3つの部位3A、3C、3Dの延伸方向を例に掲げて説明したが、部位3Aから部位3Cに向かうにしたがって、また、部位3Aから部位3Eに向かうにしたがって、連続的に徐々に延伸方向が変化しているものとする。
【0018】
各部位3A、3C、3Eにおける肉盛り部の延伸方向が、それぞれが異なるように形成されるべきであるにもかかわらず、従来の方法では、図6に示すように、上記翼1の先端部3の総ての部位で、先端部3の平面状からほぼ垂直方向に延伸して、各肉盛り部100A、100C、100Eが形成されており、すなわち、肉盛り部が正確に形成されていないという問題がある。
【0019】
なお、上記問題は、ガスタービンエンジンだけではなく、蒸気タービンエンジンの動翼や静翼、さらに、肉盛りによって付加される部材端部の各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている上記部材端部に肉盛りする場合にも発生する問題である。
【0020】
さらに、上記問題は、平面状の端部に肉盛りする場合だけにかかわらず、平面状に形成されていない部材端部に肉盛りを施す場合にも発生する問題である。
【0021】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の各部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっていても、正確な形状の肉盛りをすることができる部材の肉盛り方法および部材の肉盛り装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、導電性を備えた部材と堆積用電極との間に、パルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の各部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている場合、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極を移動して肉盛を施し、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極を移動して肉盛りを施す部材の肉盛り方法である。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の部材の肉盛り方法において、上記部材はこの部材の基部から上記部材端部に向かう方向に延伸した板状の部材であり、上記部材端部は平面状に細長く形成されており、上記部材基部から上記部材端部へ向かう方向に平行な軸を中心にして、上記部材が捻れていることによって、上記肉盛りによって付加される各部位の延伸方向が、上記部材端部の上記平面状部の長手方向で異なっており、上記堆積用電極は、上記部材端部と対向する先端部が平面状に形成されており、上記堆積用電極の上記平面状部の幅は、上記部材端部の細長い平面状部の幅よりも広く形成され、上記堆積用電極の平面状部の長さは、上記部材端部の細長い平面状部の長さよりも短く形成されており、上記堆積用電極の上記平面状部と上記部材端部の上記平面状部とが互いに平行になるように、また、上記部材端部の上記平面状部が、上記幅方向において、上記堆積用電極の上記平面状部の領域内にあるように、上記堆積用電極の先端部と上記部材端部とを互いに接近させ、上記堆積用電極の平面状部と上記部材端部の平面状部とが互いに平行であり、上記部材端部の上記平面状部が、上記幅方向において、上記堆積用電極の上記平面状部の領域内にある状態を保ちつつ、上記堆積用電極が設置された上記部材端部の部位の延伸方向に、上記設置した堆積用電極を移動して、上記部材端部に肉盛りを施す部材の肉盛り方法である。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の部材の肉盛り方法において、上記部材はガスタービンエンジンまたは蒸気タービンエンジンの動翼、または静翼であり、上記部材の基部は上記動翼のディスクまたは上記静翼のケーシングへの植え込み部であり、上記部材の上記端部は上記動翼または上記静翼の先端部であり、この先端部の各部位における延伸方向は、上記動翼または上記静翼の先端部の平面状部と上記動翼または静翼の側面とが互いに交差して形成された稜線とほぼ直交した各平面上に存在する各接線であって、上記稜線部における上記動翼側面または上記静翼側面の各接線の方向とほぼ一致する方向である部材の肉盛り方法である。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の部材の肉盛り方法において、上記肉盛りによる上記堆積用電極の消耗に応じて、上記部材に対する上記堆積用電極の位置を補正する部材の肉盛り方法である。
【0026】
請求項5に記載の発明は、導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の各部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをすることが可能な部材の肉盛り装置において、基台に設けられ、上記堆積用電極を保持自在な堆積用電極保持手段と、上記基台に設けられ、上記部材を設置自在な部材設置手段と、上記部材設置手段に設置された上記部材を、上記堆積用電極に対して相対的に移動自在な移動手段と、肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が上記各部位によって異なっている場合、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極を移動して肉盛を施し、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極を移動して肉盛りを施すように制御する制御手段とを有する部材の肉盛り装置である。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の部材の肉盛り装置において、上記制御手段は、上記肉盛りによる上記堆積用電極の消耗に応じて、上記部材に対する上記堆積用電極の位置を補正可能に構成されている部材の肉盛り装置である。
【0028】
請求項7に記載の発明は、導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の平面状の部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記部位の延伸方向が、上記部位の平面に対して斜めに交差している場合、上記堆積用電極を、上記部材端部の上記部位の延伸方向に移動して肉盛を施す部材の肉盛り方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る部材の肉盛り装置11の概略構成を示す図であり、部材の肉盛り装置11は、EDCによって、ガスタービンエンジンの翼1等の部材の端部(先端部)3に肉盛りを施すための装置である。すなわち、部材の肉盛り装置11は、導電性を備えた翼1等の部材の先端部3と、たとえばポーラスな堆積用電極(EDC電極)E1との間にパルス状の微小な放電を発生させ、この放電のエネルギーによって翼1等の部材の端部3の各部位に上記堆積用電極E1の電極材料を堆積させて、上記部材端部3に肉盛りをすることが可能な装置である。
【0030】
また、部材の肉盛り装置11は、肉盛りによって付加される上記部材端部3の各部位の延伸方向が、上記各部位によって(肉盛りする上記部材端部3の位置に応じて)異なって(変化して)いる場合、上記各部位のうちの一つの部位に上記堆積用電極E1を設置し、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極E1を移動して肉盛を施した後、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極E1を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極E1を移動して肉盛りを施すことが可能な装置である。
【0031】
ここで、部材の肉盛り装置11は、上記堆積用電極E1を保持自在な堆積用電極保持手段15を備え、この堆積用電極保持手段15は基台13に設けられている。また、基台13には、翼1を設置自在な部材設置手段(たとえば、バイス等によって構成された翼固定具)17が設けられている。
【0032】
また、移動手段19によって、上記部材設置手段17に設置された上記翼1が、上記堆積用電極E1に対して相対的に移動自在になっている。
【0033】
そして、図示しない制御手段からの制御によって、翼1の先端部3と堆積用電極E1との間に間歇的に電圧が印加され、さらに、上記移動手段19が駆動するようになっている。
【0034】
すなわち、図示しない制御手段からの制御によって、たとえば、肉盛りによって付加される上記翼1の先端部3の各部位の延伸方向が上記各部位によって異なっている場合、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記翼1に対して相対的に上記堆積用電極E1を移動して肉盛を施し、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極E1を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極E1を移動して肉盛りを施すようになっている。
【0035】
なお、上記翼1のような形状ではなく、単なる直方体形状の部材の端部への肉盛りをする場合、すなわち、肉盛りによって付加される部材端部の各部位の延伸方向が、上記各部位にかかわらず変化しておらず、一定である場合、上記部材端部の位置にかかわらず一定の方向(たとえば、上記部材端部の平面に垂直な方向)に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極E1を移動して肉盛りを施す。すなわち、上記各部位のうちの一つの部位に上記堆積用電極E1を設置し、上記部材端部のうちの一つの部位の延伸方向に上記堆積用電極E1を移動して肉盛を施した後、上記堆積用電極E1を上記一つの部位とは異なる他の部位に移動して設置し、上記一つの部位と同じ方向に上記堆積用電極E1を移動して肉盛りを施す。
【0036】
ここで、上記移動手段19について詳しく説明すると、上記移動手段19は、たとえば、水平方向の一方向であるx軸方向で上記翼1と上記堆積用電極E1とを相対的に移動自在なx軸移動手段21と、水平方向の一方向であり上記x軸方向に直角なy軸方向で上記翼1と上記堆積用電極E1とを相対的に移動自在なy軸移動手段23と、鉛直方向であるz軸方向で上記翼1と上記堆積用電極E1とを相対的に移動自在なz軸移動手段25とを有する。
【0037】
上記x軸移動手段21は、たとえば、z軸方向で適宜の厚さを具備した板状のx軸キャリッジ27を備え、このx軸キャリッジ27は、図示しないリニアガイドによってガイドされて基台13の上部でこの基台13に対してx軸方向に直線的に移動できるようになっている。さらに、上記x軸キャリッジ27は、サーボモータやパルスモータ等の制御モータ31の出力軸に一端部側が接続されたボールネジ29を介して、上記制御モータ31によって駆動され、適宜の速度で適宜の位置まで移動して停止することができるようになっている。なお、上記制御モータ31は上記制御手段によって制御されて駆動するものである。
【0038】
上記y軸移動手段23は、たとえば、z軸方向で適宜の厚さを具備した板状のy軸キャリッジ33を備え、このy軸キャリッジ33は、図示しないリニアガイドによってガイドされて上記x軸キャリッジ27の上部でこのx軸キャリッジ27に対してy軸方向に直線的に移動できるようになっている。さらに、上記y軸キャリッジ33は、サーボモータやパルスモータ等の制御モータ37の出力軸に一端部側が接続されたボールネジ35を介して、上記制御モータ37によって駆動され、適宜の速度で適宜の位置まで移動して停止することができるようになっている。なお、上記制御モータ37は上記制御手段によって制御されて駆動するものである。
【0039】
上記z軸移動手段25は、たとえば、y軸方向で適宜の厚さを具備した板状のz軸キャリッジ39を備え、このz軸キャリッジ39は、図示しないリニアガイドによってガイドされて、上記基台13のy軸方向の一端部側でz軸方向に起立して上記基台13に一体的に設けられた直方体状のコラム(図示せず)の側方で、上記コラムに対してz軸方向に直線的に移動できるようになっている。さらに、上記z軸キャリッジ39は、サーボモータやパルスモータ等の制御モータ41の出力軸に一端部側が接続されたボールネジ43を介して、上記制御モータ41によって駆動され、適宜の速度で適宜の位置まで移動して停止することができるようになっている。なお、上記制御モータ41は上記制御手段によって制御されて駆動するものである。
【0040】
また、上記y軸キャリッジ33の上部側には、翼1を設置自在な部材設置手段17が設けられており、この部材設置手段17は、たとえば、翼1を、この翼1の基端部側(ディスクまたはケーシングへの植え込み部側)で把持できるようになっている。そして、このように把持された状態では、上記翼1は、上下方向に延伸し先端部3が上側を向いており、上記先端部3の平面状部がほぼ水平になっている。
【0041】
さらに、上記y軸キャリッジ33の上部側には、上部が開口した枡状の筐体45が設けられている。この枡状の筐体45は、上記堆積用電極E1で上記翼1に放電コーティングを施すときに使用される灯油等の放電コーティング用液を蓄えるものであり、上記枡状の筐体45に適切な量の放電コーティング用液が蓄えられた状態では、上記翼1の肉盛り部やこの肉盛り部に対向した堆積用電極E1の先端部E1Aが、上記放電コーティング用液内に存在するようになっている。
【0042】
また、上記z軸キャリッジ39の側面には、堆積用電極保持手段15が設けられており、この堆積用電極保持手段15は、たとえば、棒状の堆積用電極E1を、この堆積用電極E1の基端部で把持できるようになっている。そしてこのように把持された状態では、上記堆積用電極E1は上下方向に延伸し先端部E1A側が下側を向いており、上記堆積用電極E1の先端部E1Aの平面状部が、ほぼ水平になっている。
【0043】
さらに、上記制御手段は、上記肉盛りによる上記堆積用電極E1の消耗に応じて、上記翼1に対する上記堆積用電極E1の位置を、補正可能なように構成されている。
【0044】
次に、部材の肉盛り装置11を動作させる前の準備について説明する。
【0045】
図2は、EDCを用いて、ガスタービンエンジンの翼1の先端部3に肉盛りを施す場合を示す図である。なお、図2(1)は、翼1をこの先端部3側から眺めた図であり、図2(2)は、図2(1)におけるII矢視図である。
【0046】
図3は、図2(1)におけるIIIA−IIIA、IIIC−IIIC、IIIE−IIIEの各断面を示す図である。
【0047】
なお、図3では、堆積用電極E1によって形成された肉盛り部9A、9C、9Dが表されているが、図2では、肉盛り部9A、9C、9Dは表されていない。
【0048】
まず、堆積用電極保持手段15に堆積用電極(EDC電極)E1を設置し、部材設置手段17の翼1を設置し、枡状の筐体45内を適切な量の放電コーティング用液で満たす。
【0049】
ここで、上記翼1と上記堆積用電極E1との設置状態について説明する。
【0050】
図1や図2に示すように、、また上述したように、上記翼1は上記翼1の基端部(基部)5から先端部(端部)3に向かう方向に延伸した板状の部材であり、上記先端部(部材端部)3は平面状に細長く形成されており、上記基端部5から上記先端部3へ向かう方向に平行な軸(翼1の中心近傍に位置した軸)CL1を中心にして、上記翼1は捻れている。そして、上記翼1が捻れていることによって、上記肉盛りによって付加される各部位の延伸方向が上記先端部3の平面状部の長手方向で異なっている(図3参照)。
【0051】
換言すると、図3に示すように、上記先端部3の各部位3A、3B、3Cにおける各延伸方向は、上記翼1の先端部3の平面状部と上記翼1の翼面(ガスタービンエンジンの流路に面する面であって、上記翼1の基端部5から先端部へ向かう方向に延伸している面)1Aとが互いに交差して形成された稜線1Bとほぼ直交した各平面上に存在した各接線であって、上記稜線1B部における上記翼の翼面1Aの各接線AL1、AL3、AL5の方向とほぼ一致する方向である。なお、各接線AL1、AL3、AL5の延伸方向は、互いに異なっている。
【0052】
上記堆積用電極E1は、上述したように、上記翼1の先端部3と対向する先端部E1Aが平面状に形成されており、上記堆積用電極E1の上記平面状部の幅L1は、図2に示すように、上記翼1の先端部3の細長い平面状部の幅L3よりも広く形成され、上記堆積用電極E1の平面状部の長さL5は、上記翼1の先端部3の細長い平面状部の長さL7よりも短く形成されている。
【0053】
そして、上記堆積用電極E1の上記先端部E1Aの平面状部と上記翼1の先端部3の平面状部とが互いに平行になるように、上記堆積用電極E1と上記翼1とを設置する。
【0054】
また、上記翼1の先端部3の平面状部が、上記幅L1方向において、上記堆積用電極E1の上記平面状部の領域内にあるように、換言すれば、上記堆積用電極E1の平面状部の幅L1方向の一端部から垂直に延伸した直線と、上記堆積用電極E1の平面状部の幅L1方向の他端部から垂直に延伸した直線との間に、上記翼1の先端部3の平面状部がおさまっているように、上記堆積用電極E1の先端部E1Aと上記翼1の先端部3とを互いに接近させて、上記堆積用電極E1と上記翼1とを設置する。
【0055】
また、たとえば、上記堆積用電極E1の平面状部の長手方向の一端部から垂直に延伸した直線が、上記翼1の先端部3の平面状部に交差するように、上記堆積用電極E1の先端部E1Aと上記翼1の先端部3とを互いに接近させて、上記堆積用電極E1と上記翼1とを設置する。この状態では、上記堆積用電極E1は、図2に示す位置PS1のところに設置されている。
【0056】
なお、図2(1)では、堆積用電極の形状が円形状になっているが、この形状が正方形状や長方形状、あるいは中空形状等であってもよい。
【0057】
次に、部材の肉盛り装置11の動作について説明する。
【0058】
上記準備がされた状態で、すなわち、図2に示す位置PS1に堆積用電極E1が存在している状態で、上記堆積用電極E1の先端部E1Aの平面状部と上記翼1の先端部3の平面状部とが互いに平行であり、上記翼1の先端部3の上記平面状部が上記幅L1方向において上記堆積用電極E1先端部E1Aの上記平面状部の領域内にある状態を保ちつつ、上記堆積用電極E1が設置された位置PS1における上記翼1の先端部3の延伸方向(図3で示す矢印AR3の方向;たとえば、x軸方向、y軸方向、z軸方向を適宜合成した方向)に、上記設置した堆積用電極E1を移動して、すなわち、上記堆積用電極E1が上記翼1に対して相対的に接近し離反するように、x軸移動手段21、y軸移動手段23、z軸移動手段25を用いて、上記堆積用電極E1を移動して、上記翼1の先端部3の1つの部位に肉盛りを施す。
【0059】
上記肉盛りによって、図3に示す肉盛り部9Cが形成される。
【0060】
続いて、上記肉盛りを施して、肉盛り部9Cを形成した後、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極E1を移動して設置し(たとえば、位置PS3に堆積用電極を設置し)、上記他の部位の延伸方向(図3で示す矢印AR1の方向)に上記堆積用電極を移動して、同様に肉盛りを施して肉盛り部9Aを形成する。
【0061】
さらに、続いて、肉盛り部9Aを形成した後、たとえば、位置PS5に堆積用電極を設置し、図3で示す矢印AR5の方向に上記堆積用電極E1を移動して、同様に肉盛りを施して肉盛り部9Eを形成する。
【0062】
なお、上述の例では、堆積用電極E1を3つの位置PS1、PS3、PS5に設置した状態を示したが、3つの箇所に限られるわけではない。つまり、翼1に先端部3の全面に肉盛りを施すために、たとえば、位置PS1と位置PS3との中間部にも堆積用電極E1を設置して、翼1の先端部3に肉盛りを施す。また、堆積用電極E1を、図2で示す矢印AR7の方向で一層細かく移動して設置し肉盛りを施してもよい。
【0063】
さらに、堆積用電極E1が、位置PS1から位置PS5に移動する間に僅かな厚さの肉盛り部を形成し、位置PS1と位置PS5との間を適宜の回数往復して、肉盛り部を厚く形成してもよい。
【0064】
また、上記肉盛りによる上記堆積用電極E1の消耗に応じて、上記翼に対する上記堆積用電極E1の位置を補正してもよい。
【0065】
図4は、堆積用電極E1が消耗したときの補正について説明する図である。
【0066】
上記補正は、x軸方向、y軸方向およびz軸方向で行うことが必要な場合があるが、本実施形態では、理解を容易にするために、x軸方向およびz軸方向でのみ補正する場合についてのみ説明する。なお、x軸方向、y軸方向およびz軸方向で行うことが必要な場合であっても、x軸方向およびz軸方向のみで補正する場合と同様に考えることができる。
【0067】
ここで、図4(1)は、本来、z軸方向の長さLzが必要であるにもかかわらず、「ΔLz」の長さ分消耗して短くなった堆積用電極E1(長さが「Lz−ΔLz」の堆積用電極E1)を用いて、この堆積用電極E1と翼1との間の距離を「Δε」にした状態を示す図である。なお、上記距離Δεは、翼1の先端部3に肉盛りをするための距離である。
【0068】
堆積用電極E1が消耗して長さがΔLzだけ短くなっていることにより、堆積用電極E1がz軸方向でΔLzだけ翼1に近づくように位置決めされている。
【0069】
なお、図4(1)に示す状態の位置決めは、たとえば、堆積用電極E1と翼1との間で放電が発生したことを、検知することによりされるものとする。
【0070】
また、図4(1)に示した状態では、翼1に対する堆積用電極E1の位置がΔLxだけずれており、翼1の先端部3に正確な肉盛りをすることができないおそれがある。この事態が起きる理由は、堆積用電極E1がz方向と異なる方向ARの方向から接近するからである。
【0071】
そこで、図4(2)に示すように、堆積用電極E1の位置を、ΔLxだけ補正すると、翼1に対する堆積用電極E1の位置ずれが無くなり、翼1の先端部3に正確な肉盛りをすることができる。
【0072】
なお、上記補正値ΔLxは、翼1の肉盛り部位の延伸方向とz軸方向(鉛直方向)との間の交差角を「α」とすると、「ΔLx=ΔLz×tanα」で求めることができる。
【0073】
また、上記消耗長さΔLzは、堆積用電極E1と翼1との間で放電が発生したこと検知し、この検知したときのz軸キャリッジ39の処理開始時と処理中の位置の差を検出して求めることができる。
【0074】
上記部材の肉盛り装置11や肉盛り方法によれば、翼1の先端部3の各部位のうちの一つの部位に堆積用電極E1を設置し、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記翼1に対して相対的に上記堆積用電極E1を移動して肉盛を施すので、微小な溶接部が上記1つの箇所に徐々に形成され、しかも上記徐々に形成された微小な溶接部が肉盛り部を形成し上記1つの部位の延伸方向に成長する。
【0075】
また、上記1つの部位への肉盛り後、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極E1を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極E1を移動して同様に肉盛りを施すので、上記他の部位でも、肉盛り部が上記他の部位の延伸方向に成長する。
【0076】
したがって、導電性を備えた部材と堆積用電極E1との間にパルス状の放電を発生させこの放電のエネルギーによって上記翼1の先端部3の各部位に上記堆積用電極E1の電極材料を堆積させて上記先端部3に肉盛りをする場合、肉盛りによって付加される各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっていても、上記各部位で同じ方向に、肉盛り部が延伸して形成されることはなく、正確な形状の肉盛りをすることができる。
【0077】
また、正確な形状を肉盛りすることができるので、上記肉盛り後に別途機械加工等を上記部材端部に施し、上記翼1の先端部の形状を整える必要が無くなる。
【0078】
さらに、溶接の積み重ねによって、換言すれば部材同士の冶金的結合によって、翼の母材との境界においては傾斜合金層が形成されて肉盛りがされるので、溶射による肉盛りよりも、機械的強度の高い肉盛りを施すことができる。
【0079】
また、上記部材の肉盛り装置11や肉盛り方法によれば、上記翼1の先端部3が細長い平面状に形成されており、また、上記翼1の先端部3の平面状部よりも幅が広く長さが短い堆積用電極E1の先端部E1Aの平面状部を、上記先端部3の平面状部に対して平行に設置し、上記堆積用電極E1を上記先端部3の平面状部の長手方向に移動しつつ肉盛りを施すので、上記先端部3の平面状部の各部位に均一に肉盛り部が形成され、これらの肉盛り部の先端部が平面状に形成され、上記先端部3の平面状部の各部位での一層正確な形状の肉盛りが可能となる。
【0080】
また、ガスタービンエンジンの翼1は、空力的性能を向上させるために、基端部(動翼の回転中心軸側の部位)5から先端部3に向かう方向(動翼の高さ方向)で捻れており、換言すれば上記先端部3の各部位における延伸方向が互いに異なっており、また、上記翼1の先端部3は、上記ガスタービンエンジンの稼動中、上記ガスタービンエンジンの筐体ケース(たとえばシュラウド)によって磨耗する場合がある。
【0081】
したがって、上記部材の肉盛り装置11や肉盛り方法によれば、上記翼1の先端部3に正確な形状の肉盛りを行うことが容易であり、また、上記翼1の本体よりも硬い材質の部材を肉盛り形成すれば、上記動翼先端部の磨耗を抑制することができる。なお、上記肉盛りを行う場合として、上記動翼を新規に製作する場合、または、上記動翼の磨耗した先端部を修理する場合を考えることができる。
【0082】
また、上記部材の肉盛り装置11や肉盛り方法によれば、堆積用電極E1が消耗すると、この消耗に応じて補正を行うので、堆積用電極E1が肉盛りによって消耗しても、正確な形状の肉盛りを施すことができる。
【0083】
なお、上記部材の肉盛り装置11や肉盛り方法では、ガスタービンエンジンを例に掲げて説明したが、蒸気タービンエンジンの動翼および静翼、さらに、肉盛りによって付加される部材端部の各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている上記部材端部に肉盛りする場合にも、上記部材の肉盛り装置11や肉盛り方法を適用することができる。
【0084】
また、翼等の部材の先端部や堆積用電極の先端部の形状は、必ずしも平面状である必要はない。
【0085】
また、上記実施形態は、ガスタービンエンジンのような、肉盛りによって付加される部材端部の各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている部材に肉盛りする場合だけではなく、肉盛りによって付加される部材端部の平面状の部位の延伸方向が、上記平面状部に対して、垂直ではなく斜めに交差している部材に肉盛りする場合にも適用することができる。
【0086】
すなわち、導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の平面状の部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記部位の延伸方向が、上記部位の平面に対して斜めに交差していても、正確な形状の肉盛りをすることができる。
【0087】
【発明の効果】
請求項1〜請求項6に記載の発明によれば、導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の各部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっていても、正確な形状の肉盛りをすることができるという効果を奏する。
【0088】
請求項7に記載の発明によれば、導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材端部の平面状の部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、肉盛りによって付加される上記部位の延伸方向が、上記平面状部に対して斜めに交差していても、正確な形状の肉盛りをすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る部材の肉盛り装置の概略構成を示す図である。
【図2】EDCを用いて、ガスタービンエンジンの翼の先端部に肉盛りを施す場合を示す図である。
【図3】図2(1)におけるIIIA−IIIA、IIIC−IIIC、IIIE−IIIEの各断面を示す図である。
【図4】堆積用電極が消耗したときの補正について説明する図である。
【図5】EDCを用いた従来の方法によって、ガスタービンエンジンの翼の先端部に肉盛りを施す場合を示す図である。
【図6】図5(1)におけるVIA−VIA、VIC−VIC、VIE−VIEの各断面を示す図である。
【符号の説明】
1 翼
3 先端部
5 基端部
11 部材の肉盛り装置
13 基台
15 堆積用電極保持手段
17 部材設置手段
19 移動手段
E1 堆積用電極
E1A 先端部
Claims (7)
- 導電性を備えた部材と堆積用電極との間に、パルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の各部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、
肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が、上記各部位によって異なっている場合、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極を移動して肉盛を施し、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極を移動して肉盛りを施すことを特徴とする部材の肉盛り方法。 - 請求項1に記載の部材の肉盛り方法において、
上記部材はこの部材の基部から上記部材端部に向かう方向に延伸した板状の部材であり、上記部材端部は平面状に細長く形成されており、上記部材基部から上記部材端部へ向かう方向に平行な軸を中心にして、上記部材が捻れていることによって、上記肉盛りによって付加される各部位の延伸方向が、上記部材端部の上記平面状部の長手方向で異なっており、
上記堆積用電極は、上記部材端部と対向する先端部が平面状に形成されており、上記堆積用電極の上記平面状部の幅は、上記部材端部の細長い平面状部の幅よりも広く形成され、上記堆積用電極の平面状部の長さは、上記部材端部の細長い平面状部の長さよりも短く形成されており、
上記堆積用電極の上記平面状部と上記部材端部の上記平面状部とが互いに平行になるように、また、上記部材端部の上記平面状部が、上記幅方向において、上記堆積用電極の上記平面状部の領域内にあるように、上記堆積用電極の先端部と上記部材端部とを互いに接近させ、
上記堆積用電極の平面状部と上記部材端部の平面状部とが互いに平行であり、上記部材端部の上記平面状部が、上記幅方向において、上記堆積用電極の上記平面状部の領域内にある状態を保ちつつ、上記堆積用電極が設置された上記部材端部の部位の延伸方向に、上記設置した堆積用電極を移動して、上記部材端部に肉盛りを施すことを特徴とする部材の肉盛り方法。 - 請求項2に記載の部材の肉盛り方法において、
上記部材はガスタービンエンジンまたは蒸気タービンエンジンの動翼、または静翼であり、上記部材の基部は上記動翼のディスクまたは上記静翼のケーシングへの植え込み部であり、上記部材の上記端部は上記動翼または上記静翼の先端部であり、この先端部の各部位における延伸方向は、上記動翼または上記静翼の先端部の平面状部と上記動翼または静翼の側面とが互いに交差して形成された稜線とほぼ直交した各平面上に存在する各接線であって、上記稜線部における上記動翼側面または上記静翼側面の各接線の方向とほぼ一致する方向であることを特徴とする部材の肉盛り方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の部材の肉盛り方法において、
上記肉盛りによる上記堆積用電極の消耗に応じて、上記部材に対する上記堆積用電極の位置を補正することを特徴とする部材の肉盛り方法。 - 導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の各部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをすることが可能な部材の肉盛り装置において、
基台に設けられ、上記堆積用電極を保持自在な堆積用電極保持手段と;
上記基台に設けられ、上記部材を設置自在な部材設置手段と;
上記部材設置手段に設置された上記部材を、上記堆積用電極に対して相対的に移動自在な移動手段と;
肉盛りによって付加される上記各部位の延伸方向が上記各部位によって異なっている場合、上記各部位のうちの一つの部位の延伸方向に、上記部材に対して相対的に上記堆積用電極を移動して肉盛を施し、上記一つの部位とは異なる他の部位に上記堆積用電極を移動して設置し、上記他の部位の延伸方向に上記堆積用電極を移動して肉盛りを施すように制御する制御手段と;
を有することを特徴とする部材の肉盛り装置。 - 請求項5に記載の部材の肉盛り装置において、
上記制御手段は、上記肉盛りによる上記堆積用電極の消耗に応じて、上記部材に対する上記堆積用電極の位置を補正可能に構成されていることを特徴とする部材の肉盛り装置。 - 導電性を備えた部材と、堆積用電極との間にパルス状の放電を発生させ、この放電のエネルギーによって上記部材の端部の平面状の部位に上記堆積用電極の電極材料を堆積させて、上記部材端部に肉盛りをする部材の肉盛り方法において、
肉盛りによって付加される上記部位の延伸方向が、上記部位の平面に対して斜めに交差している場合、上記堆積用電極を、上記部材端部の上記部位の延伸方向に移動して肉盛を施すことを特徴とする部材の肉盛り方法。
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-
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