JP2015206721A - ベント機構および原子炉施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却材喪失事故等の発生時に、原子炉本体基礎に加わる水力学的動荷重を低減するベント機構を提供する。【解決手段】ベント機構20は、上端、および下部側面に開口部を有し、上方で発生した高圧流体を下方に設けられた冷却用プール14に移送する垂直ベント管22と、水平方向に延びて、付け根部が垂直ベント管22の下部側面の開口部と連通するように接続されて、付け根部の反対側の端部が冷却用プール14に開口する少なくとも一つの水平ベント管23と、冷却用プール内14の水平ベント管23の外周部に水平ベント管23の軸方向に垂直な方向に広がるように設けられた伝搬抑制部材とを有する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、ベント機構およびこれを有する原子炉施設に関する。
改良型沸騰水型軽水炉(以下、ABWR)プラントにおいて原子炉冷却材喪失事故(以下、LOCA)などの原子炉格納容器(以下、PCV)内のドライウェルの圧力が上昇する事故が発生した場合には、たとえば、上部ドライウェル内の非凝縮性ガス、続いて原子炉圧力容器(以下、RPV)内の蒸気が、連通孔、ベント管を通ってウェットウェル内に放出される。
非凝縮性ガスおよび蒸気がウェットウェルに流出する際には、周囲の構造物に水力学的動荷重と呼ばれる荷重を与える。すなわち、蒸気が水平ベント管出口付近で凝縮することによりサプレッションプール水中で圧力振動を起こし、蒸気凝縮振動およびチャギングと呼ばれる現象が発生して、周囲の構築物および水中構造物に動荷重を与える。
前述のように従来のABWRプラントにおいてLOCA等の事故が発生した場合、蒸気凝縮振動による荷重およびチャギングによる荷重が、サプレッションプール内の水位以下の高さの範囲のPCVの壁、床および水中構造物に動荷重を与える。この際、水平ベント管の吐出口に最も近い原子炉本体基礎には最も大きな荷重がかかる。
本発明の実施形態は、LOCA等の事故時に原子炉本体基礎に加わる水力学的動荷重を低減することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係るベント機構は、上端および下部側面に開口部を有し上方で発生した高圧流体を下方に設けられた冷却用プールに移送する垂直ベント管と、水平方向に延びて、付け根部が前記垂直ベント管の前記下部側面の前記開口部と連通するように接続されて、前記付け根部の反対側の端部が前記冷却用プールに開口する少なくとも一つの水平ベント管と、前記冷却用プール内の前記水平ベント管の外周部に、前記水平ベント管の軸方向に垂直な方向に広がるように設けられた伝搬抑制部材と、を有することを特徴とする。
また、本実施形態係る原子炉施設は、炉心を内包して鉛直方向を軸方向とする円筒状の原子炉本体基礎に支持される原子炉圧力容器を格納するドライウェルおよびサプレッションプールが下部に形成されたウェットウェルを有する原子炉格納容器と、上端および下部側面に開口部を有し上方で発生した高圧流体を下方に設けられた冷却用プールに移送する垂直ベント管と、水平方向に延びて、付け根部が前記垂直ベント管の前記下部側面の前記開口部と連通するように接続されて、前記付け根部の反対側の端部が前記冷却用プールに開口する少なくとも一つの水平ベント管と、前記冷却プール内の前記水平ベント管の外周部に、前記水平ベント管の軸方向に垂直な方向に広がるように設けられたた伝搬抑制部材と、を備え、前記冷却用プールは前記サプレッションプールであり、前記垂直ベント管の前記上端は前記ドライウェル内に開口することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、LOCA等の事故時に原子炉本体基礎に加わる水力学的動荷重を低減することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るベント機構および原子炉施設について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る原子炉施設の配置を示す立断面図である。原子炉施設100は、炉心1を収納する原子炉圧力容器(RPV)2、このRPV2を収納する原子炉格納容器(PCV)10、原子炉格納容器10を覆うように設けられた原子炉建屋7を有する。RPV2は、胴部の外周に接続された円錐台の側部形状のスカート2aによって支持されている。スカート2aは、原子炉建屋7の床面より立ち上がる円筒状の原子炉本体基礎5により支持されている。RPV2は、放射性流体である原子炉冷却材を内包する原子炉冷却材圧力バウンダリ、すなわち原子炉冷却材を内包した圧力障壁を構成する。
図1は、第1の実施形態に係る原子炉施設の配置を示す立断面図である。原子炉施設100は、炉心1を収納する原子炉圧力容器(RPV)2、このRPV2を収納する原子炉格納容器(PCV)10、原子炉格納容器10を覆うように設けられた原子炉建屋7を有する。RPV2は、胴部の外周に接続された円錐台の側部形状のスカート2aによって支持されている。スカート2aは、原子炉建屋7の床面より立ち上がる円筒状の原子炉本体基礎5により支持されている。RPV2は、放射性流体である原子炉冷却材を内包する原子炉冷却材圧力バウンダリ、すなわち原子炉冷却材を内包した圧力障壁を構成する。
PCV10は、原子炉冷却材圧力バウンダリからの放射性物質の漏えい時の放射性物質の格納障壁となる。PCV10内は、ドライウェルとウェットウェル13を有する。ドライウェル内には、RPV2が収納されている。ドライウェルは、上部ドライウェル11と下部ドライウェル12に区分される。下部ドライウェル12は、RPV2およびスカート2aと原子炉本体基礎5および原子炉建屋7の床により形成されている。上部ドライウェル11は、RPV2の上部を囲むように形成されている。
ウェットウェル13は、RPV2の鉛直中心軸からみて、下部ドライウェル12の径方向外側に設けられ、原子炉本体基礎5により下部ドライウェル12と隔離されている。ウェットウェル13には冷却用の冷却水が常時貯留されており、ウェットウェル13の下方はサプレッションプール14を形成している。
原子炉本体基礎5中には、鉛直方向に延びた複数本、たとえば10本の垂直ベント管22が、周方向に互いに間隔をあけて埋設されている。垂直ベント管22の上端は、上部ドライウェル11内に開口している。また、垂直ベント管22の下端は閉止されている。垂直ベント管22の途中には、下部ドライウェル12に連通する連通孔26が設けられている。
垂直ベント管22それぞれのサプレッションプール14の水面下の下部領域には、3本の水平ベント管23が、上下に互いに間隔をあけて配列されている。3本の水平ベント管23それぞれの一方の端部は垂直ベント管22の下部領域の側面(下部側面)にそれぞれ設けられた開口部に接続されている。この水平ベント管23の一方の端部を以下、付け根部と呼ぶ。また、3本の水平ベント管23それぞれの他方の端部は、ウェットウェル13のサプレッションプール14のプール水中に開放されている。この水平ベント管23の他方の端部を、以下、プール側開口部と呼ぶ。3本の水平ベント管23は、上から、トップベント23a、ミドルベント23b、およびボトムベント23cと呼ぶ。
垂直ベント管22の途中の、連通孔26よりも下側でサプレッションプール14の通常時の水面よりも高い位置に、リターンライン24が設けられている。リターンライン24は、ほぼ水平に設けられており、一端を垂直ベント管22に接続されている。また、リターンライン24の他端は、下部ドライウェル12に解放されており、サプレッションプール14内の水位が上昇した場合に、サプレッションプール14内の水を下部ドライウェル12に導くことができるように構成されている。
また、サプレッションプール14の通常時の水面よりも高く、リターンライン24よりも高い位置に、原子炉本体基礎5を貫通してウェットウェル13と下部ドライウェル12間を接続する真空破壊弁25が設けられている。真空破壊弁25は、ウェットウェル13の圧力が下部ドライウェル12の圧力よりも規定の値以上に大きくなった場合に開いて、ウェットウェル13内の気体を下部ドライウェル12に移行させる。
図2は、ベント機構を示す水平断面図である。また、図3は、ベント機構を示す斜視図である。垂直ベント管22は、原子炉本体基礎5内に鉛直方向に埋設されている。垂直ベント管22から、上から順番に、トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cが水平方向に分岐している。トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cはそれぞれ、垂直ベント管22の下部側面の開口部に連通している。トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれのプール側開口部は、サプレッションプール14のプール水内に開放されている。
ウェットウェル14内のトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれのプール側開口部と原子炉本体基礎5のサプレッションプール14側の外壁との間であって、それぞれのプール側開口部近傍の、ウェットウェル14内のトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれの径方向外側、すなわち外周部には、一体型伝搬抑制部材31が設けられている。
一体型伝搬抑制部材31は、たとえば、原子炉本体基礎5の表面壁に平行とするか、あるいはトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cの各管軸に垂直とするなど、水平ベント管23の軸に垂直な方向に広がるように設けられた平板状の部材である。なお、原子炉本体基礎5の表面壁に平行な面は円筒面であり、水平ベント管23の軸に垂直な面とは厳密には一致しないが、原子炉本体基礎5の表面壁を形成する円筒面の半径は一体型伝搬抑制部材31に対して十分大きいことから両者の違いは実質的には無視できる。
一体型伝搬抑制部材31には3つの円形の貫通孔が形成されている。3つの貫通孔はトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cがそれぞれを貫通可能な相対的位置と内径を有するように形成されている。
3つの貫通孔のそれぞれにトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cが貫通した状態で、それぞれの貫通部において一体型伝搬抑制部材31は、トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cの外周面にたとえば溶接によって接合され、これらに固定されている。
以上のように構成された本実施形態に係るベント機構および原子炉施設の作用を次に説明する。今、LOCA等のドライウェルの圧力が上昇する事故が発生した場合、上部ドライウェル11内には、通常運転時に充てんされている非凝縮性ガスに加えて、原子炉冷却材圧力バウンダリから放出された原子炉冷却材の蒸気が流入する。この結果、ドライウェル内の圧力が上昇する。
ドライウェル内の圧力上昇に伴って、ドライウェル内の高圧流体、すなわち非凝縮性ガスおよび水蒸気が、上部ドライウェル11から、垂直ベント管22に導かれる。垂直ベント管22に導かれた高圧流体の一部は連通孔26より下部ドライウェル12に導かれるが、大部分の高圧流体は水平ベント管23を通って、ウェットウェル13内のサプレッションプール14内に放出される。水蒸気はサプレッションプール14内に放出されることにより冷却されて凝縮する。この結果、事故時のPCV10内の圧力上昇を抑制することができる。
また、ドライウェルの圧力が異常に低下して、設定条件に達した場合には、真空破壊弁25が開き、これによってドライウェル内圧力とウェットウェル13内圧力とが均一化され、PCV10の構造健全性が維持される。
垂直ベント管22および水平ベント管23を経由してプール水内に放出される水蒸気は、凝縮する際に、この水蒸気とこの水蒸気の周囲のプール水との界面が振動を起こす。すなわち界面が膨張、収縮を繰り返す。この振動が圧力波となってプール水中を伝搬して、周囲の機器、構築物に動的な荷重を与える。したがって、水平ベント管23のプール側開口部付近に近接する機器、構築物へ悪影響を及ぼす可能性がある。
しかしながら、本実施形態においては、水平ベント管23のプール側開口部付近に一体型伝搬抑制部材31が設けられている。このため、水平ベント管23のプール側開口部の外側であってプール側開口部付近で発生した圧力波のうち、原子炉本体基礎5の方向に伝搬する圧力波は、一体型伝搬抑制部材31に遮られる。この結果、原子炉本体基礎5の方向への圧力波の伝搬は緩和あるいは抑制される。この結果、原子炉本体基礎5の構造健全性の確保に寄与することができる。
また、一体型伝搬抑制部材31が水平ベント管23の外側に設けられている位置が、水平ベント管23の長手方向のプール側開口部付近であることから、圧力波の発生位置から原子炉本体基礎5方向を見たときの原子炉本体基礎5の中で一体型伝搬抑制部材31に遮られる範囲が大きくなる。このため、遮られる範囲より外側は、圧力波の生じた位置から距離が遠くなる。また、原子炉本体基礎5の表面に到達するときに、原子炉本体基礎5に垂直な方向に対して傾きが大きくなっており、圧力波の原子炉本体基礎5に垂直な成分が小さくなる。
図4は、ベント機構の効果を示すグラフである。一体型伝搬抑制部材31がない場合と一体型伝搬抑制部材31を設置した場合のそれぞれの場合のチャギングにより原子炉本体基礎5に加わる荷重を、音響解析モジュールを用いた有限要素法解析にて算出した結果である。
横軸は、3つのケースを示す。すなわち、それぞれ、一体型伝搬抑制部材31がない場合、一体型伝搬抑制部材31の水平方向の幅が水平ベント管23の口径の1.2倍の場合、および一体型伝搬抑制部材31の水平方向の幅が水平ベント管23の口径の1.5倍の場合である。縦軸は、チャギングによる原子炉本体基礎5に負荷される荷重であり、一体型伝搬抑制部材31がない場合を100%とした相対値(%)である。また、原子炉本体基礎5に負荷される荷重として、トップベント23aの原子炉本体基礎5の付け根部のうち、上部と下部についてそれぞれ示している。
図4に示すように、一体型伝搬抑制部材31の水平方向の幅が水平ベント管23口径の1.2倍の場合、一体型伝搬抑制部材31が設けられていない場合に比べて、荷重は、約92%ないし94%まで減少する。また、一体型伝搬抑制部材31の水平方向の幅が水平ベント管23口径の1.5倍の場合、一体型伝搬抑制部材31が設けられていない場合に比べて、荷重は、さらに約65%ないし70%まで減少する。
ここで、トップベント23aの付け根部のうち、上部での荷重か、下部での荷重かによる違いは、数%である。
このように、一体型伝搬抑制部材31を設けることにより、一体型伝搬抑制部材31の水平方向の幅が水平ベント管23口径の1.5倍にした場合では、チャギングによる原子炉本体基礎5にかかる荷重は、一体型伝搬抑制部材31を設けない場合に比べて30%程度軽減するという効果が得られる。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係るベント機構を示す斜視図である。本実施形態は第1の実施形態の変形である。
図5は、第2の実施形態に係るベント機構を示す斜視図である。本実施形態は第1の実施形態の変形である。
本第2の実施形態における一体型伝搬抑制部材41に形成された3つの円形の貫通孔のうち、ミドルベント23bおよびボトムベント23cが貫通する貫通孔の内径は、トップベント23aが貫通する貫通孔の内径よりも大きく形成されている。
3つの貫通孔のそれぞれにトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cが貫通した状態で、一体型伝搬抑制部材41は、トップベント23aとたとえば溶接によって接合され、トップベント23aに固定されている。ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれが貫通する貫通孔では、それぞれギャップ42が形成されている。
以上のように構成された本実施形態によれば、水平ベント管23のプール側開口部の外側であってプール側開口部付近で発生した圧力波のうち、原子炉本体基礎5の方向に伝搬する圧力波は、一体型伝搬抑制部材41に遮られる。この結果、原子炉本体基礎5の方向への圧力波の伝搬は抑制され、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれが貫通する貫通孔では、それぞれギャップ42が形成されていることにより、水平ベント管23どうしが互いに拘束されず、不要な荷重が生ずることを回避することができる。
なお、一体型伝搬抑制部材とトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのいずれとの間にもギャップを確保し、一体型伝搬抑制部材は、別の構造物等から支持されるようにしてもよい。
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係るベント機構を示す斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれのプール側開口部近傍には、原子炉本体基礎5の表面壁に平行に広がった円形の個別型伝搬抑制部材51が取り付けられている。
図6は、第3の実施形態に係るベント機構を示す斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれのプール側開口部近傍には、原子炉本体基礎5の表面壁に平行に広がった円形の個別型伝搬抑制部材51が取り付けられている。
それぞれの個別型伝搬抑制部材51は、中央に貫通孔を有する円板形状である。それぞれの個別型伝搬抑制部材51は、その中央の貫通孔にトップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cがそれぞれ貫通した状態で、トップベント23a、ミドルベント23bおよびボトムベント23cのそれぞれに接合され、支持されている。
以上のように構成された本実施形態によれば、水平ベント管23のプール側開口部の外側であってプール側開口部付近で発生した圧力波のうち、原子炉本体基礎5の方向に伝搬する圧力波は、それぞれの個別型伝搬抑制部材51に遮られる。この結果、原子炉本体基礎5の方向への圧力波の伝搬は抑制され、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、それぞれの水平ベント管23に取り付けられた個別型伝搬抑制部材51どうしは、互いに連結されていないため不要な荷重を生じない点では、第2の実施形態と同様の効果が得られる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
実施形態では、原子炉施設における原子炉本体基礎への圧力波の伝搬を抑制する場合の例を示したが、これに限定されない。化学プラント等において、高圧蒸気を含む高圧流体を凝縮させるラインの開放端で発生する圧力波の、近傍の重要な機器、装置や構築物に対する影響を抑制する場合にも本発明は適用できる。
また、実施形態では、一体型伝搬抑制部材31、41、あるいは個別型伝搬抑制部材51が、水平ベント管23のプール側開口部近傍に設けられている場合を示したが、これに限定されない。設置位置がプール側開口部から離れていると、一体型伝搬抑制部材31、41、あるいは個別型伝搬抑制部材51の面積が変わらなければ、原子炉本体基礎5での圧力波の直接到達が回避される領域が狭くなる。しかしながら、一体型伝搬抑制部材31、41の幅、あるいは個別型伝搬抑制部材51の径を大きくすることによりそれを補償できれば、設置位置がプール側開口部から離れている場合でもよい。
さらに、一体型伝搬抑制部材31、41、個別型伝搬抑制部材51については、必ずしも水平ベント管23の軸に垂直な平面や原子炉本体基礎5の表面壁に平行な面として構成される必要はなく、水平ベント管23の軸に垂直な面に対して傾きを有していてもよい。すなわち、一体型伝搬抑制部材31、41、個別型伝搬抑制部材51については、水平ベント管23の軸に垂直な方向に広がるよう(一体型伝搬抑制部材31、41、個別型伝搬抑制部材51の画成する面の法線ベクトルが水平ベント管23の軸方向の成分をもつよう)に設けられていれば圧力波の伝搬を抑制でき、各実施形態に記載した作用効果を奏することができる。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…炉心、2…原子炉圧力容器、2a…スカート、5…原子炉本体基礎、7…原子炉建屋、10…原子炉格納容器、11…上部ドライウェル、12…下部ドライウェル、13…ウェットウェル、14…サプレッションプール、20…ベント機構、22…垂直ベント管、23…水平ベント管、23a…トップベント、23b…ミドルベント、23c…ボトムベント、24…リターンライン、25…真空破壊弁、26…連通孔、31、41…一体型伝搬抑制部材、42…ギャップ、51…個別型伝搬抑制部材、100…原子炉施設
Claims (5)
- 上端、および下部側面に開口部を有し、上方で発生した高圧流体を下方に設けられた冷却用プールに移送する垂直ベント管と、
水平方向に延びて、付け根部が前記垂直ベント管の前記下部側面の前記開口部と連通するように接続されて、前記付け根部の反対側の端部が前記冷却用プールに開口する少なくとも一つの水平ベント管と、
前記冷却用プール内の前記水平ベント管の外周部に、前記水平ベント管の軸方向に垂直な方向に広がるように設けられた伝搬抑制部材と、
を有するベント機構。 - 前記水平ベント管は複数であり、互いに鉛直方向に間隔をあけて配されており、
前記水平ベント管のそれぞれの前記伝搬抑制部材は、互いに一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベント機構。 - 前記伝搬抑制部材は、少なくとも一つの前記水平ベント管の外周面に接続されてかつ支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベント機構。
- 前記伝搬抑制部材は、それぞれの前記水平ベント管の外周面にそれぞれ接続されてかつ支持されており、円板形状であることを特徴とする請求項1に記載のベント機構。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のベント機構と、
炉心を内包して鉛直方向を軸方向とする円筒状の原子炉本体基礎に支持される原子炉圧力容器を格納するドライウェルと、サプレッションプールが下部に形成されたウェットウェルとを有する原子炉格納容器とを備え、
前記冷却用プールは前記サプレッションプールであり、前記垂直ベント管の前記上端は前記ドライウェル内に開口することを特徴とする原子炉施設。
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JP7377689B2 (ja) | 2019-12-02 | 2023-11-10 | 三菱重工業株式会社 | 散気装置、放射性ガス処理装置、放射性物質処理システム、及び原子炉設備 |
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JP7377689B2 (ja) | 2019-12-02 | 2023-11-10 | 三菱重工業株式会社 | 散気装置、放射性ガス処理装置、放射性物質処理システム、及び原子炉設備 |
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