JP2015206555A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015206555A
JP2015206555A JP2014088025A JP2014088025A JP2015206555A JP 2015206555 A JP2015206555 A JP 2015206555A JP 2014088025 A JP2014088025 A JP 2014088025A JP 2014088025 A JP2014088025 A JP 2014088025A JP 2015206555 A JP2015206555 A JP 2015206555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
pipe
heat exchange
oil
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014088025A
Other languages
English (en)
Inventor
岩田 育弘
Yasuhiro Iwata
育弘 岩田
岡本 哲也
Tetsuya Okamoto
哲也 岡本
隆平 加治
Ryuhei Kaji
隆平 加治
古庄 和宏
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2014088025A priority Critical patent/JP2015206555A/ja
Publication of JP2015206555A publication Critical patent/JP2015206555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Abstract

【課題】冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保する。【解決手段】冷凍装置100は、多段圧縮機構11と、室外熱交換器12と、第1乃至第4切換機構31〜34と、第1乃至第4油分離器41〜44と、第1乃至第3バイパス管とを備える。多段圧縮機構11は、第1圧縮機構21、第2圧縮機構22、第3圧縮機構23および第4圧縮機構24を含む。室外熱交換器12は、第1インタークーラ51、第2インタークーラ52、第3インタークーラ53およびガスクーラ54を含む。第1乃至第4切換機構31〜34は、室外熱交換器12を放熱器として用いる第1状態と、室外熱交換器12を蒸発器として用いる第2状態とを切り替える。第1乃至第3バイパス管は、第2状態において、室外熱交換器12で熱交換された冷媒が通過する管であり、第1乃至第3油分離器41〜43をバイパスする。【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍装置に関する。
従来、多段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置であって、多段圧縮機構、ガスクーラ、インタークーラおよび油分離器を備える冷凍装置が用いられている。ガスクーラは、冷房運転時において、最上段の圧縮機構から吐出された圧縮冷媒を冷却する。インタークーラは、冷房運転時において、最上段以外の圧縮機構から吐出された圧縮冷媒を冷却する。油分離器は、冷房運転時において、ガスクーラおよびインタークーラに流入する潤滑油の量を低減するために、圧縮機構から吐出された圧縮冷媒から潤滑油を分離する。油分離器は、特許文献1(特開2009−257704号公報)に示されるように、冷房運転時における各段の圧縮機構の吐出側に接続されている。
この冷凍装置では、暖房運転時において、ガスクーラおよびインタークーラは、冷媒を加熱する蒸発器として機能し、かつ、インタークーラの吐出側には、油分離器が接続されている。暖房運転時において、インタークーラを通過して油分離器に流入する冷媒は、気液二相状態であるため、油分離器には液冷媒が貯留される。
しかし、暖房運転時には、圧縮機構に液冷媒が流入して冷凍装置の信頼性が低下することを防止するために、圧縮機構に吸入される冷媒の過熱度である吸入過熱度を確保する必要がある。そのために、インタークーラの吸入側に接続されている電磁弁の開度を下げて、インタークーラに流入する冷媒の圧力を低下させることで、インタークーラにおいて熱交換される冷媒の量を減少させる制御が行われる。これにより、インタークーラにおける冷媒の熱交換の効率が向上し、吸入過熱度が上昇する。しかし、インタークーラの吐出側に油分離器が接続されている場合、電磁弁の開度を下げても、油分離器に貯留される液冷媒が蒸発して、インタークーラに流入する冷媒の圧力が一時的に上昇することがある。そのため、電磁弁の開度を下げてから、インタークーラに流入する冷媒の圧力が低下して吸入過熱度が上昇し始めるまでに長い時間を要することがある。従って、暖房運転時において、油分離器に貯留されている液冷媒に起因して吸入過熱度の応答性が低下して、冷凍装置の信頼性が低下するおそれがある。
本発明の目的は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる冷凍装置を提供することである。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、多段圧縮機構と、熱源側熱交換機構と、切換機構と、複数の油分離部と、バイパス機構とを備える。多段圧縮機構は、直列に接続される第1圧縮部、第2圧縮部および高段圧縮部を含み、冷媒を圧縮する。熱源側熱交換機構は、第1熱交換部、第2熱交換部および高段熱交換部を含み、冷媒の熱交換を行う。切換機構は、熱源側熱交換機構を放熱器として用いる第1状態と、熱源側熱交換機構を蒸発器として用いる第2状態とを切り替える。油分離部は、冷媒から、冷媒に含まれる油を分離する。バイパス機構は、第2状態において熱源側熱交換機構で熱交換された冷媒が通過する。複数の油分離部は、第1油分離部と、第2油分離部と、高段油分離部とを含む。第1油分離部は、第1状態において第1圧縮部と第1熱交換部との間に配置される。第2油分離部は、第1状態において第2圧縮部と第2熱交換部との間に配置される。高段油分離部は、第1状態において高段圧縮部と高段熱交換部との間に配置される。第2状態において、少なくとも第1熱交換部および第2熱交換部は直列に接続され、かつ、第2油分離部は第1熱交換部と第2熱交換部との間に配置される。バイパス機構は、第1バイパス路を含む。第1バイパス路は、冷媒の流路であり、第2油分離部をバイパスする。
第1観点に係る冷凍装置は、多段圧縮機構、熱源側熱交換機構および複数の油分離部を備える。多段圧縮機構は、少なくとも、第1圧縮部、第2圧縮部および高段圧縮部を含む。熱源側熱交換機構は、少なくとも、第1熱交換部、第2熱交換部および高段熱交換部を含む。複数の油分離部は、少なくとも、第1油分離部、第2油分離部および高段油分離部を含む。この冷凍装置は、冷房運転を行う第1状態と、暖房運転を行う第2状態とを切り替え可能である。第1油分離部は、第1状態において、第1圧縮部で圧縮された冷媒から油を分離する。第2油分離部は、第1状態において、第2圧縮部で圧縮された冷媒から油を分離する。高段油分離部は、第1状態において、高段圧縮部で圧縮された冷媒から油を分離する。これにより、第1状態において、複数の油分離部は、熱源側熱交換機構に油が流入して熱源側熱交換機構の効率が低下することを抑制することができる。一方、第2状態において、第2油分離部は、第2熱交換部と第1熱交換部との間に配置され、かつ、第1バイパス路によってバイパスされている。第2状態において、第2熱交換部で熱交換された冷媒は、第2油分離部を通過することなく、第1バイパス路を通過して第1熱交換部に流入することができる。
冷凍装置が第2状態にあるとき、多段圧縮機構に液冷媒が流入して冷凍装置の信頼性が低下することを防止するために、多段圧縮機構に吸入される冷媒の過熱度である吸入過熱度を確保する必要がある。このとき、第2熱交換部の吸入側に接続されている電磁弁の開度を下げて、第2熱交換部および第1熱交換部に流入する冷媒の圧力を低下させる制御が行われる。これにより、第2熱交換部および第1熱交換部において熱交換される冷媒の量が減少し、第2熱交換部および第1熱交換部における冷媒の熱交換の効率が向上するので、吸入過熱度が上昇する。この冷凍装置では、第2熱交換部で熱交換された冷媒は、第2油分離部を通過することなく第1熱交換部に流入することができる。そのため、第2油分離部に貯留されている液冷媒が蒸発して、第1熱交換部に流入する冷媒の圧力が上昇することが抑制される。これにより、電磁弁の開度を下げてから、第1熱交換部に流入する冷媒の圧力が低下して吸入過熱度が上昇し始めるまでの時間が短縮される。その結果、冷凍装置が第2状態にあるとき、第2油分離部に貯留されている液冷媒に起因して吸入過熱度の応答性が低下して、冷凍装置の信頼性が低下することが抑制される。従って、第1観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、第2状態において、第1油分離部は第1熱交換部と多段圧縮機構との間に配置される。バイパス機構は、第2バイパス路をさらに含む。第2バイパス路は、冷媒の流路であり、第1油分離部をバイパスする。
第2観点に係る冷凍装置は、第2状態において第1油分離部をバイパスする第2バイパス路をさらに備える。この冷凍装置では、第2バイパス路によって、第1熱交換部で熱交換された冷媒は、第1油分離部を通過することなく多段圧縮機構に流入することができる。そのため、第1油分離部に貯留されている液冷媒が蒸発して多段圧縮機構に流入することが抑制される。これにより、電磁弁の開度を下げてから、吸入過熱度が上昇し始めるまでの時間が短縮される。その結果、冷凍装置が第2状態にあるとき、第1油分離部に貯留されている液冷媒に起因して吸入過熱度の応答性が低下して、冷凍装置の信頼性が低下することが抑制される。従って、第2観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置であって、多段圧縮機構は、低段圧縮部をさらに含む。熱源側熱交換器は、低段熱交換部をさらに含む。複数の油分離部は、第1状態において低段圧縮部と低段熱交換部との間に配置される低段油分離部をさらに含む。第2状態において、少なくとも第1熱交換部、第2熱交換部および低段熱交換部は直列に接続され、かつ、第1油分離部は第1熱交換部と低段熱交換部との間に配置される。
第3観点に係る冷凍装置では、多段圧縮機構は、少なくとも、低段圧縮部、第1圧縮部、第2圧縮部および高段圧縮部を含む。熱源側熱交換機構は、少なくとも、低段熱交換部、第1熱交換部、第2熱交換部および高段熱交換部を含む。複数の油分離部は、少なくとも、低段油分離部、第1油分離部、第2油分離部および高段油分離部を含む。この冷凍装置は、第2状態において第2油分離部をバイパスする第1バイパス路を少なくとも備える。この冷凍装置は、第2状態において第1油分離部をバイパスする第2バイパス路をさらに備えることができる。従って、第3観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第3観点に係る冷凍装置であって、第2状態において、低段油分離部は低段熱交換部と多段圧縮機構との間に配置される。バイパス機構は、第3バイパス路をさらに含む。第3バイパス路は、冷媒の流路であり、低段油分離部をバイパスする。
第4観点に係る冷凍装置は、第2状態において低段油分離部をバイパスする第3バイパス路をさらに備える。この冷凍装置では、第3バイパス路によって、低段熱交換部で熱交換された冷媒は、低段油分離部を通過することなく多段圧縮機構に流入することができる。そのため、低段油分離部に貯留されている液冷媒が蒸発して多段圧縮機構に流入することが抑制される。これにより、電磁弁の開度を下げてから、吸入過熱度が上昇し始めるまでの時間が短縮される。その結果、冷凍装置が第2状態にあるとき、低段油分離部に貯留されている液冷媒に起因して吸入過熱度の応答性が低下して、冷凍装置の信頼性が低下することが抑制される。従って、第4観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1観点乃至第4観点のいずれかに係る冷凍装置であって、第2状態において、第2熱交換部および高段熱交換部は、並列に接続されている。
第5観点に係る冷凍装置では、第2状態において、膨張弁等を通過した低圧の冷媒は、高段熱交換部を通過する冷媒と、第2熱交換部を通過する冷媒とに分流する。高段熱交換部で熱交換された冷媒、および、第2熱交換部で熱交換された冷媒は、合流して多段圧縮機構に流入する。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第1観点乃至第5観点のいずれかに係る冷凍装置であって、バイパス機構に取り付けられる第1逆止弁をさらに備える。第1逆止弁は、第1状態においてバイパス機構を冷媒が通過することを禁止し、かつ、第2状態においてバイパス機構を冷媒が通過することを許可する。
第6観点に係る冷凍装置は、第1逆止弁をさらに備える。第1逆止弁は、例えば、第1バイパス路を構成する配管に取り付けられる。この場合、第1状態において、第2圧縮部で圧縮された冷媒は、第1逆止弁により第1バイパス路を通過することができず、第1バイパス路によってバイパスされる第2油分離部を通過して、第2熱交換部に流入する。そのため、第1逆止弁によって、第2圧縮部で圧縮された冷媒に含まれる油が第2熱交換部に流入することが抑制される。一方、第2状態において、第2熱交換部で熱交換された冷媒は、第1バイパス路を通過して、第1熱交換部に流入することができる。すなわち、第1逆止弁は、第1状態において、冷媒が第1バイパス路を通過することを禁止することで、第2熱交換部の効率の低下を抑制することができる。従って、第6観点に係る冷凍装置は、冷房運転時における信頼性を確保することができる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第6観点に係る冷凍装置であって、分離冷媒管に取り付けられる第2逆止弁をさらに備える。分離冷媒管は、第1状態において、バイパス機構によってバイパスされる油分離部から流出する冷媒の流路である。第2逆止弁は、第1状態において分離冷媒管を冷媒が通過することを許可し、かつ、第2状態において分離冷媒管を冷媒が通過することを禁止する。
第7観点に係る冷凍装置は、第2逆止弁をさらに備える。第2逆止弁は、分離冷媒管に取り付けられる。分離冷媒管は、例えば、第1状態において、第1バイパス路によってバイパスされる第2油分離部を通過した冷媒が流れる、第2油分離部に接続される管である。この場合、第1状態において、第2圧縮部で圧縮された冷媒は、第1バイパス路によってバイパスされる第2油分離部を通過して、分離冷媒管を通過して、第2熱交換部に流入する。一方、第2状態において、第2熱交換部で熱交換された冷媒は、第2逆止弁を通過することができず、第2油分離部に流入することができない。そのため、第2逆止弁によって、第2熱交換部で熱交換された冷媒が第2油分離部に流入することが防止される。すなわち、第2逆止弁は、第2状態において、冷媒が第2油分離部を通過することを禁止することで、多段圧縮機構に流入する冷媒の圧力が上昇することを抑制する。従って、第7観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における信頼性を確保することができる。
本発明の第8観点に係る冷凍装置は、第1観点乃至第7観点のいずれかに係る冷凍装置であって、バイパス機構をバイパスするキャピラリーチューブをさらに備える。
第8観点に係る冷凍装置は、キャピラリーチューブをさらに備える。キャピラリーチューブは、バイパス機構をバイパスする細管である。例えば、第1逆止弁および第2逆止弁を備える冷凍装置において、第1逆止弁に異常が発生して、第2状態において冷媒が第1逆止弁を正常に通過できない場合、熱交換部の圧力が異常に上昇し、かつ、多段圧縮機構に流入する冷媒の圧力が異常に低下するおそれがある。また、この冷凍装置において、第2逆止弁に異常が発生して、第1状態において冷媒が第2逆止弁を正常に通過できない場合、油分離部の圧力が異常に上昇し、かつ、多段圧縮機構から吐出される冷媒の圧力が異常に低下するおそれがある。しかし、第1逆止弁および第2逆止弁をバイパスするキャピラリーチューブを設けることで、冷凍装置において圧力異常が発生した場合に、高圧空間から低圧空間に圧力を逃がすことができる。また、この場合、冷凍装置は、圧力センサーによって検知される圧力異常が発生する前に、通常とは異なる圧力下で運転するため、第1逆止弁および第2逆止弁に異常が発生したことを容易に検知することができる。従って、第8観点に係る冷凍装置は、冷凍装置の異常検知を容易にして、信頼性を確保することができる。
本発明の第1観点乃至第8観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、冷房運転時における信頼性を確保することができる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、暖房運転時における信頼性を確保することができる。
本発明の第8観点に係る冷凍装置は、冷凍装置の異常検知を容易にして、信頼性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和装置の冷房運転時の概略構成図である。 図1の第1乃至第3油分離器の周辺の配管を表す図である。 図1における冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図である。 本発明の実施形態に係る空気調和装置の暖房運転時の概略構成図である。 図4の第1乃至第3油分離器の周辺の配管を表す図である。 図4における冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図である。 第3油分離器の近傍における、冷媒回路の配管を示す図である。 比較例としての、冷媒回路の配管を示す図である。 変形例Dにおける、冷媒回路の配管を示す図である。
本発明の実施形態に係る冷凍装置について、図面を参照しながら説明する。
(1)空気調和装置の構成
図1および図4は、本実施形態に係る冷凍装置である空気調和装置100の概略構成図である。空気調和装置100は、四段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置である。空気調和装置100は、冷房運転モードと暖房運転モードとを相互に切り替えることができる冷媒回路10を有する。図1は、冷房運転時における空気調和装置100の概略構成図である。図1には、冷房運転モードの冷媒回路10を循環する冷媒の流れが示されている。図4は、暖房運転時における空気調和装置100の概略構成図である。図4には、暖房運転モードの冷媒回路10を循環する冷媒の流れが示されている。図1および図4において、冷媒回路10に沿って記載されている矢印は、冷媒の流れを表す。
空気調和装置100の冷媒回路10は、主として、多段圧縮機構11と、第1乃至第4切替機構31〜34と、第1乃至第4油分離器41〜44と、室外熱交換器12と、エコノマイザ熱交換器13と、液ガス熱交換器14と、膨張機構15と、レシーバ16と、過冷却熱交換器17と、室内熱交換器18と、第1乃至第3バイパス管61〜63と、制御部(図示せず)とから構成される。次に、冷媒回路10の各構成要素を詳細に説明する。
(1−1)多段圧縮機構
多段圧縮機構11は、第1圧縮機構21、第2圧縮機構22、第3圧縮機構23、第4圧縮機構24、圧縮機構駆動モータ(図示せず)および圧縮機構駆動軸(図示せず)が密閉容器内に収容された密閉式圧縮機である。圧縮機構駆動モータは、圧縮機構駆動軸に連結されている。圧縮機構駆動軸は、第1乃至第4圧縮機構21〜24に連結されている。すなわち、多段圧縮機構11は、第1乃至第4圧縮機構21〜24が共通の圧縮機構駆動軸に連結されている一軸四段圧縮構造を有している。多段圧縮機構11において、第1圧縮機構21、第2圧縮機構22、第3圧縮機構23および第4圧縮機構24は、この順番で直列に接続されている。第1圧縮機構21は、第1吸入管101aおよび第1吐出管101bに接続されている。第2圧縮機構22は、第2吸入管102aおよび第2吐出管102bに接続されている。第3圧縮機構23は、第3吸入管103aおよび第3吐出管103bに接続されている。第4圧縮機構24は、第4吸入管104aおよび第4吐出管104bに接続されている。
第1圧縮機構21は、最下段の圧縮機構であり、冷媒回路10を流れる最も低圧の冷媒を圧縮する。第2圧縮機構22は、第1圧縮機構21によって圧縮された冷媒を圧縮する。第3圧縮機構23は、第2圧縮機構22によって圧縮された冷媒を圧縮する。第4圧縮機構24は、最上段の圧縮機構であり、第3圧縮機構23によって圧縮された冷媒を圧縮する。第4圧縮機構24によって圧縮された冷媒は、冷媒回路10を流れる最も高圧の冷媒である。
本実施形態において、第1乃至第4圧縮機構21〜24は、ロータリー式の圧縮機構を備える。圧縮機構駆動モータは、制御部に接続されている。第1乃至第4圧縮機構21〜24は、制御部によって運転速度等が制御される。
(1−2)第1乃至第4切換機構
冷媒回路10は、第1切換機構31と、第2切換機構32と、第3切換機構33と、第4切換機構34とを有している。第1切換機構31は、第1吐出管101b、第2吸入管102a、第1油分離管111および低圧冷媒管161と接続されている。第2切換機構32は、第2吐出管102b、第3吸入管103a、第2油分離管112および第5中間圧冷媒管155と接続されている。第3切換機構33は、第3吐出管103b、第4吸入管104a、第3油分離管113および第6中間圧冷媒管156と接続されている。第4切換機構34は、第4吐出管104b、ガスクーラ管134、第2室内熱交管192および低圧冷媒管161と接続されている。
ここで、冷媒回路10の構成要素として、多段圧縮機構11、室外熱交換器12、膨張機構15および室内熱交換器18のみを考慮する。この場合、冷房運転モードでは、多段圧縮機構11、室外熱交換器12、膨張機構15、室内熱交換器18の順に、冷媒が冷媒回路10を循環し、暖房運転モードでは、多段圧縮機構11、室内熱交換器18、膨張機構15、室外熱交換器12の順に、冷媒が冷媒回路10を循環する。
第1切換機構31、第2切換機構32、第3切換機構33および第4切換機構34は、冷媒回路10を循環する冷媒の流れの方向を切り換えて、冷房運転モードと暖房運転モードとを相互に切り換えるための四路切換弁である。第1乃至第4切換機構31〜34は、冷房運転時において、多段圧縮機構11によって圧縮された冷媒の冷却器として室外熱交換器12を機能させ、かつ、膨張機構15を通過して膨張した冷媒の加熱器として室内熱交換器18を機能させる。第1乃至第4切換機構31〜34は、暖房運転時において、多段圧縮機構11によって圧縮された冷媒の冷却器として室内熱交換器18を機能させ、かつ、膨張機構15を通過して膨張した冷媒の加熱器として室外熱交換器12を機能させる。
(1−3)第1乃至第4油分離器
冷媒回路10は、第1油分離器41と、第2油分離器42と、第3油分離器43と、第4油分離器44とを有している。第1乃至第4油分離器41〜44は、冷房運転モードの冷媒回路10を循環する冷媒から、冷媒に含まれる潤滑油を分離する。潤滑油は、多段圧縮機構11の摺動部等を潤滑するために使用される冷凍機油である。潤滑油を含む冷媒が室外熱交換器12および室内熱交換器18に流入して蓄積されると、これらの熱交換器12,18における冷媒の加熱および冷却の効率が低下して、空気調和装置100の性能が低下する。第1乃至第4油分離器41〜44は、冷媒から分離した潤滑油を適宜に冷媒回路10に戻す。
図2は、冷房運転モードを表す図1に示される第1油分離器41、第2油分離器42および第3油分離器43の周辺を示す図である。図5は、暖房運転モードを表す図4に示される第1油分離器41、第2油分離器42および第3油分離器43の周辺を示す図である。図2および図5に示される矢印は、冷媒の流れを表す。以下、図2および図5を参照しながら説明する。
第1油分離器41は、第1油分離管111、第1分離冷媒管181および第1油戻し管121に接続されている。第1油分離管111は、第1切換機構31と第1油分離器41とを接続する。第1分離冷媒管181は、第1油分離器41と後述の第1インタークーラ51とを接続する。第1油分離器41は、冷房運転モードにおいて、第1油分離管111を流れる冷媒から潤滑油を分離する。第1油分離器41で冷媒から分離された潤滑油は、第1油戻し管121に供給される。第1油分離器41で潤滑油が分離された冷媒は、第1分離冷媒管181に供給される。第1油戻し管121は、第1冷房用油戻し管121aと、第1暖房用油戻し管121bとに分岐している。第1冷房用油戻し管121aは、第1冷房用油逆流防止弁221aが取り付けられ、第1インタークーラ管131に接続されている。第1暖房用油戻し管121bは、第1暖房用油逆流防止弁221bが取り付けられ、第1油分離管111に接続されている。第1分離冷媒管181は、第1冷房用冷媒逆流防止弁181aが取り付けられている。第1油分離管111および第1分離冷媒管181は、後述の第1バイパス管61で接続されている。
第2油分離器42は、第2油分離管112、第2分離冷媒管182および第2油戻し管122に接続されている。第2油分離管112は、第2切換機構32と第2油分離器42とを接続する。第2分離冷媒管182は、第2油分離器42と後述の第2インタークーラ52とを接続する。第2油分離器42は、冷房運転モードにおいて、第2油分離管112を流れる冷媒から潤滑油を分離する。第2油分離器42で冷媒から分離された潤滑油は、第2油戻し管122に供給される。第2油分離器42で潤滑油が分離された冷媒は、第2分離冷媒管182に供給される。第2油戻し管122は、第2冷房用油戻し管122aと、第2暖房用油戻し管122bとに分岐している。第2冷房用油戻し管122aは、第2冷房用油逆流防止弁222aが取り付けられ、第2インタークーラ管132に接続されている。第2暖房用油戻し管122bは、第2暖房用油逆流防止弁222bが取り付けられ、第2油分離管112に接続されている。第2分離冷媒管182は、第2冷房用冷媒逆流防止弁182aが取り付けられている。第2油分離管112および第2分離冷媒管182は、後述の第2バイパス管62で接続されている。
第3油分離器43は、第3油分離管113、第3分離冷媒管183および第3油戻し管123に接続されている。第3油分離管113は、第3切換機構33と第3油分離器43とを接続する。第3分離冷媒管183は、第3油分離器43と後述の第3インタークーラ53とを接続する。第3油分離器43は、冷房運転モードにおいて、第3油分離管113を流れる冷媒から潤滑油を分離する。第3油分離器43で冷媒から分離された潤滑油は、第3油戻し管123に供給される。第3油分離器43で潤滑油が分離された冷媒は、第3分離冷媒管183に供給される。第3油戻し管123は、第3冷房用油戻し管123aと、第3暖房用油戻し管123bとに分岐している。第3冷房用油戻し管123aは、第3冷房用油逆流防止弁223aが取り付けられ、第3インタークーラ管133に接続されている。第3暖房用油戻し管123bは、第3暖房用油逆流防止弁223bが取り付けられ、第3油分離管113に接続されている。第3分離冷媒管183は、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aが取り付けられている。第3油分離管113および第3分離冷媒管183は、後述の第3バイパス管63で接続されている。
第4油分離器44は、第4吐出管104b、第4分離冷媒管184および第4油戻し管124に接続されている。第4分離冷媒管184は、第4油分離器44と第4切換機構34とを接続する。第4油分離器44は、冷房運転モードにおいて、第4吐出管104bを流れる冷媒から潤滑油を分離する。第4油分離器44で冷媒から分離された潤滑油は、第4油戻し管124に供給される。第4油分離器44で潤滑油が分離された冷媒は、第4分離冷媒管184に供給される。第4油戻し管124は、第1吸入管101aに接続されている。
第1冷房用油逆流防止弁221a、第2冷房用油逆流防止弁222aおよび第3冷房用油逆流防止弁223aは、冷房運転時における潤滑油の通過のみを許容する逆流防止機構である。第1暖房用油逆流防止弁221b、第2暖房用油逆流防止弁222bおよび第3暖房用油逆流防止弁223bは、暖房運転時における潤滑油の通過のみを許容する逆流防止機構である。
第1冷房用冷媒逆流防止弁181a、第2冷房用冷媒逆流防止弁182aおよび第3冷房用冷媒逆流防止弁183aは、冷房運転時における冷媒の通過のみを許容する逆流防止機構である。第1冷房用冷媒逆流防止弁181aは、後述の第1バイパス管61が接続されるポイントと、第1油分離器41の吐出口との間に取り付けられる。第2冷房用冷媒逆流防止弁182aは、後述の第2バイパス管62が接続されるポイントと、第2油分離器42の吐出口との間に取り付けられる。第3冷房用冷媒逆流防止弁183aは、後述の第3バイパス管63が接続されるポイントと、第3油分離器43の吐出口との間に取り付けられる。
(1−4)室外熱交換器
室外熱交換器12は、第1インタークーラ51、第2インタークーラ52、第3インタークーラ53およびガスクーラ54から構成される。室外熱交換器12は、冷房運転時において冷媒の冷却器として機能し、暖房運転時において冷媒の加熱器として機能する。室外熱交換器12の内部を流れる冷媒と熱交換される媒体は、水および空気等である。
第1インタークーラ51は、第1分離冷媒管181および第1インタークーラ管131に接続されている。第2インタークーラ52は、第2分離冷媒管182および第2インタークーラ管132に接続されている。第3インタークーラ53は、第3分離冷媒管183および第3インタークーラ管133に接続されている。ガスクーラ54は、ガスクーラ管134および高圧冷媒管141に接続されている。
(1−5)エコノマイザ熱交換器
エコノマイザ熱交換器13は、高圧冷媒管141および第1中間圧冷媒管151に接続されている。第1中間圧冷媒管151は、高圧冷媒管141から分岐し、第1膨張弁171が取り付けられている。エコノマイザ熱交換器13は、高圧冷媒管141を流れる高圧の冷媒と、第1膨張弁171を通過して第1中間圧冷媒管151を流れる中間圧の冷媒との間で熱交換を行う。
(1−6)液ガス熱交換器
液ガス熱交換器14は、高圧冷媒管141および低圧冷媒管161に接続されている。液ガス熱交換器14は、エコノマイザ熱交換器13を通過して高圧冷媒管141を流れる高圧の冷媒と、膨張機構15等を通過して低圧冷媒管161を流れる低圧の冷媒との間で熱交換を行う。
(1−7)膨張機構
膨張機構15は、液ガス熱交換器14を通過した高圧冷媒管141を流れる高圧の冷媒を減圧して、気液二相状態の中間圧の冷媒を第2中間圧冷媒管152に供給する。第2中間圧冷媒管152を流れる中間圧の冷媒は、レシーバ16に送られる。膨張機構15は、第2膨張弁172および膨張機71から構成される。
膨張機71は、高温高圧の冷媒が減圧される際に生じる膨張エネルギーを動力として回収し、冷媒を圧縮する圧縮機構21〜24の動力の一部として用いる機構を有している。本実施形態において、膨張機71は、発電式の膨張機である。
(1−8)レシーバ
レシーバ16は、膨張機構15から第2中間圧冷媒管152を介して送られた気液二相状態の中間圧の冷媒を、液冷媒とガス冷媒とに分離する。分離されたガス冷媒は、第3膨張弁173を通過して低圧のガス冷媒となり、低圧冷媒管161に供給され、過冷却熱交換器17に送られる。分離された液冷媒は、第3中間圧冷媒管153に供給され、過冷却熱交換器17に送られる。
(1−9)過冷却熱交換器
過冷却熱交換器17は、第3中間圧冷媒管153を流れる中間圧の冷媒と、低圧冷媒管161を流れる低圧の冷媒との間で熱交換を行う。第3中間圧冷媒管153は、途中で分岐して第4膨張弁174を介して低圧冷媒管161に接続される。すなわち、第3中間圧冷媒管153を流れる中間圧の冷媒の一部は、第4膨張弁174を通過して低圧の冷媒となり、低圧冷媒管161に供給され、過冷却熱交換器17に送られる。
(1−10)室内熱交換器
室内熱交換器18は、複数の室内熱交換ユニット18a,18b,・・・から構成されている。室内熱交換器18は、冷房運転時において冷媒の加熱器として機能し、暖房運転時において冷媒の冷却器として機能する。室内熱交換器18の内部を流れる冷媒と熱交換される媒体は、水および空気等である。
各室内熱交換ユニット18a,18b,・・・は、第1室内熱交管191および第2室内熱交管192に接続されている。各室内熱交換ユニット18a,18b,・・・に接続される第1室内熱交管191の分流管には、それぞれ、第5膨張弁175が取り付けられている。冷房運転時において、第1室内熱交管191は、第3中間圧冷媒管153と連通し、第2室内熱交管192は、第4切換機構34を介して低圧冷媒管161と連通する。暖房運転時において、第1室内熱交管191は、高圧冷媒管141と連通し、第2室内熱交管192は、第4切換機構34を介して第4吐出管104bと連通する。
(1−11)第1乃至第3バイパス管
冷媒回路10は、第1バイパス管61と、第2バイパス管62と、第3バイパス管63とを有している。第1バイパス管61は、暖房運転モードにおいて、第1油分離器41をバイパスする管である。第2バイパス管62は、暖房運転モードにおいて、第2油分離器42をバイパスする管である。第3バイパス管63は、暖房運転モードにおいて、第3油分離器43をバイパスする管である。第1バイパス管61は、第1油分離管111および第1分離冷媒管181に接続され、第1暖房用冷媒逆流防止弁61aが取り付けられている。第2バイパス管62は、第2油分離管112および第2分離冷媒管182に接続され、第2暖房用冷媒逆流防止弁62aが取り付けられている。第1バイパス管63は、第1油分離管113および第1分離冷媒管183に接続され、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aが取り付けられている。
第1暖房用冷媒逆流防止弁61a、第2暖房用冷媒逆流防止弁62aおよび第3暖房用冷媒逆流防止弁63aは、暖房運転時における冷媒の通過のみを許容する逆流防止機構である。
(1−12)制御部
制御部は、多段圧縮機構11を構成する4つの第1乃至第4圧縮機構21〜24に連結されている圧縮機構駆動軸を駆動する圧縮機構駆動モータ、および、第1乃至第4切換機構31〜34に接続されるマイクロコンピュータである。制御部は、外部から入力された情報に基づいて、第1乃至第4圧縮機構21〜24の運転速度を調節する制御、および、冷房運転モードと暖房運転モードとの間を切り換える制御等を行う。
(2)空気調和装置の動作
空気調和装置100の動作について、図1〜図6を参照しながら説明する。図3は、冷房運転時における冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図(p−h線図)である。図6は、暖房運転時における冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図(p−h線図)である。図3および図6において、上に凸の曲線は、冷媒の飽和液線および乾き飽和蒸気線である。図3および図6において、冷凍サイクル上の英文字が付された点は、それぞれ、図1および図4において同じ英文字で表される点における冷媒の圧力およびエンタルピを表す。例えば、図1の点Bにおける冷媒は、図3の点Bにおける圧力およびエンタルピを有する。なお、空気調和装置100の冷房運転時および暖房運転時における運転制御は、制御部によって行われる。
(2−1)冷房運転時の動作
冷房運転時では、図1に示される矢印に沿って、多段圧縮機構11、室外熱交換器12、膨張機構15、室内熱交換器18の順に冷媒が冷媒回路10内を循環する。以下、冷房運転時における空気調和装置100の動作について、図1〜3を参照しながら説明する。
最初に、第1吸入管101a内の低圧の冷媒は、第1圧縮機構21で圧縮されて、第1吐出管101bに吐出される(点A,B)。圧縮された冷媒は、第1切換機構31を通過した後、第1油分離管111を流れて、第1油分離器41において潤滑油が分離される。潤滑油が分離された冷媒は、第1分離冷媒管181を流れて、第1インタークーラ51で冷却される。第1インタークーラ51で冷却された冷媒は、第1インタークーラ管131を介して第2吸入管102aに供給される(点B,C)。第1油分離器41で分離された潤滑油は、図2に示されるように、第1油戻し管121および第1冷房用油戻し管121aを経て、第1インタークーラ管131を流れる冷媒に合流する。第1油分離管111を流れる冷媒は、第1暖房用冷媒逆流防止弁61aを通過できないので、第1バイパス管61を経由して第1分離冷媒管181に流入しない。
次に、第2吸入管102a内の冷媒は、第2圧縮機構22で圧縮されて、第2吐出管102bに吐出される(点C,D)。圧縮された冷媒は、第2切換機構32を通過した後、第2油分離管112を流れて、第2油分離器42において潤滑油が分離される。潤滑油が分離された冷媒は、第2分離冷媒管182を流れて、第2インタークーラ52で冷却される。第2インタークーラ52で冷却された冷媒は、第2インタークーラ管132に供給される(点D,E)。第2インタークーラ管132を流れる冷媒は、エコノマイザ熱交換器13において熱交換されて第1中間圧冷媒管151を流れる中間圧の冷媒と合流した後、第3吸入管103aに供給される(点E,F)。第2油分離器42で分離された潤滑油は、図2に示されるように、第2油戻し管122および第2冷房用油戻し管122aを経て、第2インタークーラ管132を流れる冷媒に合流する。第2油分離管112を流れる冷媒は、第2暖房用冷媒逆流防止弁62aを通過できないので、第2バイパス管62を経由して第2分離冷媒管182に流入しない。
次に、第3吸入管103a内の冷媒は、第3圧縮機構23で圧縮されて、第3吐出管103bに吐出される(点F,G)。圧縮された冷媒は、第3切換機構33を通過した後、第3油分離管113を流れて、第3油分離器43において潤滑油が分離される。潤滑油が分離された冷媒は、第3分離冷媒管183を流れて、第3インタークーラ53で冷却される。第3インタークーラ53で冷却された冷媒は、第3インタークーラ管133を介して第4吸入管104aに供給される(点G,H)。第3油分離器43で分離された潤滑油は、図2に示されるように、第3油戻し管123および第3冷房用油戻し管123aを経て、第3インタークーラ管133を流れる冷媒に合流する。第3油分離管113を流れる冷媒は、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aを通過できないので、第3バイパス管63を経由して第3分離冷媒管183に流入しない。
次に、第4吸入管104a内の冷媒は、第4圧縮機構24で圧縮されて、第4吐出管104bに吐出される(点H,I)。第4吐出管104bを流れる高圧の冷媒は、第4油分離器44において潤滑油が分離される。潤滑油が分離された高圧の冷媒は、第4分離冷媒管184および第4切換機構34を通過した後、ガスクーラ管134を流れて、ガスクーラ54で冷却される。ガスクーラ54で冷却された高圧の冷媒は、高圧冷媒管141に供給される(点I,J)。第4油分離器44で分離された潤滑油は、第4油戻し管124を介して第1吸入管101aに戻される。
次に、高圧冷媒管141内の冷媒は、エコノマイザ熱交換器13で熱交換され(点J,M)、さらに、液ガス熱交換器14で熱交換される(点M,N)。高圧冷媒管141内の冷媒の一部は、第1中間圧冷媒管151に分流して、第1膨張弁171を通過して減圧される(点J,K)。減圧された冷媒は、エコノマイザ熱交換器13で熱交換され(点K,L)、さらに、第2インタークーラ管132に供給されて、第2インタークーラ52で冷却された冷媒と合流する(点L,F)。
次に、液ガス熱交換器14で熱交換された冷媒は、2つに分流し、膨張機構15を通過して中間圧の冷媒となる。膨張機構15では、分流した一方の冷媒は、第2膨張弁172を通過して減圧され(点N,Q)、分流した他方の冷媒は、膨張機71を通過して減圧される(点N,R)。第2膨張弁172および膨張機71をそれぞれ通過して減圧された中間圧の冷媒は、第2中間圧冷媒管152で合流する(点Q,R,S)。中間圧の冷媒は、第2中間圧冷媒管152を流れてレシーバ16に流入する。レシーバ16に流入した気液二相状態の中間圧の冷媒は、液冷媒とガス冷媒とに分離される(点S,T,W)。
次に、レシーバ16で分離された液冷媒は、第3中間圧冷媒管153を流れ、過冷却熱交換器17で熱交換される(点T,V)。一方、レシーバ16で分離されたガス冷媒は、第3膨張弁173を通過して低圧のガス冷媒となる(点W,Y)。第3中間圧冷媒管153を流れる冷媒の一部は、分流して、第4膨張弁174を通過して低圧のガス冷媒となる(点T,U)。第3膨張弁173および第4膨張弁174をそれぞれ通過した低圧のガス冷媒は、合流し(点U,Y,Z)、過冷却熱交換器17で熱交換される(点Z,AB)。熱交換された冷媒は、低圧冷媒管161を流れて、室内熱交換器18で加熱された冷媒と合流する(点AB,AD)。
次に、過冷却熱交換器17で熱交換された中間圧の冷媒は、第4中間圧冷媒管154を経由して、第1室内熱交管191に供給されて分流した後に、各第5膨張弁175を通過して低圧の冷媒となる(点V,X)。各第5膨張弁175を通過した低圧の冷媒は、室内熱交換器18の各室内熱交換ユニット18a,18b,・・・で加熱されて、第2室内熱交管192の各分流管に供給される(点X,AC)。その後、加熱された低圧の冷媒は、合流した後、第4切換機構34を経由して低圧冷媒管161を流れ、過冷却熱交換器17で熱交換された冷媒と合流する(点AC,AD)。
最後に、合流した低圧の冷媒は、液ガス熱交換器14で熱交換される(点AD,AE)。熱交換された冷媒は、第1吸入管101aに供給される(点AE,A)。以上のように冷媒が冷媒回路10内を循環することにより、空気調和装置100の冷媒回路10は冷房運転モードを行う。
(2−2)暖房運転時の動作
暖房運転時では、図4に示される矢印に沿って、多段圧縮機構11、室内熱交換器18、膨張機構15、室外熱交換器12の順に冷媒が冷媒回路10内を循環する。以下、暖房運転時における空気調和装置100の動作について、図4〜6を参照しながら説明する。
最初に、第1吸入管101a内の低圧の冷媒は、第1圧縮機構21で圧縮されて、第1吐出管101bに吐出される(点A,B)。圧縮された冷媒は、第1切換機構31を通過した後、第2吸入管102aに供給される(点B,C)。
次に、第2吸入管102a内の冷媒は、第2圧縮機構22で圧縮されて、第2吐出管102bに吐出される(点C,D)。圧縮された冷媒は、第2切換機構32を通過した後、第3吸入管103aに供給される(点D,F)。第3吸入管103aを流れる冷媒は、エコノマイザ熱交換器13において熱交換されて第1中間圧冷媒管151および第2インタークーラ管132を流れる中間圧の冷媒と合流する。
次に、第3吸入管103a内の冷媒は、第3圧縮機構23で圧縮されて、第3吐出管103bに吐出される(点F,G)。圧縮された冷媒は、第3切換機構33を通過した後、第4吸入管104aに供給される(点G,H)。
次に、第4吸入管104a内の冷媒は、第4圧縮機構24で圧縮されて、第4吐出管104bに吐出される(点H,I)。第4吐出管104bを流れる高圧の冷媒は、第4油分離器44において潤滑油が分離される。潤滑油が分離された高圧の冷媒は、第4切換機構34を通過した後、第2室内熱交管192の各分流管に供給される(点I,AC)。第4油分離器44で分離された潤滑油は、第4油戻し管124を介して第1吸入管101aに戻される。
次に、第2室内熱交管192の各分流管内の高圧の冷媒は、室内熱交換器18の各室内熱交換ユニット18a,18b,・・・で冷却される(点AC,X)。冷却された高圧の冷媒は、第1室内熱交管191の各分流管において第5膨張弁175を通過してわずかに減圧された後、合流して、高圧冷媒管141に供給される(点X,J)。
次に、高圧冷媒管141内の冷媒は、エコノマイザ熱交換器13で熱交換され(点J,M)、さらに、液ガス熱交換器14で熱交換される(点M,N)。高圧冷媒管141内の冷媒の一部は、第1中間圧冷媒管151に分流して、第1膨張弁171を通過して減圧される(点J,K)。減圧された冷媒は、エコノマイザ熱交換器13で熱交換され(点K,L)、さらに、第2インタークーラ管132を経由して第3吸入管103aに供給されて、第2圧縮機構22で圧縮された冷媒と合流する(点L,F)。
次に、液ガス熱交換器14で熱交換された冷媒は、2つに分流し、膨張機構15を通過して中間圧の冷媒となる。膨張機構15では、分流した一方の冷媒は、第2膨張弁172を通過して減圧され(点N,Q)、分流した他方の冷媒は、膨張機71を通過して減圧される(点N,R)。第2膨張弁172および膨張機71をそれぞれ通過して減圧された中間圧の冷媒は、第2中間圧冷媒管152で合流する(点Q,R,S)。中間圧の冷媒は、第2中間圧冷媒管152を流れてレシーバ16に流入する。レシーバ16に流入した気液二相状態の中間圧の冷媒は、液冷媒とガス冷媒とに分離される(点S,T,W)。
次に、レシーバ16で分離された液冷媒は、第3中間圧冷媒管153を流れ、過冷却熱交換器17で熱交換される(点T,V)。一方、レシーバ16で分離されたガス冷媒は、第3膨張弁173を通過して低圧のガス冷媒となる(点W,Y)。第3中間圧冷媒管153を流れる冷媒の一部は、分流して、第4膨張弁174を通過して低圧のガス冷媒となる(点T,U)。第3膨張弁173および第4膨張弁174をそれぞれ通過した低圧のガス冷媒は、合流し(点U,Y,Z)、過冷却熱交換器17で熱交換される(点Z,AB)。熱交換された冷媒は、低圧冷媒管161を流れて、室外熱交換器12で加熱された冷媒と合流する(点AB,AD)。
次に、過冷却熱交換器17で熱交換された中間圧の冷媒は、図4に示されるように、第4中間圧冷媒管154を流れて2つに分流する。分流した一方の冷媒は、第6膨張弁176を通過して低圧の冷媒となる(点V,AG)。分流した他方の冷媒は、第7膨張弁177を通過して低圧の冷媒となる(点V,AH)。
第6膨張弁176を通過した低圧の冷媒は、高圧冷媒管141を流れて、ガスクーラ54で加熱される。加熱された冷媒は、ガスクーラ管134を流れ、第4切換機構34を通過する。第4切換機構34を通過した低圧の冷媒は、第7膨張弁177を通過して第1乃至第3インタークーラ51〜53で加熱された低圧の冷媒と合流する(点AG,AI)。
一方、第7膨張弁177を通過した低圧の冷媒は、最初に、第3インタークーラ53で加熱される。加熱された冷媒は、第3分離冷媒管183、第3バイパス管63および第3油分離管113を順に流れて、第3切換機構33を通過する(点AH,AJ)。第3切換機構33を通過した低圧の冷媒は、第6中間圧冷媒管156を流れて、次に、第2インタークーラ52で加熱される。加熱された冷媒は、第2分離冷媒管182、第2バイパス管62および第2油分離管112を順に流れて、第2切換機構32を通過する(点AJ,AK)。第2切換機構32を通過した低圧の冷媒は、第5中間圧冷媒管155を流れて、次に、第1インタークーラ51で加熱される。加熱された冷媒は、第1分離冷媒管181、第1バイパス管61および第1油分離管111を順に流れて、第1切換機構31を通過する(点AK,AL)。従って、第7膨張弁177を通過した低圧の冷媒は、第3インタークーラ53、第2インタークーラ52および第1インタークーラ51を順に通過して加熱される。第7膨張弁177を通過した低圧の冷媒は、第1乃至第3バイパス管61〜63を流れ、第1乃至第3油分離器41〜43を通過しない。
次に、第1切換機構31を通過した低圧の冷媒は、第6膨張弁176を通過してガスクーラ54で加熱された低圧の冷媒と合流する(点AL,AI)。合流した低圧の冷媒は、過冷却熱交換器17で熱交換された冷媒と合流する(点AI,AD)。
最後に、合流した低圧の冷媒は、液ガス熱交換器14で熱交換される(点AD,AE)。熱交換された冷媒は、第1吸入管101aに供給される(点AE,A)。以上のように冷媒が冷媒回路10内を循環することにより、空気調和装置100の冷媒回路10は暖房運転モードを行う。
(3)空気調和装置の特徴
本実施形態に係る空気調和装置100の冷媒回路10は、第1乃至第3油分離器41〜43および第1乃至第3バイパス管61〜63を備えている。冷房運転モードの冷媒回路10では、第1乃至第3油分離器41〜43は、それぞれ、第1乃至第3圧縮機構21〜23と第1乃至第3インタークーラ51〜53との間に設けられている。第1乃至第3油分離器41〜43は、それぞれ、第1乃至第3圧縮機構21〜23で圧縮された冷媒から潤滑油を分離する。これにより、冷房運転時において、第1乃至第3インタークーラ51〜53に潤滑油が流入して、第1乃至第3インタークーラ51〜53における冷媒の熱交換の効率が低下することが抑制される。
一方、暖房運転モードの冷媒回路10では、低圧の冷媒は、第3インタークーラ53、第2インタークーラ52および第1インタークーラ51を順に通過して加熱される。図5に示されるように、第3油分離器43は、第3インタークーラ53と第2インタークーラ52との間に設けられ、第2油分離器42は、第2インタークーラ52と第1インタークーラ51との間に設けられ、第1油分離器41は、第1インタークーラ51と液ガス熱交換器14との間に設けられている。第1乃至第3油分離器41〜43は、それぞれ、第1乃至第3バイパス管61〜63によってバイパスされている。第3インタークーラ53を通過した冷媒は、第3油分離器43を通過することなく、第3バイパス管63を経由して第2インタークーラ52に流入する。第2インタークーラ52を通過した冷媒は、第2油分離器42を通過することなく、第2バイパス管62を経由して第1インタークーラ51に流入する。第1インタークーラ51を通過した冷媒は、第1油分離器41を通過することなく、第1バイパス管61を経由して液ガス熱交換器14に流入する。
第1乃至第3油分離器41〜43および第1乃至第3バイパス管61〜63の近傍における冷媒の流れについて、図7を参照しながら説明する。図7は、第3油分離器43の近傍における、冷媒回路10の配管を示す図である。図7には、冷房運転時における冷媒の流れである冷房時冷媒流F1が破線で示され、暖房運転時における冷媒の流れである暖房時冷媒流F2が点線で示されている。
冷房時冷媒流F1は、第3切換機構33を通過した冷媒が、第3油分離管113を流れて、第3油分離器43において潤滑油が分離され、さらに、第3分離冷媒管183を流れて、第3インタークーラ53に流入する流れである。冷房時冷媒流F1の冷媒は、第3分離冷媒管183に取り付けられる第3冷房用冷媒逆流防止弁183aを通過できる。しかし、冷房時冷媒流F1の冷媒は、第3バイパス管63に取り付けられる第3暖房用冷媒逆流防止弁63aを通過できない。そのため、冷房時冷媒流F1は、第3バイパス管63を経由して第3油分離器43をバイパスできない。
暖房時冷媒流F2は、第3インタークーラ53を通過した冷媒が、第3分離冷媒管183を流れて、第3バイパス管63を通過し、さらに、第3油分離管113を流れて、第3切換機構33に流入する流れである。暖房時冷媒流F2の冷媒は、第3バイパス管63に取り付けられる第3暖房用冷媒逆流防止弁63aを通過できる。しかし、暖房時冷媒流F2の冷媒は、第3分離冷媒管183に取り付けられる第3冷房用冷媒逆流防止弁183aを通過できないので、第3油分離器43を経由して第3油分離管113に流入しない。
従って、冷房運転モードの冷媒回路10では、冷媒は、第3油分離器43を通過し、暖房運転モードの冷媒回路10では、冷媒は、第3油分離器43を通過しない。すなわち、第3バイパス管63は、暖房運転時における第3油分離器43のバイパス路として機能する。
以上の説明は、第2油分離器42および第1油分離器41の近傍における冷媒の流れにも適用可能である。従って、冷房運転モードの冷媒回路10では、冷媒は、第1油分離器41および第2油分離器42を通過し、暖房運転モードの冷媒回路10では、冷媒は、第1油分離器41および第2油分離器42をしない。すなわち、第1バイパス管61および第2バイパス管62は、それぞれ、暖房運転時における第1油分離器41および第2油分離器42のバイパス路として機能する。
次に、第1乃至第3バイパス管61〜63の効果について説明する。空気調和装置100の運転時において、多段圧縮機構11に液冷媒が流入して第1乃至第4圧縮機構21〜24が湿り運転を行うと、多段圧縮機構11が故障して空気調和装置100の信頼性が低下するおそれがある。空気調和装置100の信頼性の低下を抑制するためには、例えば、多段圧縮機構11に吸入される冷媒の過熱度である吸入過熱度を確保する必要がある。これにより、多段圧縮機構11に液冷媒が流入することが抑制される。
冷媒回路10が暖房運転モードにあるとき、吸入過熱度を確保するために、第3インタークーラ53の吸入側に接続されている第7膨張弁177の開度を下げる制御が行われる。第7膨張弁177の開度を下げると、第3インタークーラ53、第2インタークーラ52および第1インタークーラ51を順に通過する冷媒の圧力が低下して、第1乃至第3インタークーラ51〜53において熱交換される冷媒の量が減少する。これにより、第1乃至第3インタークーラ51〜53における冷媒の熱交換の効率が向上し、吸入過熱度が上昇する。
ここで、図8について説明する。図8は、図7に示される構成から第3バイパス管63および第3冷房用冷媒逆流防止弁183aが取り除かれた構成を有する従来例を示す。図8には、暖房運転時における冷媒の流れである暖房時冷媒流F3が点線で示されている。暖房運転時において、第3インタークーラ53を通過した冷媒は、第3油分離器43を通過して、第2インタークーラ52に流入する。第3インタークーラ53には気液二相冷媒が流入するため、第3油分離器43には、ある程度の液冷媒が貯留される。そのため、第7膨張弁177の開度を下げる制御を行っても、第3油分離器43に貯留される液冷媒が蒸発するため、第2インタークーラ52に流入する冷媒の圧力は低下しにくい。これにより、第7膨張弁177の開度を下げてから、第2インタークーラ52における冷媒の熱交換の効率が向上して吸入過熱度が上昇し始めるまでの時間が長くなる傾向にある。また、第3油分離器43の熱容量は大きいので、第3油分離器43を冷媒が通過することにより、後続の第2インタークーラ52における冷媒の熱交換の効率が低下する。すなわち、図8に示される構成は、第3油分離器43、および、第3油分離器43に貯留される液冷媒に起因して、第7膨張弁177の開度制御による吸入過熱度の応答性が低いという問題点を有している。吸入過熱度の応答性が低い場合、暖房運転時において吸入過熱度が適切に確保されず、空気調和装置100の信頼性が低下するおそれがある。
一方、本実施形態の空気調和装置100では、上述したように、暖房運転時において、第3インタークーラ53で熱交換された冷媒は、第3バイパス管63を通過することで、第3油分離器43をバイパスして第2インタークーラ52に流入する。そのため、暖房運転時において、第3油分離器43に貯留される液冷媒が蒸発して、第2インタークーラ52に流入することが抑制される。これにより、暖房運転時において、第7膨張弁177の開度を下げてから、第2インタークーラ52における冷媒の熱交換の効率が向上して吸入過熱度が上昇し始めるまでの時間が長くなることが抑制される。従って、第3油分離器43、および、第3油分離器43に貯留される液冷媒に起因して、第7膨張弁177の開度制御による吸入過熱度の応答性が低下することが、第3バイパス管63によって抑制される。言い換えると、第3バイパス管63は、暖房運転時における吸入過熱度を確保して、空気調和装置100の信頼性を向上させる効果を有する。同様に、第1バイパス管61および第2バイパス管62も、暖房運転時における吸入過熱度を確保して、空気調和装置100の信頼性を向上させる効果を有する。
また、第3バイパス管63は、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aが取り付けられている。これにより、冷房運転時において、第2圧縮機構22で圧縮された冷媒は、第3バイパス管63を通過することができないので、冷媒に含まれる潤滑油が第3インタークーラ53に流入することが抑制される。一方、暖房運転時において、第3インタークーラ53で熱交換された冷媒は、第3バイパス管63を通過して、第2インタークーラ52に流入することができる。すなわち、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aは、冷房運転時において第3バイパス管63を冷媒が通過することを禁止することで、第3インタークーラ53における熱交換の効率の低下を抑制することができる。同様に、第1暖房用冷媒逆流防止弁61aおよび第2暖房用冷媒逆流防止弁62aも、それぞれ、第1インタークーラ51および第2インタークーラ52における熱交換の効率の低下を抑制することができる。
また、第3分離冷媒管183は、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aが取り付けられている。冷房運転時において、第2圧縮機構22で圧縮された冷媒は、第3油分離器43を通過して、第3インタークーラ53に流入することができる。一方、暖房運転時において、第3インタークーラ53で熱交換された冷媒は、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aを通過することができず、第3油分離器43に流入することができない。すなわち、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aは、暖房運転時において第3油分離器43を冷媒が通過することを禁止することで、上述の理由により、空気調和装置100の信頼性の低下を抑制する。同様に、第1冷房用冷媒逆流防止弁181aおよび第2冷房用冷媒逆流防止弁182aも、それぞれ、暖房運転時において第1油分離器41および第2油分離器42を冷媒が通過することを禁止することで、空気調和装置100の信頼性の低下を抑制する。
(4)変形例
(4−1)変形例A
本実施形態では、空気調和装置100の冷媒回路10は、第1圧縮機構21、第2圧縮機構22、第3圧縮機構23および第4圧縮機構24からなる4個の圧縮機構が直列に接続された多段圧縮機構11を備えている。しかし、多段圧縮機構11は、3個または5個以上の圧縮機構が直列に接続された構成を有してもよい。
多段圧縮機構11が3個の圧縮機構が直列に接続された構成を有する場合、例えば、冷媒回路10は、本実施形態の冷媒回路10から第1圧縮機構21、第1切換機構31、第1油分離器41および第1インタークーラ51が取り除かれた構成を有する。
(4−2)変形例B
本実施形態では、冷媒回路10は、第1乃至第3バイパス管61〜63を備えている。しかし、冷媒回路10は、第3バイパス管63のみを備えてもよく、また、第3バイパス管63および第2バイパス管62のみを備えてもよい。第1乃至第3バイパス管61〜63は、室外熱交換器12において熱交換される冷媒の量を減少させて、吸入過熱度を向上させる効果を有する。第1乃至第3バイパス管61〜63のうち、暖房運転モードにおける冷媒の流れの最も上流に位置する第3バイパス管63は、第2インタークーラ52および第1インタークーラ51において熱交換される冷媒の量を減少させることができる。また、第2バイパス管62は、第1インタークーラ51において熱交換される冷媒の量を減少させることができる。そのため、吸入過熱度を向上させる効果は、第3バイパス管63が最も大きく、第2バイパス管62が次に大きい。
(4−3)変形例C
本実施形態では、第3分離冷媒管183は、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aが取り付けられている。しかし、第3分離冷媒管183は、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aが取り付けられていなくてもよい。
この場合、暖房運転時において、第3インタークーラ53で熱交換された冷媒の一部は、第3油分離器43を通過することができる。しかし、第3バイパス管63に取り付けられる第3暖房用冷媒逆流防止弁63aのCV値は、第3油分離器43のCV値と比較して十分に大きい。そのため、第3インタークーラ53で熱交換された冷媒の大部分は、第3バイパス管63を通過して第2インタークーラ52に流入する。従って、第3分離冷媒管183に第3冷房用冷媒逆流防止弁183aが取り付けられていなくても、第3インタークーラ53で熱交換された冷媒の一部しか、第3油分離器43に流入しない。また、第3油分離器43に流入した少量の冷媒は、第3油戻し管123から直ちに排出される。
本変形例は、第1分離冷媒管181および第2分離冷媒管182にも適用可能である。すなわち、第1分離冷媒管181は、第1冷房用冷媒逆流防止弁181aが取り付けられていなくてもよく、第2分離冷媒管182は、第2冷房用冷媒逆流防止弁182aが取り付けられていなくてもよい。
(4−4)変形例D
本実施形態では、冷媒回路10は、第1乃至第3油分離器41〜43をバイパスする第1乃至第3バイパス管61〜63を備えている。しかし、冷媒回路10は、第1乃至第3バイパス管61〜63をバイパスするキャピラリーチューブ283aをさらに備えてもよい。
図9は、本変形例における冷媒回路の配管を示す図である。図9は、図7に示される構成に、圧力逃がし管283およびキャピラリーチューブ283aが追加された構成を示す。圧力逃がし管283は、図9に示されるように、第3分離冷媒管183および第3油分離管113に接続されている配管である。キャピラリーチューブ283aは、圧力逃がし管283に取り付けられている細管である。
キャピラリーチューブ283aは、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aおよび第3冷房用冷媒逆流防止弁183aの異常検知を容易にするために設けられる。本実施形態の冷媒回路10では、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aに異常が発生して、暖房運転時において冷媒が第3暖房用冷媒逆流防止弁63aを正常に通過できない場合、第3インタークーラ53の圧力が異常に上昇し、かつ、多段圧縮機構11に流入する冷媒の圧力が異常に低下するおそれがある。また、本実施形態の冷媒回路10では、第3冷房用冷媒逆流防止弁183aに異常が発生して、冷房運転時において冷媒が第3冷房用冷媒逆流防止弁183aを正常に通過できない場合、第3油分離器43の圧力が異常に上昇し、かつ、多段圧縮機構11から吐出される冷媒の圧力が異常に低下するおそれがある。従って、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aおよび第3冷房用冷媒逆流防止弁183aの少なくとも一方に異常が発生すると、空気調和装置100の信頼性が低下するおそれがある。
本変形例では、第3バイパス管63をバイパスするキャピラリーチューブ283aを設けることで、第3バイパス管63が接続される第3分離冷媒管183および第3油分離管113の少なくとも一方において圧力異常が発生した場合に、高圧側の配管から低圧側の配管に圧力を逃がすことができる。これにより、冷媒回路10では、圧力センサーによって検知されるレベルの圧力異常は発生せず、空気調和装置100は、通常とは異なる冷媒圧力下で運転するため、第3暖房用冷媒逆流防止弁63aおよび第3冷房用冷媒逆流防止弁183aに異常が発生したことを容易に検知することができる。従って、キャピラリーチューブ283aは、冷媒回路10の異常検知を容易にして、空気調和装置100の信頼性を確保する効果を有する。
本変形例は、第1バイパス管61および第2バイパス管62にも適用可能である。すなわち、冷媒回路10は、第1バイパス管61および第2バイパス管62をそれぞれバイパスするキャピラリーチューブをさらに備えてもよい。
(4−5)変形例E
本実施形態では、空気調和装置100の多段圧縮機構11を構成する第1乃至第4圧縮機構21〜24は、ロータリー式の圧縮機構であるが、例えば、スクロール式の圧縮機構であってもよい。
(4−6)変形例F
本実施形態では、第1乃至第4切換機構31〜34は、四路切換弁であるが、例えば、複数の電磁弁を組み合わせることによって冷房運転モードと暖房運転モードとを切り換える機能を有する機構であってもよい。
本発明に係る冷凍装置は、暖房運転時における応答性を向上させて、信頼性を確保することができる。
11 多段圧縮機構
12 室外熱交換器(熱源側熱交換機構)
21 第1圧縮機構(低段圧縮部)
22 第2圧縮機構(第1圧縮部)
23 第3圧縮機構(第2圧縮部)
24 第4圧縮機構(高段圧縮部)
31 第1切換機構(切替機構)
32 第2切換機構(切替機構)
33 第3切換機構(切替機構)
34 第4切換機構(切替機構)
41 第1油分離器(低段油分離部)
42 第2油分離器(第1油分離部)
43 第3油分離器(第2油分離部)
44 第4油分離器(高段油分離部)
51 第1インタークーラ(低段熱交換部)
52 第2インタークーラ(第1熱交換部)
53 第3インタークーラ(第2熱交換部)
54 ガスクーラ(高段熱交換部)
61 第1バイパス管(第3バイパス路)
62 第2バイパス管(第2バイパス路)
63 第3バイパス管(第1バイパス路)
61a 第1暖房用冷媒逆流防止弁(第1逆止弁)
62a 第2暖房用冷媒逆流防止弁(第1逆止弁)
63a 第3暖房用冷媒逆流防止弁(第1逆止弁)
100 空気調和装置(冷凍装置)
181 第1分離冷媒管(分離冷媒管)
182 第2分離冷媒管(分離冷媒管)
183 第3分離冷媒管(分離冷媒管)
181a 第1冷房用冷媒逆流防止弁(第2逆止弁)
182a 第2冷房用冷媒逆流防止弁(第2逆止弁)
183a 第3冷房用冷媒逆流防止弁(第2逆止弁)
283a キャピラリーチューブ
特開2009−257704号公報

Claims (8)

  1. 直列に接続される第1圧縮部(22)、第2圧縮部(23)および高段圧縮部(24)を含み、冷媒を圧縮する多段圧縮機構(11)と、
    第1熱交換部(52)、第2熱交換部(53)および高段熱交換部(54)を含み、前記冷媒の熱交換を行う熱源側熱交換機構(12)と、
    前記熱源側熱交換機構を放熱器として用いる第1状態と、前記熱源側熱交換機構を蒸発器として用いる第2状態とを切り替える切替機構と、
    前記冷媒から、前記冷媒に含まれる油を分離する複数の油分離部と、
    前記第2状態において前記熱源側熱交換機構で熱交換された前記冷媒が通過するバイパス機構と、
    を備え、
    前記複数の油分離部は、
    前記第1状態において前記第1圧縮部と前記第1熱交換部との間に配置される第1油分離部(42)と、
    前記第1状態において前記第2圧縮部と前記第2熱交換部との間に配置される第2油分離部(43)と、
    前記第1状態において前記高段圧縮部と前記高段熱交換部との間に配置される高段油分離部(44)と、
    を含み、
    前記第2状態において、少なくとも前記第1熱交換部および前記第2熱交換部は直列に接続され、かつ、前記第2油分離部は前記第1熱交換部と前記第2熱交換部との間に配置され、
    前記バイパス機構は、前記冷媒の流路であり前記第2油分離部をバイパスする第1バイパス路(63)を含む、
    冷凍装置(100)。
  2. 前記第2状態において、前記第1油分離部は前記第1熱交換部と前記多段圧縮機構との間に配置され、
    前記バイパス機構は、前記冷媒の流路であり前記第1油分離部をバイパスする第2バイパス路(62)をさらに含む、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記多段圧縮機構は、低段圧縮部(21)をさらに含み、
    前記熱源側熱交換器は、低段熱交換部(51)をさらに含み、
    前記複数の油分離部は、前記第1状態において前記低段圧縮部と前記低段熱交換部との間に配置される低段油分離部(41)をさらに含み、
    前記第2状態において、少なくとも前記第1熱交換部、前記第2熱交換部および前記低段熱交換部は直列に接続され、かつ、前記第1油分離部は前記第1熱交換部と前記低段熱交換部との間に配置される、
    請求項1または2に記載の冷凍装置。
  4. 前記第2状態において、前記低段油分離部は前記低段熱交換部と前記多段圧縮機構との間に配置され、
    前記バイパス機構は、前記冷媒の流路であり前記低段油分離部をバイパスする第3バイパス路(61)をさらに含む、
    請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記第2状態において、前記第2熱交換部および前記高段熱交換部は、並列に接続されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  6. 前記バイパス機構に取り付けられる第1逆止弁(61a,62a,63a)をさらに備え、
    前記第1逆止弁は、前記第1状態において前記バイパス機構を前記冷媒が通過することを禁止し、かつ、前記第2状態において前記バイパス機構を前記冷媒が通過することを許可する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  7. 前記第1状態において、前記バイパス機構によってバイパスされる前記油分離部から流出する前記冷媒の流路である分離冷媒管(181,182,183)に取り付けられる第2逆止弁(181a,182a,183a)をさらに備え、
    前記第2逆止弁は、前記第1状態において前記分離冷媒管を前記冷媒が通過することを許可し、かつ、前記第2状態において前記分離冷媒管を前記冷媒が通過することを禁止する、
    請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 前記バイパス機構をバイパスするキャピラリーチューブ(283a)をさらに備える、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の冷凍装置。
JP2014088025A 2014-04-22 2014-04-22 冷凍装置 Pending JP2015206555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014088025A JP2015206555A (ja) 2014-04-22 2014-04-22 冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014088025A JP2015206555A (ja) 2014-04-22 2014-04-22 冷凍装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015206555A true JP2015206555A (ja) 2015-11-19

Family

ID=54603471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014088025A Pending JP2015206555A (ja) 2014-04-22 2014-04-22 冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015206555A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5288020B1 (ja) 冷凍装置
JP5120056B2 (ja) 冷凍装置
JP5239824B2 (ja) 冷凍装置
KR100846567B1 (ko) 냉동장치
JP7096511B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2011089736A (ja) 冷凍サイクル装置,空気調和機
JP2007093017A (ja) 冷凍装置
JP2019015434A (ja) 空気調和装置
JP2010078164A (ja) 冷凍空調装置
JP2008002742A (ja) 冷凍装置
JP5403047B2 (ja) 冷凍装置
JP5895662B2 (ja) 冷凍装置
JP2015132413A (ja) 冷凍装置
JP6765086B2 (ja) 冷凍装置
JP5958022B2 (ja) 冷凍装置
JP2013210158A (ja) 冷凍装置
JP2015206555A (ja) 冷凍装置
JP6354209B2 (ja) 冷凍装置
JP2014126324A (ja) 冷凍装置
JP6435718B2 (ja) 冷凍装置
JP5429310B2 (ja) 冷凍装置
JP2015132414A (ja) 冷凍装置
JP2013139936A (ja) 冷凍装置
JP2016125749A (ja) 冷凍装置
JP2020056567A (ja) 冷凍サイクル装置